(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066626
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置
(51)【国際特許分類】
B65C 1/04 20060101AFI20240509BHJP
B65C 9/40 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B65C1/04
B65C9/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176136
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花岡 哲
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA16
3E095BA03
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA32
3E095DA42
3E095DA48
3E095DA54
3E095DA82
3E095EA02
3E095EA09
3E095EA13
3E095EA26
3E095EA34
3E095FA01
3E095FA08
3E095FA13
3E095FA25
(57)【要約】
【課題】ラベル貼付装置において、装置製造コストを低減させることができ、また、ラベルの貼り付け不良が生じることを抑制することができるものとする。
【解決手段】容器10にラベル20を貼り付けるラベル貼付装置1であって、ラベル20は、中途部21と一側部22と他側部23とを有し、一側部22と他側部23とが中途部21から両側にそれぞれ延出するように構成されるものであり、容器10を搬送する搬送部3と、搬送部3のホルダ30に保持された状態の容器10にラベル20の中途部21を貼り付ける第一ラベル貼付部5と、第一ラベル貼付部5においてラベル20の中途部21が貼り付けられた状態の容器10にさらにラベル20の一側部22及び他側部23を貼り付ける第二ラベル貼付部7と、を備えるものとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器にラベルを貼り付けるラベル貼付装置であって、
前記ラベルは、中途部と一側部と他側部とを有し、前記一側部と前記他側部とが前記中途部から両側にそれぞれ延出するように構成されるものであり、
前記容器をホルダで保持して上流側から下流側に前記容器を搬送する搬送部と、
前記搬送部の前記ホルダに保持された状態の前記容器に前記ラベルの前記中途部を貼り付ける第一ラベル貼付部と、
前記搬送部の前記ホルダに保持されて前記第一ラベル貼付部において前記ラベルの前記中途部が貼り付けられた状態の前記容器にさらに前記ラベルの前記一側部及び前記他側部を貼り付ける第二ラベル貼付部と、を備える、ラベル貼付装置。
【請求項2】
撮影部と、制御部と、を備え、
前記撮影部は、前記ラベルの前記中途部が前記容器に貼り付けられた後であって前記ラベルの前記一側部及び前記他側部が前記容器に貼り付けられる前の状態で、前記ラベルの前記中途部と前記一側部と前記他側部及び前記容器を撮影し、前記撮影した前記ラベルの前記中途部と前記一側部と前記他側部に関する情報及び前記容器に関する情報を前記制御部に送信し、
前記制御部は、前記撮影部から送信される前記ラベルの前記中途部と前記一側部と前記他側部に関する情報及び前記容器に関する情報を基に、前記容器に貼り付けられた前記ラベルの前記容器に対する相対的な位置関係が正しいか否かについて判断を行う、請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記容器の前記ラベルが貼り付けられる部分である容器の本体は略直方体状に構成される、請求項2に記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
前記搬送部の前記ホルダは、前記ラベルの前記中途部が前記容器に貼り付けられた後であって前記ラベルの前記一側部及び前記他側部が前記容器に貼り付けられる前の状態で、前記ラベルの前記一側部または前記他側部が下方に撓むことを防止する撓み防止手段を備える、請求項3に記載のラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼付装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器にラベルを貼り付けるラベル貼付装置に関する技術は種々知られている。
前記ラベル貼付装置には、ラベルを容器に貼り付けた状態で当該容器をロータリーテーブル等によって回転搬送(公転)しながら容器自身を自転させてラベルを容器に貼り付ける構成のものが公知となっている(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記ラベル貼付装置は、容器を搬送するロータリーテーブル(回転体)の回転速度と、その回転体に対し自転する容器の回転速度を加えた容器外周速度に合わせて、ロータリードラムの速度を制御する複雑な制御と大掛かりな構成になることから装置製造コストが高くなるという問題があった。また、簡素化したラベル貼付装置の場合、ラベルの端部を容器に貼り付けた状態で当該容器を回転搬送することによってラベルを容器に貼り付けることからラベルの貼り付け不良が生じる場合があった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、装置製造コストを低減させることができ、また、ラベルの貼り付け不良が生じることを抑制することができるラベル貼付装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、本発明に係るラベル貼付装置は、容器にラベルを貼り付けるラベル貼付装置であって、前記ラベルは、中途部と一側部と他側部とを有し、前記一側部と前記他側部とが前記中途部から両側にそれぞれ延出するように構成されるものであり、前記容器をホルダで保持して上流側から下流側に前記容器を搬送する搬送部と、前記搬送部の前記ホルダに保持された状態の前記容器に前記ラベルの前記中途部を貼り付ける第一ラベル貼付部と、前記搬送部の前記ホルダに保持されて前記第一ラベル貼付部において前記ラベルの前記中途部が貼り付けられた状態の前記容器にさらに前記ラベルの前記一側部及び前記他側部を貼り付ける第二ラベル貼付部と、を備えるものである。
【0008】
また、本発明に係るラベル貼付装置は、撮影部と、制御部と、を備え、前記撮影部は、前記ラベルの前記中途部が前記容器に貼り付けられた後であって前記ラベルの前記一側部及び前記他側部が前記容器に貼り付けられる前の状態で、前記ラベルの前記中途部と前記一側部と前記他側部及び前記容器を撮影し、前記撮影した前記ラベルの前記中途部と前記一側部と前記他側部に関する情報及び前記容器に関する情報を前記制御部に送信し、前記制御部は、前記撮影部から送信される前記ラベルの前記中途部と前記一側部と前記他側部に関する情報及び前記容器に関する情報を基に、前記容器に貼り付けられた前記ラベルの前記容器に対する相対的な位置関係等が正しいか否かについて判断を行うものである。
【0009】
また、本発明に係るラベル貼付装置は、前記容器の前記ラベルが貼り付けられる部分である容器の本体は略直方体状に構成されるものである。
【0010】
また、本発明に係るラベル貼付装置は、前記搬送部の前記ホルダは、前記ラベルの前記中途部が前記容器に貼り付けられた後であって前記ラベルの前記一側部及び前記他側部が前記容器に貼り付けられる前の状態で、前記ラベルの前記一側部または前記他側部が下方に撓むことを防止する撓み防止手段を備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、装置製造コストを低減させることができ、また、ラベルの貼り付け不良が生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るラベル貼付装置を示す模式図。
【
図3】同じくラベル貼付装置の搬送部のホルダと容器とラベルとを示す斜視図。
【
図4】同じくラベル貼付装置の搬送部のホルダに配置される容器にラベルの中途部が貼り付けられた状態を示す斜視図。
【
図5】同じくラベル貼付装置の搬送部のホルダに配置される容器にラベルの中途部と一側部と他側部とが貼り付けられた状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置1について、
図1から
図5を用いて説明する。なお、図中に示す白色矢印はラベル貼付装置1における容器10の搬送方向を示すものとして説明する。
【0014】
ラベル貼付装置1は、容器10にラベル20を貼り付ける。
本実施形態において扱われる容器10の一例として、例えば容器10は、液体等を収納する容器等が挙げられる。容器10は略直方体状に構成される。なお、容器10は、液体を収納する容器に限定されず、容器に収納されるもの固体(粉体等)や、液体と固体の混合状のもの(スラリー状など)であっても良く、また、容器形状については、略直方体状に構成されるものに限定されず円筒状等、他の形状であっても良いものとする。容器10は、特に限定されないが、本実施形態では、本体11と、キャップ体12と、を備える。
【0015】
容器10の本体11は、略直方体状に構成される半透明のケースである。本体11は、長手方向の一側面に開口部を有し、長手方向の他側面に底部を有し、内部に液体を収納する空間が形成されて構成される。本体11では、その底部に連接される四個の側面が、一対の幅狭面11a・11aと、一対の幅広面11b・11bと、で構成される。一対の幅広面11b・11bは互いに向き合うように配置され、一対の幅狭面11a・11aは互いに向き合うように配置される。本体11の幅狭面11aの幅は幅広面11bの幅に比べて狭く構成される。
容器10のキャップ体12は、本体11の開口部に着脱可能に構成される。キャップ体12は、本体11への着脱の際に作業者に把持される把持部12aを有する。キャップ体12が本体11へ取り付けられた状態では、把持部12aは本体11の開口部から外側に突出するように配置される。
【0016】
容器10に貼り付けられるラベル20は、ラベルシールであり、容器10の本体11に貼り付けられる。
ラベル20の表面には、管理番号や日時等に関する各種の情報が、文字、図柄、または所定のコード情報(例えば、バーコードやQRコード(登録商標)等)によって表示される。ラベル20の裏面には、容器10の本体11に貼り付くための接着剤が設けられる。
容器10の本体11に貼り付けられる前の状態のラベル20は、ラベルロール(不図示)に巻きつけられた帯状の台紙に一定ピッチで複数枚並べて貼り付けられている。当該ラベル20が複数枚並べられた帯状の台紙は、ラベルロールにロール状に巻かれた状態でラベル繰出部4に配置される。
【0017】
ラベル貼付装置1は、容器繰出部2と、搬送部3と、ラベル繰出部4と、第一ラベル貼付部5と、撮影部6と、第二ラベル貼付部7と、容器取出部8と、制御部9と、を備える。ラベル貼付装置1では、第一ラベル貼付部5において容器10にラベル20を貼り付ける動作の第一段階が行われて、容器10にラベル20の一部分が貼り付けられた状態となる。そして、第二ラベル貼付部7において容器10にラベル20を貼り付ける動作の第二段階が行われて、第一ラベル貼付部5においてラベル20の一部が容器10に貼り付けられた状態からさらにラベル20の他の部分が容器10に貼り付けられる。このようにして第二ラベル貼付部7においてラベル20の全部が貼り付けられた状態となり、最終的に容器10にラベル20が貼り付けられる。
【0018】
制御部9は、容器繰出部2、搬送部3、ラベル繰出部4、第一ラベル貼付部5、撮影部6、第二ラベル貼付部7、及び容器取出部8のそれぞれに電気的に接続されて、ラベル貼付装置1(容器繰出部2、搬送部3、ラベル繰出部4、第一ラベル貼付部5、撮影部6、第二ラベル貼付部7、及び容器取出部8)の各種の動作を制御する。また、制御部9は、各種の情報を基に演算等を行い、また、各種の情報を記憶装置に記憶する。
【0019】
搬送部3は、上流側から下流側に(容器繰出部2側から容器取出部8側に向かって)複数個の容器10を搬送する。搬送部3は、容器繰出部2の下流側に配置され、容器取出部8の上流側に配置される。搬送部3は、無端状のベルト3aと、上流側プーリ3bと、下流側プーリ3cと、複数個のホルダ30・30・・・と、を備える。搬送部3は、上流側プーリ3b及び下流側プーリ3cにベルト3aが掛架されて構成される。ホルダ30は、搬送部3によって搬送される容器10の状態(容器10の位置、容器10同士の間隔、及び容器10の向き等)を所定の状態に保持するものであり、ベルト3aの搬送面に固定される。複数個のホルダ30・30・・・は、搬送部3の搬送方向に沿って等間隔にそれぞれ配置される。
搬送部3は、上流側プーリ3bまたは下流側プーリ3cにモータ等の駆動装置(不図示)による動力が伝達可能に構成されて、当該駆動装置が駆動することによって、ホルダ30に保持された容器10を上流側から下流側に搬送する。搬送部3は、制御部9によって制御されて所定のタイミングで搬送動作の停止と開始とを繰り返し行うように設定される。
ベルト3aの上面に固定されたホルダ30に保持されて搬送される容器10は、本体11の長手方向が搬送部3の搬送方向(搬送方向下流側を前側、搬送方向上流側を後側とする)に対して直交する方向(搬送方向上流側から見て左右方向とする)を向き、本体11の一対の幅狭面11a・11aのうち一方の幅狭面11aが鉛直方向下側で他方の幅狭面11aが鉛直方向上側に位置し、本体11の一対の幅広面11b・11bのうち一方の幅広面11bが前側で他方の幅広面11bが後側に位置するように、ホルダ30に保持される。
【0020】
ここで、本実施形態におけるラベル20は、略長方形状に構成されて、中途部21と、一側部22と、他側部23と、を有する。ラベル20の中途部21は長方形状に構成され、容器10の本体11の鉛直方向上側の幅狭面11aに貼り付けられる部分として構成される。ラベル20の一側部22と他側部23とは中途部21から両側(前後)にそれぞれ延出するように構成される。ラベル20の一側部22は、長方形状に構成され、ラベル20の中途部21に連接される。ラベル20の一側部22は、容器10の本体11の前側の幅広面11bに貼り付けられる部分として構成される。ラベル20の他側部23は、長方形状に構成され、ラベル20の中途部21に連接される。ラベル20の他側部23は、容器10の本体11の後側の幅広面11bに貼り付けられる部分として構成される。但し、ラベル20の形状は、容器10に合わせて適宜決めればよく、限定されない。
【0021】
容器繰出部2は、搬送部3の上流側プーリ3bの上流側に配置され、複数個の容器10・10・・・(ラベル20が貼り付けられる前の状態の複数個の容器10・10・・・)がストックされている。制御部9によって搬送部3のホルダ30が上流側プーリ3bの後側に突出した状態で停止し、容器繰出部2にストックされている容器10・10・・・から一個ずつ容器10を繰り出して、上流側プーリ3bの後側に突出した状態(水平状態)のホルダ30に容器10の幅広面11bを水平にした状態で押し出すように投入し、ホルダ30に保持させる。搬送部3のホルダ30に一個の容器10が保持されると、搬送部3の搬送動作が開始される。
【0022】
ラベル繰出部4は、搬送部3のベルト3aの上方に配置される。ラベル繰出部4には、多数のラベル20が一定ピッチで並んだ帯状の台紙が巻きつけられたラベルロールが配置されている。ラベル繰出部4は、ラベルロールに巻きつけられた帯状の台紙に並んだラベル20を一枚ずつ自動で繰り出す。
【0023】
第一ラベル貼付部5は、搬送部3のベルト3aの上方に配置される。第一ラベル貼付部5は、ラベルロールから巻き出される帯状台紙の搬送方向においてラベル繰出部4の下流側に配置される。
第一ラベル貼付部5は、吸着パッド(不図示)を備え、ラベル20を吸着可能に構成される。搬送部3のホルダ30に保持されるラベル20を貼り付けしようとする容器10(容器10の本体11の幅狭面11a)が第一ラベル貼付部5の下方に位置した状態で搬送部3の搬送動作が一時的に停止する。第一ラベル貼付部5は、このタイミングで台紙から剥離させてラベル20を吸着した状態で下方に移動して、搬送部3のホルダ30に保持された状態の容器10の本体11の上側の幅狭面11aにラベル20の中途部21(ラベル20の一部分)を貼り付ける。
【0024】
撮影部6は、画像情報を取得するカメラ装置であり、搬送部3のベルト3aの上方に配置される。撮影部6は、容器10の搬送方向において第一ラベル貼付部5の下流側且つ第二ラベル貼付部7の上流側に配置される。撮影部6は、容器10に貼り付けられるラベル20及び搬送部3のホルダ30に保持される容器10等を撮影する。撮影したラベル20及び容器10に関する情報は撮影部6から制御部9に送信される。但し、吸着パッド等が撮影の邪魔にならない構成の場合(吸着パッドが第一ラベル貼付部5から退避する等)は、撮影部6は、第一ラベル貼付部5の鉛直方向上方に配置してもよい。すなわち、ラベル20の一部が容器10に貼り付けられた状態(例えば、鉛直方向上側の幅狭面11aにラベル20が貼り付けられた状態)を撮影できば配置される位置は特に限定されない。
【0025】
第二ラベル貼付部7は、搬送部3のベルト3aの上方に配置される。第二ラベル貼付部7は、容器10の搬送方向において撮影部6の下流側に配置される。第二ラベル貼付部7は、搬送部3のホルダ30に保持されてラベル20の中途部21(ラベル20の一部)が貼り付けられた状態の容器10の本体11にさらにラベル20の一側部22及び他側部23(ラベル20の全部)を貼り付ける。
第二ラベル貼付部7は、第一ローラ71と、第二ローラ72と、を備える。第二ラベル貼付部7の第一ローラ71は、第二ローラ72の上流側に配置される。搬送部3のホルダ30に保持される容器10の本体11の前側端(搬送方向下流側の幅広面11b)が第二ラベル貼付部7の第一ローラ71の後端(搬送方向上流側のロール幅端部)の下方に位置した状態、または、容器10の本体11の後側端(搬送方向上流側の幅広面11b)が第二ラベル貼付部7の第二ローラ72の前側端(搬送方向下流側のロール幅端部)の下方に位置した状態で、搬送部3の搬送動作が一時的に停止する。第二ラベル貼付部7の第一ローラ71は、ラベル20の中途部21(ラベル20の一部)が幅狭面11aに貼り付けられた容器10に向かって、下方に移動して、ラベル20の中途部21と一側部22との境界部分を折り曲げるようにして、容器10の本体11の前側の幅広面11bにラベル20の一側部22を貼り付ける。第二ラベル貼付部7の第二ローラ72は、ラベル20の中途部21及び一側部22(ラベル20の一部)が幅狭面11a及び前側の幅広面11bに貼り付けられた容器10に向かって、下方に移動して、ラベル20の中途部21と他側部23との境界部分を折り曲げるようにして、容器10の本体11の後側の幅広面11bにラベル20の他側部23を貼り付ける。
このようにして、容器10にラベル20の全部が貼り付けられた状態とされて、最終的に容器10にラベル20が貼り付けられる。但し、本実施形態は略直方体状の容器10の各面にラベル20を貼り付ける形態の説明を行ったが、例えば、円筒状の容器10の頂点(もしくは頂点の前後範囲を含む位置)にラベル20の中途部21の一部を貼り付け、同様に、ラベル20の一側部22及び他側部23(ラベル20の全部)を円筒容器の外周面に貼り付けることもできる。
【0026】
なお、第二ラベル貼付部7の第一ローラ71によって容器10の本体11の後側(搬送方向下流側)の幅広面11bにラベル20の他側部23を貼り付け、且つ、第二ローラ72によって容器10の本体11の前側(搬送方向上流側)の幅広面11bにラベル20の一側部22を貼り付ける構成とすることもできる。また、第二ラベル貼付部7は一個のローラで構成されてもよく、例えば、1個のローラを搬送方向前後に可動可能に構成し、ラベル20の一側部22と他側部23とを当該一個のローラで容器10に貼り付けることもできる。また、ローラの代わりにスポンジ、ブラシ等を上下に移動させてラベル20を押さえ、貼り付けてもよく、貼り付ける手段は特に限定されない。
【0027】
容器取出部8は、搬送部3の下流側プーリ3cの下流側に配置される。容器取出部8は、シリンダ(不図示)を作動させて、搬送部3によって搬送されるラベル20が貼り付けられた状態の容器10を一個ずつ取り出す。
搬送部3のホルダ30がベルト3aから下流側プーリ3cの前側(搬送方向下流側)に突出した状態(水平状態)の位置で搬送部3の搬送動作が一時的に停止する。容器取出部8は、このタイミングでチャック部(不図示)等をシリンダ(不図示)で搬送方向上流側に作動させて、容器10を把持し、その後搬送方向下流側に移動し、引き抜くようにして搬送部3のホルダ30に容器10の幅広面11bが水平状態で保持される容器10を取り出す。容器取出部8によって搬送部3のホルダ30から一個の容器10が取り出されると、搬送部3の搬送動作が開始される。
【0028】
以上のように、第一ラベル貼付部5において搬送部3のホルダ30に保持された状態の容器10にラベル20の中途部21を貼り付け、第二ラベル貼付部7において搬送部3のホルダ30に保持されてラベル20の中途部21が貼り付けられた状態の容器10にさらにラベル20の一側部22及び他側部23を貼り付けることから、ロータリーテーブル(回転体)等によって回転搬送(公転)され、回転体に対し自転している容器の外周速度に合わせて、ロータリードラムの速度を制御することによってラベル20を容器10に貼り付ける構成のものと比べて、簡易な構成で容器10にラベル20を貼り付けることができ、また円筒形状容器以外(例えば直方体状容器など)の容器にもラベルを貼り付けることができ(容器形状が制限されない)、装置製造コストも低減させることができる。また以上のように、第一ラベル貼付部5においてラベル20の中途部21を容器10に貼り付け、第二ラベル貼付部7においてラベル20の中途部21が貼り付けられた状態の容器10にさらにラベル20の一側部22及び他側部23を貼り付けることから、ラベル20の端部を容器10に貼り付けた状態で当該容器10を回転搬送することによってラベル20を容器10に貼り付けるものと比べて、ラベル20の貼り付け不良が生じることを抑制することができる。
【0029】
また以上のように、容器10のラベル20が貼り付けられる部分(容器10の本体11)は略直方体状に構成される場合でも、第一ラベル貼付部5においてラベル20の中途部21を容器10に貼り付け、第二ラベル貼付部7においてラベル20の一側部22及び他側部23を容器10に貼り付けることによって、略直方体状の本体11を構成する面のうち連続する三面(本体11の一個の幅狭面11a及び一対の幅広面11b・11b)に亘るように一枚のラベル20をより確実に貼り付けることができる。
【0030】
制御部9と撮影部6とで検査装置が構成される。検査装置は、ラベル貼付装置1において容器10に貼り付けられたラベル20に記載された情報、ラベル20に記載された情報と、当該容器10に関する情報が一致するか、ラベル貼付装置1において容器10に貼り付けられるラベル20の状態、または、ラベル貼付装置1においてラベル20が貼り付けられた容器10の状態等について検査する。但し、検査内容は、使用目的に合わせて適宜決めればよく特に限定されない。
【0031】
撮影部6は、第一ラベル貼付部5によって容器10に中途部21が貼り付けられた状態のラベル20の中途部21と一側部22と他側部23と対向するように配置される。撮影部6は、第一ラベル貼付部5によってラベル20の中途部21が容器10に貼り付けられた状態、即ち第二ラベル貼付部7によってラベル20の一側部22及び他側部23が容器10に貼り付けられる前の状態において、容器10及びラベル20の上方から容器10に貼り付けられるラベル20の中途部21と一側部22と他側部23、及び搬送部3のホルダ30に保持される容器10等を撮影する。撮影部6は、撮影したラベル20の中途部21と一側部22と他側部23に関する情報及び容器10に関する情報を制御部9に送信する。
【0032】
制御部9は、撮影部6から送信される撮影したラベル20の中途部21と一側部22と他側部23に関する情報及び容器10に関する情報等を制御部9に送信し、予め設定されている仕様などの情報を合わせて演算処理を行って所定の情報を生成する。
制御部9は、撮影部6から送信されるラベル20及び容器10に関する情報を基に、例えば、容器10に貼り付けられたラベル20の容器10に対する相対的な位置関係、例えば、搬送方向に直交する方向におけるラベル20と容器10の相対的な位置関係、容器10に貼り付けられた中途部21に対し、両側に延出する一側部22、他側部23の長さ(幅広面11bに貼り付けられる長さ)が正しいか否か、ラベル20の形状が正しいものか否か、ラベル20の表面に表示される文字等の情報等が正しいか否か、ラベル20の表面に汚れが有るか否か、または、ラベル20の表面に表示される容器10に関する情報と、例えば、本体11及びキャップ体12の種類、形状、色等の容器10に関する情報とが一致しているか否か等について判断を行う。
制御部9が判断した容器10に貼り付けられたラベル20の容器10に対する相対的な位置関係が正しいか否か等についての情報は制御部9の記憶装置に記憶され、また、外部(例えば、ラベル貼付装置1に接続される電子計算機)に送信される。
制御部9は、例えば、容器10に貼り付けられたラベル20の容器10に対する相対的な位置関係が正しくない、ラベル20の形状が正しくない、ラベル20の表面に表示される文字等の情報が正しくない、ラベル20の表面に汚れが有る、または、ラベル20の表面に表示される容器10に関する情報と、容器10の本体11及びキャップ体12の種類、形状、色等が一致していない等、検査結果が検査基準に達していないと判断した場合には、搬送部3による容器10の搬送動作を停止する構成とすることもできる。また、検査基準の範囲に合わせて、アラームなどを出力し、注意喚起することもできる。
【0033】
以上のように、検査装置では、撮影部6が、ラベル20の中途部21が容器10に貼り付けられた後であってラベル20の一側部22及び他側部23が容器10に貼り付けられる前の状態で、ラベル20の中途部21と一側部22と他側部23及び容器10を撮影し、撮影したラベル20の中途部21と一側部22と他側部23に関する情報及び容器10に関する情報を制御部9に送信し、制御部9が、撮影部6から送信されるラベル20の中途部21と一側部22と他側部23に関する情報及び容器10に関する情報を基に、容器10に貼り付けられたラベル20の容器10に対する相対的な位置関係が正しいか否か等について判断を行うことから、ラベル20の貼り付け不良や、ラベル20と容器10の組み合わせ不良等が生じること等をより確実に抑制することができる。
【0034】
搬送部3のホルダ30は、ベルト3aの搬送面に立設するように設けられ、切欠部31と、第一支持部32と、第二支持部33と、複数個(四個)の撓み防止手段34・34・34・34と、を備える。
ホルダ30は、容器10の搬送方向と直交する方向を長手方向とする直方体状の部材であって、容器10の搬送方向と直交する方向(長手方向)においては、少なくとも容器10に貼付されるラベル20の長手方向における長さより大きく、容器10の搬送方向(長手方向と直交する方向)においては、該直方体状部材の全幅が切り欠かれ、切欠部31として構成される。
第一支持部32は、容器10のキャップ体12の把持部12aが配置されることによって容器10を支持する。第一支持部32は、切欠部31における容器10の搬送方向上流側から見て右方の面に、キャップ体12の把持部12aの搬送方向における幅と同程度(やや大きい)の幅が切り欠かれたスリットで構成される。
第二支持部33は、容器10のキャップ体12の本体11の底部が配置されることによって容器10を支持する。第二支持部33は、切欠部31における容器10の搬送方向上流側から見て左方の面に、本体11の幅狭面11aの搬送方向における幅と同程度(やや大きい)の幅が切り欠かれたスリットで構成され、長手方向において第一支持部32と対向するように配置される。
容器10がホルダ30に配置された状態では、少なくとも容器10の本体11の鉛直方向上面の幅狭面11a及び一対の幅広面11b・11bは、切欠部31内に位置して、ラベル20を貼り付けることができるように露出した状態となっている。容器10をホルダ30で保持・搬送し、ラベル20を容器10に貼り付ける工程の中で、容器10がホルダ30にしっかりと保持され、搬送される容器10の鉛直方向上面にラベル20の一部(中途部21)を貼り付け、両側に延出する一側部22、他側部23を容器10の各面(円筒容器の場合は外周面)に貼り付けられる構成であれば、ホルダ30の形状等は特に限定されず、容器10の形状及びラベルのサイズ等に合わせて適宜設計すればよい。
【0035】
搬送部3のホルダ30の撓み防止手段34は、第一ラベル貼付部5によってラベル20の中途部21が容器10に貼り付けられた状態、即ち第二ラベル貼付部7によってラベル20の一側部22及び他側部23が容器10に貼り付けられる前の状態において、ラベル20の一側部22または他側部23、またはその両方が下方に撓むことを防止する。
撓み防止手段34は、平板をL字状に折り曲げた部材で、ホルダ30の搬送方向前後方向(上流側、下流側)の側面に設けられている。撓み防止手段34は、ホルダ30における容器10の搬送方向の上流側の面及び下流側の面にそれぞれ二個ずつ配置される。
ホルダ30における容器10の搬送方向の下流側の撓み防止手段34は、容器10の搬送方向上流側から見て切欠部31の左方及び右方にそれぞれ配置され、容器10の搬送方向の下流側に突出するように構成される。ホルダ30における容器10の搬送方向の上流側の撓み防止手段34は、容器10の搬送方向上流側から見て切欠部31の左方及び右方にそれぞれ配置され、容器10の搬送方向の上流側に突出するように構成される。撓み防止手段34は、ホルダ30に配置された容器10の本体11の鉛直方向上端の面(本体11の上方の幅狭面11a)と概ね同じ高さにおいて容器10の搬送方向の上流側または下流側、またその両方に突出する。撓み防止手段34は、ホルダ30に配置された容器10の本体11に貼り付けられたラベル20(ラベル20の中途部21)と概ね同じ高さの位置に容器10の搬送方向の上流側または下流側に突出して取り付けられ、ラベル20の一側部22、及び他側部23を中途部21と同一の高さ(ラベル20を水平状態)で支える役割がある。
ホルダ30における容器10の搬送方向の下流側の二個の撓み防止手段34・34は、ラベル20の一側部22の左右縁部(隅部)を下方からそれぞれ支持することによって、ラベル20の一側部22が下方に撓むことを防止する。ホルダ30における容器10の搬送方向の上流側の二個の撓み防止手段34・34は、ラベル20の他側部23の左右縁部(隅部)を下方からそれぞれ支持することによって、ラベル20の他側部23が下方に撓むことを防止する。但し、撮影部6にて撮影する際、撮影に支障なくラベル20を安定した状態で支えればよく、同一高さで支持する(水平状態で支持)することに限定されない。
具体的には、ラベル20の4隅の一部を下方から支持している。このように4隅を支持することで、第二ラベル貼付部7の第一ローラ71及び第二ローラ72を下降させ、ラベル20の中途部21と一側部22との境界部分を折り曲げるようにして、幅広面11bに貼り付ける際に、第一ローラ71及び第二ローラ72と干渉せずにラベル20を支持することできる。但し、撓み防止手段34の支持部材(前記L字状に折り曲げた部材に相当)をラベル20と概ね同じ高さになる位置にバネ等で付勢し、第一ローラ71及び第二ローラ72と干渉した場合でも、下方に逃げるような構成にしてもよく、特に構成は限定されない。
【0036】
なお、撓み防止手段34は、このような構成に代えて、例えば、棒状の部材で構成することもできる。また、撓み防止手段34は、例えば、ラベル20の一側部22及び他側部23の下方からエアーを吹き付けることによって、ラベル20の一側部22及び他側部23が下方に撓むことを防止する構成とすることもできる。また、撓み防止手段34は、容器10の搬送方向の上流側と下流側とにそれぞれ一個ずつ備える構成とすることもできる。
【0037】
以上のように、搬送部3のホルダ30は、第一ラベル貼付部5によってラベル20の中途部21が容器10に貼り付けられた状態、即ち第二ラベル貼付部7によってラベル20の一側部22及び他側部23が容器10に貼り付けられる前の状態において、ラベル20の一側部22または他側部23が下方に撓むことを防止する撓み防止手段34を備えることから、ラベル20の中途部21、一側部22、及び他側部23がほぼ水平状態で安定し、ラベル20を容器10の各面(円筒容器の場合は全周面、または周面の半分以上全周以下など)に貼り付ける前の状態を撮影部6のカメラ装置で撮影を行った場合でも、検査装置によるラベル貼付装置1において容器10に貼り付けられたラベル20と当該容器10とに関する状態等の検査精度を向上させることができる。また、ラベル20を容器10の各面に貼り付ける前に撮影するため、1台のカメラ装置で検査可能となり、ラベル貼付装置1の構成を簡素化することができる。
例えば、ラベル20が一定ピッチで並んだ帯状の台紙が巻きつけられたラベルロールの芯側に巻かれているラベル20ほど湾曲するような形に巻き癖がつき、下方に撓みやすくなるが、そのような場合であっても撓み防止手段34によってラベル20の一側部22または他側部23またはその両方が下方に撓むことを防止することができる為、検査ミスが起こることを防ぐことができる。
【0038】
また以上のように、撓み防止手段34は、ホルダ30における容器10の搬送方向の上流側の面及び下流側の面にそれぞれ二個ずつ配置され、容器10の搬送方向の上流側及び下流側に突出するように構成されることから、ラベル20の一側部22または他側部23が下方に撓むことを防止するものを簡易な構成で実現することができる。
以上、本発明を具現化する一実施形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0039】
1 ラベル貼付装置
2 容器繰出部
3 搬送部
3a ベルト
3b 上流側プーリ
3c 下流側プーリ
4 ラベル繰出部
5 第一ラベル貼付部
6 撮影部
7 第二ラベル貼付部
8 容器取出部
9 制御部
10 容器
11 本体
11a 幅狭面
11b 幅広面
12 キャップ体
20 ラベル
21 中途部
22 一側部
23 他側部
30 ホルダ
31 切欠部
32 第一支持部
33 第二支持部
34 撓み防止手段
71 第一ローラ
72 第二ローラ