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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006663
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】サイクロン集塵機
(51)【国際特許分類】
   B04C 5/12 20060101AFI20240110BHJP
   B04C 5/22 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B04C5/12 A
B04C5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107767
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 直樹
(72)【発明者】
【氏名】笠田 正明
(72)【発明者】
【氏名】佐々本 悟
【テーマコード(参考)】
4D053
【Fターム(参考)】
4D053AA03
4D053AB01
4D053BA01
4D053BB02
4D053BC01
4D053BD04
4D053CA01
4D053CA08
4D053CB04
4D053CC01
4D053CC05
4D053CE05
(57)【要約】
【課題】サイクロン集塵機内に粉塵が堆積することを抑制する。
【解決手段】サイクロン集塵機10は、渦室Bを区画する外筒11と、外筒11の側面に貫通形成される含塵空気吸入口12と、含塵空気吸入口12とは異なる箇所で外筒11の側面に貫通形成される二次空気取込口13と、フィルタ材を含み外筒11の中心領域に配置されて渦室B内の空気を吸引する内筒と、内筒に吸引力を付与する吸引ファンとを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
渦室を区画する外筒と、
前記外筒の側面に貫通形成される含塵空気吸入口と、
前記含塵空気吸入口とは異なる箇所で前記外筒の側面に貫通形成される二次空気取込口と、
フィルタ材を含み、前記外筒の中心領域に配置されて前記渦室内の空気を吸引する内筒と、
前記内筒に吸引力を付与する吸引ファンとを備える、サイクロン集塵機。
【請求項2】
一端が前記二次空気取込口に接続され、他端が前記吸入ファンの排気口に接続される連通管を備える、請求項1に記載のサイクロン集塵機。
【請求項3】
前記二次空気取込口を開閉する清掃弁を備える、請求項1に記載のサイクロン集塵機。
【請求項4】
前記含塵空気吸入口を開閉する一次開閉弁を備える、請求項1に記載のサイクロン集塵機。
【請求項5】
前記外筒の軸線方向直角断面に関し、前記二次空気取込口は、前記外筒と重なる同心円の接線に沿って設けられる、請求項1に記載のサイクロン集塵機。
【請求項6】
前記外筒の周方向に関し、前記含塵空気吸入口は正方向に指向し、前記二次空気取込口は逆方向に指向する、請求項1に記載のサイクロン集塵機。
【請求項7】
前記清掃弁は開度調整可能である、請求項3に記載のサイクロン集塵機。
【請求項8】
前記外筒は6以上10以内の角部を有する多角形筒である、請求項1~7のいずれかに記載のサイクロン集塵機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精米工場やライスセンターなど穀物を搬送する際に発生する塵埃を取り除くサイクロン集塵機に関し、特に塵埃の機内堆積を抑制する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
穀物乾燥機で発生する塵埃を集塵する集塵機として従来、例えば特開平11-276826号公報(特許文献1)に記載のものが知られている。特許文献1記載の穀物乾燥機用集塵機では、濾過袋体(バグフィルタともいう)を吊り下げ配置するとともに、回転式フィルタドラムをさらに設けてある。回転式フィルタドラムの円筒面最下部にはブラシおよびカバーを取り付け、かかるブラシでドラム円筒面に付着した塵埃を掻き落とすとともに、ブラシの周囲はカバーで囲まれて、掻き落とされた塵埃は掃除機により吸引除去されるというものである。
【0003】
また鋳物工場、化学薬品工場、微粉炭取扱工場等で場内雰囲気を浄化する集塵装置として従来、例えば特開昭62-152512号公報(特許文献2)に記載のものが知られている。特許文献2記載の技術では、従来の角形の濾過室を円筒形とし、かかる円筒形濾過室内に多数の濾過袋体を整然と放射状に配列して吊り下げるというものである。通常運転で、濾過袋体内は負圧にされ、濾過室内の含塵ガスを吸い込み、塵が濾過袋体に捕捉され、綺麗なガスが濾過袋体の上端から排気される。これに対し脱塵運転で、濾過袋体上端から濾過袋体内に高圧ガスのパルスが吹き込まれ、かかるパルス衝撃によって濾過袋体の目詰まりが防止される。濾過室の下部は、漏斗形状とされ、粉塵の排出口が設けられる。
【0004】
また八角形の筒状の渦室を具備するサイクロン集塵機として従来、例えば特開2015-120138号公報(特許文献3)に記載のものが知られている。渦室の中心には円筒形の濾材であるメインフィルタが配置される。メインフィルタは塵を含む空気を円筒外周面から吸い込み、濾材で塵を捕捉し、濾材を抜けた空気はメインフィルタ内の空洞から上方のターボファンに向かう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-276826号公報
【特許文献2】特開昭62-152512号公報
【特許文献3】特開2015-120138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献に記載の集塵機では、集塵機のケーシング内部の隅等に、ある程度の粉塵が堆積したままになってしまい、定期的な清掃だけで粉塵を完全に取り除くことができなかった。特に特許文献1記載の集塵機は構造が複雑であり、清掃およびメンテナンス効率において改善の余地がある。
【0007】
食品以外の粉塵、例えば金属粉等のような重い粉塵は下に落ち易く、集塵機の簡易な清掃およびメンテナンスで済まされていた。また、衛生面を考慮しなくてもよい粉塵は、集塵機内に多少堆積したままであっても、特に省みられることはなかった。
【0008】
その一方で、精米工場、ライスセンター、他の穀物工場は、食品である穀物を取り扱う。粉塵が穀物由来であると、衛生的な理由、虫発生の防止という点で、粉塵が集塵機内に堆積したままになっていることは好ましくない。
【0009】
また穀物工場等で発生する粉塵は穀物由来の軽い粉塵と、砂等の重い粉塵等、様々である。重い粉塵は下に落ち易く集塵機内の隅に堆積し難いが、軽い粉塵は特に集塵機内の隅に堆積し易く、簡易な清掃およびメンテナンスのみでは除去することが困難であった。
【0010】
そこで定期的な清掃およびメンテナンスに重畳して、粉塵の堆積具合の点検や入念な清掃等の特別作業を行うことが好ましいが、特許文献に記載の集塵機では、効率的に清掃できる構造ではない根本的な課題がある。
【0011】
本発明は、上述の実情に鑑み、粉塵が集塵機内に堆積することを軽減する改良技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的のため本発明によるサイクロン集塵機は、渦室を区画する外筒と、外筒の側面に貫通形成される含塵空気吸入口と、含塵空気吸入口とは異なる箇所で外筒の側面に貫通形成される二次空気取込口と、フィルタ材を含み外筒の中心領域に配置されて渦室内の空気を吸引する内筒と、内筒に吸引力を付与する吸引ファンとを備える。
【0013】
かかる本発明によれば、含塵空気の風向とは異なる風向の二次風を渦室へ送り込み、渦室内に粉塵が堆積することを抑制することができる。これにより清掃の手間が軽減し、サイクロン集塵機のメンテナンス性能が向上する。
【0014】
二次空気取込口の構造は特に限定されない。本発明の一局面として、一端が二次空気取込口に接続され他端が吸入ファンの排気口に接続される連通管を備える。かかる局面によれば、吸引ファンから強制排気される強い風を利用して、より強い二次風を渦室へ送り込むことができる。したがって外筒の内壁面に付着した粉塵の堆積物を縮小させることができる。他の局面として二次空気取込口は、渦室と外筒外部を連通する構造であってもよい。
【0015】
本発明の好ましい局面として、二次空気取込口を開閉する清掃弁を備える。かかる局面によれば、清掃弁を開閉することにより、時間的なサイクルを空けて定期的に二次風を渦室へ送り込むことができる。二次風を送り込むサイクルは任意に変更可能である。他の局面として、二次空気の取り込みは常時であってもよい。なお清掃弁を閉にして二次空気を取り込まない場合、サイクロン集塵機は含塵空気のみを吸い込み、集塵を効率良く実行する。清掃弁の構造は特に限定されない。清掃弁は、例えば全開または全閉に選択的にされるシャッターである。
【0016】
本発明の好ましい局面として、含塵空気吸入口を開閉する一次開閉弁を備える。かかる局面によれば、一次開閉弁を閉じて二次空気取込口から二次風のみを渦室へ送り込み、渦室の内壁を清掃して、堆積物を除去することができる。他の局面として、含塵空気吸入口は常時開放される。
【0017】
二次空気取込口の形状、方向、および数は特に限定されない。例えば二次空気取込口は風向を特定するパイプであってもよいし、あるいは風向を特定しない単なる開口であってもよい。本発明の一局面として、外筒の軸線方向直角断面に関し、二次空気取込口は、外筒と重なる同心円の接線に沿って設けられる。かかる局面によれば、渦室内で二次風を渦にすることが可能になる。
【0018】
本発明の一局面として、外筒の周方向に関し、含塵空気吸入口は正方向に指向し、二次空気取込口は逆方向に指向する。かかる局面によれば、含塵空気の風向と二次風の風向を真逆にすることができ、堆積抑制効果が増大する。
【0019】
本発明の一局面として、清掃弁は開度調整可能である。かかる局面によれば、清掃弁の開度が0%(全閉)~100%(全開)の任意の値にされることから、二次風の風量が調整される。したがって渦室内で含塵空気の風向が様々に変化して、堆積抑制効果が益々増大する。
【0020】
外筒は、円筒あるいは多角形筒とされる。多角形筒の場合、含塵空気中の粉塵が、外筒の平坦面に衝突・反射し、外筒の中心に寄せられて、内筒に捕捉され易くなる。したがって外筒の軸方向寸法を小さくして、コンパクト化を図ることができる。本発明の好ましい局面として、外筒は6以上10以内の角部を有する多角形筒である。製造効率の観点から、より好ましくは、六角、八角、十角の偶数である。なお角部が5以下の場合、各角部の角度が小さくなって粉塵が堆積し易くなる。角部が11以上の場合、外筒が円筒形状に近い形状になり、上述した捕捉効果が低減する。
【発明の効果】
【0021】
このように本発明によれば、サイクロン集塵機内に粉塵が堆積することが抑制され、メンテナンス性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図である。
図2】同実施形態を示す模式的な縦断面図である。
図3】同実施形態を示す模式的な横断面図である。
図4】同実施形態を示す模式図であって、(a)が斜視図、(b)が横断面図である。
図5】同実施形態を示す模式的な横断面図である。
図6】同実施形態を示す模式的な横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態になるサイクロン集塵機を示す斜視図である。図2は同実施形態を示す模式的な縦断面図であり、図3は同実施形態を示す模式的な横断面図である。サイクロン集塵機10は、外筒11と、バグフィルタ21と、吸引ファン31とを備える。サイクロン集塵機10は穀物工場の設備、例えば穀物貯留タンク、ベルトコンベア、石抜機、精米機、の雰囲気を集塵し、籾や芒や糠や白米分や他の異物、シリカ分等、から由来する粉塵を除去する。
【0024】
外筒11はサイクロン集塵機10の外郭をなす。外筒11には、含塵空気吸入口12と、二次空気取込口13が形成される。また外筒11の側壁は一部を開口とされ、該開口はメンテナンス扉15および点検用ガラス窓16で封止される。
【0025】
図3に示すように、本実施形態の外筒11は正八角形の渦室Bを区画する。図示しない変形例として、外筒11の横断面形状は正六角形~正十角形のいずれかであってもよいし、あるいは辺の長さが異なる多角形であってもよい。
【0026】
図1に示すように含塵空気吸入口12は外筒11の上端領域に配設される。あるいは図2に示すように含塵空気吸入口12は外筒11の上下方向中央領域に配設される。含塵空気吸入口12は所定の向きを備えるパイプである。
【0027】
含塵空気吸入口12および二次空気取込口13は、渦室Bと接続する。図3を参照して、含塵空気吸入口12の延在方向および向きについて説明する。外筒11の横断面に関し、外筒11の軸を中心とする仮想的な同心円Caを基準とすると、同心円Caは外筒11と重なり、含塵空気吸入口12は同心円Caの接線に沿って設けられる。なお同心円Caは、外筒11の周方向いずれかの部分と重なればよく、同心円Caの径は範囲を伴うと理解されたい。バグフィルタ21は、外筒11の中心部に2本配置される。なおバグフィルタ21の本数は2本に限定されない。
【0028】
図2に示すように、外筒11の下端側は下壁18で封止される。下壁18は勾配を有し、下壁18の最下端にはロータリーバルブ19が設けられる。ロータリーバルブ19を適宜駆動することにより、下壁18に貯留した粉塵は外筒11の下方へ排出される。
【0029】
バグフィルタ21は、フィルタ材を含む内筒であり、外筒11内において上端側の負圧室Dと下側の渦室Bを隔てる仕切壁23から吊り下げられるように配設される。バグフィルタ21の上端は、負圧室Dと接続する。バグフィルタ21の下端は閉じており、下壁18と間隔を空けて対向する。気体分子はバグフィルタ21のフィルタ材を通過することができるが粉塵はフィルタ材を通過できない。
【0030】
吸引ファン31は、外筒11の上端側を封止する上壁24に設置される。吸引ファン31の吸気口は上壁24を貫通して負圧室Dに接続される。吸引ファン31の排気口は大気圏に開放される。吸引ファン31は、負圧室Dを大気圧よりも低圧(負圧)にして、バグフィルタ21に吸引力を付与する。
【0031】
本実施形態のサイクロン集塵機10は連通管35をさらに備える。連通管35の一端は二次空気取込口13に接続される。連通管35の他端は吸入ファン31の排気口33に接続される。連通管35の他端には、連通管35を開閉する清掃弁36が設けられる。清掃弁36はレバーを有し、当該レバーを動かすことによって、全閉から全開まで開度を連続的に調整可能である。あるいは図示しない変形例として、連通管35に代えて、二次空気取込口13を開閉する清掃弁を備えていてもよい。
【0032】
次に本実施形態の作用につき説明する。
【0033】
図2を参照して、サイクロン集塵機10の通常運転では、吸引ファン31の吸い込みによって負圧室Dから空気Gが引き込まれ、負圧室Dが大気圧よりも低い負圧にされる。そうすると渦室B内の空気E3が、バグフィルタ21のフィルタ材を通過して、負圧室Dに引き込まれる。
【0034】
図3を参照すれば、穀物工場の粉塵を含む含塵空気E1は、含塵空気吸入口12から渦室Bに導入される。渦室B内で含塵空気E1は外筒11の内壁面に沿うよう回転・整流され、渦E2を描く。渦E2は、空気E3のように、内径側のバグフィルタ21に引き込まれる。
【0035】
図4(a)を参照して、渦E2は渦室B内を下降しながら回転し、空気E3(図2)で示すようにバグフィルタ21に引き込まれる。粉塵はバグフィルタ21に捕捉され、バグフィルタ21を通過した空気E3は清浄になる。吸引ファン31はバグフィルタ21の中心から清浄な空気Gを吸引して排気口33から清浄な空気Hを排気する。
【0036】
粉塵を含む渦Bの経時的な流れにより、外筒11の隅には粉塵の堆積物Iが堆積する(図4(b))。渦E2が渦室B内を下降しながら回転する際、徐々に低速になるため、堆積物Iは外筒11の上側よりも下側で大きくなる傾向がある。
【0037】
また粉塵は、メンテナンス扉15(図1)と外筒11の取付箇所にある僅かな段差や、点検用ガラス窓16(図1)と外筒11の取付箇所にある僅かな段差にも堆積する。
【0038】
そこで本実施形態では、粉塵が外筒11の内壁面に沿って堆積することを抑制する風(以下、二次風F1ともいう)を二次空気取込口13から渦室Bに導入する。
【0039】
排気口33から排気される空気Hのうち少なくとも一部は、連通管35を流れ、二次空気取込口13に還流される。図4(b)を参照して、二次空気取込口13は外筒11の多角形のうちの角部に設けられる。吸引ファン31の排気口33から勢い良く排気される空気は、連通管35と、二次空気取込口13を経由して渦室Bに流入する。
【0040】
かかる二次風F1は、通常運転時の含塵空気E1の風向を異ならせる。そうすると、外筒11の内壁面に粉塵が堆積することが抑制される。これが本実施形態の特異な作用である。
【0041】
本実施形態では、含塵空気E1の風量と二次風F1の風量の大小関係にも因るが、次の作用も可能である。
【0042】
すなわち、二次空気取込口13から渦室B内に導入された二次風F1は、外筒11の内壁面に沿うよう回転・整流され、渦F2を描く。渦F2は、空気E3(図2)のように、内径側のバグフィルタ21に引き込まれる。かかる渦F2は外筒11の内壁面の多角形の隅に当接して、堆積物Iを縮小させる。
【0043】
渦室Bの周方向に関し、本実施形態では、含塵空気吸入口12から導入される空気E1および渦E2の向きを正方向とし、二次空気取込口13から導入される空気F1および渦F2の向きを逆方向となるよう構成される。これは含塵空気吸入口12および二次空気取込口13が、回転方向に関して真逆となるよう配置されるためである。渦E2と渦F2を逆向きとすることにより、渦E2を原因とする堆積物Iは渦F2によって逆方向から効率良く縮小され、バグフィルタ21に捕捉されるか、あるいは下壁18へ落下して貯留し、ロータリーバルブ19から除去される。
【0044】
図4(a)を参照して二次空気取込口13は、外筒11の下端側に配置され、渦F2はおおむね渦室B内を上昇しながら回転する。かかる配置により渦F2は、特に外筒11下側の堆積物Iを縮小し、あるいは更なる堆積を抑制する。なお二次空気取込口13の高さ位置につき附言すると、二次空気取込口13は下壁18よりも上方かつ含塵空気吸入口12よりも下方に配置されるとよい。好ましくは含塵空気吸入口12から下方へ離れている程よい。本実施形態では、二次空気取込口13が下壁18の外径縁に隣り合って配置される。
【0045】
なお本実施形態では、通常は図2および図3に示すように含塵空気吸入口12のみによる通常の粉塵除去を実行し、清掃弁36を全閉として、二次空気取込口13による堆積抑制を実行しない場合がある。そして二次空気取込口13による堆積抑制ないしクリーニングを実行する定期的な時間サイクルを決めておくとよい。清掃弁36を定期的に開くことにより、堆積物Iに二次風F1を当てることができる。二次空気取込口13による外筒11内壁面の清掃は、例えば穀物工場が本格稼働していない時間帯に実行するとよい。
【0046】
本実施形態の変形例を、図5および図6に示す。図5および図6は、二次空気取込口13によるクリーニングを示す模式的な横断面図である。含塵空気吸入口12には一次開閉弁20が設けられる。通常、一次開閉弁20は開とされ、図5に示すように一次開閉弁20を通過する含塵空気E1は、渦室B内に導入されて塵埃を除去される。
【0047】
クリーニング運転のみ行う場合、図6に示すように一次開閉弁20は閉とされる。渦F2は堆積物Iに衝突してこれらを吹き飛ばす。
【0048】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【0049】
例えば連通管35を省略し、二次空気取込口13は、渦室Bと外筒11外部を連通する貫通孔であってもよい。二次空気取込口13は、常時開放されていてもよい。あるいは二次空気取込口13にシャッターを設けてもよい。シャッターは二次空気取込口13を開閉する弁の役目を果たす。
【0050】
二次空気取込口13は、外筒11の一箇所のみに設けられてもよいし、あるいは図示しない変形例として外筒の複数個所に設けられてもよい。二次空気取込口13の向きは本実施形態に限定されない。二次空気取込口13は単なる開口であってもよいし、あるいはパイプ状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、空気あるいはその他のガスを清浄する装置において有利に利用される。
【符号の説明】
【0052】
10 サイクロン集塵機、 11 外筒、 12 含塵空気吸入口、
13 二次空気取込口、 20 一次開閉弁、
21 バグフィルタ(内筒)、 31 吸引ファン、 36 清掃弁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6