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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066632
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ヒンジおよび扉
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/04 20060101AFI20240509BHJP
   E05D 7/12 20060101ALI20240509BHJP
   F16F 1/18 20060101ALN20240509BHJP
【FI】
F16C11/04 B
E05D7/12 B
F16C11/04 M
F16F1/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176147
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000231936
【氏名又は名称】日本通信電材株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ズォン テゥアン ギアー
(72)【発明者】
【氏名】生川 久比古
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慎祐
(72)【発明者】
【氏名】横地 隆径
【テーマコード(参考)】
3J059
3J105
【Fターム(参考)】
3J059AD02
3J059BA18
3J059BB01
3J059BC04
3J059EA03
3J105AA03
3J105AA12
3J105AB02
3J105AC06
3J105BA04
3J105BC02
3J105CA34
3J105DA12
(57)【要約】
【課題】 安価で、簡易な構造を備えるヒンジと、当該ヒンジが取り付けられる扉を提供する。
【解決手段】
ヒンジは、第一方向に延在するベース部と、前記ベース部の第一面から突出するとともに、前記第一方向に突出する突起を有する突出部と、前記第一面から突出するとともに、少なくとも一つの屈曲部を有し、前記第一方向に弾性的に変形するように構成された、バネ部と、前記ベース部の第二面に設けられ、前記第一方向に沿って操作されるように構成された操作部と、を備え、前記ベース部と、前記突出部と、前記バネ部と、前記操作部は、樹脂であり、一体的に形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向に延在するベース部と、
前記ベース部の第一面から突出するとともに、前記第一方向に突出する突起を有する突出部と、
前記第一面から突出するとともに、少なくとも一つの屈曲部を有し、前記第一方向に弾性的に変形するように構成された、バネ部と、
前記ベース部の第二面に設けられ、前記第一方向に沿って操作されるように構成された操作部と、を備え、
前記ベース部と、前記突出部と、前記バネ部と、前記操作部は、樹脂であり、一体的に形成されている、ヒンジ。
【請求項2】
前記ヒンジは、前記突出部と前記バネ部の間において、前記第一面から突出するとともに、前記第一方向に延在する側板部を、さらに備える、請求項1に記載のヒンジ。
【請求項3】
前記バネ部は、前記第一面から突出する第一バネ部と、前記第一バネ部から前記屈曲部を介して前記第一面に向かって形成される第二バネ部と、前記屈曲部において前記第一バネ部と前記第二バネ部とを連結する第一リブと、を有する、請求項1に記載のヒンジ。
【請求項4】
前記突起がピン状である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒンジ。
【請求項5】
前記突起がラッチである、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒンジ。
【請求項6】
光ケーブルの光接続箱の扉であって、
請求項4に記載のヒンジを少なくとも一つ備え、
前記バネ部は前記扉に対して前記ヒンジを前記第一方向に付勢するように構成され、
前記操作部が前記第一方向に移動されることで、前記突起が前記扉に脱着するように構成されている、扉。
【請求項7】
前記バネ部は、前記屈曲部から前記第一方向に突出する第二リブを有し、
前記第二リブは、前記ヒンジが前記扉に対してスライドした場合、前記扉の一部に当接するように構成されており、
定常状態における前記第二リブと前記扉の前記一部との距離は、前記ヒンジが前記扉に対して前記第一方向にスライドするスライドストロークの0.4倍以上0.6倍以下である、請求項6に記載の扉。
【請求項8】
光ケーブルの光接続箱の扉であって、
請求項5に記載のヒンジを少なくとも一つ備え、
前記バネ部は前記扉に対して前記ヒンジを前記第一方向に付勢するように構成され、
前記操作部が前記第一方向に移動されることで、前記突起が前記扉に脱着するように構成されている、扉。
【請求項9】
前記バネ部は、前記屈曲部から前記第一方向に突出する第二リブを有し、
前記第二リブは、前記ヒンジが前記扉に対してスライドした場合、前記扉の一部に当接するように構成されており、
定常状態における前記第二リブと前記扉の前記一部との距離は、前記ヒンジが前記扉に対して前記第一方向にスライドするスライドストロークの0.4倍以上0.6倍以下である、請求項8に記載の扉。
【請求項10】
光ケーブルの光接続箱の扉であって、
前記扉は、互いに対向する第一辺および第二辺を有し、
前記第一辺に少なくとも一つの、第一ヒンジである請求項4に記載のヒンジが設けられ、
前記第一辺において、前記第一ヒンジの前記バネ部は前記扉に対して前記第一ヒンジを前記第一方向に付勢するように構成され、
前記第一辺において、前記第一ヒンジの前記操作部が前記第一方向に移動されることで、前記第一ヒンジの前記突起が前記扉に脱着するように構成されており、
前記第二辺に少なくとも一つの、第二ヒンジである請求項5に記載の前記ヒンジが設けられ、
前記第二辺において、前記第二ヒンジの前記バネ部は前記扉に対して前記第二ヒンジを前記第一方向に付勢するように構成され、
前記第二辺において、前記第二ヒンジの前記操作部が前記第一方向に移動されることで、前記第二ヒンジの前記突起が前記扉に脱着するように構成されており、
前記第一ヒンジの前記操作部は、前記扉の第一面から突出しており、
前記第二ヒンジの前記操作部は、前記扉の第二面から突出している、扉。
【請求項11】
前記第一ヒンジおよび前記第二ヒンジの少なくとも一つにおいて、前記バネ部は、前記屈曲部から前記第一方向に突出する第二リブを有し、
前記第二リブは、前記ヒンジが前記扉に対してスライドした場合、前記扉の一部に当接するように構成されており、
定常状態における前記第二リブと前記扉の前記一部との距離は、前記ヒンジが前記扉に対して前記第一方向にスライドするスライドストロークの0.4倍以上0.6倍以下である、請求項10に記載の扉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒンジおよび扉に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、扉を簡単に脱着するため、扉に固定されるホルダと、ホルダの上板部の軸孔と下板部の軸孔とに上下動可能に挿通する軸棒と、軸棒を下向きに付勢するバネと、軸棒の側面から突出する操作棒と、を備える、ピボットヒンジを開示している。ホルダの側板部には、上下方向に位置決め孔と、横方向に、位置決め孔の上端と交差する係止孔とが設けられている。操作棒が位置決め孔に係合されることで軸棒が扉の固定枠の軸孔に挿入されるとともに、操作棒が係止孔に係合されることで軸棒が固定枠の軸孔から外れた状態に保持される。
【0003】
特許文献2は、バネ支持部と、バネ支持部に支持されたウェブと、ウェブに取り付けられた第一バネ板と、第一バネ板とバネ支持部との間で、ウェブから延在する少なくとも一つの補助バネ板とを備える、樹脂バネを開示している。第一バネ板と、少なくとも一つの補助バネ板とは互いに平行であり、樹脂バネは、補助バネ板によって第一バネ板の強度および弾性力を補強している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-144619号公報
【特許文献2】米国特許第5984285号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のピボットヒンジは複数の部品が組み合わされて構成されているため、製造コストがかかる。また、バネは圧縮コイルバネであるため、他の部品と一体的に形成することが難しい。
【0006】
本開示は、安価で、簡易な構造を備えるヒンジと、当該ヒンジが取り付けられる扉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のヒンジは、
第一方向に延在するベース部と、
前記ベース部の第一面から突出するとともに、前記第一方向に突出する突起を有する突出部と、
前記第一面から突出するとともに、少なくとも一つの屈曲部を有し、前記第一方向に弾性的に変形するように構成された、バネ部と、
前記ベース部の第二面に設けられ、前記第一方向に沿って操作されるように構成された操作部と、を備え、
前記ベース部と、前記突出部と、前記バネ部と、前記操作部は、樹脂であり、一体的に形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、安価で、簡易な構造を備えるヒンジと、当該ヒンジが取り付けられる扉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る光接続箱の斜視図である。
図2図2は、図1の光接続箱における、扉および第一ヒンジの部分拡大図である。
図3図3は、第一ヒンジが扉に係合する様子を示す斜視図である。
図4図4は、第一ヒンジの斜視図である。
図5図5は、第一ヒンジの他の斜視図である。
図6図6は、第一ヒンジのバネ部の部分拡大図である。
図7図7は、第二ヒンジの斜視図である。
図8図8は、第二ヒンジの他の斜視図である。
図9図9は、ヒンジの変形例の部分拡大概要図である。
図10図10は、図9のバネ部が弾性変形した状態を示す、ヒンジの変形例の部分拡大概要図である。
図11図11は、ヒンジの変形例のバネ部の部分拡大図である。
図12図12は、ヒンジの変形例が扉に係合する様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の一形態の説明)
まず本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係るヒンジは、
(1)第一方向に延在するベース部と、
前記ベース部の第一面から突出するとともに、前記第一方向に突出する突起を有する突出部と、
前記第一面から突出するとともに、少なくとも一つの屈曲部を有し、前記第一方向に弾性的に変形するように構成された、バネ部と、
前記ベース部の第二面に設けられ、前記第一方向に沿って操作されるように構成された操作部と、を備え、
前記ベース部と、前記突出部と、前記バネ部と、前記操作部は、樹脂であり、一体的に形成されている。
【0011】
本開示によれば、ヒンジは、第一方向に延在するベース部と、第一方向に突出する突起を有する突出部と、第一方向に弾性的に変形するように構成されたバネ部と、操作部とを備える。ヒンジの突起が光接続箱などの被係合物に係合された状態において、操作部が第一方向に沿って操作されると、バネ部が第一方向に沿って弾性的に変形し、ヒンジの突起が被係合物から外れることで、ヒンジが取り付けられる扉を被係合物から簡単に外すことができる。またベース部と、突出部と、バネ部と、操作部は、樹脂であり、一体的に形成されているため、複数の部品を組み立てる必要がなく、比較的安価で、簡易な構造を備えるヒンジを製造することができる。
【0012】
(2)上記(1)において、前記ヒンジは、前記突出部と前記バネ部の間において、前記第一面から突出するとともに、前記第一方向に延在する側板部を、さらに備えてもよい。
本開示によれば、ヒンジが突出部とバネ部の間に、第一面から突出するとともに、第一方向に延在する側板部を備えるため、ヒンジ全体の強度を補強することができる。ヒンジが扉などの被係合物に係合された状態において、被係合物の一部に側板部を滑動させることで被係合物に沿わせてヒンジを安定的に案内させることができる。
【0013】
(3)上記(1)または(2)において、前記バネ部は、前記第一面から突出する第一バネ部と、前記第一バネ部から前記屈曲部を介して前記第一面に向かって形成される第二バネ部と、前記屈曲部において前記第一バネ部と前記第二バネ部とを連結する第一リブと、を有してもよい。
本開示によれば、バネ部は、屈曲部において第一バネ部と第二バネ部とを連結する第一リブを有するため、バネ部が縮まった場合における屈曲部の負荷を小さくし、撓みを低減させることができる。
【0014】
(4)上記(1)から(3)のいずれか一つにおいて、
前記突起がピン状であってもよい。
本開示によれば、突起がピン状であるため、光接続箱などの被係合物にピンを係合させることができる。
【0015】
(5)上記(1)から(3)のいずれか一つにおいて、
前記突起がラッチであってもよい。
本開示によれば、突起がラッチであるため、扉などの被係合物にラッチを係合させることができる。
【0016】
本開示の他の態様に係る扉は、
(6)光ケーブルの光接続箱の扉であって、上記(1)から(5)のいずれか一つのヒンジを少なくとも一つ備え、
前記バネ部は前記扉に対して前記ヒンジを前記第一方向に付勢するように構成され、
前記操作部が前記第一方向に移動されることで、前記突起が前記扉に脱着するように構成されていてもよい。
本開示によれば、扉は前記ヒンジを少なくとも一つ有するため、ネジ止めや溶接することなく、光接続箱から扉を簡単に脱着することができる。
【0017】
(7)本開示の他の態様に係る扉は、
光ケーブルの光接続箱の扉であって、
前記扉は、互いに対向する第一辺および第二辺を有し、
前記第一辺に少なくとも一つの、第一ヒンジである(4)に記載のヒンジが設けられ、
前記第一辺において、前記第一ヒンジの前記バネ部は前記扉に対して前記第一ヒンジを前記第一方向に付勢するように構成され、
前記第一辺において、前記第一ヒンジの前記操作部が前記第一方向に移動されることで、前記第一ヒンジの前記突起が前記扉に脱着するように構成されており、
前記第二辺に少なくとも一つの、第二ヒンジである(5)に記載の前記ヒンジが設けられ、
前記第二辺において、前記第二ヒンジの前記バネ部は前記扉に対して前記第二ヒンジを前記第一方向に付勢するように構成され、
前記第二辺において、前記第二ヒンジの前記操作部が前記第一方向に移動されることで、前記第二ヒンジの前記突起が前記扉に脱着するように構成されており、
前記第一ヒンジの前記操作部は、前記扉の第一面から突出しており、
前記第二ヒンジの前記操作部は、前記扉の第二面から突出していてもよい。
本開示によれば、第一ヒンジの操作部は、扉の第一面から突出しており、第二ヒンジの操作部は、前記扉の第二面から突出しているため、扉の第一面と第二面のいずれからも扉の脱着を簡単に行うことができる。
【0018】
(8)上記(6)において、前記バネ部は、前記屈曲部から前記第一方向に突出する第二リブを有し、
前記第二リブは、前記ヒンジが前記扉に対してスライドした場合、前記扉の一部に当接するように構成されており、
定常状態における前記第二リブと前記扉の前記一部との距離は、前記ヒンジが前記扉に対して前記第一方向にスライドするスライドストロークの0.4倍以上0.6倍以下であってもよい。
本開示によれば、バネ部は屈曲部から第一方向に突出する第二リブを有するため、バネ部が縮まった場合に第二リブが扉の一部に当接することで、バネ部の過度な変形を防ぐことができる。さらに定常状態における第二リブと扉の一部との距離は、ヒンジが扉に対して第一方向にスライドするスライドストロークの0.4倍以上0.6倍以下であるため、バネ部全体が比較的均一に変形し得るため、局所的な変形をより防ぐことができる。
【0019】
(9)上記(7)において、前記第一ヒンジおよび前記第二ヒンジの少なくとも一つにおいて、前記バネ部は、前記屈曲部から前記第一方向に突出する第二リブを有し、
前記第二リブは、前記ヒンジが前記扉に対してスライドした場合、前記扉の一部に当接するように構成されており、
定常状態における前記第二リブと前記扉の前記一部との距離は、前記ヒンジが前記扉に対して前記第一方向にスライドするスライドストロークの0.4倍以上0.6倍以下であってもよい。
本開示によれば、バネ部は屈曲部から第一方向に突出する第二リブを有するため、バネ部が縮まった場合に第二リブが扉の一部に当接することで、バネ部の過度な変形を防ぐことができる。さらに定常状態における第二リブと扉の一部との距離は、ヒンジが扉に対して第一方向にスライドするスライドストロークの0.4倍以上0.6倍以下であるため、バネ部全体が比較的均一に変形し得るため、局所的な変形をより防ぐことができる。
【0020】
(本開示の一形態の詳細)
本開示の一形態に係る光ケーブルの光接続箱1の具体例を、図面を参照しつつ説明する。本実施形態における、「上下方向」、「左右方向」、「前後方向」とは、図1に示す光接続箱1について、説明の便宜上、設定された相対的な方向である。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0021】
(光ケーブルの光接続箱の構成)
図1は、本開示の一実施形態に係る光接続箱1の斜視図である。図2は、図1の光接続箱1における、扉10および第一ヒンジ100Aの部分拡大図である。図3は、第一ヒンジ100Aが扉10に係合する様子を示す斜視図である。
【0022】
本実施形態の上下方向は、光接続箱1の高さ方向である。各図において「U」は上方を示し、「D」は下方を示す。本実施形態の前後方向は、上下方向に垂直であって、扉10の設けられた方向を前方、扉10から光接続箱1の内部への方向を後方とする。各図において「F」は前方を示し、「B」は後方を示す。本実施形態の左右方向は、上下方向及び前後方向の両方に垂直な方向であって、光接続箱1の幅方向である。各図において「L」は左方を示し、「R」は右方を示す。上下方向は第一方向の一例である。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の光接続箱1は、直方体の形状を有している。光接続箱1の内部では、複数の光ケーブルそれぞれが他の光ケーブルに接続されてもよい。光接続箱1は、前方に設けられた扉10と、後方に設けられた本体20と、を備えている。扉10は、第一ヒンジ100Aと、第二ヒンジ100Bと、を備えている。第一ヒンジ100Aおよび第二ヒンジ100Bはともに、ヒンジの一例である。
【0024】
図1に示すように、扉10は、長方形の形状を有している。扉10は、第一辺11と第二辺12を有している。第一辺11と第二辺12は互いに対向している。本実施形態において、第一辺11は、上下方向に延在しており、扉10の左側に位置する。第二辺12は、上下方向に延在しており、扉10の右側に位置する。扉10の第一辺11には、少なくとも一つの第一ヒンジ100Aが設けられている。本実施形態では、第一辺11には二つの第一ヒンジ100Aが設けられている。第二辺12には、少なくとも一つの第二ヒンジ100Bが設けられている。本実施形態では、第二辺12には二つの第二ヒンジ100Bが設けられている。
【0025】
扉10は、さらに、前面13と、後面14とを、有している。本実施形態において、前面13は、前後方向に垂直な面であり、扉10の前方に位置する。後面14は、前後方向に垂直な面であり、扉10の後方に位置する。前面13は、後面14の反対側に設けられている。後面14は、扉10の第一面の一例である。前面13は、扉10の第二面の一例である。
【0026】
図2に示すように、扉10は、第一ヒンジ100Aを介して、本体20の取付面21に取り付けられている。本実施形態の取付面21は、本体20の左前方に位置し、上下方向に垂直な面を有する。図3に示すように、第一ヒンジ100Aは扉10の第一辺11において、扉10に係合するように構成されている。第一ヒンジ100Aと扉10との係合構成は、後述する。
【0027】
同様にして、扉10は、第二ヒンジ100Bを介して、本体20に取り付けられている(図1)。第二ヒンジ100Bは扉10の第二辺12において、扉10に係合するように構成されている。
【0028】
(第一ヒンジの構成)
つぎに第一ヒンジ100Aの詳細を説明する。図4および図5は、第一ヒンジ100Aの斜視図である。以下では、図4および図5に示す第一ヒンジ100Aが扉10の左上方に取り付けられる場合における、上下方向、前後方向、左右方向を基準に説明する。図4および図5に示すように、第一ヒンジ100Aは、ベース部110と、突出部120と、バネ部130と、操作部140と、を有する。ベース部110と、突出部120と、バネ部130と、操作部140は、樹脂であり、一体的に形成されている。第一ヒンジ100Aは、さらに、側板部150を有してもよい。側板部150も樹脂であり、ベース部110と一体的に形成されていてもよい。
【0029】
ベース部110は、上下方向に延在しており、長方形の形状を有している。ベース部110は、前面111と、後面112とを有している。前面111は、後面112の反対側に設けられている。前面111および後面112は、前後方向に略垂直な平面を有する。前面111は、ベース部110の第一面の一例である。後面112は、ベース部110の第二面の一例である。
【0030】
突出部120は、ベース部110の前面111から突出するとともに、上下方向に突出する突起121を有している。本実施形態の突出部120は、前面111の上部に設けられている。突起121は、突出部120から上方に突出している。さらに突起121はピン状である。突起121は、例えば円柱形状を有している。突起121がピン状であるため、本実施形態の第一ヒンジ100Aはピボットヒンジとして機能する。
【0031】
バネ部130は、ベース部110の前面111から突出するとともに、少なくとも一つの屈曲部131を有している。さらにバネ部130は、上下方向に弾性的に変形するように構成されている。
【0032】
図6は、第一ヒンジ100Aの部分拡大図である。図6は主にバネ部130と操作部140を示している。図6に示すようにバネ部130は、屈曲部131に加えて、第一バネ部132と、第二バネ部133と、第一リブ134を有している。第一バネ部132は、ベース部110の前面111から突出している。第二バネ部133は、第一バネ部132から屈曲部131を介して前面111に向かって形成されている。第一リブ134は、屈曲部131において第一バネ部132と第二バネ部133とを連結するように形成されている。
【0033】
図4および図5に戻り、第一ヒンジ100Aの各構成要素の説明を続ける。操作部140は、ベース部110の後面112に設けられ、上下方向に沿って操作されるように構成されている。本実施形態の操作部140は、後面112の下部に設けられている。操作部140は、後面112に略垂直な操作面141を有する、つまみである。本実施形態の操作面141は、上方向を向いている。操作面141は例えば複数の溝が形成されていてもよい。操作部140は、上方向を向く操作面141を備え、操作面141を上から押すことで、下方向に操作されるように構成されている。
【0034】
側板部150は、突出部120とバネ部130の間において、ベース部110の前面111から突出するとともに、上下方向に延在する。本実施形態では、前面111から左右方向に一対の側板部150が二つ、合計四つの側板部150が設けられている。各側板部150は、前面111から略垂直に、前後方向に延在している。各側板部150の端部には、扉10に係合するように構成された爪部151が設けられていてもよい。
【0035】
(第二ヒンジの構成)
つぎに第二ヒンジ100Bの詳細を説明する。図7および図8は、第二ヒンジ100Bの斜視図である。以下では、図7および図8に示す第二ヒンジ100Bが扉10の右上方に取り付けられる場合における、上下方向、前後方向、左右方向を基準に説明する。図7および図8に示す構成において、図4および図5に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
図4および図5に示したように、第一ヒンジ100Aの突出部120はピン状の突起121を有している。一方、図7および図8に示すように、第二ヒンジ100Bの突出部120は、ラッチ122を有している。ラッチ122は、左右方向に幅広の形状を有するとともに、突出部120から上方に突出している。さらに、ラッチ122も樹脂であり、ベース部110やバネ部130等と一体的に形成されている。突出部120がラッチ122を有するため、本実施形態の第二ヒンジ100Bはロックラッチとして機能する。
【0037】
(第一ヒンジの使用)
つぎに、図1図2図3および図6を参照して、光接続箱1の本体20に対する、第一ヒンジ100Aの脱着について説明する。ここでは一例として、扉10の左上方に取り付けられる第一ヒンジ100Aの脱着を説明する。扉10の左下方に取り付けられる第一ヒンジ100Aの脱着は、操作される方向が上下反対であることを除いて、扉10の左上方に取り付けられる第一ヒンジ100Aの脱着と同じであるため、説明を省略する。同様にして、扉10の右方に取り付けられる二つの第二ヒンジ100Bの脱着も、操作される方向や取付位置を除いて、第一ヒンジ100Aの脱着と同じであるため、説明を省略する。
【0038】
図1に示すように、扉10は、二つの第一ヒンジ100Aおよび二つの第二ヒンジ100Bを介して、本体20に取り付けられるように構成されている。このとき、各第一ヒンジ100Aの操作部140は、扉10の後面14から突出している。各第二ヒンジ100Bの操作部140は、扉10の前面13から突出している。
【0039】
本実施形態では、第一ヒンジ100Aが扉10に係合している状態を第一ヒンジ100Aの定常状態とする。定常状態は、扉10が第一ヒンジ100Aを介して本体20に取り付けられた状態でもある。図3に示すように、定常状態において、突出部120の突起121は、扉10の取付面15に係合している。取付面15は、扉10の第一辺11において、上下方向に垂直な面に設けられた切り欠き15Nを有する。突起121は切り欠き15Nを貫通して、本体20の取付面21に係合している(図2)。ピン状である突起121が本体20の取付面21に係合しているため、定常状態では扉10は本体20に対して、突起121を中心軸として回転可能に取り付けられている。なお、ラッチ122を有する第二ヒンジ100Bも、本体20の取付面21に係合するように構成されている。ただし第二ヒンジ100Bはロックラッチであるため、定常状態では扉10が本体20に対して回転しないように取り付けられている。
【0040】
第一ヒンジ100Aが定常状態であるとき、バネ部130の第二バネ部133は、扉10の当接面16に当接していてもよいし、当接していなくてもよい。当接面16は、扉10の第一辺11において、上下方向に略垂直な面を有する。当接面16は、扉10の一部の一例である。本実施形態では、第一ヒンジ100Aの自重により、第二バネ部133は当接面16に当接している。このとき、バネ部130が第一ヒンジ100Aを上方向に付勢していてもよいし、付勢していなくてもよい。なお第一ヒンジ100Aが扉10の左下方に設けられる場合においては、第一ヒンジ100Aの自重により、第二バネ部133が当接面16に当接していない場合もある。このような場合であっても、突出部120の突起121は本体20の取付面21に係合するように、上下方向に十分な長さを有している。また、側板部150は扉10の側面17に当接している。側面17は扉10の第一辺11において、上下方向に延在している。爪部151は、扉10の側面17に係合している。
【0041】
定常状態にある第一ヒンジ100Aを用いて扉10を本体20から取り外すとき、使用者は、第一ヒンジ100Aの操作部140の操作面141に指をかける。操作部140が使用者の指により押圧され下方向に移動すると、第一ヒンジ100Aはバネ部130により扉10に対して上方向に付勢され始める。または、第一ヒンジ100Aは定常状態で予めバネ部130により付勢されている。操作面141に複数の溝が形成されている場合には、これら溝が滑り止めとして機能してもよい。使用者は、操作面141に指をかけながら、バネ部130の付勢力に抗して第一ヒンジ100Aを下方向に移動させる。このときバネ部130が扉10の当接面16に向かって下方向に縮み、弾性変形する。図6に示すようにバネ部130の一部(例えば第二バネ部133)が弾性変形してもよいし、バネ部130の複数個所(例えば屈曲部131、第一バネ部132および第二バネ部133)が弾性変形してもよい。このとき、第一リブ134は、と第一バネ部132と第二バネ部133の間を連結するように形成されているため、第一バネ部132と第二バネ部133の間に位置する屈曲部131への負荷を低減することができる。
【0042】
バネ部130が弾性変形すると、側板部150が扉10の側面17上を滑動し、第一ヒンジ100A全体が本体20に対して相対的に下方向にスライドする。すると、突出部120の突起121が本体20の取付面21から外れて、扉10が本体20から取り外される。さらに第一ヒンジ100Aが下方向にスライドすると突起121が取付面15の切り欠き15Nから外れる場合もあるが、側板部150の爪部151が側面17に係合しているため、第一ヒンジ100Aが扉10から脱落してしまうことを防ぐことができる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態の第一ヒンジ100Aでは、突出部120の突起121が光接続箱1の取付面21に係合している定常状態から、操作部140が下方向に操作されると、バネ部130が上下方向に弾性変形し、突起121が取付面21から外れる。こうして第一ヒンジ100Aが取り付けられている扉10を、本体20から簡単に外すことができる。さらに第一ヒンジ100Aでは、ベース部110と、突出部120と、バネ部130と、操作部140は、樹脂であり、一体的に形成されている。このため、複数の部品を組み立てる必要がなく、一体的に形成されていない場合と比較して、安価で、簡易な構造を備える第一ヒンジ100Aを実現することができる。
【0044】
第一ヒンジ100Aは、上下方向に延在する側板部150を備えるため、第一ヒンジ100A全体の強度が補強される。さらに操作部140が下方向に操作されると、側板部150が扉10の側面17上を滑動する。このため、側面17に沿わせて第一ヒンジ100Aを上下方向に安定的に案内させることができる。
【0045】
バネ部130は、屈曲部131において第一バネ部132と第二バネ部133とを連結する第一リブ134を有する。このため、バネ部130が弾性変形により縮まった場合における屈曲部131の負荷を小さくし、撓みを低減させることができる。
【0046】
第一ヒンジ100Aに関して記載した上記効果は、第二ヒンジ100Bにおいても同様の効果を奏する。
【0047】
第一ヒンジ100Aの突出部120の突起121はピン状であるため、光接続箱1の本体20の取付面21に突起121を係合させることができる。したがって本体20に対して、第一ヒンジ100Aを介して扉10の脱着を簡単に行うことができる。
【0048】
第二ヒンジ100Bの突出部120はラッチ122を有しているため、本体20に対して、第二ヒンジ100Bを介して扉10の脱着を簡単に行うことができる。
【0049】
扉10の第一辺11には第一ヒンジ100Aが少なくとも一つ設けられ、第二辺12には第二ヒンジ100Bが少なくとも一つ設けられている。このため、光接続箱1に対して扉10をネジ止めしたり溶接したりする必要がない。また、第一辺11に設けられた第一ヒンジ100Aが本体20の取付面21に係合した状態で、第二辺12に設けられた第二ヒンジ100Bの操作部140を操作し、ラッチ122を本体20の取付面21から外すと、第一ヒンジ100Aの突起121を中心に扉10を本体20に対して開閉することができる。扉10を本体20から取り外す場合には、第一辺11に設けられた第一ヒンジ100Aおよび第二辺12に設けられた第二ヒンジ100Bそれぞれの操作部140を操作し、突起121およびラッチ122を取付面21から外せばよい。このような構成により、光接続箱1の本体20に対して扉10を開閉したり、脱着したりすることができる。
【0050】
第一辺11に設けられた第一ヒンジ100Aの操作部140は、扉10の後面14から突出しており、第二辺12に設けられた第二ヒンジ100Bの操作部140は、扉10の前面13から突出している。このため使用者は、扉10の前面13と後面14のいずれからも、第一ヒンジ100Aあるいは第二ヒンジ100Bを介して、扉10の脱着を簡単に行うことができる。
【0051】
(ヒンジの変形例)
図9および図10は、ヒンジの変形例として、第三ヒンジ100Cの部分拡大概要図を示す。図9および図10は、第三ヒンジ100Cのバネ部130および操作部140を主に示す。図9および図10に示す構成において、図4および図5に示した構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0052】
図9および図10に示すように、第三ヒンジ100Cのバネ部130は、屈曲部131から上下方向に突出する第二リブ135を有している。本実施形態では、第二リブ135は、屈曲部131から扉10の当接面16に向かって下方向に突出している。第二リブ135も、樹脂であり、第三ヒンジ100Cの他の構成と一体的に形成されている。図9に示すように、定常状態では、第二リブ135は当接面16に当接しておらず、当接面16から離れている。
【0053】
図10に示すように、第三ヒンジ100Cの操作部140が上下方向に操作され、第三ヒンジ100Cが扉10に対して下方向にスライドすると、第二リブ135は、扉10の当接面16に当接するように構成されている。より詳細には、操作部140が下方向にスライドストロークAだけ移動するとき、第二リブ135と当接面16の間の距離がゼロとなる。このとき、バネ部130の屈曲部131、第一バネ部132や第二バネ部133は弾性変形する。一方、第二リブ135は、屈曲部131から下方向であって、操作部140が操作される方向と略平行に延在しているため、バネ部130の他の部分と比較すると弾性変形しない。このため、第二リブ135が当接面16に当接したあとは、第三ヒンジ100Cが扉10に対してさらに下方向にスライドすることが抑制される。
【0054】
第二リブ135は、定常状態における第二リブ135と当接面16の間の距離がスライドストロークAの0.4倍以上0.6倍となるように、設けられている。本実施形態では、定常状態における第二リブ135と当接面16の間の距離は、スライドストロークAの0.5倍である。定常状態における第二リブ135と当接面16の間の距離、あるいは第二リブ135が屈曲部131から下方向に突出する長さは、操作部140が下方向にスライドストロークAだけ移動した場合に、第一バネ部132と第二バネ部133とが同程度に弾性変形するように設定されてもよい。
【0055】
以上説明したように、第三ヒンジ100Cのバネ部130は、屈曲部131から下方向に突出する第二リブ135を有する。操作部140が所定の長さだけ下方向に操作されると、第二リブ135が扉10の当接面16に当接する。このためバネ部130の過度な変形を防ぐことができる。さらに定常状態における第二リブ135と扉10の当接面16との距離は、第三ヒンジ100Cが扉10に対して上下方向にスライドするスライドストロークAの0.4倍以上0.6倍以下である。このため、バネ部130全体が比較的均一に変形し得るため、局所的な変形をより防ぐことができる。
【0056】
以上、本開示を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本開示の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本開示を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
【0057】
本実施形態の第一ヒンジ100A、第二ヒンジ100B、第三ヒンジ100Cでは、バネ部130はいずれも一つの屈曲部131を有していた。しかしながら屈曲部131の数は1つに限定されない。バネ部130は複数の屈曲部を有してもよい。図11は、第一ヒンジ100Aの変形例の部分拡大図である。図11に主にバネ部130を示している。図11に示すように、バネ部130は、屈曲部131、第一バネ部132、第二バネ部133に加えて、第二屈曲部136と、第二バネ部133から第二屈曲部136を介して前面111から離れるように形成される第三バネ部137と、を有してもよい。バネ部130は、三つ以上の屈曲部を有してもよい。
【0058】
本実施形態の第一ヒンジ100A、第二ヒンジ100B、第三ヒンジ100Cでは、操作部140は操作面141を有する、つまみであった。しかしながら操作部140の形状はつまみに限定されない。操作部140は、例えば後面112から突出するピン形状であってもよい。操作部140は、つまみやピン形状に代えて、後面112に形成される凹部あるいは孔部を有してもよい。
【0059】
本実施形態の第一ヒンジ100A、第二ヒンジ100B、第三ヒンジ100Cは、側板部150の爪部151を介して扉10に係合していた。しかしながら各ヒンジは、爪部151に代えて、他の部材を介して扉10に係合されてもよい。図12は、変形例である第四ヒンジ100Dが扉10に係合する様子を示す斜視図である。図12に示すように、第四ヒンジ100Dは、固定プレート18を介して扉10に係合されている。固定プレート18は、上下方向に延在した板形状を有する。固定プレート18は、第四ヒンジ100Dの前面111にネジ止めされるとともに、扉10の側面17の前部17Fを滑動するように設けられている。操作部140が上下方向に操作されると、第四ヒンジ100Dにネジ止めされた固定プレート18が、第四ヒンジ100Dとともに側面17の前部17F上を滑動し、第四ヒンジ100D全体が上下方向にスライドする。このように固定プレート18によって、第四ヒンジ100Dは扉10の側面17の前部17Fに沿って安定的に案内される。また固定プレート18により、第四ヒンジ100Dが扉10から脱落してしまうことを防ぐことができる。
【0060】
本実施形態の光接続箱1の扉10には、第一辺11に二つの第一ヒンジ100Aが取り付けられ、第二辺12に二つの第二ヒンジ100Bが取り付けられていた。しかしながら、各ヒンジの数や扉に対する位置はこれらに限定されない。例えば第一辺11の上部には一つの第一ヒンジ100Aが取り付けられるとともに、第一辺11の下部から下方向に突出するピンが、ヒンジを介さず、光接続箱1の本体20に直接係合することで、扉10が本体20に取り付けられていてもよい。例えば、第一辺11および第二辺12それぞれに第一ヒンジ100Aが取り付けられてもよいし、第一辺11および第二辺12それぞれに第二ヒンジ100Bが取り付けられてもよい。扉10に取り付けられるヒンジを全て第一ヒンジ100Aにしてもよいし、全て第二ヒンジ100Bにしてもよい。扉10に取り付けられるヒンジが全て第一ヒンジ100Aである場合、扉10を本体20に対して左右いずれの方向からでも開閉することができる。第一辺11に設けられた第一ヒンジ100Aの操作部140が、扉10の前面13から突出するように設けられてもよい。第二辺12に設けられた第二ヒンジ100Bの操作部140が、扉10の後面14から突出するように設けられてもよい。
【0061】
本実施形態の各ヒンジは光ケーブルの光接続箱1の扉10に取り付けられていたが、各ヒンジの被係合物は光ケーブルの光接続箱1の扉10に限定されない。各ヒンジは、任意の筐体に対して脱着可能なパネルに取り付けられてもよい。例えば各ヒンジは、複数のコネクタが配置された成端パネルに取り付けられ、その成端箱から成端パネルを簡単に脱着するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1:光接続箱
10:扉
11:第一辺
12:第二辺
13:前面
14:後面
15:取付面
16:当接面
17:側面
17F:前部
18:固定プレート
20:本体
21:取付面
100A:第一ヒンジ
100B:第二ヒンジ
100C:第三ヒンジ
100D:第四ヒンジ
110:ベース部
111:前面
112:後面
120:突出部
121:突起
122:ラッチ
130:バネ部
131:屈曲部
132:第一バネ部
133:第二バネ部
134:第一リブ
135:第二リブ
136:第二屈曲部
137:第三バネ部
140:操作部
141:操作面
150:側板部
151:爪部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12