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特開2024-66634クライオアブレーションカテーテルおよびクライオアブレーションカテーテルシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066634
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】クライオアブレーションカテーテルおよびクライオアブレーションカテーテルシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/02 20060101AFI20240509BHJP
   A61F 7/12 20060101ALI20240509BHJP
   A61M 25/14 20060101ALI20240509BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20240509BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20240509BHJP
【FI】
A61B18/02
A61F7/12 Z
A61M25/14 512
A61M25/00 624
A61M25/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176155
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 弘規
(72)【発明者】
【氏名】大角 真太郎
【テーマコード(参考)】
4C099
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C099AA02
4C099CA13
4C099EA03
4C099LA01
4C099PA03
4C160JJ04
4C160KL03
4C160MM34
4C160MM43
4C267AA06
4C267BB02
4C267BB06
4C267BB09
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB13
4C267BB15
4C267BB16
4C267BB27
4C267BB40
4C267CC19
4C267CC22
4C267EE05
4C267GG34
4C267HH08
4C267HH16
(57)【要約】
【課題】外筒の周方向において、外筒の周囲に位置している患部を均等に冷却しやすくすることが可能なクライオアブレーションカテーテルおよびクライオアブレーションカテーテルシステムを提供する。
【解決手段】外筒10と、外筒10の内腔15に配置され、線材93が巻回されているコイル90と、コイル90の内腔に配置され、ガイドワイヤルーメン211と供給ルーメン212と線材配置領域と線材非配置領域を有している内筒210と、を備え、外筒10と内筒210の間に排出流路31を有しているクライオアブレーションカテーテル1であって、内筒210の遠位部に供給ルーメン212と排出流路31を連通し、線材非配置領域に線材非配置領域の巻回方向に沿って形成されている複数の孔40を有しているクライオアブレーションカテーテル1と、当該クライオアブレーションカテーテル1を備えたクライオアブレーションカテーテルシステム。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端と近位端を有し、長手方向に延在している外筒と、
前記外筒の内腔に配置されており、線材が巻回されているコイルと、
前記長手方向に延在し、前記コイルの内腔に配置されている内筒と、を備えているクライオアブレーションカテーテルであって、
前記長手方向に垂直な断面において、前記内筒は、ガイドワイヤが挿入されるガイドワイヤルーメンと、前記ガイドワイヤルーメンと異なる領域に形成されており前記内筒の近位側から遠位側に向かって流体が通過可能な供給ルーメンを有しており、
前記クライオアブレーションカテーテルは、前記外筒の内面と前記内筒の外面の間に、前記外筒の遠位側から近位側に向かって前記流体が通過可能な排出流路を有しており、
前記内筒の遠位部に、前記供給ルーメンと前記排出流路を連通する複数の孔が形成されており、
前記内筒は、前記内筒の径方向外方に前記線材が配置されている線材配置領域と、前記内筒の径方向外方に前記線材が配置されていない線材非配置領域を有しており、
前記複数の孔は、前記線材非配置領域に、前記線材非配置領域の巻回方向に沿って形成されているクライオアブレーションカテーテル。
【請求項2】
前記コイルは、前記線材の線径の2倍以上のピッチを有する第1区間と、前記第1区間よりも近位側であって前記第1区間よりもピッチが短い第2区間を有している請求項1に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【請求項3】
前記孔は、前記第1区間に形成されている請求項2に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【請求項4】
前記第1区間におけるピッチの長さは、前記孔の直径よりも長い請求項3に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【請求項5】
前記第2区間におけるピッチの長さは、前記孔の直径よりも短い請求項3に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【請求項6】
前記孔は、前記線材非配置領域にのみ形成されている請求項1~5のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【請求項7】
前記長手方向に垂直な切断部端面において、前記孔は1つのみ存在している請求項1~5のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【請求項8】
前記外筒は、前記外筒の遠位部に、前記外筒の径方向に拡縮可能なバルーンを有している請求項1~5のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【請求項9】
前記コイルの遠位端は前記バルーンの内部に位置している請求項8に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【請求項10】
前記外筒は、前記外筒の遠位部に、前記外筒の径方向に拡縮可能なバルーンを有しており、
前記第1区間は前記バルーンの内部に位置している請求項2~5のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【請求項11】
前記クライオアブレーションカテーテルは、さらに、前記長手方向に延在しているルーメンが形成されており、近位側から遠位側に向かって外径が小さくなっている先端チップを備え、
前記外筒の遠位端部と前記内筒の遠位端部は、前記先端チップの近位端部に固定されている請求項1~5のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【請求項12】
請求項1~5のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテルと、
前記供給ルーメンに前記流体を供給する流体供給装置と、を備えたクライオアブレーションカテーテルシステムであって、
前記内筒は、前記流体供給装置に接続されているクライオアブレーションカテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライオアブレーションカテーテルおよびクライオアブレーションカテーテルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
クライオアブレーション術は、低温にしたデバイスを対象組織に接触させることで対象組織を構成する細胞を凍結壊死させる医療技術であり、心筋組織や腫瘍組織の治療に用いられている。デバイスを低温にするための方法としては、液体窒素を用いるものや高圧ガスによるジュール・トムソン効果を用いるものがある。
【0003】
特許文献1には、近端部と、遠端部と、それを貫通する主ルーメンとを備えるカテーテル本体を有する冷凍外科治療用カテーテルについて記載されている。当該冷凍外科治療用カテーテルを構成するカテーテル本体のオリフィス上には、主ルーメンを通して供給される低温流体を収納するバルーンが載置されており、カテーテル本体を通して低温流体がバルーンに供給されることによって、バルーンが膨張され、患部が冷却される。より詳細には、低温供給チューブによって近位側から遠位側に運ばれた低温流体がディフューザに形成されているポートを介してバルーン内に供給され、該低温流体が排出ルーメンを介して排出される態様が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2001-524345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているクライオアブレーション術用のカテーテルのように、単にポートが複数設けられているだけでは、ポートから径方向外方に噴射された低温流体は、排出ルーメンを通過して遠位側から近位側に向かって略一直線に運ばれた後、カテーテルの外部に排出されるため、カテーテルの周方向において、カテーテルの周囲に位置している患部を均等に冷却することが困難であった。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、外筒の周方向において、外筒の周囲に位置している患部を均等に冷却しやすくすることが可能なクライオアブレーションカテーテルおよびクライオアブレーションカテーテルシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様に係るクライオアブレーションカテーテルは、以下の通りである。
[1]遠位端と近位端を有し、長手方向に延在している外筒と、
前記外筒の内腔に配置されており、線材が巻回されているコイルと、
前記長手方向に延在し、前記コイルの内腔に配置されている内筒と、を備えているクライオアブレーションカテーテルであって、
前記長手方向に垂直な断面において、前記内筒は、ガイドワイヤが挿入されるガイドワイヤルーメンと、前記ガイドワイヤルーメンと異なる領域に形成されており前記内筒の近位側から遠位側に向かって流体が通過可能な供給ルーメンを有しており、
前記クライオアブレーションカテーテルは、前記外筒の内面と前記内筒の外面の間に、前記外筒の遠位側から近位側に向かって前記流体が通過可能な排出流路を有しており、
前記内筒の遠位部に、前記供給ルーメンと前記排出流路を連通する複数の孔が形成されており、
前記内筒は、前記内筒の径方向外方に前記線材が配置されている線材配置領域と、前記内筒の径方向外方に前記線材が配置されていない線材非配置領域を有しており、
前記複数の孔は、前記線材非配置領域に、前記線材非配置領域の巻回方向に沿って形成されているクライオアブレーションカテーテル。
【0008】
流体は、供給ルーメンを通過することによってカテーテルの近位側から遠位側に運ばれた後、内筒の孔から外筒の径方向外方に噴射され、排出流路を通過して遠位側から近位側に運ばれ、カテーテルの外部に排出される。このとき、本発明のクライオアブレーションカテーテルに備えられているコイルが存在していない場合は、孔から外筒の径方向外方に噴射された流体は排出流路を通過して遠位側から近位側に向かって略一直線に運ばれる。本発明のクライオアブレーションカテーテルにおいては、孔が線材非配置領域に形成されていることにより、孔から外筒の径方向外方に噴射された流体は隣り合う線材同士の間に留まりやすくなり、孔から外筒の径方向外方に噴射された流体はコイルの巻回方向に沿って移動しやすくなる。これにより、外筒の周方向において、外筒の周囲に位置している患部を均等に冷却しやすくすることができる。また、本発明のクライオアブレーションカテーテルは、コイルが備えられていることによって、それぞれの孔と外筒の内面との距離を所定の距離に保ちやすくすることができるため、外筒の径方向外方に配置される患部を均等に冷却しやすくすることができる。さらに、カテーテルにコイルが備えられていることにより、カテーテルの剛性を高めることができるため、屈曲した体腔を通過する際にカテーテルが急な角度で屈曲することを抑制することができ、供給ルーメンが閉塞するのを抑制することができる。これにより、近位側から遠位側に向かって流体を安定して送り込むことができる。
【0009】
本発明の実施の形態に係るクライオアブレーションカテーテルは、以下の[2]~[11]であることが好ましい。
[2]前記コイルは、前記線材の線径の2倍以上のピッチを有する第1区間と、前記第1区間よりも近位側であって前記第1区間よりもピッチが短い第2区間を有している[1]に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[3]前記孔は、前記第1区間に形成されている[2]に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[4]前記第1区間におけるピッチの長さは、前記孔の直径よりも長い[2]または[3]に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[5]前記第2区間におけるピッチの長さは、前記孔の直径よりも短い[2]~[4]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[6]前記孔は、前記線材非配置領域にのみ形成されている[1]~[5]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[7]前記長手方向に垂直な切断部端面において、前記孔は1つのみ存在している[1]~[6]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[8]前記外筒は、前記外筒の遠位部に、前記外筒の径方向に拡縮可能なバルーンを有している[1]~[7]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[9]前記コイルの遠位端は前記バルーンの内部に位置している[8]に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[10]前記外筒は、前記外筒の遠位部に、前記外筒の径方向に拡縮可能なバルーンを有しており、
前記第1区間は前記バルーンの内部に位置している[2]~[5]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
[11]前記クライオアブレーションカテーテルは、さらに、前記長手方向に延在しているルーメンが形成されており、近位側から遠位側に向かって外径が小さくなっている先端チップを備え、
前記外筒の遠位端部と前記内筒の遠位端部は、前記先端チップの近位端部に固定されている[1]~[10]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0010】
本発明はまた、以下を提供する。
[12][1]~[11]のいずれか一項に記載のクライオアブレーションカテーテルと、
前記供給ルーメンに前記流体を供給する流体供給装置と、を備えたクライオアブレーションカテーテルシステムであって、
前記内筒は、前記流体供給装置に接続されているクライオアブレーションカテーテルシステム。
【発明の効果】
【0011】
本発明のクライオアブレーションカテーテルにおいては、孔が線材非配置領域に形成されていることにより、孔から外筒の径方向外方に噴射された流体は隣り合う線材同士の間に留まりやすくなり、孔から外筒の径方向外方に噴射された流体はコイルの巻回方向に沿って移動しやすくなる。これにより、外筒の周方向において、外筒の周囲に位置している患部を均等に冷却しやすくすることができる。また、本発明のクライオアブレーションカテーテルは、コイルが備えられていることによって、それぞれの孔と外筒の内面との距離を所定の距離に保ちやすくすることができるため、外筒の径方向外方に配置される患部を均等に冷却しやすくすることができる。さらに、カテーテルにコイルが備えられていることにより、カテーテルの剛性を高めることができるため、屈曲した体腔を通過する際にカテーテルが急な角度で屈曲することを抑制することができ、供給ルーメンが閉塞するのを抑制することができる。これにより、近位側から遠位側に向かって流体を安定して送り込むことができる。上記クライオアブレーションカテーテルを備える本発明のクライオアブレーションカテーテルシステムについても同様の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るクライオアブレーションカテーテルの一例を示す側面図を表す。
図2図2は、図1に示すクライオアブレーションカテーテルの断面図を表す。
図3図3は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのIII-III線における切断部端面図を表す。
図4図4は、本発明の実施の形態に係るクライオアブレーションカテーテルの変形例を示す側面図を表す。
図5図5は、図4に示すクライオアブレーションカテーテルの断面図を表す。
図6図6は、図5に示すクライオアブレーションカテーテルのVI-VI線における切断部端面図を表す。
図7図7は、図5に示すクライオアブレーションカテーテルのVII-VII線における切断部端面図を表す。
図8図8は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルの内筒とコイルを示す側面図を表す。
図9図9は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのIX-IX線における切断部端面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に関して、図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に限定されることはなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。各図において、便宜上、ハッチングや符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図を参照するものとする。また、図面における種々部品の寸法は、本発明の特徴を理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0014】
本発明の一実施態様に係るクライオアブレーションカテーテルは、遠位端と近位端を有し、長手方向に延在している外筒と、外筒の内腔に配置されており、線材が巻回されているコイルと、外筒の長手方向に延在し、コイルの内腔に配置されている内筒と、を備えているクライオアブレーションカテーテルであって、外筒の長手方向に垂直な断面において、内筒は、ガイドワイヤが挿入されるガイドワイヤルーメンと、ガイドワイヤルーメンと異なる領域に形成されており内筒の近位側から遠位側に向かって流体が通過可能な供給ルーメンを有しており、クライオアブレーションカテーテルは、外筒の内面と内筒の外面の間に、外筒の遠位側から近位側に向かって流体が通過可能な排出流路を有しており、内筒の遠位部に、供給ルーメンと排出流路を連通する複数の孔が形成されており、内筒は、内筒の径方向外方に線材が配置されている線材配置領域と、内筒の径方向外方に線材が配置されていない線材非配置領域を有しており、複数の孔は、線材非配置領域に、線材非配置領域の巻回方向に沿って形成されている点に要旨を有する。
【0015】
図1図9を参照して本発明に実施の形態に係るクライオアブレーションカテーテル1の全体構成について説明する。図2図3図5図7では、外筒10と内筒210とコイル90と、を有しているクライオアブレーションカテーテル1を示す。本図面においては、外筒10の長手方向をx、径方向をyで示している。径方向yは、長手方向xに垂直な方向である。また、外筒10の周方向をzで示している。なお、以下ではクライオアブレーションカテーテル1を単にカテーテル1ということがある。
【0016】
本明細書内において、近位側とは外筒の延在方向に対して使用者の手元側を指し、遠位側とは近位側の反対側、即ち処置対象側を指す。また、各部材の遠位部とは各部材のうちの遠位側半分を指し、各部材の近位部とは各部材のうちの近位側半分を指す。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係るクライオアブレーションカテーテルの一例を示す側面図を表す。図2は、図1に示すクライオアブレーションカテーテルの断面図を表す。図3は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのIII-III線における切断部端面図を表す。図4は、本発明の実施の形態に係るクライオアブレーションカテーテルの変形例を示す側面図を表す。図5は、図4に示すクライオアブレーションカテーテルの断面図を表す。図6は、図5に示すクライオアブレーションカテーテルのVI-VI線における切断部端面図を表す。図7は、図5に示すクライオアブレーションカテーテルのVII-VII線における切断部端面図を表す。図8は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルの内筒とコイルを示す側面図を表す。図9は、図2に示すクライオアブレーションカテーテルのIX-IX線における切断部端面図を表す。
【0018】
図1図7に示すように、カテーテル1は、遠位端11と近位端12を有し、長手方向xに延在している外筒10を備えている。外筒10は、内腔15を有している。内腔15は外筒10の長手方向xに延在していることが好ましい。外筒10は、外筒10の外側に面している外面13と、外筒10の内腔15に面している内面14を有している。
【0019】
図1図8に示すように、カテーテル1は、外筒10の内腔15に配置されており、線材93が巻回されているコイル90を備えている。図8に示すように、線材93は内筒210の周りを回るように配置されており、コイル90の形状は螺旋状であって、コイル90は内腔を有している。なお、線材93が巻回したことによって形成された内腔が、コイル90の内腔である。
【0020】
図1図8に示すように、カテーテル1は、外筒10の長手方向xに延在し、コイル90の内腔に配置されている内筒210を備えている。図3図6図7に示すように、内筒210は、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、ガイドワイヤが挿入されるガイドワイヤルーメン211と、ガイドワイヤルーメン211と異なる領域に形成されており内筒210の近位側から遠位側に向かって流体が通過可能な供給ルーメン212を有している。
【0021】
図2図5に示すように、カテーテル1は、外筒10の内面14と内筒210の外面213の間に、外筒10の遠位側から近位側に向かって流体が通過可能な排出流路31を有している。排出流路31は、外筒10の内面14と内筒210の外面213の間に設けられた空間である。供給ルーメン212を通過することによってカテーテル1の近位側から遠位側に運ばれた流体は、外筒10の内面14と内筒210の外面213の間に設けられた空間である排出流路31を介してカテーテル1の外部に排出される。
【0022】
図2図3図5図6に示すように、内筒210の遠位部に、供給ルーメン212と排出流路31を連通する複数の孔40が形成されている。供給ルーメン212を通過することによってカテーテル1の近位側から遠位側に運ばれた流体は、孔40を介して排出流路31に噴射される。
【0023】
図8に示すように、内筒210は、内筒210の径方向外方に線材93が配置されている線材配置領域215と、内筒210の径方向外方に線材93が配置されていない線材非配置領域216を有している。図8では、外筒10の長手方向xと内筒210の長手方向が一致している。また、外筒10の径方向yと内筒210の径方向も一致している。即ち、図8に示す例では、線材配置領域215は、内筒210のうち、y方向に線材93が配置されている部分である。また、線材非配置領域216は、内筒210のうち、y方向に線材93が配置されていない部分である。なお、図面では径方向として上下方向のみを矢印yで示しているが、言うまでも無く、径方向とは図示された矢印yが指している方向のみを意味するのではない。例えば、図面の奥側から手前側に向かう方向も径方向である。
【0024】
図8に示すように、複数の孔40は、線材非配置領域216に、線材非配置領域216の巻回方向に沿って形成されている。コイル90は、線材93が内筒210の周りを回るように配置され、螺旋状の形状であることから、線材非配置領域216についても螺旋状の形状となる。この線材非配置領域216の巻回方向に沿って複数の孔40が形成されている。複数の孔40は、線材非配置領域216の巻回方向に沿って並ぶように内筒210に形成されていることが好ましい。
【0025】
流体は、供給ルーメン212を通過することによってカテーテル1の近位側から遠位側に運ばれた後、内筒210の孔40から外筒10の径方向外方に噴射され、排出流路31を通過して遠位側から近位側に運ばれた後、カテーテル1の外部に排出される。
【0026】
本発明のクライオアブレーションカテーテル1においては、孔40が線材非配置領域215に形成されていることにより、孔40から外筒10の径方向外方に噴射された流体は隣り合う線材93同士の間に留まりやすくなり、孔40から外筒10の径方向外方に噴射された流体はコイル90の巻回方向に沿って移動しやすくなる。これにより、外筒10の周方向zにおいて、外筒10の周囲に位置している患部を均等に冷却しやすくすることができる。また、本発明のクライオアブレーションカテーテル1は、コイル90が備えられていることによって、それぞれの孔40と外筒10の内面14との距離を所定の距離に保ちやすくすることができるため、外筒10の径方向外方に配置される患部を均等に冷却しやすくすることができる。さらに、カテーテル1にコイル90が備えられていることにより、カテーテル1の剛性を高めることができるため、屈曲した体腔を通過する際にカテーテル1が急な角度で屈曲することを抑制することができ、供給ルーメン212が閉塞するのを抑制することができる。これにより、近位側から遠位側に向かって流体を安定して送り込むことができる。
【0027】
カテーテル1は、十二指腸乳頭部挿入用クライオアブレーションカテーテルであることが好ましい。十二指腸乳頭部挿入用クライオアブレーションカテーテルとは、十二指腸乳頭の開口部に繋がっており、十二指腸乳頭よりも肝臓側、胆嚢側または膵臓側に位置している管腔組織を凍結させるために十二指腸乳頭部に挿入されるクライオアブレーションカテーテルであることを意味する。
【0028】
外筒10は、体内に挿入されるため、好ましくは可撓性を有している。これにより体腔の形状に沿って外筒10を変形させることができる。また、形状保持のため、外筒10は弾性を有していることが好ましい。
【0029】
外筒10は、一または複数の線材を所定のパターンで配置することで形成された中空体;上記中空体の内側表面または外側表面の少なくともいずれか一方に樹脂をコーティングしたもの;樹脂チューブ;またはこれらを組み合わせたもの、例えばこれらを長手軸方向に接続したものが挙げられる。線材が所定のパターンで配置された中空体としては、線材が単に交差される、または編み込まれることによって網目構造を有する筒状体や、線材が巻回されたコイルが示される。線材は、一または複数の単線であってもよく、一または複数の撚線であってもよい。樹脂チューブは、例えば押出成形によって製造することができる。外筒10が樹脂チューブである場合、外筒10は単層または複数層から構成することができる。外筒10は長手方向xまたは周方向zの一部が単層から構成されており、他部が複数層から構成されていてもよい。
【0030】
外筒10は、例えば、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン)、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン)、ポリエステル樹脂(例えば、PET)、芳香族ポリエーテルケトン樹脂(例えば、PEEK)、ポリエーテルポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂(例えば、PTFE、PFA、ETFE)等の合成樹脂や、ステンレス鋼、炭素鋼、ニッケルチタン合金等の金属から構成することができる。これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
外筒10の形状は、筒状であり、中空円柱状、中空多角柱状等の形状にすることができる。
【0032】
図1図2図9に示すように、外筒10の遠位部に、X線不透過マーカー70が設けられていてもよい。当該構成とすることで、X線撮像装置を用いることによってカテーテル1の遠位部の位置を視認することが可能となる。例えば、図1図2図9に示すように、X線不透過マーカー70は、外筒10の外面13上に設けられていてもよい。
【0033】
図5に示すように、内筒210の遠位部に、X線不透過マーカー70が設けられていてもよい。当該構成とすることで、X線撮像装置を用いることによってカテーテル1の遠位部の位置を視認することが可能となる。
【0034】
上記X線不透過マーカー70の形状は、図1図2図9に示すように筒状であることが好ましい。他の形状としては、中空円柱状、中空多角柱状、筒に切れ込みが入った断面C字状の形状、線材を巻回したコイル形状等が挙げられる。
【0035】
上記X線不透過マーカー70を構成する材料としては、例えば、鉛、バリウム、ヨウ素、タングステン、金、白金、イリジウム、ステンレス、チタン、コバルトクロム合金等のX線不透過物質を用いることができる。なお、外筒10や内筒210、もしくは別に設ける樹脂部材に硫酸バリウムなどのX線不透過性粒子を分散させる態様としてもよい。
【0036】
図4図6に示すように、外筒10は、外筒10の遠位部に、外筒10の径方向yに拡縮可能なバルーン50を有していることが好ましい。図4図6は、バルーン50が拡径している状態を示している。バルーン50は、バルーン50の内部に流体を供給することによって拡径し、流体を除去することによって縮径するように構成されていることが好ましい。
【0037】
外筒10がバルーン50を有している場合、外筒10のうちバルーン50を構成する部分とバルーン50以外を構成する部分とがそれぞれ異なる部品であって、これらを結合することによって外筒10が構成されていてもよい。例えば、図4図5に示すように、外筒10がバルーン50と筒状部材16を有している構成とすることができる。なお、外筒10がバルーン50を有している場合、外筒10のうちバルーン50を構成する部分とバルーン50以外を構成する部分は一体成形されていてもよい。
【0038】
カテーテル1がバルーン50を有している場合は、流体は、供給ルーメン212を通過することによってカテーテル1の近位側から遠位側に運ばれ、内筒210の孔40から外筒10の径方向外方に噴射されてバルーン50を拡径させた後、排出流路31を通過して遠位側から近位側に運ばれてカテーテル1の外部に排出される。バルーン50を拡径させるとバルーン50の外面が血管や消化管等の生体管壁と接触するため、カテーテル1の体腔内における位置を安定させることができる。また、バルーン50の外面が血管や消化管等の生体管壁と接触することにより、バルーン50の外面が接触している組織を局所的に凍結しやすくすることができる。
【0039】
バルーン50は、孔40から外筒10の径方向外方に噴射される流体によって拡径され、流体が排出されることで縮径される。図4図5に示すように、バルーン50が拡径されている状態において、バルーン50は、略円筒形状である直管部51と、直管部51よりも遠位側に位置しており遠位側に向かって外径が小さくなっている遠位側テーパー部52と、直管部51よりも近位側に位置しており近位側に向かって外径が小さくなっている近位側テーパー部53を有していてもよい。さらに、バルーン50は、遠位側テーパー部52よりも遠位側に位置しており、孔40から外筒10の径方向外方に噴射される流体によって拡径されず、内筒210の外面213に固定されている遠位側スリーブ部54と、近位側テーパー部53よりも近位側に位置しており、孔40から外筒10の径方向外方に噴射される流体によって拡径されず、筒状部材16の外面に固定されている近位側スリーブ部55を有していてもよい。
【0040】
外筒10のうちバルーン50を構成する材料と外筒10のうちバルーン50以外の部分を構成する材料とは同じであってもよいし、異なっていてもよいが、バルーン50を構成する材料は、外筒10のうちバルーン50以外の部分を構成する材料よりも熱伝導率が高いことが好ましい。これにより、外筒10のうち、バルーン50部分の温度の方がバルーン50以外の部分の温度よりも低下しやすくなるため、バルーン50を配置した箇所の組織の凍結効率が上昇しやすくなる。
【0041】
図5に示すように、孔40は、バルーン50の内部に位置していることが好ましい。即ち、孔40は、内筒210のうちバルーン50の内部に位置している部分に形成されていることが好ましい。孔40は、内筒210のうちバルーン50の内部に位置していない部分にも形成されていてもよいが、孔40は、内筒210のうちバルーン50の内部に位置している部分にのみ形成されていることが好ましい。これにより、外筒10のうち、バルーン50の温度の方がバルーン50以外の部分の温度よりも低下しやすくなるため、バルーン50を配置した箇所の組織の凍結効率が上昇しやすくなる。
【0042】
図2図5に示すように、外筒10の長手方向xにおいて、X線不透過マーカー70は複数設けられており、一のX線不透過マーカー70は孔40よりも遠位側に位置しており、他の一のX線不透過マーカー70は孔40よりも近位側に位置していることが好ましい。これにより、X線撮像装置を用いることによって孔40の位置を認識しやすくすることが可能となる。
【0043】
図5に示すように、外筒10の長手方向xにおいてバルーン50の直管部51の遠位端および近位端が位置している位置であって、内筒210の外面213上に、X線不透過マーカー70が設けられていてもよい。もしくは、図5では図示していないが、外筒10の長手方向xにおけるバルーン50の直管部51の中央の位置であって、内筒210の外面213上に、X線不透過マーカー70が設けられていてもよい。当該構成とすることで、X線撮像装置を用いることによってバルーン50の直管部51の位置を視認することが可能となる。
【0044】
内筒210は、ガイドワイヤルーメン211と供給ルーメン212を有している。ガイドワイヤルーメン211と供給ルーメン212は外筒10の長手方向xに延在していることが好ましい。内筒210は、内筒210の外側、即ち、外筒10側に面している外面213と、ガイドワイヤルーメン211に面している内面214を有している。図2に示すように、ガイドワイヤルーメン211は、後述する先端チップ60の内腔63と連通していることが好ましい。
【0045】
内筒210を構成する材料としては、外筒10と同様の合成樹脂、金属等を用いることができる。内筒と外筒10を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0046】
内筒210は所定の材料で一体成形されていることが好ましい。所定の材料には、複数の物質を混合することによって作られた材料や、単一の物質のみによって構成されている材料が含まれる。例えば、内筒210は、所定の材料を用いた押出成形によって一体成形することができる。内筒210が所定の材料で一体成形されていることにより、部品と部品の継ぎ目がなくなるため、剛性が高い部分と低い部分とができにくくなる。このため、屈曲角度が大きい部位を通過する際の内筒210の屈曲を抑制しやすくすることができ、供給ルーメン212の閉塞を抑制しやすくすることができる。また、所定の材料で一体成形することとすれば、部品を複数製造する必要がないため、内筒210の製造工程を容易にでき、製造に要する時間と費用を抑えることができる。
【0047】
図2図5に示すように、内筒210が外筒10の全長にわたって延在していてもよい。図2図5に示すカテーテル1は、いわゆるオーバーザワイヤ型のものである。
【0048】
図3に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、内筒210の図心210cに対する供給ルーメン212の図心212cの偏心距離は、内筒210の図心210cに対するガイドワイヤルーメン211の図心211cの偏心距離よりも大きいことが好ましい。内筒210の図心210cに対する供給ルーメン212の図心212cの偏心距離とは、内筒210の図心210cを中心としたときの供給ルーメン212の図心212cまでの距離をいう。内筒210の図心210cに対するガイドワイヤルーメン211の図心211cの偏心距離とは、内筒210の図心210cを中心としたときのガイドワイヤルーメン211の図心211cまでの距離をいう。内筒210の図心210cに対する供給ルーメン212の図心212cの偏心距離を、内筒210の図心210cに対するガイドワイヤルーメン211の図心211cの偏心距離よりも大きくすることにより、供給ルーメン212はガイドワイヤルーメン211よりも内筒210の径方向外方に形成されることとなる。これにより、供給ルーメン212によって遠位側に運ばれた流体は孔40を介して比較的早く排出流路31に噴射されることができるようになるため、治療対象となる組織を効率的に冷却しやすくすることができる。
【0049】
図3に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、ガイドワイヤルーメン211は内筒210の図心210cと重なる位置に形成されており、供給ルーメン212は内筒210の図心210cと重ならない位置に形成されていることが好ましい。ガイドワイヤルーメン211は内筒210の図心210cと重なる位置に形成され、供給ルーメン212は内筒210の図心210cと重ならない位置に形成されていることにより、供給ルーメン212はガイドワイヤルーメン211よりも内筒210の径方向外方に形成されることとなる。これにより、供給ルーメン210によって遠位側に運ばれた流体は孔40を介して比較的早く排出流路31に噴射されることができるようになるため、治療対象となる組織を効率的に冷却しやすくすることができる。また、ガイドワイヤルーメン211が内筒210の図心210cと重なる位置に形成されることによって、ガイドワイヤが内筒210の軸心に位置しやすくなるため、カテーテル1の操作性を向上させやすくすることができる。
【0050】
孔40の形状は、円形状、長円形状、多角形状等の形状にすることができる。孔40は複数形成されていてもよい。複数の孔40は、全て同じ形状であってもよいし、それぞれの孔40が異なる形状であってもよい。
【0051】
図3に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、内筒210の図心210cを通る1つの直線上には孔40は1つのみ存在していることが好ましい。図3では、内筒210の図心210cを通る1つの直線を二点鎖線で表している。カテーテル1が屈曲する際には、内筒210の外周縁上であって、内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分に特に力が加わる。内筒210の外周縁上であって、内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分は2か所存在することになるが、いずれか一方には外筒10の長手方向xに伸びる力が、他方には外筒10の長手方向xに縮む力が加わる。特に、孔40が形成されている部分は他の部分と比較して剛性が低く、屈曲しやすくなる傾向にある。外筒10の長手方向xに垂直な断面において、内筒210の図心210cを通る1つの直線上に孔40が1つのみ存在するように構成することで、内筒210の外周縁上であって、内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分の剛性を維持しやすくすることができるため、屈曲に対する耐性を向上させやすくすることができる。これにより、カテーテル1の屈曲による供給ルーメン212の閉塞を抑制しやすくすることができる。
【0052】
図3に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、内筒210の図心210cと孔40を通る1つの直線上には供給ルーメン212は1つのみ存在していることが好ましい。図3では、内筒210の図心210cと孔40を通る1つの直線を二点鎖線で表している。カテーテル1が屈曲する際には、内筒210の外周縁上であって、内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分に特に力が加わる。内筒210の外周縁上であって、内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分は2か所存在することになるが、いずれか一方には外筒10の長手方向xに伸びる力が、他方には外筒10の長手方向xに縮む力が加わる。特に、孔40が形成されている部分は他の部分と比較して剛性が低く、屈曲しやすくなる傾向にある。外筒10の長手方向xに垂直な断面において、内筒210の図心210cと孔40を通る1つの直線上に供給ルーメン212が1つのみ存在するように構成することで、内筒210の外周縁上であって、内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分の剛性を維持しやすくすることができるため、屈曲に対する耐性を向上させやすくすることができる。これにより、カテーテル1の屈曲による供給ルーメン212の閉塞を抑制しやすくすることができる。
【0053】
図6に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、複数の供給ルーメン212は、内筒210の図心210cを中心とする仮想円210s上に位置していることが好ましい。図6では、内筒210の図心210cを中心とする一の仮想円210sを二点鎖線で表している。外筒10の長手方向xに垂直な断面において、内筒210に形成されている複数の供給ルーメン212の全てが、内筒210の図心210cを中心とする一の仮想円210s上に位置していることが好ましい。内筒210のうち供給ルーメン212が形成されている部分は中が空洞であるため、屈曲に対する耐性が低下しやすくなる傾向にあるが、上記のような構成とすることで、図6に示すように、供給ルーメン212が内筒210の周方向に並ぶことになるため、屈曲に対する耐性が低下しやすい部分が内筒210の周方向に散在することとなる。このようにすることで、内筒210が屈曲する方向に関わらず、耐性を維持しやすくすることができる。図示しないが、上記と同様の理由で、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、複数の供給ルーメン212の図心212cがいずれも内筒210の図心210cを中心とする一の仮想円210s上に位置していることも好ましい。
【0054】
上記カテーテル1に用いられる流体は液体であってもよいし、気体であってもよい。流体が液体である場合は、流体として窒素やフロンを用いることができる。流体が気体である場合は、流体としてガスを用いることができる。ガスとしては、例えばアルゴンや二酸化炭素、亜酸化窒素が挙げられる。カテーテル1に用いられる流体はガスであることが好ましい。
【0055】
内筒210は供給ルーメン212を1つのみ有していてもよいし、2つ有していてもよいし、それ以上有していてもよいが、図3に示すように、内筒210は供給ルーメン212を複数有していることが好ましい。内筒210が供給ルーメン212を複数有していることにより、屈曲角度が大きい部位を通過する際にカテーテル1が屈曲することによって1つの供給ルーメン212が閉塞したとしても、残りの供給ルーメン212によって流体を送り込むことができる。これにより、近位側から遠位側に向かって流体を安定して送り込むことができる。
【0056】
図9に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、内筒210は、第1供給ルーメン2121と、内筒210の周方向において第1供給ルーメン2121の隣に形成されている第2供給ルーメン2122と、内筒210の周方向において第1供給ルーメン2121と第2供給ルーメン2122の隣に形成されている第3供給ルーメン2123を有していてもよい。図示しないが、内筒210は、第1供給ルーメン2121、第2供給ルーメン2122、第3供給ルーメン2123に加え、さらに、内筒210の近位側から遠位側に向かって流体が通過可能な供給ルーメンを1つ以上有していてもよい。本明細書内では、第1供給ルーメン2121、第2供給ルーメン2122、第3供給ルーメン2123、内筒210の近位側から遠位側に向かって流体が通過可能な4つ目以上の供給ルーメン、のうちいずれか一つまたはいずれか2以上の組み合わせを供給ルーメン212または複数の供給ルーメン212と呼ぶことがある。上記のように3以上の供給ルーメン212を有する構成とすることにより、屈曲した体腔を通過する際にクライオアブレーションカテーテル1が屈曲することによって2つの供給ルーメン212が閉塞したとしても、残りの供給ルーメン212によって流体を送り込むことができる。これにより、近位側から遠位側に向かって流体を安定して送り込むことができる。
【0057】
図9に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、内筒210は、第1供給ルーメン2121と、内筒210の周方向において第1供給ルーメン2121の隣に形成されている第2供給ルーメン2122を有し、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、内筒210の図心210cを一端とした第1供給ルーメン2121の図心2121cを通る半直線と、内筒210の図心210cを一端とした第2供給ルーメン2122の図心2122cを通る半直線によって形成される角度αが、105度以上、135度以下であることが好ましい。図9では、内筒210の図心210cを一端とした第1供給ルーメン2121の図心2121cを通る半直線と、内筒210の図心210cを一端とした第2供給ルーメン2122の図心2122cを通る半直線を二点鎖線で表している。
【0058】
上記角度αは、105度以上であることが好ましく、110度以上であることがより好ましく、115度以上であることがさらに好ましい。上記角度αは、135度以下であることが好ましく、130度以下であることがより好ましく、125度以下であることがさらに好ましい。上記角度αは120度であることが特に好ましい。
【0059】
図3に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、排出流路31は、内筒210の外面213全体を覆うように存在していることが好ましい。図示しないが、外筒10の長手方向xに垂直な断面において、排出流路31は、内筒210の外面213の一部のみを覆うように存在していてもよい。
【0060】
図1図2図4図5に示すように、カテーテル1は、さらに、長手方向xに延在しているルーメン63が形成されている先端チップ60を備えていてもよい。図1図2に示すように、外筒10の遠位端部と内筒210の遠位端部が先端チップ60の近位端部に固定されていることが好ましい。
【0061】
外筒10の遠位端部と内筒210の遠位端部が固定されていることにより、カテーテル1の排出流路31が遠位側においてふさがれていることが好ましい。例えば、図1図2に示すように、外筒10の遠位端部と内筒210の遠位端部が先端チップ60を介して固定されていることによって、外筒10の長手方向xにおける排出流路31の遠位側が塞がれている構成とすることができる。図示しないが、先端チップ60を設けることなく、外筒10の遠位端部と内筒210の遠位端部を、排出流路31の遠位側がふさがるように、溶着固定させてもよい。図4図5に示すように、外筒10がバルーン50を有している場合は、バルーン50の遠位端部と内筒210の遠位端部が固定されていることにより、カテーテル1の排出流路31が遠位側においてふさがれている構成とすることができる。これにより、孔40から外筒10の径方向外方に噴射された流体が移動するメインの方向を排出流路31の近位側に向かう方向にすることができる。
【0062】
図1図2図4図5に示すように、クライオアブレーションカテーテル1は、さらに、外筒10の長手方向xに延在しているルーメン63が形成されており、近位側から遠位側に向かって外径が小さくなっている先端チップ60を備え、外筒10の遠位端部と内筒210の遠位端部は、先端チップ60の近位端部に固定されていることが好ましい。近位側から遠位側に向かって外径が小さくなっている先端チップ60を備えていることにより、カテーテル1の遠位端部を体腔に挿入しやすくすることができる。
【0063】
先端チップ60の形状は、例えば中空円柱状、中空多角柱状、中空円錐台状などにすることができるが、図1図2に示すように、中空円錐台状であることが好ましい。
【0064】
先端チップ60を構成する材料としては、外筒10と同様の合成樹脂、金属等を用いることができる。先端チップ60と外筒10を構成する材料は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0065】
図1図2図4図5に示すように、外筒10の近位部には使用者が把持する第1ハンドル75が接続されている構成とすることができる。図2図5では、第1ハンドル75は外筒10の長手方向xに延在している中空部を有している。第1ハンドル75の形状は、例えば筒状であってもよい。図2図5では第1ハンドル75の中空部に外筒10と内筒210が挿通されている。
【0066】
図1図2図4図5に示すように、内筒210の近位部には第2ハンドル76が接続されている構成とすることができる。図2図5では、第2ハンドル76は外筒10の長手方向xに延在している中空部を有している。第2ハンドル76の形状は、例えば筒状であってもよい。図2図5では第2ハンドル76の中空部に内筒210が挿通されている。第2ハンドル76は、ガイドワイヤが挿入される開口であるガイドワイヤポートを有していてもよい。また、第2ハンドル76は、後述する流体供給装置80と接続されていてもよい。図2図5に示すように、内筒210の供給ルーメン212に流体を供給できるように、内筒210の近位端と流体供給装置80が直接接続されていてもよい。
【0067】
第1ハンドル75と第2ハンドル76の構成材料は特に限定されないが、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂等の合成樹脂を用いることができる。
【0068】
図2に示すように、コイル90は、外筒10の内腔15に配置されている。外筒10の長手方向xにおいてコイル90全体が、外筒10の内腔15に配置されていることが好ましい。
【0069】
線材93はその長手方向に先端と基端を有している。線材93は先端から基端まで単一の線状部材から構成されていてもよい。線材93はその長手方向において互いに連結された複数の線状部材から構成されてもよい。コイル90を構成する線材93の線径(太さ)や、線材93の巻き数は特に限定されない。線材93は中実構造でもよい。
【0070】
コイル90はピッチ93pを有する。ピッチ93pとは、図2図8に示すように、螺旋状に巻かれている線材93の巻き間隔であって、線材93の中心から中心までの距離のことを指す。
【0071】
コイル90は外筒10の遠位端11から外筒10の近位端12まで延在していることが好ましい。これにより、使用者が手元側からカテーテル1に伝えた力を遠位側まで伝えやすくすることができるため、カテーテル1の操作性を向上させることができる。なお、コイル90は外筒10の遠位端11から外筒10の近位端12よりも遠位側まで延在していてもよいし、コイル90は外筒10の遠位端11よりも近位側から外筒10の近位端12まで延在していてもよいし、コイル90は外筒10の遠位端11よりも近位側から外筒10の近位端12よりも遠位側まで延在していてもよい。外筒10がバルーン50を有している場合は、図5に示すように、コイル90の遠位端はバルーン50の内部に位置していることが好ましい。また、コイル90の遠位端はバルーン50の内部に位置しており、コイル90の近位端は第1ハンドル75の内部に位置していることがより好ましい。コイル90の遠位端が第1ハンドル75の内部に位置していることにより、使用者が手元側からカテーテル1に伝えた力をバルーン50まで伝えやすくすることができるため、バルーン50を治療対象となる組織に配置しやすくなる。
【0072】
コイル90は、外筒10と固定されていてもよい。コイル90は、内筒210と固定されていてもよい。コイル90は、外筒10および内筒210と固定されていてもよい。
【0073】
図2図5に示すように、コイル90は、線材93の線径の2倍以上のピッチ93pを有する第1区間91と、第1区間91よりも近位側であって第1区間91よりもピッチ93pが短い第2区間92を有していることが好ましい。これにより、カテーテル1の耐キンク性や操作性を向上させることができる。また、排出流路31を通過する流体が線材93の巻回方向に沿うように流れることで、内筒210が効率よく冷却されやすくなる。これにより、供給ルーメン212を通過する流体の温度も下がりやすくなるため、治療対象となる組織を効率的に冷却しやすくすることができる。
【0074】
外筒10の長手方向xにおいて、第1区間91は第2区間92よりも長くてもよいし短くてもよいが、図5に示すように、第1区間91は第2区間92よりも短いことが好ましい。
【0075】
図示しないが、コイル90は第1区間91よりも遠位側に、第1区間91よりもピッチ93pが短い第3区間を有していてもよい。第3区間と外筒10および/または内筒210とを接着固定することも好ましい。
【0076】
図2図5に示すように、第1区間91と第2区間93が隣り合っていることが好ましい。第3区間を有する場合は、第1区間91と第2区間93が隣り合っており、第1区間91と第3区間が隣り合っていることが好ましい。
【0077】
図2図5に示すように、第1区間91におけるピッチ93pの長さは、孔40の直径よりも長いことが好ましい。第1区間91におけるピッチ93pの長さを、孔40の直径よりも長くすることにより、孔40から噴射された流体が外筒10の長手方向xに隣り合う線材93の間を通過しやすくすることができる。これにより、孔40から噴射された流体が外筒10の内面14に到達しやすくなるため、外筒10の径方向外方に配置される治療対象となる組織を効率的に冷却しやすくすることができる。
【0078】
図5に示すように、第2区間92におけるピッチ93pの長さは、孔40の直径よりも短いことが好ましい。これにより、第2区間92においては線材93同士の間を流体が流れにくくなり、流体の遠位側から近位側への移動が起こりにくくなる。このため、流体が第1区間91に長く留まりやすくなり、第1区間91における冷却効率を向上させやすくすることができる。なお、図2に示すように、第2区間92におけるピッチ93pの長さが、孔40の直径よりも長い態様も許容される。また、第2区間92の近位端は第1ハンドル75内に位置していることがより好ましい。これにより、カテーテル1の近位側の剛性を高めやすくすることができ、使用者が手元側からカテーテル1に伝えた力を遠位側まで伝えやすくすることができるため、カテーテル1の耐キンク性と操作性を向上させることができる。
【0079】
図2図5に示すように、孔40は、第1区間91に形成されていることが好ましく、第1区間91のみに形成されていることがより好ましい。より詳細には、孔40は、外筒10の長手方向xにおいて、第1区間91に位置している内筒210部分に形成されていることが好ましく、孔40は、外筒10の長手方向xにおいて、第1区間91に位置している内筒210部分のみに形成されていることがより好ましい。線材93の線径の2倍以上のピッチ93pを有する第1区間91に孔40が形成されていることにより、孔40から噴射された流体が外筒10の長手方向xに隣り合う線材93の間を通過しやすくすることができる。これにより、孔40から噴射された流体が外筒10の内面14に到達しやすくすることができるため、外筒10の径方向外方に配置される治療対象となる組織を効率的に冷却しやすくすることができる。なお、孔40が、第1区間91および第2区間92に形成されている態様も許容される。
【0080】
孔40は線材配置領域215および線材非配置領域216の両方に形成されていてもよいし、線材非配置領域216にのみ形成されていてもよいが、孔40は、線材非配置領域216にのみ形成されていることが好ましい。線材非配置領域216にのみ孔40が形成されていることにより、孔40から外筒10の径方向外方に噴射された流体が線材93にぶつかることなく外筒10の内面14に到達することができるため、外筒10の径方向外方に配置される治療対象となる組織を効率的に冷却しやすくすることができる。
【0081】
外筒10の長手方向xに垂直な切断部端面において、孔40は複数存在していてもよいし、1つのみ存在していてもよいが、図3に示すように、外筒10の長手方向xに垂直な切断部端面において、孔40は1つのみ存在していることが好ましい。カテーテル1が屈曲する際には、内筒210の外周縁上であって、内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分に特に力が加わる。内筒210の外周縁上であって、内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分は2か所存在することになるが、いずれか一方には外筒10の長手方向xに伸びる力が、他方には外筒10の長手方向xに縮む力が加わる。特に、孔40が形成されている部分は他の部分と比較して剛性が低く、屈曲しやすくなる傾向にある。外筒10の長手方向xに垂直な断面において、孔40が1つのみ存在するように構成することで、内筒210の外周縁上であって、内筒210の図心210cを通る1つの直線と交わる部分の剛性を維持しやすくすることができるため、屈曲に対する耐性を向上させやすくすることができる。これにより、カテーテル1の屈曲による供給ルーメン212の閉塞を抑制しやすくすることができる。
【0082】
図5に示すように、外筒10は外筒10の遠位部に、外筒10の径方向yに拡縮可能なバルーン50を有しており、第1区間91はバルーン50の内部に位置していることが好ましい。また、外筒10は外筒10の遠位部に、外筒10の径方向yに拡縮可能なバルーン50を有しており、第1区間91と孔40がバルーン50の内部に位置していることがより好ましい。第1区間91と孔40がバルーン50の内部に位置していることにより、バルーン50の内部において、孔40から噴射された流体が外筒10の長手方向xに隣り合う線材93の間を通過しやすくすることができる。これにより、孔40から噴射された流体がバルーン50の内面に到達しやすくすることができるため、バルーン50の径方向外方に配置される治療対象となる組織を効率的に冷却しやすくすることができる。
【0083】
コイル90は金属から構成されていることが好ましく、例えば、金、銀、白金、パラジウム、タングステン、タンタル、イリジウムおよびそれらの合金等の放射線不透過性金属でもよく、ステンレス鋼、Ni-Ti合金等の超弾性合金でもよい。
【0084】
外筒10の外面13には、コーティングが施されていることが好ましい。コーティングは、外筒10の外面13の一部のみに施されていてもよいし、外筒10の外面13の全体に施されていてもよい。
【0085】
外筒10の外面13に施されるコーティングは、親水性コーティングであってもよいし、疎水性コーティングであってもよく、目的に応じて選択すればよい。外筒10を親水性コーティング剤又は疎水性コーティング剤に浸漬したり、外筒10の外面13に親水性コーティング剤又は疎水性コーティング剤を塗布したり、外筒10の外面13を親水性コーティング剤又は疎水性コーティング剤で被覆したりすることにより、外筒10の外面13にコーティングを施すことができる。コーティング剤は、薬剤や添加剤を含んでいてもよい。
【0086】
親水性コーティング剤としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体などの親水性ポリマー、又はこれらの任意の組み合わせで作られた親水性コーティング剤等が挙げられる。
【0087】
疎水性コーティング剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、シリコーンオイル、疎水性ウレタン樹脂、カーボンコート、ダイヤモンドコート、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コート、セラミックコート、アルキル基やパーフルオロアルキル基で終端された表面自由エネルギーが小さい物質等が挙げられる。
【0088】
上述したコーティングは、先端チップ60の外面61にも施されていてもよい。コーティングは、先端チップ60の外面61の一部のみに施されていてもよいし、先端チップ60の外面61の全体に施されていてもよい。
【0089】
本発明の一実施態様に係るクライオアブレーションカテーテルシステムは、上述したクライオアブレーションカテーテル1と、供給ルーメン212に前記流体を供給する流体供給装置80と、を備えたクライオアブレーションカテーテルシステムであって、内筒210は、流体供給装置80に接続されていることに要旨を有する。
【0090】
流体供給装置80は、内筒210に流体を供給可能なものであれば特に限定されるものではない。流体供給装置80としては、例えば、流体貯蔵容器に接続された、レギュレータや流量コントローラー、ポンプなどがあげられる。
【0091】
内筒210は、流体供給装置80と直接接続されていてもよい。例えば、図2図3に示すようなカテーテル1の場合、3つの供給ルーメン212が近位側で1つに合流し、内筒210の近位端が流体供給装置80と直接接続されていてもよい。
【0092】
内筒210は、流体供給装置80と間接的に接続されていてもよい。図示しないが、内筒210の近位端部が他の筒状の部材の遠位端部に接続されており、当該他の筒状の部材の近位端部が流体供給装置80に接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1:クライオアブレーションカテーテル
10:外筒
11:外筒の遠位端
12:外筒の近位端
13:外筒の外面
14:外筒の内面
15:外筒の内腔
210:内筒
210c:内筒の図心
210s:内筒の図心を中心とする仮想円
211:ガイドワイヤルーメン
211c:ガイドワイヤルーメンの図心
212:供給ルーメン
212c:供給ルーメンの図心
2121:第1供給ルーメン
2121c:第1供給ルーメンの図心
2122:第2供給ルーメン
2122c:第2供給ルーメンの図心
2123:第3供給ルーメン
2123c:第3供給ルーメンの図心
213:内筒の外面
214:内筒の内面
215:線材配置領域
216:線材非配置領域
31:排出流路
40:孔
45:開口
50:バルーン
51:直管部
52:遠位側テーパー部
53:近位側テーパー部
54:遠位側スリーブ部
55:近位側スリーブ部
60:先端チップ
61:先端チップの外面
62:先端チップの内面
63:先端チップのルーメン
70:X線不透過マーカー
75:第1ハンドル
76:第2ハンドル
80:流体供給装置
90:コイル
91:第1区間
92:第2区間
93:線材
93p:ピッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9