(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006665
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】電磁アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H01F 7/16 20060101AFI20240110BHJP
H01F 7/126 20060101ALI20240110BHJP
H01F 7/127 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01F7/16 H
H01F7/16 K
H01F7/16 Q
H01F7/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107773
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】100106312
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敬敏
(72)【発明者】
【氏名】抱石 良輔
【テーマコード(参考)】
5E048
【Fターム(参考)】
5E048AA04
5E048AB01
5E048AC08
5E048AD04
5E048AD07
5E048BA01
(57)【要約】
【課題】構造の簡素化、低コスト化、組付け作業の容易化等を図れる電磁アクチュエータを提供する。
【解決手段】固定子10,20、励磁用のコイル82、コイルの通電により作動位置に移動しコイルの非通電により休止位置に戻るべく所定の軸線S方向に移動する可動子30、可動子に固定され外部に駆動力を及ぼす単一外径のシャフト40、可動子に保持されると共に可動子が休止位置に戻る際に衝撃を吸収しつつ可動子を休止位置に位置付ける緩衝ユニットUを備え、緩衝ユニットは、休止位置において固定子に当接するロッド50、ロッドを固定子10に向けて付勢する付勢部材60、ロッドとシャフトの間に介在する緩衝部材70を含み、可動子30は、シャフトを嵌合させる嵌合孔33と、付勢部材を受ける受け部34を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子と、励磁用のコイルと、前記コイルの通電により作動位置に移動し前記コイルの非通電により休止位置に戻るべく所定の軸線方向に移動する可動子と、前記可動子に固定され外部に駆動力を及ぼす単一外径のシャフトと、前記可動子に保持されると共に前記可動子が前記休止位置に戻る際に衝撃を吸収しつつ前記可動子を前記休止位置に位置付ける緩衝ユニットと、を備え、
前記緩衝ユニットは、前記休止位置において前記固定子に当接するロッドと、前記ロッドを前記固定子に向けて付勢する付勢部材と、前記ロッドと前記シャフトの間に介在する緩衝部材を含み、
前記可動子は、前記シャフトを嵌合させる嵌合孔と、前記付勢部材を受ける受け部を含む、
ことを特徴とする電磁アクチュエータ。
【請求項2】
前記可動子は、前記ロッドの抜け落ちを規制するべくカシメ処理された規制部を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項3】
前記付勢部材は、圧縮型のコイルバネであり、
前記可動子は、前記ロッドを前記軸線方向に摺動自在にガイドするガイド内壁面と、前記嵌合孔の周りに環状に形成された前記受け部を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項4】
前記付勢部材は、圧縮型のコイルバネであり、
前記可動子は、前記ロッドの抜け落ちを規制するべくカシメ処理された規制部と、前記ロッドを前記軸線方向に摺動自在にガイドするガイド内壁面と、前記嵌合孔の周りに環状に形成された前記受け部を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項5】
前記可動子は、前記受け部の外縁に連続して形成され前記コイルバネの一端部を嵌め込む嵌合内壁面を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項6】
前記シャフトは、前記軸線方向において、固定端部が前記受け部よりも内側に突出するように前記嵌合孔に圧入されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項7】
前記可動子は、鍛造品である、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項8】
前記固定子は、前記ロッドを当接させる休止側ストッパ部を有すると共に前記可動子を収容する第1固定子と、前記シャフトを通すと共に前記シャフトの自由端部を露出させる貫通孔を有する第2固定子を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし7いずれか一つに記載の電磁アクチュエータ。
【請求項9】
前記第1固定子は、前記可動子を非接触にて収容する円筒部と、前記休止側ストッパ部を画定するべく前記円筒部に連続する底壁部と、前記円筒部から径方向に延在するフランジ部を含み、
前記第2固定子は、前記貫通孔を画定する内側円筒部と、前記円筒部及び前記内側円筒部の周りに配置された前記コイルを囲繞すると共に前記フランジ部をカシメ処理により固定する外側円筒部を含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項10】
前記第2固定子は、前記作動位置において前記可動子を受ける作動側ストッパ部を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項11】
前記作動側ストッパ部は、硬化処理が施されている、
ことを特徴とする請求項10に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項12】
前記作動側ストッパ部は、前記シャフトを摺動自在にガイドするガイド孔を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項13】
前記第2固定子は、前記シャフトを摺動自在にガイドするべく前記貫通孔に嵌合された軸受を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の電磁アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソレノイドの電磁力を駆動力とする電磁アクチュエータに関し、特に、直線的に往復動すると共に通電時に外向きに移動する可動子に固定されたシャフトを備えた電磁アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電磁アクチュエータとしては、固定子(固定部及びプランジャーガイド部)、固定子の周りに配置された励磁用のコイル、固定子の内側において往復動自在に配置された可動子(可動ヨーク)、可動子に固定されたシャフト(プランジャー)、可動子に収容されて可動子が固定子の固定部に衝突する際の衝撃を吸収する衝撃吸収手段を備え、衝撃吸収手段が、可動子の後端部から突出する受け部材、受け部材とシャフトの間に配置されて受け部材を突出する向きに付勢するスプリング、及び受け部材とシャフトの間に配置された緩衝材を含む、電磁ソレノイドが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
上記電磁ソレノイドにおいて、シャフトは、固定子にガイドされる小径の本体部と、可動子に圧入されると共にスプリングを受ける大径の頭部を含む段付き形状に形成されている。したがって、シャフトの加工が複雑であり、構造の簡素化及び低コスト化が望まれる。また、上記シャフトの構造の簡素化及び低コスト化と共に、可動子の低コスト化、可動子に対するスプリング及び緩衝材の組み付け作業の容易化や組付け後の抜け止め構造の簡素化等も望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、低コスト化、組付け作業の容易化等を図れる電磁アクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電磁アクチュエータは、固定子と、励磁用のコイルと、コイルの通電により作動位置に移動しコイルの非通電により休止位置に戻るべく所定の軸線方向に移動する筒状の可動子と、可動子に固定されて外部に駆動力を及ぼす単一外径のシャフトと、可動子に保持されると共に可動子が休止位置に戻る際に衝撃を吸収しつつ可動子を休止位置に位置付ける緩衝ユニットを備え、緩衝ユニットは、休止位置において固定子に当接するロッドと、ロッドを固定子に向けて付勢する付勢部材と、ロッドとシャフトの間に介在する緩衝部材を含み、可動子は、シャフトを嵌合させる嵌合孔と、付勢部材を受ける受け部を含む、構成となっている。
【0007】
上記電磁アクチュエータにおいて、可動子は、ロッドの抜け落ちを規制するべくカシメ処理された規制部を含む、構成を採用してもよい。
【0008】
上記電磁アクチュエータにおいて、付勢部材は、圧縮型のコイルバネであり、可動子は、ロッドを軸線方向に摺動自在にガイドするガイド内壁面と、嵌合孔の周りに環状に形成された上記受け部を含む、構成を採用してもよい。
【0009】
上記電磁アクチュエータにおいて、付勢部材は、圧縮型のコイルバネであり、可動子は、ロッドの抜け落ちを規制するべくカシメ処理された規制部と、ロッドを軸線方向に摺動自在にガイドするガイド内壁面と、嵌合孔の周りに環状に形成された上記受け部を含む、構成を採用してもよい。
【0010】
上記電磁アクチュエータにおいて、可動子は、受け部の外縁に連続して形成されコイルバネの一端部を嵌め込む嵌合内壁面を含む、構成を採用してもよい。
【0011】
上記電磁アクチュエータにおいて、シャフトは、軸線方向において、固定端部が受け部よりも内側に突出するように嵌合孔に圧入されている、構成を採用してもよい。
【0012】
上記電磁アクチュエータにおいて、可動子は、鍛造品である、構成を採用してもよい。
【0013】
上記電磁アクチュエータにおいて、固定子は、ロッドを当接させる休止側ストッパ部を有すると共に可動子を収容する第1固定子と、シャフトを通すと共にシャフトの自由端部を露出させる貫通孔を有する第2固定子を含む、構成を採用してもよい。
【0014】
上記電磁アクチュエータにおいて、第1固定子は、可動子を非接触にて収容する円筒部と、休止側ストッパ部を画定するべく円筒部に連続する底壁部と、円筒部から径方向に延在するフランジ部を含み、第2固定子は、貫通孔を画定する内側円筒部と、円筒部及び内側円筒部の周りに配置されたコイルを囲繞すると共にフランジ部をカシメ処理により固定する外側円筒部を含む、構成を採用してもよい。
【0015】
上記電磁アクチュエータにおいて、第2固定子は、作動位置において可動子を受ける作動側ストッパ部を含む、構成を採用してもよい。
【0016】
上記電磁アクチュエータにおいて、作動側ストッパ部は、硬化処理が施されている、構成を採用してもよい。
【0017】
上記電磁アクチュエータにおいて、作動側ストッパ部は、シャフトを摺動自在にガイドするガイド孔を含む、構成を採用してもよい。
【0018】
上記電磁アクチュエータにおいて、第2固定子は、シャフトを摺動自在にガイドするべく貫通孔に嵌合された軸受を含む、構成を採用してもよい。
【発明の効果】
【0019】
上記構成をなす電磁アクチュエータによれば、構造の簡素化、低コスト化、組付け作業の容易化等を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る電磁アクチュエータを示すものであり、一方向の斜めから視た外観斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る電磁アクチュエータを示すものであり、他方向(適用対象物に取り付ける側)から視た外観斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る電磁アクチュエータの分解斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る電磁アクチュエータの断面図である。
【
図5】第1実施形態に係る電磁アクチュエータにおいて、可動子及びシャフトを示す外観斜視図である。
【
図6】第1実施形態に係る電磁アクチュエータにおいて、可動子、可動子に収容される緩衝ユニット、及びシャフトの分解斜視図である。
【
図7】第1実施形態に係る電磁アクチュエータにおいて、緩衝ユニットを収容した可動子及びシャフトの断面図である。
【
図8】第1実施形態に係る電磁アクチュエータにおいて、可動子、緩衝ユニット、及びシャフトの組付け作業を説明する工程図である。
【
図9】第1実施形態に係る電磁アクチュエータにおいて、可動子、緩衝ユニット、及びシャフトの組付け作業を説明する工程図である。
【
図10】第1実施形態に係る電磁アクチュエータにおいて、可動子、緩衝ユニット、及びシャフトの組付け作業を説明する工程図である。
【
図11】第1実施形態に係る電磁アクチュエータにおいて、可動子、緩衝ユニット、及びシャフトの組付け作業を説明する工程図である。
【
図12】第1実施形態に係る電磁アクチュエータにおいて、可動子、緩衝ユニット、及びシャフトの組付け作業を説明する工程図である。
【
図13】第1実施形態に係る電磁アクチュエータの動作を説明するものであり、可動子が休止位置に位置する状態を示す部分断面図である。
【
図14】第1実施形態に係る電磁アクチュエータの動作を説明するものであり、可動子が作動位置に位置する状態を示す部分断面図である。
【
図15】第1実施形態に係る電磁アクチュエータの動作を説明するものであり、可動子が作動位置から休止位置に戻る状態を示す部分断面図である。
【
図16】本発明の第2実施形態に係る電磁アクチュエータを示すものであり、緩衝ユニットを収容した可動子及びシャフトの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本発明に係る電磁アクチュエータは、外部に駆動力を及ぼす適用対象物として、例えば内燃エンジンのカム切替機構、又は、油路切替弁あるいはその他のオン/オフの切替機構に適用されるものである。
第1実施形態に係る電磁アクチュエータは、
図1ないし
図7に示すように、固定子としての第1固定子10及び第2固定子20、可動子30、可動子30に固定されたシャフト40、緩衝ユニットU、コイルモジュール80、フランジ部材90、シール部材Sr
1,Sr
2,Sr
3を備えている。
【0022】
緩衝ユニットUは、可動子30に保持されて、可動子30が休止位置に戻る際に衝撃を吸収しつつ可動子30を休止位置に位置付けるものであり、ロッド50、付勢部材60、緩衝部材70を備えている。
コイルモジュール80は、ボビン81、励磁用のコイル82、ボビン81及びコイル82を埋設した成形部83を備えている。
【0023】
第1固定子10は、軟鉄等を用いて機械加工又は鍛造により形成され磁力線を通す磁路として機能するものであり、
図1、
図3、
図4に示すように、円筒部11、底壁部12、フランジ部13を備えている。
円筒部11は、可動子30を非接触にて軸線S方向に移動自在に収容するべく軸線Sを中心とする内周面11a、及び外周面11bを備えている。内周面11aは、軸線Sに垂直な径方向において所定の隙間(例えば、0.5mm~0.6mm)をおいて、可動子30の外周面31と対向する。外周面11bは、ボビン81の円筒部81aの内壁面に密接する。
底壁部12は、円筒部11に連続して軸線Sに垂直な円板状に形成され、円筒部11と協働して可動子30を覆うと共に、可動子30が休止位置に位置するとき緩衝ユニットUのロッド50が当接する休止側ストッパ部として機能する内壁面12aを画定する。
フランジ部13は、円筒部11の外周から軸線Sに垂直な径方向に延在する円環板状に形成され、第2固定子20と協働してコイルモジュール80を覆うと共に、第2固定子20の外側円筒部23(環状凹部23b)に嵌合されてカシメ処理により第2固定子20に連結固定される。
【0024】
第2固定子20は、軟鉄等を用いて機械加工又は鍛造により形成され、磁力線を通す磁路として機能すると共にコイル82の通電時に可動子30を吸引する固定鉄心として機能するものであり、
図1、
図3、
図4に示すように、内側円筒部21、底壁部22、外側円筒部23、適用対象物に嵌合される嵌合部24を備えている。
【0025】
内側円筒部21は、軸線Sを中心とする外周面21a及び内周面21b、外周環状テーパ面21c、貫通孔21d、作動側ストッパ部21fを備えている。
外周面21aは、第1固定子10の外周面11aと同一の外径をなし、ボビン81の円筒部81aの内壁面に密接して嵌め込まれる。
内周面21bは、作動位置に移動する可動子30を非接触にて受け入れるべく、可動子30の外周面31よりも大きい内径に形成されている。
外周環状テーパ面21cは、軸線Sを中心として第1固定子10の円筒部11に向けて先細る円錐面状に形成されている。そして、外周環状テーパ面21cは、コイル82の通電時に生じる磁力線を、円筒部11から可動子30を経由した後に、内側円筒部21内の軸線S方向に流線的に導く役割をなす。
貫通孔21dは、軸線Sを中心として形成され、シャフト40を非接触にて通すと共にシャフト40の自由端部42を露出させるように形成されている。また、貫通孔21dには、
図4に示すように、シャフト40を軸線S方向に摺動自在にガイドする軸受Bが嵌合されている。
軸受Bは、硬質の金属材料により円筒状に形成されたブッシュであり、第2固定子20の貫通孔21dにおいて、シャフト40の自由端部42側寄りを支持する領域に配置されている。
作動側ストッパ部21fは、浸炭等の硬化処理を施した別部材として形成され後に嵌合固定されたものであり、可動子30の端面32が当接するストッパ面21f
1、シャフト40を軸線S方向に摺動自在にガイドするガイド孔21f
2を画定する。
このように、硬化処理した作動側ストッパ部21fを採用することにより、軟鉄等の材料にて形成する場合に比べて、可動子30の衝突に対する耐摩耗性及び機械的強度を高めることができる。また、第2可動子20の全体を硬化処理する場合に比べて、コストを低減することができる。
【0026】
底壁部22は、内側円筒部21に連続して軸線Sに垂直な円環板状に形成され、内側円筒部21と外側円筒部23を連結する。そして、底壁部22は、内側円筒部21及び外側円筒部23と協働してコイルモジュール80を覆うと共に、その外壁面においてフランジ部材90が溶接されるようになっている。
【0027】
外側円筒部23は、底壁部22の外縁部から軸線S方向に伸長すると共に軸線Sを中心として内側円筒部21と同心状に形成され、切欠き部23a、環状凹部23b、カシメ部23cを備えている。
切欠き部23aは、コイルモジュール80の一部(コネクタ83a)を露出させるべく矩形状に形成されている。
環状凹部23bは、第1固定子10のフランジ部23を軸線S方向において当接させると共に軸線Sに垂直な径方向において位置決めするべく形成されている。
カシメ部23cは、環状凹部23bに嵌め込まれたフランジ部23をカシメ処理により固定するべく形成されている。
【0028】
嵌合部24は、適用対象物の嵌合凹部に嵌合されるように形成されており、その外周面においてシール部材Sr3を嵌め込む環状溝24a、その内側において貫通孔21dよりも大きい内径をなす凹部24bを備えている。
【0029】
可動子30は、磁力線を通す磁路として機能すると共にコイル82の通電時に軸線S方向に移動する可動鉄心として機能するものであり、快削鋼(SUM)等を用いて、機械加工又は鍛造により緩衝ユニットUを収容する収容部Cを画定する有底円筒状に形成され、
図5ないし
図7に示すように、外周面31、端面32、嵌合孔33、受け部34、ガイド内壁面35、嵌合内壁面36、規制部37、開口部38を備えている。
【0030】
外周面31は、軸線Sを中心とする円筒面であり、第1固定子10の内周面11aと所定隙間をおいて対向する。
端面32は、軸線Sに垂直な平面として形成され、作動位置において第2固定子20の作動側ストッパ部21f(ストッパ面21f1)に当接する。
嵌合孔33は、軸線Sを中心とする円形断面をなし、シャフト40の固定端部41が圧入される領域であり、シャフト40の外径寸法よりも僅かに小さい内径でかつ軸線S方向の長さ寸法がシャフト40の外径寸法より大きく形成されている。
【0031】
受け部34は、軸線S方向にいて付勢部材60の一端部61を受けるものであり、嵌合孔33の周りにおいて、軸線Sを中心としかつ軸線Sに垂直な円環状平面として形成されている。
ガイド内壁面35は、軸線S方向においてロッド50を摺動自在にガイドするべく、軸線Sを中心とする円筒面として形成されている。
嵌合内壁面36は、付勢部材60の一端部61を軸線Sに垂直な方向において位置決めするべく、受け部34の外縁に連続すると共にガイド内壁面35よりも僅かに小径に形成されている。
【0032】
規制部37は、収容部Cの開口端側において、
図6中の二点鎖線で示すように薄肉の円筒状に形成され、収容部Cに緩衝ユニットUを収容した後に実線で示すようにカシメ処理されて、ロッド50の抜け落ちを規制する。
開口部38は、ロッド50の突出部52を外部に突出させるべく、軸線Sを中心とする円形孔として形成されている。
【0033】
ここで、可動子30は、鍛造品とすることにより、機械加工品に比べて製造コストを低減することができる。また、可動子30が、第1固定子10の円筒部11の内周面11aに対して隙間をおいて非接触に配置されることにより、コイル82に通電した際の相互の吸引を抑制ないし防止して、第2固定子20との吸引により応答性に優れた円滑な移動を得ることができる。
【0034】
シャフト40は、適用対象物に駆動力を及ぼすものであり、ステンレス鋼等を用いて、軸線S方向に長尺で単一の外径(例えば、4mm程度)をなす円柱状に形成され、固定端部41、自由端部42を備えている。
固定端部41は、可動子30に固定される領域であり、端面41aが軸線S方向において受け部34よりも内側(収容部C内)に突出するように嵌合孔33に圧入されている。
自由端部42は、休止位置において、第2固定子20の貫通孔21dから外側に突出するように配置されている。
【0035】
そして、シャフト40は、第2固定子20に設けられたガイド孔21f2及び軸受Bにより、軸線S方向に摺動自在にガイドされている。
このように、シャフト40は、従来のような段付きシャフトではなく、単一外径をなすシャフトとして形成されているため、構造が簡素化され、製造コストを低減することができる。
【0036】
ロッド50は、ステンレス鋼等を用いて形成され、
図4、
図6、
図7に示すように、本体部51、突出部52、受け部53、位置決め部54、嵌合部55を備えている。
本体部51は、可動子30のガイド内壁面35に摺動自在に接触するべく、軸線Sを中心とする円柱状に形成されている。
突出部52は、可動子30の開口部38から突出するように配置されて第1固定子10の休止ストッパ部(内壁面12a)に離脱可能に当接し得るべく、軸線Sを中心としかつ本体部51よりも小径の円柱状に形成されている。
【0037】
受け部53は、付勢部材60の他端部62を受けるべく、軸線Sを中心とする円環状端面として形成されている。
位置決め部54は、付勢部材60の内側に嵌合されて付勢部材60を軸線Sに垂直な方向において位置決めするべく、軸線Sを中心としかつ本体部51よりも小径の円柱状に形成されている。
嵌合部55は、緩衝部材70の嵌合凹部71に嵌合されて緩衝部材70を軸線Sに垂直な方向において位置決めするべく、軸線Sを中心としかつ位置決め部54よりも小径の円柱状に形成されている。
【0038】
付勢部材60は、圧縮型のコイルバネであり、一端部61が可動子30の受け部34に当接し、他端部62がロッド50の受け部53に当接した状態で、軸線S方向に圧縮して配置される。そして、付勢部材60は、ロッド50を軸線S方向において規制部37に当接するように付勢する。すなわち、組付けが完了した電磁アクチュエータにおいて、付勢部材60は、ロッド50を固定子(第1固定子10)に向けて付勢する。
ここで、付勢部材60の付勢力は、適用対象物が及ぼす戻し力よりも大きくなるように設定されている。これにより、付勢部材60は、適用対象物の戻し力に打ち勝て、可動子30を所定の休止位置に位置付ける。
【0039】
緩衝部材70は、衝撃を吸収し得る材料を用いて、例えばゴム材料等により、シャフト40の外径と同等の外径をなす円柱状に形成されており、
図4、
図6、
図7に示すように、嵌合凹部71、端面72を備えている。
嵌合凹部71は、ロッド50の嵌合部55が嵌合されると共に、嵌合部55の端面55aが底面71aに当接するように形成されている。このように、嵌合凹部71に嵌合部55が嵌合されることにより、緩衝部材70を予めロッド50に組み付けた状態で、ロッド50と一緒に、可動子30の収容部Cに挿入することで、組付け作業を容易に行うことができる。また、緩衝部材70を軸線Sに垂直な方向において位置決めすることができ、付勢部材60との干渉を防止することができる。
端面72は、軸線Sに垂直な平面として形成され、シャフト40の端面41aと対向するように配置される。
【0040】
そして、緩衝部材70は、組付け状態において、可動子30が休止位置に位置する休止状態において、端面72と端面41aの間に僅かな隙間が形成されるように配置される。この隙間は、緩衝部材70やその他の部材の製造上の寸法誤差を吸収するためであり、休止状態で緩衝部材70が圧縮されないようにすることで、所望する緩衝作用を得ることができる。すなわち、緩衝部材70は、軸線S方向において、ロッド50とシャフト40の間に介在するように配置される。
【0041】
コイルモジュール80は、前述の通り、ボビン81、励磁用のコイル82、成形部83を備えている。
ボビン81は、樹脂材料を用いて形成され、
図4に示すように、軸線Sを中心とする円筒部81a、フランジ部81b、フランジ部81cを備えている。
円筒部81aは、その内側において第1固定子10の円筒部11及び第2固定子20の内側円筒部21が嵌合され、その外側においてコイル82が巻回されている。
フランジ部81bは、軸線Sを中心とする円環板状に形成され、第2固定子20の底壁部22と対向するように配置される。
フランジ部81cは、軸線Sを中心とする円環板状に形成され、第1固定子10のフランジ部13と対向するように配置される。
【0042】
コイル82は、通電により磁力を生じる励磁用のものであり、ボビン81の円筒部81aに巻回され、二つの端子82aに接続されている。
成形部83は、樹脂材料を用いてモールドされたものであり、ボビン81にコイル82を巻回しかつ端子82aを接続した状態で、全体を覆うと共に端子82aをコネクタ83a内に露出させるように成形されている。
【0043】
フランジ部材90は、適用対象物に取り付けるためのものであり、ステンレス鋼等の金属板を用いて略菱形の輪郭をなすように形成され、
図1ないし
図3に示すように、第2固定子20の嵌合部24を挿通させる中央孔91、締結ボルト(又はネジ)を通す二つの円孔92を備えている。
そして、フランジ部材90は、中央孔91に嵌合部24が通された状態で、
図2に示すように、第2固定子20の底壁部22の外壁面に(例えば四箇所の)スポット溶接Swを施して、第2固定子20に固定されている。
【0044】
次に、電磁アクチュエータの組付け作業について、
図3、
図8ないし
図12を参照しつつ説明する。
先ず、サブラインにおいて、可動子30に対してシャフト40及び緩衝ユニットUを組付けて可動子モジュールMを形成するべく、
図8に示すように、可動子30、シャフト40、緩衝ユニットU(ロッド50、付勢部材60、緩衝部材70)が準備される。
【0045】
続いて、
図9に示すように、シャフト40の固定端部41が、可動子30の嵌合孔33に圧入される。
続いて、
図10に示すように、可動子30の収容部Cに付勢部材60が挿入され、一端部61が嵌合内壁面36に嵌め込まれると共に受け部34に当接される。
続いて、
図11に示すように、緩衝部材70がロッド50に組み付けられた状態で、緩衝部材70及びロッド50が収容部Cに挿入される。そして、緩衝部材70の端面72がシャフト40の端面41aに当接され、付勢部材60の他端部62にロッド50の位置決め部54が嵌め込まれると共に受け部53が他端部62に当接される。
【0046】
続いて、
図12に示すように、カシメ装置Dを用いて、ロッド50を軸線S方向に押し込んだ状態で、可動子30の規制部37がカシメ処理される。
上記工程により、可動子30に対して、シャフト40及び緩衝ユニットU(ロッド50、付勢部材60、緩衝部材70)の組付けが完了し、可動子モジュールMが形成される。尚、上記の工程及び順序は一例であって、シャフト40が後工程で圧入されてもよい。
【0047】
そして、カシメ装置から取り外された状態の可動子モジュールMにおいては、
図5及び
図7に示すように、付勢部材60の付勢力により、ロッド50の突出部62が可動子30の開口部38から外側に突出し、本体部51が可動子30の規制部37に当接する。
これにより、ロッド50は、規制部37により軸線S方向へのそれ以上の移動が規制され、付勢部材60により付勢されつつ可動子30の収容部Cにおいて軸線S方向に移動自在に保持される。すなわち、緩衝ユニットUは、可動子30の収容部Cに保持された状態に維持される。
【0048】
次に、
図4に示すように、第1固定子10、第2固定子20、可動子モジュールM、コイルモジュール80、フランジ部材90、シール部材Sr
1,Sr
2,Sr
3が準備される。尚、コイルモジュール80は、予め、ボビン81及びコイル82が成形部83により樹脂成形(モールド)されて準備される。また、第2固定子20は、貫通孔21d内に軸受Bが嵌め込まれた状態で準備される。
【0049】
先ず、コイルモジュール80が、シール部材Sr1と一緒に、第2固定子20に組み付けられる。具体的には、ボビン81の円筒部81aが内側円筒部21に嵌め込まれ、フランジ部81bを覆う成形部83が底壁部22に当接される。
続いて、可動子モジュールMが第2固定子20に組み付けられる。具体的には、シャフト40がガイド孔21f2及び軸受Bに挿入され、可動子30の端面32が作動側ストッパ部21f(ストッパ面21f1)に当接される。
【0050】
続いて、第1固定子10が第2固定子20及びコイルモジュール80に組み付けられる。具体的には、フランジ部81cにシール部材Sr2を配置した状態で、円筒部11がボビン81の円筒部81aに嵌め込まれ、フランジ部13が環状凹部23に当接される。そして、カシメ部23cがフランジ部13を挟み込むようにカシメ処理される。これにより、第1固定子10が第2固定子20に固定される。
そして、嵌合部24の環状溝24aにシール部材Sr3が嵌め込まれる。一方、シール部材Sr3は、第2固定子20を準備する段階で予め環状溝24aに嵌め込まれていてもよい。これにより、電磁アクチュエータの組付けが完了する。
尚、シール部材Sr3は、電磁アクチュエータが適用対象物に適用される際に、嵌合部24の環状溝24aに嵌め込まれてもよい。
【0051】
この電磁アクチュエータにおいては、適用対象物に適用される前の状態で、可動子モジュールMが休止側ストッパ部(内壁面12a)と作動側ストッパ部21f(ストッパ面21f
1)の間で軸線S方向に移動自在となっている。
そして、電磁アクチュエータが適用対象物に取り付けられると、適用対象物に設けられた付勢部材の戻し力により、シャフト40が後退するように付勢されて、
図4に示すように、ロッド50の突出部52が第1固定子10の休止側ストッパ部(内壁面12a)に当接した休止位置に保持される。
【0052】
次に、電磁アクチュエータが適用対象物に適用された状態での動作について、
図13ないし
図15を参照しつつ説明する。
先ず、コイル82が通電されない非通電の状態において、
図13に示すように、シャフト40及び可動子30は、適用対象物が及ぼす戻し力Fにより押し戻されて、ロッド50の突出部52が休止側ストッパ部(内壁面12a)に当接した休止位置に位置付けられる。
【0053】
この休止状態において、コイル82が通電されると、第1固定子10の円筒部11から可動子30を経由して第2固定子20の内側円筒部21に流れ込む磁力線(電磁力)MLが生じて、可動子30は第2固定子20に向けて引き寄せられる。そして、
図14に示すように、可動子30の端面32が第2固定子20の作動側ストッパ部(ストッパ面21f
1)に当接する作動位置に移動して停止すると共に、適用対象物に駆動力を及ぼして切替等の動作を行う。
【0054】
一方、この作動状態において、コイル82の通電が断たれると、シャフト40及び可動子30は適用対象物が及ぼす戻し力Fにより押し戻されて、可動子モジュールMは休位置に向けて後退する。この後退過程において、先ず、ロッド50の突出部52が休止側ストッパ部(内壁面12a)に当接し、
図15に示すように、可動子30及びシャフト40は慣性力により所定の休止位置(
図15中の二点鎖線)を超えて過移動し、緩衝部材70がロッド50とシャフト40の間で弾性変形する。この移動過程で、シャフト40と一体的に移動する可動子30の衝撃力が吸収される。
そして、付勢部材60の付勢力により、過移動した可動子30及びシャフト40は逆向きに押し戻されて、
図13に示すように、所定の休止位置に停止する。
このように、緩衝ユニットU(ロッド50、付勢部材60、緩衝部材70)の作用により、可動子30が休止位置に戻る際の衝撃力が吸収されると共に、可動子30は所定の休止位置に高精度に位置付けされる。
【0055】
上記第1実施形態に係る電磁アクチュエータによれば、可動子30が、シャフト40を嵌合させる嵌合孔33と、付勢部材60を受ける受け部34を含むため、従来のようにシャフトに付勢部材の受け部を設ける必要がなく、可動子30に固定されるシャフトとして、単一外径のシャフト40を採用することができる。これにより、シャフト40の構造の簡素化及び低コスト化を達成することができる。
【0056】
また、可動子30は、ロッド50の抜け落ちを規制するべくカシメ処理された規制部37を含むため、緩衝ユニットU(緩衝部材70、付勢部材60、ロッド50)を収容部Cに収容した後に、カシメ処理を施すだけでロッド50の抜け落ちを規制することができ、組付け作業を容易に行うことができる。
【0057】
また、付勢部材60として圧縮型のコイルバネを採用し、可動子30が、ロッド50を軸線S方向に摺動自在にガイドするガイド内壁面35と、嵌合孔33の周りに環状に形成された受け部34を含むことにより、可動子30の収容部Cの形状を簡素化でき、低コスト化にも寄与する。また、可動子30が、受け部34の外縁に連続して形成されコイルバネをなす付勢部材60の一端部61を嵌め込む嵌合内壁面36を含むため、付勢部材60を軸線Sに垂直な方向において位置決めすることができる。
【0058】
また、シャフト40の固定端部41が、軸線S方向において受け部34よりも内側(収容部C内)に突出するように嵌合孔33に圧入されることにより、端面41aとロッド50の間に緩衝部材70を確実に介在させることができる。
また、可動子30が鍛造品として提供されることにより、機械加工品に比べて低コスト化を達成することができる。
以上述べたように、第1実施形態に係る電磁アクチュエータによれば、構造の簡素化、低コスト化、組付け作業の容易化等を達成することができる。
【0059】
図16は、本発明の第2実施形態に係る電磁アクチュエータを示すものであり、第1実施形態におけるロッド50の形状及び緩衝部材70の配置形態を変更した以外は、第1実施形態と同一である。したがって、第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
第2実施形態に係る電磁アクチュエータは、固定子としての第1固定子10及び第2固定子20、可動子30、可動子30に固定されたシャフト40、緩衝ユニットU(ロッド150、付勢部材60、緩衝部材170)、コイルモジュール80、フランジ部材90、シール部材Sr1,Sr2,Sr3を備えている。
【0061】
ロッド150は、ステンレス鋼等を用いて形成され、本体部151、突出部152、受け部153、位置決め部154を備えている。
本体部151は、可動子30のガイド内壁面35に摺動自在に接触するべく、軸線Sを中心とする円柱状に形成されている。
突出部152は、可動子30の開口部38から突出するように配置されて第1固定子10の休止側ストッパ部(内壁面12a)に離脱可能に当接し得るべく、軸線Sを中心としかつ本体部51よりも小径の円柱状に形成されている。
受け部153は、付勢部材60の他端部62を受けるべく、軸線Sを中心とする円環状端面として形成されている。
位置決め部154は、付勢部材60の内側に嵌合されて付勢部材60を軸線Sに垂直な方向において位置決めするべく、軸線Sを中心としかつ本体部151よりも小径の円柱状に形成されている。
【0062】
緩衝部材170は、衝撃を吸収し得る材料、例えばゴム材料等により円柱状に形成されており、嵌合凹部171、端面172を備えている。
嵌合凹部171には、シャフト40の固定端部41の一部が嵌合されるように形成されている。
端面172は、軸線Sに垂直な平面として形成され、ロッド150の端面150aと当接するように形成されている。
そして、緩衝部材170は、嵌合凹部171にシャフト40の固定端部41が嵌合されることにより、軸線Sに垂直な方向において位置決めされ、端面172が端面150aと対向するように配置される。
第2実施形態に係る電磁アクチュエータによれば、第1実施形態と同様に、構造の簡素化、低コスト化、組付け作業の容易化等を達成することができる。
【0063】
上記実施形態においては、緩衝ユニットUに含まれる付勢部材として、コイルバネをなす付勢部材60を採用したが、これに限定されるものではなく、複数の波形板バネが積層された多重型ウェーブバネ、その他の形態をなす付勢部材を採用してもよい。
上記実施形態においては、可動子30に収容されたロッド50,150の抜け落ちを規制する規制部としてカシメ処理された規制部37を示したが、これに限定されるものではなく、その他の形態をなす規制部を採用してもよい。
上記実施形態においては、固定子として、第1固定子10及び第2固定子20を示したが、その他の形態をなす第1固定子及び第2固定子を採用してもよい。
上記実施形態においては、可動子30を休止位置に戻す戻し力として、適用対象物が及ぼす戻し力を適用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、戻し力を生じる付勢部材(例えば、コイルバネ)を電磁アクチュエータに内蔵してもよい。
【0064】
以上述べたように、本発明の電磁アクチュエータは、構造の簡素化、低コスト化、組付け作業の容易化等を達成することができるため、エンジン又は車両に関する種々の切替機構の切替動作のために適用できるのは勿論のこと、その他の分野における切替機構等においても有用である。
【符号の説明】
【0065】
S 軸線
10 第1固定子(固定子)
11 円筒部
12 底壁部
12a 内壁面(休止側ストッパ部)
13 フランジ部
20 第2固定子(固定子)
21 内側円筒部
21d 貫通孔
B 軸受
21f 作動側ストッパ部
21f1 ストッパ面
21f2 ガイド孔
22 底壁部
23 外側円筒部
23c カシメ部
30 可動子
33 嵌合孔
34 受け部
35 ガイド内壁面
36 嵌合内壁面
37 カシメ処理された規制部
38 開口部
40 シャフト
41 固定端部
42 自由端部
U 緩衝ユニット
50,150 ロッド
60 付勢部材(コイルバネ)
61 一端部
62 他端部
70,170 緩衝部材
80 コイルモジュール
81 ボビン
82 励磁用のコイル
83 成形部
90 フランジ部材