(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066664
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】据置型給湯器
(51)【国際特許分類】
F24H 9/00 20220101AFI20240509BHJP
【FI】
F24H9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176222
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩之
【テーマコード(参考)】
3L036
【Fターム(参考)】
3L036AC18
(57)【要約】
【課題】電気部品にドレンが滴下するのを防ぐ。
【解決手段】据置型給湯器1は、載置面に載置される据置型給湯器1であって、一対の側板2A,2Bを有する筐体2と、筐体2の内部に配設された燃焼装置3と、筐体2の内部において燃焼装置3の上側に配設された一次熱交換器4と、筐体2の内部において燃焼装置3の下側に配設された燃焼室の放電電極およびコントローラ7と、燃焼装置3および一次熱交換器4の前側において一方の側板2A側が低くなるように他方の側板2Bに向けて傾斜して配設された入水管21と、入水管21の下側において入水管21に沿ってのびるドレンガイド30と、を備え、ドレンガイド30は、少なくとも燃焼室の放電電極およびコントローラ7の配設位置の上側を覆うように設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置面に載置される据置型給湯器であって、
一対の側板を有する筐体と、
前記筐体の内部に配設された燃焼装置と、
前記筐体の内部において前記燃焼装置の上側に配設された一次熱交換器と、
前記筐体の内部において前記燃焼装置の下側に配設された電気部品と、
前記燃焼装置および前記一次熱交換器の前側において一方の前記側板側が低くなるように他方の前記側板に向けて傾斜して配設された入水管と、
前記入水管の下側において前記入水管に沿ってのびるドレンガイドと、を備え、
前記ドレンガイドは、少なくとも前記電気部品の配設位置の上側を覆うように設けられている、据置型給湯器。
【請求項2】
前記ドレンガイドを前記入水管の下側に装着させるクリップ部材を備える、請求項1に記載の据置型給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、据置型給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
壁面に固定される給湯器として、例えば特開2021-32543号公報(下記特許文献1)に記載の給湯器が知られている。この給湯器は筐体を備え、筐体の内部には、下から順に、バーナ装置、一次熱交換装置、二次熱交換装置が配設されている。筐体は、底板と、底板の左右両側縁から立ち上がる一対の側板と、を有している。筐体の底板には、水道等の給水源に接続された入水口が設けられ、この入水口から入水管に水を流入し、二次熱交換装置、一次熱交換装置の順に通水させつつ燃焼排気と熱交換して水を加熱する。入水管は、その一端部が入水口に接続され、筐体内部で一方の側板に近接した位置に延びた後、上方に延びている。入水管の他端部は、二次熱交換装置に設けられた給湯用入口部に接続されている。
【0003】
一方、床面等の載置面に載置される据置型給湯器も提供されている。据置型給湯器は、載置面に載置して使用される性質上、筐体の底板ではなく側板に入水口等の接続具が固定される。据置型給湯器では、部品共用化の一環として壁面固定型給湯器と共通の燃焼装置や熱交換器を使用する場合がある。その場合、入水管が燃焼装置下部のマニフォールドの前側に重ならないように配慮しつつ、その入水管を一方の側面から他方の側面に近接する位置まで引き回す必要がある。このため、燃焼室の放電電極等の上側位置で、燃焼装置の前側を左右に横切るように入水管を配設する構成を採らざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記構成を採用した場合、入水管の表面にドレンが結露した場合、そのドレンが放電電極に向け滴下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の据置型給湯器は、載置面に載置される据置型給湯器であって、一対の側板を有する筐体と、前記筐体の内部に配設された燃焼装置と、前記筐体の内部において前記燃焼装置の上側に配設された一次熱交換器と、前記筐体の内部において前記燃焼装置の下側に配設された電気部品と、前記燃焼装置および前記一次熱交換器の前側において一方の前記側板側が低くなるように他方の前記側板に向けて傾斜して配設された入水管と、前記入水管の下側において前記入水管に沿ってのびるドレンガイドと、を備え、前記ドレンガイドは、少なくとも前記電気部品の配設位置の上側を覆うように設けられている、据置型給湯器である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電気部品にドレンが滴下するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる据置型給湯器の正面図である。
【
図2】
図2は、ドレンガイド周辺の構成について示す給湯器の拡大正面図である。
【
図7】
図7は、ドレンガイドが入水管に取り付けられた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
(1)本開示の据置型給湯器は、載置面に載置される据置型給湯器であって、一対の側板を有する筐体と、前記筐体の内部に配設された燃焼装置と、前記筐体の内部において前記燃焼装置の上側に配設された一次熱交換器と、前記筐体の内部において前記燃焼装置の下側に配設された電気部品と、前記燃焼装置および前記一次熱交換器の前側において一方の前記側板側が低くなるように他方の前記側板に向けて傾斜して配設された入水管と、前記入水管の下側において前記入水管に沿ってのびるドレンガイドと、を備え、前記ドレンガイドは、少なくとも前記電気部品の配設位置の上側を覆うように設けられている、据置型給湯器である。
【0010】
ドレンガイドは少なくとも電気部品の配設位置の上側を覆うように設けられているため、入水管の表面にドレンが結露したとしても、そのドレンはドレンガイドを伝って一方の側板側に流れ、電気部品の配設位置よりも一方の側板に近づいた箇所で滴下するため、電気部品にドレンが滴下するのを防ぐことができる。
【0011】
(2)上記の据置型給湯器は、前記ドレンガイドを前記入水管の下側に装着させるクリップ部材を備えることが好ましい。
ドレンガイドはクリップ部材を介して入水管の下側に装着されるため、ドレンガイドの取り付け、取り外しを簡便に行うことができる。
【0012】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0013】
<実施形態>
本開示の実施形態について、
図1から
図8を参照しつつ説明する。以下の説明において前後方向、上下方向、および左右方向は、各図において矢印で示す方向を基準とする。
【0014】
[給湯器の全体構造]
図1は、据置型給湯器1を前方から見た正面図で、前面のフロントカバー(図示せず)を外した状態を示している。
図2は、ドレンガイド30周りの構成を示す拡大正面図である。
図1に示すように、据置型給湯器1は、前面に開口が設けられた四角箱状の筐体2と、燃焼装置3と、一次熱交換器4と、二次熱交換器5と、複数の内部配管20と、筐体2の前面の開口を塞ぐフロントカバーと、を備えて構成されている。筐体2内には、下から順に、燃焼装置3、一次熱交換器4、二次熱交換器5が配置されている。複数の内部配管20は、筐体2及びフロントカバーにより構成される閉鎖空間内に配される複数の配管である。複数の内部配管20は、入水管21、出湯管22、戻り管23、往き管24等を含んでいる。各内部配管20の詳細な構成については、他の部材との接続や据置型給湯器1における配置等を示しつつ、後述する。
【0015】
据置型給湯器1は、地面や建物の床面等の載置面に載置される据置型とされている。このため、入水口11、出湯口12、湯入口13、湯出口14、ドレン排出口15、ガス入口16等の複数の接続具10は、筐体2の一方(左側)の側板2Aに形成されている。この結果、複数の接続具10に接続される複数の内部配管20の一部は、筐体2の一方の側板2Aに寄った位置に密集して配されている。
【0016】
本実施形態の据置型給湯器1は、回路構成的には、給湯回路及び風呂回路の2つの回路を備えて構成されている。給湯回路は、水道等からの水を加熱して湯として流出させる回路である。風呂回路は、浴槽内の湯を循環加熱する回路である。詳細には図示しないものの、後述する燃焼装置3、経路部材8、一次熱交換器4、及び二次熱交換器5は、それぞれ左右に区画されており、右側に給湯側の構成、左側に風呂側の構成が設けられている。
【0017】
[燃焼装置]
燃焼装置3は、一次熱交換器4の下部に接続されている。燃焼装置3の前面には、燃焼装置3の燃焼室内の図示しないバーナユニットに燃料ガスを分配供給するためのガス分配ユニット9が組み付けられている。燃焼装置3の下面には、バーナユニットに燃焼用空気を供給する給気ファンが組み付けられている。燃焼装置3は、バーナユニットに供給された燃料ガスと空気とを、バーナユニット内で混合させるとともに、この混合ガスを、下流端に形成された炎孔より上方に噴出させて燃焼させ、燃焼排気を発生させる。
【0018】
図2に示すように、ガス分配ユニット9の上方右側には点火プラグ311及びフレームロッド312が配置されている。同様に、ガス分配ユニット9の上方左側には点火プラグ321及びフレームロッド322が配置されている。これら点火プラグ311,321、及びフレームロッド312,322の一端側は燃焼室内の放電電極を構成し、燃焼装置3を構成するバーナケースの前面から燃焼室内に差し込まれている。点火プラグ311,321、及びフレームロッド312,322の他端側は、バーナケースの前面から前方にそれぞれ突出している。点火プラグ311,321、及びフレームロッド312,322の他端側には図示しない配線がそれぞれ接続されている。
【0019】
図1に示すように、一次熱交換器4と二次熱交換器5の間には経路部材8が配設されている。経路部材8は、一次熱交換器4と二次熱交換器5を連結する部材である。経路部材8は、下端部が下方に向かって開口して一次熱交換器4内の空間に連通している。また、経路部材8は、上部が前方に向かって開口して二次熱交換器5内の空間に連通している。
【0020】
据置型給湯器1は、燃焼装置3で発生させた燃焼排気を燃焼装置3の上方の一次熱交換器4に流通させる。一次熱交換器4では、一次熱交換器4内の通水と燃焼排気とを熱交換させる。据置型給湯器1は、一次熱交換器4によって燃焼排気の顕熱を回収する。
【0021】
据置型給湯器1においては、燃焼装置3の燃焼排気が一次熱交換器4から経路部材8を経て二次熱交換器5に導かれる。一次熱交換器4を通過した燃焼排気は、経路部材8を経て二次熱交換器5に後方から進入する。すなわち、二次熱交換器5は、一次熱交換器4に対して、燃焼排気の経路の下流側に配されている。二次熱交換器5では、二次熱交換器5の通水と燃焼排気とを熱交換させる。据置型給湯器1は、二次熱交換器5によって燃焼排気の潜熱を回収する。
【0022】
[一次熱交換器]
一次熱交換器4は、その下端部が燃焼装置3に連なり、上端部が二次熱交換器5に連なって設けられている。一次熱交換器4は、燃焼装置3からの燃焼排気が通過する一次ケーシング4Aと、一次ケーシング4Aの内部に配され、蛇行状に形成された一次伝熱管4Bと、を備えている。一次ケーシング4Aは上下方向に貫通する四角筒状をなしている。給湯側の一次伝熱管4Bの下流端には、出湯管22が接続されている。風呂側の一次伝熱管4Bの下流端には、往き管24が接続されている。
【0023】
[二次熱交換器]
一次熱交換器4からの燃焼排気は、経路部材8を通って二次熱交換器5の内部へと導入される。二次熱交換器5は、一次熱交換器4からの燃焼排気が通過する二次ケーシング5Aと、二次ケーシング5Aの内部に収容される複数の二次伝熱管5Bと、を備えている。二次ケーシング5Aの前面には、燃焼排気を外部へ排気するための排気筒5Cが設けられている。二次熱交換器5は、耐食性に優れたステンレス製とすることができる。給湯側の二次伝熱管5Bの上流端は、入水管21の下流端に接続されている。給湯側の二次伝熱管5Bの下流端は、給湯側中継管25を介して、給湯側の一次伝熱管4Bの上流端に接続されている。風呂側の二次伝熱管5Bの上流端は、戻り管23の下流端に接続されている。風呂側の二次伝熱管5Bの下流端は、風呂側中継管26を介して、風呂側の一次伝熱管4Bの上流端に接続されている。
【0024】
給湯回路においては、入水口11から供給された水が、入水管21、二次熱交換器5、給湯側中継管25、一次熱交換器4を流通する間に加熱され、湯となる。湯は、出湯管22を流通し、出湯口12から流出する。
【0025】
風呂回路においては、浴槽内の開口に連通する湯入口13から循環ポンプPによって浴槽内の湯が戻り管23に吸い込まれる。湯は戻り管23を通り、二次熱交換器5、風呂側中継管26、一次熱交換器4を流通し、再加熱される。より高温となった湯は、往き管24を経由して湯出口14から浴槽に吐出される。
【0026】
据置型給湯器1は、制御装置としてのコントローラ7を備える。コントローラ7は燃焼装置3の下側に設置されている。コントローラ7は、例えば、公知のマイクロコンピュータ等として構成されており、据置型給湯器1に設けられた様々なセンサからの信号を取得可能に構成されており、据置型給湯器1に設けられた様々なアクチュエータを制御し得る構成となっている。例えば、据置型給湯器1は、通水センサによって入水管21内の通水を検知した場合に、燃焼装置3を動作させて湯を生成することを行う。
【0027】
[中和器]
据置型給湯器1では、二次熱交換器5で燃焼排気の潜熱が回収されることで、ドレンが生じる。据置型給湯器1は、このドレンを中和するための中和器6を備える。
図1に示すように、中和器6は、ドレン導入管27を介して二次熱交換器5と接続されるとともに、ドレンホース28を介して筐体2の一方の側板2Aに設けられたドレン排出口15と接続されている。二次熱交換器5で生じたドレンは、ドレン導入管27を通じて中和器6に送られる。中和器6で中和されたドレンはドレンホース28を通じてドレン排出口15から据置型給湯器1の外部に排出される。
【0028】
上述したように、筐体2の一方の側板2Aに寄った位置には、多くの内部配管20や循環ポンプP等のアクチュエータ類が密集して配される傾向にある。ところで、壁面に固定される壁面固定型の給湯器では、入水管が底板2C側から他方の側板2Bに近接した位置にのびた後、上方向にのびており、二次熱交換器5の右側面に設けられた給湯側水入口に接続されている。壁面固定型の給湯器と共通の燃焼装置や熱交換器を、据置型給湯器1に配設する場合、前記入水管を一方の側板2Aに寄った位置から他方の側板2Bに近接する位置まで引き回す必要がある。このため、燃焼室の放電電極等の上側位置で、燃焼装置の前側を左右に横切るように入水管を配設せざるを得ない場合がある。しかしながら、このような構成を採用すると、入水管の表面にドレンが結露した場合、そのドレンが放電電極に向け滴下するおそれがあるため問題となる。
【0029】
[ドレンガイド]
上記のような問題を解決するため、本実施形態の据置型給湯器1は、
図1および
図2に示すように、入水管21の下側において入水管21に沿ってのびるドレンガイド30と、ドレンガイド30を入水管21の下側に装着させるクリップ部材40と、を備えている。ドレンガイド30は、少なくとも燃焼室の放電電極およびコントローラ7の配設位置の上側を覆うように設けられている。入水管21のうちドレンガイド30が装着された部分は、一方の側板2A側が低くなるように他方の側板2Bに向けて傾斜して配設されている。
【0030】
ドレンガイド30は、
図3から
図6に示すように、ステンレスなどの板金を加工したものであって、左右方向にのびる底壁31と、底壁31の長辺側の側縁において上方に突出して設けられた一対の長側壁32A,32Bと、底壁31の短辺側の側縁において上方に突出して設けられた一対の短側壁35A,35Bと、を備えている。底壁31は、
図3に示すように、左方に向かうほど下方に向かうように傾斜している。底壁31に滴下したドレンは、左方に流れていき、左側の短側壁35Aの位置で下方に滴下する。
図1に示すように、左側の短側壁35Aは、燃焼装置3およびコントローラ7よりも左方に位置しているため、燃焼室の放電電極およびコントローラ7にドレンが滴下することを回避できる。
【0031】
図4に示すように、前側の長側壁32Aの上縁には、前方に張り出す左側フランジ33A1と、左側フランジ33A1の右方に配された右側フランジ33A2と、が設けられている。後側の長側壁32Bの上縁には、後方に張り出す左側フランジ33B1と、左側フランジ33B1の右方に配された右側フランジ33B2と、が設けられている。左側フランジ33A1,33B1は前後方向に並んで配され、右側フランジ33A2,33B2は前後方向に並んで配されている。
【0032】
各フランジ33A1,33A2,33B1,33B2は、前後方向において底壁31に近づくほど下方に向かうように傾斜している。このため、各フランジ33A1,33A2,33B1,33B2に滴下したドレンは、各長側壁32A,32Bを伝って底壁31に流れるようになっている。
【0033】
左側のフランジ33A1,33B1には一対の切り欠き34A1,34B1が設けられている。一対の切り欠き34A1,34B1は前後方向に並んで配されている。また、右側のフランジ33A2,33B2には一対の切り欠き34A2,34B2が設けられている。一対の切り欠き34A2,34B2は前後方向に並んで配されている。これらの切り欠き34A1,34A2,34B1,34B2には後述するクリップ部材40の各脚部41が通されるようになっている。
【0034】
[クリップ部材]
クリップ部材40は、
図8に示すように、ステンレスなどの板金を加工したものであって、上下方向にのびる一対の脚部41と、一対の脚部41の下端同士を連結する連結部42と、を備えている。一対の脚部41は、上方に向かうほど間隔が大きくなるように配されている。脚部41の先端部には、山形の係止部43が設けられている。一対の係止部43の最狭小部44の離間寸法は、入水管21の外径よりも小さくなっており、一対の係止部43が入水管21の上面側に係止するように構成されている。これにより、クリップ部材40が入水管21に保持されている。
【0035】
図4に示すように、各切り欠き34A1,34A2,34B1,34B2の左右方向の寸法は、各脚部41の左右方向の寸法と同じかこれよりやや大きめとされている。このため、各脚部41を各切り欠き34A1,34A2,34B1,34B2に挿通すると、各クリップ部材40が各切り欠き34A1,34A2,34B1,34B2を構成する口縁部によって左右方向に位置決めされる。
【0036】
図8に示すように、ドレンガイド30は各クリップ部材40の連結部42によって下方から支持される。
図7に示すように、各脚部41は、ドレンガイド30よりも上方に突出しており、各短側壁35A,35Bの先端が入水管21に対して下方から当接し各係止部43が入水管21の上面側に係止することでドレンガイド30が入水管21に対して上下方向に位置決めされ、入水管21に装着されるようになっている。
【0037】
入水管21のうちドレンガイド30が装着されている部分は、燃焼装置3の近傍にあるため、ドレンが発生しやすい箇所となっている。そのようなドレンが発生しやすい箇所にドレンガイド30を設けているから、入水管21から滴下したドレンがドレンガイド30によって効率的に受け止められるようになっている。これにより、燃焼室の放電電極等にドレンが滴下するのを防ぐことができる。
【0038】
[実施形態の作用効果]
以上のように、実施形態にかかる据置型給湯器1は、載置面に載置される据置型給湯器1であって、一対の側板2A,2Bを有する筐体2と、筐体2の内部に配設された燃焼装置3と、筐体2の内部において燃焼装置3の上側に配設された一次熱交換器4と、筐体2の内部において燃焼装置3の下側に配設された燃焼室の放電電極およびコントローラ7と、燃焼装置3および一次熱交換器4の前側において一方の側板2A側が低くなるように他方の側板2Bに向けて傾斜して配設された入水管21と、入水管21の下側において入水管21に沿ってのびるドレンガイド30と、を備え、ドレンガイド30は、少なくとも燃焼室の放電電極およびコントローラ7の配設位置の上側を覆うように設けられている、据置型給湯器1である。
【0039】
ドレンガイド30は少なくとも燃焼室の放電電極およびコントローラ7の配設位置の上側を覆うように設けられているため、入水管21の表面にドレンが結露したとしても、そのドレンはドレンガイド30を伝って一方の側板2A側に流れ、燃焼室の放電電極およびコントローラ7の配設位置よりも一方の側板2Aに近づいた箇所で滴下するため、燃焼室の放電電極およびコントローラ7にドレンが滴下するのを防ぐことができる。
【0040】
実施形態にかかる据置型給湯器1は、ドレンガイド30を入水管21の下側に装着させるクリップ部材40を備えることが好ましい。
ドレンガイド30はクリップ部材40を介して入水管21の下側に装着されるため、ドレンガイド30の取り付け、取り外しを簡便に行うことができる。
【0041】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、据置型給湯器1は給湯回路と風呂回路とを備えていたが、据置型給湯器1は給湯回路のみを備えていてもよく、また風呂回路のみを備えていてもよい。
【0042】
(2)上記実施形態では、電気部品として燃焼室の放電電極およびコントローラ7を例示したが、これらに限定されず、例えば表示装置やアクチュエータ類でもよい。
【符号の説明】
【0043】
1:据置型給湯器
2:筐体 2A:一方の側板 2B:他方の側板 2C:底板
3:燃焼装置 311,321:点火プラグ(電気部品) 312,322:フレームロッド(電気部品)
4:一次熱交換器 4A:一次ケーシング 4B:一次伝熱管
5:二次熱交換器 5A:二次ケーシング 5B:二次伝熱管 5C:排気筒
6:中和器
7:コントローラ(電気部品)
8:経路部材
9:ガス分配ユニット
10:接続具 11:入水口 12:出湯口 13:湯入口 14:湯出口 15:ドレン排出口 16:ガス入口
20:内部配管 21:入水管 22:出湯管 23:戻り管 24:往き管 25:給湯側中継管 26:風呂側中継管 27:ドレン導入管 28:ドレンホース
30:ドレンガイド 31:底壁 32A,32B:長側壁 33A1:左側フランジ 33A2:右側フランジ 33B1:左側フランジ 33B2:右側フランジ 34A1,34A2,34B1,34B2:フランジ 35A,35B:短側壁
40:クリップ部材 41:脚部 42:連結部 43:係止部 44:最狭小部
P:循環ポンプ