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▶ 株式会社ソミックマネージメントホールディングスの特許一覧

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  • 特開-ロータリーダンパ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066714
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ロータリーダンパ
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/14 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
F16F9/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176331
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】519184930
【氏名又は名称】株式会社ソミックマネージメントホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 晃史
(72)【発明者】
【氏名】志村 良太
【テーマコード(参考)】
3J069
【Fターム(参考)】
3J069AA41
3J069EE01
(57)【要約】
【課題】バルブとハウジングの接触を回避する。
【解決手段】本発明は、シャフト(21)から突出するベーン(22)と、ベーン(22)に形成される流路(40)と、流路(40)におけるオイルの逆流を防止するバルブ(50)を備え、シャフト(21)は、軸方向に深さを有する穴(21a)と、穴(21a)の周壁を貫通する溝(21b)を有し、流路(40)は、ベーン(22)の外縁から離れた位置に形成され、バルブ(50)は、穴(21a)に挿入され、穴(21a)の周壁と係合する係合部(51)と、流路(40)を開閉する弁部(52)と、係合部(51)と弁部(52)の間に位置し、溝(21b)に挿入される中間部(53)を有するロータリーダンパを提供する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトから突出するベーンと、前記ベーンに形成される流路と、前記流路におけるオイルの逆流を防止するバルブを備え、前記シャフトは、軸方向に深さを有する穴と、前記穴の周壁を貫通する溝を有し、前記流路は、前記ベーンの外縁から離れた位置に形成され、前記バルブは、前記穴に挿入され、前記穴の周壁と係合する係合部と、前記流路を開閉する弁部と、前記係合部と前記弁部の間に位置し、前記溝に挿入される中間部を有するロータリーダンパ。
【請求項2】
前記中間部に、前記弁部を前記ベーンに接触させる方向に付勢するばねが設けられている請求項1に記載のロータリーダンパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリーダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャフトから突出するベーンと、前記ベーンに形成される流路と、前記流路におけるオイルの逆流を防止するバルブを備えるロータリーダンパが知られている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1は、シャフト(シャフト3)から突出するベーン(第1羽根部3c,第2羽根部3d)と、前記ベーンに形成される流路(第1流路3c1,第2流路3d1)と、前記流路におけるオイルの逆流を防止するバルブ(ベーン4)を備え、前記シャフトは、径方向に前記シャフトを貫通する穴(取付孔3e)を有し、前記バルブは、前記穴の中に位置する第1部分(背面4d1と背面4d2の中間部分)と、前記流路を開閉する第2部分(第1側面4a1,第2側面4a2)を有するロータリーダンパを開示している(特許文献1の図5図10参照)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたロータリーダンパでは、バルブ(ベーン4)がベーン(第1羽根部3c,第2羽根部3d)の端部と同等の高さに端部(屈曲部端4b1,屈曲部端4b2)を有し、また、穴(取付孔3e)に挿入された前記バルブは、シャフト(シャフト3)によって、径方向に移動しないように保持されていないため、前記シャフトの回転時に、前記バルブがハウジング(ハウジング2)の周壁に接触し、両者の間に摩擦が発生する(特許文献1の図4参照)。したがって、この摩擦によって前記ハウジングの周壁が摩耗し、その結果、トルクが低下する。
【0005】
例えば、下記の特許文献2は、シャフト(回転軸2)から突出するベーン(羽根部4)と、前記ベーンに形成される流路(流通路4a)と、前記流路におけるオイルの逆流を防止するバルブ(弁体6)を備え、前記シャフトは、外周に凹部(帯状凹部2c)を有し、前記バルブは、前記凹部と係合する係合部(湾曲部6a)と、前記流路を開閉する弁部(弁部6b)を有するロータリーダンパを開示している(特許文献2の図2参照)。
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示されたロータリーダンパでは、バルブ(弁体6)の係合部(湾曲部6a)がハウジング(ケーシング1)の隔壁(仕切壁5)に接触しているため、シャフト(回転軸2)の回転時に、前記バルブの係合部と前記ハウジングの隔壁との間に摩擦が発生する(特許文献2の図4及び図5参照)。したがって、この摩擦によって前記ハウジングの隔壁が摩耗し、その結果、トルクが低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2022-035882号公報
【特許文献2】特開2005-113980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、バルブとハウジングの接触を回避することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、シャフトから突出するベーンと、前記ベーンに形成される流路と、前記流路におけるオイルの逆流を防止するバルブを備え、前記シャフトは、軸方向に深さを有する穴と、前記穴の周壁を貫通する溝を有し、前記流路は、前記ベーンの外縁から離れた位置に形成され、前記バルブは、前記穴に挿入され、前記穴の周壁と係合する係合部と、前記流路を開閉する弁部と、前記係合部と前記弁部の間に位置し、前記溝に挿入される中間部を有するロータリーダンパを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、バルブがシャフトに形成された穴の周壁と係合する係合部を有するため、バルブが、シャフトによって、径方向に移動しないように保持される。また、流路がベーンの外縁から離れた位置に形成されるため、流路を閉鎖するために、弁部がベーンの端部と同等の高さに端部を有する必要がない。したがって、本発明に係るロータリーダンパは、バルブとハウジングの周壁の接触を回避することが可能である。また、本発明によれば、バルブの係合部がシャフトに形成された穴に挿入されるため、ハウジングの隔壁は、シャフトに接触している。したがって、本発明に係るロータリーダンパは、バルブとハウジングの隔壁の接触を回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施例に係るロータリーダンパの斜視図である。
図2図2は、実施例に係るロータリーダンパの縦断面図である。
図3図3は、実施例に係るロータリーダンパの横断面図である。
図4図4は、実施例で採用したローターの底面図である。
図5図5は、実施例で採用したバルブの斜視図である。
図6図6は、図3のA部拡大図である。
図7図7は、実施例に係るロータリーダンパの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例0013】
図1を参照すると、実施例に係るロータリーダンパは、ハウジング10と、ローター20を有して構成されている。
【0014】
図2及び図3を参照すると、ハウジング10は、筒状の周壁11と、周壁11から突出する隔壁12と、周壁11の一端を閉塞する第1端壁13と、周壁11の他端を閉塞する第2端壁14を備えている。隔壁12は、ハウジング10の中に形成される2つの油室30を隔てる仕切りである。
【0015】
油室30は、オイルが注入される空間であり、ローター20を構成するシャフト21の周囲に形成されている。油室30は、ローター20を構成するベーン22で第1室31と第2室32の2つの室に区分けされている。
【0016】
ローター20は、シャフト21と、シャフト21から突出するベーン22を備えている。シャフト21は、ローター20に回転力を伝達する物に連結される。但し、使用態様により、ハウジング10がローター20の周りで回転する場合があり得る。この場合、シャフト21は、ローター20の回転を阻止する物に連結される。
【0017】
ベーン22は、油室30に設置され、シャフト21の回転によって、油室30の中で移動し、オイルを加圧する。ベーン22は、ベーン22を回転方向に貫通する流路40を有する。流路40は、小孔からなり、ベーン22の外縁から離れた位置に形成されている。ここで、「ベーン22の外縁」とは、具体的には、第1端壁13と対向するベーン22の第1端面22a、第2端壁14と対向するベーン22の第2端面22b、及び周壁11と対向するベーン22の先端面22cを意味する。
【0018】
図2及び図4を参照すると、シャフト21は、軸方向に深さを有する穴21aを有する。また、シャフト21は、穴21aの周壁を貫通する溝21bを有する。
【0019】
図3を参照すると、実施例に係るロータリーダンパは、バルブ50を備えている。
【0020】
図5を参照すると、バルブ50は、1枚の板ばねを所定の形状に成形したものである。このバルブ50は、湾曲した形状の係合部51と、板状の弁部52と、係合部51と弁部52の間に位置する中間部53を有して構成されている。中間部53には、弁部52をベーン22に接触させる方向に付勢するばね54が設けられている。
【0021】
図6を参照すると、係合部51は、穴21aに挿入され、穴21aの周壁と係合している。バルブ50の径方向への移動は、係合部51と穴21aの周壁の係合によって、防止されている。中間部53は、溝21bに挿入されている。弁部52は、ベーン22に密着して流路40を閉鎖している。実施例では、流路40がベーン22の外縁から離れた位置に形成されるため、弁部52の径方向長さは、ベーン22の径方向長さよりも短い。また、バルブ50が、シャフト21によって、径方向に移動しないように保持されている。したがって、バルブ50がハウジング10の周壁11に接触することはない。ばね54の端部は、溝21bの壁面に接しており、ばね54の復元力は、弁部52に作用している。
【0022】
実施例に係るロータリーダンパは、以下のように動作する。すなわち、シャフト21が回転していない状態では、図6に示したように、バルブ50の弁部52がベーン22に密着して流路40を閉鎖している。
【0023】
シャフト21が一方向に回転するときは、ベーン22が第1室31のオイルを加圧する。図6に示したように、バルブ50の弁部52は、ベーン22に密着して流路40を閉鎖する。それにより、流路40におけるオイルの逆流が防止される。このとき、バルブ50の係合部51は、シャフト21に形成された穴21aに挿入されているため、バルブ50がハウジング10の隔壁12に接触することはない。ロータリーダンパは、オイルが流路40を流れないため、トルクを発生させる。
【0024】
シャフト21が逆方向に回転するときは、ベーン22が第2室32のオイルを加圧する。図7に示したように、バルブ50の弁部52は、オイルの圧力によって、ベーン22から離れる。それにより、流路40が開放される。このとき、バルブ50のばね54に変形が生じる。それにより、ばね54は、弾性エネルギーを蓄える。ロータリーダンパは、オイルが流路40を流れるため、シャフト21が一方向に回転するときよりも低いトルクしか発生させない。
【0025】
その後、シャフト21が停止、又は一方向に回転すると、ばね54の復元力によって、弁部52が素速くベーン22に密着して流路40を閉鎖する。実施例に係るロータリーダンパは、ばね54によって、バルブ50の応答性能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0026】
10 ハウジング
11 周壁
12 隔壁
13 第1端壁
14 第2端壁
20 ローター
21 シャフト
21a 穴
21b 溝
22 ベーン
22a 第1端面
22b 第2端面
22c 先端面
30 油室
31 第1室
32 第2室
40 流路
50 バルブ
51 係合部
52 弁部
53 中間部
54 ばね
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7