(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066716
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ファン装置
(51)【国際特許分類】
A01K 63/00 20170101AFI20240509BHJP
F04D 29/60 20060101ALI20240509BHJP
A01K 1/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
A01K63/00 B
F04D29/60 F
A01K1/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176338
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】393022746
【氏名又は名称】ジェックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 皓也
【テーマコード(参考)】
2B101
2B104
3H130
【Fターム(参考)】
2B101AA20
2B101BB04
2B101FC02
2B104AA08
2B104CA03
2B104CB41
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC27
3H130BA96A
3H130CA21
3H130CA24
3H130CA29
3H130DJ06X
3H130EA04A
3H130EB01A
3H130ED02A
(57)【要約】
【課題】飼育容器への着脱が容易なファン装置を提供する。
【解決手段】ファン装置1は、飼育容器10の蓋部13に設けられた開口部131の少なくとも一部を覆うように飼育容器10の上部に載置されるファン装置1であって、ファン2と、開口部131に嵌め込むことが可能な突起3と、を備え、突起3は、ファン2の吸気側及び排気側のうち少なくとも一方側に設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飼育容器の蓋部に設けられた開口部の少なくとも一部を覆うように前記飼育容器の上部に載置されるファン装置であって、
ファンと、前記開口部に嵌め込むことが可能な突起と、を備え、
前記突起は、前記ファンの吸気側及び排気側のうち少なくとも一方側に設けられている、ことを特徴とするファン装置。
【請求項2】
前記突起は、断面積が実質的に一定で前記突起の突出方向に延びる寸胴部と、前記寸胴部から前記突起の先端に向かって断面積が小さくなる先細り部と、を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のファン装置。
【請求項3】
前記ファン又は前記突起と前記飼育容器との接触面に設けられたガタツキ抑制部を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のファン装置。
【請求項4】
前記突起は、前記ファンの吸気側及び排気側の両側に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のファン装置。
【請求項5】
前記ファンの吸気側に設けられたフィルター部を備える、ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のファン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飼育容器の上部に載置されるファン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、飼育容器の蓋部に設けられたファン装置が開示されている。ファン装置を設けることによって、飼育容器内の気化熱を外部に排出して、飼育容器内を冷却している。
【0003】
ところで、ファン装置は、飼育容器の蓋部に固定されており、ファン装置の着脱には工具を用いる必要があると推察される。そのため、飼育容器へのファン装置の着脱は容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、飼育容器への着脱が容易なファン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のファン装置は、飼育容器の蓋部に設けられた開口部の少なくとも一部を覆うように前記飼育容器の上部に載置されるファン装置であって、ファンと、前記開口部に嵌め込むことが可能な突起と、を備え、前記突起は、前記ファンの吸気側及び排気側のうち少なくとも一方側に設けられている。
【0007】
斯かる構成によれば、突起を開口部に嵌め込んでファン装置を飼育容器の上部に載置することによって、ファン装置を飼育容器に容易に取り付けることができる。また、突起を開口部から引き抜くことによって、ファン装置を飼育容器から容易に取り外すことができる。これにより、飼育容器へのファン装置の着脱を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るファン装置を飼育容器に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係るファン装置を飼育容器に取り付けた状態を示す平面図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係るファン装置の背面図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係るファン装置をアタッチメントに取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係るファン装置及びアタッチメントの縦断面図である。
【
図7】
図7は、同実施形態に係るファン装置を他のアタッチメントに取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係るファン装置を他の飼育容器に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、同実施形態に係るファン装置の縦断面図である。
【
図10】
図10は、同実施形態に係るファン装置をファンの吸気側から見た斜視図である。
【
図11】
図11は、同実施形態に係るファン装置を反転させて飼育容器に取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、第1実施形態に係るファン装置1について、
図1~
図7を参照しながら説明する。なお、各図(
図8~
図11も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
図1は、第1実施形態に係るファン装置1を飼育容器10に取り付けた状態を示す斜視図である。
図2は、同実施形態に係るファン装置1を飼育容器10に取り付けた状態を示す平面図である。
図1の太矢印は、ファン装置1の排気方向を示している。
【0010】
図1及び
図2に示すように、ファン装置1が載置される飼育容器10は、観賞魚や小動物などを飼育するための飼育容器である。観賞魚としては、例えば、金魚、メダカ、熱帯魚などが挙げられる。小動物としては、例えば、カメやトカゲなどの爬虫類、カエルやイモリなどの両生類などが挙げられる。本実施形態において、飼育容器10は、水槽であるが、これに限られない。
【0011】
飼育容器10は、直方体状、円柱状や球状などに形成されている。
図1及び
図2においては、直方体状の飼育容器10を例示している。飼育容器10は、底壁部11と、底壁部11の外周縁から立設する側壁部12と、側壁部12に載置される蓋部13と、を備えている。
【0012】
側壁部12には、例えば、蓋部13を載置可能なフランジ121が設けられている。フランジ121は、側壁部12の内側全周に設けられている。蓋部13をフランジ121に載置した際、蓋部13の上面13aと側壁部12の上端面12aとが実質的に面一となっている(
図3参照)。
【0013】
蓋部13は、複数の開口部131と、照明部14が取り付けられる凹部132と、蓋部13から切り取ることが可能な切取可能部133と、を備えている。切取可能部133を蓋部13から切り取ることによって、例えば、飼育容器10に濾過器を取り付けることができる。
【0014】
複数の開口部131のうちの一部(1つ)には、ファン装置1が取り付けられている。その他の開口部131は、不図示の水質調整具(濾過器やエアポンプなど)の配線通し孔や餌投入口として用いられる。
【0015】
開口部131は、円形状や多角形状に形成されている。本実施形態において、開口部131は、四角形状(正方形状)に形成されているが、これに限られない。開口部131は、蓋部13に設けられた開口部(貫通孔)だけでなく、側壁部12と蓋部13(に設けられた切欠)とによって形成された開口部も含む。
【0016】
図3は、
図2のIII-III線拡大断面図である。
図1~
図3に示すように、ファン装置1は、開口部131の少なくとも一部を覆うように飼育容器10の上部に載置されている。これにより、開口部131から観賞魚や小動物などが飛び出すことを抑制することができる。
【0017】
図4は、ファン装置1の背面図である。
図3及び
図4に示すように、ファン装置1は、ファン2と、開口部131に嵌め込むことが可能な突起3と、を備えている。ファン2は、軸流ファンであることが好ましい。これにより、ファン装置1(ファン2)を飼育容器10の上部に載置した際の飼育容器10からの飛び出し高さを小さくすることができ、ファン装置1と飼育容器10との一体感を向上させることができる。なお、ファン2は、上記に限られず、遠心ファンなどであってもよい。
【0018】
ファン2の形状は、飼育容器10や開口部131の形状などによって適宜設定される。本実施形態において、ファン2は、平面視において四角形状(長方形状)に形成されているが、これに限られない。例えば、ファン2は、平面視において円形状、正方形状
やその他の多角形状に形成されていてもよい。
【0019】
ファン2は、不図示の羽根部と、羽根部を覆うカバー部21と、を備えている。カバー部21は、吸気側に設けられた吸気側開口部211と、排気側に設けられた排気側開口部212と、を備えている。本実施形態において、ファン2は、吸気側開口部211に設けられた吸気側格子22と、排気側開口部212に設けられた排気側格子23と、を備えているが、これに限られない。
【0020】
吸気側格子22は、側面視においてカバー部21よりも外側に突出した形状に形成されていることが好ましい。これにより、吸気側格子22と羽根部との距離を確保することができ、ファン2の吸気音を小さくすることができる。吸気側格子22は、突起3としての機能を備えていてもよい。即ち、吸気側格子22を開口部131に嵌め込み可能であってもよい。
【0021】
排気側格子23は、例えば、カバー部21の排気側の面と実質的に面一である。なお、排気側格子23は、吸気側格子22と実質的に同じ形状であってもよい。
【0022】
突起3は、ファン2の吸気側及び排気側のうち少なくとも一方側に設けられている。斯かる構成によれば、突起3を開口部131に嵌め込んでファン装置1を飼育容器10の上部に載置することによって、ファン装置1を飼育容器10に容易に取り付けることができる。また、突起3を開口部131から引き抜くことによって、ファン装置1を飼育容器10から容易に取り外すことができる。本実施形態において、突起3は、ファン2の排気側に設けられているが、これに限られない。例えば、突起3は、ファン2の吸気側に設けられていてもよく、ファン2の吸気側及び排気側の両側に設けられていてもよい。
【0023】
突起3は、吸気側開口部211及び/又は排気側開口部212を覆うように複数設けられていることが好ましい。本実施形態において、突起3は、開口部131の4隅に嵌るように4つ設けられているが、これに限られない。
【0024】
突起3は、断面積が実質的に一定で突起3の突出方向に延びる寸胴部32と、寸胴部32から突起3の先端に向かって断面積が小さくなる先細り部31と、を備えていることが好ましい。斯かる構成によれば、寸胴部32の側面を開口部131の側面又は後述するガタツキ抑制部4と接触させることができる。これにより、寸胴部32が開口部131から抜け難くなり、ファン装置1が飼育容器10から意図せず外れることを抑制できる。また、先細り部31を設けることによって、開口部131に突起3を嵌め込むことが容易になる。断面積が実質的に一定とは、寸胴部32に抜き勾配(例えば、1~2度)が設けられた場合における断面積の若干の変化も含む。
【0025】
本実施形態において、突起3は、略円柱状に形成されているが、これに限られない。例えば、突起3は、角柱状に形成されていてもよく、排気側開口部212を覆うように連続的に延びる環形状に形成されていてもよい。
【0026】
本実施形態において、突起3は、ファン2と一体に形成されているが、これに限られない。例えば、突起3は、ファン2と別体に形成され、ファン2に着脱可能な着脱部材に設けられていてもよい。この場合、既存のファンに着脱部材を取り付けることによって突起3を設けることができる。
【0027】
ファン装置1は、ガタツキ抑制部4を備えていることが好ましい。ガタツキ抑制部4は、ファン2又は突起3と飼育容器10との接触面に設けられている。これにより、ファン装置1の載置(取り付け)後にファン装置1が飼育容器10に対してガタつくことを抑制できる。本実施形態において、ガタツキ抑制部4は、突起3と接触する開口部131の側面(接触面)に設けられているが、これに限られない。例えば、ガタツキ抑制部4は、ファン2の突起3が設けられた面(接触面)に設けられていてもよい。
【0028】
ガタツキ抑制部4は、摩擦係数の高い材料で形成されている。ガタツキ抑制部4の材質は、シリコンゴム(シリコンテープ)などの軟質材料であることが好ましい。ガタツキ抑制部4を軟質材料とすることにより、飼育容器10とファン装置1との接触時に飼育容器10又はファン装置1が傷つくことを抑制できる。
【0029】
ガタツキ抑制部4の形状や貼付位置は、開口部131の形状によって適宜設定される。本実施形態において、ガタツキ抑制部4は、長方形状に形成され、突起3と接触するように設けられているが、これに限られない。例えば、ガタツキ抑制部4がファン2に取り付けられる場合、ガタツキ抑制部4は、突起3,3同士の間に設けられていてもよい。
【0030】
突起3は、開口部131の側面に沿って延びる延設部33を備えていることが好ましい。これにより、開口部131の側面又はガタツキ抑制部4と突起3との接触面積を増やすことができる。これにより、寸胴部32が開口部131から抜け難くなり、ファン装置1が飼育容器10から意図せず外れることを抑制できる。
【0031】
本実施形態において、延設部33は、寸胴部32から延びている。延設部33は、寸胴部32と実質的に同じ突出高さである。延設部33の幅は、寸胴部32の幅(外径)よりも小さい。延設部33の開口部131に沿った長さは、寸胴部32の幅(外径)よりも大きい。延設部33は、複数設けられている。複数の延設部33は、それぞれ非接続である。なお、延設部33は、上記に限られない。例えば、複数の延設部33は、それぞれ接続されており、複数の延設部33によって環形状が形成されてもよい。
【0032】
ファン装置1は、ファン2に接続され外部に延びる電源コード5と、ファン2のオンオフを切り換えるスイッチ6(
図1参照)と、を備えている。本実施形態において、スイッチ6は、電源コード5に設けられているが、ファン2に設けられていてもよい。
【0033】
本実施形態において、ファン装置1は、ファン2の排気側(送風側)が開口部131側となるように載置されている。これにより、飼育容器10内の水面に送風することによって、飼育容器10内の水(淡水又は海水)が蒸発し、気化熱によってその水を冷却することができる。その結果、飼育容器10内の水の温度を調整することができる。なお、ファン2は、吸気側が開口部131側となるように載置されていてもよい。
【0034】
図5は、ファン装置1を後述するアタッチメント16に取り付けた状態を示す斜視図である。
図6は、ファン装置1及びアタッチメント16の縦断面図である。
図5及び
図6に示すように、飼育容器10は、ファン装置1を載置(取付)可能なアタッチメント16を備えていてもよい。アタッチメント16を設けることによって、蓋部13を備えていない飼育容器10にもファン装置1を載置(取付)することができる。アタッチメント16は、側壁部12に取り付け可能な取付部161と、ファン装置1を載置(取付)可能な載置部162と、を備えている。
【0035】
取付部161は、断面略U字状に形成されている。取付部161は、一対の対向壁部161a,161bと、対向壁部161bに設けられると共に雄ねじ161dと螺合されるねじ孔161cと、を備えている。取付部161を側壁部12の上部に差し込んで、対向壁部161aと雄ねじ161dとで側壁部12を挟着することにより、アタッチメント16を飼育容器10に取り付けることができる。斯かる構成によれば、側壁部12の上部に枠が付いているタイプの飼育容器10にもアタッチメント16を取り付けることができる。
【0036】
載置部162は、取付部161に着脱可能に構成されている。即ち、載置部162は、取付部161と別体に形成されている。載置部162を取り外すことによって、雄ねじ161dの操作が容易になると共に取付部161の清掃が容易になる。
【0037】
取付部161は、載置部162が着脱される被着脱部161eを備えている。被着脱部161eは、対向壁部161b側に設けられている。載置部162は、被着脱部161e(取付部161)又は飼育容器10の側壁部12に着脱可能な着脱部162aを備えている。着脱部162aは、載置部162(後述する載置部本体162b)の下側に設けられている。着脱部162aは、例えば、スナップフィットである。
【0038】
載置部162は、ファン装置1が載置される載置部本体162bと、載置部本体162bに設けられた開口部162cと、を備えている。開口部162cは、突起3を嵌め込み可能な形状に形成されていることが好ましい。開口部162cは、例えば、円形状や多角形状(本実施形態においては、四角形状)に形成されている。
【0039】
載置部162は、載置部本体162bの外周縁から立設する側壁部162dを備えていることが好ましい。側壁部162dを設けることによって、ファン装置1を反転させて突起3が設けられていない面で載置することができる。
【0040】
図7は、ファン装置1を他のアタッチメント16に取り付けた状態を示す斜視図である。
図7に示すように、他のアタッチメント16は、載置部162のみを備える、という構成であってもよい。斯かる構成のアタッチメント16は、側壁部12の上部に枠が付いていないタイプの飼育容器10に取り付けることができる。
【0041】
[第2実施形態]
次に、
図8~
図11を参照して、第2実施形態に係るファン装置1について説明する。第2実施形態に係るファン装置1は、以下に説明する構成の他は、第1実施形態に係るファン装置1と同様に構成できるため、共通点を省略して主に相違点について説明する。
図8は、第2実施形態に係るファン装置1を他の飼育容器10に取り付けた状態を示す斜視図である。
図11は、同実施形態に係るファン装置1を反転させて飼育容器10に取り付けた状態を示す斜視図である。
図8及び
図11の太矢印は、ファン装置1の吸気方向を示している。
【0042】
図8に示すように、本実施形態における飼育容器10は、例えば、爬虫類用の飼育容器である。蓋部13は、縁部134と網部135とを備えている。網部135は、例えば、ステンレス製の金網やメッシュ板である。網部135の網目が蓋部13の開口部131となる。
【0043】
ファン装置1の突起3は、開口部131(網部135の網目)に嵌め込まれ、開口部131(網部135の網目)の一部を覆うように飼育容器10の上部(網部135)に載置される。ファン2の吸気側を開口部131側に向けてファン装置1を載置することにより、飼育容器10内の空気を外部に排出することができる。これにより、ヒーターなどによって飼育容器10内に熱が籠ったり過湿になることを抑制できる。また、
図11に示すように、ファン2の排気側を開口部131側に向けてファン装置1を載置することにより、飼育容器10内に空気を送ることができる。これにより、飼育容器10内で風のある環境を再現することや水場の水温を下げることができる。
【0044】
図9は、ファン装置1の縦断面図である。
図9に示すように、突起3は、ファン2の吸気側及び排気側の両側に設けられている。斯かる構成によれば、ファン2の吸気側又は排気側を開口部131側に向けて、ファン装置1を飼育容器10の上部に載置することができる。これにより、ファン装置1を吸気用及び排気用の両方に用いることができる。
【0045】
ファン2の排気側に設けられた突起3を排気側突起3aとし、ファン2の吸気側に設けられた突起3を吸気側突起3bとする。吸気側突起3bは、後述するフィルター保持部材8(保持部83)に設けられているが、これに限られない。例えば、吸気側突起3bは、ファン2の吸気側の面に設けられていてもよい。
【0046】
突起3a,3bは、少なくとも先細り部31を備えている。斯かる構成によれば、網部135の網目(開口部131)に先細り部31を嵌め込むことができる。これにより、先細り部31が網目(開口部131)から抜け難くなり、ファン装置1が飼育容器10から意図せず外れることを抑制できる。また、先細り部31を設けることにより、網目の大きさによらず、網目(開口部131)に突起3を嵌め込むことができる。本実施形態において、排気側突起3aの形状は、吸気側突起3bの形状と異なる。具体的には、排気側突起3aの上下方向の長さは、吸気側突起3bの上下方向の長さよりも長い。排気側突起3aは、寸胴部32、先細り部31及び延設部33を備えているのに対し、吸気側突起3bは、先細り部31のみを備えている。なお、排気側突起3aの形状は、上記に限られず、吸気側突起3bの形状と同じであってもよい。
【0047】
ファン装置1は、フィルター部7を備えていることが好ましい。フィルター部7は、ファン2の吸気側に設けられている。これにより、ファン2が粉塵などを吸い込むことを抑制し、ファン2の故障を抑制できる。また、フィルター部7を設けることによって、ファン2の風量を調整できる。
【0048】
フィルター部7は、1つ以上のフィルターで構成されている。本実施形態において、フィルター部7は、第1フィルター71と第2フィルター72とを備えている。第1フィルター71は、第2フィルター72よりもファン2側に設けられている。第1フィルター71は、第2フィルター72よりも目の細かいフィルターである。第1フィルター71や第2フィルター72としては、例えば、スポンジ、不織布、羊毛フェルト、紙、メッシュなどが挙げられる。なお、フィルター部7は、上記に限られず、第1フィルター71及び第2フィルター72のうち一方のみを備える、という構成であってもよい。
【0049】
ファン装置1は、フィルター部7を保持可能なフィルター保持部材8を備えていることが好ましい。フィルター保持部材8は、筒状の側壁部81と、側壁部81によって形成された空間を仕切る仕切板82と、を備えている。側壁部81の形状は、ファン2の形状によって適宜設定される。本実施形態において、側壁部81は、角筒状に形成されているが、これに限られない。
【0050】
仕切板82は、側壁部81によって形成された空間を、第1空間S1と第2空間S2とに仕切っている。ファン2は、第1空間S1に配置され、フィルター部7は、第2空間S2に配置されている。仕切板82を設けることによって、フィルター部7がファン2の羽根部と接触することを防止できる。
【0051】
図10は、ファン装置1をファン2の吸気側から見た斜視図である。
図9及び
図10に示すように、仕切板82は、第1空間S1と第2空間S2とを連通する複数の連通孔821を備えている。フィルター部7を介して第2空間S2に侵入した空気は、連通孔821を通ってファン2に吸気される。連通孔821は、例えば、長孔である。
【0052】
フィルター保持部材8は、第2空間S2でフィルター部7を保持するための複数の保持部83を備えている。保持部83は、側壁部81の上下方向の第2空間S2側の端部から内側(第2空間S2側)に向かって突出する突起である。これにより、フィルター部7は、保持部83に引っ掛かり、フィルター保持部材8に保持される。本実施形態における保持部83は、平面視において長方形状に形成されているが、これに限られない。
【0053】
本実施形態において、フィルター保持部材8は、ファン2と別体に形成されており、ファン2に着脱可能である。これにより、ファン2を第1空間S1に嵌め込むことによって、フィルター保持部材8とファン2とを一体化することができる。なお、フィルター保持部材8は、上記に限られず、ファン2と一体に形成されていてもよい。
【0054】
側壁部81の上下方向の第1空間S1側の端部には、切欠部811が設けられていることが好ましい。これにより、第1空間S1に嵌め込んだファン2を掴むことができ、ファン2からフィルター保持部材8を容易に取り外すことができる。また、切欠部811を設けることにより、ファン2に接続された電源コード5を切欠部811から通すことができる。
【0055】
[1]
以上、本実施形態に係るファン装置1は、飼育容器10の蓋部13に設けられた開口部131の少なくとも一部を覆うように飼育容器10の上部に載置されるファン装置1であって、ファン2と、開口部131に嵌め込むことが可能な突起3と、を備え、突起3は、ファン2の吸気側及び排気側のうち少なくとも一方側に設けられている。
【0056】
斯かる構成によれば、突起3を開口部131に嵌め込んでファン装置1を飼育容器10の上部に載置することによって、ファン装置1を飼育容器10に容易に取り付けることができる。また、突起3を開口部131から引き抜くことによって、ファン装置1を飼育容器10から容易に取り外すことができる。これにより、飼育容器10へのファン装置1の着脱を容易にすることができる。
【0057】
[2]
上記[1]に係るファン装置1において、突起3は、断面積が実質的に一定で突起3の突出方向に延びる寸胴部32と、寸胴部32から突起3の先端に向かって断面積が小さくなる先細り部31と、を備える、という構成が好ましい。
【0058】
斯かる構成によれば、蓋部13が板状に形成されている場合と網部135を備える場合とのどちらにも開口部131に突起3を嵌め込むことができ、どちらの場合もファン装置1が飼育容器10から意図せず外れることを抑制できる。具体的には、板状に形成された蓋部13にファン装置1を載置する場合、寸胴部32を開口部131に嵌め込むことによって、寸胴部32の側面を開口部131の側面などと接触させることができる。これにより、寸胴部32が開口部131から抜け難くなり、ファン装置1が飼育容器10から意図せず外れることを抑制できる。また、蓋部13の網部135にファン装置1を載置する場合、網部135の網目(開口部131)に先細り部31を嵌め込むことができる。これにより、先細り部31が網目(開口部131)から抜け難くなり、ファン装置1が飼育容器10から意図せず外れることを抑制できる。
【0059】
[3]
上記[1]又は[2]に係るファン装置1は、ファン2又は突起3と飼育容器10との接触面に設けられたガタツキ抑制部4を備える、という構成が好ましい。
【0060】
斯かる構成によれば、ファン装置1の取り付け(載置)後にファン装置1が飼育容器10に対してガタつくことを抑制できる。これにより、ファン装置1が飼育容器10から意図せず外れることを抑制できる。
【0061】
[4]
上記[1]~[3]の何れか1つに係るファン装置1において、突起3は、ファン2の吸気側及び排気側の両側に設けられている、という構成が好ましい。
【0062】
斯かる構成によれば、ファン2の吸気側又は排気側を開口部131側に向けて、ファン装置1を飼育容器10の上部に載置することができる。これにより、ファン装置1を吸気用及び排気用の両方で用いることができる。その結果、ファン装置1を反転させるだけで吸気及び排気を容易に切り換えることができる。
【0063】
[5]
上記[1]~[4]の何れか1つに係るファン装置1は、ファン2の吸気側に設けられたフィルター部7を備える、という構成が好ましい。
【0064】
斯かる構成によれば、ファン2が粉塵などを吸い込むことによって生じるファン2の故障を抑制できる。また、フィルター部7を設けることによって、ファン2の風量を調整することができる。
【0065】
なお、ファン装置1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、ファン装置1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、各種の実施形態や変更例に係る構成などを任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成などに採用してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0066】
1…ファン装置、1a…載置面、2…ファン、21…カバー部、211…吸気側開口部、212…排気側開口部、22…吸気側格子、23…排気側格子、3…突起、3a…排気側突起、3b…吸気側突起、31…先細り部、32…寸胴部、33…延設部、4…ガタツキ抑制部、5…電源コード、6…スイッチ、7…フィルター部、71…第1フィルター、72…第2フィルター、8…フィルター保持部材、81…側壁部、811…切欠部、82…仕切板、821…連通孔、83…保持部、10…飼育容器、11…底壁部、12…側壁部、13…蓋部、131…開口部、132…凹部、133…切取可能部、134…縁部、135…網部、14…照明部、16…アタッチメント、161…取付部、161a、161b…対向壁部、161c…ねじ孔、161d…雄ねじ、161e…被着脱部、162…載置部、162a…着脱部、162b…載置部本体、162c…開口部、162d…側壁部、S1…第1空間、S2…第2空間