(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066726
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 33/36 20200101AFI20240509BHJP
D06F 33/34 20200101ALI20240509BHJP
【FI】
D06F33/36
D06F33/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176357
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】小倉 範史
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA15
3B167AD07
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE07
3B167AE12
3B167AE13
3B167BA08
3B167BA12
3B167HA11
3B167JA01
3B167KA18
3B167KA71
3B167KB16
3B167LA23
3B167LC03
3B167LC05
3B167LD03
3B167LD12
3B167LE04
3B167LF13
3B167LG08
(57)【要約】
【課題】デリケートな洗濯物を効率良く洗うことができ、かつ、仕切板が外れてしまうことを抑制する。
【解決手段】洗濯機は、水槽と回転槽と仕切板と循環水路と撹拌体とポンプ羽根とモータとを備える。洗濯機は、水槽内の水位を検出する水位検出部と、水位検出部の検出結果に基づいてモータの駆動を制御する駆動処理部とを備える。または、洗濯機は、モータの回転数を検出する回転数検出部と、回転数検出部の検出結果に基づいてモータの駆動を制御する駆動処理部とを備える。駆動処理部は、最大回転数までモータを加速させる加速処理を含む第1処理と、モータを前記最大回転数から減速させる減速処理を含む第2処理と、を繰り返して実行可能であって、第1処理中にモータの回転数が前記最大回転数となったことを検出したことに基づいて、又は第1処理中に水槽内の水位が切替水位となったことを検出したことに基づいて、第2処理に切り替える処理を実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯留可能な水槽と、
前記水槽内に回転可能に設けられ洗濯物を収容する回転槽と、
前記回転槽内に取り付け及び取り外し可能に構成され、前記回転槽の内部を上部及び下部に仕切る仕切板と、
前記仕切板よりも上方に設けられた吐出部を有し、前記水槽内に溜まった水を前記吐出部から吐出させて前記水槽内の水を循環させる循環水路と、
前記回転槽に対して相対的に回転可能に構成された撹拌体と、
前記撹拌体の裏面に設けられ前記撹拌体と共に回転可能に構成されて、前記撹拌体の回転により前記水槽内の水を前記循環水路に送るポンプ羽根と、
前記回転槽に対して前記撹拌体を相対的に回転させるモータと、
前記モータの回転数を検出する回転数検出部と、
前記回転数検出部の検出結果に基づいて前記モータの駆動を制御する駆動処理部と、
を備え、
前記駆動処理部は、前記循環水路の前記吐出部から吐出される水を前記仕切板に置かれた前記洗濯物に注いで前記洗濯物を洗う洗濯運転において、予め設定された最大回転数まで前記モータを加速させる加速処理を含む第1処理と、前記モータを前記最大回転数から減速させる減速処理を含む第2処理と、を繰り返して実行可能であって、前記第1処理中に前記モータの回転数が前記最大回転数となったことを検出したことに基づいて前記第2処理に切り替える処理を実行する、
洗濯機。
【請求項2】
水を貯留可能な水槽と、
前記水槽内に回転可能に設けられ洗濯物を収容する回転槽と、
前記回転槽内に取り付け及び取り外し可能に構成され、前記回転槽の内部を上部及び下部に仕切る仕切板と、
前記仕切板よりも上方に設けられた吐出部を有し、前記水槽内に溜まった水を前記吐出部から吐出させて前記水槽内の水を循環させる循環水路と、
前記回転槽に対して相対的に回転可能に構成された撹拌体と、
前記撹拌体の裏面に設けられ前記撹拌体と共に回転可能に構成されて、前記撹拌体の回転により前記水槽内の水を前記循環水路に送るポンプ羽根と、
前記回転槽に対して前記撹拌体を相対的に回転させるモータと、
前記水槽内の水位を検出する水位検出部と、
前記水位検出部の検出結果に基づいて前記モータの駆動を制御する駆動処理部と、
を備え、
前記駆動処理部は、前記循環水路の前記吐出部から吐出される水を前記仕切板に置かれた前記洗濯物に注いで前記洗濯物を洗う洗濯運転において、予め設定された最大回転数まで前記モータを加速させる加速処理を含む第1処理と、前記モータを前記最大回転数から減速させる減速処理を含む第2処理と、を繰り返して実行可能であって、前記第1処理中に前記水槽内の水位が切替水位となったことを検出したことに基づいて前記第2処理に切り替える処理を実行する、
洗濯機。
【請求項3】
前記駆動処理部は、前記減速処理後に実行され前記モータを所定期間停止させる停止処理を更に実行可能である、
請求項1又は2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記駆動処理部は、前記洗濯運転において予め設定される設定水位が高くなるほど前記停止処理において前記モータを停止させる期間を短くする、
請求項3に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記第2処理は、前記減速処理後に実行され前記モータを停止させる停止処理を含み、
前記駆動処理部は、前記停止処理を実行した後において、前記水槽内の水位が、前記洗濯運転の内容に応じて予め設定される設定水位に対して所定範囲内に収まったことを検出した場合に前記第1処理に切り替える、
請求項2に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記第1処理は、前記モータを前記最大回転数に維持する最大回転数維持処理を含んでいる、
請求項1又は2に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記第2処理は、前記モータを、前記最大回転数よりも低い回転数であって前記撹拌体の回転に伴って前記回転槽の周囲でせり上がった水により前記仕切板が浮き上がらない回転数に維持する減速回転数維持処理を含んでいる、
請求項1又は2に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば縦型の洗濯機においては、デリケートな洗濯物を洗う際に、撹拌体による機械力や撹拌力を与えることなく洗濯物を洗う方法が考えられている。この洗濯方法は、例えば回転槽内で洗濯水を循環させる循環水路と、撹拌体の裏面に設けられて撹拌体と共に回転することで水槽に溜まった水を循環水路に供給するポンプ羽根と、
回転槽内を上下に仕切る仕切板と、を備えた洗濯機で実現される。洗濯機は、仕切板に載せられた洗濯物に循環水路から吐出される洗濯水を注ぐことで、撹拌体の機械力や撹拌力を与えることなくデリケートな洗濯物を洗うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
循環水路から吐出される洗濯水の量は、ポンプ羽根の回転数つまり回転速度に伴って増大する。そのため、仕切板に載せられた洗濯物を効率良く洗うために、撹拌体の回転数を上げて循環水路から吐出される洗濯水の量を増大させることが考えられる。しかしながら、撹拌体の回転数を上げると、回転槽内の水は、遠心力によって回転槽内の外側へ向かい、その結果、回転槽の内壁付近の水位がせり上がるといった現象が生じることがある。すると、せり上がった水の勢いで仕切板が浮き上がって外れてしまうおそれがある。一方で、撹拌体の回転数を下げて循環水路から吐出される洗濯水の量を減らすと、仕切板が外れてしまうことは防げるが、水量の低下によって洗濯の効率が低下してしまう。
【0005】
本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、デリケートな洗濯物を効率良く洗うことができ、かつ、仕切板が外れてしまうことを抑制する洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の洗濯機は、水を貯留可能な水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられ洗濯物を収容する回転槽と、前記回転槽内に取り付け及び取り外し可能に構成され、前記回転槽の内部を上部及び下部に仕切る仕切板と、前記仕切板よりも上方に設けられた吐出部を有し、前記水槽内に溜まった水を前記吐出部から吐出させて前記水槽内の水を循環させる循環水路と、前記回転槽に対して相対的に回転可能に構成された撹拌体と、前記撹拌体の裏面に設けられ前記撹拌体と共に回転可能に構成されて、前記撹拌体の回転により前記水槽内の水を前記循環水路に送るポンプ羽根と、を備える。
【0007】
また、洗濯機は、前記回転槽に対して前記撹拌体を相対的に回転させるモータと、前記モータの回転数を検出する回転数検出部と、前記回転数検出部の検出結果に基づいて前記モータの駆動を制御する駆動処理部と、を備える。そして、前記駆動処理部は、前記循環水路の前記吐出部から吐出される水を前記仕切板に置かれた前記洗濯物に注いで前記洗濯物を洗う洗濯運転において、予め設定された最大回転数まで前記モータを加速させる加速処理を含む第1処理と、前記モータを前記最大回転数から減速させる減速処理を含む第2処理と、を繰り返して実行可能であって、前記第1処理中に前記モータの回転数が前記最大回転数となったことを検出したことに基づいて前記第2処理に切り替える処理を実行する。
【0008】
また、洗濯機は、前記水槽内の水位を検出する水位検出部と、前記水位検出部の検出結果に基づいて前記モータの駆動を制御する駆動処理部と、を備える。そして、前記駆動処理部は、前記循環水路の前記吐出部から吐出される水を前記仕切板に置かれた前記洗濯物に注いで前記洗濯物を洗う洗濯運転において、予め設定された最大回転数まで前記モータを加速させる加速処理を含む第1処理と、前記モータを前記最大回転数から減速させる減速処理を含む第2処理と、を繰り返して実行可能であって、前記第1処理中に前記水槽内の水位が切替水位となったことを検出したことに基づいて前記第2処理に切り替える処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態による洗濯機について概略構成の一例を示す図
【
図2】第1実施形態による洗濯機について電気的構成の一例を示す図
【
図3】第1実施形態による洗濯機について、デリケート洗い運転におけるモータの回転数及び水槽内の水位の変化の一例を経時的に示す図
【
図4】第1実施形態による洗濯機について、デリケート洗い運転における設定内容の一例を示す図
【
図5】第1実施形態による洗濯機について、制御フローの一例を示す図
【
図6】第2実施形態による洗濯機について、デリケート洗い運転におけるモータの回転数及び水槽内の水位の変化の一例を経時的に示す図
【
図7】第3実施形態による洗濯機について、デリケート洗い運転におけるモータの回転数及び水槽内の水位の変化の一例を経時的に示す図
【
図8】第4実施形態による洗濯機について、デリケート洗い運転におけるモータの回転数及び水槽内の水位の変化の一例を経時的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態で実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
以下では、第1実施形態について
図1から
図5を参照して説明する。
図1に示す洗濯機10は、外箱11、トップカバー12、水槽13、回転槽14、注水装置15、撹拌体16、モータ17、クラッチ18、及び操作パネル19を備えている。なお、洗濯機10の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機10の下側とし、設置面とは反対側つまり鉛直上側を洗濯機10の上側とする。また、
図1の紙面左右方向を、洗濯機10の左右方向とする。洗濯機10は、回転槽14の回転軸が鉛直方向を向いた縦軸型の洗濯機、いわゆる全自動洗濯機とすることができる。
【0012】
外箱11は、例えば鋼板によって全体として矩形箱状に構成されている。トップカバー12は、例えば合成樹脂製であって、外箱11の上部に設けられている。水槽13及び回転槽14は、洗濯対象となる衣類を収容する洗濯槽及び脱水槽として機能する。水槽13は、外箱11内に設けられており、水を貯留可能に構成されている。水槽13及び回転槽14は、上面が開口した容器状に構成されている。
【0013】
回転槽14は、水槽13内に回転可能に設けられており、洗濯物を収容する機能を有する。回転槽14は、例えば回転槽14の周壁部141及び底部142に複数の小孔143を有しており、この小孔143を通して、回転槽14と水槽13との間で水が行き来する。また、水槽13の底部には、排水口131が形成されている。水槽13内の水は、排水口131から流出し、排水弁132を介して外部に排水される。
【0014】
注水装置15は、外箱11の上部でかつトップカバー12の内部に設けられている。注水装置15は、給水弁151を介して、例えば水道や浴槽等の外部の水源に接続されている。注水装置15は、例えば洗濯剤を内部に収容可能に構成されており、水道水や風呂水等、外部の水源から供給された水を受けて洗濯剤を水槽13内に流し落とす機能を有する。
【0015】
撹拌体16は、回転槽14の底部142付近に設けられており、回転槽14に対して相対的に回転可能に構成されている。撹拌体16は、水槽13に水を貯留した状態で回転槽14に対して相対的に回転することにより、回転槽14内の水や洗濯物を撹拌する。撹拌体16は、モータ17に接続されており、モータ17の駆動により回転する。
【0016】
モータ17は、クラッチ18を介して回転槽14及び撹拌体16に接続されている。クラッチ18は、モータ17の回転を回転槽14に選択的に伝達する機能を有する。クラッチ18は、洗い時及びすすぎ時には、モータ17と回転槽14との接続を解除してモータ17の回転力を回転槽14には伝達せずに撹拌体16に伝達する。この状態で、モータ17は、回転槽14に対して撹拌体16を低速で直接正逆回転駆動させる。また、クラッチ18は、脱水時等にはモータ17と回転槽14とを接続してモータ17の回転力を回転槽14及び撹拌体16の両方に伝達する。この状態で、モータ17は、回転槽14及び撹拌体16を一方向に高速で回転駆動させる。
【0017】
操作パネル19は、例えば洗濯機10の上面に設けられており、ユーザからの入力操作を受け付けると共に、ユーザに対して各種の情報を視覚的又は音声等で提示する機能を有する。操作パネル19は、例えばボタンやタッチパネル、セグメント表示部、ディスプレイ、スピーカー、ブザー等を組み合わせて構成することができる。
【0018】
洗濯機10は、載置部21、仕切板22、循環水路23、及びポンプ羽根24を更に備えている。載置部21は、例えば回転槽14の内壁に設けられており、仕切板22が載せられて仕切板22を支持する機能を有する。載置部21は、例えば回転槽14の内壁から回転槽14の中心部へ向かって突出する形状に構成されている。載置部21は、例えば3か所以上に設けられており、載置部21を概ね水平に支持する機能を有する。載置部21は、回転槽14と一体につまり回転槽14とは分離不可能に構成されても良いし、回転槽14とは別の部品つまり分離可能な部品で構成されていても良い。
【0019】
仕切板22は、回転槽14に対して取り付け及び取り外し可能に構成されている。仕切板22は、例えば樹脂製であって、全体として回転槽14の内径よりもやや小さい外径を有する円板状に構成されている。仕切板22は、載置部21に載置されることにより、回転槽14内に取り付けられて、回転槽14の内部を上下に仕切る。仕切板22は、複数の貫通穴221を有している。貫通穴221は、仕切板22を厚み方向に貫いて形成されている。仕切板22の上方から降り注がれた水は、貫通穴221を通って仕切板22の下方に流れる。仕切板22は、回転槽14内において、撹拌体16から上方に離れた位置に配置される。また、仕切板22は、錘222を有していても良い。錘222は、水槽13内の水に仕切板22が浮いてしまうことをある程度抑制する機能を有する。
【0020】
循環水路23は、水槽13の底部付近に溜まった水を吸い上げて回転槽14内の上部から供給することで、水槽13内に貯留された水を水槽13及び回転槽14内で循環させる機能を有している。洗濯機10は、1つ以上の循環水路23を備えている。本実施形態の場合、洗濯機10は、循環水路23を1つのみ備えている。なお、洗濯機10は、2つ以上の循環水路23を備えていても良い。
【0021】
循環水路23は、例えば回転槽14とは別体つまり回転槽14から分離可能な部材で構成されている。循環水路23は、例えば樋形状の部材を回転槽14の内壁に取り付けることで構成することができる。循環水路23は、取水部231及び吐出部232を有している。取水部231は、循環水路23の上流端に位置しており、水槽13の底部付近、例えば撹拌体16の下方に設けられている。吐出部232は、循環水路23の下流端に位置しており、仕切板22よりも上方に設けられている。
【0022】
ポンプ羽根24は、撹拌体16の裏面に設けられており、撹拌体16と共に回転可能に構成されている。すなわち、ポンプ羽根24は、撹拌体16と一体的に回転可能に構成されている。ポンプ羽根24は、撹拌体16と一体に形成つまり分離不可に構成されていても良いし、撹拌体16とは分離可能な別部材で構成されていても良い。ポンプ羽根24は、撹拌体16と回転槽14の底部142との間に設けられている。ポンプ羽根24は、例えば撹拌体16の中心部から外側へ向かって長尺でかつ撹拌体16の裏面から下方へ向かって突出した板状に形成されている。ポンプ羽根24は、撹拌体16の周方向に向かって等間隔に複数設けられている。
【0023】
撹拌体16の回転に伴い、ポンプ羽根24も回転する。すると、ポンプ羽根24は、回転槽14の底部付近に溜まった水を回転槽14の外方へ向かって押し流す。これにより、水槽13の底部付近の水は、ポンプ羽根24によって取水部231から循環水路23内に供給される。そして、取水部231から循環水路23に供給された水は、仕切板22の上方に設けられた吐出部232から吐出される。このとき、仕切板22に洗濯物90が置かれていれば、吐出部232から吐出された水は、仕切板22に置かれた洗濯物90に注がれる。そして、吐出部232から吐出された水は、水槽13内に溜まり、再び循環水路23に供給される。このようにして、水槽13内の水は、循環水路23を通って循環する。
【0024】
図2に示すように、洗濯機10は、制御装置30、回転数検出部31、及び水位検出部32を更に備えている。制御装置30は、CPU301や、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶領域302を有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。制御装置30は、洗濯機10全体の動作を管理する機能を有する。排水弁132、給水弁151、モータ17、クラッチ18、及び操作パネル19は、制御装置30に電気的に接続されており、制御装置30の制御を受けて動作する。
【0025】
回転数検出部31及び水位検出部32は、制御装置30に電気的に接続されており、制御装置30に対して検出した情報を送信する。回転数検出部31は、モータ17の回転数つまり回転速度を検出する機能を有しており、例えばエンコーダ等で構成することができる。水位検出部32は、水槽13内の水位を検出する機能を有しており、例えば水位センサ若しくは圧力センサ等で構成することができる。本実施形態の場合、水位検出部32は、例えば水槽13の外周面に設けられており、水槽13の中心つまり回転槽14の回転軸に対して径方向の外側寄り部分の水位を検出する。
【0026】
また、洗濯機10は、駆動処理部33を更に備えている。本実施形態の場合、制御装置30の記憶領域302は、例えば駆動処理部33を実現するためのプログラムを記憶している。制御装置30は、記憶領域302に記憶されている上記プログラムをCPU301において実行することにより、駆動処理部33をソフトウェアによって仮想的に実現する。なお、駆動処理部33は、集積回路としてハードウェア的に実現してもよい。
【0027】
制御装置30は、例えば操作パネル19に対するユーザからの操作入力に基づいて、通常の洗い運転と、デリケート洗い運転と、を設定することができる。通常の洗い運転は、洗濯運転の一態様であり、仕切板22を用いずに行う洗い運転、つまり撹拌体16の回転による機械力を洗濯物に与えて洗う運転である。デリケート洗い運転は、洗濯運転の一態様であり、仕切板22を用いて行う洗い運転、つまり撹拌体16の回転による機械力を洗濯物に与えずに主に循環水路23から吐出される水流によって洗う運転である。デリケート洗い運転では、洗濯機10は、循環水路23の吐出部232から吐出される水を仕切板22に置かれた洗濯物90に注いで洗濯物90を洗う。デリケート洗い運転で使用する水は、洗剤を混合した洗濯水とすることができる。ユーザは、デリケート洗い運転を行う際、仕切板22を回転槽14内に取り付けて、仕切板22の上面にデリケート洗い運転の対象となる洗濯物90を載せる。
【0028】
制御装置30は、駆動処理部33の機能によりデリケート洗い運転を実行することができる。駆動処理部33は、
図3に示すように、第1処理と第2処理とを周期的に実行することで、デリケート洗い運転を実行する。以下の説明では、第1処理を実行している期間を第1処理期間T1と称し、第2処理を実行している期間を第2処理期間T2と称することがある。なお、
図3のグラフにおいて、横軸は経過時間である。また、回転数検出部31で検出されるモータ17の回転数Rを左側縦軸に取り、水位検出部32で検出される水槽13内の水位WLを右側縦軸に取っている。
【0029】
第1処理は、予め設定された最大回転数MAXまでモータ17を加速させる加速処理を含む。モータ17の加速により、撹拌体16及びポンプ羽根24の回転速度が速まり、これにより循環水路23に供給される水量つまり吐出部232から吐出される水量が増大する。以下の説明では、加速処理を実行している期間を、加速期間T1aと称することがある。本実施形態では、第1処理は、加速処理のみを含んでいる。そのため、本実施形態において、加速期間T1aは、第1処理期間T1に等しい。
【0030】
第1処理の実行により、回転槽14内の水は、撹拌体16及びポンプ羽根24の回転によってかき混ぜられて、遠心力によって回転槽14内の外側へ向かう。その結果、
図1の破線で示すように、回転槽14内の水面WSは、モータ17の回転数が増大するにつれて回転槽14の中央付近が下がり、逆に回転槽14の周壁部141付近がせり上がって行く。
【0031】
第2処理は、モータ17を最大回転数MAXから減速させる減速処理を含む。モータ17の減速により、撹拌体16及びポンプ羽根24の回転速度が遅くなり、これにより循環水路23に供給される水量つまり吐出部232から吐出される水量が減少する。以下の説明では、減速処理を実行している期間を、減速期間T2aと称することがある。本実施形態では、第2処理は、減速処理のみを含んでいる。そのため、本実施形態において、減速期間T2aは、第2処理期間T2に等しい。この第2処理の実行により、回転槽14内の水に作用する遠心力が低下し、その結果、第1処理期間T1でせり上がった水面WSが、水平に近づくように戻っていく。
【0032】
最大回転数MAXは、デリケート洗い運転に先立って予め設定される値であって、デリケート洗い運転においてモータ17が到達可能な最大の回転数である。最大回転数MAXは、例えば洗濯機10の仕様により決定される固定値であっても良いし、例えばデリケート洗い運転時に水槽13内に貯留される水量に応じて変更可能な値であっても良い。
【0033】
すなわち、洗濯機10は、例えば操作パネル19に対するユーザの操作に基づき、デリケート洗い運転で使用する水量つまり水位を複数段階で設定する構成とすることができる。例えば
図4に示すように、洗濯機10は、デリケート洗い運転での設定水位を、高、中、低の3段階で設定可能に構成することができる。高、中、低の設定水位は、いずれも仕切板22を超えない値に設定されている。この場合、高、中、低の順に、設定水位は低くなる、つまり使用水量は少なくなる。設定水位は、デリケート洗い運転の注水で到達目標とする水位であり、目標水位又は使用水量と言い換えることがきる。制御装置30は、設定水位が高くなるにつれて、最大回転数MAXを低速に設定する。
図4の例において、制御装置30は、設定水位が高、中、低である場合に、最大回転数MAXを、それぞれ低速、中速、高速に設定する。
【0034】
駆動処理部33は、第1処理の実行中に第1切替条件が成立した場合に、第1処理から第2処理に切り替える処理を実行する。第1切替条件は、第1処理から第2処理への切り替えを判断するための条件である。第1切替条件は、回転数検出部31で検出されるモータ17の回転数又は水位検出部32で検出される水槽13内の水位に基づく条件とすることができる。第1切替条件がモータ17の回転数に基づくものである場合、第1切替条件は、第1処理の実行中にモータ17の回転数が最大回転数MAXに到達したことを条件にできる。この場合、駆動処理部33は、デリケート洗い運転において、第1処理の実行中にモータ17の回転数が最大回転数MAXとなったことを検出した場合に、第1処理から第2処理に切り替える。
【0035】
第1切替条件が水槽13内の水位に基づくものである場合、第1切替条件は、第1処理の実行中に水槽13内の水位が切替水位Hに到達したことを条件にできる。切替水位Hは、
図1に示すように、例えば水槽13内の水が仕切板22に接触する水位、若しくは仕切板22が浮き上がり始める水位に設定することができる。この場合、駆動処理部33は、デリケート洗い運転において、第1処理の実行中に水槽13内の水位が切替水位Hとなったことを検出した場合に、第1処理から第2処理に切り替える。
【0036】
なお、本実施形態において、水位検出部32は、例えば水槽13の外側面に設けられており、水槽13のうち回転槽14の周壁部141近傍の水位を検出する。そのため、第1処理の実行により水面WSがせり上がった場合、水位検出部32は、水面WSのうちせり上がった部分つまり回転槽14の周壁部141の近傍の水位を検出する。したがって、切替水位Hは、水位検出部32が検出する位置と水面WSのせり上がりとを考慮して、せり上がった水面WSによって仕切板22が浮かされる水位に設定されている。
【0037】
図3等に示すように、減速処理は、例えばモータ17が停止するまで減速させる処理を含む。駆動処理部33は、停止処理を更に実行可能である。停止処理は、減速処理後つまり第2処理後に実行される処理であり、モータ17を所定期間停止させる処理である。以下の説明では、停止処理を実行している期間を、停止期間T3と称することがある。この場合、停止期間T3は、予め設定された一定の値とすることができる。一方で、本実施形態の場合、第1処理期間T1及び第2処理期間T2は、モータ17の回転数によって定まる値である。すなわち、本実施形態において、第1処理期間T1及び第2処理期間T2は、モータ17の負荷つまり水槽13内の水量等によって変動する。
【0038】
駆動処理部33は、停止処理の実行中に第2切替条件が成立した場合に、停止処理から第1処理に切り替える処理を実行する。第2切替条件は、停止処理から第1処理への切り替えを判断するための条件である。第2切替条件は、停止処理の実行時間つまり停止期間T3又は水位検出部32で検出される水槽13内の水位に基づく条件とすることができる。
【0039】
第2切替条件は、
図4に示すように、停止期間T3が予め設定されたモータ停止期間を超えたか否かとすることができる。モータ停止期間は、例えば
図4に示すように、設定水位に応じて、短期間、中期間、長期間の3段階で設定する構成としている。この場合、短期間、中期間、長期間の順に、モータ停止期間は長くなる。
図4の例において、制御装置30は、設定水位が高、中、低である場合に、停止期間T3を、それぞれ短期間、中期間、長期間に設定する。なお、
図4におけるカッコ内の数値は一例であり、具体的な値はこれらに限られない。また、第2切替条件を、水位検出部32で検出される水槽13内の水位に基づく条件する場合、第2切替条件は、水位検出部32で検出される水位が所定範囲になることを条件とすることができる。
【0040】
次に、デリケート洗い運転における処理内容について
図5も参照して説明する。なお、以下の説明にいては、駆動処理部33が実行する処理も、制御装置30が主体として実行するものとして説明する。制御装置30は、デリケート洗い運転を開始すると(スタート)、ステップS11において注水処理を実行し、給水弁151を開いて設定水位まで水槽13内に注水する。
【0041】
次に、制御装置30は、ステップS12において第1処理を実行し、クラッチ18によりモータ17と回転槽14との接続を解除した状態で、モータ17を正転又は逆転させる。すると、撹拌体16及びポンプ羽根24が回転槽14に対して相対的に回転し、これにより、水槽13内の水が循環水路23に供給される。そして、
図3の加速期間T1aに示すようにモータ17の回転数が増加すると、そのモータ17の回転数の増加に伴い、循環水路23の吐出部232から吐出される水の量が増大する。また、モータ17の回転数の増加に伴い、水槽13内の水面WSは、回転槽14の中央付近が下がり、逆に回転槽14の周壁部141付近がせり上がって行く。
【0042】
次に、制御装置30は、
図5のステップS13において第1切替条件が成立したか否かを判断する。第1切替条件が成立していない場合(ステップS13でNO)、制御装置30は、ステップS12に処理を戻し、第1処理を継続する。第1切替条件が成立すると(ステップS13でYES)、制御装置30は、ステップS14へ処理を移行し、第1処理から第2処理に切り替える。
【0043】
制御装置30は、ステップS14において第2処理を実行し、
図3の第2処理期間T2この場合、減速期間T2aに示すように、モータ17が停止するまでモータ17の回転数を減速させて行く。その後、モータ17が停止すると、制御装置30は、
図5のステップS15に処理を移行させて停止処理を実行する。
【0044】
その後、制御装置30は、第2条件が成立したか否かを判断する。第2条件が成立していない場合(ステップS16でNO)、制御装置30は、ステップS15へ処理を戻し、停止処理を継続する。第2条件が成立すると場合(ステップS16でYES)、制御装置30は、ステップS17へ処理を移行する。次に、制御装置30は、運転が終了していなければ、ステップS12へ処理を戻す。一方で、制御装置30は、運転が終了したと判断すると(ステップS17でYES)、ステップS18へ処理を移行させる。そして、制御装置30は、ステップS18において排水処理を実行し、排水弁132を開いて水槽13内の水を排水する。これにより、デリケート洗い運転の一連の処理が終了する(終了)。
【0045】
以上説明した実施形態によれば、洗濯機10は、水槽13と、回転槽14と、仕切板22と、循環水路23と、撹拌体16と、ポンプ羽根24と、モータ17と、を備える。水槽13は、水を貯留可能に構成されている。回転槽14は、水槽13内に回転可能に設けられて洗濯物を収容する。仕切板22は、回転槽14内に取り付け及び取り外し可能に構成され、回転槽14の内部を上部及び下部に仕切る機能を有する。循環水路23は、仕切板22よりも上方に設けられた吐出部232を有し、水槽13内に溜まった水を吐出部232から吐出させて水槽13内の水を循環させる機能を有する。撹拌体16は、回転槽14に対して相対的に回転可能に構成されている。ポンプ羽根24は、撹拌体16の裏面に設けられ撹拌体16と共に回転可能に構成されて、撹拌体16の回転により水槽13内の水を循環水路23に送る。モータ17は、回転槽14に対して撹拌体16を相対的に回転させる。
【0046】
このような構成によれば、デリケートな洗濯物を洗濯する際、ユーザは、回転槽14内に仕切板22を設置し、仕切板22の上にデリケートな洗濯物を載せて、洗濯運転を行う。これにより、デリケートな洗濯物が撹拌体16に直接触れることが防がれる。そして、洗濯機10は、仕切板22に載せられた洗濯物に循環水路23から吐出される洗濯水を注ぐことで、撹拌体16の機械力や撹拌力を与えることなくデリケートな洗濯物を水流によって優しく洗うことができる。
【0047】
この場合、仕切板22に載せられた洗濯物を効率良く洗うためには、循環水路23から洗濯物に注がれる洗濯水の量を多く確保することが重要である。循環水路23から吐出される洗濯水の量は、撹拌体16の回転数つまり回転速度に伴って増大する。そのため、仕切板22に載せられた洗濯物を効率良く洗うために、撹拌体16の回転数を上げて循環水路23から吐出される洗濯水の量を増大させることが好ましい。しかしながら、撹拌体16の回転数を上げると、回転槽14内の水は、遠心力によって回転槽14内の外側へ向かい、その結果、
図1の水面WSで示すように、回転槽14の中央部の水位が下がり逆に回転槽の内壁付近の水位がせり上がる、つまり回転槽14内の水面がすり鉢状になる、といった現象が生じる。そして、水面WSのせり上がりが激しくなると、せり上がった水の勢いで仕切板22が浮いて外れてしまうおそれがある。
【0048】
そこで、本実施形態の洗濯機10は、回転数検出部31と、駆動処理部33と、を更に備える。回転数検出部31は、モータ17の回転数を検出する機能を有する。駆動処理部33は、回転数検出部31の検出結果に基づいてモータ17の駆動を制御する機能を有する。そして、駆動処理部33は、循環水路23の吐出部232から吐出される水を仕切板22に置かれた洗濯物90に注いで洗濯物90を洗うデリケート洗い運転において、第1処理と、第2処理と、を繰り返して実行可能である。
【0049】
第1処理は、予め設定された最大回転数MAXまでモータ17を加速させる加速処理を含む。第2処理は、モータ17を最大回転数MAXから減速させる減速処理を含む。そして、駆動処理部33は、第1処理中にモータ17の回転数が最大回転数MAXとなったことを検出したことに基づいて第2処理に切り替える処理を実行する。本実施形態の場合、駆動処理部33は、第1処理中にモータ17の回転数が最大回転数MAXとなったことを条件として第2処理に切り替える処理を実行する。
【0050】
また、洗濯機10は、上記の回転数検出部31に代えて、水位検出部32を備えていても良い。この場合、駆動処理部33は、水位検出部32の検出結果に基づいてモータ17の駆動を制御する機能を有する。そして、駆動処理部33は、デリケート洗い運転において、第1処理中に水槽13内の水位が切替水位Hとなったことを検出したことに基づいて第2処理に切り替える処理を実行する。本実施形態の場合、駆動処理部33は、第1処理中に水槽13内の水位が切替水位Hとなったことを条件として第2処理に切り替える処理を実行する。
【0051】
これによれば、循環水路23から洗濯水が吐出される第1処理において、モータ17の回転数を最大回転数MAXまで増大させることで、循環水路23から吐出される水量を増大させることができる。すなわち、仕切板22に載せられた洗濯物90に振りかける水量を増大させることができるため、仕切板22に載せられたデリケートな洗濯物90を効率良く洗うことができる。モータ17の回転数は、水槽13内でせり上がった水位に相関する。そのため、駆動処理部33は、モータ17の回転数に基づいて、又は水槽13内の水位に基づいて、水槽13内の外周部分の水位が上がって仕切板22が浮き上がって外れそうなタイミングで、第1処理から第2処理に切り替えることができる。その結果、仕切板22が外れてしまうことを抑制することができる。このような構成は、循環水路23を1つしか備えておらず、循環水路23から吐出する水量を増やすためにモータ17の回転数を増大させる必要がある洗濯機に特に有効である。
【0052】
ここで、第2処理から第1処理に切り替えるタイミングが早すぎると、水槽13内の水位が下がりきらずに、仕切板22が浮き上がってしまうおそれがある。そこで、本実施形態の駆動処理部33は、減速処理後に実行されモータ17を所定期間停止させる停止処理を更に実行可能である。これによれば、停止処理において水槽13内の水位を確実に下げることができるため、第1処理の実行により仕切板22が浮き上がってしまうことをより確実に抑制することができる。
【0053】
ここで、デリケート洗い運転における設定水位が高く水槽13内の水量が多い場合、循環水路23から吐出される水量を確保するためにモータ17の回転数を増大させる必要がないため、水槽13の周壁部141付近の水面がせり上がり難い。そのため、駆動処理部33は、デリケート洗い運転において予め設定される設定水位が高くなるほど停止処理においてモータ17を停止させる期間を短くする構成とすることができる。これによれば、モータ停止期間を設定水位に合った適切なものとすることで、モータ17を無駄に停止させている期間を低減することができ、その結果、洗い運転の効率を向上させることができる。
【0054】
第2処理は、減速処理後に実行されモータ17を停止させる停止処理を含んでいる。そして、駆動処理部33は、停止処理を実行した後において、水槽13内の水位が、デリケート洗い運転の内容に応じて予め設定される設定水位に対して所定範囲内に収まったことを検出した場合に第1処理に切り替える構成とすることもできる。これによれば、停止処理において水槽13内の水位を確実に下げることができるため、第1処理の実行により仕切板22が浮き上がってしまうことをより確実に抑制することができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について
図6を参照して説明する。
本実施形態において、第1処理は、加速処理及び最大回転数維持処理を含んでいる。最大回転数維持処理は、加速処理後に実行される処理であって、モータ17を最大回転数MAXに維持する処理である。以下の説明では、最大回転数維持処理を実行している期間を、最大回転数維持期間T1bと称することがある。本実施形態において、第1処理期間T1は、加速期間T1aと最大回転数維持期間T1bとを含んでいる。
【0056】
駆動処理部33は、例えば最大回転数維持処理の実行を開始してからの経過時間に基づいて、又は水槽13内の水位に基づいて、最大回転数維持処理から第2処理に切り替える処理を実行する。すなわち、駆動処理部33は、例えば最大回転数維持処理の実行を開始してから所定期間が経過したことを条件として、又は水槽13内の水位が切替水位Hに到達したことを条件として、最大回転数維持処理から第2処理に切り替える。
【0057】
この構成によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。ここで、循環水路23の吐出部232から吐出される水の量は、モータ17の回転数に比例する。そして、デリケート洗い運転においては、モータ17が最大回転数MAXで駆動されている場合に、吐出部232から吐出される水量は最大となる。本実施形態によれば、最大回転数MAXを維持する最大回転数維持期間T1bを含んでいるため、吐出部232から最大水量で吐出される期間を極力長く確保することができる。その結果、仕切板22に置かれたデリケートな洗濯物を多量の水で効率良く洗うことができる。
【0058】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について
図7を参照して説明する。
本実施形態において、第2処理は、減速処理及び減速回転数維持処理を含んでいる。減速回転数維持処理は、モータ17を、減速回転数Sに維持する処理である。減速回転数Sは、最大回転数MAXよりも低い回転数であって撹拌体16の回転に伴って回転槽14の周囲でせり上がった水により仕切板22が浮き上がらない回転数である。以下の説明では、減速回転数維持処理を実行している期間を、減速回転数維持期間T2bと称することがある。本実施形態において、第2処理期間T2は、2回の減速期間T2aと、2回の減速期間T2aに挟まれた減速回転数維持期間T2bと、を含んでいる。
【0059】
駆動処理部33は、例えば第2処理に切り替えて1回目の減速処理を開始してからの経過時間に基づいて、又は水槽13内の水位に基づいて、減速処理から減速回転数維持処理に切り替える処理を実行する。すなわち、駆動処理部33は、例えば第2処理に切り替えて1回目の減速処理を開始してから所定期間が経過したことを条件として、又は水槽13内の水位が切替水位Hよりも下がったことを条件として、1回目の減速処理から減速回転数維持処理に切り替える。
【0060】
この構成によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。また、本実施形態によれば、第2処理期間T2は、減速回転数Sを維持する減速回転数維持期間T2bを含んでいるため、吐出部232から水を吐出させて洗濯物を洗いつつ、水槽13内の水位が下がるために必要な時間を確保することができる。
【0061】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について
図8を参照して説明する。
本実施形態は、上記第2実施形態と上記第3実施形態とを組み合わせた構成である。本実施形態において、第1処理は、加速処理及び最大回転数維持処理を含む。第2処理は、減速処理及び減速回転数維持処理を含んでいる。この構成によれば、上記各実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0062】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
10…洗濯機、13…水槽、14…回転槽、16…撹拌体、17…モータ、22…仕切板、23…循環水路、232:吐出部、24…ポンプ羽根、31…回転数検出部、32…水位検出部、33…駆動処理部、90…洗濯物、H…切替水位、MAX…最大回転数、R…モータの回転数、S…減速回転数、WL…水位