(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066730
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ガイドレール把持装置
(51)【国際特許分類】
B66B 7/02 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
B66B7/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176368
(22)【出願日】2022-11-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 浩明
【テーマコード(参考)】
3F305
【Fターム(参考)】
3F305BD01
3F305DA21
(57)【要約】
【課題】 固定板部を使用することなくガイドレールを把持することができるガイドレール把持装置を提供する。
【解決手段】 エレベータのガイドレールを把持するガイドレール把持装置であって、ガイドレールは、上下方向に延びる固定板部と、固定板部の幅方向中央から前方へ延びる首部と、首部の前端から前方へ延びる頭部と、を備え、頭部は、頂面と、頂面の幅方向両端縁から後方へ延びる第1側面及び第2側面と、第1側面及び第2側面よりも内側に窪んで首部に接続されるくびれ部と、を有しており、ガイドレール把持装置は、頭部を前方から覆うベースと、ベースに対して前後方向に相対移動するロック爪と、を備え、ベースとロック爪が、頂面とくびれ部を前後方向から挟み込んで頭部を把持する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのガイドレールを把持するガイドレール把持装置であって、
前記ガイドレールは、上下方向に延びる固定板部と、前記固定板部の幅方向中央から前方へ延びる首部と、前記首部の前端から前方へ延びる頭部と、を備え、前記頭部は、頂面と、前記頂面の幅方向両端縁から後方へ延びる第1側面及び第2側面と、前記第1側面及び前記第2側面よりも内側に窪んで前記首部に接続されるくびれ部と、を有しており、
前記ガイドレール把持装置は、前記頭部を前方から覆うベースと、前記ベースに対して前後方向に相対移動するロック爪と、を備え、
前記ベースと前記ロック爪が、前記頂面と前記くびれ部を前後方向から挟み込んで前記頭部を把持する、ガイドレール把持装置。
【請求項2】
前記ベースは、前記頂面に対向する本体部と、前記第1側面に対向する第1サイド部と、を備え、
前記ガイドレール把持装置は、前記第1サイド部に対して幅方向に相対移動するブロックを備え、
前記第1サイド部と前記ブロックが、前記第1側面と前記第2側面を幅方向から挟み込んで前記頭部を把持する、請求項1に記載のガイドレール把持装置。
【請求項3】
前記ベースは、前記第2側面に対向する第2サイド部を備え、
前記第2サイド部は、前記ブロックの前記第2サイド部へ向かう移動を規制する規制部材を有する、請求項2に記載のガイドレール把持装置。
【請求項4】
前記ベースが前記頂面に接触した状態で、前記ロック爪は、前方に移動して前記くびれ部に接触する、請求項1~3の何れか1項に記載のガイドレール把持装置。
【請求項5】
前記ブロックは、前後方向に空洞部が延びる四角筒状であって、
前記ロック爪は、前記ブロックの筒部よりも前記首部に向かって突出する爪部を有し、前記爪部を突出させた状態で、前記空洞部内を移動する、請求項2又は3に記載のガイドレール把持装置。
【請求項6】
前記本体部が前記頂面に接触し、前記第1サイド部が前記第1側面に接触し、前記ブロックが前記第2側面に接触した状態で、前記ロック爪は、前方に移動して前記くびれ部に接触する、請求項2又は3に記載のガイドレール把持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ガイドレール把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータのガイドレールを把持するガイドレール把持装置は、ガイドレールを昇降路の壁等に固定するための固定板部を使用してガイドレールを把持していた(例えば、特許文献1)。しかしながら、ガイドレールの継ぎ目等で固定板部の背面に別のプレートが付いた部分では、固定板部を使用してガイドレールを把持することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、固定板部を使用することなくガイドレールを把持することができるガイドレール把持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ガイドレール把持装置は、エレベータのガイドレールを把持するガイドレール把持装置であって、
前記ガイドレールは、上下方向に延びる固定板部と、前記固定板部の幅方向中央から前方へ延びる首部と、前記首部の前端から前方へ延びる頭部と、を備え、前記頭部は、頂面と、前記頂面の幅方向両端縁から後方へ延びる第1側面及び第2側面と、前記第1側面及び前記第2側面よりも内側に窪んで前記首部に接続されるくびれ部と、を有しており、
前記ガイドレール把持装置は、前記頭部を前方から覆うベースと、前記ベースに対して前後方向に相対移動するロック爪と、を備え、
前記ベースと前記ロック爪が、前記頂面と前記くびれ部を前後方向から挟み込んで前記頭部を把持する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】同実施形態に係るガイドレール把持装置の正面図
【
図5】同実施形態に係るベースの(a)正面図及び(b)左側面図
【
図6】同実施形態に係るロック爪の(a)正面図及び(b)底面図
【
図7】同実施形態に係るブロックの(a)正面図及び(b)左側面図
【
図8】同実施形態に係るガイドレール把持装置によりガイドレールを把持する工程を示す図
【
図9】同実施形態に係るガイドレール把持装置によりガイドレールを把持する工程を示す図
【
図10】同実施形態に係るガイドレール把持装置によりガイドレールを把持する工程を示す図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、エレベータのガイドレール把持装置における一実施形態について、
図1~
図10を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0008】
また、
図1及び
図2において、第1方向D1は、第1横方向D1であり、第2方向D2は、第1横方向D1と直交する横方向である第2横方向D2であり、第3方向D3は、各横方向D1,D2とそれぞれ直交する上下方向D3である。
【0009】
まず、ガイドレール把持装置を説明することに先立って、ガイドレールを備えるエレベータについて、
図1及び
図2を参照しながら説明する。なお、エレベータの構成は、以下の構成に限定されない。
【0010】
図1に示すように、エレベータ10は、例えば、人が乗るためのかご10aと、かご10aのかごシーブ10bに巻き掛けられる主ロープ10cと、主ロープ10cが巻き掛けられる錘シーブ10dを有するエレベータ用釣合錘(以下、単に「釣合錘」ともいう)10eと、主ロープ10cを駆動してかご10a及び釣合錘10eを上下方向D3に走行させる巻上機10fと、かご10aの下部と釣合錘10eの下部とにそれぞれ接続される釣合ロープ10gと、を備えている。なお、エレベータ10は、釣合ロープ10gに代えて釣合鎖を備えていてもよい。
【0011】
かごシーブ10bは、かご10aの下部に配置されており、錘シーブ10dは、釣合錘10eの上部に配置されている。そして、主ロープ10cの端部は、それぞれ昇降路X1の上部に固定されている。また、巻上機10fは、昇降路X1の内部に配置されている。
【0012】
本実施形態においては、主ロープ10cがかごシーブ10b及び錘シーブ10dに巻き掛けられることによって、主ロープ10cがかご10a及び釣合錘10eに接続されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、主ロープ10cの一端部がかご10aに固定され、主ロープ10cの他端部が釣合錘10eに固定され、巻上機10fが昇降路X1よりも上部の機械室の内部に配置されている、という構成でもよい。
【0013】
かご10a及び釣合錘10eは、上下方向D3に沿って延びるガイドレールに沿って昇降する。
図2に示すように、ガイドレールは、かご10aを案内するために、上下方向D3に沿って延びるかごレール11,12と、釣合錘10eを案内するために、上下方向D3に沿って延びる錘レール21,22とを備えている。なお、かごレール11,12と錘レール21,22はすべて略同じ形状のため、以下の説明では、かごレール11,12と錘レール21,22をまとめてガイドレール9と称する。
【0014】
ガイドレール9は、略T字状断面を有し、上下方向D3に長尺な部材である。ガイドレール9は、固定板部91と、固定板部91の幅方向中央から突出する首部92及び頭部93と、を備えている。
【0015】
固定板部91は、上下方向D3に延びており、昇降路X1に固定される。特に限定されないが、固定板部91は、例えば、第4方向D4及び上下方向D3に沿う板状に形成されている。
図3~
図10において、第4方向D4は、水平方向と平行な方向であり、固定板部91の幅方向D4ともいう。第5方向D5は、上下方向D3及び第4方向D4と直交する方向であり、固定板部91の前後方向D5ともいい、第5方向D5のうち、図における矢印方向を前方向とし、図における矢印方向と反対方向を後方向とする。
【0016】
首部92は、固定板部91の幅方向D4中央から前方へ延びている。首部92は、例えば、前後方向D5及び上下方向D3に沿う板状に形成されている。
【0017】
頭部93は、首部92の前端から前方へ延びている。頭部93は、例えば、前後方向D5及び上下方向D3に沿う板状に形成されている。頭部93は、首部92よりも厚い板状となっている。
【0018】
頭部93は、頂面93aと、頂面93aの幅方向D4両端縁から後方へ延びる第1側面93b及び第2側面93cと、第1側面93b及び第2側面93cよりも内側に窪んで首部92に接続される第1くびれ部93d及び第2くびれ部93eと、を有している。頂面93a、第1側面93b、及び第2側面93cは、平滑に形成されている。また、頂面93a、第1側面93b、及び第2側面93cは、歯面とも呼ばれ、かご10aや釣合錘10eに取り付けられたガイドローラ又はガイドシューをガイドする。
【0019】
次に、本実施形態に係るガイドレール把持装置1について、
図4~
図10を参照しながら説明する。
【0020】
ガイドレール把持装置1は、
図4に示すように、ガイドレール9の頭部93を前方から覆うベース2と、ベース2に対して前後方向D5に相対移動するロック爪3と、ベース2に対して幅方向D4に相対移動するブロック4と、を備えていてもよい。
【0021】
ベース2は、
図5に示すように、ガイドレール9の頂面93aに対向する本体部2aと、ガイドレール9の第1側面93bに対向する第1サイド部2bと、ガイドレール9の第2側面93cに対向する第2サイド部2cと、を備えていてもよい。ベース2は、上下方向D3視において、略コの字状に形成されていてもよい。本体部2aは、上下方向D3に比べて幅方向D4に長尺に形成された長孔2dを有していてもよい。また、第2サイド部2cは、幅方向D4に貫通するネジ孔2eと、ネジ孔2eと螺合する蝶ボルト2fと、を備えていてもよい。
【0022】
ロック爪3は、
図6に示すように、ロック本体3aと、ロック本体3aから幅方向D4に突出する爪部3bと、を備えていてもよい。また、ロック爪3は、ロック本体3aにピン3cによって回動可能に接続されたボルト3dを備えていてもよい。
【0023】
ボルト3dは、
図4に示すように、ベース2の長孔2dに挿通される。ボルト3dには、蝶ナット3eが螺合する。これにより、ロック爪3は、蝶ナット3eを回転することで、ベース2に対して前後方向D5に移動する。
【0024】
ブロック4は、
図7に示すように、前後方向D5に空洞部4aが延びる四角筒状に形成されていてもよい。ブロック4は、
図4に示すように、蝶ボルト2fの先端によって幅方向D4への移動が規制される。
【0025】
空洞部4aは、ロック爪3のロック本体3aを挿入可能なサイズに形成されており、ロック本体3aを前後方向D5にガイドする。また、ブロック4は、筒部の一部を切り欠いた開口部4bを有している。
図4に示すように、ロック爪3のロック本体3aを空洞部4aに挿入した状態において、爪部3bは、開口部4bを介してブロック4の筒部よりも外側に突出する。
【0026】
次に、ガイドレール把持装置1がガイドレール9を把持する工程について説明する。初めに、
図8に示すように、蝶ボルト2fを回転させることで、蝶ボルト2fの先端がベース2の第2サイド部2cから突出する量を小さくしておく。これにより、ベース2の第1サイド部2bとブロック4との間の隙間を大きくできるため、第1サイド部2bとブロック4の間にガイドレール9の頭部93を挿入しやすくなる。ガイドレール把持装置1は、頭部93の頂面93aにベース2の本体部2aが接触し、頭部93の第1側面93bにベース2の第1サイド部2bが接触するように配置される。
【0027】
次いで、
図9に示すように、ブロック4をベース2の第1サイド部2bに近付けていき、頭部93の第2側面93cに接触させる。このとき、蝶ボルト2fを回転させて、蝶ボルト2fの先端がベース2の第2サイド部2cから突出する量を大きくすることで、蝶ボルト2fの先端がブロック4に近接する。これにより、ブロック4は、蝶ボルト2fの先端によって、第2サイド部2cへ向かう移動が規制される。その結果、ベース2の第1サイド部2bとブロック4は、第1側面93bと第2側面93cを幅方向D4から挟み込んで頭部93を把持することができる。
【0028】
次いで、
図10に示すように、蝶ナット3eを回転させることで、ロック爪3をベース2の本体部2aに近付けていき、爪部3bを頭部93の第2くびれ部93eに接触させる。これにより、ベース2の本体部2aとロック爪3の爪部3bは、頂面93aと第2くびれ部93eを前後方向D5から挟み込んで頭部93を強固に把持することができる。
【0029】
[1]
以上より、ガイドレール把持装置1は、本実施形態のように、エレベータ10のガイドレール9を把持するガイドレール把持装置1であって、前記ガイドレール9は、上下方向D3に延びる固定板部91と、前記固定板部91の幅方向D4中央から前方へ延びる首部92と、前記首部92の前端から前方へ延びる頭部93と、を備え、前記頭部93は、頂面93aと、前記頂面93aの幅方向D4両端縁から後方へ延びる第1側面93b及び第2側面93cと、前記第1側面93b及び前記第2側面93cよりも内側に窪んで前記首部92に接続されるくびれ部93d,93eと、を有しており、前記ガイドレール把持装置1は、前記頭部93を前方から覆うベース2と、前記ベース2に対して前後方向D5に相対移動するロック爪3と、を備え、前記ベース2と前記ロック爪3が、前記頂面93aと前記くびれ部(本実施形態においては、第2くびれ部)93eを前後方向D5から挟み込んで前記頭部93を把持する、という構成が好ましい。
【0030】
斯かる構成によれば、ベース2とロック爪3が頭部93を把持するため、固定板部91を使用することなくガイドレール9を把持することができる。
【0031】
[2]
また、上記[1]のガイドレール把持装置1においては、本実施形態のように、前記ベース2は、前記頂面93aに対向する本体部2aと、前記第1側面93bに対向する第1サイド部2bと、を備え、前記ガイドレール把持装置1は、前記第1サイド部2bに対して幅方向D4に相対移動するブロック4を備え、前記第1サイド部2bと前記ブロック4が、前記第1側面93bと前記第2側面93cを幅方向D4から挟み込んで前記頭部93を把持する、という構成が好ましい。
【0032】
斯かる構成によれば、ベース2の第1サイド部2bとブロック4が頭部93を把持するため、ベース2とロック爪3が、頂面93aとくびれ部(本実施形態においては、第2くびれ部)93eを前後方向D5から挟み込んだ際、ガイドレール9を強固に把持することができる。また、ガイドレール把持装置1を頭部93に対して幅方向D4に正確に位置決めすることができる。
【0033】
[3]
また、上記[2]のガイドレール把持装置1においては、本実施形態のように、前記ベース2は、前記第2側面93cに対向する第2サイド部2cを備え、前記第2サイド部2cは、前記ブロック4の前記第2サイド部2cへ向かう移動を規制する規制部材(本実施形態においては、蝶ボルト)2fを有する、という構成が好ましい。
【0034】
斯かる構成によれば、ブロック4の幅方向D4の移動が規制されるため、ブロック4は、ベース2の第1サイド部2bとともに、頭部93を強固に把持することができる。
【0035】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか一つのガイドレール把持装置1においては、本実施形態のように、前記ベース2が前記頂面93aに接触した状態で、前記ロック爪3は、前方に移動して前記くびれ部(本実施形態においては、第2くびれ部)93eに接触する、という構成が好ましい。
【0036】
斯かる構成によれば、ガイドレール把持装置1は、平滑な頂面93aを基準として位置決めされるため、頭部93を正確に把持することができる。
【0037】
[5]
また、上記[2]又は[3]のガイドレール把持装置1においては、本実施形態のように、前記ブロック4は、前後方向D5に空洞部4aが延びる四角筒状であって、前記ロック爪3は、前記ブロック4の筒部よりも前記首部92に向かって突出する爪部3bを有し、前記爪部3bを突出させた状態で、前記空洞部4a内を移動する、という構成が好ましい。
【0038】
斯かる構成によれば、ロック爪3は、ブロック4の空洞部4aによって前後方向D5にガイドされるため、爪部3bは、ベース2とともに、頭部93を正確に把持することができる。また、ロック爪3は、ブロック4と一体として幅方向D4に移動するため、爪部3bをくびれ部(本実施形態においては、第2くびれ部)93eに対して幅方向D4に正確に位置決めすることができる。
【0039】
[6]
また、上記[2]又は[3]のガイドレール把持装置1においては、本実施形態のように、前記本体部2aが前記頂面93aに接触し、前記第1サイド部2bが前記第1側面93bに接触し、前記ブロック4が前記第2側面93cに接触した状態で、前記ロック爪3は、前方に移動して前記くびれ部(本実施形態においては、第2くびれ部)93eに接触する、という構成が好ましい。
【0040】
斯かる構成によれば、ロック爪3は、ベース2及びブロック4とともに、頭部93を強固に把持することができる。
【0041】
なお、ガイドレール把持装置1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、ガイドレール把持装置1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0042】
(A)上記実施形態に係るガイドレール把持装置1においては、ベース2は、頂面93aに対向する本体部2aと、第1側面93bに対向する第1サイド部2bと、を備え、ガイドレール把持装置1は、第1サイド部2bに対して幅方向D4に相対移動するブロック4を備え、第1サイド部2bとブロック4が、第1側面93bと第2側面93cを幅方向D4から挟み込んで頭部93を把持する、という構成である。しかしながら、ガイドレール把持装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1サイド部2bとブロック4は、第1側面93bと第2側面93cに接触することなく接近して、ガイドレール把持装置1の幅方向D4への移動を抑制する、という構成でもよい。
【0043】
(B)上記実施形態に係るガイドレール把持装置1においては、ベース2は、第2側面93cに対向する第2サイド部2cを備え、第2サイド部2cは、ブロック4の第2サイド部2cへ向かう移動を規制する規制部材(本実施形態においては、蝶ボルト)2fを有する、という構成である。しかしながら、ガイドレール把持装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、本体部2aは、ブロック4の第2サイド部2cへ向かう移動を規制する規制部材を有する、という構成でもよい。また、ベース2は、第2側面93cに対向する第2サイド部2cを必ずしも備えなくともよい。
【0044】
(C)上記実施形態に係るガイドレール把持装置1においては、ベース2が頂面93aに接触した状態で、ロック爪3は、前方に移動してくびれ部(本実施形態においては、第2くびれ部)93eに接触する、という構成である。しかしながら、ガイドレール把持装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、ガイドレール把持装置1は、ロック爪3がくびれ部(本実施形態においては、第2くびれ部)93eに接触した状態で、ベース2は、後方へ移動して頂面93aに接触する、という構成でもよい。
【0045】
(D)上記実施形態に係るガイドレール把持装置1においては、ブロック4は、前後方向D5に空洞部4aが延びる四角筒状であって、ロック爪3は、ブロック4の筒部よりも首部92に向かって突出する爪部3bを有し、爪部3bを突出させた状態で、空洞部4a内を移動する、という構成である。しかしながら、ガイドレール把持装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、ベース2の第1サイド部2bは、前後方向D5に空洞部が延びる四角筒状であって、ロック爪3は、第1サイド部2bの筒部よりも首部92に向かって突出する爪部3bを有し、爪部3bを突出させた状態で、第1サイド部2bの空洞部内を移動する、という構成でもよい。このとき、爪部3bは、第1くびれ部93dに接触する。
【0046】
(E)上記実施形態に係るガイドレール把持装置1においては、本体部2aが頂面93aに接触し、第1サイド部2bが第1側面93bに接触し、ブロック4が第2側面93cに接触した状態で、ロック爪3は、前方に移動してくびれ部(本実施形態においては、第2くびれ部)93eに接触する、という構成である。しかしながら、ガイドレール把持装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、ロック爪3がくびれ部(本実施形態においては、第2くびれ部)93eに接触し、第1サイド部2bが第1側面93bに接触し、ブロック4が第2側面93cに接触した状態で、本体部2aは、後方に移動して頂面93aに接触する、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…ガイドレール把持装置、2…ベース、2a…本体部、2b…第1サイド部、2c…第2サイド部、2d…長孔、2e…ネジ孔、2f…蝶ボルト、3…ロック爪、3a…ロック本体、3b…爪部、3c…ピン、3d…ボルト、3e…蝶ナット、4…ブロック、4a…空洞部、4b…開口部、9…ガイドレール、10…エレベータ、10a…かご、10b…かごシーブ、10c…主ロープ、10d…錘シーブ、10e…釣合錘、10f…巻上機、10g…釣合ロープ、11…かごレール、12…かごレール、21…錘レール、22…錘レール、91…固定板部、92…首部、93…頭部、93a…頂面、93b…第1側面、93c…第2側面、93d…第1くびれ部、93e…第2くびれ部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、D4…幅方向、D5…前後方向、X1…昇降路