(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066731
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】取付装置及び情報取得装置の着脱方法
(51)【国際特許分類】
F16L 55/00 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
F16L55/00 D
F16L55/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176369
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】森村 克
(72)【発明者】
【氏名】西野 真依子
(57)【要約】
【課題】情報取得装置の着脱を好適に行うことができる取付装置及び情報取得装置の着脱方法を提供する。
【解決手段】流体が流通する管路部11内の情報を取得する情報取得装置Aを取付可能な取付装置であって、マウント部200と、ホルダ部300と、規制冶具400と、を具備し、規制冶具400は、マウント部200に係合することで、マウント部200に対して、軸線方向における相対的な移動が規制される第一マウント規制部412と、回転方向における相対的な移動が規制される第二マウント規制部421と、を具備し、規制冶具400をマウント部200に対して回転方向に相対的に移動させることで、第一マウント規制部412及び第二マウント規制部421をマウント部200に対して係合可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流通する管路内の情報を取得する情報取得装置を取付可能な取付装置であって、
前記管路に取り付けられ、前記管路に形成された開口部と連通する貫通孔を有するマウント部と、
前記貫通孔に挿通されることで、前記マウント部に脱着可能に取り付けられ、前記情報取得装置が取り付けられるホルダ部と、
前記マウント部に対する前記ホルダ部の脱着に用いられる冶具と、
を具備し、
前記冶具は、
前記マウント部に係合することで、前記マウント部に対して、前記開口部の軸線方向における相対的な移動が規制される第一規制部と、
前記マウント部に係合することで、前記マウント部に対して、前記開口部の軸線回りの回転方向における相対的な移動が規制される第二規制部と、
を具備し、
前記冶具を前記マウント部に対して前記回転方向に相対的に移動させることで、前記第一規制部及び前記第二規制部を前記マウント部に対して係合可能である、
取付装置。
【請求項2】
前記マウント部は、
外側に突出する第一突部を有し、
前記第一規制部は、
前記回転方向に開口すると共に、前記第一規制部が前記回転方向に移動することで、前記第一突部に係合可能な第一係合部を有し、
前記第二規制部は、
下側に開口すると共に、前記第一突部に対する前記回転方向の位置が一致した場合に、前記第二規制部が下方に移動することで前記第一突部に係合可能な第二係合部を有する、
請求項1に記載の取付装置。
【請求項3】
前記ホルダ部は、
所定の操作により、前記マウント部に脱着可能に固定される固定部を具備し、
前記冶具は、
前記マウント部から取り外された前記固定部が、脱着可能に固定される被固定部を具備する、
請求項1に記載の取付装置。
【請求項4】
前記マウント部には、前記軸線方向に延びる切欠き部が形成され、
前記ホルダ部は、
前記情報取得装置が取り付けられ、前記情報取得装置のケーブルを内部に配線可能な軸部と、
前記軸部に設けられ、前記切欠き部に沿って案内されるガイド部と、
前記軸部の内部の前記ケーブルを前記ホルダ部の外部に取り出し可能なケーブル取出口と、
を具備する、
請求項1に記載の取付装置。
【請求項5】
前記ホルダ部は、
前記情報取得装置が取り付けられる軸部と、
前記マウント部の貫通孔内に配置されると共に、前記軸部及び前記情報取得装置が挿通される挿通孔が形成され、前記情報取得装置を保護可能な保護部と、
を具備する、
請求項1に記載の取付装置。
【請求項6】
前記冶具は、
前記保護部に係合した状態で、前記保護部に対する前記軸線方向の相対的な移動を規制する第三規制部を具備し、
前記マウント部に対する前記第一規制部及び前記第二規制部の係合が解除された状態で、前記冶具を前記保護部に対して前記回転方向に相対的に移動させることで、前記第三規制部を前記保護部に対して係合可能である、
請求項5に記載の取付装置。
【請求項7】
前記保護部は、
前記マウント部よりも外側に突出する第二突部を具備し、
前記第三規制部は、
前記回転方向に開口すると共に、前記第三規制部が前記回転方向に移動することで、前記第二突部に係合可能な第三係合部を有する、
請求項6に記載の取付装置。
【請求項8】
前記第二突部は、
前記管路内の流体の圧力を取出し可能な圧力取出口を有する、
請求項7に記載の取付装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の取付装置を用いた情報取得装置の着脱方法であって、
前記冶具を前記マウント部に対して前記回転方向に回転させることで、前記第一規制部及び前記第二規制部を前記マウント部に対して係合させ、
前記第一規制部及び前記第二規制部を前記マウント部に係合させた状態で、前記マウント部に対する前記ホルダ部の脱着を行う、
情報取得装置の着脱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体が流通する管路内の情報を取得する情報取得装置を取付可能な取付装置及び情報取得装置の着脱方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配管内の情報を取得する装置の技術が知られている。例えば特許文献1には、管路の途中に形成された孔部に、管内を調査するための調査棒を挿通可能な不断水管内調査装置が開示されている。上記調査棒は、孔部と連通するように設けられた貫通フランジに取り付けられている。
【0003】
上記特許文献1に記載された不断水管内調査装置では、管路に形成されたフランジと、貫通フランジと、をボルトやナット等を用いて固定すると考えられる。このような場合、貫通フランジ及び調査棒の着脱を行う際に、締結作業を行うためのスペースが確保し難いことや、締結作業が繁雑になることが想定される。このため、情報取得装置の着脱を好適に行うことができる取付装置及び情報取得装置の着脱方法が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の一態様は、以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、情報取得装置の着脱を好適に行うことができる取付装置及び情報取得装置の着脱方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
本開示の一態様に係る取付装置は、流体が流通する管路内の情報を取得する情報取得装置を取付可能な取付装置であって、前記管路に取り付けられ、前記管路に形成された開口部と連通する貫通孔を有するマウント部と、前記貫通孔に挿通されることで、前記マウント部に脱着可能に取り付けられ、前記情報取得装置が取り付けられるホルダ部と、前記マウント部に対する前記ホルダ部の脱着に用いられる冶具と、を具備し、前記冶具は、前記マウント部に係合することで、前記マウント部に対して、前記開口部の軸線方向における相対的な移動が規制される第一規制部と、前記マウント部に係合することで、前記マウント部に対して、前記開口部の軸線回りの回転方向における相対的な移動が規制される第二規制部と、を具備し、前記冶具を前記マウント部に対して前記回転方向に相対的に移動させることで、前記第一規制部及び前記第二規制部を前記マウント部に対して係合可能であるものである。
本開示の一態様によれば、情報取得装置の着脱を好適に行うことができる。
【0008】
本開示の一態様に係る前記マウント部は、外側に突出する第一突部を有し、前記第一規制部は、前記回転方向に開口すると共に、前記第一規制部が前記回転方向に移動することで、前記第一突部に係合可能な第一係合部を有し、前記第二規制部は、下側に開口すると共に、前記第一突部に対する前記回転方向の位置が一致した場合に、前記第二規制部が下方に移動することで前記第一突部に係合可能な第二係合部を有するものである。
本開示の一態様によれば、第一係合部及び第二係合部を第一突部に係合させることで、マウント部に対する冶具の上下方向及び回転方向の移動を規制することができる。
【0009】
本開示の一態様に係る前記ホルダ部は、所定の操作により、前記マウント部に脱着可能に固定される固定部を具備し、前記冶具は、前記マウント部から取り外された前記固定部が、脱着可能に固定される被固定部を具備するものである。
本開示の一態様によれば、冶具に対してホルダ部を固定させて、容易にホルダ部を取り外すことができる。
【0010】
本開示の一態様に係る前記マウント部には、前記軸線方向に延びる切欠き部が形成され、前記ホルダ部は、前記情報取得装置が取り付けられ、前記情報取得装置のケーブルを内部に配線可能な軸部と、前記軸部に設けられ、前記切欠き部に沿って案内されるガイド部と、
前記軸部の内部の前記ケーブルを前記ホルダ部の外部に取り出し可能なケーブル取出口と、を具備するものである。
本開示の一態様によれば、ガイド部が切欠き部に案内されることで、情報取得装置の位置決めを行うことができる。
【0011】
本開示の一態様に係る前記ホルダ部は、前記情報取得装置が取り付けられる軸部と、前記マウント部の貫通孔内に配置されると共に、前記軸部及び前記情報取得装置が挿通される挿通孔が形成され、前記情報取得装置を保護可能な保護部と、を具備するものである。
本開示の一態様によれば、保護部を設けたことで、ホルダ部の脱着時に情報取得装置がマウント部等に接触することを抑制することができる。
【0012】
本開示の一態様に係る前記冶具は、前記保護部に係合した状態で、前記保護部に対する前記軸線方向の相対的な移動を規制する第三規制部を具備し、前記マウント部に対する前記第一規制部及び前記第二規制部の係合が解除された状態で、前記冶具を前記保護部に対して前記回転方向に相対的に移動させることで、前記第三規制部を前記保護部に対して係合可能であるものである。
本開示の一態様によれば、冶具を保護部に対して回転方向に相対的に移動させるだけで、冶具に対する保護部の軸線方向の相対的な移動を規制することができ、この状態で、冶具を用いた保護部の着脱を容易に行うことができる。
【0013】
本開示の一態様に係る前記保護部は、前記マウント部よりも外側に突出する第二突部を具備し、前記第三規制部は、前記回転方向に開口すると共に、前記第三規制部が前記回転方向に移動することで、前記第二突部に係合可能な第三係合部を有するものである。
本開示の一態様によれば、第三係合部を第二突部に係合させることで、冶具に対する保護部の軸線方向の相対的な移動を規制することができる。
【0014】
本開示の一態様に係る前記第二突部は、前記管路内の流体の圧力を取出し可能な圧力取出口を有するものである。
本開示の一態様によれば、第二突部を、流体の圧力を取り出す部分として利用することができる。
【0015】
本開示の一態様に係る情報取得装置の着脱方法は、本開示の一態様に係る取付装置を用いた情報取得装置の着脱方法であって、前記冶具を前記マウント部に対して前記回転方向に回転させることで、前記第一規制部及び前記第二規制部を前記マウント部に対して係合させ、前記第一規制部及び前記第二規制部を前記マウント部に係合させた状態で、前記マウント部に対する前記ホルダ部の脱着を行うものである。
本開示の一態様によれば、情報取得装置の着脱を好適に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一態様によれば、情報取得装置の着脱を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の第一実施形態に係る取付装置及びバルブ装置を示す正面断面図。
【
図2】マウント部、ホルダ部及び情報取得装置を示す正面断面図。
【
図3】マウント部、ホルダ部及び情報取得装置を示す側面断面図。
【
図4】接続部及びマウント部を示す正面分解断面図。
【
図6】(a)規制冶具を示す正面断面図。(b)規制冶具を示す分解正面断面図。
【
図7】(a)規制冶具を示す側面断面図。(b)規制冶具を示す分解側面断面図。
【
図8】(a)規制冶具を下ろしている様子を示す模式図。(b)外側部が第一突部に当接した様子を示す模式図。(c)規制冶具を回転させている様子を示す模式図。(d)規制冶具を第一突部に係合させた様子を示す模式図。
【
図9】規制冶具、第一突部、及び第二突部の位置関係を示す模式図。
【
図10】規制冶具をマウント部の第一突部に係合させた様子を示す側面断面図。
【
図11】着脱冶具によりホルダ部をマウント部から取り外す様子を示す側面断面図。
【
図12】規制冶具を保護部の第二突部に係合させた様子を示す側面図。
【
図13】規制冶具によりホルダ部及び保護部を引き上げる様子を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。なお、以下の説明で用いる図は模式図であり、各部材の具体的な形状や寸法等は図示されたものに限定されない。
【0019】
以下では
図1から
図7までを参照して、本実施形態に係る取付装置1について説明する。
【0020】
取付装置1は、水道管内の情報を取得する情報取得装置Aを、バルブ装置10に取り付けるためのものである。以下では、まず
図1を用いて、バルブ装置10について説明する。
【0021】
図1に示すバルブ装置10は、水道管(埋設管など)に接続され、水道管内を流通する水道水(流体)の流れを仕切ることができるもの(例えば仕切弁)である。バルブ装置10には、水道水の流れを仕切る弁体が収容される。なお、説明の便宜上、
図1には、バルブ装置10のうち情報取得装置Aが設けられた部分の断面を示しており、弁体が設けられた部分は図示していない。バルブ装置10は、地中に埋設されたバルブボックス(不図示)の内部に配置される。バルブ装置10は、前後方向に延びる水道管の一部を構成する。バルブ装置10は、管路部11、センサ収納部12及びセンサカバー13を具備する。
【0022】
管路部11は、水道管の一部を構成し、水道水(流体)が流通する部分である。管路部11は、前後方向に開口すると共に、前後に水道管が接続される。管路部11の上部には、略円筒形状の突出部11aが上方に突出するように形成される。突出部11aには、上下に開口する開口部11bが形成されている。
【0023】
センサ収納部12は、取付装置1が収納される部分である。センサ収納部12は、上方に開口する略箱形状に形成される。センサ収納部12は、バルブ装置10のうち、突出部11aが形成された部分に設けられる。
【0024】
センサカバー13は、センサ収納部12に設けられた取付装置1を覆う部分である。センサカバー13は、下方に開口する略箱形状に形成される。センサカバー13は、センサ収納部12に対して着脱可能に取り付けられる。
【0025】
次に、情報取得装置Aについて説明する。
図1から
図3までに示す情報取得装置Aは、水道管内の情報を取得するものである。情報取得装置Aは、弾性変形可能な板形状に形成された板部Aaと、当該板部Aaの表面(前面及び後面)に設けられたひずみゲージAbと、により形成される。
図1に示すように、情報取得装置Aは、取付装置1に取り付けられることで、バルブ装置10の管路部11の内部に配置される。
【0026】
情報取得装置Aは、流体力を受けたことによる板部Aaの変形をひずみゲージAbで検出することで、水道管内を流通する水の流速や流通方向を取得する。ひずみゲージAbには、適宜のケーブルAcが接続される(
図5を参照)。情報取得装置Aによる取得結果は、ケーブルAcに接続された適宜の通信機器により、外部の機器(例えば外部サーバ等)に送信可能である。
【0027】
次に、取付装置1について説明する。
図1から
図7までに示す取付装置1は、バルブ装置10の突出部11aに対して固定され、情報取得装置Aがバルブ装置10の管路部11内に位置するように、情報取得装置Aを支持する。取付装置1は、接続部100、マウント部200、ホルダ部300、規制冶具400及び着脱冶具500を具備する。
【0028】
図1及び
図4に示す接続部100は、バルブ装置10の突出部11aと、後述するマウント部200と、を接続するものである。接続部100は、突出部11aを介して流通する水道水を止水可能に形成される。接続部100は、下バルブ接続部110、バルブ部120、上バルブ接続部130及び取付部140を具備する。
【0029】
下バルブ接続部110は、突出部11aの開口部11bに配置されると共に、後述するバルブ部120の下部に接続されるものである。下バルブ接続部110は、軸線方向を上下方向に向けた略円筒形状に形成される。
図4に示すように、下バルブ接続部110は、下部が上部に対して拡径した形状に形成される。下バルブ接続部110の下部(拡径した部分)は、突出部11aの開口部11bに挿通される。
【0030】
下バルブ接続部110の上部の外周面には、ねじ加工により雄ねじ部が形成されている。また、下バルブ接続部110の下部の外周面には、Oリングが配置される溝部が設けられている。Oリングは、例えばゴム等の可撓性を有する材料により形成される。上記溝部にOリングを設けることにより、下バルブ接続部110の下部の外周面と、突出部11aの開口部11bの内周面と、の間の隙間をシールする(埋める)ことができる。
【0031】
バルブ部120は、突出部11aにより分岐された流路における止水と、止水の解除と、を切替可能なものである。バルブ部120は、軸線方向を上下方向に向けた略円筒形状の部材の内部に、弁体121が設けられている。また、バルブ部120は、弁体121による止水及び止水の解除を切り替える操作を行う操作部122を備えている。バルブ部120内周面の上下端部には、ねじ加工により雌ねじ部が形成されている。バルブ部120の下部の雌ねじ部は、下バルブ接続部110の上部の雄ねじ部と係合する。本実施形態では、バルブ部120として、ボール弁を採用している。なお、バルブ部120としてはボール弁に限定されず、バタフライ弁等の種々のバルブを採用可能である。
【0032】
上バルブ接続部130は、バルブ部120の上部に接続されるものである。上バルブ接続部130は、下バルブ接続部110を上下に反転させた略円筒形状に形成される。
図4に示すように、下バルブ接続部110は、上部が下部に対して拡径した形状に形成される。下バルブ接続部110の下部の外周面には、ねじ加工により雄ねじ部が形成されている。下バルブ接続部110の下部の雄ねじ部は、バルブ部120の上部の雌ねじ部と係合する。また、上バルブ接続部130上部の外周面には、上記下バルブ接続部110と概ね同様に、Oリングが配置される溝部が設けられている。
【0033】
取付部140は、後述するマウント部200を取り付け可能なものである。取付部140は、軸線方向を上下方向に向けた略円筒形状に形成される。取付部140は、突出部11aに固定される。取付部140は、バルブ部120の側面を覆うように配置される。
【0034】
図2、
図3、
図4及び
図9に示すマウント部200は、接続部100に取り付けられ、後述するホルダ部300が着脱可能に取り付けられるものである。マウント部200は、軸線方向を上下方向に向けた略円筒形状に形成される。マウント部200は、下端部が他の部分に対して拡径した形状に形成される。マウント部200は、貫通孔210、固定部220、切欠き部230及び第一突部240を具備する。
【0035】
貫通孔210は、マウント部200を上下方向に貫通する部分である。貫通孔210は、マウント部200の形状に応じて、下端部が拡径している。
図1及び
図4に示すように、貫通孔210の下端部には、上バルブ接続部130の上部が挿通される。マウント部200の内周面と、上バルブ接続部130の上部の外周面と、の間の隙間は、上バルブ接続部130に設けられたOリングにより埋められる。また、貫通孔210の上部の内周面には、ねじ加工により形成された雌ねじ部211が形成されている。
【0036】
固定部220は、接続部100の取付部140に対して固定される部分である。固定部220は、マウント部200の下端部の拡径した部分により形成される。固定部220と取付部140の上端部とがボルト等の止具により固定されることで、接続部100に対してマウント部200が固定される。
【0037】
切欠き部230は、マウント部200の側面において、上下方向(軸線方向)に延びるように切り欠かれた部分である。切欠き部230は、マウント部200の上端部から、上下方向略中央部分に至るスリット状に形成される(
図13を参照)。切欠き部230は、左右方向に一対形成される(
図9を参照)。
【0038】
図3に示す第一突部240は、マウント部200の外周面から径方向(
図3では前後方向)に突出するものである。第一突部240は、前後方向に軸線を向けた略円柱形状に形成される。第一突部240は、マウント部200の上部において、一対設けられる。第一突部240は、マウント部200の軸心(平面視中心)を回転中心として、切欠き部230に対して略90度変位させた位置に形成される(
図9を参照)。
【0039】
図2、
図3及び
図5に示すホルダ部300は、情報取得装置Aが取り付けられるものである。ホルダ部300は、上下方向に長尺な形状に形成されており、貫通孔210に挿通されることで、マウント部200に対して着脱可能に取り付けられる。ホルダ部300は、軸部310、取付部320、ガイド部330、固定部340及び保護部350を具備する。
【0040】
軸部310は、上下方向に長尺な略円筒形状の部分である。
図5に示すように、軸部310には、当該軸部310を軸線方向(上下方向)に貫通する貫通孔311が形成されている。また、軸部310には、当該軸部310の上部を径方向(左右方向)に貫通すると共に、貫通孔311と連通するガイド挿通孔312が形成されている。
【0041】
取付部320は、情報取得装置Aが取り付けられる部分である。取付部320は、上下方向に軸線を向けた略円筒形状に形成される。
図3に示すように、取付部320の下端部は、前側面が情報取得装置Aを取り付け可能な平面形状に形成されている。取付部320は、軸部310の下端部において、貫通孔311に挿通された状態で固定される。
【0042】
図2及び
図5に示すガイド部330は、マウント部200の切欠き部230に沿って案内される部分である。ガイド部330は、左右方向に軸線を向けた略円柱形状に形成される。ガイド部330は、軸部310のガイド挿通孔312に挿通されることで、軸部310に対して固定される。ガイド部330は、軸部310から左右に突出するように設けられる。
【0043】
ガイド部330の外径は、切欠き部230の幅寸法(前後寸法)に応じた(例えば僅かに小さい)寸法に形成されている。
図2に示すように、ホルダ部300がマウント部200に取り付けられている状態では、ガイド部330は、切欠き部230内に位置する。これによって、マウント部200に対するホルダ部300の回転が規制される。ガイド部330は、ケーブル取出口331を具備する。
【0044】
図5に示すケーブル取出口331は、情報取得装置AのケーブルAcを、ホルダ部300の外部に取り出すためのものである。ケーブル取出口331は、ガイド部330の右側部分の下半分を切欠くことで形成される。ケーブル取出口331を形成したことで、ガイド部330の右側端部には、軸部310の貫通孔311と連通する略半円形状の開口が形成される(
図3を参照)。
【0045】
なお、本実施形態では、ガイド部330を、軸部310と別体に形成した例を示したが、このような態様に限定されない。例えば、ガイド部330を軸部310と一体的に形成してもよい。
【0046】
図2、
図3及び
図5に示す固定部340は、マウント部200に着脱可能に固定される部分である。固定部340は、軸線を上下方向に向けた略円柱形状に形成される。固定部340は、軸部310の上端部に対して、上下方向を向く軸線回りに回転可能に連結される。
【0047】
固定部340の外周面には、ねじ加工により雄ねじ部341が形成されている。固定部340の雄ねじ部341は、マウント部200の貫通孔210の雌ねじ部211に対して係合する。
【0048】
また、固定部340の上面には、固定部340を回転操作するための操作穴342が形成されている。操作穴342は、後述する着脱冶具500と係合するように形成されている。固定部340の回転操作を行うことで、マウント部200に対するホルダ部300の取り付け、及び取り外しを行うことができる。
【0049】
図2、
図3及び
図5に示す保護部350は、情報取得装置Aを保護可能なものである。保護部350は、軸線方向を上下方向に向けた略円筒形状に形成される。保護部350は、マウント部200の貫通孔210内に配置されると共に、ホルダ部300の軸部310が挿通される。保護部350の外径は、マウント部200の貫通孔210の内径より僅かに小さく形成されている。保護部350は、挿通孔351、第一溝部352、第二溝部353及び第二突部354を具備する。
【0050】
挿通孔351は、保護部350を上下方向に貫通する孔である。挿通孔351には、軸部310が挿通される。挿通孔351の内径は、軸部310の外径より僅かに大きく形成されている。
【0051】
第一溝部352は、挿通孔351の上部の内周面において、周方向に延びるように形成された溝である。第一溝部352内には、例えばゴム等の可撓性を有する材料により形成されたOリングが配置される。第一溝部352にOリングを設けることで、軸部310の外周面と、挿通孔351の内周面と、の間の隙間をシールすることができる。
【0052】
第二溝部353は、保護部350の下部の外周面において、周方向に延びるように形成された溝である。第二溝部353には、第一溝部352と同様にOリングが配置される。第二溝部353にOリングを設けることで、保護部350の外周面と、貫通孔210の内周面と、の間の隙間をシールすることができる。
【0053】
第二突部354は、保護部350の側面から外側(左右方向)に突出するものである。第二突部354は、左右方向に軸線を向けた略円筒形状に形成される。第二突部354は、保護部350の上部において、左右に一対設けられる。第二突部354は、保護部350の側面において左右方向に貫通するように形成された孔に挿通されている。また、第二突部354の外径は、マウント部200の切欠き部230の幅寸法(前後寸法)に応じた(例えば僅かに小さい)寸法に形成されている。第二突部354は、圧力取出口354aを具備する。
【0054】
圧力取出口354aは、水道管内の圧力を取得(計測)可能な圧力センサB(
図2を参照)が取り付けられる部分である。圧力取出口354aは、第二突部354を軸線方向(左右方向)に貫通するように形成される。圧力取出口354aは、保護部350の挿通孔351と連通する。
【0055】
圧力取出口354aの内面には、圧力センサBと係合可能な雌ねじ部が形成されている。本実施形態では、
図1及び
図2に示すように、左右の第二突部354のうち、右側の第二突部354に、圧力センサBを取り付けた例を示している。なお、左側の第二突部354には、圧力取出口354aを閉塞する栓を設けている。また、
図1及び
図2以外の図面では、圧力センサBの図示を省略している。
【0056】
なお、本実施形態では、第二突部354を、保護部350の本体部分(円筒形状の部分)と別体に形成した例を示したが、このような態様に限定されない。例えば、第二突部354を保護部350の本体部分と一体的に形成してもよい。
【0057】
図1から
図3までに示す図では、上述の如きホルダ部300を、マウント部200に取り付けた状態を示している。この状態では、ホルダ部300がマウント部200及び接続部100に挿通されることで、情報取得装置Aがバルブ装置10の管路部11の内部に配置される(
図1を参照)。これにより、水道管内の情報を取得可能となる。なお、この場合は、接続部100のバルブ部120による止水は解除され、接続部100及びマウント部200は、管路部11の突出部11aと連通している。このため、マウント部200(貫通孔210)の内部のホルダ部300には、水道管を流れる水の水圧がかかっている。
【0058】
ここで、
図2に示すように、ホルダ部300の軸部310の外周面と、保護部350の挿通孔351の内周面と、の間であって、第一溝部352内のOリングよりも下側の部分には、径方向に隙間が形成されている。上記隙間は、第二突部354の圧力取出口354aと連通している。本実施形態では、圧力取出口354aに設けられた圧力センサBを用いて、上記隙間を介して水道管内の圧力を取得することができる。
【0059】
また、
図2に示すように、ホルダ部300をマウント部200に取り付けた状態では、ガイド部330及び第二突部354は、マウント部200の切欠き部230内に位置する。これにより、マウント部200に対するホルダ部300の位置決めが行われる。これによって、ホルダ部300を介して情報取得装置Aの位置決めを行うことができる。上記構成によれば、情報取得装置Aのように、流体の流通方向に対する向き(姿勢)が測定精度に影響する装置の位置決めを正確に行うことができる。また、この状態では、第二突部354は、マウント部200よりも外側に突出している。
【0060】
図6から
図9までに示す規制冶具400は、マウント部200に対するホルダ部300の着脱に用いられるものである。規制冶具400は、マウント部200を挿通可能な略円筒形状に形成される。規制冶具400は、マウント部200が挿通された状態で、平面視中心(上下の軸線)を回転中心として回転することで、マウント部200に対して係合する。以下では、
図9に示すように、平面視時計回りの回転方向を「第一回転方向」、平面視反時計回りの回転方向を「第二回転方向」と称して説明を行う。なお、規制冶具400のマウント部200に対する係合態様の詳細は後述する。規制冶具400は、上下方向に長尺な形状に形成される。規制冶具400は、内側部410及び外側部420を具備する。
【0061】
図6及び
図7に示す内側部410は、軸線を上下方向に向けた略円筒形状の部分である。内側部410は、下端部から上部にかけて、上下方向に延びるように切り欠かれたスリット410aが形成されている。
図6に示すように、スリット410aは、径方向(左右方向)に一対形成されている。また、内側部410は、軸心(平面視中心)を回転中心として、略点対称な形状に形成されている。内側部410は、挿通孔411、第一マウント規制部412、保護部規制部413及びガイドピン414を具備する。
【0062】
挿通孔411は、マウント部200やホルダ部300等が挿通される部分である。挿通孔411は、内側部410を上下に貫通するように形成される。挿通孔411は、第一挿通孔411a及び第二挿通孔411cを具備する。
【0063】
第一挿通孔411aは、挿通孔411の上部を構成する部分である。第一挿通孔411aの内径は、マウント部200の貫通孔210の内径と概ね同寸法に形成される。第一挿通孔411aの内周面には、ねじ加工により雌ねじ部411bが形成されている。第一挿通孔411aの雌ねじ部411bは、ホルダ部300の固定部340に形成された雄ねじ部341に対して係合する(
図11を参照)。
【0064】
第二挿通孔411cは、挿通孔411の下部を構成する部分である。第二挿通孔411cの上下寸法は、第一挿通孔411aの上下寸法よりも小さく形成される。第二挿通孔411cは、第一挿通孔411aに対して拡径している。第二挿通孔411cの内径は、マウント部200を挿通可能なように、マウント部200の外径よりも僅かに大きく形成される(
図10等を参照)。
【0065】
第一マウント規制部412は、マウント部200に係合することで、マウント部200に対する上下方向の相対的な移動が規制される部分である。第一マウント規制部412は、内側部410の下部に形成される。第一マウント規制部412は、マウント部200の第一突部240に係合する。第一マウント規制部412は、一対の第一突部240に対応するように、一対設けられている。第一マウント規制部412は、第一係合部412aを具備する。
【0066】
図6に示す第一係合部412aは、第一突部240に対して係合する部分である。第一係合部412aは、第一回転方向(
図6においては右方)に向けて開口すると共に、回転方向(周方向)に延びる形状(略溝形状)に形成される。第一係合部412aの幅寸法(上下寸法)は、第一突部240の外径よりも僅かに大きい寸法に形成される。第一係合部412aが、第一突部240に対して係合した状態では、内側部410(第一マウント規制部412)と、マウント部200と、の上下方向における相対的な移動が規制される(
図9等を参照)。
【0067】
図6に示す保護部規制部413は、保護部350に係合することで、保護部350に対する上下方向の相対的な移動が規制される部分である。保護部規制部413は、内側部410の下端部に形成される。保護部規制部413は、保護部350の第二突部354に係合する。保護部規制部413は、一対の第二突部354に対応するように、一対設けられている。保護部規制部413は、保護部係合部413aを具備する。
【0068】
保護部係合部413aは、第二突部354に対して係合する部分である。保護部係合部413aは、第二回転方向(
図6においては左方)に向けて開口すると共に、回転方向(周方向)に延びる形状(略溝形状)に形成される。保護部係合部413aの幅寸法(上下寸法)は、第二突部354の外径よりも僅かに大きい寸法に形成される。保護部係合部413aが、第二突部354に対して係合した状態では、内側部410(第一マウント規制部412)と、保護部350と、の上下方向における相対的な移動が規制される(
図9等を参照)。
【0069】
ガイドピン414は、後述する外側部420の上下方向の移動をガイドするものである。ガイドピン414は、内側部410の外周面から径方向(
図7では前後方向)に突出するように設けられる。ガイドピン414は、軸線を前後方向に向けた略円柱形状に形成される。ガイドピン414は、前後に一対設けられている。
【0070】
図6及び
図7に示す外側部420は、内側部410の径方向外側に設けられる部分である。外側部420は、内側部410の下部において、内側部410の外周面を覆うように設けられる。外側部420は、内側部410の外周面に対応した曲面を有する板形状に形成される。
図6に示すように、外側部420は、前後に一対設けられている。一対の外側部420は、規制冶具400の軸心(平面視中心)を回転中心として、略点対称な形状に形成されている。また、外側部420は、内側部410に対して相対的に上下方向に移動可能に設けられる。外側部420は、第二マウント規制部421及びガイド溝422を具備する。
【0071】
第二マウント規制部421は、マウント部200に係合することで、マウント部200に対する回転方向の相対的な移動が規制される部分である。第二マウント規制部421は、外側部420の下端部に形成される。第二マウント規制部421は、マウント部200の第一突部240に係合する。第二マウント規制部421は、一対の第一突部240に対応するように、一対の外側部420にそれぞれ設けられている。第二マウント規制部421は、第二係合部421aを具備する。
【0072】
図6に示す第二係合部421aは、第一突部240に対して係合する部分である。第二係合部421aは、下方に向けて開口すると共に、上下方向に延びる形状(略溝形状)に形成される。第二係合部421aの幅寸法(回転方向の寸法)は、第一突部240の外径よりも僅かに大きい寸法に形成される。
図6(a)に示すように、第二係合部421aは、周方向の位置が、第一係合部412aの周方向の位置と一致するように形成される。第二係合部421aが、第一突部240に対して係合した状態では、外側部420(第二マウント規制部421)と、マウント部200と、の回転方向における相対的な移動が規制される(
図8(d)等を参照)。
【0073】
図6及び
図7に示すガイド溝422は、内側部410に対する外側部420の上下方向の移動をガイドするものである。ガイド溝422は、外側部420を貫通すると共に、上下方向に延びる形状(略溝形状)に形成される。
図6(a)及び
図7(a)に示すように、ガイド溝422には、ガイドピン414が挿通される。ガイド溝422内をガイドピン414が相対的に移動することで、内側部410に対する外側部420の上下方向の移動がガイドされる。またガイドピン414によって、内側部410から外側部420が脱落するのを防止することができる。
【0074】
図10及び
図11に示す着脱冶具500は、規制冶具400をマウント部200に係合させた状態で、マウント部200に対するホルダ部300の着脱を行うものである。着脱冶具500は、軸線を上下方向に向けた、上下方向に長尺な略円柱形状に形成される。着脱冶具500は、規制冶具400(内側部410)の挿通孔411に挿通可能に形成される。着脱冶具500の先端部は、ホルダ部300の固定部340に形成された操作穴342に係合可能な形状に形成される。着脱冶具500の先端部を、固定部340の操作穴342に係合させた状態で、着脱冶具500を軸線回りに回転させることで、固定部340を回転させることができる。
【0075】
以上、取付装置1の構成について説明した。以下では、
図8から
図13まで参照して、上述の如き取付装置1を用いた情報取得装置Aの着脱方法について説明する。なお、以下の図では、部材同士を区別し易くするために、
図9では保護部350、
図10及び
図11では内側部410にそれぞれ色を付している。
【0076】
まず、情報取得装置Aを取り外す方法について説明する。以下では、
図1に示すように、ホルダ部300がマウント部200に取り付けられ、バルブ装置10の管路部11の内部に配置されている情報取得装置Aを取り外す例を説明する。
【0077】
情報取得装置Aを取り外す際には、作業者は、バルブボックスの外側(上側)から、規制冶具400及び着脱冶具500を用いて、マウント部200に対してホルダ部300を引き上げることで、情報取得装置Aを取り外す。この際、作業者は、まずセンサ収納部12から、センサカバー13を取り外す。
【0078】
次に、
図8(a)に示すように、作業者は、規制冶具400を降下させ、規制冶具400(内側部410)の第二挿通孔411cに、マウント部200を挿通させる(
図10を参照)。この際には、規制冶具400が、保護部350の第二突部354と干渉しないように、規制冶具400の回転方向の向きを調整する。本実施形態では、第二突部354が、内側部410のスリット410a内に位置するように、規制冶具400の回転方向の向きを調整する。
【0079】
図8(b)に示すように、規制冶具400の降下に伴い、外側部420の下端部が、マウント部200の第一突部240と当接する。この状態で更に規制冶具400を降下させることで、外側部420は、内側部410に対して上方へ相対的に移動する。
【0080】
本実施形態では、内側部410の第一挿通孔411aと第二挿通孔411cとの間の段差に、マウント部200の上端部が当接するまで、規制冶具400を降下させる(
図10を参照)。また、本実施形態では、マウント部200の上端部が上記段差に当接している状態で、
図8(c)に示すように、第一係合部412aと第一突部240との上下方向の位置が概ね一致する。また、この状態では、保護部係合部413aと第二突部354との上下方向の位置が概ね一致する。
【0081】
次に、作業者は、
図8(c)及び
図9に示すように、規制冶具400を第一回転方向(時計回り)に回転させる。これにより、第一突部240は、第一係合部412a内に位置すると共に、第一係合部412a内を回転方向に相対的に移動する。この状態では、第一突部240は、第一係合部412aにより係合され、規制冶具400(内側部410)と、マウント部200と、の上下方向における相対的な移動が規制される。
【0082】
図8(d)に示すように、規制冶具400の回転に伴い、外側部420の第二係合部421aの回転方向位置が、第一突部240に対して一致した場合には、第一突部240による外側部420の下方への移動の規制が解除され、重力により外側部420が下方に移動する。これにより、第一突部240は、第二係合部421a内を上下方向に相対的に移動する。この状態では、第一突部240は、第二係合部421aにより係合され、規制冶具400(外側部420)と、マウント部200と、の回転方向における相対的な移動が規制される。
【0083】
図10では、上述のように、規制冶具400をマウント部200に係合させた状態を示している。この状態では、上述のように、マウント部200に対する規制冶具400の上下方向及び回転方向の相対的な移動が規制される。
【0084】
次に、作業者は、
図10に示すように、規制冶具400に着脱冶具500を挿通させる。また、着脱冶具500の先端部を、ホルダ部300の固定部340に形成された操作穴342に係合させる(
図11を参照)。
【0085】
次に、作業者は、着脱冶具500を操作することで、マウント部200に対してホルダ部300を取り外す方向に固定部340を回転させる。マウント部200の雌ねじ部211に対してねじ込まれた固定部340が取り外される方向に回転することで、マウント部200に対して、ホルダ部300のうち保護部350を除く部分(軸部310、取付部320、ガイド部330及び固定部340)、及び情報取得装置Aが上昇する。
【0086】
この状態では、マウント部200の切欠き部230に沿ってガイド部330が案内されることで、上記ホルダ部300の上方への移動がガイドされる。本実施形態では、上記ガイド部330を設けたことで、上昇に伴い、ケーブル取出口331から取り出されるケーブルAcが噛み込みこまれるようなことを抑制することができる。また、上記上昇に伴い、固定部340は、マウント部200から取り外される。
【0087】
固定部340がマウント部200から取り外された後、ホルダ部300のうち保護部350を除く部分、及び情報取得装置Aは、規制冶具400側へ移動(上昇)する。上記移動は、水道管の水圧を利用した押し上げや、着脱冶具500による引き上げによって行うことができる。
【0088】
図11に示すように、固定部340がマウント部200から取り外された状態で、作業者が更に固定部340を回転させることで、固定部340は、内側部410の雌ねじ部411bに対してねじ込まれる。上記固定部340を、更に回転させることで、内側部410に対してホルダ部300及び情報取得装置Aが上昇する。
【0089】
ここで、固定部340をマウント部200から取り外した状態では、規制冶具400は、ホルダ部300を介して、水道管の水圧を受ける。本実施形態では、マウント部200に対する規制冶具400の上下方向の移動が規制されているので、ホルダ部300が水圧を受けていても、上記水圧に伴い、規制冶具400が上昇することを抑制することができる。
【0090】
また、本実施形態では、マウント部200に対する規制冶具400の回転方向の移動が規制されているので、着脱冶具500を用いた固定部340の回転に伴い、規制冶具400が回転する(共回りする)ことを抑制することができる。
【0091】
図11に示すように、作業者は、情報取得装置Aが、保護部350の内部(バルブ部120よりも上方)に位置するまで着脱冶具500の操作による上昇を行う。作業者は、この状態で、接続部100のバルブ部120を操作し止水を行う。この状態では、ホルダ部300には水圧はかからない。
【0092】
次に、作業者は、上記
図8で示した操作を逆の手順で行い、マウント部200に対する規制冶具400の規制を解除する。すなわち、外側部420を上方に移動させると共に、規制冶具400(内側部410)を第二回転方向(反時計回り)に回転させる。
【0093】
また、
図9及び
図12に示すように、作業者は、規制冶具400を更に第二回転方向(反時計回り)に回転させる。これにより、第二突部354は、保護部係合部413a内に位置すると共に、保護部係合部413a内を回転方向に相対的に移動する。この状態では、第二突部354は、保護部係合部413aにより係合され、規制冶具400(内側部410)と、保護部350と、の上下方向における相対的な移動が規制される。
【0094】
また、
図13に示すように、作業者は、上述のように保護部350を係合させた状態で、規制冶具400を引き上げる。これにより、マウント部200から、ホルダ部300及び情報取得装置Aを取り外すことができる。上記構成によれば、保護部350により情報取得装置Aを保護した状態で、情報取得装置Aを取り外すことができる。上述のように情報取得装置Aを取り外すことで、作業者は情報取得装置Aの交換等のメンテナンスを行うことができる。
【0095】
次に、情報取得装置Aを取り付ける方法について説明する。情報取得装置Aの取り付けは、上述した情報取得装置Aを取り外す方法の逆の手順により行うことができる。このため、以下では、上述した説明と重複する部分は適宜省略する。
【0096】
作業者は、
図13に示す状態のように、ホルダ部300及び情報取得装置Aが設けられた規制冶具400を、マウント部200側へ降下させ、保護部350をマウント部200に取り付ける。次に、
図9に示すように、規制冶具400を第一回転方向(時計回り)に回転させることで、マウント部200に対して規制冶具400を係合する。この状態では、マウント部200に対する規制冶具400の上下方向及び回転方向の相対的な移動が規制される。
【0097】
次に、作業者は、接続部100のバルブ部120を操作し止水を解除する。これにより、マウント部200にホルダ部300の軸部310等を挿通可能となる。
【0098】
次に、作業者は、ホルダ部300の固定部340に着脱冶具500を係合させ、固定部340を下降させるように、規制冶具400に対して固定部340をねじ込む(
図11を参照)。また、上記下降に伴い、固定部340が規制冶具400から取り外された後に、更に固定部340(ホルダ部300のうち保護部350を除く部分)を回転させることで、マウント部200に対して固定部340をねじ込む。これにより、マウント部200に対して、ホルダ部300及び情報取得装置Aを取り付けることができる(
図1及び
図10を参照)。
【0099】
上述の如き取付装置1を用いた情報取得装置Aの着脱方法によれば、規制冶具400をマウント部200に対して回転方向に相対的に移動させるだけで、マウント部200に対する規制冶具400の回転方向及び上下方向の移動を規制することができ、この状態で、着脱冶具500を用いたホルダ部300及び情報取得装置Aの着脱を容易に行うことができる。
【0100】
また、本実施形態によれば、ボルトやナット等を用いたフランジ同士の固定によりマウント部200とホルダ部300との固定を行うものとは異なり、ホルダ部300の着脱を行う際に、ボルトやナット等の締結作業等の必要がない。このため、取付装置1の小型化が可能となり、省スペース化を図ることができる。また、これにより、バルブボックス内等の狭いスペースでも、ホルダ部300の着脱を容易に行うことができる。
【0101】
以上の如く、本実施形態に係る取付装置1は、
流体が流通する管路(管路部11)内の情報を取得する情報取得装置Aを取付可能な取付装置であって、
前記管路(管路部11)に取り付けられ、前記管路(管路部11)に形成された開口部11bと連通する貫通孔210を有するマウント部200と、
前記貫通孔210に挿通されることで、前記マウント部200に脱着可能に取り付けられ、前記情報取得装置Aが取り付けられるホルダ部300と、
前記マウント部200に対する前記ホルダ部300の脱着に用いられる冶具(規制冶具400)と、
を具備し、
前記規制冶具400は、
前記マウント部200に係合することで、前記マウント部200に対して、前記開口部11bの軸線方向における相対的な移動が規制される第一規制部(第一マウント規制部412)と、
前記マウント部200に係合することで、前記マウント部200に対して、前記開口部11bの軸線回りの回転方向における相対的な移動が規制される第二規制部(第二マウント規制部421)と、
を具備し、
前記規制冶具400を前記マウント部200に対して前記回転方向に相対的に移動させることで、前記第一マウント規制部412及び前記第二マウント規制部421を前記マウント部200に対して係合可能であるものである。
このように構成することにより、情報取得装置Aの着脱を好適に行うことができる。すなわち、規制冶具400をマウント部200に対して回転方向に相対的に移動させるだけで、規制冶具400に対するマウント部200の回転方向及び軸線方向の移動を規制することができ、この状態で、規制冶具400を用いたマウント部200に対するホルダ部300の着脱を容易に行うことができる。
【0102】
また、前記マウント部200は、
外側に突出する第一突部240を有し、
前記第一マウント規制部412は、
前記回転方向に開口すると共に、前記第一マウント規制部412が前記回転方向に移動することで、前記第一突部240に係合可能な第一係合部412aを有し、
前記第二マウント規制部421は、
下側に開口すると共に、前記第一突部240に対する前記回転方向の位置が一致した場合に、前記第二マウント規制部421が下方に移動することで前記第一突部240に係合可能な第二係合部421aを有するものである。
このように構成することにより、第一係合部412a及び第二係合部421aを第一突部240に係合させることで、マウント部200に対する規制冶具400の上下方向及び回転方向の移動を規制することができる。
【0103】
また、前記ホルダ部300は、
所定の操作により、前記マウント部200に脱着可能に固定される固定部340を具備し、
前記規制冶具400は、
前記マウント部200から取り外された前記固定部340が、脱着可能に固定される被固定部(第一挿通孔411a)を具備するものである。
このように構成することにより、規制冶具400に対してホルダ部300を固定させて、容易にホルダ部300を取り外すことができる。
【0104】
また、本実施形態に係る取付装置1は、
前記マウント部200には、前記軸線方向に延びる切欠き部230が形成され、
前記ホルダ部300は、
前記情報取得装置Aが取り付けられ、前記情報取得装置AのケーブルAcを内部に配線可能な軸部310と、
前記軸部310に設けられ、前記切欠き部230に沿って案内されるガイド部330と、
前記軸部310の内部の前記ケーブルAcを前記ホルダ部300の外部に取り出し可能なケーブル取出口331と、
を具備するものである。
このように構成することにより、ガイド部330が切欠き部230に案内されることで、情報取得装置Aの位置決めを行うことができる。また、ガイド部330により、ケーブルAcの噛み込みを抑制することができる。
【0105】
また、前記ホルダ部300は、
前記情報取得装置Aが取り付けられる軸部310と、
前記マウント部200の貫通孔210内に配置されると共に、前記軸部310及び前記情報取得装置Aが挿通される挿通孔351が形成され、前記情報取得装置Aを保護可能な保護部350と、
を具備するものである。
このように構成することにより、保護部350を設けたことで、ホルダ部300の脱着時に情報取得装置Aがマウント部200等に接触することを抑制することができる。
【0106】
また、前記規制冶具400は、
前記保護部350に係合した状態で、前記保護部350に対する前記軸線方向の相対的な移動を規制する第三規制部(保護部規制部413)を具備し、
前記マウント部200に対する前記第一マウント規制部412及び前記第二マウント規制部421の係合が解除された状態で、前記規制冶具400を前記保護部350に対して前記回転方向に相対的に移動させることで、前記保護部規制部413を前記保護部350に対して係合可能であるものである。
このように構成することにより、規制冶具400を保護部350に対して回転方向に相対的に移動させるだけで、規制冶具400に対する保護部350の軸線方向の相対的な移動を規制することができ、この状態で、規制冶具400を用いた保護部350の着脱を容易に行うことができる。
【0107】
また、前記保護部350は、
前記マウント部200よりも外側に突出する第二突部354を具備し、
前記保護部規制部413は、
前記回転方向に開口すると共に、前記保護部規制部413が前記回転方向に移動することで、前記第二突部354に係合可能な第三係合部(保護部係合部413a)を有するものである。
このように構成することにより、保護部係合部413aを第二突部354に係合させることで、規制冶具400に対する保護部350の軸線方向の相対的な移動を規制することができる。
【0108】
また、前記第二突部354は、
前記管路(管路部11)内の流体の圧力を取出し可能な圧力取出口354aを有するものである。
このように構成することにより、第二突部354を、流体の圧力を取り出す部分として利用することができる。
【0109】
また、本実施形態に係る情報取得装置Aの着脱方法は、
本実施形態に係る取付装置1を用いた情報取得装置Aの着脱方法であって、
前記規制冶具400を前記マウント部200に対して前記回転方向に回転させることで、前記第一マウント規制部412及び前記第二マウント規制部421を前記マウント部200に対して係合させ、
前記第一マウント規制部412及び前記第二マウント規制部421を前記マウント部200に係合させた状態で、前記マウント部200に対する前記ホルダ部300の脱着を行う、ものである。
このように構成することにより、情報取得装置Aの着脱を好適に行うことができる。
【0110】
なお、本実施形態に係る規制冶具400は、本発明に係る冶具の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一マウント規制部412は、本発明に係る第一規制部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第二マウント規制部421は、本発明に係る第二規制部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一挿通孔411aは、本発明に係る被固定部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る保護部規制部413は、本発明に係る第三規制部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る保護部係合部413aは、本発明に係る第三係合部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る管路部11は、本発明に係る管路の実施の一形態である。
【0111】
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0112】
例えば、本実施形態で示した取付装置1の形状等は一例であり、上述した例に限定されず、適宜変更可能である。特に、規制冶具400(内側部410、外側部420)の形状は、上述した例に限定されず、第一突部240に係合可能な種々の形状を採用可能である。
【0113】
また、本実施形態では、規制冶具400に保護部規制部413を設けた例を示したが、このような態様に限定されない。例えば、保護部規制部413を設けないようにしてもよい。また、この場合は、取付装置1に保護部350を設けないようにしてもよい。
【0114】
また、本実施形態では、情報取得装置Aを、板部Aaの表面にひずみゲージAbを設けた構成としたが、このような態様に限られない。情報取得装置Aとしては、任意の構成を採用可能である。
【0115】
また、本実施形態では、情報取得装置Aを、水道管内の水の流速を取得するものとしたが、このような態様に限られない。例えば、情報取得装置Aにより配管内の圧力や温度、振動、音、画像(映像)、濁度等、その他種々の情報を取得してもよい。
【0116】
ここで、配管内の温度や画像(映像)、濁度を取得する場合には、本実施形態に係る情報取得装置Aに代えて、又は加えて、ホルダ部300の先端に温度計やカメラ、濁度計を用いるようにしてもよい。
【0117】
また、本実施形態では、情報取得装置Aを、バルブ装置10の管路部11内に位置するように設けた例を示したが、このような態様に限られない。例えば情報取得装置Aを、配管(水道管等)の管路内に位置するように設けるようにしてもよい。
【0118】
また、本実施形態では、取付装置1をバルブ装置10に取り付けた例を示したが、このような態様に限られない。例えば取付装置1を、配管(水道管等)に設けられた分水栓等に取り付けるようにしてもよい。
【0119】
また、本実施形態では、取付装置1が設置される配管として、水道管を採用した例を示したが、このような態様に限られない。取付装置1は、例えば他の金属管や、樹脂により形成された配管(樹脂管)等、流体が流通する種々の配管(管路)に設置可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 取付装置
100 接続部
200 マウント部
300 ホルダ部
400 規制冶具
500 着脱冶具
A 情報取得装置