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特開2024-66778エレベータかご、エレベータ及び接続具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066778
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】エレベータかご、エレベータ及び接続具
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
B66B11/02 H
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176463
(22)【出願日】2022-11-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 佳祐
【テーマコード(参考)】
3F306
【Fターム(参考)】
3F306AA01
3F306CA15
3F306CA16
(57)【要約】
【課題】 第1の厚みである側板同士でも、第2の厚みである側板同士でも、共通の接続具で挟むことができるエレベータかごを提供する。
【解決手段】 エレベータかごは、第1横方向に並べられるパネルと、パネルの側板同士を接続する接続具と、を備え、接続具は、側板同士を第1横方向で挟む第1及び第2挟み部と第3及び第4挟み部とを備え、第1及び第2挟み部間の第1横方向の距離は、第3及び第4挟み部間の第1横方向の距離と、異なる。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1横方向に並べられるパネルと、
前記パネルの側板同士を接続する接続具と、を備え、
前記接続具は、前記側板同士を前記第1横方向で挟む第1及び第2挟み部と第3及び第4挟み部とを備え、
前記第1及び第2挟み部間の前記第1横方向の距離は、前記第3及び第4挟み部間の前記第1横方向の距離と、異なる、エレベータかご。
【請求項2】
前記第1挟み部及び前記第3挟み部は、共通の平面で構成される、請求項1に記載のエレベータかご。
【請求項3】
前記接続具は、一つの前記側板を前記第1横方向で挟む第5及び第6挟み部と第7及び第8挟み部とを備え、
前記第5及び第6挟み部間の前記第1横方向の距離は、前記第7及び第8挟み部間の前記第1横方向の距離と、異なる、請求項1に記載のエレベータかご。
【請求項4】
前記側板は、前記接続具に対して上下方向へ移動することによって前記接続具に連結されるために、前記接続具の一部が挿入される挿入孔を備え、
前記第5~第8挟み部のそれぞれは、上下方向へ延びる、請求項3に記載のエレベータかご。
【請求項5】
前記第5挟み部及び前記第7挟み部は、共通の平面で構成される、請求項3又は4に記載のエレベータかご。
【請求項6】
請求項1~4の何れか1項に記載のエレベータかごを備える、エレベータ。
【請求項7】
請求項1~4の何れか1項に記載のエレベータかごに用いられる、接続具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータかご、エレベータ及び接続具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータかごは、第1横方向に並べられるパネルと、パネルの側板同士を接続する接続具とを備えている。そして、接続具は、側板同士を第1横方向で挟む第1及び第2挟み部を備えている(例えば、特許文献1)。ところで、パネルの側板の厚みが複数存在するため、当該厚み専用の接続具が用いられることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-280118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、第1の厚みである側板同士でも、第2の厚みである側板同士でも、共通の接続具で挟むことができるエレベータかご、エレベータ及び接続具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エレベータかごは、第1横方向に並べられるパネルと、前記パネルの側板同士を接続する接続具と、を備え、前記接続具は、前記側板同士を前記第1横方向で挟む第1及び第2挟み部と第3及び第4挟み部とを備え、前記第1及び第2挟み部間の前記第1横方向の距離は、前記第3及び第4挟み部間の前記第1横方向の距離と、異なる。
【0006】
エレベータは、前記のエレベータかごを備える。
【0007】
接続具は、前記のエレベータかごに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るエレベータの概要図
図2】同実施形態に係るエレベータかごの分解斜視図
図3】同実施形態に係るエレベータかごの構成要素の分解斜視図であって、パネルが、第1の厚みである第1及び第2側板を備える図
図4】同実施形態に係るエレベータかごの構成要素の分解斜視図であって、パネルが、第2の厚みである第3及び第4側板を備える図
図5】同実施形態に係る接続具の斜視図
図6】同接続具の斜視図
図7】同接続具の正面図
図8】同接続具の平面図
図9】同接続具の底面図
図10】接続具が第1側板に連結される工程を示す斜視図
図11図10の状態から接続具が第1側板に連結された状態を示す斜視図
図12図11の状態の正面図
図13図12のXIII-XIII線断面図
図14図13のXIV-XIV線断面図
図15】第1側板が挟み部に挟まれる領域を示す図
図16】第2側板が接続具に連結される工程を示す斜視図
図17図16の状態から第2側板が接続具に連結された状態を示す斜視図
図18図17の状態の正面図
図19図18のXIX-XIX線断面図
図20図19のXX-XX線断面図
図21】第1側板が挟み部に挟まれる領域を示す図
図22】第2側板が挟み部に挟まれる領域を示す図
図23】接続具が第3側板に連結された状態を示す正面図
図24図23のXXIV-XXIV線断面図
図25図24のXXV-XXV線断面図
図26】第3側板が挟み部に挟まれる領域を示す図
図27】第4側板が接続具に連結された状態を示す正面図
図28図27のXXVIII-XXVIII線断面図
図29図28のXXIX-XXIX線断面図
図30】第3側板が挟み部に挟まれる領域を示す図
図31】第4側板が挟み部に挟まれる領域を示す図
図32】他の実施形態に係る接続具の図((a):平面図、(b)正面図、(c):底面図)
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0010】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0011】
以下、エレベータ、エレベータかご及び接続具における一実施形態について、図1図31を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、エレベータ、エレベータかご及び接続具の構成等の理解を助けるために例示するものであり、エレベータ、エレベータかご及び接続具の構成を限定するものではない。
【0012】
図1に示すように、エレベータ1は、例えば、人(乗客)が乗るためのエレベータかご(以下、単に「かご」ともいう)2と、かご2を走行させるかご駆動部3と、かご2を案内するかごレール4と、エレベータ1の各部を制御する処理部1aとを備えていてもよい。なお、かご駆動部3の駆動方式は、特に限定されない。
【0013】
例えば、本実施形態のように、エレベータ1は、第1端部がかご2に接続されるかごロープ5と、かごロープ5の第2端部に接続される釣合錘6と、釣合錘6を案内する錘レール7とを備えていてもよい。かご駆動部3は、例えば、本実施形態のように、かごロープ5が巻き掛けられる綱車3aと、綱車3aを回転させる駆動源3b(例えば、モータ)とを備えていてもよい。
【0014】
即ち、かご駆動部3は、巻上機であって、エレベータ1は、ロープ式の駆動方式である、という構成でもよい。また、例えば、かご駆動部3は、油圧装置であり、エレベータ1は、油圧式の駆動方式である、という構成でもよい。また、例えば、かご駆動部3は、リニアモータであって、エレベータ1は、リニアモータ式の駆動方式である、という構成でもよい。
【0015】
また、本実施形態においては、かごロープ5の第1端部がかご2に接続され、かごロープ5の第2端部が釣合錘6に固定されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、かごロープ5の両端部がそれぞれ昇降路X1の上部又は下部に固定され、かごロープ5がかご2のシーブ及び釣合錘6のシーブにそれぞれ巻き掛けられることによって、かごロープ5がかご2及び釣合錘6にそれぞれ接続されている、という構成でもよい。
【0016】
また、本実施形態に係るエレベータ1は、かご駆動部3である巻上機を機械室X2の内部に配置する、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、機械室X2が備えられておらず、エレベータ1は、巻上機を昇降路X1の内部に配置する、という構成でもよい。
【0017】
図2図4に示すように、かご2は、例えば、かご天井2aと、かご床2bと、かご側面を構成する複数のパネル8と、パネル8,8同士を接続する接続具20とを備えていてもよい。なお、図3及び図4図5以降も同様)においては、第1方向D1は、二つのパネル8,8が並べられる横方向である第1横方向D1であり、第2方向D2は、第1横方向D1と直交する横方向である第2横方向であり、第3方向D3は、上下方向である。
【0018】
図3及び図4に示すように、パネル8は、例えば、かご側面を構成する本板8aと、本板8aの端部から第2横方向D2へ突出する側板11,12,13,14と、側板11,12,13,14の端部から第1横方向D1へ突出するカバー板8bとを備えていてもよい。これにより、本板8a及びカバー板8bは、第1横方向D1及び上下方向D3に沿って配置され、側板11,12,13,14は、第2横方向D2及び上下方向D3に沿って配置されている。
【0019】
なお、図3及び図4図10図31も同様)においては、パネル8は、一部のみを図示されている。また、図3及び図4においては、カバー板8bは、二点鎖線で図示されており、以降の図(具体的には、図10図31)においては、カバー板8bは、図示されていない。また、図3及び図4においては、接続具20は、一つのみ図示されているが、二つのパネル8,8は、例えば、一つの接続具20で接続されていてもよく、また、例えば、上下方向D3に並べられる複数の接続具20で接続されていてもよい。
【0020】
ところで、側板11,12,13,14には、例えば、1.2mm、1.5mm及び1.6mm等のように、複数の厚みT1,T2が存在している。特に限定されないが、例えば、図3に示すように、第1の厚みT1である第1及び第2側板11,12が存在しており、また、例えば、図4に示すように、第1の厚みT1よりも厚い第2の厚みT2である第3及び第4側板13,14が存在している。
【0021】
それに対して、接続具20は、例えば、第1の厚みT1である側板11,12同士でも、第2の厚みT2である側板13,14同士でも、挟むことができるように、構成されている。これにより、第1の厚みT1である側板11,12同士でも、第2の厚みT2である側板13,14同士でも、共通の接続具20によって、接続することができる。
【0022】
なお、図3及び図4に示すように、側板11,12,13,14は、例えば、接続具20に挿入される挿入孔11a,12a,13a,14aを備えていてもよい。そして、挿入孔11a,12a,13a,14aは、例えば、本実施形態のように、上孔11b,12b,13b,14bと、上孔11b,12b,13b,14bと連通する下孔11c,12c,13c,14cとを備えていてもよい。
【0023】
第1及び第3挿入孔11a,13aにおいては、上孔11b,13bの幅は、例えば、本実施形態のように、下孔11c,13cの幅よりも、広くてもよい。特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第1上孔11b及び第3上孔13bにおいては、幅及び高さは、それぞれ同じであってもよい。また、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第1下孔11c及び第3下孔13cの高さは、同じであり、第1下孔11cの幅は、第3下孔13cの幅よりも狭い、という構成でもよい。
【0024】
第2及び第4挿入孔12a,14aにおいては、上孔12b,14bの幅は、例えば、本実施形態のように、下孔12c,14cの幅よりも、狭くてもよい。特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第2上孔12b及び第4上孔14bの高さは、同じであり、第2上孔12bの幅は、第4上孔14bの幅よりも狭い、という構成でもよい。また、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第2下孔12c及び第4下孔14cにおいては、幅及び高さは、それぞれ同じであってもよい。
【0025】
ここで、接続具20の構成について、図5図9を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、接続具20の構成等の理解を助けるために例示するものであり、接続具20の構成を限定するものではない。
【0026】
図5図9に示すように、接続具20は、例えば、第1及び第2側板11,12同士を第1横方向D1で挟む第1及び第2挟み部21,22と、第3及び第4側板13,14同士を第1横方向D1で挟む第3及び第4挟み部23,24と、第1側板11のみを第1横方向D1で挟む第5及び第6挟み部25,26と、第3側板13のみを第1横方向D1で挟む第7及び第8挟み部27,28とを備えていてもよい。
【0027】
これにより、第1及び第2挟み部21,22間の第1横方向D1の第1距離W1は、第3及び第4挟み部23,24間の第1横方向D1の第2距離W2と、異なっており、第5及び第6挟み部25,26間の第1横方向D1の第3距離W3は、第7及び第8挟み部27,28間の第1横方向D1の第4距離W4と、異なっている。具体的には、第1距離W1は、第2距離W2よりも、小さく、第3距離W3は、第4距離W4よりも、小さくなっている。
【0028】
特に限定されないが、例えば、第1距離W1は、第1の厚みT1(図3参照)の2倍に0.1mm~0.5mmを加えた距離としてもよく、また、例えば、第2距離W2は、第2の厚みT2(図4参照)の2倍に0.1mm~0.5mmを加えた距離としてもよく、また、例えば、第3距離W3は、第1の厚みT1に0.1mm~0.5mmを加えた距離としてもよく、また、例えば、第4距離W4は、第2の厚みT2に0.1mm~0.5mmを加えた距離としてもよい。
【0029】
また、接続具20は、例えば、本実施形態のように、第1、第3、第5、及び第7挟み部21,23,25,27を有する第1本体部31と、第2、第4、第6、及び第8挟み部22,24,26,28を有する第2本体部32と、第1本体部31と第2本体部32との間に配置され、第1本体部31及び第2本体部32にそれぞれ連結される連結部33とを備えてもよい。
【0030】
第1本体部31は、例えば、本実施形態のように、第2本体部32と第1横方向D1で対面する平面31aを備えていてもよい。これにより、平面31aは、第2横方向D2及び上下方向D3に沿って配置されている。
【0031】
そして、第1、第3、第5、及び第7挟み部21,23,25,27は、例えば、本実施形態のように、第1本体部31の平面31aで構成されていてもよい。これにより、第1、第3、第5、及び第7挟み部21,23,25,27は、互いに面一となるように配置されている。
【0032】
したがって、平面31aは、第1の厚みT1(図3参照)である第1及び第2側板11,12同士を挟むときも、第2の厚みT2(図4参照)である第3及び第4側板13,14同士を挟むときも、挟み部21,23として機能する。また、平面31aは、第1の厚みT1である第1側板11のみを挟むときも、第2の厚みT2である第3側板13のみを挟むときも、挟み部25,27として機能する。
【0033】
一方、第2、第4、第6、第8挟み部22,24,26,28のそれぞれは、例えば、本実施形態のように、平面に形成されていてもよい。そして、第2挟み部22と第4挟み部24とは、例えば、本実施形態のように、階段状に形成されていてもよく、また、第6挟み部26と第8挟み部28とは、例えば、本実施形態のように、階段状に形成されていてもよい。
【0034】
また、例えば、本実施形態のように、第1挟み部21は、第3挟み部23と、第2横方向D2で並べられており、第5挟み部25は、第7挟み部27と、第2横方向D2で並べられている、という構成でもよい。これにより、第2挟み部22は、第4挟み部24と、第2横方向D2で並べられており、第6挟み部26は、第8挟み部28と、第2横方向D2で並べられている。
【0035】
また、例えば、本実施形態のように、第1挟み部21は、第5挟み部25と、上下方向D3で並べられており、第3挟み部23は、第7挟み部27と、上下方向D3で並べられている、という構成でもよい。これにより、第2挟み部22は、第6挟み部26と、上下方向D3で並べられており、第4挟み部24は、第8挟み部28と、上下方向D3で並べられている。
【0036】
そして、例えば、本実施形態のように、各挟み部21~28は、第2横方向D2及び上下方向D3に沿って配置され、上下方向D3へ延びている、という構成でもよい。特に限定されないが、各挟み部21~28においては、高さ(上下方向D3の寸法)は、例えば、幅(第2横方向D2)の2倍以上としてもよく、また、例えば、幅の5倍以上としてもよい。
【0037】
第2本体部32の面積は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2視において、第1本体部31の面積よりも、大きくてもよい。そして、第2本体部32は、例えば、本実施形態のように、指(特に、親指と人差し指)で把持されるための凹み32aと、凹み32aの上に配置される上突起32bと、凹み32aの下に配置される下突起32cとを備えていてもよい。
【0038】
なお、特に限定されないが、接続具20は、変形しないように、剛性を有しており、例えば、金属や硬質樹脂等で形成されていてもよい。これにより、例えば、接続具20が熱膨張等しない限り、各挟み部21~28間の第1横方向D1の距離W1~W4は、不変であり、一定である。
【0039】
次に、第1の厚みT1(図3参照)である第1及び第2側板11,12を接続具20で接続する方法について、図10図22を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、側板11,12を接続具20で接続する方法等の理解を助けるために例示するものであり、側板11,12を接続具20で接続する方法を限定するものではない。
【0040】
図10に示すように、接続具20が第1側板11に対して移動されることによって、第1本体部31は、第1側板11の第1上孔11bを通過する。そして、図11に示すように、接続具20が、第1側板11に対して下方へ移動することによって、接続具20の連結部33が、第1下孔11cの内部に配置される。
【0041】
このとき、親指と人差し指が凹み32aに嵌まることによって、第2本体部32を容易に把持することができる。しかも、接続具20を第1側板11に対して上下方向D3へ移動させるときに、上突起32bや下突起32cに指が引っ掛かるため、接続具20を容易に操作することができる。
【0042】
また、接続具20の連結部33が、第1下孔11cの内部に配置されることによって、図12図14に示すように、第5及び第6挟み部25,26は、第1側板11を第1横方向D1で挟む。これにより、第1側板11に接続具20を保持させることができる。したがって、例えば、接続具20から手を離して、次の操作を行うこともできる。なお、図12図14図18図20図23図25及び図27図29も同様)においては、本板8aは、図示されていない。
【0043】
そして、第5及び第6挟み部25,26が上下方向D3へ延びているため、図15に示すように、第1側板11のうち、第5及び第6挟み部25,26で挟まれる領域S1(破線で図示している)は、上下方向D3へ延びている。これにより、接続具20が第1側板11に対して第2横方向D2を軸にして揺動することを抑制することができる。
【0044】
その後、図16に示すように、第2側板12が、接続具20及び第1側板11に対して移動されることによって、第2本体部32は、第2側板12の第2下孔12cを通過する。このとき、第2側板12が接続具20に当たる場合もあるが、接続具20が第1側板11に対して第2横方向D2を軸にして揺動することを抑制することができているため、第2側板12を接続具20に容易に連結させることができる。
【0045】
そして、図17に示すように、第2側板12が、接続具20及び第1側板11に対して下方へ移動することによって、接続具20の連結部33(図16参照)が、第2上孔12b(図16参照)の内部に配置される。これにより、図18図20に示すように、第1及び第2挟み部21,22は、第1及び第2側板11,12同士を第1横方向D1で挟む。したがって、接続具20は、第1及び第2側板11,12を接続する。
【0046】
なお、第1及び第2挟み部21,22が上下方向D3へ延びているため、図21に示すように、第1側板11のうち、第1及び第2挟み部21,22で挟まれる領域S2(破線で図示している)は、上下方向D3へ延びており、また、図22に示すように、第2側板12のうち、第1及び第2挟み部21,22で挟まれる領域S3(破線で図示している)は、上下方向D3へ延びている。
【0047】
次に、第2の厚みT2(図4参照)である第3及び第4側板13,14を接続具20で接続する方法について、図23図31を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、側板13,14を接続具20で接続する方法等の理解を助けるために例示するものであり、側板13,14を接続具20で接続する方法を限定するものではない。
【0048】
例えば、接続具20が第3側板13に対して移動されることによって、接続具20の連結部33が、第3下孔13cの内部に配置される(図10及び図11参照)。これにより、図23図25に示すように、第7及び第8挟み部27,28は、第3側板13を第1横方向D1で挟む。これにより、第3側板13に接続具20を保持させることができる。
【0049】
そして、第7及び第8挟み部27,28が上下方向D3へ延びているため、図26に示すように、第3側板13のうち、第7及び第8挟み部27,28で挟まれる領域S4(破線で図示している)は、上下方向D3へ延びている。これにより、接続具20が第3側板13に対して第2横方向D2を軸にして揺動することを抑制することができる。
【0050】
その後、第4側板14が、接続具20及び第3側板13に対して移動されることによって、接続具20の連結部33が、第4上孔14bの内部に配置される(図16及び図17参照)。これにより、図27図29に示すように、第3及び第4挟み部23,24は、第3及び第4側板13,14同士を第1横方向D1で挟む。したがって、接続具20は、第3及び第4側板13,14を接続する。
【0051】
なお、第3及び第4挟み部23,24が上下方向D3へ延びているため、図30に示すように、第3側板13のうち、第3及び第4挟み部23,24で挟まれる領域S5(破線で図示している)は、上下方向D3へ延びており、また、図31に示すように、第4側板14のうち、第3及び第4挟み部23,24で挟まれる領域S6(破線で図示している)は、上下方向D3へ延びている。
【0052】
このように、第1の厚みT1(図3参照)である第1及び第2側板11,12同士でも、第2の厚みT2(図4参照)である第3及び第4側板13,14同士でも、共通の接続具20で挟むことができる。したがって、第1の厚みT1である第1及び第2側板11,12同士でも、第2の厚みT2である第3及び第4側板13,14同士でも、共通の接続具20で接続することができる。
【0053】
[1]
以上より、エレベータかご2は、本実施形態のように、第1横方向D1に並べられるパネル8と、前記パネル8の側板11,12(13,14)同士を接続する接続具20と、を備え、前記接続具20は、前記側板11,12(13,14)同士を前記第1横方向D1で挟む第1及び第2挟み部21,22と第3及び第4挟み部23,24とを備え、前記第1及び第2挟み部21,22間の前記第1横方向D1の距離W1は、前記第3及び第4挟み部23,24間の前記第1横方向D1の距離W2と、異なる、という構成が好ましい。
【0054】
斯かる構成によれば、第1及び第2挟み部21,22は、第1の厚みT1である側板11,12同士を第1横方向D1で挟み、そして、第3及び第4挟み部23,24は、第2の厚みT2である側板13,14同士を第1横方向D1で挟む。これにより、第1の厚みT1である側板11,12同士でも、第2の厚みT2である側板13,14同士でも、共通の接続具20で挟むことができる。
【0055】
[2]
また、上記[1]のエレベータかご2においては、本実施形態のように、前記第1挟み部21及び前記第3挟み部23は、共通の平面31aで構成される、という構成が好ましい。
【0056】
斯かる構成によれば、第1挟み部21及び第3挟み部23が、共通の平面31aで構成されているため、共通の平面31aは、第1の厚みT1である側板11,12同士を挟むときも、第2の厚みT2である側板13,14同士を挟むときも、挟み部21,23として機能する。
【0057】
[3]
また、上記[1]又は[2]のエレベータかご2においては、本実施形態のように、前記接続具20は、一つの前記側板11(13)を前記第1横方向D1で挟む第5及び第6挟み部25,26と第7及び第8挟み部27,28とを備え、前記第5及び第6挟み部25,26間の前記第1横方向D1の距離W3は、前記第7及び第8挟み部27,28間の前記第1横方向D1の距離W4と、異なる、という構成が好ましい。
【0058】
斯かる構成によれば、第5及び第6挟み部25,26は、第1の厚みT1である一つの側板11を第1横方向D1で挟み、そして、第7及び第8挟み部27,28は、第2の厚みT2である一つの側板13を第1横方向D1で挟む。これにより、第1の厚みT1である側板11でも、第2の厚みT2である側板13でも、接続具20を保持させることができる。
【0059】
[4]
また、上記[3]のエレベータかご2においては、本実施形態のように、前記側板12,14は、前記接続具20に対して上下方向D3へ移動することによって前記接続具20に連結されるために、前記接続具20の一部が挿入される挿入孔12a,14aを備え、前記第5~第8挟み部25~28のそれぞれは、上下方向D3へ延びる、という構成が好ましい。
【0060】
斯かる構成によれば、接続具20が一方の側板11,13に保持されているときに、第5~第8挟み部25~28は、一方の側板11,13を上下方向D3へ延びる領域S1,S4で保持している。これにより、他方の側板12,14が接続具20に対して上下方向D3へ移動されることによって、他方の側板12,14が接続具20に連結されるときに、接続具20が一方の側板11,13に対して第2横方向D2を軸にして揺動することを抑制することができる。
【0061】
[5]
また、上記[3]又は[4]のエレベータかご2においては、本実施形態のように、前記第5挟み部25及び前記第7挟み部27は、共通の平面31aで構成される、という構成が好ましい。
【0062】
斯かる構成によれば、第5挟み部25及び第7挟み部27が、共通の平面31aで構成されているため、共通の平面31aは、第1の厚みT1である側板11を挟むときも、第2の厚みT2である側板13を挟むときも、挟み部25,27として機能する。
【0063】
[6]
また、エレベータ1は、本実施形態のように、上記[1]~[5]の何れか一つのエレベータかご2を備える、という構成が好ましい。
【0064】
斯かる構成によれば、第1の厚みT1である側板11,12同士でも、第2の厚みT2である側板13,14同士でも、共通の接続具20で挟むことができる。
【0065】
[7]
また、接続具20は、本実施形態のように、上記[1]~[5]の何れか一つのエレベータかご2に用いられる、という構成が好ましい。
【0066】
斯かる構成によれば、第1の厚みT1である側板11,12同士でも、第2の厚みT2である側板13,14同士でも、共通の接続具20で挟むことができる。
【0067】
なお、エレベータ1、エレベータかご2及び接続具20は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1、エレベータかご2及び接続具20は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0068】
(A)上記実施形態に係るエレベータかご2においては、第1及び第3挟み部21,23と、第2及び第4挟み部22,24と、第5及び第7挟み部25,27と、第6及び第8挟み部26,28とは、それぞれ第2横方向D2で並べられている、という構成である。しかしながら、エレベータかご2は、斯かる構成に限られない。
【0069】
例えば、図32に示すように、第1及び第3挟み部21,23と、第2及び第4挟み部22,24と、第5及び第7挟み部25,27と、第6及び第8挟み部26,28とは、それぞれ上下方向D3で並べられている、という構成でもよい。なお、特に限定されないが、例えば、図32においては、第3、第1、第5及び第7挟み部23,21,25,27は、その順番で、上下方向D3で並べられ、第4、第2、第6及び第8挟み部24,22,26,28は、その順番で、上下方向D3で並べられている。
【0070】
(B)また、上記実施形態に係るエレベータかご2においては、接続具20は、側板11,12(13,14)同士を挟む一対の挟み部21,22(23,24)を、二組備えており、二組の一対の挟み部21,22(23,24)間の第1横方向D1の距離W1,W2は、それぞれ異なる、という構成である。しかしながら、エレベータかご2は、斯かる構成に限られない。例えば、接続具20は、側板同士を挟む一対の挟み部を、三組以上備えており、三組以上の一対の挟み部間の第1横方向D1の距離は、それぞれ異なる、という構成でもよい。
【0071】
(C)また、上記実施形態に係るエレベータかご2においては、接続具20は、一つの側板11,13を第1横方向D1で挟む第5及び第6挟み部25,26と第7及び第8挟み部27,28とを備えている、という構成である。しかしながら、エレベータかご2は、斯かる構成に限られない。例えば、接続具20は、第5~第8挟み部25~28を備えていない、即ち、一つの側板11,13のみを第1横方向D1で挟む挟み部25~28を備えていない、という構成でもよい。
【0072】
(D)また、上記実施形態に係るエレベータかご2においては、各挟み部21~28のそれぞれは、上下方向D3へ延びている(上下方向D3の寸法が、第2横方向D2の寸法よりも、大きい)、という構成である。しかしながら、エレベータかご2は、斯かる構成に限られない。例えば、複数の挟み部21~28のうち、少なくとも一つは、第2横方向D2へ延びている(第2横方向D2の寸法が、上下方向D3の寸法よりも、大きい)、という構成でもよい。
【0073】
(E)また、上記実施形態に係るエレベータかご2においては、第1挟み部21及び第3挟み部23は、共通の平面31aで構成される、という構成である。しかしながら、エレベータかご2は、斯かる構成に限られない。例えば、第1挟み部21と第3挟み部23とは、階段状に形成され、且つ、第2挟み部22と第4挟み部24とは、階段状に形成されている、という構成でもよい。
【0074】
(F)また、上記実施形態に係るエレベータかご2においては、第5挟み部25及び第7挟み部27は、共通の平面31aで構成される、という構成である。しかしながら、エレベータかご2は、斯かる構成に限られない。例えば、第5挟み部25と第7挟み部27とは、階段状に形成され、且つ、第6挟み部26と第8挟み部28とは、階段状に形成されている、という構成でもよい。
【0075】
(G)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0076】
1…エレベータ、1a…処理部、2…エレベータかご、2a…かご天井、2b…かご床、3…かご駆動部、3a…綱車、3b…駆動源、4…かごレール、5…かごロープ、6…釣合錘、7…錘レール、8…パネル、8a…本板、8b…カバー板、11…第1側板、11a…第1挿入孔、11b…第1上孔、11c…第1下孔、12…第2側板、12a…第2挿入孔、12b…第2上孔、12c…第2下孔、13…第3側板、13a…第3挿入孔、13b…第3上孔、13c…第3下孔、14…第4側板、14a…第4挿入孔、14b…第4上孔、14c…第4下孔、20…接続具、21…第1挟み部、22…第2挟み部、23…第3挟み部、24…第4挟み部、25…第5挟み部、26…第6挟み部、27…第7挟み部、28…第8挟み部、31…第1本体部、31a…平面、32…第2本体部、32a…凹み、32b…上突起、32c…下突起、33…連結部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、X1…昇降路、X2…機械室
図1
図2
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図32
【手続補正書】
【提出日】2023-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1横方向に並べられるパネルと、
前記パネルの側板同士を接続する接続具と、を備え、
前記接続具は、前記側板同士を前記第1横方向で挟む第1及び第2挟み部と第3及び第4挟み部とを備え、
前記第1及び第2挟み部間の前記第1横方向の距離は、前記第3及び第4挟み部間の前記第1横方向の距離と、異なり、
前記接続具は、前記側板同士のうち一つの側板のみを前記第1横方向で挟む第5及び第6挟み部と第7及び第8挟み部とを備え、
前記第5及び第6挟み部間の前記第1横方向の距離は、前記第7及び第8挟み部間の前記第1横方向の距離と、異なる、エレベータかご。
【請求項2】
前記第1挟み部及び前記第3挟み部は、共通の平面で構成される、請求項1に記載のエレベータかご。
【請求項3】
前記側板は、前記接続具に対して上下方向へ移動することによって前記接続具に連結されるために、前記接続具の一部が挿入される挿入孔を備え、
前記第5~第8挟み部のそれぞれにおいて、上下方向の寸法は、前記第1横方向と直交する横方向である第2横方向の寸法よりも、大きい、請求項に記載のエレベータかご。
【請求項4】
前記第5挟み部及び前記第7挟み部は、共通の平面で構成される、請求項に記載のエレベータかご。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載のエレベータかごを備える、エレベータ。
【請求項6】
請求項1~4の何れか1項に記載のエレベータかごに用いられる、接続具。