(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066779
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240509BHJP
B41J 2/525 20060101ALI20240509BHJP
G06T 7/90 20170101ALI20240509BHJP
G06V 10/56 20220101ALI20240509BHJP
【FI】
G06T7/00 130
B41J2/525
G06T7/90 A
G06V10/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176464
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】藤原 咲記
(72)【発明者】
【氏名】照井 千絵
(72)【発明者】
【氏名】横瀬 太郎
【テーマコード(参考)】
2C262
5L096
【Fターム(参考)】
2C262AA23
2C262AB17
2C262AC02
2C262BA03
2C262BA16
2C262BA18
2C262BA19
2C262BC01
2C262BC17
2C262EA10
2C262GA57
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA18
5L096CA01
5L096DA02
5L096EA39
5L096FA33
5L096FA52
5L096GA40
5L096GA41
5L096GA51
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できるようにする。
【解決手段】情報処理システムを構成する管理サーバ10は、制御部11を備え、制御部11では、抽出部102が、1または複数の画像またはテキストを少なくとも含む1のページからなる評価対象ドキュメントを構成する色の特徴量を抽出し、評価部105が、特徴量が予め定められた条件を満たす色の評価対象ドキュメントにおける状態に基づいて、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価を行い、送信制御部107が、評価部105による評価の結果をユーザ端末に向けて送信する制御を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
1または複数の画像またはテキストを少なくとも含む1のページからなる評価対象のドキュメントを構成する色の特徴量を抽出し、
前記特徴量が予め定められた条件を満たす前記色の前記ドキュメントにおける状態に基づいて、当該ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価を行い、
前記評価の結果を出力する制御を行うことを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、
前記特徴量として、前記色の三属性である彩度、明度、および色相の各々を抽出し、
前記彩度および前記明度が予め定められた範囲にある前記色の前記ドキュメントにおける出現の頻度に基づいて、当該ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、前記色のうち、前記ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象に影響を与え得る色として予め定められた色の前記ドキュメントの全体における色相のばらつきに基づいて、当該ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、予め定められた色として、赤、黄、緑、および青からなる心理四原色の前記ドキュメントにおける出現の頻度の標準偏差に基づいて、当該ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記1または複数のプロセッサは、HSV色空間のSおよびVの各々の最大値が100である場合における、前記彩度を示す当該Sの値が60以上であり、前記明度を示す当該Vの値が80以上である前記色の前記ドキュメントにおける出現の頻度に基づいて、当該ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、
請求項2乃至4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、
前記特徴量としての色調を抽出し、
前記色調が予め定められた1または複数の色調と同程度の前記色の前記ドキュメントにおける色数に基づいて、当該ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、PCCSの色調のうち、前記予め定められた1または複数の色調と同程度の色の色数に基づいて、前記ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1または複数のプロセッサは、前記ドキュメントを視認した者が受ける印象に影響を与える色調かどうかについて、前記ドキュメントにおける出現の頻度の重み付けを前記色調ごとに行うことを特徴とする、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記1または複数のプロセッサは、前記ドキュメントを視認した者が受ける印象に影響を与える色調かどうかについて、前記ドキュメントにおける出現の頻度の重み付けを色相ごとに行うことを特徴とする、
請求項7または8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記1または複数のプロセッサは、
前記特徴量が予め定められた条件を満たす前記色の前記ドキュメントにおける状態を示す情報と、当該ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象を示す情報とを対応付けてデータベースに記憶して管理する制御を行い、
前記データベースに記憶され管理されている情報を用いて、前記ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記1または複数のプロセッサは、
前記データベースに記憶されている情報のうち、前記ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象を示す情報を目的関数とし、前記特徴量が予め定められた条件を満たす前記色の当該ドキュメントにおける状態を示す情報を説明変数とする学習モデルを生成し、
生成した前記学習モデルを用いて、前記ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価を行うことを特徴とする、
請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータに、
1または複数の画像またはテキストを少なくとも含む1のページからなる評価対象のドキュメントを構成する色の特徴量を抽出する機能と、
前記特徴量が予め定められた条件を満たす前記色の前記ドキュメントにおける状態に基づいて、当該ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価する機能と、
前記評価の結果を出力する制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像から抽出された特徴量に基づいて、その画像を視認した者が受け得る印象を評価する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術では、予め定められた種類の印象に対応付けられた特徴量を有するかどうかが画像ごとに評価されるが、1または複数の画像またはテキストを含むドキュメント全体を視認した者が受け得る印象については評価されない。これに対して、例えば、広告、案内、説明等に用いられるドキュメントは、ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象が重要視される。
【0005】
本発明の目的は、ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、1または複数の画像またはテキストを少なくとも含む1のページからなる評価対象のドキュメントを構成する色の特徴量を抽出し、前記特徴量が予め定められた条件を満たす前記色の前記ドキュメントにおける状態に基づいて、当該ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価を行い、前記評価の結果を出力する制御を行うことを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記特徴量として、前記色の三属性である彩度、明度、および色相の各々を抽出し、前記彩度および前記明度が予め定められた範囲にある前記色の前記ドキュメントにおける出現の頻度に基づいて、当該ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記色のうち、前記ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象に影響を与え得る色として予め定められた色の前記ドキュメントの全体における色相のばらつきに基づいて、当該ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、予め定められた色として、赤、黄、緑、および青からなる心理四原色の前記ドキュメントにおける出現の頻度の標準偏差に基づいて、当該ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、HSV色空間のSおよびVの各々の最大値が100である場合における、前記彩度を示す当該Sの値が60以上であり、前記明度を示す当該Vの値が80以上である前記色の前記ドキュメントにおける出現の頻度に基づいて、当該ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、請求項2乃至4のいずれかに記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記特徴量としての色調を抽出し、前記色調が予め定められた1または複数の色調と同程度の前記色の前記ドキュメントにおける色数に基づいて、当該ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、PCCSの色調のうち、前記予め定められた1または複数の色調と同程度の色の色数に基づいて、前記ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、請求項6に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記ドキュメントを視認した者が受ける印象に影響を与える色調かどうかについて、前記ドキュメントにおける出現の頻度の重み付けを前記色調ごとに行うことを特徴とする、請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記ドキュメントを視認した者が受ける印象に影響を与える色調かどうかについて、前記ドキュメントにおける出現の頻度の重み付けを色相ごとに行うことを特徴とする、請求項7または8に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記特徴量が予め定められた条件を満たす前記色の前記ドキュメントにおける状態を示す情報と、当該ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象を示す情報とを対応付けてデータベースに記憶して管理する制御を行い、前記データベースに記憶され管理されている情報を用いて、前記ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記データベースに記憶されている情報のうち、前記ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象を示す情報を目的関数とし、前記特徴量が予め定められた条件を満たす前記色の当該ドキュメントにおける状態を示す情報を説明変数とする学習モデルを生成し、生成した前記学習モデルを用いて、前記ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価を行うことを特徴とする、請求項10に記載の情報処理システムである。
請求項12に記載された発明は、コンピュータに、1または複数の画像またはテキストを少なくとも含む1のページからなる評価対象のドキュメントを構成する色の特徴量を抽出する機能と、前記特徴量が予め定められた条件を満たす前記色の前記ドキュメントにおける状態に基づいて、当該ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価する機能と、前記評価の結果を出力する制御を行う機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価する情報処理システムを提供できる。
請求項2の本発明によれば、ドキュメントを構成する色の特徴量として、色の三属性のうち彩度および明度に基づいて、ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できる。
請求項3の本発明によれば、ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象に影響を与え得る色のばらつきに基づいて、そのドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できる。
請求項4の本発明によれば、心理四原色のドキュメントにおける出現の頻度に基づいて、そのドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できる。
請求項5の本発明によれば、彩度および明度が予め定められた範囲にある色のドキュメントにおける出現の頻度に基づいて、そのドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できる。
請求項6の本発明によれば、ドキュメントを構成する色の特徴量としての色調に基づいて、ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できる。
請求項7の本発明によれば、ドキュメントを構成する色の特徴量として、PCCSの色調のうち予め定められた1または複数の色調と同程度の色の色数に基づいて、ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できる。
請求項8の本発明によれば、ドキュメントを視認した者が受ける印象に影響を与える色調かどうかについて、ドキュメントにおける出現の頻度の重み付けが色調ごとに行われるので、色調の性質に応じた運用が可能となる。
請求項9の本発明によれば、ドキュメントを視認した者が受ける印象に影響を与える色調かどうかについて、ドキュメントにおける出現の頻度の重み付けが色相ごとに行われるので、色相ごとの色調の性質に応じた運用が可能となる。
請求項10の本発明によれば、特徴量が予め定められた条件を満たす色のドキュメントにおける状態を示す情報と、ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象を示す情報とがデータベースにて予め対応付けられているので、データベースにて予め対応付けられていない場合よりも効率的に評価を行うことが可能となる。
請求項11の本発明によれば、評価を行うための学習モデルが生成され、その学習モデルを用いた評価が行われるので、学習モデルを用いない場合よりも効率的に評価を行うことが可能となる。また、評価結果を学習モデルにフィードバックすることができるので、評価結果の品質を向上させていくことができる。
請求項12の本発明によれば、ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価するプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施の形態が適用される情報処理装置としての管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】管理サーバの制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】管理者端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】ユーザ端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図6】管理サーバの全体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】印象の評価に用いる特徴量として算出する処理として、彩度および明度が予め定められた範囲にある色の出現頻度を算出する処理の流れの一例を示す図である。
【
図8】印象の評価に用いる特徴量として算出する処理として、心理四原色に該当する色の出現頻度の標準偏差を算出する処理の流れの一例を示す図である。
【
図9】印象の評価に用いる特徴量として算出する処理として、予め定められた色調を持つ出現頻度だけを抽出し、印象の強さを考慮して色調ごとに重み付けを行い、算出した出現頻度を算出する処理の流れの一例を示す図である。
【
図10】管理者端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】ユーザ端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】(A)および(B)は、印象の評価に用いる特徴量を算出する際に用いられる閾値の具体例を示す図である。
【
図13】印象の評価に用いる特徴量を算出する際に用いられるルックアップテーブル(LUT)の具体例を示す図である。
【
図14】色調とカラーラベルとの組み合わせごとの出現数の具体例を示す図である。
【
図15】特徴量を算出する際に行われる重み付けの具体例を示す図である。
【
図16】「にぎやかさ」以外の印象の評価を行う場合の具体例を示す図である。
【
図17】「にぎやかさ」以外の印象の評価を行う場合の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(情報処理システムの構成)
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、管理サーバ10と、管理者端末30と、ユーザ端末50との各々とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。
【0010】
管理サーバ10は、情報処理システム1の全体の管理をするサーバとしての情報処理装置である。管理サーバ10は、管理者端末30およびユーザ端末50の各々から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、管理サーバ10は、管理者端末30およびユーザ端末50の各々に向けて各種の情報を送信する。
【0011】
例えば、管理サーバ10は、1または複数の画像またはテキストを少なくとも含む1のページからなる評価対象のドキュメント(以下、「評価対象ドキュメント」と呼ぶ。)を構成する色の特徴量を抽出する。「色の特徴量」としては、例えば、色の三属性(彩度、明度、色相)が挙げられる。色の三属性のうち、「彩度」とは、色の鮮やかさを示す度合のことをいう。彩度は、高くなるほど目を惹く効果が得られる。また、色の三属性のうち、「明度」とは、色の明るさを示す度合のことをいう。明度は、高くなるほど明るく柔らかな印象を与える効果が得られる。また、色の属性のうち、「色相」とは、例えば、赤、青、黄色といった色の相違のことをいう。また、「色調」とは、色の三属性のうち明度および彩度で色の調子を表すものである。
【0012】
また、管理サーバ10は、抽出した色の特徴量が予め定められた条件を満たす色の評価対象ドキュメントにおける状態に基づいて、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価を行い、その評価の結果をユーザ端末50に向けて送信する。本実施の形態において、「予め定められた条件」としては、例えば、彩度および明度が予め定められた範囲にあるかどうか、彩度および明度が予め定められた閾値を超えるかどうか、色調が予め定められた範囲にあるかどうか、色調が予め定められた閾値を超えるかどうか、色調が予め定められた1または複数の色調と同程度であるかどうか、などが挙げられる。
【0013】
本実施の形態において、彩度および明度の範囲は特に限定されないが、例えば、HSV色空間のS(彩度)およびV(明度)の各々の最大値が100である場合におけるS(彩度)の範囲を設定するための閾値を「60」とし、V(明度)の範囲を設定するための閾値を「80」として予め定めることもできる。なお、「予め定められた閾値」の具体例については、
図12を参照して後述する。
【0014】
管理者端末30は、情報処理システム1の管理者が操作する情報処理装置である。管理者端末30は、管理サーバ10およびユーザ端末50の各々から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、管理者端末30は、管理サーバ10およびユーザ端末50の各々に向けて各種の情報を送信する。例えば、管理者端末30は、上述の「予め定められた条件」を設定するために入力された設定情報を取得し、管理サーバ10に向けて送信する。なお、管理者端末30の処理の詳細については後述する。
【0015】
ユーザ端末50は、情報処理システム1を利用するユーザが操作する情報処理装置である。ユーザ端末50は、管理サーバ10および管理者端末30の各々から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、ユーザ端末50は、管理サーバ10および管理者端末30の各々に向けて各種の情報を送信する。例えば、ユーザ端末50は、管理サーバ10から送信されてきた、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価の結果を示す情報を取得し、表示部に表示する。
【0016】
上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、管理サーバ10の機能の一部または全部を管理者端末30やユーザ端末50の機能としてもよいし、管理者端末30の機能の一部または全部を管理サーバ10やユーザ端末50の機能としてもよい。また、ユーザ端末50の機能の一部または全部を管理サーバ10や管理者端末30の機能としてもよい。さらに、情報処理システム1を構成する管理サーバ10、管理者端末30、およびユーザ端末50の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0017】
(管理サーバのハードウェア構成)
図2は、本実施の形態が適用される情報処理装置としての管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
管理サーバ10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0018】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて管理サーバ10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0019】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、例えば、印象DB131などが格納されている。印象DB131には、特徴量が予め定められた条件を満たす色の評価対象ドキュメントにおける状態を示す情報と、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象を示す情報とを対応付けた情報が記憶されている。
【0020】
通信部14は、ネットワーク90を介して管理者端末30、ユーザ端末50、および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。
【0021】
(管理者端末およびユーザ端末のハードウェア構成)
管理者端末30およびユーザ端末50は、
図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成と同様の構成を備えている。すなわち、管理者端末30およびユーザ端末50は、
図2の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々と同様の機能を有する、制御部、メモリ、記憶部、通信部、操作部、および表示部の各々を備えており、図示および説明を省略する。
【0022】
(管理サーバの制御部の機能構成)
図3は、管理サーバ10の制御部11の機能構成の一例を示す図である。
管理サーバ10の制御部11では、情報取得部101と、抽出部102と、変換部103と、算出部104と、評価部105と、情報管理部106と、送信制御部107とが機能する。
【0023】
情報取得部101は、各種の情報を取得する。具体的には、情報取得部101は、管理者端末30、ユーザ端末50、および外部の各々から送信されてきた情報を取得する。情報取得部101により取得される情報のうち、管理者端末30から送信されてくる情報としては、例えば、設定情報などが挙げられる。また、情報取得部101により取得される情報のうち、ユーザ端末50から送信されてくる情報としては、例えば、評価対象ドキュメントのデータなどが挙げられる。
【0024】
抽出部102は、情報取得部101により取得された評価対象ドキュメントのデータを解析し、評価対象ドキュメントを構成する色を抽出する。具体的には、例えば、抽出部102は、評価対象ドキュメントを構成する色の特徴量としてのRGB値を抽出する。
【0025】
変換部103は、抽出部102により抽出された色の特徴量を変換する。具体的には、例えば、変換部103は、色の特徴量の形式をRGBからHSVやHLSに変換する。すなわち、抽出部102により抽出された色の特徴量としてのRGB値について、RGB色空間がHSV色空間やHLS色空間に変換される。
【0026】
算出部104は、印象の評価に用いる特徴量を算出する。例えば、算出部104は、色の特徴量であるHSV値やHLS値から、印象の評価に用いる特徴量を算出する。具体的には、算出部104は、彩度(S)および明度(V)が予め定められた範囲にある色の出現数を算出し、その出現数に基づいて、印象の評価に用いる特徴量としての出現頻度を算出する。ここで、「色の出現数」とは、該当する画素の数のことをいう。また、算出部104は、心理四原色である色の各々の出現頻度を算出し、その出現頻度に基づいて、印象の評価に用いる特徴量としての標準偏差を算出する。また、算出部104は、予め定められた色調を持つ出現頻度だけを抽出し、印象の強さを考慮して色調ごとに重み付けを行い、算出した出現頻度に基づいて、印象の評価に用いる特徴量としての出現頻度を算出する。なお、算出部104による、印象の評価に用いる特徴量を算出する処理の詳細については、
図7乃至
図9を参照して後述する。
【0027】
評価部105は、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象に影響を与え得る色として予め定められた色の出現頻度や標準偏差といった特徴量に基づいて、評価対象ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行う。具体的には、評価部105は、算出部104により算出された、印象の評価に用いる特徴量に基づいて、印象の評価値を算出し、その評価値に基づいて、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象の評価を行う。
【0028】
具体的には、例えば、評価部105は、算出部104により算出された、彩度(S)および明度(V)が予め定められた範囲にある色の出現頻度に基づいて、印象の評価値を算出し、その評価値に基づいて、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象の評価を行う。また、例えば、評価部105は、算出部104により算出された、心理四原色である色の各々の出現頻度の標準偏差に基づいて、印象の評価値を算出し、その評価値に基づいて、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象の評価を行う。また、例えば、評価部105は、算出部104により算出された、予め定められた色調を持つ出現頻度だけを抽出し、印象の強さを考慮して色調ごとに重み付けを行い、算出した出現頻度に基づいて、印象の評価値を算出し、その評価値に基づいて、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象の評価を行う。また、評価部105は、算出部104により算出された、印象の評価に用いる特徴量のうち、複数種類の特徴量の組み合わせに基づいて、印象の評価値を算出し、その評価値に基づいて、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象の評価を行うことも可能である。
【0029】
すなわち、評価部105は、算出部104により算出された、(1)彩度および明度が予め定められた範囲にある色の出現頻度、(2)心理四原色に該当するそれぞれの色の出現頻度の標準偏差、および(3)色調が予め定められた範囲にある色の出現頻度だけを抽出し、色調ごとに重み付けを行い、算出した出現頻度、という3種類の特徴量のうち1または複数の特徴量から算出した評価値に基づいて、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象の評価を行う。
【0030】
評価部105による、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価の結果は、データベースに記憶される。具体的には、評価部105による評価の結果は、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象を示す情報として、特徴量が予め定められた条件を満たす色の、評価対象ドキュメントにおける状態を示す情報に対応付けられて、印象DB131に記憶されて管理される。
【0031】
情報管理部106は、記憶部13(
図2参照)のデータベースに記憶されている情報を管理する。具体的には、情報管理部106は、記憶部13に格納されている印象DB131に記憶されている、特徴量が予め定められた条件を満たす色の評価対象ドキュメントにおける状態を示す情報と、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象を示す情報とを対応付けた情報を管理する。また、情報管理部106は、情報取得部101により取得された設定情報に基づいて、印象DB131に記憶されている情報を更新する。
【0032】
送信制御部107は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部107は、管理者端末30、ユーザ端末50、および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部107の制御により送信される情報のうち、管理者端末30に向けて送信される情報としては、例えば、記憶部13の印象DB131に記憶されている情報などが挙げられる。また、送信制御部107の制御により送信される情報のうち、ユーザ端末50に向けて送信される情報としては、例えば、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価の結果を示す情報などが挙げられる。
【0033】
(管理者端末の制御部の機能構成)
図4は、管理者端末30の制御部の機能構成の一例を示す図である。
管理者端末30の制御部では、情報取得部301と、送信制御部302と、表示制御部303とが機能する。
【0034】
情報取得部301は、各種の情報を取得する。具体的には、情報取得部301は、管理サーバ10および外部から送信されてきた情報を取得する。情報取得部301により取得される情報のうち、管理サーバ10から送信されてくる情報としては、例えば、記憶部13の印象DB131に記憶されている情報などが挙げられる。また、情報取得部301は、操作部を介して入力された情報を取得する。操作部を介して入力される情報としては、例えば、設定情報などが挙げられる。
【0035】
送信制御部302は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部302は、管理サーバ10および外部に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部302の制御により送信される情報のうち、管理サーバ10に向けて送信される情報としては、例えば、設定情報などが挙げられる。
【0036】
表示制御部303は、各種情報を表示部に表示する制御を行う。具体的には、表示制御部303は、管理サーバ10から送信されてきた情報を表示部に表示する制御を行う。表示制御部303の制御により表示部に表示される情報としては、例えば、記憶部13の印象DB131に記憶されている情報などが挙げられる。
(ユーザ端末の制御部の機能構成)
図5は、ユーザ端末50の制御部の機能構成の一例を示す図である。
ユーザ端末50の制御部では、情報取得部501と、送信制御部502と、表示制御部503とが機能する。
【0037】
情報取得部501は、各種の情報を取得する。具体的には、情報取得部501は、管理サーバ10および外部から送信されてきた情報を取得する。情報取得部501により取得される情報のうち、管理サーバ10から送信されてくる情報としては、例えば、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価の結果を示す情報などが挙げられる。また、情報取得部501は、操作部を介して入力された情報を取得する。操作部を介して入力される情報としては、例えば、評価対象ドキュメントのデータを管理サーバ10に向けて送信するために入力された情報などが挙げられる。
【0038】
送信制御部502は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部502は、管理サーバ10および外部に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部502の制御により送信される情報のうち、管理サーバ10に向けて送信される情報としては、例えば、評価対象ドキュメントのデータを管理サーバ10に向けて送信するために入力された情報などが挙げられる。
【0039】
表示制御部503は、各種情報を表示部に表示する制御を行う。具体的には、表示制御部303は、表示部にユーザインターフェースを表示する制御を行う。そして、表示制御部503は、管理サーバ10から送信されてきた、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価の結果を示す情報などをユーザインターフェースに表示する制御を行う。
【0040】
(管理サーバの処理の流れ)
図6は、管理サーバ10の全体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
管理サーバ10は、ユーザ端末50から、評価対象ドキュメントのデータが送信されてくると(ステップ601でYES)、その評価対象ドキュメントのデータを取得し(ステップ602)、評価対象ドキュメントを構成する色を画素ごとに取得する(ステップ603)。具体的には、管理サーバ10は、評価対象ドキュメントを構成する色の特徴量としてのRGB値を抽出して取得する。これに対して、評価対象ドキュメントのデータが送信されてきていない場合(ステップ601でNO)、管理サーバ10は、評価対象ドキュメントのデータが送信されてくるまでステップ601を繰り返す。
【0041】
次に、管理サーバ10は、ステップ601で取得した色の特徴量を変換する。具体的には、管理サーバ10は、色の特徴量の形式を、RGBからHSV,HLSに変換する(ステップ604)。次に、管理サーバ10は、変換した特徴量から、印象の評価に用いる特徴量を算出する(ステップ605)。なお、印象の評価に用いる特徴量を算出する処理の詳細については、
図7乃至
図9を参照して後述する。
【0042】
次に、管理サーバ10は、ステップ605で算出した1または複数の特徴量に基づいて、印象の評価を行い(ステップ606)、その評価の結果をユーザ端末50に向けて送信するとともに(ステップ607)、データベースに記憶して管理する(ステップ608)。
【0043】
その後、管理サーバ10は、管理者端末30から設定情報が送信されてくると(ステップ609でYES)、その設定情報を取得し(ステップ610)、データベースに記憶されている情報を更新する(ステップ611)。具体的には、管理サーバ10は、記憶部13の印象DB131に記憶されている情報を更新する。これに対して、管理者端末30から設定情報が送信されてきていない場合(ステップ609でNO)、管理サーバ10の処理は終了する(END)。
【0044】
図7乃至
図9には、上述した管理サーバ10の全体的な処理のうち、印象の評価に用いる特徴量を算出する処理の詳細が示されている。
図7は、印象の評価に用いる特徴量として算出する処理として、彩度および明度が予め定められた範囲にある色の出現頻度を算出する処理の流れの一例を示す図である。
管理サーバ10は、1画素あたりのHSV形式の色を取得する(ステップ701)。そして、ステップ701で取得した色の彩度および明度が予め定められた範囲にある場合(ステップ702でYES)、管理サーバ10は、その色の出現数に1を加算して(ステップ703)、ステップ705の処理に進む。これに対して、ステップ701で取得した色の彩度および明度が予め定められた範囲にない場合(ステップ702でNO)、管理サーバ10は、その色の出現数に何も加算することなく(ステップ704)、ステップ705の処理に進む。
【0045】
管理サーバ10は、画素数分のステップ701乃至704の処理が終了すると(ステップ705でYES)、出現数の集計の後、出現頻度の算出を行い、算出した出現頻度を特徴量とする(ステップ706)。これに対して、画素数分のステップ701乃至704の処理が終了していない場合(ステップ705でNO)、管理サーバ10は、画素数分のステップ701乃至704の処理が終了するまでステップ701乃至705の処理を繰り返す。
【0046】
図8は、印象の評価に用いる特徴量として算出する処理として、心理四原色に該当する色の出現頻度の標準偏差を算出する処理の流れの一例を示す図である。
管理サーバ10は、1画素あたりのHSV形式の色を取得する(ステップ801)。そして、ステップ801で取得した色が心理四原色に該当する範囲にある場合(ステップ802でYES)、管理サーバ10は、心理四原色の4色のうち該当する色の出現数に1を加算して(ステップ803)、ステップ805の処理に進む。これに対して、ステップ801で取得した色が心理四原色に該当する範囲にない場合(ステップ802でNO)、管理サーバ10は、心理四原色の出現数に何も加算することなく(ステップ804)、ステップ805の処理に進む。
【0047】
管理サーバ10は、画素数分のステップ801乃至804の処理が終了すると(ステップ805でYES)、心理四原色の色ごとの出現数の集計の後、出現頻度の算出を行う(ステップ806)。そして、管理サーバ10は、心理四原色の色ごとの出現頻度に基づく標準偏差を算出し、算出した標準偏差を特徴量とする(ステップ807)。これに対して、画素数分のステップ801乃至804の処理が終了していない場合(ステップ805でNO)、管理サーバ10は、画素数分のステップ801乃至804の処理が終了するまでステップ801乃至805の処理を繰り返す。
【0048】
図9は、印象の評価に用いる特徴量として算出する処理として、予め定められた色調を持つ出現頻度だけを抽出し、印象の強さを考慮して色調ごとに重み付けを行い、算出した出現頻度を算出する処理の流れの一例を示す図である。
管理サーバ10は、1画素あたりのHLS形式の色を取得し(ステップ901)、その色の色調とカラーラベルとの組み合わせをルックアップテーブル(LUT)から取得する(ステップ902)。そして、管理サーバ10は、取得した組み合わせの出現数に1を加算する(ステップ903)。なお、ルックアップテーブル(LUT)の具体例については、
図13を参照して後述する。
【0049】
管理サーバ10は、画素数分のステップ901乃至903の処理が終了すると(ステップ904でYES)、色調とカラーラベルとの組み合わせごとの出現数の集計の後、出現頻度の算出を行う(ステップ905)。これに対して、画素数分のステップ901乃至903の処理が終了していない場合(ステップ904でNO)、管理サーバ10は、画素数分のステップ901乃至903の処理が終了するまでステップ901乃至904の処理を繰り返す。
【0050】
次に、管理サーバ10は、一定以上の色調を持つ出現頻度だけを抽出し、カラーラベルごとに加算する(ステップ906)。このとき、印象への影響を考慮して、色調ごとに出現頻度の重み付けを行う。次に、管理サーバ10は、すべてのカラーラベル分の出現頻度を加算したものを特徴量とする(ステップ907)。
【0051】
(管理者端末の処理の流れ)
図10は、管理者端末30の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
管理者端末30は、管理サーバ10にてデータベースに記憶されて管理されている情報を参照するための入力操作が行われると(ステップ111でYES)、その入力情報を取得し(ステップ112)、管理サーバ10に向けて入力情報を送信する(ステップ113)。これに対して、管理サーバ10にてデータベースに記憶されて管理されている情報を参照するための入力操作が行われない場合(ステップ111でNO)、管理者端末30は、管理サーバ10にてデータベースに記憶されて管理されている情報を参照するための入力操作が行われるまでステップ111を繰り返す。
【0052】
管理者端末30は、管理サーバ10から、データベースに記憶された情報が送信されてくると(ステップ114でYES)、送信されてきた情報を取得し(ステップ115)、取得した情報を表示部に表示する(ステップ116)。これに対して、データベースに記憶された情報が送信されてきていない場合(ステップ114でNO)、管理者端末30は、データベースに記憶された情報が送信されてくるまでステップ114を繰り返す。
【0053】
管理者端末30は、操作部を介して設定情報が入力されると(ステップ117でYES)、その設定情報を取得し(ステップ118)、管理サーバ10に向けて設定情報を送信する(ステップ119)。これに対して、設定情報が入力されない場合(ステップ117でNO)、管理者端末30は、設定情報が入力されるまでステップ117を繰り返す。
【0054】
(ユーザ端末の処理の流れ)
図11は、ユーザ端末50の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ユーザ端末50は、評価対象ドキュメントのデータを管理サーバ10に向けて送信するための入力操作が行われると(ステップ121でYES)、その入力情報を取得し(ステップ122)、管理サーバ10に向けて入力情報を送信する(ステップ123)。これに対して、評価対象ドキュメントのデータを管理サーバ10に向けて送信するための入力操作が行われない場合(ステップ121でNO)、ユーザ端末50は、評価対象ドキュメントのデータを管理サーバ10に向けて送信するための入力操作が行われるまでステップ121を繰り返す。
【0055】
ユーザ端末50は、管理サーバ10から、ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価の結果を示す情報が送信されてくると(ステップ124でYES)、送信されてきた情報を取得し(ステップ125)、取得した情報を表示部に表示する(ステップ126)。これに対して、ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価の結果を示す情報が送信されてきていない場合(ステップ124でNO)、ユーザ端末50は、その情報が送信されてくるまでステップ124を繰り返す。
【0056】
(具体例)
図12(A)および(B)は、印象の評価に用いる特徴量を算出する際に用いられる閾値の具体例を示す図である。
本実施の形態では、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の一例である「にぎやかさ」の評価に用いられる3種類の特徴量を算出する手法について具体的に説明する。1種類目の特徴量を算出する手法は、一定以上の彩度および明度を持つ色の出現頻度(Fv)を算出する手法である。また、2種類目の特徴量を算出する手法は、一定以上の彩度および明度を持つ色の出現数(具体的には画素数)の標準偏差を算出する手法である。また、3種類目の特徴量を算出する手法は、一定以上の色調(トーン)を持つ色の色数に相当する値を算出する手法である。
【0057】
図12(A)には、印象の評価に用いる特徴量を算出する際に用いられる閾値のうち、一定以上の彩度および明度を持つ色の出現頻度(Fv)を算出する際に用いられる閾値の具体例が示されている。なお、
図12(A)において、「Sth」は、色の三属性のうち彩度の閾値を示しており、「Vth」は、色の三属性のうち明度の閾値を示している。
図12(A)の例では、彩度の範囲を設定するための閾値が「60」に設定され、明度の範囲を設定するための閾値が「80」に設定されている。
【0058】
この場合、管理サーバ10は、彩度が「60」以上、明度が「80」以上である色に基づいて、印象の評価に用いる特徴量を算出する。具体的には、管理サーバ10は、評価対象ドキュメントの全画素数(Pall)を算出し、その中から彩度が「60」以上、明度が「80」以上である色の出現数(Pv)をカウントする。この場合、一定以上の彩度および明度を持つ色の頻度(Fv)は、全画素数(Pall)に対する色の出現数(Pv)の割合として算出される。
【0059】
図12(B)には、印象の評価に用いる特徴量を算出する際に用いられる閾値のうち、心理四原色の出現頻度の標準偏差を算出する際に用いられる閾値の具体例が示されている。具体的には、心理四原色のうち「赤」の閾値は、色相(H)が「345-15」、彩度(S)が「80-100」、明度(V)が「80-100」に設定されている。また、心理四原色のうち「黄」の閾値は、色相(H)が「50-60」、彩度(S)が「80-100」、明度(V)が「80-100」に設定されている。また、心理四原色のうち「緑」の閾値は、色相(H)が「115-150」、彩度(S)が「80-100」、明度(V)が「80-100」に設定されている。また、心理四原色のうち「青」の閾値は、色相(H)が「180-235」、彩度(S)が「80-100」、明度(V)が「80-100」に設定されている。
【0060】
図13は、印象の評価に用いる特徴量を算出する際に用いられるルックアップテーブル(LUT)の具体例を示す図である。
図13には、画像の色をどの色調で、どの色に当てはまるかを保持するルックアップテーブル(LUT)の具体例が示されている。
【0061】
一定以上の色調を持つ色の色数を抽出する場合、ルックアップテーブル(LUT)が用いられる。
図13に示すルックアップテーブル(LUT)では、色相が8色に分けられる。この8色は、赤(red)、橙(orange)、黄(yellow)、黄緑(yellow green)、緑(green)、青緑(blue green)、青(blue)、および紫(purple)で構成されている。以下、これらを「カラーラベル」と呼ぶ。そして、1つのカラーラベルについて、PCCS色相環で定義されている12種の色調(トーン)が対応付けられている。これらの12種の色調は、ビビット(vivid)、ブライト(bright)、ストロング(strong)、ディープ(deep)、ライト(light)、ソフト(soft)、ダル(dull)、ダーク(dark)、ペール(pale)、ライトグレイッシュ(light grayish)、グレイッシュ(grayish)、およびダークグレイッシュ(dark grayish)で構成されている。
【0062】
すなわち、8色のカラーラベルの各々について12種の色調が対応付けられているので、8×12=96種類の組み合わせで出現頻度が示される。なお、
図13に例示するルックアップテーブル(LUT)において、「color」は色を示しており、「tone」は色調(トーン)を示している。また、「color_label」は、8色に分けられた上述のカラーラベルを示している。
【0063】
評価対象ドキュメントの色が画素単位で分解され、画素ごとの色が取得されると、画素ごとに取得された色(以下、「入力色」と呼ぶ。)と、ルックアップテーブル(LUT)の色(color)とのRGB色空間に対するユークリッド距離(2点間の直線距離)が算出される。
【0064】
次に、ルックアップテーブル(LUT)の色(color)のうち、入力色とのユークリッド距離が最も近い色(color)が抽出され、色調(トーン)(tone)およびカラーラベル(color_label)の確認が行われる。次に、上述の8色のカラーラベル(color_label)と色調(トーン)(tone)との組み合わせの出現頻度が各々算出される。この出現頻度は、評価対象ドキュメントの全画素数に対する色の出現数の割合として算出される。次に、算出された出現頻度を、カラーラベルごとに集計する。なお、本実施の形態では、出現頻度の上限を「0.03」としている。このとき、12種の色調(トーン)(tone)の中には、与える印象が強いものと弱いものとが存在するので、色調(トーン)(tone)ごとに出現頻度の重み付けが行われる。そして、最終的にすべてのカラーラベルの出現頻度を加算したものが特徴量となる。
【0065】
図14は、色調とカラーラベルとの組み合わせごとの出現数の具体例を示す図である。
図14には、「color_label」(カラーラベル)と「tone」(色調)との組み合わせと、「出現数」(評価対象ドキュメントの全画素数に対する色の出現数)との関係が示されている。例えば、「color_label」(カラーラベル)と「tone」(色調)との組み合わせとして、「red」と「vivid」との組み合わせの「出現数」は「20」とされている。また、「red」と「bright」との組み合わせの「出現数」は「100」とされている。また、「red」と「strong」との組み合わせの「出現数」は「150」とされている。また、「red」と「deep」との組み合わせの「出現数」は「60」とされている。また、「orange」と「vivid」との組み合わせの「出現数」は「30」とされている。また、「orange」と「bright」との組み合わせの「出現数」は「130」とされている。また、「orange」と「strong」との組み合わせの「出現数」は「140」とされている。
【0066】
図15は、印象の評価に用いる特徴量を算出する際に行われる重み付けの具体例を示す図である。
図15には、色調(トーン)ごとに行われる重み付けの具体例が示されている。
図15に示すように、例えば、ビビット(vivid)、ブライト(bright)、およびストロング(strong)については、プライマリ(primary)トーンとして、「1.0」の重み付けを行い、ディープ(deep)、ライト(light)、およびソフト(soft)については、セカンダリ(secondary)トーンとして、「0.8」の重み付けを行ってもよい。また、それ以外のダル(dull)、ダーク(dark)、ペール(pale)、ライトグレイッシュ(light grayish)、グレイッシュ(grayish)、およびダークグレイッシュ(dark grayish)については、「0.0」の重み付けを行ってもよい。
【0067】
次に、上述の8色の色相の各々の出現頻度が、すべてのカラーラベル分で加算されることで、ビビット(vivid)、ブライト(bright)、ストロング(strong)、ディープ(deep)、ライト(light)、およびソフト(soft)のいずれかに該当した色の出現頻度が算出される。このとき、例えば、
図15に示すように、上述の8色のカラーラベルのうち心理四原色に含まれる赤(red)、黄(yellow)、緑(green)、および青(blue)については「1.0」の重み付けを行い、それ以外の橙(orange)、黄緑(yellow green)、青緑(blue green)、および紫(purple)については「0.8」の重み付けを行ってもよい。
【0068】
(他の実施の形態)
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した本実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した本実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、
図1に示す情報処理システム1の構成、
図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、
図3に示す管理サーバ10の機能構成、
図4に示す管理者端末30の機能構成、および
図5に示すユーザ端末50の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が
図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは
図3乃至
図5の例に限定されない。
【0069】
また、
図6乃至
図9に示す管理サーバ10の処理のステップ、
図10に示す管理者端末30の処理のステップ、および
図11に示すユーザ端末50の処理のステップの各々の順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、
図12乃至
図15に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0070】
例えば、上述の実施の形態では、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の一例として、「にぎやかさ」の評価を行う例が示されているが、これに限定されない。例えば、
図16および
図17には、「にぎやかさ」以外の印象の評価を行う場合の具体例が示されている。このうち、
図16には、(A)に示す「にぎやか感」(にぎやかさ)の評価のみならず、(B)に示す「清涼感」の評価が示されている。また、
図17には、「清涼感」と「にぎやか感」との相関関係に基づいて評価を行う場合の構成が示されている。
【0071】
また、例えば、上述の実施の形態では、印象の評価に用いる特徴量が予め定められた条件を満たす色の評価対象ドキュメントにおける状態を示す情報と、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象を示す情報とが対応付けられて、データベース(例えば、
図2の印象DB131)に記憶されて管理されている。そして、そのデータベースにて管理されている情報が用いられることで、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価が行われる構成となっている。ただし、このような構成に限定されず、例えば、AI(人工知能)を利用した機械学習モデルにより、評価対象ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価が行われるようにしてもよい。この場合、上述の管理サーバ10の制御部11では、評価部105による評価の結果を学習する制御と、その学習結果に基づいて、印象の評価に用いられる機械学習モデルを生成する制御とが行われる。
【0072】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
1または複数の画像またはテキストを少なくとも含む1のページからなる評価対象のドキュメントを構成する色の特徴量を抽出し、
前記特徴量が予め定められた条件を満たす前記色の前記ドキュメントにおける状態に基づいて、当該ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価を行い、
前記評価の結果を出力する制御を行うことを特徴とする、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記特徴量として、前記色の三属性である彩度、明度、および色相の各々を抽出し、
前記彩度および前記明度が予め定められた範囲にある前記色の前記ドキュメントにおける出現の頻度に基づいて、当該ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記1または複数のプロセッサは、前記色のうち、前記ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象に影響を与え得る色として予め定められた色の前記ドキュメントの全体における色相のばらつきに基づいて、当該ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、予め定められた色として、赤、黄、緑、および青からなる心理四原色の前記ドキュメントにおける出現の頻度の標準偏差に基づいて、当該ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、
(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記1または複数のプロセッサは、HSV色空間のSおよびVの各々の最大値が100である場合における、前記彩度を示す当該Sの値が60以上であり、前記明度を示す当該Vの値が80以上である前記色の前記ドキュメントにおける出現の頻度に基づいて、当該ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、
(((2)))乃至(((4)))のいずれかに記載の情報処理システム。
(((6)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記特徴量としての色調を抽出し、
前記色調が予め定められた1または複数の色調と同程度の前記色の前記ドキュメントにおける色数に基づいて、当該ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1または複数のプロセッサは、PCCSの色調のうち、前記予め定められた1または複数の色調と同程度の色の色数に基づいて、前記ドキュメントを視認した者が受ける印象の評価を行うことを特徴とする、
(((6)))に記載の情報処理システム。
(((8)))
前記1または複数のプロセッサは、前記ドキュメントを視認した者が受ける印象に影響を与える色調かどうかについて、前記ドキュメントにおける出現の頻度の重み付けを前記色調ごとに行うことを特徴とする、
(((6)))または(((7)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記1または複数のプロセッサは、前記ドキュメントを視認した者が受ける印象に影響を与える色調かどうかについて、前記ドキュメントにおける出現の頻度の重み付けを色相ごとに行うことを特徴とする、
(((6)))乃至(((8)))のいずれかに記載の情報処理システム。
(((10)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記特徴量が予め定められた条件を満たす前記色の前記ドキュメントにおける状態を示す情報と、当該ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象を示す情報とを対応付けてデータベースに記憶して管理する制御を行い、
前記データベースに記憶され管理されている情報を用いて、前記ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価を行うことを特徴とする、
(((1)))乃至(((9)))のいずれかに記載の情報処理システム。
(((11)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記データベースに記憶されている情報のうち、前記ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象を示す情報を目的関数とし、前記特徴量が予め定められた条件を満たす前記色の当該ドキュメントにおける状態を示す情報を説明変数とする学習モデルを生成し、
生成した前記学習モデルを用いて、前記ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価を行うことを特徴とする、
(((10)))に記載の情報処理システム。
(((12)))
コンピュータに、
1または複数の画像またはテキストを少なくとも含む1のページからなる評価対象のドキュメントを構成する色の特徴量を抽出する機能と、
前記特徴量が予め定められた条件を満たす前記色の前記ドキュメントにおける状態に基づいて、当該ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象の評価する機能と、
前記評価の結果を出力する制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0073】
(((1)))の本発明によれば、ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価する情報処理システムを提供できる。
(((2)))の本発明によれば、ドキュメントを構成する色の特徴量として、色の三属性のうち彩度および明度に基づいて、ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できる。
(((3)))の本発明によれば、ドキュメントの全体を視認した者が受ける印象に影響を与え得る色のばらつきに基づいて、そのドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できる。
(((4)))の本発明によれば、心理四原色のドキュメントにおける出現頻度に基づいて、そのドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できる。
(((5)))の本発明によれば、彩度および明度が予め定められた範囲にある色のドキュメントにおける出現の頻度に基づいて、そのドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できる。
(((6)))の本発明によれば、ドキュメントを構成する色の特徴量としての色調に基づいて、ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できる。
(((7)))の本発明によれば、ドキュメントを構成する色の特徴量として、PCCSの色調のうち予め定められた1または複数の色調と同程度の色の色数に基づいて、ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価できる。
(((8)))の本発明によれば、ドキュメントを視認した者が受ける印象に影響を与える色調かどうかについて、ドキュメントにおける出現の頻度の重み付けが色調ごとに行われるので、色調の性質に応じた運用が可能となる。
(((9)))の本発明によれば、ドキュメントを視認した者が受ける印象に影響を与える色調かどうかについて、ドキュメントにおける出現の頻度の重み付けが色相ごとに行われるので、色相ごとの色調の性質に応じた運用が可能となる。
(((10)))の本発明によれば、特徴量が予め定められた条件を満たす色のドキュメントにおける状態を示す情報と、ドキュメントの全体を視認した者が受け得る印象を示す情報とがデータベースにて予め対応付けられているので、データベースにて予め対応付けられていない場合よりも効率的に評価を行うことが可能となる。
(((11)))の本発明によれば、評価を行うための学習モデルが生成され、その学習モデルを用いた評価が行われるので、学習モデルを用いない場合よりも効率的に評価を行うことが可能となる。また、評価結果を学習モデルにフィードバックすることができるので、評価結果の品質を向上させていくことができる。
(((12)))の本発明によれば、ドキュメント全体を視認した者が受け得る印象を評価するプログラムを提供できる。
【符号の説明】
【0074】
1…情報処理システム、10…管理サーバ、11…制御部、30…管理者端末、50…ユーザ端末、90…ネットワーク、101…情報取得部、102…抽出部、103…変換部、104…算出部、105…評価部、106…情報管理部、107…送信制御部、301…情報取得部、302…送信制御部、303…表示制御部、501…情報取得部、502…送信制御部、503…表示制御部