(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066807
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】車両用除電装置
(51)【国際特許分類】
B60R 16/06 20060101AFI20240509BHJP
H05F 3/02 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B60R16/06 A
H05F3/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176519
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼須賀 直一
(72)【発明者】
【氏名】前田 登
(72)【発明者】
【氏名】前田 和宏
【テーマコード(参考)】
5G067
【Fターム(参考)】
5G067AA18
5G067DA02
(57)【要約】
【課題】車両の外表面に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電して、車両の操舵安定性を向上させることができる車両用除電装置を提供すること。
【解決手段】本発明の車両用除電装置は、車両の外表面を形成する非導電性部位を有した外表面形成部品に設けられた導電性端子と、車両に搭載されたバッテリの負極端子、または、車両のアース部分に、導電性端子を電気的に接続するための配線と、を備え、車両の外表面に蓄積する正電位の空気イオンを、導電性端子から配線を通して、負極端子またはアース部分に流す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外表面を形成する非導電性部位を有した外表面形成部品に設けられた導電性端子と、
前記車両に搭載されたバッテリの負極端子、または、前記車両のアース部分に、前記導電性端子を電気的に接続するための配線と、
を備え、
前記車両の外表面に蓄積する正電位の空気イオンを、前記導電性端子から前記配線を通して、前記負極端子または前記アース部分に流すことを特徴とする車両用除電装置。
【請求項2】
前記外表面形成部品は窓ガラスであり、
前記窓ガラスに前記導電性端子を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用除電装置。
【請求項3】
前記窓ガラスの開閉状態によらず、前記窓ガラスにおいて前記車両の乗員から視認できない位置に、前記導電性端子を配置したことを特徴とする請求項2に記載の車両用除電装置。
【請求項4】
前記外表面形成部品はドアであり、
前記ドアに前記導電性端子を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用除電装置。
【請求項5】
前記車両のドア内に配置されている電装品のアース端子を前記アース部分として用いることを特徴とする請求項1に記載の車両用除電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用除電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、導電性が低いタイヤによって大地から実質的に電気絶縁された状態にあるため、車両に静電気が発生すると、電荷(一般的には正の電荷)が車体等に帯電する。特許文献1には、窓枠にアルミテープなどの自己放電式除電器を貼り付けることによって、正電位に帯電した窓枠に負の空気イオンを供給することにより、電荷の中和除電を引き起こして操縦安定性などの走行性能の低下を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、供給された負の空気イオンによって、車両の窓やボデーに負電荷が溜まって帯電することにより、車両周辺の気流が乱れて操縦安定性が悪化する。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両の外表面に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電して、車両の操舵安定性を向上させることができる車両用除電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る車両用除電装置は、車両の外表面を形成する非導電性部位を有した外表面形成部品に設けられた導電性端子と、前記車両に搭載されたバッテリの負極端子、または、前記車両のアース部分に、前記導電性端子を電気的に接続するための配線と、を備え、前記車両の外表面に蓄積する正電位の空気イオンを、前記導電性端子から前記配線を通して、前記負極端子または前記アース部分に流すことを特徴とするものである。
【0007】
これにより、本発明に係る車両用除電装置は、車両の外表面に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電して、車両の操舵安定性を向上させることができる。
【0008】
また、上記において、前記外表面形成部品は窓ガラスであり、前記窓ガラスに前記導電性端子を設けるようにしてもよい。
【0009】
これにより、窓ガラスの外表面に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電することができる。
【0010】
また、上記において、前記窓ガラスの開閉状態によらず、前記窓ガラスにおいて前記車両の乗員から視認できない位置に、前記導電性端子を配置するようにしてもよい。
【0011】
これにより、車両の意匠性を保ったまま、導電性端子の搭載性を向上させることが可能となる。
【0012】
また、上記において、前記外表面形成部品はドアであり、前記ドアに前記導電性端子を設けるようにしてもよい。
【0013】
これにより、ドアの外表面に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電することができる。
【0014】
また、上記において、前記車両のドア内に配置されている電装品のアース端子を前記アース部分として用いるようにしてもよい。
【0015】
これにより、搭載性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る車両用除電装置は、車両の外表面に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電して、車両の操舵安定性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る車両用除電装置の概略構成を示した図である。
【
図2】
図2は、実施形態2に係る車両用除電装置の概略構成を示した図である。
【
図3】
図3は、実施形態3に係る車両用除電装置の概略構成を示した図である。
【
図4】
図4は、実施形態4に係る車両用除電装置の概略構成を示した図である。
【
図5】
図5は、実施形態5に係る車両用除電装置の概略構成を示した図である。
【
図6】
図6は、実施形態6に係る車両用除電装置の概略構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施形態1)
以下に、本発明に係る車両用除電装置の実施形態1について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0019】
ここで、アルミテープやテフロン(登録商標)テープなどの自己放電式除電器を車両のドアの一部に取り付けることによって、段差乗り越え時や操舵応答時の操舵安定性が変化する実験的知見がある。これは、タイヤと地面との摩擦によって、車両は地面に対して負電位に帯電し、空気中に多く含まれる正電位の空気イオンが車両の外表面に吸引されて、車両の負電荷と中和するが、その中和によって車両の外表面の圧力変動(空力特性)が発生するためと推定される。
【0020】
図1は、実施形態1に係る車両用除電装置100の概略構成を示した図である。実施形態1に係る車両用除電装置100は、
図1に示すように、導電性端子10と、車両1のアース部分である車体アース14に導電性端子10を導通すべく設けられたアース配線12と、を備えている。
【0021】
導電性端子10は、車両1の外表面を形成する非導電性部位を有した外表面形成部品である窓ガラス2に設けられている。窓ガラス2は、車両1のフロントドア3に対して開閉可能に取り付けられている。フロントドア3には、例えば、板金の外表面に塗料層や樹脂製の保護層などが形成されている。また、フロントドア3の車室内側には、前記板金の内表面を覆うように内装カバーなどが取り付けられている。そして、フロントドア3内(例えば、前記板金と内装カバーとの間)には、窓ガラス2を開閉するための開閉装置や、フロントドア3を開錠または施錠するためのドアロック装置などが配置されている。なお、車両1のフロントドア3を含む各ドアは、例えば、繊維強化プラスチックなどを用いた樹脂製であってもよい。
【0022】
導電性端子10は、例えば、銅製のテープで作製している。なお、導電性端子10としては、銅製のテープに限定されるものではなく、窓ガラス2からアース配線12に正電位に帯電した空気イオンを流すことができれば、他の導電性の高い素材を用いてもよい。
【0023】
アース配線12の一端は導電性端子10に接続されており、アース配線12の他端は車体アース14に接続されている。車体アース14は、タイヤ4と地面5との摩擦などによって負電位に帯電している。また、車体アース14は、車両1に搭載された補機バッテリの負極端子と電気的に接続されている。
【0024】
実施形態1に係る車両用除電装置100では、窓ガラス2(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを、導電性端子10からアース配線12を通して、負電位に帯電した車体アース14に流すことによって中和を図ることができる。これにより、実施形態1に係る車両用除電装置100においては、窓ガラス2(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電することができ、車両1の操舵安定性を向上させることができる。
【0025】
なお、実施形態1に係る車両用除電装置100においては、車両1のアース部分としてステアリングシャフトにアース配線12を接続してもよい。また、実施形態1に係る車両用除電装置100では、アース配線12を車体アース14などの車両1のアース部分ではなく、車両1に搭載された補機バッテリの負極端子に直接接続してもよい。
【0026】
また、実施形態1に係る車両用除電装置100においては、フロントドア3に取り付けられた窓ガラス2に導電性端子10が設けられることに限定されるものではない。例えば、導電性端子10は、車両1の他のドアに取り付けられた窓ガラスや、フロントガラス及びリヤガラスなどに設けてもよい。
【0027】
(実施形態2)
以下に、本発明に係る車両用除電装置100の実施形態2について説明する。なお、実施形態2において実施形態1と共通する内容については、適宜説明を省略する。
【0028】
図2は、実施形態2に係る車両用除電装置100の概略構成を示した図である。実施形態2に係る車両用除電装置100は、
図2に示すように、車両1の外表面を形成する非導電性部位を有した外表面形成部品であるフロントドア3に、導電性端子10が設けられている。具体的に、実施形態2に係る車両用除電装置100では、フロントドア3における車室内側の板金面に導電性端子10を設けている。導電性端子10は、アース配線12によって車体アース14と電気的に接続されている。
【0029】
実施形態2に係る車両用除電装置100では、フロントドア3(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを、導電性端子10からアース配線12を通して、負電位に帯電した車体アース14に流すことによって中和を図ることができる。これにより、実施形態2に係る車両用除電装置100においては、フロントドア3(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電することができ、車両1の操舵安定性を向上させることができる。
【0030】
また、実施形態2に係る車両用除電装置100においては、フロントドア3に導電性端子10が設けられることに限定されるものではない。例えば、導電性端子10は、車両1のリヤドアなどの他のドアに設けられていてもよい。
【0031】
(実施形態3)
以下に、本発明に係る車両用除電装置の実施形態3について説明する。なお、実施形態3において実施形態1と共通する内容については、適宜説明を省略する。
【0032】
図3は、実施形態3に係る車両用除電装置100の概略構成を示した図である。実施形態3に係る車両用除電装置100は、
図3に示すように、導電性端子10がフロントドア3に設けられている。具体的に、実施形態3に係る車両用除電装置100では、フロントドア3における車室内側の板金面に導電性端子10を設けている。導電性端子10は、アース配線12によって、フロントドア3内に配置された電装品20のアース端子(GND端子)22と電気的に接続されている。電装品20は、例えば、フロントドア3内に配置された、ドアロック装置や窓ガラス開閉装置などである。実施形態3に係る車両用除電装置100では、フロントドア3内に電装品20が配置されているため、この電装品20のアース端子22を、アース配線12を接続するアース部分として共用している。
【0033】
実施形態3に係る車両用除電装置100においては、フロントドア3(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを、導電性端子10からアース配線12を通して、電装品20のアース端子22に流すことによって中和を図ることができる。これにより、実施形態3に係る車両用除電装置100は、フロントドア3(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電することができ、車両1の操舵安定性を向上させることができる。また、実施形態3に係る車両用除電装置100では、電装品20のアース端子22を、アース配線12を接続するアース部分として共用するため、フロントドア3に設けた導電性端子10と近い位置に前記アース部分があり、搭載性を向上させることができる。
【0034】
(実施形態4)
以下に、本発明に係る車両用除電装置の実施形態4について説明する。なお、実施形態4において実施形態1と共通する内容については、適宜説明を省略する。
【0035】
図4は、実施形態4に係る車両用除電装置100の概略構成を示した図である。なお、
図4においては、窓ガラス2の形状が分かりやすいように、窓ガラス2が閉じた状態でフロントドア3内に隠れている部分も示している。
【0036】
実施形態4に係る車両用除電装置100は、
図4に示すように、窓ガラス2の開閉状態によらず、窓ガラス2の下部における車両1の乗員から視認できない位置に、導電性端子10を設けている。導電性端子10は、アース配線12によって車体アース14と電気的に接続されている。
【0037】
実施形態4に係る車両用除電装置100は、窓ガラス2(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電して、操舵安定性を向上させることができると共に、車両1の意匠性を保ったまま、導電性端子10の搭載性を向上させることが可能となる。
【0038】
(実施形態5)
以下に、本発明に係る車両用除電装置の実施形態5について説明する。なお、実施形態5において実施形態1と共通する内容については、適宜説明を省略する。
【0039】
図5は、実施形態5に係る車両用除電装置100の概略構成を示した図である。実施形態5に係る車両用除電装置100は、
図5に示すように、フロントドア3において、窓ガラス2が閉じたときに窓ガラス2の上部と接触する接触部に、導電性ゴム10Aが設けられている。導電性ゴム10Aは、例えば、フロントドア3の窓枠と窓ガラス2の上部との間の隙間を塞ぐ防水用のシール材などである。
【0040】
アース配線12の一端が導電性ゴム10Aの下部に接続されており、アース配線12の他端が車体アース14に接続されており、導電性ゴム10Aがアース配線12によって車体アース14と電気的に接続されている。実施形態5に係る車両用除電装置100では、窓ガラス2(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを、窓ガラス2からアース配線12を通して車体アース14に流すための導電性端子として導電性ゴム10Aを用いている。
【0041】
実施形態5に係る車両用除電装置100では、窓ガラス2が閉じた状態のときに、窓ガラス2と導電性ゴム10Aとが接触する。そして、このときに、窓ガラス2(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを、導電性ゴム10Aからアース配線12を通して、負電位に帯電した車体アース14に流すことによって中和を図ることができる。これにより、実施形態5に係る車両用除電装置100は、窓ガラス2(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電することができ、車両1の操舵安定性を向上させることができる。また、実施形態5に係る車両用除電装置100においては、フロントドア3の窓枠と窓ガラス2の上部との間の隙間を塞ぐシール材(導電性ゴム10A)を、除電のための導電性端子として兼用するため、部品点数を減らして低コスト化を図ることが可能となる。
【0042】
(実施形態6)
以下に、本発明に係る車両用除電装置の実施形態6について説明する。なお、実施形態6において実施形態1と共通する内容については、適宜説明を省略する。
【0043】
図6は、実施形態6に係る車両用除電装置100の概略構成を示した図である。なお、
図4においては、窓ガラス2の形状が分かりやすいように、窓ガラス2が閉じた状態でフロントドア3内に隠れている部分も示している。
【0044】
実施形態6に係る車両用除電装置100は、
図6に示すように、窓ガラス2の車室内側の面に、導電性を有する透明な塗料が塗布された導電性塗布面10Bが設けられている。アース配線12に一端が導電性塗布面10Bの下部に接続されており、アース配線12の他端が車体アース14に接続されおり、導電性塗布面10Bがアース配線12によって車体アース14と電気的に接続されている。実施形態6に係る車両用除電装置100では、窓ガラス2(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを、窓ガラス2からアース配線12に流すための導電性端子として導電性塗布面10Bを用いている。
【0045】
実施形態6に係る車両用除電装置100においては、窓ガラス2(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを、導電性塗布面10Bからアース配線12を通して、負電位に帯電した車体アース14に流すことによって中和を図ることができる。これにより、実施形態6に係る車両用除電装置100においては、窓ガラス2(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電することができ、車両1の操舵安定性を向上させることができる。
【0046】
実施形態1~6に係る車両用除電装置100は、例えば、車両1のボンネットやルーフが繊維強化プラスチックなどを用いた樹脂製である場合、窓ガラス2及びフロントドア3と同様に空気中の正電位に帯電した空気イオンが蓄積し易くなる。そのため、樹脂製のボンネットや樹脂製のルーフを備える車両1に対しては、ボンネットやルーフに導電性端子10などを設けて、アース配線12を通して車体アース14などのアース部に正電位に帯電した空気イオンを流すように車両用除電装置100を構成する。これにより、ボンネットやルーフ(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを、導電性端子10からアース配線12を通して、負電位に帯電した車両1のアース部に流して中和することができる。よって、ボンネットやルーフ(車両1の外表面)に蓄積する正電位に帯電した空気イオンを除電することができ、車両1の操舵安定性を向上させることができる。
【実施例0047】
本実施例では、車両用除電装置100による窓ガラス2の除電あり、車両用除電装置100によるフロントドア3の除電あり、窓ガラス2及びフロントドア3ともに除電なし、の3条件にて、車両1の段差乗り越えや操舵応答の走行試験を行った。なお、窓ガラス2の除電ありの条件では、窓ガラス2に導電性端子10を設けて、導電性端子10と補機バッテリの負極端子とをアース配線12によって電気的に接続して車両用除電装置100を構成した。また、フロントドア3の除電ありの条件では、フロントドア3に導電性端子10を設けて、導電性端子10と補機バッテリの負極端子とをアース配線12によって電気的に接続して車両用除電装置100を構成した。そして、本実施例では、前記走行試験を6人の被験者で行い、前記3条件で比較検証を行った。
【0048】
比較検証の結果、窓ガラス2の除電ありの条件では、窓ガラス2及びフロントドア3ともに除電なしの条件に比べて、ハンドル操作が軽くなり操舵の応答性が向上したという意見が得られた。また、フロントドア3の除電ありの条件では、窓ガラス2及びフロントドア3ともに除電なしの条件に比べて、車両1の剛性が向上し、操舵が重くしっかりするという意見が得られた。