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特開2024-66826マッド材供給装置およびマッド材供給装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066826
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】マッド材供給装置およびマッド材供給装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   C21B 7/12 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
C21B7/12 304
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176561
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】500465204
【氏名又は名称】栗田鑿岩機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】池田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】藤江 健治
(72)【発明者】
【氏名】堀越 廣一
【テーマコード(参考)】
4K015
【Fターム(参考)】
4K015DB02
(57)【要約】
【課題】高さ方向の各段にマッド材の列を押し出す押出し部を設けることによる製造コストの増加を防止し、かつマッド材が破損することを抑制する。
【解決手段】1段目と2段目のマッド材Mの列を仕切る仕切板10jを有する積載部11-17と、1段目のマッド材Mの列を押し出す第1押出し動作を実行する第1押出し部と、2段目のマッド材Mの列を支持する支持状態と非支持状態とに仕切板10jを切り替える切替機構50と、制御部と、を備え、制御部は、1段目のマッド材Mの列に対して第1押出し動作を実行し、第1押出し動作が実行された積載部11-17が有する仕切板10jを支持状態から非支持状態に切り替えて2段目のマッド材Mの列を1段目に落下させ、1段目に落下したマッド材Mの列に対して第1押出し動作を実行するよう制御するマッド材供給装置を提供する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高炉の出銑口にマッドを充填するマッドガンへブロック状のマッド材を供給するマッド材供給装置であって、
水平方向に延びる第1軸線に沿って複数の前記マッド材を一列状に積載するとともに高さ方向に配置される1段目の前記マッド材の列と2段目の前記マッド材の列とを仕切る仕切板を有する積載部と、
前記第1軸線に沿って第1先端部を移動させて前記積載部から前記1段目の前記マッド材の列を押し出す第1押出し動作を実行する第1押出し部と、
前記2段目の前記マッド材の列を支持する支持状態と前記2段目の前記マッド材の列を支持しない非支持状態とに前記仕切板を切り替える切替機構と、
前記第1押出し部と前記切替機構とを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記1段目の前記マッド材の列に対して前記第1押出し動作を実行するよう前記第1押出し部を制御し、
前記第1押出し動作が実行された前記積載部が有する前記仕切板を前記支持状態から前記非支持状態に切り替えて前記2段目の前記マッド材の列を前記1段目に落下させるよう前記切替機構を制御し、
前記1段目に落下した前記マッド材の列に対して前記第1押出し動作を実行するよう前記第1押出し部を制御するマッド材供給装置。
【請求項2】
水平方向に延びて前記第1軸線に直交する第2軸線に沿って複数列で前記積載部を配置する積載機構と、
前記積載機構に対して前記第1押出し部を前記第2軸線に沿って移動させるスライド機構と、を備え、
前記制御部は、
前記第1押出し部が複数列の前記積載部のそれぞれに積載される前記1段目の前記マッド材の列に前記第1押出し動作を実行するように前記第1押出し部を前記第2軸線に沿って移動させるよう前記スライド機構を制御する請求項1に記載のマッド材供給装置。
【請求項3】
前記第1軸線に沿って第2先端部を移動させて前記積載部から前記1段目の前記マッド材の列を押し出す第2押出し動作を実行する第2押出し部を備え、
前記スライド機構は、前記第1押出し部および前記第2押出し部を前記第2軸線に沿った方向の異なる位置に配置する状態で前記積載機構に対して前記第1押出し部および前記第2押出し部を前記第2軸線に沿って移動させ、
前記制御部は、
前記第2軸線に沿った第1位置に配置される前記積載部の前記1段目の前記マッド材の列に対して前記第1押出し動作を実行するよう前記第1押出し部を制御し、前記第2軸線に沿った前記第1位置とは異なる第2位置に配置される前記積載部の前記1段目の前記マッド材の列に対して前記第2押出し動作を実行するよう前記第2押出し部を制御する請求項2に記載のマッド材供給装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1押出し動作と前記第2押出し動作とが異なるタイミングで実行されるように前記第1押出し部および前記第2押出し部を制御する請求項3に記載のマッド材供給装置。
【請求項5】
前記第1押出し部は、前記第1軸線に沿って前記第1先端部を第1押出し開始位置から第1押出し終了位置まで移動させて前記第1押出し動作を実行し、
前記第2押出し部は、前記第1軸線に沿って前記第2先端部を第2押出し開始位置から第2押出し終了位置まで移動させて前記第2押出し動作を実行し、
前記制御部は、前記第1先端部が前記第1押出し終了位置から前記第1押出し開始位置へ移動するタイミングで、前記第2先端部を前記第2押出し開始位置から前記第1押出し終了位置へ移動させて前記第2押出し動作を実行する請求項4に記載のマッド材供給装置。
【請求項6】
前記積載部は、n+1段(nは1以上の整数)の前記マッド材の列を仕切るn個の前記仕切板を有し、
前記制御部は、
m+1段目(mは1以上n以下の整数)の前記マッド材の列を支持する前記仕切板を前記支持状態から前記非支持状態に切り替えて前記m+1段目の前記マッド材の列をm段目に落下させるよう前記切替機構を制御し、
前記m段目の前記マッド材の列を支持する前記仕切板を前記支持状態から前記非支持状態に切り替えて前記m段目の前記マッド材の列をm-1段目に落下させるよう前記切替機構を制御し、
前記m+1段目の前記マッド材の列を支持する前記仕切板を前記非支持状態から前記支持状態に切り替えるよう前記切替機構を制御する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のマッド材供給装置。
【請求項7】
高炉の出銑口にマッドを充填するマッドガンへブロック状のマッド材を供給するマッド材供給装置の制御方法であって、
前記マッド材供給装置は、
水平方向に延びる第1軸線に沿って複数の前記マッド材を一列状に積載するとともに高さ方向に配置される1段目の前記マッド材の列と2段目の前記マッド材の列とを仕切る仕切板を有する積載部と、
前記第1軸線に沿って第1先端部を移動させて前記積載部から前記1段目の前記マッド材の列を押し出す第1押出し動作を実行する第1押出し部と、
前記2段目の前記マッド材の列を支持する支持状態と前記2段目の前記マッド材の列を支持しない非支持状態とに前記仕切板を切り替える切替機構と、を有し、
前記1段目の前記マッド材の列に対して前記第1押出し動作を実行するよう前記第1押出し部を制御する第1押出し工程と、
前記第1押出し動作が実行された前記積載部が有する前記仕切板を前記支持状態から前記非支持状態に切り替えて前記2段目の前記マッド材の列を前記1段目に落下させるよう前記切替機構を制御する切替工程と、
前記1段目に落下した前記マッド材の列に対して前記第1押出し動作を実行するよう前記第1押出し部を制御する第2押出し工程と、を備えるマッド材供給装置の制御方法。
【請求項8】
前記マッド材供給装置は、
水平方向に延びて前記第1軸線に直交する第2軸線に沿って複数列で前記積載部を配置する積載機構と、
前記積載機構に対して前記第1押出し部を前記第2軸線に沿って移動させるスライド機構と、を有し、
前記第1押出し部が複数列の前記積載部のそれぞれに積載される前記1段目の前記マッド材の列に前記第1押出し動作を実行するように前記第1押出し部を前記第2軸線に沿って移動させるよう前記スライド機構を制御するスライド工程を備える請求項7に記載のマッド材供給装置の制御方法。
【請求項9】
前記マッド材供給装置は、
前記第1軸線に沿って第2先端部を移動させて前記積載部から前記1段目の前記マッド材の列を押し出す第2押出し動作を実行する第2押出し部を有し、
前記スライド工程は、前記第1押出し部および前記第2押出し部を前記第2軸線に沿った方向の異なる位置に配置する状態で前記積載機構に対して前記第1押出し部および前記第2押出し部を前記第2軸線に沿って移動させ、
前記第1押出し工程および前記第2押出し工程は、前記第2軸線に沿った第1位置に配置される前記積載部の前記1段目の前記マッド材の列に対して前記第1押出し動作を実行するよう前記第1押出し部を制御し、かつ前記第2軸線に沿った前記第1位置とは異なる第2位置に配置される前記積載部の前記1段目の前記マッド材の列に対して前記第2押出し動作を実行するよう前記第2押出し部を制御する請求項8に記載のマッド材供給装置の制御方法。
【請求項10】
前記第1押出し工程および前記第2押出し工程は、前記第1押出し動作と前記第2押出し動作とが異なるタイミングで実行されるように前記第1押出し部および前記第2押出し部を制御する請求項9に記載のマッド材供給装置の制御方法。
【請求項11】
前記第1押出し部は、前記第1軸線に沿って前記第1先端部を第1押出し開始位置から第1押出し終了位置まで移動させて前記第1押出し動作を実行し、
前記第2押出し部は、前記第1軸線に沿って前記第2先端部を第2押出し開始位置から第2押出し終了位置まで移動させて前記第2押出し動作を実行し、
前記第1押出し工程および前記第2押出し工程は、前記第1先端部が前記第1押出し終了位置から前記第1押出し開始位置へ移動するタイミングで、前記第2先端部を前記第2押出し開始位置から前記第1押出し終了位置へ移動させて前記第2押出し動作を実行する請求項10に記載のマッド材供給装置の制御方法。
【請求項12】
前記積載部は、n+1段(nは1以上の整数)の前記マッド材の列を仕切るn個の前記仕切板を有し、
前記切替工程は、
m+1段目(mは1以上n以下の整数)の前記マッド材の列を支持する前記仕切板を前記支持状態から前記非支持状態に切り替えて前記m+1段目の前記マッド材の列をm段目に落下させるよう前記切替機構を制御し、
前記m段目の前記マッド材の列を支持する前記仕切板を前記支持状態から前記非支持状態に切り替えて前記m段目の前記マッド材の列をm-1段目に落下させるよう前記切替機構を制御し、
前記m+1段目の前記マッド材の列を支持する前記仕切板を前記非支持状態から前記支持状態に切り替えるよう前記切替機構を制御する請求項7から請求項11のいずれか一項に記載のマッド材供給装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉の出銑口にマッドを充填するマッドガンへブロック状のマッド材を供給するマッド材供給装置およびマッド材供給装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高炉の出銑口にマッドを充填するマッドガンへブロック状のマッド材を供給するマッド材供給装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されるマッド材供給装置は、高さ方向に2段のマッド材の列を積載する積載部を複数列で配置する積載機構を備える。特許文献1のマッド材供給装置は、1段目のマッド材の列を下段押出しシリンダでシュート部に押し出し、2段目のマッド材の列を上段押出しシリンダでシュート部に押し出すことで、各段のマッド材の列をマッドガンへ投下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-121692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されるマッド材供給装置は、高さ方向の2段のマッド材の列をそれぞれ押し出すために、上段押出しシリンダおよび下段押出しシリンダの2つの押出しシリンダが高さ方向の各位置に必要となり、マッド材供給装置の製造コストが増加してしまう。
【0005】
また、2段目から投下されるマッド材の投下位置が1段目から投下されるマッド材の投下位置よりも高さ方向に高いため、1段目のマッド材に比べて2段目のマッド材が落下する際に加わる衝撃が大きくなる。そのため、1段目のマッド材に比べて2段目のマッド材が落下する際に破損し易くなり、例えば、マッドガンのマッド材供給口の近傍でマッド材が破損してマッド材供給口を閉塞させてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高さ方向に複数段でマッド材の列を積載する積載部を備えるマッド材供給装置において、高さ方向の各段にマッド材の列を押し出す押出し部を設けることによる製造コストの増加を防止し、かつマッド材が破損することを抑制することが可能なマッド材供給装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明の一態様にかかるマッド材供給装置は、高炉の出銑口にマッドを充填するマッドガンへブロック状のマッド材を供給するマッド材供給装置であって、水平方向に延びる第1軸線に沿って複数の前記マッド材を一列状に積載するとともに高さ方向に配置される1段目の前記マッド材の列と2段目の前記マッド材の列とを仕切る仕切板を有する積載部と、前記第1軸線に沿って第1先端部を移動させて前記積載部から前記1段目の前記マッド材の列を押し出す第1押出し動作を実行する第1押出し部と、前記2段目の前記マッド材の列を支持する支持状態と前記2段目の前記マッド材の列を支持しない非支持状態とに前記仕切板を切り替える切替機構と、前記第1押出し部と前記切替機構とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記1段目の前記マッド材の列に対して前記第1押出し動作を実行するよう前記押出し部を制御し、前記第1押出し動作が実行された前記積載部が有する前記仕切板を前記支持状態から前記非支持状態に切り替えて前記2段目の前記マッド材の列を前記1段目に落下させるよう前記切替機構を制御し、前記1段目に落下した前記マッド材の列に対して前記第1押出し動作を実行するよう前記第1押出し部を制御する。
【0008】
本発明の一態様にかかるマッド材供給装置によれば、第1軸線に沿って積載部に一列状に配置される複数のマッド材を第1押出し部が第1先端部を移動させて積載部から押し出す第1押出し動作を実行することにより、積載部の下方に複数のマッド材を投入することができる。マッド材が投入される位置をマッドガンへの供給口とすることで、積載部から押し出されたマッド材を他の機構により搬送することなく積載部からマッドガンへ直接的に供給することができる。
【0009】
また、本発明の一態様にかかるマッド材供給装置によれば、制御部が、第1押出し動作が実行された積載部が有する仕切板を支持状態から非支持状態に切り替えて2段目のマッド材の列を1段目に落下させるよう切替機構を制御し、1段目に落下したマッド材の列に対して第1押出し動作を実行するよう第1押出し部を制御する。
【0010】
2段目のマッド材の列は、1段目に落下してから第1押出し部により押し出されるため、高さ方向の各段にマッド材の列を押し出す押出し部を設けずに、2段目のマッド材の列を投下することができる。よって、高さ方向の各段にマッド材の列を押し出す押出し部を設けることによる製造コストの増加を防止することができる。また、2段目のマッド材の列が1段目に落下してから第1押出し部により押し出されるため、2段目の高さからマッド材の列を投下する場合に比べ、マッド材が落下する際に加わる衝撃が軽減され、マッド材が破損することを適切に抑制することができる。
【0011】
本発明の一態様に係るマッド材供給装置においては、更に以下の構成としてもよい。すなわち、水平方向に延びて前記第1軸線に直交する第2軸線に沿って複数列で前記積載部を配置する積載機構と、前記積載機構に対して前記第1押出し部を前記第2軸線に沿って移動させるスライド機構と、を備え、前記制御部は、前記第1押出し部が複数列の前記積載部のそれぞれに積載される前記1段目の前記マッド材の列に前記第1押出し動作を実行するように前記第1押出し部を前記第2軸線に沿って移動させるよう前記スライド機構を制御する構成としてもよい。
【0012】
本構成のマッド材供給装置によれば、スライド機構により、第2軸線に沿って複数列で積載部を配置する積載機構に対して第1押出し部を第2軸線に沿って移動させることで、第1押出し部により複数列の積載部のそれぞれの位置に移動させることができる。そして、第1押出し部が複数列の積載部のそれぞれに積載される1段目のマッド材の列に第1押出し動作を実行することにより、複数列の積載部のそれぞれからマッド材の列をシュート部に投下することができる。
【0013】
上記構成のマッド材供給装置においては、更に以下の態様としてもよい。すなわち、前記第1軸線に沿って第2先端部を移動させて前記積載部から前記1段目の前記マッド材の列を押し出す第2押出し動作を実行する第2押出し部を備え、前記スライド機構は、前記第1押出し部および前記第2押出し部を前記第2軸線に沿った方向の異なる位置に配置する状態で前記積載機構に対して前記第1押出し部および前記第2押出し部を前記第2軸線に沿って移動させ、前記制御部は、前記第2軸線に沿った第1位置に配置される前記積載部の前記1段目の前記マッド材の列に対して前記第1押出し動作を実行するよう前記第1押出し部を制御し、前記第2軸線に沿った前記第1位置とは異なる第2位置に配置される前記積載部の前記1段目の前記マッド材の列に対して前記第2押出し動作を実行するよう前記第2押出し部を制御する態様としてもよい。
【0014】
本態様のマッド材供給装置によれば、スライド機構により、第2軸線に沿って複数列で積載部を配置する積載機構に対して第1押出し部および第2押出し部を第2軸線に沿って移動させることで、第1押出し部および第2押出し部を複数列の積載部のそれぞれの位置に移動させることができる。そして、第1押出し部が第1位置に配置される積載部の1段目のマッド材の列に第1押出し動作を実行し、第2押出し部が第1位置とは異なる第2位置に配置される積載部の1段目のマッド材の列に第2押出し動作を実行することにより、2つの押出し部を用いて複数列の積載部のそれぞれからマッド材の列をシュート部に投下することができる。
【0015】
上記態様のマッド材供給装置においては、更に以下の形態としてもよい。すなわち、前記制御部は、前記第1押出し動作と前記第2押出し動作とが異なるタイミングで実行されるように前記第1押出し部および前記第2押出し部を制御する形態としてもよい。
本形態のマッド材供給装置によれば、第1押出し部による第1押出し動作と第2押出し部による第2押出し動作とが異なるタイミングで実行されるため、第1押出し動作および第2押出し動作により同時にマッド材の列が押し出されてマッドガンへの供給口を閉塞させることを適切に防止することができる。
【0016】
上記形態のマッド材供給装置においては、更に以下としてもよい。すなわち、前記第1押出し部は、前記第1軸線に沿って前記第1先端部を第1押出し開始位置から第1押出し終了位置まで移動させて前記第1押出し動作を実行し、前記第2押出し部は、前記第1軸線に沿って前記第2先端部を第2押出し開始位置から第2押出し終了位置まで移動させて前記第2押出し動作を実行し、前記制御部は、前記第1先端部が前記第1押出し終了位置から前記第1押出し開始位置へ移動するタイミングで、前記第2先端部を前記第2押出し開始位置から前記第1押出し終了位置へ移動させて前記第2押出し動作を実行するようにしてもよい。
【0017】
上記のマッド材供給装置によれば、第1押出し部の第1先端部が第1押出し終了位置から第1押出し開始位置へ移動するタイミングで、第2押出し部の第2先端部が第2押出し開始位置から第1押出し終了位置へ移動する。そのため、第1押出し部の第1先端部が第1押出し終了位置から第1押出し開始位置へ移動する動作が完了することを待たずに第2押出し部による第2押出し動作を実行し、第1押出し動作および第2押出し動作を実行するのに要する時間を短縮することができる。
【0018】
上記構成のマッド材供給装置においては、更に以下の態様としてもよい。すなわち、前記積載部は、n+1段(nは1以上の整数)の前記マッド材の列を仕切るn個の前記仕切板を有し、前記制御部は、m+1段目(mはn以下の整数)の前記マッド材の列を支持する前記仕切板を前記支持状態から前記非支持状態に切り替えて前記m+1段目の前記マッド材の列をm段目に落下させるよう前記切替機構を制御し、前記m段目の前記マッド材の列を支持する前記仕切板を前記支持状態から前記非支持状態に切り替えて前記m段目の前記マッド材の列をm-1段目に落下させるよう前記切替機構を制御し、前記m+1段目の前記マッド材の列を支持する前記仕切板を前記非支持状態から前記支持状態に切り替えるよう前記切替機構を制御する態様としてもよい。
【0019】
本態様のマッド材供給装置によれば、制御部が、m+1段目のマッド材の列を支持する仕切板を支持状態から非支持状態に切り替え、m段目のマッド材の列を支持する仕切板を支持状態から非支持状態に切り替え、m+1段目のマッド材の列を支持する仕切板を非支持状態から支持状態に切り替えることにより、m+1段目のマッド材の列をm段目に落下させ、更にm-1段目に落下させることができる。この動作を各段で行うことにより、マッド材の列が1段目に落下するまで1段ずつ順番にマッド材の列を落下させることができる。
【0020】
本発明の一態様にかかるマッド材供給装置の制御方法は、高炉の出銑口にマッドを充填するマッドガンへブロック状のマッド材を供給するマッド材供給装置の制御方法であって、前記マッド材供給装置は、水平方向に延びる第1軸線に沿って複数の前記マッド材を一列状に積載するとともに高さ方向に配置される1段目の前記マッド材の列と2段目の前記マッド材の列とを仕切る仕切板を有する積載部と、前記第1軸線に沿って第1先端部を移動させて前記積載部から前記1段目の前記マッド材の列を押し出す第1押出し動作を実行する第1押出し部と、前記2段目の前記マッド材の列を支持する支持状態と前記2段目の前記マッド材の列を支持しない非支持状態とに前記仕切板を切り替える切替機構と、を有し、前記1段目の前記マッド材の列に対して前記第1押出し動作を実行するよう前記第1押出し部を制御する第1押出し工程と、前記第1押出し動作が実行された前記積載部が有する前記仕切板を前記支持状態から前記非支持状態に切り替えて前記2段目の前記マッド材の列を前記1段目に落下させるよう前記切替機構を制御する切替工程と、前記1段目に落下した前記マッド材の列に対して前記第1押出し動作を実行するよう前記第1押出し部を制御する第2押出し工程と、を備える。
【0021】
本発明の一態様にかかるマッド材供給装置の制御方法によれば、第1軸線に沿って積載部に一列状に配置される複数のマッド材を第1押出し部が第1先端部を移動させて積載部から押し出す第1押出し動作を実行することにより、積載部の下方に複数のマッド材を投入することができる。マッド材が投入される位置をマッドガンのマッド材供給口とすることで、積載部から押し出されたマッド材を他の機構により搬送することなく積載部からマッドガンへ直接的に供給することができる。
【0022】
また、本発明の一態様にかかるマッド材供給装置の制御方法によれば、切替工程が、第1押出し動作が実行された積載部が有する仕切板を支持状態から非支持状態に切り替えて2段目のマッド材の列を1段目に落下させるよう切替機構を制御し、1段目に落下したマッド材の列に対して第1押出し動作を実行するよう第1押出し部を制御する。
【0023】
2段目のマッド材の列は、1段目に落下してから第1押出し部により押し出されるため、高さ方向の各段にマッド材の列を押し出す押出し部を設けずに、2段目のマッド材の列を投下することができる。よって、高さ方向の各段にマッド材の列を押し出す押出し部を設けることによる製造コストの増加を防止することができる。また、2段目のマッド材の列が1段目に落下してから第1押出し部により押し出されるため、2段目の高さからマッド材の列を投下する場合に比べ、マッド材が落下する際に加わる衝撃が軽減され、マッド材が破損することを適切に抑制することができる。
【0024】
本発明の一態様に係るマッド材供給装置の制御方法においては、更に以下の構成としてもよい。すなわち、前記マッド材供給装置は、水平方向に延びて前記第1軸線に直交する第2軸線に沿って複数列で前記積載部を配置する積載機構と、前記積載機構に対して前記第1押出し部を前記第2軸線に沿って移動させるスライド機構と、を有し、前記第1押出し部が複数列の前記積載部のそれぞれに積載される前記1段目の前記マッド材の列に前記第1押出し動作を実行するように前記第1押出し部を前記第2軸線に沿って移動させるよう前記スライド機構を制御するスライド工程を備える構成としてもよい。
【0025】
本構成のマッド材供給装置の制御方法によれば、スライド工程により、第2軸線に沿って複数列で積載部を配置する積載機構に対して第1押出し部を第2軸線に沿って移動させることで、第1押出し部により複数列の積載部のそれぞれの位置に移動させることができる。そして、第1押出し部が複数列の積載部のそれぞれに積載される1段目の前記マッド材の列に第1押出し動作を実行することにより、複数列の積載部のそれぞれからマッド材の列を投下することができる。
【0026】
上記構成のマッド材供給装置の制御方法においては、更に以下の態様としてもよい。すなわち、前記マッド材供給装置は、前記第1軸線に沿って第2先端部を移動させて前記積載部から前記1段目の前記マッド材の列を押し出す第2押出し動作を実行する第2押出し部を有し、前記スライド工程は、前記第1押出し部および前記第2押出し部を前記第2軸線に沿った方向の異なる位置に配置する状態で前記積載機構に対して前記第1押出し部および前記第2押出し部を前記第2軸線に沿って移動させ、前記第1押出し工程および前記第2押出し工程は、前記第2軸線に沿った第1位置に配置される前記積載部の前記1段目の前記マッド材の列に対して前記第1押出し動作を実行するよう前記第1押出し部を制御し、かつ前記第2軸線に沿った前記第1位置とは異なる第2位置に配置される前記積載部の前記1段目の前記マッド材の列に対して前記第2押出し動作を実行するよう前記第2押出し部を制御する態様としてもよい。
【0027】
本態様のマッド材供給装置の制御方法によれば、スライド工程により、第2軸線に沿って複数列で積載部を配置する積載機構に対して第1押出し部および第2押出し部を第2軸線に沿って移動させることで、第1押出し部および第2押出し部を複数列の積載部のそれぞれの位置に移動させることができる。そして、第1押出し部が第1位置に配置される積載部の1段目のマッド材の列に第1押出し動作を実行し、第2押出し部が第1位置とは異なる第2位置に配置される積載部の1段目のマッド材の列に第2押出し動作を実行することにより、2つの押出し部を用いて複数列の積載部のそれぞれからマッド材の列を投下することができる。
【0028】
上記態様のマッド材供給装置の制御方法においては、更に以下の形態としてもよい。すなわち、前記第1押出し工程および前記第2押出し工程は、前記第1押出し動作と前記第2押出し動作とが異なるタイミングで実行されるように前記第1押出し部および前記第2押出し部を制御する形態としてもよい。
本形態のマッド材供給装置の制御方法によれば、第1押出し動作と第2押出し動作とが異なるタイミングで実行されるため、第1押出し動作および第2押出し動作により同時にマッド材の列が押し出されてマッド材供給口を閉塞させることを適切に防止することができる。
【0029】
上記形態のマッド材供給装置の制御方法においては、更に以下としてもよい。すなわち、前記第1押出し部は、前記第1軸線に沿って前記第1先端部を第1押出し開始位置から第1押出し終了位置まで移動させて前記第1押出し動作を実行し、前記第2押出し部は、前記第1軸線に沿って前記第2先端部を第2押出し開始位置から第2押出し終了位置まで移動させて前記第2押出し動作を実行し、前記第1押出し工程および前記第2押出し工程は、前記第1先端部が前記第1押出し終了位置から前記第1押出し開始位置へ移動するタイミングで、前記第2先端部を前記第2押出し開始位置から前記第1押出し終了位置へ移動させて前記第2押出し動作を実行するようにしてもよい。
【0030】
上記のマッド材供給装置の制御方法によれば、第1押出し部の第1先端部が第1押出し終了位置から第1押出し開始位置へ移動するタイミングで、第2押出し部の第2先端部が第2押出し開始位置から第1押出し終了位置へ移動する。そのため、第1押出し部の第1先端部が第1押出し終了位置から第1押出し開始位置へ移動する動作が完了することを待たずに第2押出し部による第2押出し動作を実行し、第1押出し動作および第2押出し動作を実行するのに要する時間を短縮することができる。
【0031】
上記構成のマッド材供給装置の制御方法においては、更に以下の態様としてもよい。すなわち、前記積載部は、n+1段(nは2以上の整数)の前記マッド材の列を仕切るn個の前記仕切板を有し、前記切替工程は、m+1段目(mはn以下の整数)の前記マッド材の列を支持する前記仕切板を前記支持状態から前記非支持状態に切り替えて前記m+1段目の前記マッド材の列をm段目に落下させるよう前記切替機構を制御し、前記m段目の前記マッド材の列を支持する前記仕切板を前記支持状態から前記非支持状態に切り替えて前記m段目の前記マッド材の列をm-1段目に落下させるよう前記切替機構を制御し、前記m+1段目の前記マッド材の列を支持する前記仕切板を前記非支持状態から前記支持状態に切り替えるよう前記切替機構を制御する態様としてもよい。
【0032】
本態様のマッド材供給装置の制御方法によれば、切替工程が、m+1段目のマッド材の列を支持する仕切板を支持状態から非支持状態に切り替え、m段目のマッド材の列を支持する仕切板を支持状態から非支持状態に切り替え、m+1段目のマッド材の列を支持する仕切板を非支持状態から支持状態に切り替えることにより、m+1段目のマッド材の列をm段目に落下させ、更にm-1段目に落下させることができる。この動作を各段で行うことにより、マッド材の列が1段目に落下するまで1段ずつ順番にマッド材の列を落下させることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、高さ方向に複数段でマッド材の列を積載する積載部を備えるマッド材供給装置において、高さ方向の各段にマッド材の列を押し出す押出し部を設けることによる製造コストの増加を防止し、かつマッド材が破損することを抑制することが可能なマッド材供給装置およびその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】マッド材供給装置を示す側面図であり、マッド材を押し出す前の状態を示す。
図2】マッド材供給装置を示す側面図であり、マッド材を押し出す状態を示す。
図3図1に示すマッド材供給装置を上方からみた平面図である。
図4図1に示すマッド材供給装置を切替機構側からみた背面図であり、押出し機構を右端に配置した状態を示す。
図5図1に示すマッド材供給装置を切替機構側からみた背面図であり、押出し機構を左端に配置した状態を示す。
図6図4に示すマッド材供給装置の積載機構および切替機構を示す図であり、全ての積載部の2段目から4段目にマッド材を積載した状態を示す。
図7図4に示すマッド材供給装置の積載機構および切替機構を示す図であり、2段目のマッド材の列を1段目に落下させた状態を示す。
図8】マッド材供給装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図9図4に示すマッド材供給装置の積載機構および切替機構を示す図であり、3段目のマッド材の列を1段目に落下させた状態を示す。
図10図4に示すマッド材供給装置の積載機構および切替機構を示す図であり、4段目のマッド材の列を1段目に落下させた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の一実施形態のマッド材供給装置100について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態のマッド材供給装置100を示す側面図であり、マッド材Mを押し出す前の状態を示す。図2は、本発明の一実施形態のマッド材供給装置100を示す側面図であり、マッド材Mを押し出す状態を示す。図3は、図1に示すマッド材供給装置100を上方からみた平面図である。
【0036】
図1に示す本実施形態のマッド材供給装置100は、高炉の出銑口にマッドを充填するマッドガン(図示略)への供給口200へブロック状のマッド材Mを供給する装置である。マッド材Mは、微粉コークス、アルミナ系耐火物粉および粘土粉を混錬したものであり、例えば、直方形状に形成されている。マッド材Mは、変形や他のマッド材との固着を防止するために、薄膜状の樹脂シートで被うのが望ましい。
【0037】
図1に示すように、マッド材供給装置100は、マッド材Mを積載する積載機構10と、積載機構10を支持する本体部20と、スライド機構30と、押出し機構40と、切替機構50と、シュート部60と、制御部70と、を備える。
【0038】
積載機構10は、水平方向に延びる軸線(第1軸線)Xに沿って複数のマッド材Mを一列状に積載する機構である。図3に示すように、積載機構10は、それぞれ軸線Xに沿って複数のマッド材Mを一列状に積載する積載部11,12,13,14,15,16,17を備える。積載部11-17は、水平方向に延びて軸線Xに直交する軸線(第2軸線)Yに沿って複数列で配置されている。
【0039】
図3に示すように、積載機構10の軸線Y方向の両端部には、側壁10a,10bが配置されている。積載部11と積載部12の間には、軸線Xに沿って延びる仕切壁10cが配置されている。積載部12と積載部13の間には、軸線Xに沿って延びる仕切壁10dが配置されている。積載部13と積載部14の間には、軸線Xに沿って延びる仕切壁10eが配置されている。積載部14と積載部15の間には、軸線Xに沿って延びる仕切壁10fが配置されている。積載部15と積載部16の間には、軸線Xに沿って延びる仕切壁10gが配置されている。積載部16と積載部17の間には、軸線Xに沿って延びる仕切壁10hが配置されている。
【0040】
図1に示すように、積載機構10は、側壁10a(図3参照)および側壁10b(図3参照)を連結して水平方向に延びる底板10iと仕切板10j,10k,10l,10mを有する。底板10iは、積載部11-17において1段目に配置されるマッド材Mの列の重量を支持する底面となる板状部材である。
【0041】
仕切板10jは、押出し機構40のそれぞれにおいて高さ方向HDに配置される1段目のマッド材Mの列と2段目のマッド材Mの列とを仕切る部材である。仕切板10jは、積載部11-17のそれぞれの高さ方向HDの2段目に配置されるマッド材Mの列の重量を支持する。仕切板10kは、積載部11-17のそれぞれにおいて高さ方向HDに配置される2段目のマッド材Mの列と3段目のマッド材Mの列とを仕切る部材である。仕切板10kは、積載部11-17のそれぞれの高さ方向HDの3段目に配置されるマッド材Mの列の重量を支持する。
【0042】
仕切板10lは、積載部11-17のそれぞれにおいて高さ方向HDに配置される3段目のマッド材Mの列と4段目のマッド材Mの列とを仕切る部材である。仕切板10lは、積載部11-17のそれぞれの高さ方向HDの4段目に配置されるマッド材Mの列の重量を支持する。仕切板10mは、積載部11-17のそれぞれにおいて高さ方向HDに配置される4段目のマッド材Mの列と5段目のマッド材Mの列とを仕切る部材である。仕切板10mは、積載部11-17のそれぞれの高さ方向HDの5段目に配置されるマッド材Mの列の重量を支持する。
【0043】
積載機構10は、積載部11-17を支持する支持部18を有する。支持部18は、上面18aで積載部11-17を支持する。支持部18の下面18bは、本体部20の支持フレーム21により支持される。支持部18は、押出し機構40を内部に収容する。
【0044】
本体部20は、積載機構10を支持するものであり、支持フレーム21と、一対の駆動輪22と、駆動モータ23と、一対の従動輪24と、を有する。支持フレーム21は、移動機構の上方に設置されるとともにスライド機構30を介して積載機構10を支持する部材である。一対の駆動輪22と、駆動モータ23と、一対の従動輪24は、支持フレーム21の下方に取り付けられるとともにマッド材供給装置100を軸線Xに沿って移動させる移動機構である。
【0045】
一対の駆動輪22の一方には、スプロケット22aが固定されている。駆動モータ23には、スプロケット23aが固定されている。スプロケット22aおよびスプロケット23aには、チェーン22bが掛け回されている。駆動モータ23の駆動力は、スプロケット23aおよびチェーン22bを介してスプロケット22aに伝達される。
【0046】
一対の駆動輪22および一対の従動輪24は、レール300上に設置されている。駆動モータ23を正方向または逆方向に回転させることにより、マッド材供給装置100がレール300に沿って供給口200に近接または離間する方向に移動する。
【0047】
スライド機構30は、本体部20および本体部20に固定される積載機構10に対して、押出し機構40を軸線Yに沿って水平方向に移動させる機構である。図1および図2に示すうように、スライド機構30は、軸線X方向に間隔を空けて配置される一対のスライド部31,32と、スライドモータ33と、を有する。
【0048】
スライド部31は、積載機構10に対して押出し機構40を軸線Yに沿って水平方向に移動可能に支持する部材である。スライド部31は、支持フレーム21に取り付けられるレール31aと、押出し機構40に取り付けられるスライダ31bとを有する。スライド部31は、軸線Yに沿って水平方向に延びるレール31aにスライダ31bを係合させることで、積載機構10に対して押出し機構40を軸線Yに沿って水平方向に移動可能に支持する。
【0049】
スライド部32は、積載機構10に対して押出し機構40を軸線Yに沿って水平方向に移動可能に支持する部材である。スライド部32は、支持フレーム21に取り付けられるレール32aと、押出し機構40に取り付けられるスライダ32bとを有する。スライド部32は、軸線Yに沿って水平方向に延びるレール32aにスライダ32bを係合させることで、積載機構10に対して押出し機構40を軸線Yに沿って水平方向に移動可能に支持する。
【0050】
スライドモータ33は、制御部70により制御されるとともにスライダ31bおよびスライダ32bに固定される押出し機構40を水平方向に移動させる駆動力を発生する装置である。図4および図5は、図1に示すマッド材供給装置100を切替機構50側からみた背面図である。図4および図5では、制御部70および切替機構50の一部を省略している。スライド機構30は、押出し機構40を、図4に示す積載機構10の幅方向WDの右端の位置と、図5に示す積載機構10の幅方向WDの左端の位置との間で移動させることができる。
【0051】
押出し機構40は、積載機構10に積載されるマッド材Mをマッド材供給装置100の前方(シュート部60が取付けられる側)へ押し出して積載機構10の下方にマッド材Mを投下する機構である。図4および図5に示すように、押出し機構40は、幅方向WDに沿って間隔を空けて配置される第1押出し部41と第2押出し部42を有する。
【0052】
第1押出し部41は、軸線Xに沿って第1先端部41aを移動させて積載機構10から底板10iに一列状に配置される1段目の複数のマッド材Mの列を押し出す第1押出し動作を実行する装置である。第1押出し部41は、第1先端部41aと、第1押出しモータ41bと、第1スプロケット41cと、第2スプロケット41dと、チェーン41eと、支持部材41fと、を有する。
【0053】
第1先端部41aは、マッド材Mに接触して押し出す部材である。第1押出しモータ41bは、第1スプロケット41cを正方向または逆方向に回転させる電動機である。第1スプロケット41cおよび第2スプロケット41dには、チェーン41eが掛け回されている。チェーン41eには、第1先端部41aを支持する支持部材41fが固定されている。
【0054】
図1および図2に示すように、第1押出しモータ41bを正方向に回転させることにより、第1先端部41aが軸線X上の移動開始位置Psから移動終了位置Peまで移動し、1段目のマッド材Mの列をシュート部60に向けて押し出す。また、第1押出しモータ41bを逆方向に回転させることにより、第1先端部41aが軸線X上の移動終了位置Peから移動開始位置Psまで移動する。
【0055】
図4および図5に示すように、第2押出し部42は、軸線Xに沿って第2先端部42aを移動させて積載機構10から底板10iに一列状に配置される1段目の複数のマッド材Mの列を押し出す第1押出し動作を実行する装置である。第2押出し部42は、第2先端部42aと、第2押出しモータ42bと、第1スプロケット42cと、第2スプロケット(図示略)と、チェーン42eと、支持部材42fと、を有する。
【0056】
第2先端部42aは、マッド材Mに接触して押し出す部材である。第2押出しモータ42bは、第1スプロケット42cを正方向または逆方向に回転させる電動機である。第1スプロケット42cおよび第2スプロケット(図示略)には、チェーン42eが掛け回されている。チェーン42eには、第2先端部42aを支持する支持部材42fが固定されている。
【0057】
図1および図2に示すように、第2押出しモータ42bを正方向に回転させることにより、第2先端部42aが軸線X上の移動開始位置Psから移動終了位置Peまで移動し、1段目のマッド材Mの列をシュート部60に向けて押し出す。また、第2押出しモータ42bを逆方向に回転させることにより、第2先端部42aが軸線X上の移動終了位置Peから移動開始位置Psまで移動する。
【0058】
図4に示すように、第1押出し部41の第1先端部41aが軸線Y上の位置P1に配置される場合、第2押出し部42の第2先端部42aが軸線Y上の位置P4に配置される。スライド機構30が押出し機構40を軸線Yに沿って移動させると、第1先端部41aの軸線Y上の位置が、位置P1-位置P2-位置P3-位置P4の順に漸次移動する。同様に、スライド機構30が押出し機構40を軸線Yに沿って移動させると、第2先端部42aの軸線Y上の位置が、位置P4-位置P5-位置P6-位置P7の順に漸次移動する。
【0059】
押出し機構40は、第1押出し部41の第1先端部41aの軸線Y上の位置を位置P1,位置P2,位置P3に配置した状態で第1先端部41aを軸線X上の移動開始位置Psから移動終了位置Peまで移動させることにより、積載部11,積載部12,積載部13の1段目のマッド材Mの列をそれぞれシュート部60に押出すことができる。また、押出し機構40は、第2押出し部42の第2先端部42aの軸線Y上の位置を位置P4,位置P5,位置P6,位置P7に配置した状態で第2先端部42aを軸線X上の移動開始位置Psから移動終了位置Peまで移動させることにより、積載部14,積載部15,積載部16,17の1段目のマッド材Mの列をそれぞれシュート部60に押出すことができる。
【0060】
切替機構50は、積載機構10の積載部11-17のそれぞれが有する仕切板10j,10k,10l,10mを、マッド材Mの列を支持する支持状態と、仕切板10j,10k,10l,10mがマッド材Mの列を支持しない非支持状態とに切り替える機構である。切替機構50は、第1切替部51と、第2切替部52と、第3切替部53と、第4切替部54と、を有する。
【0061】
ここで、図6および図7を参照して、切替機構50が有する第1切替部51と、第2切替部52と、第3切替部53と、第4切替部54と、について説明する。図6は、図4に示すマッド材供給装置100の積載機構10および切替機構50を示す図であり、全ての積載部11-17の2段目から4段目にマッド材Mを積載した状態を示す。図7は、図4に示すマッド材供給装置100の積載機構10および切替機構50を示す図であり、2段目のマッド材Mの列を1段目に落下させた状態を示す。
【0062】
第1切替部51は、仕切板10jを、高さ方向HDの2段目のマッド材Mの列を支持する支持状態と、2段目のマッド材Mの列を支持しない非支持状態とに切り替える装置である。第2切替部52は、仕切板10kを、高さ方向HDの3段目のマッド材Mの列を支持する支持状態と、3段目のマッド材Mの列を支持しない非支持状態とに切り替える装置である。第3切替部53は、仕切板10lを、高さ方向HDの4段目のマッド材Mの列を支持する支持状態と、4段目のマッド材Mの列を支持しない非支持状態とに切り替える装置である。第4切替部54は、仕切板10mを、高さ方向HDの5段目のマッド材Mの列を支持する支持状態と、5段目のマッド材Mの列を支持しない非支持状態とに切り替える装置である。
【0063】
第1切替部51は、電動シリンダ51aと、リンク機構51bと、を有する。第1切替部51は、電動シリンダ51aを軸線Yと平行な幅方向WDに沿って進退させてリンク機構51bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10jを回動軸51c回りに回動させて支持状態と非支持状態とに切り替える。
【0064】
第1切替部51は、図7に示す状態から図6に示す状態まで電動シリンダ51aを移動させることにより、仕切板10jを非支持状態から支持状態に切り替える。底板10iに1段目のマッド材Mの列が積載されていない状態で、仕切板10jを支持状態から非支持状態に切り替えると、仕切板10jに支持されていた2段目のマッド材Mの列が1段目に落下し、図7に示す状態となる。
【0065】
第2切替部52は、電動シリンダ52aと、リンク機構52bと、を有する。第2切替部52は、電動シリンダ52aを軸線Yと平行な幅方向WDに沿って進退させてリンク機構52bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10kを回動軸52c回りに回動させて支持状態と非支持状態とに切り替える。
【0066】
第3切替部53は、電動シリンダ53aと、リンク機構53bと、を有する。第3切替部53は、電動シリンダ53aを軸線Yと平行な幅方向WDに沿って進退させてリンク機構53bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10lを回動軸53c回りに回動させて支持状態と非支持状態とに切り替える。
【0067】
第4切替部54は、電動シリンダ54aと、リンク機構54bと、を有する。第4切替部54は、電動シリンダ54aを軸線Yと平行な幅方向WDに沿って進退させてリンク機構54bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10mを回動軸54c回りに回動させて支持状態と非支持状態とに切り替える。
【0068】
シュート部60は、高さ方向HDに沿って筒状に形成され、押出し機構40により積載機構10から押し出されたマッド材Mをマッドガンへの供給口200へ導く装置である。シュート部60は、高さ方向HDにおいて、積載機構10の底板10iよりも下方に配置されている。
【0069】
図3に示すように、シュート部60は、積載機構10と軸線Y方向の幅が同等となるように形成されている。シュート部60は、幅方向WDの中心に供給口200へマッド材Mを導く開口部61が形成されている。シュート部60は、開口部61に向けて下方に傾斜する角度を有する底板62,63,64を有する。そのため、本実施形態のシュート部60は、積載部11-17のいずれからマッド材Mが投下されても、積載機構10から投下されるマッド材Mを開口部61から供給口200へ適切に導くことができる。
【0070】
制御部70は、本体部20の駆動モータ23と、スライド機構30のスライドモータ33と、押出し機構40の第1押出しモータ41bおよび第2押出しモータ42bと、切替機構50の電動シリンダ51a,52a,53a,54aとを制御する装置である。本実施形態の制御部70は、操作者から操作装置(図示略)を介して入力される制御指令に応じて、各部を制御することができる。
【0071】
制御部70は、積載機構10に積載されるマッド材Mを連続的に積載機構10の下方へ投下する制御プログラムを実行することにより、スライド機構30,押出し機構40,切替機構50の各部を制御する。以下、制御部70が制御プログラムを実行することによりスライド機構30,押出し機構40,切替機構50の各部を制御して積載機構10に積載されるマッド材Mを連続的に積載機構10の下方へ投下する処理について説明する。
【0072】
図8は、本実施形態に係るマッド材供給装置100が実行する処理を示すフローチャートである。マッド材供給装置100の制御部70は、記憶部(図示略)に記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより、図8のフローチャートに示す処理を実行する。
【0073】
操作者は、マッド材供給装置100によるマッド材Mの供給口200への投下に先立って、切替機構50により仕切板10j,10k,10l,10mの全てをマッド材Mを支持する支持状態とし、積載部11-17の全ての段にマッド材Mの列を積載する。その後、操作者は、マッド材供給装置100のシュート部60が供給口200の上方に配置されるように、本体部20の駆動モータ23を駆動してマッド材供給装置100を移動させ、図1に示す状態とする。
【0074】
ステップS101で、制御部70は、押出し機構40が開始位置に移動するようにスライド機構30を制御する。押出し機構40の開始位置は、図4に示す位置であり、第1押出し部41の第1先端部41aが軸線Y上の位置P1に配置され、第2押出し部42の第2先端部42aが軸線Y上の位置P4に配置される。
【0075】
ステップS102で、制御部70は、第1押出し部41の第1先端部41aを軸線Xに沿って押し出して一列状に積載されたマッド材Mの列を積載部11の1段目から押し出す第1押出し動作を実行するよう第1押出し部41の第1押出しモータ41bを制御する。第1押出し動作を実行すると、第1押出し部41の第1先端部41aは、図1および図2に示す移動開始位置(第1押出し開始位置)Psから移動終了位置(第1押出し終了位置)Peまで移動し、マッド材Mの列をシュート部60に押出す。
【0076】
ステップS103で、制御部70は、第2押出し部42の第2先端部42aを軸線Xに沿って押し出して一列状に積載されたマッド材Mの列を積載部14の1段目から押し出す第2押出し動作を実行するよう第2押出し部42の第2押出しモータ42bを制御する。第2押出し動作を実行すると、第2押出し部42の第2先端部42aは、図1および図2に示す移動開始位置(第2押出し開始位置)Psから移動終了位置(第2押出し終了位置)Peまで移動し、マッド材Mの列をシュート部60に押出す。
【0077】
制御部70は、ステップS102で第1押出し動作を実行した後、第1押出し部41の第1先端部41aが移動終了位置Peから移動開始位置Psへ移動するよう第1押出し部41を制御する。ステップS103で、制御部70は、第1押出し部41の第1先端部41aが移動終了位置Peから移動開始位置Psへ移動するタイミングで、第2押出し部42の第2先端部42aを移動開始位置Psから移動終了位置Peへ移動させて第2押出し動作を実行する。
【0078】
このように、制御部70は、ステップS102における第1押出し部41による第1押出し動作と、ステップS103における第2押出し部42による第2押出し動作とが異なるタイミング(互いの動作が重複しないタイミング)で実行されるように第1押出し部41および第2押出し部42を制御する。
【0079】
ステップS104で、制御部70は、積載機構10の1段目に配置される全てのマッド材Mの押出し動作が完了したかどうかを判定し、YESであればステップS106へ処理を進め、NOであればステップS105へ処理を進める。
【0080】
ステップS105で、制御部70は、第1押出し部41の第1先端部41aが軸線Y上の位置P1から位置P2に移動し、第2押出し部42の第2先端部42aが軸線Y上の位置P4から位置P5に移動するようにスライド機構30を制御する。
【0081】
ステップS105の後に実行するステップS102で、制御部70は、第1押出し部41の第1先端部41aが配置される積載部12の1段目のマッド材Mの列をシュート部60に押出す。また、ステップS105の後に実行するステップS103で、制御部70は、第2押出し部42の第2先端部42aが配置される積載部15の1段目のマッド材Mの列をシュート部60に押出す。
【0082】
制御部70は、ステップS101からステップS105の処理を繰り返し、ステップS102において、第1押出し部41の第1先端部41aにより、積載部11,12,13の1段目のマッド材Mの列を順次シュート部60に押出す。また、制御部70は、ステップS101からステップS105の処理を繰り返し、ステップS103において、第2押出し部42の第2先端部42aにより、積載部14,15,16の1段目のマッド材Mの列を順次シュート部60に押出す。
【0083】
また、制御部70は、第1押出し部41の第1先端部41aが軸線Y上の位置P4に配置され、第2押出し部42の第2先端部42aが軸線Y上の位置P7に配置される状態では、ステップS102の第1押出し動作を実行せずに、ステップS103の第2押出し動作のみを実行する。これは、位置P4に配置された積載部14の1段目のマッド材Mの列に対して第2押出し部42による第2押出し動作がすでに実行されているからである。
【0084】
ステップS106で、制御部70は、積載部11-17のそれぞれのn段目(nの初期値は2)のマッド材Mの列を積載部11-17のそれぞれの1段目まで落下させるよう切替機構50を制御する。切替機構50によるn段目から1段目までのマッド材Mの落下の動作の詳細については、後述する。
【0085】
ステップS107で、制御部70は、n=n+1とし、nに1を加算する。
ステップS108で、制御部70は、積載機構10の全ての段に配置される全てのマッド材Mを積載機構10から押出したかどうかを判定し、NOであればステップS101へ処理を進め、YESであれば本フローチャートの処理を終了させる。
【0086】
制御部70は、ステップS101からステップS108の処理を繰り返すことにより、積載部11-17のそれぞれの2段目,3段目,4段目,5段目のマッド材Mの列を積載部11-17のそれぞれの1段目まで落下させて押出し機構40によりシュート部60に押出す。
【0087】
以上において、積載機構10の各積載部11-17は、5段のマッド材Mを仕切る4個の仕切板10j,10k,10l,10mを有するものとしたが、他の態様であってもよい。積載機構10の各積載部11-17は、n+1(nは1以上の整数)段のマッド材Mを仕切るn個の仕切板を有するものであってよい。制御部70は、n+1段のマッド材Mの列を順次1段目に落下させることにより、各段のマッド材Mの列を押出し機構40によりシュート部60に押出す。
【0088】
この場合、制御部70は、m+1段目(mは1以上n以下の整数)のマッド材Mの列を支持する仕切板を支持状態から非支持状態に切り替えてm+1段目のマッド材の列をm段目に落下させるよう切替機構50を制御する。また、制御部70は、m段目のマッド材Mの列を支持する仕切板を支持状態から非支持状態に切り替えてm段目のマッド材の列をm-1段目に落下させるよう切替機構50を制御する。また、制御部70は、m+1段目のマッド材の列を支持する仕切板を非支持状態から支持状態に切り替えるよう切替機構50を制御する。
【0089】
ここで、切替機構50がステップS106で実行するn段目のマッド材Mを1段目まで落下させる動作の詳細について、図面を参照して説明する。
【0090】
<2段目から1段目へのマッド材Mの落下の動作>
切替機構50は、図6に示す状態から、第1切替部51の電動シリンダ51aを軸線Yと平行な幅方向WDに沿って移動させてリンク機構51bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10jを回動軸51cに対して右回りに回動させて支持状態から非支持状態に切り替える。これにより、仕切板10jに支持されていた2段目のマッド材Mの列が、仕切板10jに支持されない状態となり、1段目に落下して図7に示す状態となる。
【0091】
<3段目から1段目へのマッド材Mの落下の動作>
2段目から1段目に落下したマッド材Mの列が押出し機構40によりシュート部60に押し出された後、制御部70は、3段目のマッド材Mを1段目まで落下させるよう切替機構50を制御する。制御部70は、第1切替部51の電動シリンダ51aを動作させ、積載部11-17のそれぞれの仕切板10jを回動軸51cに対して左回りに回動させて非支持状態から支持状態に切り替える。
【0092】
その後、切替機構50は、第2切替部52の電動シリンダ52aを幅方向WDに沿って移動させてリンク機構52bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10kを回動軸52cに対して右回りに回動させて支持状態から非支持状態に切り替える。これにより、仕切板10kに支持されていた3段目のマッド材Mの列が、仕切板10kに支持されない状態となり、2段目に落下する。
【0093】
その後、切替機構50は、第1切替部51の電動シリンダ51aを幅方向WDに沿って移動させてリンク機構51bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10jを回動軸52cに対して右回りに回動させて支持状態から非支持状態に切り替える。これにより、仕切板10jに支持されていたマッド材Mの列が、仕切板10jに支持されない状態となり、1段目に落下する。その後、制御部70は、第2切替部52の電動シリンダ52aを動作させ、積載部11-17のそれぞれの仕切板10kを回動軸52cに対して左回りに回動させて非支持状態から支持状態に切り替える。
【0094】
また、切替機構50は、第3切替部53の電動シリンダ53aを幅方向WDに沿って移動させてリンク機構53bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10lを回動軸53cに対して右回りに回動させて支持状態から非支持状態に切り替える。これにより、仕切板10lに支持されていた4段目のマッド材Mの列が、仕切板10lに支持されない状態となり、3段目に落下し、図9に示す状態となる。図9は、図4に示すマッド材供給装置100の積載機構10および切替機構50を示す図であり、3段目のマッド材Mの列を1段目に落下させた状態を示す。
【0095】
<4段目から1段目へのマッド材Mの落下の動作>
3段目から1段目に落下したマッド材Mの列が押出し機構40によりシュート部60に押し出された後、制御部70は、4段目のマッド材Mを1段目まで落下させるよう切替機構50を制御する。制御部70は、第1切替部51の電動シリンダ51aを動作させ、積載部11-17のそれぞれの仕切板10jを回動軸51cに対して左回りに回動させて非支持状態から支持状態に切り替える。
【0096】
その後、切替機構50は、第2切替部52の電動シリンダ52aを幅方向WDに沿って移動させてリンク機構52bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10kを回動軸52cに対して右回りに回動させて支持状態から非支持状態に切り替える。これにより、仕切板10kに支持されていた4段目から3段目に落下したマッド材Mの列が、仕切板10kに支持されない状態となり、2段目に落下する。
【0097】
その後、制御部70は、第3切替部53の電動シリンダ53aを動作させ、積載部11-17のそれぞれの仕切板10lを回動軸53cに対して左回りに回動させて非支持状態から支持状態に切り替える。また、切替機構50は、第4切替部54の電動シリンダ54aを幅方向WDに沿って進退させてリンク機構54bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10mを回動軸54cに対して右回りに回動させて支持状態から非支持状態に切り替える。これにより、仕切板10mに支持されていた5段目のマッド材Mの列が、仕切板10mに支持されない状態となり、4段目に落下する。
【0098】
その後、切替機構50は、第1切替部51の電動シリンダ51aを幅方向WDに沿って進退させてリンク機構51bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10jを回動軸52cに対して右回りに回動させて支持状態から非支持状態に切り替える。これにより、仕切板10jに支持されていたマッド材Mの列が、仕切板10jに支持されない状態となり、1段目に落下する。
【0099】
また、制御部70は、第2切替部52の電動シリンダ52aを動作させ、積載部11-17のそれぞれの仕切板10kを回動軸52cに対して左回りに回動させて非支持状態から支持状態に切り替える。その後、切替機構50は、第3切替部53の電動シリンダ53aを幅方向WDに沿って移動させてリンク機構53bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10lを回動軸52cに対して右回りに回動させて支持状態から非支持状態に切り替える。
【0100】
これにより、仕切板10lに支持されていた5段目から4段目に落下したマッド材Mの列が、仕切板10lに支持されない状態となり、3段目に落下し、図10に示す状態となる。図10は、図4に示すマッド材供給装置100の積載機構10および切替機構50を示す図であり、4段目のマッド材Mの列を1段目に落下させた状態を示す。
【0101】
<5段目から1段目へのマッド材Mの落下の動作>
4段目から1段目に落下したマッド材Mの列が押出し機構40によりシュート部60に押し出された後、制御部70は、5段目のマッド材Mを1段目まで落下させるよう切替機構50を制御する。制御部70は、第1切替部51の電動シリンダ51aを動作させ、積載部11-17のそれぞれの仕切板10jを回動軸51cに対して左回りに回動させて非支持状態から支持状態に切り替える。
【0102】
その後、切替機構50は、第2切替部52の電動シリンダ52aを幅方向WDに沿って移動させてリンク機構52bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10kを回動軸52cに対して右回りに回動させて支持状態から非支持状態に切り替える。これにより、仕切板10kに支持されていた5段目から3段目に落下したマッド材Mの列が、仕切板10kに支持されない状態となり、2段目に落下する。
【0103】
その後、切替機構50は、第1切替部51の電動シリンダ51aを幅方向WDに沿って移動させてリンク機構51bを操作し、積載部11-17のそれぞれの仕切板10jを回動軸52cに対して右回りに回動させて支持状態から非支持状態に切り替える。これにより、仕切板10jに支持されていたマッド材Mの列が、仕切板10jに支持されない状態となり、1段目に落下する。5段目から1段目に落下したマッド材Mの列が押出し機構40によりシュート部60に押し出されると、積載機構10に積載されたすべてのマッド材Mがシュート部60に押し出された状態となる。
【0104】
<初期状態への復帰>
制御部70は、第1切替部51の電動シリンダ51aを動作させ、積載部11-17のそれぞれの仕切板10jを回動軸51c対して左回りに回動させて非支持状態から支持状態に切り替える。また、制御部70は、第2切替部52の電動シリンダ52aを動作させ、積載部11-17のそれぞれの仕切板10kを回動軸52cに対して左回りに回動させて非支持状態から支持状態に切り替える。
【0105】
また、制御部70は、第3切替部53の電動シリンダ53aを動作させ、積載部11-17のそれぞれの仕切板10lを回動軸53cに対して左回りに回動させて非支持状態から支持状態に切り替える。また、制御部70は、第4切替部54の電動シリンダ54aを動作させ、積載部11-17のそれぞれの仕切板10mを回動軸54cに対して左回りに回動させて非支持状態から支持状態に切り替える。以上の動作により、切替機構50が、図6に示す初期状態に復帰する。
【0106】
以上説明した本実施形態のマッド材供給装置100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のマッド材供給装置100によれば、軸線Xに沿って積載部11-17に一列状に配置される複数のマッド材Mを第1押出し部41が第1先端部41aを移動させて積載部11-17から押し出す第1押出し動作を実行することにより、積載部11-17の下方に複数のマッド材Mを投入することができる。マッド材Mが投入される位置をマッドガンへの供給口200とすることで、積載部11-17から押し出されたマッド材Mを他の機構により搬送することなく積載部11-17からマッドガンへ直接的に供給することができる。
【0107】
また、本実施形態のマッド材供給装置100によれば、制御部70が、第1押出し動作が実行された積載部11-17が有する仕切板10j,10k,10l,10mを支持状態から非支持状態に切り替えて2段目のマッド材Mの列を1段目に落下させるよう切替機構50を制御し、1段目に落下したマッド材Mの列に対して第1押出し動作を実行するよう第1押出し部41を制御する。
【0108】
2段目のマッド材Mの列は、1段目に落下してから第1押出し部41により押し出されるため、高さ方向HDの各段にマッド材Mの列を押し出す押出し部を設けずに、2段目のマッド材Mの列を投下することができる。よって、高さ方向HDの各段にマッド材Mの列を押し出す押出し部を設けることによる製造コストの増加を防止することができる。また、2段目のマッド材Mの列が1段目に落下してから第1押出し部41により押し出されるため、2段目の高さからマッド材Mの列を投下する場合に比べ、マッド材Mが落下する際に加わる衝撃が軽減され、マッド材Mが破損することを適切に抑制することができる。
【0109】
また、本実施形態のマッド材供給装置100によれば、スライド機構30により、軸線Yに沿って複数列で積載部11-17を配置する積載機構10に対して第1押出し部41および第2押出し部42を軸線Yに沿って移動させることで、第1押出し部41および第2押出し部42を複数列の積載部11-17のそれぞれの位置に移動させることができる。そして、第1押出し部41が第1位置に配置される積載部の1段目のマッド材Mの列に第1押出し動作を実行し、第2押出し部が第1位置とは異なる第2位置に配置される積載部の1段目のマッド材Mの列に第2押出し動作を実行することにより、2つの押出し部を用いて複数列の積載部11-17のそれぞれからマッド材Mの列をシュート部60に投下することができる。
【0110】
また、本実施形態のマッド材供給装置100によれば、第1押出し部41による第1押出し動作と第2押出し部42による第2押出し動作とが異なるタイミングで実行されるため、第1押出し動作および第2押出し動作により同時にマッド材Mの列が押し出されてマッドガンへの供給口を閉塞させることを適切に防止することができる。
【0111】
また、本実施形態のマッド材供給装置100によれば、第1押出し部41の第1先端部41aが移動終了位置Peから移動開始位置Psへ移動するタイミングで、第2押出し部42の第2先端部42aが移動開始位置Psから移動終了位置Peへ移動する。そのため、第1押出し部41の第1先端部41aが移動終了位置Peから移動開始位置Psへ移動する動作が完了することを待たずに第2押出し部42による第2押出し動作を実行し、第1押出し動作および第2押出し動作を実行するのに要する時間を短縮することができる。
【0112】
また、本実施形態のマッド材供給装置100によれば、制御部70が、m+1段目のマッド材Mの列を支持する仕切板を支持状態から非支持状態に切り替え、m段目のマッド材Mの列を支持する仕切板を支持状態から非支持状態に切り替え、m+1段目のマッド材Mの列を支持する仕切板を非支持状態から支持状態に切り替えることにより、m+1段目のマッド材Mの列をm段目に落下させ、更にm-1段目に落下させることができる。この動作を各段で行うことにより、マッド材Mの列が1段目に落下するまで1段ずつ順番にマッド材Mの列を落下させることができる。
【符号の説明】
【0113】
10 積載機構
10a,10b 側壁
10c,10d,10e,10f,10g,10h 仕切壁
10i 底板
10j,10k,10l,10m 仕切板
11,12,13,14,15,16,17 積載部
18 支持部
18a 上面
18b 下面
20 本体部
21 支持フレーム
22 駆動輪
22a,23a スプロケット
22b チェーン
23 駆動モータ
24 従動輪
30 スライド機構
40 押出し機構
41 第1押出し部
41a 第1先端部
41b 第1押出しモータ
42 第2押出し部
42a 第2先端部
42b 第2押出しモータ
50 切替機構
51 第1切替部
52 第2切替部
53 第3切替部
54 第4切替部
60 シュート部
70 制御部
100 マッド材供給装置
200 供給口
300 レール
HD 高さ方向
M マッド材
P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7 位置
Pe 移動終了位置
Ps 移動開始位置
WD 幅方向
X,Y 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10