(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006685
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】導電性フィルム
(51)【国際特許分類】
C08L 101/12 20060101AFI20240110BHJP
H01B 1/24 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
C08L101/12
H01B1/24 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107810
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】草野 亮介
(72)【発明者】
【氏名】川岸 萌
【テーマコード(参考)】
4J002
5G301
【Fターム(参考)】
4J002AA011
4J002AC081
4J002BC051
4J002BD141
4J002BP011
4J002CK021
4J002CL031
4J002CM041
4J002CN031
4J002DA016
4J002DA026
4J002DA036
4J002FA086
4J002FD016
4J002FD116
4J002GQ02
5G301DA18
5G301DA42
5G301DD08
5G301DE01
(57)【要約】
【課題】十分な電気伝導性とPTC特性とを両立する導電性フィルムを提供する。
【解決手段】マトリックス樹脂と、導電性フィラーと、溶媒とを含む導電性フィルムであって、上記溶媒の25℃における比誘電率が30以上であり、上記溶媒の重量割合が、上記導電性フィルムの重量を基準として1~10重量%である導電性フィルム。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックス樹脂と、導電性フィラーと、溶媒とを含む導電性フィルムであって、
前記溶媒の25℃における比誘電率が30以上であり、
前記溶媒の重量割合が、前記導電性フィルムの重量を基準として1~10重量%である導電性フィルム。
【請求項2】
前記マトリックス樹脂のガラス転移温度(Tg)が、200℃以上である請求項1に記載の導電性フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
導電性フィルムは種々の電気製品に使用されている。例えば、導電性機能が要求される電磁波シールド用部材、静電防止用部材、面発熱体用部材、電極用部材、及び、センシング用部材等に用いられている。
【0003】
従来の電気製品は、異常時安全性を担保するために保護装置(PTC素子等)を設けて電気経路の遮断を行っていた。
しかし近年では、電気製品の小型化、軽量化に伴い、保護装置を小さくしたり、電気経路自体にPTC特性(温度が上昇すると電気抵抗が増加する特性)を持たせて保護装置を不要とするニーズが増大している。
【0004】
PTC特性を有するポリマー材料は種々検討されており、導電性フィラーとして、スパイク状の突起を有するニッケル粉を用いるもの(特許文献1)や、高温乾燥条件下における耐酸化性を有するNi合金フィラーを用いるもの(特許文献2)が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-47503号公報
【特許文献2】国際公開2005/122190号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これまでの検討ではPTC特性を発揮させるために必須となる導電性フィラー種や構造の制約があり、応用範囲が限定されていたため、各種用途に応じた設計の自由度の観点で課題があった。特に、薄膜のフィルム、シートの形態において、PTC特性を発揮することが求められていた。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、十分な電気伝導性とPTC特性とを両立する導電性フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討したところ、マトリックス樹脂と、導電性フィラーと、溶媒とを含む導電性フィルムにおいて、特定の比誘電率を有する溶媒を所定の重量割合で含有することにより、電気伝導性を十分に備え、かつ、高温域になると樹脂フィルム内に有する溶媒が揮発して導電性フィラーによって形成された導電パスが切断されることにより電気抵抗値が上昇する(PTC特性が現れる)ことを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、マトリックス樹脂と、導電性フィラーと、溶媒とを含む導電性フィルムであって、上記溶媒の25℃における比誘電率が30以上であり、上記溶媒の重量割合が、上記導電性フィルムの重量を基準として1~10重量%である導電性フィルムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、十分な電気伝導性とPTC特性とを両立する導電性フィルムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の導電性フィルムは、マトリックス樹脂と、導電性フィラーと、溶媒とを含む導電性フィルムであって、上記溶媒の25℃における比誘電率が30以上であり、上記溶媒の重量割合が、上記導電性フィルムの重量を基準として1~10重量%である。
本発明の導電性フィルムの各構成について詳述する。
【0012】
(マトリックス樹脂)
本発明の導電性フィルムは、マトリックス樹脂を含む。
【0013】
マトリックス樹脂としては、例えば、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリウレタン、6,6-ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリ乳酸、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
マトリックス樹脂は上記樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0014】
マトリックス樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が200℃以上であることが好ましい。
マトリックス樹脂のガラス転移温度(Tg)が200℃以上であることによりPTC特性を好適に付与することができる。
【0015】
ガラス転移温度が200℃以上のマトリックス樹脂としては、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン等が挙げられる。
【0016】
マトリックス樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が230℃以上であることがより好ましく、260℃以上であることが更に好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。
【0017】
マトリックス樹脂の重量割合は、導電性フィルムの重量を基準として、60~90重量%であることが好ましい。
【0018】
(導電性フィラー)
本発明の導電性フィルムは、導電性フィラーを含む。
【0019】
導電性フィラーとしては、金属、金属酸化物、金属窒化物、導電性炭素材料等が挙げられる。
なかでも電気伝導性を好適に付与する観点から、導電性炭素材料であることが好ましい。
【0020】
導電性炭素材料としては、例えば、黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)、カーボンナノチューブ、グラフェン及びこれらの混合物等が挙げられる。
なかでも、電気伝導性をより好適に付与する観点からアセチレンブラックであることが好ましい。
【0021】
導電性フィラーの形状としては特に限定されず、球状、鱗片状及び塊状のいずれであっても良いが、球状が好ましい。
【0022】
導電性フィラーが球状である場合、体積平均粒子径は特に限定されず、例えば、3nm~15μmのものを適宜選択して用いることができる。
本明細書において、導電性フィラーの体積平均粒子径は、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。マイクロトラック法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法である。なお、体積平均粒子径の測定には、日機装(株)製のマイクロトラック等を用いることができる。
【0023】
導電性フィラーの重量割合は、導電性フィルムの重量を基準として、10~40重量%であることが好ましい。
【0024】
(溶媒)
本発明の導電性フィルムは、溶媒を含む。
【0025】
溶媒は、25℃における比誘電率が30以上である。
比誘電率の測定方法としては特に限定されず、例えば、集中定数容量法、同軸プローブ法、伝送ライン法、自由空間反射法、空洞共振器法等、公知の方法を適宜選択して用いることができる。
【0026】
溶媒としては、水、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコール、グリセリン、メタノール等が挙げられる。
なお、溶媒は混合溶媒であってもよく、混合溶媒の状態で比誘電率が30以上であればよい。
【0027】
溶媒としては、電気伝導性とPTC特性とを好適に両立される観点から、水、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、水とN-ジメチルホルムアミドとの混合溶媒、水とN-メチル-2-ピロリドとの混合溶媒、水とN-ジメチルホルムアミドとN-メチル-2-ピロリドンとの混合溶媒が好ましい。
【0028】
溶媒の重量割合は、導電性フィルムの重量を基準として1~10重量%である。
溶媒の重量割合が上記範囲であれば、高温域においてPTC特性を発揮することができる。
溶媒の重量割合は、導電性フィルムの重量を基準として2~8重量%であることが好ましい。
【0029】
上記溶媒の重量割合は、例えば、熱重量・示差熱同時測定(TG-DTA)により、マトリックス樹脂の熱分解温度以下の温度での重量減少量に基づき、測定することができる。具体的には、TG/DTA6200(日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、窒素雰囲気下、窒素流量40cc/min、昇温速度10℃/min、測定温度30~500℃の条件で測定することができる。
【0030】
(その他の成分)
本発明の導電性フィルムは、必要に応じて、導電材料用分散剤、着色剤、紫外線吸収剤、汎用の可塑剤(フタル酸骨格含有化合物、トリメリット酸骨格含有化合物、リン酸基含有化合物及びエポキシ骨格含有化合物等)等を含んでもよい。
【0031】
上記成分の添加量としては、導電性フィルムの重量を基準として、0.001~5重量%程度である。
【0032】
(製造方法)
本発明の導電性フィルムの製造方法としては特に限定されず、例えば、以下の方法を用いることができる。
所定の有機溶媒に溶解させたマトリックス樹脂に導電性フィラーを混合した混合物を得る。
次いで、上記混合物に溶媒を加えて公知の方法により混合して導電性フィルム用組成物を作製する。この工程で加えた溶媒が得られる導電性フィルムに含まれる溶媒になる。
その後、ガラス板上に、スペーサーを四方配置したキャストフィルム作製用シートのスペーサー内に導電性フィルム用組成物を流し込む。
最後に、キャストフィルム作製用シートのスペーサー内に流し込んだ導電性フィルム用組成物を乾燥(順風乾燥、減圧乾燥)させて導電性フィルムを作製する。
【0033】
順風乾燥の温度としては、例えば、50~120℃程度とすることが好ましい。
順風乾燥の時間としては、例えば、2~5時間程度とすることが好ましい。
【0034】
減圧乾燥の温度としては、例えば、50~120℃程度とすることが好ましい。
減圧乾燥の時間としては、例えば、1~10時間程度とすることが好ましい。
減圧乾燥の減圧度としては、例えば、-100kPa以下とすることが好ましい。
【0035】
導電性フィルムに含まれる溶媒の重量割合は、乾燥条件(乾燥温度、時間、減圧度等)により調整することができ、溶媒の種類(沸点等)に応じて、乾燥条件を適宜調整すればよい。
【0036】
(導電性フィルムの物性)
本発明の導電性フィルムの厚みとしては、電気伝導性とPTC特性とを好適に両立される観点から、10~300μmであることが好ましく、30~150μmであることがより好ましい。
【0037】
本発明の導電性フィルムは、25℃における体積抵抗率が650Ω・cm以下であることが好ましく、400Ω・cm以下であることがより好ましく、350Ω・cm以下であることが更に好ましく、300Ω・cm以下であることが特に好ましい。
導電性フィルムの体積抵抗率が上記範囲であれば、十分な電気伝導性を有すると判断することができる。
【0038】
体積抵抗率は、例えば、DSM-8104デジタル超絶縁/微小電流計(HIOKI社製)を用いて、導電性フィルムを1.5cm×2cmの2つの銅板間に厚さ1cmのグリースを挟んで抵抗値を測定し、導電性フィルムの厚さと電極(銅板)面積から体積抵抗率を算出することができる。
【0039】
本発明の導電性フィルムは、PTC特性を有する。
PTC特性の有無については、以下の方法により確認する。
導電性フィルムをホットプレート等により所定の温度に加熱したサンプルについて、上述した体積抵抗率の測定方法に基づいて測定する。
上記加熱は、所定の温度環境に10秒静置して行えばよい。また、体積抵抗率の測定は、例えば、30℃から10℃毎に300℃までの温度について行えばよい。
PTC特性は、25℃時における抵抗値から、1000倍以上抵抗値が上昇した時の温度をPTC温度とし、PTC温度が100℃~250℃の間にあるものを「PTC特性を有する」と判断する。
【0040】
上記PTC温度は、120~200℃であることが好ましい。
なお、上記PTC温度が300℃を超えるとマトリックス樹脂が劣化してしまうため好ましくない。
【0041】
本明細書には、以下の事項が開示されている。
【0042】
本開示(1)は、マトリックス樹脂と、導電性フィラーと、溶媒とを含む導電性フィルムであって、上記溶媒の25℃における比誘電率が30以上であり、上記溶媒の重量割合が、上記導電性フィルムの重量を基準として1~10重量%である導電性フィルムである。
【0043】
本開示(2)は、上記マトリックス樹脂のガラス転移温度(Tg)が、200℃以上である本開示(1)に記載の導電性フィルムである。
【実施例0044】
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%を意味する。
【0045】
まずは、導電性フィルムの作製に用いた材料について説明をする。
【0046】
(マトリックス樹脂)
マトリックス樹脂A(ポリアミドイミド、ガラス転移温度:300℃、バイロマックス HR-11NN、東洋紡社製)
マトリックス樹脂B(6,6-ナイロン、ガラス転移温度:60℃、樹脂ペレット PA66、スタンダード社製)
マトリックス樹脂C(ポリフッ化ビニリデン、ガラス転移温度:-35℃、PVDF #1100、キシダ化学社製)
マトリックス樹脂D(スチレン・ブタジエンゴム、ガラス転移温度:-10℃、BM-400B、日本ゼオン社製)
【0047】
(導電性フィラー)
アセチレンブラック(製品名:デンカブラック、デンカ社製)
【0048】
(溶媒)
水(比誘電率:79)
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、比誘電率:37)
N-メチル-2-ピロリドン(NMP、比誘電率:32)
エタノール(比誘電率:25)
アセトニトリル(比誘電率:38)
トルエン(比誘電率:2.4)
なお、上記比誘電率は、25℃における比誘電率を意味する。
【0049】
(実施例1)
N-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶解されたマトリックス樹脂A(固形分15%)に、導電性フィラーをマトリックス樹脂Aと導電性フィラーとの重量比率(マトリックス樹脂A/導電性フィラー)が7/3になるように配合して混合物を得た。
次いで、上記混合物の総重量100重量部に対して溶媒(N-メチル-2-ピロリドン)を20重量部加え、あわとり練太郎で1分間混合し、導電性フィルム用組成物を作製した。
その後、ガラス板上に厚さ300μmのスペーサーを四方配置したキャストフィルム作製用シートのスペーサー内に導電性フィルム用組成物を流し込んだ。
キャストフィルム作製用シートのスペーサー内に流し込んだ導電性フィルム用組成物を、順風乾燥機で100℃、3時間の条件で乾燥し、その後減圧乾燥機で100℃、7時間の条件で真空乾燥を行い、導電性フィルムを作製した。
【0050】
(実施例2~9、比較例1~5)
マトリックス樹脂Aを表1に記載のマトリックス樹脂の種類に変更し(固形分15%)、導電性フィラーとの重量比率(マトリックス樹脂/導電性フィラー)が7/3になるように配合して混合物を得た。
次いで、上記混合物の総重量100重量部に対して表1に記載の溶媒(溶媒の種類の下段に数値が記載された溶媒)を20重量部加え、あわとり練太郎で1分間混合し、導電性フィルム用組成物を作製した。
その後、乾燥条件(順風乾燥及び減圧乾燥)を表1に記載のように変更した。
上記以外は実施例1と同様にして実施例2~9、比較例1~5の導電性フィルムを作製した。
なお、上記混合物に加えた溶媒について、実施例7では水とN-メチル-2-ピロリドンとを1:5の重量比率で混合した混合溶媒を20重量部加え、実施例8では水とN,N-ジメチルホルムアミドとを1:1の重量比率で混合した混合溶媒を20重量部加え、実施例9では水とN-メチル-2-ピロリドンとN,N-ジメチルホルムアミドとを1:1:1の重量比率で混合した混合溶媒を20重量部加えている。
また、表1に記載の「溶媒の種類の下段に記載の数値」、及び、「溶媒の含有量の数値」は、導電性フィルムに含まれる溶媒の含有量(重量%)を意味する。
【0051】
【0052】
<体積抵抗率>
作製した導電性フィルムを、1.5cm×2cmの2つの銅板間に厚さ1cmのグリースを挟んでDSM-8104デジタル超絶縁/微小電流計(HIOKI社製)を用いて抵抗値を測定した。
その後、導電性フィルムの厚さ(300μm)と、電極(銅板)面積から体積抵抗率を算出した。
【0053】
<PTC特性>
作製した導電性フィルムをホットプレートにより加熱した。上記加熱は所定の温度環境に10秒静置して行った。30℃から10℃毎に300℃までの温度について、上述した体積抵抗率の測定方法により体積抵抗率を測定した。25℃時における抵抗値から、1000倍以上抵抗値が上昇した時の温度をPTC温度とし、PTC温度が100℃~250℃の間にあるものを「PTC特性を有する」と判断した。
なお、表2に記載の「確認できず」は、1000倍以上の抵抗値の上昇を確認できなかったことを意味し、「-」の表記は、ゲル化によりフィルムを作製することができず、試験に供することができなかったことを意味する。
【0054】
【0055】
表2に記載のとおり、実施例で作製した導電性フィルムでは、十分な電気伝導性とPTC特性とを両立できることが確認された。
一方で、比較例1~4で作製した導電性フィルムでは、温度上昇によって1000倍以上の抵抗値の上昇を確認することができず、比較例5で作製した導電性フィルムでは、ゲル化によりフィルムを作製することができず、試験に供することができなかった。