(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066887
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】切削液循環装置
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/00 20060101AFI20240509BHJP
B01D 35/027 20060101ALI20240509BHJP
B01D 35/16 20060101ALI20240509BHJP
B01D 36/00 20060101ALI20240509BHJP
B01D 36/02 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B23Q11/00 U
B01D35/02 F
B01D35/16
B01D36/00
B01D36/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176668
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000149066
【氏名又は名称】オークマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 幸夫
(72)【発明者】
【氏名】青山 知史
(72)【発明者】
【氏名】新井 光
【テーマコード(参考)】
3C011
4D116
【Fターム(参考)】
3C011BB31
4D116AA11
4D116AA26
4D116BA01
4D116BC17
4D116BC27
4D116DD05
4D116QA34C
4D116QA34E
4D116QA35C
4D116QA35E
4D116RR01
4D116RR04
4D116RR16
4D116RR26
4D116TT01
4D116TT07
4D116UU01
4D116UU09
4D116VV04
(57)【要約】
【課題】簡単な構成でスラッジの回収性能を維持しつつ低コスト化も実現する。
【解決手段】切削液循環装置1は、工作機械から排出される切削液を貯留する第1タンク槽2と、第1タンク槽2内に設けられ、切削液を濾過するドラムフィルタ4と、第1タンク槽2内の切削液を汲み上げる汲み上げポンプ5と、を含み、第1タンク槽2には、ドラムフィルタ4で濾過された切削液が還流する環状流路40が形成される。そして、汲み上げポンプ5から汲み上げられた切削液の一部は、ドラムフィルタ4に送られてドラムフィルタ4の清掃に用いられた後、環状流路40へ戻されると共に、切削液の残りの一部は、第1タンク槽2の外部に設けられた2次フィルタ6に送られて2次フィルタ6によって濾過された後、環状流路40へ戻される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械から排出される切削液を貯留するタンク槽と、
前記タンク槽内に設けられ、切削液を濾過する1次フィルタとなるドラムフィルタと、
前記タンク槽内の切削液を汲み上げるポンプと、を含み、
前記タンク槽には、前記ドラムフィルタで濾過された切削液が還流する環状流路が形成され、
前記ポンプから汲み上げられた切削液の一部は、前記ドラムフィルタに送られて前記ドラムフィルタの清掃に用いられた後、前記環状流路へ戻されると共に、切削液の残りの一部は、前記タンク槽の外部に設けられた2次フィルタに送られて前記2次フィルタによって濾過された後、前記環状流路へ戻されることを特徴とする切削液循環装置。
【請求項2】
前記タンク槽内には、前記環状流路へ戻される切削液を前記環状流路での還流を助勢する方向に噴出する助勢ノズルが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の切削液循環装置。
【請求項3】
前記タンク槽内には、前記環状流路での還流を整流する整流板が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の切削液循環装置。
【請求項4】
前記タンク槽内には、前記工作機械から排出される切削液からスラッジを回収するコンベヤが設置されて、前記ドラムフィルタは、前記コンベヤの下部に設置されており、
前記環状流路は、前記コンベヤの周囲に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の切削液循環装置。
【請求項5】
前記タンク槽には、第2のタンク槽が隣接して設置されており、
前記2次フィルタによって濾過された切削液は、戻り流路切換部を介して、前記環状流路へ戻される第1の戻り流路と、3次フィルタによって濾過された後、前記第2のタンク槽に戻される第2の戻り流路との何れか一方へ選択的に供給可能であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の切削液循環装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、工作機械から排出される切削液を貯留して濾過し、工作機械に再供給する切削液循環装置に関する。なお、切削液は、クーラントとも称され、切削液循環装置は、スラッジレスタンクとも称される。
【背景技術】
【0002】
工作機械に併設される装置として切削液循環装置が知られている。切削液循環装置は、工作機械の加工室に供給されて工作機械から排出された切削液から、切粉等の不純物であるスラッジを分離し、濾過後の切削液を再び工作機械に供給して再使用させる。
このような切削液循環装置は、人の手による清掃やメンテナンスが必要で、清掃やメンテナンスを怠ると、加工室内の洗浄効果が十分に得られず、最悪の場合機械の破損に繋がる。
そこで、切削液循環装置の例として、特許文献1には、工作機械から回収タンクに排出されたクーラントをポンプにより一次濾過装置へ供給して切粉等を除去した後、一次タンクに貯留し、二次濾過装置で細かい切粉等を除去して工作機械に戻すようにしたクーラントシステムが開示されている。一次タンクは、平面視が円形の有底筒状で、一次タンクの外周に沿ってクーラントを旋回させながら、中央の仕切部材内に設けたポンプでクーラントをくみ上げて二次濾過装置に供給するようになっている。
また、特許文献2には、工作機械から排出されたクーラントをドラムフィルタで濾過した後、環流槽に環流するクーラント供給装置が開示されている。この環流槽は、所定の間隔で並設された第1、第2クーラント槽と、両クーラント槽を連通させる連通部とを含み、第2クーラント槽に設けたポンプでくみ上げたクーラントを第1クーラント槽に環流させると共に、各クーラント槽に設けた撹拌ノズル体によってクーラントの流れを助成して異物の堆積、滞留を抑止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5930938号公報
【特許文献2】特許第6196409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のクーラントシステムでは、一次、二次タンクに加えて濾過装置ごとにタンクを設けると共に、ポンプは、一次タンクから一次濾過装置へのクーラント供給用、二次タンクから二次濾過装置へのクーラント供給用、二次濾過装置から工作機械へのクーラント供給用と3カ所に必要となっている。よって、装置が複雑化してコストアップに繋がる。
特許文献2のクーラント供給装置も、環流槽は1つであるが、平面視が凹字状であるため、流れが停滞しないように撹拌ノズル体が必須となる。また、ポンプを5つ設けてそれぞれドラムフィルタの洗浄用、別のフィルタ装置での濾過用、環流槽での流れの形成用等に利用しているため、結局コストアップは避けられない。
【0005】
そこで、本開示は、簡単な構成でスラッジの回収性能を維持しつつ低コスト化も実現することができる切削液循環装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は、工作機械から排出される切削液を貯留するタンク槽と、
前記タンク槽内に設けられ、切削液を濾過する1次フィルタとなるドラムフィルタと、
前記タンク槽内の切削液を汲み上げるポンプと、を含み、
前記タンク槽には、前記ドラムフィルタで濾過された切削液が還流する環状流路が形成され、
前記ポンプから汲み上げられた切削液の一部は、前記ドラムフィルタに送られて前記ドラムフィルタの清掃に用いられた後、前記環状流路へ戻されると共に、切削液の残りの一部は、前記タンク槽の外部に設けられた2次フィルタに送られて前記2次フィルタによって濾過された後、前記環状流路へ戻されることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、前記タンク槽内には、前記環状流路へ戻される切削液を前記環状流路での還流を助勢する方向に噴出する助勢ノズルが設けられていることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、前記タンク槽内には、前記環状流路での還流を整流する整流板が設けられていることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、前記タンク槽内には、前記工作機械から排出される切削液からスラッジを回収するコンベヤが設置されて、前記ドラムフィルタは、前記コンベヤの下部に設置されており、
前記環状流路は、前記コンベヤの周囲に形成されていることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、前記タンク槽には、第2のタンク槽が隣接して設置されており、
前記2次フィルタによって濾過された切削液は、戻り流路切換部を介して、前記環状流路へ戻される第1の戻り流路と、3次フィルタによって濾過された後、前記第2のタンク槽に戻される第2の戻り流路との何れか一方へ選択的に供給可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、シンプルな環状流路において1つの汲み上げポンプのみを稼働させることで、ドラムフィルタの洗浄と2次フィルタによる濾過とが同時に行える。よって、簡単な構成でドラムフィルタ及び2次フィルタによるスラッジの回収性能を維持しつつ低コスト化も実現することができる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、タンク槽内には、環状流路へ戻される切削液を環状流路での還流を助勢する方向に噴出する助勢ノズルが設けられているので、環状流路での還流が助勢され、タンク槽内でのスラッジの滞留や蓄積をより効果的に防止することができる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、タンク槽内には、環状流路での還流を整流する整流板が設けられているので、環状流路内でのスムーズな還流が維持可能となり、スラッジの滞留及び蓄積のより効果的な防止に繋がる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、タンク槽内には、工作機械から排出される切削液からスラッジを回収するコンベヤが設置され、ドラムフィルタは、コンベヤの下部に設置されて、環状流路がコンベヤの周囲に形成されているので、コンベヤを中心とした環状流路が簡単に形成でき、タンク槽の全体に切削液を還流させることができる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、2次フィルタによって濾過された切削液は、戻り流路切換部を介して、環状流路へ戻される第1の戻り流路と、3次フィルタによって濾過された後、第2のタンク槽に戻される第2の戻り流路との何れか一方へ選択的に供給可能であるので、切削液を主軸に供給しない場合は環状流路へ戻すことで、3次フィルタのメンテナンスの頻度が少なくて済み、3次フィルタの高寿命化に繋がる。一方、切削液を主軸に供給する場合は、3次フィルタで切削液をさらに濾過することで、主軸回転継手部の高寿命化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[形態1]
図1は、切削液循環装置の一例を示す概略図である。切削液循環装置1は、第1タンク槽2と、第2タンク槽3と、1次フィルタとなるドラムフィルタ4と、汲み上げポンプ5と、2次フィルタ6と、配管切換部7と、3次フィルタ8と、スルーポンプ9とを備えている。
第1タンク槽2は、周囲が外壁10で囲まれる有底槽である。第1タンク槽2内には、コンベヤ11が設置されている。コンベヤ11には、工作機械で使用されて切粉等のスラッジを含む切削液が排出される。
第2タンク槽3は、第1タンク槽2に隣接して設置され、周囲が外壁12で囲まれる有底槽である。但し、第2タンク槽3は、第1タンク槽2よりも平面視面積が小さく形成されている。第2タンク槽3の外壁12は、第1タンク槽2の外壁10よりも高く形成されている。第2タンク槽3でオーバーフローした切削液は、第1タンク槽2に流れ込むようになっている。
【0010】
ドラムフィルタ4は、コンベヤ11内の下部に設置される。ドラムフィルタ4は、外周面のフィルタ部で切削液を濾過して所定の大きさ以上のスラッジを取り除く。濾過後の切削液は、ドラムフィルタ4の軸方向の両端から第1タンク槽2内に排出される。
汲み上げポンプ5は、第1タンク槽2内に設けられて、第1配管15を介してドラムフィルタ4内の図示しない洗浄ノズルと接続されている。よって、汲み上げポンプ5で汲み上げられた切削液は、洗浄ノズルからドラムフィルタ4の外周面に内部から噴出されてドラムフィルタ4を洗浄する。
第1配管15は、途中で分岐した第2配管16を有している。第2配管16は、2次フィルタ6に接続されている。
【0011】
2次フィルタ6は、第1、第2タンク槽2,3の外部に設置されたサイクロンフィルタである。2次フィルタ6は、第3配管17を介して配管切換部7に接続されている。2次フィルタ6でスラッジが除去された切削液は、配管切換部7に送られる。
配管切換部7は、二股に分岐する第1分岐管18と、第2分岐管19と、第1分岐管18に設けられる第1バルブ20と、第2分岐管19に設けられる第2バルブ21とを備えている。第1分岐管18は、第4配管22を介して第1タンク槽2に接続されている。第2分岐管19は、第5配管23を介して3次フィルタ8に接続されている。
3次フィルタ8は、第1、第2タンク槽2,3の外部に設置されたバッグフィルタである。3次フィルタ8で濾過された切削液は、第2タンク槽3内に送られる。
スルーポンプ9は、第2タンク槽3内に設置されている。スルーポンプ9は、第2タンク槽3内の切削液を工作機械の主軸へ供給する。
【0012】
図2及び
図3は、第1タンク槽2の詳細を示している。ここでの第1タンク槽2は、平面視が四角形となっている。
図2及び
図3では、便宜上
図3での右側を前方として前後左右の向きを規定する。第1タンク槽2は、長手方向が前後方向となっている。
第1タンク槽2の各コーナー部には、内形角部を面取する格好で傾斜する角部整流板30,30・・が設けられている。コンベヤ11は、第1タンク槽2内の略中央で、第1タンク槽2の長手方向と平行となる前後方向に配置されている。なお、
図2,3ではコンベヤ11の上部を省略している。
よって、第1タンク槽2内で、外壁10及び角部整流板30とコンベヤ11との間には、コンベヤ11の外側を周回する環状流路40が形成される。ドラムフィルタ4は、コンベヤ11の後部に配置されて、濾過した切削液の出口13,13を左右に設けて環状流路40と連通させている。
【0013】
コンベヤ11の後部右側で第1タンク槽2内には、右側の出口13の後方から右側へ延びた後、右斜め前方へ傾斜して出口13の右側を前方へ延びる整流板31が設けられている。この整流板31により、右側の出口13から排出された切削液は、前方へ向きを変えて付勢されることになる。
汲み上げポンプ5は、整流板31の前方でコンベヤ11の右側に配置されている。汲み上げポンプ5の前方でコンベヤ11の右側には、第1ポンプ32が配置され、コンベヤ11を挟んだ第1ポンプ32の反対側には、第2ポンプ33が配置されている。第1、第2ポンプ32,33は、第1タンク槽2内の切削液を汲み上げて図示しない配管を介して工作機械の加工室へ供給する。
第1タンク槽2内には、3つの第1~第3助勢ノズル34~36が設けられている。第1助勢ノズル34及び第2助勢ノズル35は、第1配管15から分岐した2つの第6配管24,24(
図1には1つのみ例示)にそれぞれ接続されている。第3助勢ノズル36は、第4配管22に接続されている。第1助勢ノズル34は、コンベヤ11の後側流路の左側に配置されて右側に向けて切削液を噴出する。第2助勢ノズル35は、コンベヤ11の前側流路の右側に配置されて左側に向けて切削液を噴出する。第3助勢ノズル36は、コンベヤ11の左側流路の略中央に配置されて後側に向けて切削液を噴出する。
【0014】
以上の如く構成された切削液循環装置1において、工作機械からコンベヤ11に回収された切削液は、ドラムフィルタ4を通過して濾過された後、左右から環状流路40に排出される。ドラムフィルタ4の右側には、整流板31が設けられているため、右側の出口13から排出される切削液は、整流板31によって前方へ付勢される。よって、第1タンク槽2内には、
図2,3に実線矢印で示すように、切削液が環状流路40を左回りに流れる還流(旋回流)が生じる。
そして、汲み上げポンプ5が稼働すると、環状流路40内の切削液が汲み上げられて、第1配管15及び第2配管16に供給される。
第1配管15を流れる切削液は、ドラムフィルタ4の内部で洗浄ノズルから噴出されてドラムフィルタ4を洗浄した後、環状流路40に戻される一方、各第6配管24に分岐した切削液の一部は、第1、第2助勢ノズル34,35から環状流路40内の流れ方向に噴出される。よって、環状流路40内の流れが助勢される。
第2配管16を流れる切削液は、2次フィルタ6で濾過されて第3配管17に送られる。このとき、工作機械において主軸に装着した工具から切削液を噴出させない場合、配管切換部7では、第1バルブ20をON(開弁)して第2バルブ21をOFF(閉弁)させる。よって、第3配管17から供給される切削液は、第1分岐管18を通って第4配管22を介して第3助勢ノズル36から環状流路40に戻される。第3助勢ノズル36から噴出される切削液は、環状流路40の左部の流れを後側へ付勢する。よって、環状流路40内の還流が助勢される。
【0015】
こうして汲み上げポンプ5が稼働することで、切削液がドラムフィルタ4と2次フィルタ6とにそれぞれ送られてドラムフィルタ4の洗浄と2次フィルタ6による濾過とが同時に行われつつ環状流路40での還流が維持される。よって、一定以上の流速を保ちながら一方向への流れを形成でき、第1タンク槽2内でのスラッジの滞留や蓄積を防止することができる。
工作機械で加工を行う際、第1、第2ポンプ32,33が稼働して、第1タンク槽2内の切削液を汲み上げて、加工室内に供給する。このとき、工作機械において主軸に装着した工具から切削液を噴出させる場合、配管切換部7では、第1バルブ20をOFF(閉弁)して第2バルブ21をON(開弁)させる。よって、第3配管17から供給される切削液は、第2分岐管19を通って第5配管23を介して3次フィルタ8に送られる。3次フィルタ8でさらに濾過された切削液は、第2タンク槽3に排出されて、スルーポンプ9により汲み上げられて主軸に送られる。
【0016】
このように、上記形態1の切削液循環装置1は、工作機械から排出される切削液を貯留する第1タンク槽2(タンク槽の一例)と、第1タンク槽2内に設けられ、切削液を濾過するドラムフィルタ4と、第1タンク槽2内の切削液を汲み上げる汲み上げポンプ5(ポンプの一例)と、を含み、第1タンク槽2には、ドラムフィルタ4で濾過された切削液が還流する環状流路40が形成される。
そして、汲み上げポンプ5から汲み上げられた切削液の一部は、ドラムフィルタ4に送られてドラムフィルタ4の清掃に用いられた後、環状流路40へ戻されると共に、切削液の残りの一部は、第1タンク槽2の外部に設けられた2次フィルタ6に送られて2次フィルタ6によって濾過された後、環状流路40へ戻される。
この構成によれば、シンプルな環状流路40において1つの汲み上げポンプ5のみを稼働させることで、ドラムフィルタ4の洗浄と2次フィルタ6による濾過とが同時に行える。よって、簡単な構成でドラムフィルタ4及び2次フィルタ6によるスラッジの回収性能を維持しつつ低コスト化も実現することができる。
【0017】
第1タンク槽2内には、環状流路40へ戻される切削液を環状流路40での還流を助勢する方向に噴出する第1~第3助勢ノズル34~36(助勢ノズルの一例)が設けられている。
よって、環状流路40での還流が助勢され、第1タンク槽2内でのスラッジの滞留や蓄積をより効果的に防止することができる。
第1タンク槽2内には、環状流路40での還流を整流する角部整流板30及び整流板31(それぞれ整流板の一例)が設けられている。
よって、環状流路40内でのスムーズな還流が維持可能となり、スラッジの滞留及び蓄積のより効果的な防止に繋がる。
【0018】
第1タンク槽2内には、工作機械から排出される切削液からスラッジを回収するコンベヤ11が設置されて、ドラムフィルタ4は、コンベヤ11の下部に設置されており、環状流路40は、コンベヤ11の周囲に形成されている。
よって、コンベヤ11を中心とした環状流路40が簡単に形成でき、第1タンク槽2の全体に切削液を還流させることができる。
第1タンク槽2には、第2タンク槽3(第2のタンク槽の一例)が隣接して設置されており、2次フィルタ6によって濾過された切削液は、配管切換部7(戻り流路切換部の一例)を介して、環状流路40へ戻される第4配管22(第1の戻り流路の一例)と、3次フィルタ8によって濾過された後、第2タンク槽3に戻される第5配管23(第2の戻り流路の一例)との何れか一方へ選択的に供給可能である。
よって、切削液を主軸に供給しない場合は、第4配管22から環状流路40へ戻すことで、3次フィルタ8のメンテナンスの頻度が少なくて済み、3次フィルタ8の高寿命化に繋がる。一方、切削液を主軸に供給する場合は、3次フィルタ8で切削液をさらに濾過することで、主軸回転継手部の高寿命化が期待できる。
【0019】
なお、形態1において、汲み上げポンプの位置は適宜変更できる。汲み上げポンプ以外のポンプの数や位置も適宜変更可能である。
助勢ノズルの数や位置、接続する配管も適宜変更できる。流路の幅方向に助勢ノズルを複数並べて配置してもよい。但し、環状流路での環流が可能であれば助勢ノズルは省略してもよい。
第1タンク槽の平面視形状も適宜変更して差し支えない。平面視形状は、前後方向でなく左右方向が長手となる矩形状であってもよいし、正方形や多角形、円形等であってもよい。
整流板は、一次フィルタの右側の出口でなく左側の出口に設けてもよいし、左右両方に設けてもよい。整流板自体の形状や位置も適宜変更可能である。
【0020】
以下、第1タンク槽の他の形態2,3を
図4~
図7に基づいて説明する。但し、形態1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明は省略する。形態2,3においても便宜上
図5及び
図7での右側を前方として前後左右の向きを規定する。
[形態2]
図4及び
図5に示す切削液循環装置1Aの第1タンク槽2Aは、前後方向の長さが左右方向の長さよりも長い縦長矩形状で、コンベヤ11が後側に設けられている。コンベヤ11の後側には、左右方向に延びる後側流路41が形成され、コンベヤ11の右側には、後側流路41の右端と連通して前後方向に延びる右側流路42が形成されている。コンベヤ11の前側で第1タンク槽2A内に、平面視縦長矩形状の環状流路40が形成されている。右側流路42は、環状流路40と繋がっている。
第1タンク槽2A内では、環状流路40の左側の前後に角部整流板30,30が設けられている。ドラムフィルタ4は、後側流路41と環状流路40とに出口13,13を連通させて濾過された切削液を排出する。環状流路40の後側には、右側流路42とドラムフィルタ4の前側の出口13との間から前方へ直線状に延びる右側整流板50が設けられている。
【0021】
環状流路40の中央には、内側整流板51が設けられている。内側整流板51は、四隅を面取して第1タンク槽2Aの前側より一回り小さくなる平面視縦長矩形状に形成されている。内側整流板51で囲まれる空間は、環状流路40と区画される準クリーン槽52となっている。但し、内側整流板51の後部右側の下端には、環状流路40と連通する連通口53が切欠形成されている。連通口53と隣接する内側整流板51の後部右側の面取部には、連通口53の後端から前方右側へ傾斜状に突出する延長板54が形成されている。
汲み上げポンプ5は、環状流路40の前部右側のコーナー部に配置されている。第1ポンプ32は、準クリーン槽52内の後側に配置されている。
第1助勢ノズル34は、後側流路41と右側流路42との連通部で前側へ向けて配置されている。第2助勢ノズル35は、環状流路40の前部左側で後側へ向けて配置されている。第3助勢ノズル36は、準クリーン槽52内の前側で後側へ向けて配置されている。
図5に二点鎖線で示すように、第1タンク槽2Aの外部で後側流路41と右側流路42との連通部の近傍には、温度調整装置55が設けられている。この温度調整装置55は、連通部内に設けた吸込口56から切削液を吸い込んで切削液の温度を所定温度に調整した後、吐出口57から切削液を吐出する。吐出口57からの吐出方向は、第1助勢ノズル34と同じ前向きとなっている。
【0022】
以上の如く構成された切削液循環装置1Aにおいて、工作機械からコンベヤ11に回収された切削液は、ドラムフィルタ4を通過して濾過された後、前後の出口13,13から後側流路41と環状流路40とに排出される。後側の出口13から排出された切削液は、右側流路42へ流れ、右側整流板50によって環状流路40の右部へ前向きに流れ込む。前側の出口13から排出された切削液は、右側整流板50と内側整流板51の延長板54とによって環状流路40の右部へ前向きに流れ込む。よって、第1タンク槽2A内には、
図4,5に実線矢印で示すように、切削液が環状流路40を左回りに流れる還流が生じる。
そして、汲み上げポンプ5が稼働すると、環状流路40内の切削液が汲み上げられて、第1配管15及び第2配管16に供給される。
第1配管15を流れる切削液は、ドラムフィルタ4の内部で洗浄ノズルから噴出されてドラムフィルタ4を洗浄した後、前後の出口13,13から後側流路41と環状流路40とに戻される。
【0023】
また、第1配管15から各第6配管24に分岐した切削液の一部は、第1,第2助勢ノズル34,35から第1タンク槽2A内に噴出される。第1助勢ノズル34から噴出される切削液は、右側流路42の流れを前側へ付勢する。温度調整装置55の吐出口57から吐出される切削液も、右側流路42の流れを前側へ付勢する。第2助勢ノズル35から噴出される切削液は、環状流路40の右部の流れを後側へ付勢する。よって、環状流路40内の還流が助勢される。
一方、第2配管16を流れる切削液は、2次フィルタ6でさらに濾過されて第3配管17に送られる。このとき、工作機械において主軸に装着した工具から切削液を噴出させない場合、配管切換部7では、第1バルブ20をON(開弁)して第2バルブ21をOFF(閉弁)させる。よって、第3配管17から供給される切削液は、第1分岐管18を通って第4配管22を介して第3助勢ノズル36から第1タンク槽2Aに戻される。第3助勢ノズル36から噴出される切削液は、準クリーン槽52内の切削液を後側へ付勢する。よって、準クリーン槽52内の切削液は、連通口53から延長板54に沿って環状流路40の右部へ流れ込み、環状流路40内の還流を助勢することになる。
【0024】
こうして汲み上げポンプ5が稼働することで、切削液がドラムフィルタ4と2次フィルタ6とにそれぞれ送られてドラムフィルタ4の洗浄と2次フィルタ6による濾過とが同時に行われつつ環状流路40内の還流が維持される。よって、一定以上の流速を保ちながら一方向への流れを形成でき、第1タンク槽2A内でのスラッジの滞留や蓄積を防止することができる。
工作機械で加工を行う際、第1ポンプ32が稼働して、準クリーン槽52内の切削液を汲み上げて、加工室内に供給する。このとき、工作機械において主軸に装着した工具から切削液を噴出させる場合、配管切換部7では、第1バルブ20をOFF(閉弁)して第2バルブ21をON(開弁)させる。よって、第3配管17から供給される切削液は、第2分岐管19を通って第5配管23を介して3次フィルタ8に送られる。3次フィルタ8でさらに濾過された切削液は、第2タンク槽3に排出されて、スルーポンプ9により汲み上げられて主軸に送られる。第2タンク槽3からオーバーフローした切削液は、外壁12を乗り越えて隣接する第1タンク槽2A内に流れ込む。
【0025】
このように、上記形態2の切削液循環装置1Aも、工作機械から排出される切削液を貯留する第1タンク槽2A(タンク槽の一例)と、第1タンク槽2A内に設けられ、切削液を濾過するドラムフィルタ4と、第1タンク槽2A内の切削液を汲み上げる汲み上げポンプ5(ポンプの一例)と、を含み、第1タンク槽2Aには、ドラムフィルタ4で濾過された切削液が還流する環状流路40が形成される。
そして、汲み上げポンプ5から汲み上げられた切削液の一部は、ドラムフィルタ4に送られてドラムフィルタ4の清掃に用いられた後、環状流路40へ戻されると共に、切削液の残りの一部は、第1タンク槽2Aの外部に設けられた2次フィルタ6に送られて2次フィルタ6によって濾過された後、環状流路40へ戻される。
この構成によれば、シンプルな環状流路40において1つの汲み上げポンプ5のみを稼働させることで、ドラムフィルタ4の洗浄と2次フィルタ6による濾過とが同時に行える。よって、簡単な構成でドラムフィルタ4及び2次フィルタ6によるスラッジの回収性能を維持しつつ低コスト化も実現することができ、形態1の切削液循環装置1と同様の効果を得ることができる。
【0026】
なお、形態2においても、汲み上げポンプの位置は適宜変更できる。汲み上げポンプ以外のポンプの数や位置も適宜変更可能である。例えば環状流路又は準クリーン槽に第2ポンプを配置してもよい。
助勢ノズルの数や位置、接続する配管も適宜変更できる。流路の幅方向に助勢ノズルを複数並べて配置してもよい。但し、環状流路での環流が可能であれば助勢ノズルは省略してもよい。
第1タンク槽の平面視形状も適宜変更して差し支えない。平面視形状は、前後方向でなく左右方向が長手となる矩形状であってもよい。準クリーン槽の平面視形状も第1タンク槽の平面視形状に合わせて変更可能である。環状流路との連通口は上記形態と異なる場所に設けてもよい。
コンベヤも、第1タンク槽の後側でなく前側に配置してもよい。
右側整流板の形状や位置も適宜変更可能である。環状流路の環流が可能であれば、右側整流板は省略してもよい。
【0027】
[形態3]
図6及び
図7に示す切削液循環装置1Bの第1タンク槽2Bも、前後に長い平面視矩形状で、コンベヤ11は、第1タンク槽2Bの後寄りに配置されている。
コンベヤ11の前方で外壁10の内側には、前後方向に延びる左側整流板60と右側整流板61とが設けられている。左側整流板60は、第1タンク槽2Bの前部左側の角部整流板30の内側で角部整流板30と平行に傾斜し、第1タンク槽2Bの前側の外壁10と平行な前側整流板62と繋がっている。前側整流板62の右端は、第1タンク槽2Bの前部右側の角部整流板30の内側で角部整流板30と平行に傾斜している。左側整流板60の後端部は、ドラムフィルタ4の前側の出口13を除いてコンベヤ11との間を仕切る左右方向の仕切板63と繋がっている。この仕切板63と左側整流板60とで形成されるコーナー部には、傾斜整流板64が設けられている。
右側整流板61は、左側整流板60と平行に延びている。右側整流板61の前端部は、前側整流板62の傾斜部よりも手前で途切れ、前側整流板62との間に連通口65を形成している。
左側整流板60と右側整流板61との間には、ドラムフィルタ4の出口13よりも前側で前後方向に延びる中央板66が配置されている。中央板66の前後の両端は、仕切板63及び前側整流板62の何れからも離れている。
【0028】
よって、第1タンク槽2B内には、コンベヤ11及び左側整流板60、右側整流板61、前側整流板62の周囲を周回する外側環状流路70と、中央板66を中心として左側整流板60、右側整流板61、前側整流板62の内側を周回する内側環状流路71とが形成される。外側環状流路70と内側環状流路71とは、連通口65によって連通している。
外側環状流路70の左部には、流路幅を左右に二分する分割整流板72が前後方向に設けられている。分割整流板72の後端は、角部整流板30の内側で角部整流板30に沿って傾斜している。この分割整流板72により、外側環状流路70の左部は、外分割流路73と内分割流路74とに分割されている。
汲み上げポンプ5は、連通口65内の後寄りに配置されている。第1ポンプ32は、内側環状流路71内で中央板66の後側に配置されている。
第1助勢ノズル34は、分割整流板72の前側で後向きに配置されている。第2助勢ノズル35は、内側環状流路71内において左側整流板60の内側で後向きに配置されている。ここでの第3助勢ノズル36は、第6配管24に接続されて、外側環状流路70の後部右側のコーナー部で前向きに配置されている。内側環状流路71内において中央板66の右側には、第4配管22に接続される第4助勢ノズル37が前向きに配置されている。
【0029】
以上の如く構成された切削液循環装置1Bにおいて、工作機械からコンベヤ11に回収された切削液は、ドラムフィルタ4を通過して濾過された後、前後の出口13から外側環状流路70と内側環状流路71とに流れ込む。
そして、汲み上げポンプ5が稼働すると、外側環状流路70内の切削液が汲み上げられて、第1配管15及び第2配管16に供給される。第1配管15を流れる切削液は、ドラムフィルタ4の内部で洗浄ノズルから噴出されてドラムフィルタ4を洗浄した後、前後から外側環状流路70と内側環状流路71とに戻される。
また、第1配管15から各第6配管24に分岐した切削液の一部は、第1~第3助勢ノズル34~36から第1タンク槽2B内に噴出される。第1助勢ノズル34から噴出される切削液は、外分割流路73及び内分割流路74の流れを後側へ付勢する。第3助勢ノズル36から噴出される切削液は、外側環状流路70の後部の流れを前側へ付勢する。よって、外側環状流路70では左回りの還流が発生する。
【0030】
一方、内側環状流路71では、ドラムフィルタ4の前側の出口13から右側整流板61に沿って前側に排出される切削液により、左回りの還流が発生する。内側環状流路71は、連通口65により外側環状流路70と連通しているため、外側環状流路70の右部の流れの一部が連通口65から内側環状流路71に合流することで流れが助勢される。
また、第2助勢ノズル35から噴出される切削液は、内側環状流路71の左部の流れを後側へ付勢する。
第2配管16を流れる切削液は、2次フィルタ6でさらに濾過されて第3配管17に送られる。このとき、工作機械において主軸に装着した工具から切削液を噴出させない場合、配管切換部7では、第1バルブ20をON(開弁)して第2バルブ21をOFF(閉弁)させる。よって、第3配管17から供給される切削液は、第1分岐管18を通って第4配管22を介して第4助勢ノズル37から第1タンク槽2Bに戻される。第4助勢ノズル37から噴出される切削液は、内側環状流路71の右部の流れを前側へ付勢する。よって、内側環状流路71の流れが助勢される。
【0031】
こうして汲み上げポンプ5が稼働することで、切削液がドラムフィルタ4と2次フィルタ6とにそれぞれ送られてドラムフィルタ4の洗浄と2次フィルタ6による濾過とが同時に行われつつ外側環状流路70内及び内側環状流路71内の還流が維持される。よって、一定以上の流速を保ちながら一方向への流れを形成でき、第1タンク槽2B内でのスラッジの滞留や蓄積を防止することができる。
工作機械で加工を行う際、第1ポンプ32が稼働して、内側環状流路71内の切削液を汲み上げて、加工室内に供給する。このとき、工作機械において主軸に装着した工具から切削液を噴出させる場合、配管切換部7では、第1バルブ20をOFF(閉弁)して第2バルブ21をON(開弁)させる。よって、第3配管17から供給される切削液は、第2分岐管19を通って第5配管23を介して3次フィルタ8に送られる。3次フィルタ8でさらに濾過された切削液は、第2タンク槽3に排出されて、スルーポンプ9により汲み上げられて主軸に送られる。第2タンク槽3からオーバーフローした切削液は、外壁12を乗り越えて隣接する第1タンク槽2B内に流れ込む。
【0032】
このように、上記形態3の切削液循環装置1Bも、工作機械から排出される切削液を貯留する第1タンク槽2B(タンク槽の一例)と、第1タンク槽2B内に設けられ、切削液を濾過するドラムフィルタ4と、第1タンク槽2B内の切削液を汲み上げる汲み上げポンプ5(ポンプの一例)と、を含み、第1タンク槽2Bには、ドラムフィルタ4で濾過された切削液が還流する外側環状流路70(環状流路の一例)が形成される。
そして、汲み上げポンプ5から汲み上げられた切削液の一部は、ドラムフィルタ4に送られてドラムフィルタ4の清掃に用いられた後、外側環状流路70へ戻されると共に、切削液の残りの一部は、第1タンク槽2Bの外部に設けられた2次フィルタ6に送られて2次フィルタ6によって濾過された後、外側環状流路70へ戻される。
この構成によれば、シンプルな外側環状流路70において1つの汲み上げポンプ5のみを稼働させることで、ドラムフィルタ4の洗浄と2次フィルタ6による濾過とが同時に行える。よって、簡単な構成でドラムフィルタ4及び2次フィルタ6によるスラッジの回収性能を維持しつつ低コスト化も実現することができ、形態1の切削液循環装置1と同様の効果を得ることができる。
【0033】
なお、形態3においても、汲み上げポンプの位置は適宜変更できる。汲み上げポンプ以外のポンプの数や位置も適宜変更可能である。外側環状流路又は内側環状流路に第2ポンプを配置してもよい。
助勢ノズルの数や位置、接続する配管も適宜変更できる。内分割流路に助勢ノズルを複数配置してもよい。但し、環状流路での環流が可能であれば助勢ノズルは省略してもよい。
第1タンク槽の平面視形状も適宜変更して差し支えない。平面視形状は、前後方向でなく左右方向が長手となる矩形状であってもよい。平面視形状は、正方形や多角形、円形等であってもよい。外側環状流路と内側環状流路の連通口は上記形態と異なる場所に設けてもよい。
コンベヤも、第1タンク槽の後側でなく前側に配置してもよい。
【0034】
以下、各形態に共通する変更例を説明する。
各フィルタは、上記形態外のものも使用可能である。ドラムフィルタは、コンベヤに内蔵されるタイプに限らない。
第2タンク槽は、省略することができる。この場合、配管切換部及び3次フィルタも省略され、第3配管から切削液が第1タンク層に戻されることになる。
形態2の温度調整装置は、形態1及び3の第1タンク槽にも設けて切削液の流れの助勢に利用してもよい。但し、温度調整装置は省略することもできる。
【符号の説明】
【0035】
1,1A,1B・・切削液循環装置、2,2A,2B・・第1タンク槽、3・・第2タンク槽、4・・ドラムフィルタ、5・・汲み上げポンプ、6・・2次フィルタ、7・・配管切換部、8・・3次フィルタ、9・・スルーポンプ、10,12・・外壁、11・・コンベヤ、13・・出口、15・・第1配管、16・・第2配管、17・・第3配管、18・・第1分岐管、19・・第2分岐管、20・・第1バルブ、21・・第2バルブ、22・・第4配管、23・・第5配管、24・・第6配管、30・・角部整流板、31・・整流板、32・・第1ポンプ、33・・第2ポンプ、34~37・・第1~第4助勢ノズル、40・・環状流路、41・・後側流路、42・・右側流路、50・・右側整流板、51・・内側整流板、52・・準クリーン槽、53,65・・連通口、55・・温度調整装置、60・・左側整流板、61・・右側整流板、62・・前側整流板、70・・外側環状流路、71・・内側環状流路、72・・分割整流板、73・・外分割流路、74・・内分割流路。