(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066903
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ヘアスタイル管理システム及びヘアスタイル管理システムのヘアメイク支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240509BHJP
A45D 44/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
G06Q50/10
A45D44/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176692
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】516255736
【氏名又は名称】蛯名 保紀
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】蛯名 保紀
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】施術後の髪型を動画撮影して蓄積する際に、所定の位置から抽出したカット画像を登録することで、正面、側面、背面といった画一的なカット画像に頼ることなく、カメラ目線で仕上げ状態を確認することができるヘアスタイル管理システム及びヘアスタイル管理システムのヘアメイク支援方法を提供する。
【解決手段】ヘアスタイル管理システムは、サーバ装置3と、データ端末2と、を備える。サーバ装置3は、来店する被施術者に対するヘアスタイル情報を記憶するデータベース35を備える。データ端末2は、施術室内の床面上で回動自在の客椅子に被施術者が所定位置に座った状態で、手動撮影により、データ端末2のカメラ機能で客椅子が1回転する間で、撮像した被施術者の動画情報をサーバ装置3に転送する通信部21を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
来店する被施術者に対するヘアスタイル情報を記憶するデータベースを備えるサーバ装置と、前記被施術者が操作するカメラ機能付のデータ端末とが通信可能なヘアスタイル管理システムであって、
前記データ端末は、
施術室内の床面上で回動自在の客椅子に被施術者が所定位置に座った状態で、手動撮影により、前記データ端末のカメラ機能で前記客椅子が1回転する間で、撮像した前記被施術者の動画情報を前記サーバ装置に転送する転送部を備えることを特徴とするヘアスタイル管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
前記転送部から転送された動画情報を解析して、ヘアメイクを担当する施術者が仕上げた前記被施術者のカット画像を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した前記カット画像を前記被施術者の識別情報に紐づけて所定のデータベースに顧客登録する登録部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のヘアスタイル管理システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、
前記データベースに登録された前記被施術者の前記カット画像を前記識別情報に基づいて検索する検索部と、
前記検索部が検索した前記被施術者の前記カット画像を前記施術室内に設ける表示部に表示する表示制御部と、
前記被施術者が来店する毎に、前記客椅子が1回転する間に前記データ端末で撮像された撮像された動画情報から抽出されるカット画像と、直前来店時に撮像された動画情報から抽出されたカット画像とを対比可能に前記表示部に表示したカット画像を前記施術者と前記被施術者とで閲覧しながら、あらかじめ選択可能な施術方針から選択する選択部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載のヘアスタイル管理システム。
【請求項4】
前記被施術者が操作するデータ端末にインストールされるアプリケーションを介して前記動画情報を前記サーバ装置にアップロードすることを特徴とする請求項1に記載のヘアスタイル管理システム。
【請求項5】
前記被施術者が操作するデータ端末に表示されるWEB画面を介して前記動画情報を前記サーバ装置にアップロードすることを特徴とする請求項1に記載のヘアスタイル管理システム。
【請求項6】
前記被施術者が操作するデータ端末は、施術後、ヘアスタイルのお気に入り度を示す情報を前記サーバ装置に通知する通知部を備えることを特徴とする請求項1に記載のヘアスタイル管理システム。
【請求項7】
前記表示部は、前記施術室内に回動自在の客椅子にして被施術者が所定位置に座った状態を撮像するカメラを備えることを特徴とする請求項3に記載のヘアスタイル管理システム。
【請求項8】
前記表示部は、前記施術室内に回動自在の客椅子にして被施術者に対する施術後に前記カメラが撮像したカット画像と、前記データベースに履歴として登録されたカット画像とを対比可能に表示することを特徴とする請求項3に記載のヘアスタイル管理システム。
【請求項9】
来店する被施術者に対するヘアスタイル情報を記憶するデータベースを備えるサーバ装置と、前記被施術者が操作するデータ端末とが通信可能なヘアスタイル管理システムであって、
前記データ端末は、
施術室内の床面上で回動自在の客椅子に被施術者が所定位置に座った状態で、前記被施術者の顔を含む上半身を撮像するカメラと、前記カメラが撮像する顔を含む上半身画像を表示する表示デバイスと、前記客椅子が1回転する間で、前記カメラが撮像した顔を含む上半身の動画情報を前記サーバ装置に転送する転送部を備えることを特徴とするヘアスタイル管理システム。
【請求項10】
前記サーバ装置は、
前記転送部から転送された動画情報を解析して、ヘアメイクを担当する施術者が仕上げた前記被施術者のカット画像を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した前記カット画像を前記被施術者の識別情報に紐づけて所定のデータベースに顧客登録する登録部と、
を備えることを特徴とする請求項9に記載のヘアスタイル管理システム。
【請求項11】
前記サーバ装置は、
前記データベースに登録された前記被施術者の前記カット画像を前記識別情報に基づいて検索する検索部と、
前記検索部が検索した前記被施術者の前記カット画像を前記施術室内に設ける表示部に表示する表示制御部と、
前記被施術者が来店する毎に、前記客椅子が1回転する間に撮像された動画情報から抽出されるカット画像と、直前来店時に撮像された動画情報から抽出されたカット画像とを対比可能に前記表示デバイスに表示したカット画像を前記施術者と前記被施術者とで閲覧しながら、あらかじめ選択可能な施術方針を選択する選択部と、
を備えることを特徴とする請求項10に記載のヘアスタイル管理システム。
【請求項12】
来店する被施術者に対するヘアスタイル情報を記憶するデータベースを備えるサーバ装置と、前記被施術者が操作するカメラ機能付きデータ端末とが通信可能なヘアスタイル管理システムのヘアメイク支援方法であって、
前記データ端末は、
施術室内に回動自在の客椅子にして被施術者が所定位置に座した状態で、前記客椅子が1回転する間で、前記カメラ機能付きデータ端末が撮像した動画情報を記憶する記憶部を備え、
前記データ端末からの操作に基づいて、前記記憶部に記憶された動画情報を前記サーバ装置に転送する転送ステップを備えることを特徴とするヘアスタイル管理システムのヘアメイク支援方法。
【請求項13】
来店する被施術者に対するヘアスタイル情報を記憶するデータベースを備えるサーバ装置と、前記被施術者が操作するデータ端末とが通信可能なヘアスタイル管理システムのヘアメイク支援方法であって、
施術室内の床面上で回動自在の客椅子に被施術者が所定位置に座った状態で、前記被施術者の顔を含む上半身を撮像するカメラと、前記カメラが撮像する顔を含む上半身画像を表示する表示デバイスとを備え、
前記データ端末からの操作に基づいて、前記客椅子が1回転する間で、前記カメラが撮像した顔を含む上半身の動画情報を前記サーバ装置に転送する転送ステップを備えることを特徴とするヘアスタイル管理システムのヘアメイク支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアスタイル管理システム及びヘアスタイル管理システムのヘアメイク支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示される顧客管理装置では、「理・美容院における過去の施術の記録を保管し、効率的に参照できるようにするため、顧客管理装置100は、顧客の画像データを含む顧客情報を格納した顧客データベース128と、顧客の来店毎に、複数種類の施術から選択される、該来店時に実施された1又は複数の施術を格納した施術履歴データベース134と、前記複数種類の施術のそれぞれに対応したピクトグラフの画像データ138と、オペレータの要求に応じて、顧客毎に、前記施術履歴データベースに基づいて、顧客の来店履歴を、該来店時に実施された施術に対応するピクトグラフの画像データと共にディスプレイ上に表示する履歴表示手段124とを備える。」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、被管理者となる顧客のヘアスタイル画像情報は、固定的な正面、側面、背面の3カット分を取り込み処理して記憶部に記憶されている。
【0005】
しかしながら、顧客または美容師が施術後の仕上がりイメージを管理する際、どのようにそのヘアスタイルの仕上げ画像を撮像してデータベースに蓄積する手法の詳細は開示されていなかった。なお、上記文献1には、正面、背面、側面の仕上げ画像を取り込むことについては一応の記載はあるが、データ端末が急速に発展した近年においては、理容室、美容室において顧客登録して管理する電子管理システムが普及しているため、これらのデータ端末との連携をいかに図るかが課題として指摘されている。
【0006】
また、従来の管理システムで蓄積されるカット画像は、正面、側面、背面の3カットであり、クリエイティブな施術者には、あまりにも固定的なカット画像しかイメージできず、施術者が本来意識したい目線のカット画像を蓄積する環境が整備されていなかった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、施術後の髪型を動画撮影して蓄積する際に、所定の位置から抽出したカット画像を登録することで、正面、側面、背面といった画一的なカット画像に頼ることなく、カメラ目線で仕上げ状態を確認することができるヘアスタイル管理システム及びヘアスタイル管理システムのヘアメイク支援方法を提供することである。
また、被施術者と、施術者とが施術後のカット画像および登録されたカット画像とを対比させながら閲覧し、髪型の説述について相互に意見交換し合いながら、顧客満足度の高い施術サービスを展開できるヘアスタイル管理システム及びヘアスタイル管理システムのヘアメイク支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明のヘアスタイル管理システムは以下に示す構成を備える。
来店する被施術者に対するヘアスタイル情報を記憶するデータベースを備えるサーバ装置と、前記被施術者が操作するデータ端末とが通信可能なヘアスタイル管理システムであって、前記データ端末は、施術室内の床面上で回動自在の客椅子に被施術者が所定位置に座った状態で、手動撮影により、前記データ端末のカメラ機能で前記客椅子が1回転する間で、撮像した前記被施術者の動画情報を前記サーバ装置に転送する転送部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るヘアスタイル管理システム及びヘアスタイル管理システムのヘアメイク支援方法の一つ以上の実施態様によれば、正面、側面、背面といった画一的なカット画像に頼ることなく、カメラ目線で仕上げ状態を確認することができる。
また、被施術者と、施術者とが施術後のカット画像および登録されたカット画像とを対比させながら閲覧し、髪型の説述について相互に意見交換し合いながら、顧客満足度の高い施術サービスを展開できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図1】本実施形態を示すヘアスタイル管理システムの構成を説明するブロック図。
【
図2】
図1に示したヘアスタイル管理システムのデータ端末の機能処理プログラムの構成を説明するブロック図。
【
図3】
図1に示したヘアスタイル管理システムのサーバ装置の機能処理プログラムの構成を説明するブロック図。
【
図4】
図1に示した高透過ミラーにセットされるデータ端末と椅子との対応を示す図。
【
図5】本実施形態を示すヘアスタイル管理システムのヘアスタイル登録方法の一例を示すフローチャート。
【
図6】本実施形態を示すヘアスタイル管理システムの構成を説明するブロック図。
【
図9】
図6に示した表示デバイスの他の構成を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
下記の実施の形態は、
図1から
図9に示すヘアスタイル管理システムに関し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【0012】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態を示すヘアスタイル管理システムの構成を説明するブロック図である。本例は、美容室あるいは理容室の施術者と、被施術者(顧客)とが相互に連係するシステムであって、来店する被施術者に対するヘアスタイル情報を記憶するデータベースを備えるサーバ装置と、被施術者が操作するデータ端末とが通信可能なヘアスタイル管理システムを例とする。
【0013】
図1において、1はネットワークで、被施術者が操作するデータ端末2と、サーバ装置3とが所定のプロトコルで相互に通信可能に構成されている。
【0014】
無線通信可能なスマートフォンや、バッドデバイスに代表されるデータ端末2は、通信部21、CPU22、RAM23、タッチパネル機能付の表示部24、ROM25、ホルダ26を備える。
【0015】
なお、RAM23には、ヘアスタイル管理システムが提供するユーザアプリケーションがROM25から読み出されて展開された後、CPU22は、当該ユーザアプリケーションが実行されることで各種の機能処理を実現できるように構成されている。なお、
図1では、通信部21が有線としている場合を示しているが、WIFIなどの無線通信を行うものが含まれる。
【0016】
カメラ部20は、動画モードと静止画モードとを切り替えたり、被写体をフラッシュする光源をオンオフしたりするためのスイッチ操作が可能に構成されている。
【0017】
27は高透過ミラーで、被施術者が座る椅子28に対向して配置され、被施術者の顔を含む上半身を投影する。なお、被施術者が操作するカメラ機能付きデータ端末2は、動画撮影モードに設定した状態で施術室内の床面から所定長鉛直方向に据えられた高透過ミラー27の所定位置に設けられる固定部に係合するための係合部としてのホルダ26を備えている。なお、係合部の位置は、高透過ミラー27の端側に沿って鉛直方向に所定長移動可能に構成されている。
【0018】
また、被施術者が座る椅子28は、床面に対して延長方向に上下移動(ポンプ式、電動式を含む)可能に構成されている。
【0019】
サーバ装置3は、通信部31、CPU32、RAM33、ROM34、データベース35を備えている。なお、RAM33には、ヘアスタイル管理システムが提供するサーバアプリケーションが図示しない外部メモリから読み出されて展開された後、CPU32は、当該サーバアプリケーションが実行されることで各種の機能処理を実現できるように構成されている。
【0020】
図2は、
図1に示したヘアスタイル管理システムのデータ端末2の機能処理プログラムの構成を説明するブロック図である。
図2において、RAM23には、転送部23-1、通知部23-2、ユーザ登録部23-3として機能するプログラムが記憶されている。
【0021】
転送部23-1は、高透過ミラー27の着脱可能な係合部にデータ端末2のホルダ26が固定された状態で、被施術者が座った椅子28が1回転する間で、カメラ部20が撮像した動画情報をサーバ装置3に転送する。
【0022】
被施術者が操作するデータ端末2の通知部23-2は、施術後、ヘアスタイルのお気に入り度を示す情報をサーバ装置3に通知する。これにより、施術後、登録IDを入力することで、データベース35にアクセスして事後評価を確認することができる。なお、事後評価は、一定の管理者のみが閲覧可能に制限する機能を付加してもよい。
【0023】
ユーザ登録部23-3は、ヘアスタイル管理システムが提供するアプリケーションをサーバ装置3からダウンロードした後、いわゆるアカウントを入力することでサーバ装置3にユーザ登録することが可能となる。なお、ユーザ登録にセキュリティを付加する構成を採用することで、被施術者が登録し易いシステム環境を構築することも可能である。
【0024】
図3は、
図1に示したヘアスタイル管理システムのサーバ装置3の機能処理プログラムの構成を説明するブロック図である。
【0025】
図3において、RAM33には、表示制御部33-1、登録部33-2、抽出部33-3、検索部33-4、予約部33-5、選択部33-6として機能するプログラムが記憶されている。
【0026】
ここで、抽出部33-3は、データ端末2の転送部23-1から転送された動画情報を解析して、ヘアメイクを担当する施術者が仕上げた被施術者のカット画像を抽出する機能処理を実行する。
【0027】
また、登録部33-2は、抽出部33-3が抽出した、例えば3つのカット画像(正面投影画像、背面投影画像、側面投影画像)を被施術者の識別情報に紐づけて所定のデータベース35に顧客登録する機能処理を実行する。
【0028】
さらに、検索部33-4は、データベース35に登録された被施術者のカット画像を前記識別情報に基づいて検索する機能処理を実行する。
【0029】
また、表示制御部33-1は、検索部33-4が検索した被施術者のカット画像を施術室内に設けるデータ端末30の表示部30Dに表示する機能処理を実行する。なお、データ端末30が備える表示部30Dの機能を、データ端末2の表示部24に代替させる構成としてもよい。
【0030】
さらに、選択部33-6は、被施術者が来店する毎に、ホルダ26にデータ端末2が固定された状態で、客が座る椅子28が1回転する間に撮像された撮像された動画情報から抽出されるカット画像と、直前来店時に撮像された動画情報(データベース35に記憶されている)から抽出されたカット画像とを対比可能に表示部30Dに表示したカット画像を施術者と前記被施術者とで閲覧しながら、あらかじめ選択可能な施術方針から選択する機能処理を実行する。なお、データ端末2は、上記ホルダ26に固定することなく、施術者やおよびスタッフがデータ端末2を手動で撮像する構成としてもよい。
【0031】
また、予約部33-5は、ヘアスタイル管理システムがデータ端末2に提供する予約管理画面を介して、スタイリスト毎に提示されるスケジュール画面を閲覧しながら、所望の施術者、施術日、施術時間を入力することに応じて予約を確定する機能処理を実行する。なお、予約部33-5が予約した情報は、店内スタッフが操作する図示しない端末画面で内容を確認できる構成としてもよい。
【0032】
図4は、
図1に示した高透過ミラー27にセットされるデータ端末2と椅子28との対応を示す図である。
【0033】
図4に示す例では、ホルダ26が高透過ミラー27の厚み部に沿って上下移動することで、椅子28に座った被術者の顔位置を中心として上半身を撮影できるように構成されている。
【0034】
〔データ端末2の処理〕
図5は、本実施形態を示すヘアスタイル管理システムのヘアスタイル登録方法の一例を示すフローチャートである。なお、(1)~(18)は各ステップを示し、各ステップは、データ端末2のCPU22がROM25に記憶されたプログラムをRAM23に展開して実行することにより実現される。
【0035】
来店した被施術者が操作するデータ端末2にヘアスタイル管理システムに関わるアプリケーションのインストール有無を確認した後、新規登録者である場合、データ端末2のブラウザを表示部24に表示した状態で、必要なアカウントを入力してWEBサイト接続が完了したら(1)、図示しないWEBページに表示されたアプリケーションダウンロードボタンを指示して、ヘアスタイル管理システムに関わるアプリケーションがダウンロード(DW)されるのを待つ(2)。
【0036】
次に、ダウンロードが完了したアプリケーションをインストールする操作を行うと(3)、CPU22はバックアップ可能なRAM23の所定エリアにアプリケーションをインストールする。
【0037】
次に、データ端末2の操作者がインストールされたアプリケーションを起動してユーザ登録する指示を選択すると(4)、図示しないアカウント入力ページを表示されるので、データ端末2の操作者が必要なアカウント情報を入力する(5)。このようにしてアカウント情報の入力が完了したら、表示部24に表示される登録ボタンを指示してアカウント情報をサーバ装置3に転送する(6)。
【0038】
次に、サーバ装置3からユーザ登録が完了した旨の登録完了通知を受信したら(7)、表示部24に催促表示されるログイン画面に登録したアカウント情報を入力すると(8)、サーバ装置3から認証結果が通知され、ログインがOKと判定された場合(9)、ヘアスタイル管理システムが提供するメニューを表示部24に表示する(10)。
【0039】
以後、施術者が被施術者の要望に応えて、ヘアメイクのためのシャンプー、カット、ブロー等の一連の施術を行う。
【0040】
次に、被施術者は、表示部24に表示されるヘアスタイル動画撮影メニューから新規登録、登録呼出のいずれかを選択することができる。
【0041】
ここで、被施術者が新規登録を選択した場合、データ端末2を高透過ミラー27の着脱可能な係合部にデータ端末2のホルダ26をセットする。なお、被施術者の身体的特徴に適応してカメラ部20の位置を床面に対して上下方向に調整するものとする。
【0042】
次に、データ端末2をカメラ部20が有効、かつ、動画撮影モードを選択した状態で、撮影ボタンを指示する(12)。この際、撮影ボタンは、被施術者または施術者のいずれが操作してもよい。
【0043】
次に、被施術者が高透過ミラー27に対面する状態で椅子28に座ったら、椅子28を時計回り、あるいは反時計回りに360度回転させる(13)。なお、回転は電動モータによる回転あるいは施術者が手動で回転させればよく、特に限定はない。
【0044】
この間、カメラ部20は、被施術者の顔を正面、右側面、左側面、背面を一連の動画として撮影して、RAM23に動画データを蓄積しておき、該蓄積した被施術者の動画データをサーバ装置3に転送する(14)。これに対して、サーバ装置3は、動画データの取り込みを正常に終了していると、サーバ装置3から動画取込みOK指示を確認したら(15)、サーバ装置3側でカット画像抽出処理が実行され、その結果、カット画像抽出が成功(OK)の指示を受信する(16)。
【0045】
次に、データ端末2は、サーバ装置3により抽出されたカット画像(正面、サイド(左側面又は/及び右側面)、背面)の静止画像データを受信して、表示部24、またはデータ端末30の表示画面に表示する(17)。
【0046】
次に、データ端末2に表示されるアプリケーション画面のメニュー終了が選択されたら、一連の処理を終了する。
【0047】
よって、被施術者の希望に応じて、今回のカット画像と、蓄積されたカット画像とを比較して確認する場合は、データ端末30の表示部に複数のカット画像を分割表示したり、部分的に要部を拡大して表示したりできるように構成してもよい。
【0048】
また、カット数については、特に限定はなく、右45度、左45度のカメラ目線でもカット画像を抽出することができ、ヘアスタイルの印象度を確認する画像数を拡張することで、繊細にカット画像を確認することができる。
【0049】
さらに、自撮り棒にデータ端末2を着脱可能に固定することで、被施術者の頭部のトップ画像を抽出することができるように構成してもよい。
【0050】
〔第1の実施形態の効果〕
本実施形態によれば、被施術者が施術者から施術により、1つのヘアスタイルが完成する毎に、次回の施術に有効なヘア画像を抽出して、被施術者に対して新たなヘアスタイルを提案できるシステムを構築することができる。
【0051】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、被施術者が操作するデータ端末2のカメラ部20を利用して撮影した被施術者の動画データから所望のカット画像を抽出する処理について説明したが、添付に備える高透過ミラー27に代えて、カメラ機能を備える表示デバイスで被施術者のカット状態を確認するシステムとして構築してもよい。
【0052】
図6は、本実施形態を示すヘアスタイル管理システムの構成を説明するブロック図である。本例は、美容室あるいは理容室の施術者と、被施術者(顧客)とが相互に連係するシステムであって、来店する被施術者に対するヘアスタイル情報を記憶するデータベースを備えるサーバ装置と、所定位置で回転自在な表示デバイスとが通信可能なヘアスタイル管理システムを例とする。なお、
図1と同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図6において、デジタルサイネージに代表される表示デバイス200は、通信部221、CPU222、RAM223、タッチパネル機能付の表示部224、ROM225を備える。
【0054】
なお、RAM223には、ヘアスタイル管理システムが提供するユーザアプリケーションがROM225から読み出されて展開された後、CPU222は、当該ユーザアプリケーションが実行されることで各種の機能処理を実現できるように構成されている。なお、
図1では、通信部221が有線としている場合を示しているが、WIFIなどの無線通信を行うものが含まれる。
【0055】
カメラ部227は、動画モードと静止画モードとを切り替えたり、被写体をフラッシュする光源をオンオフしたりするためのスイッチ操作が可能に構成されている。なお、カメラ部227を表示デバイス200から分離した着脱型のカメラとして機能させる構成としてもよい。
【0056】
本実施形態では、表示デバイス200が被施術者の上半身を移す鏡として、カメラ部227が撮像する動画を表示することで、被施術者の髪型ばかりでなく、広告情報、お店のグッズ情報(シャンプー、リンス材に関する)、カット画像の履歴確認など情報伝達媒体としての機能が強化され、特に、カット画像を履歴として表示する際、
図7に示すように図示しないピボット軸を中心に左回転させて静止した後、
図8に示すように2画面表示、図示しない3画面表示などを制御して、現在の髪型をイメージチェンジしたい施術者に対してカット画像を閲覧しながら、信憑性をもって丁重なアドバイスを活かしたカットメニューを提案することも可能となる。
【0057】
さらに、被施術者がパーマをかける際に、必要な待機時間には、ネット検索や、表示デバイス200は、ネット動画、暮らしの情報等を表示する機能も提供することができる。
【0058】
図9は、
図6に示した表示デバイス200の他の構成を説明する図であり、破線部以下は、コントローラ部105が制御する通信部106、決済部107、操作部108を内蔵する構成を採用している。
【0059】
200Lは左LEDライト、200Rは右LEDライトで、カメラ100が撮像する被写体を照明する。
103は通常表示画面で、カメラ100が撮像する被写体をリアルタイムで表示する。なお、操作部108は、別体のリモコンとして構成してもよい。その際、操作部108は、無線通信プロトコルでコントローラ部105と通信可能に構成されるものとする。タッチ部109は、決済部107による既存の電子決済処理のためクレジットカード決済、電子マネー決済、スマート決済に対応して引落処理を行う読取部として機能する。
【0060】
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態によれば、被施術者は、施術後、決済カウンタ(カウンタデスク)へ移動し、髪払い後、決済カウンタに配置される決済機器を操作する必要なく、施術後、椅子28に座った状態で支払い決済を完了することができ便利である。なお、被施術者のカード類を収めた財部を収容するバッグは、椅子28に配置されるミニロッカーに収容されていたり、棚に載置されていたりするものとする。
【0061】
以上の記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
(1)来店する被施術者に対するヘアスタイル情報を記憶するデータベースを備えるサーバ装置と、前記被施術者が操作するカメラ機能付のデータ端末とが通信可能なヘアスタイル管理システムであって、前記データ端末は、施術室内の床面上で回動自在の客椅子に被施術者が所定位置に座った状態で、手動撮影により、前記データ端末のカメラ機能で前記客椅子が1回転する間で、撮像した前記被施術者の動画情報を前記サーバ装置に転送する転送部を備えることを特徴とする。
【0062】
(2)前記サーバ装置は、前記転送部から転送された動画情報を解析して、ヘアメイクを担当する施術者が仕上げた前記被施術者のカット画像を抽出する抽出部と、前記抽出部が抽出した前記カット画像を前記被施術者の識別情報に紐づけて所定のデータベースに顧客登録する登録部と、を備えることを特徴とする。
【0063】
(3)前記サーバ装置は、前記データベースに登録された前記被施術者の前記カット画像を前記識別情報に基づいて検索する検索部と、前記検索部が検索した前記被施術者の前記カット画像を前記施術室内に設ける表示部に表示する表示制御部と、前記被施術者が来店する毎に、前記客椅子が1回転する間に前記データ端末で撮像された撮像された動画情報から抽出されるカット画像と、直前来店時に撮像された動画情報から抽出されたカット画像とを対比可能に前記表示部に表示したカット画像を前記施術者と前記被施術者とで閲覧しながら、あらかじめ選択可能な施術方針から選択する選択部と、を備えることを特徴とする。
【0064】
(4)前記被施術者が操作するデータ端末にインストールされるアプリケーションを介して前記動画情報を前記サーバ装置にアップロードすることを特徴とする。
【0065】
(5)前記被施術者が操作するデータ端末に表示されるWEB画面を介して前記動画情報を前記サーバ装置にアップロードすることを特徴とする。
【0066】
(6)前記被施術者が操作するデータ端末は、施術後、ヘアスタイルのお気に入り度を示す情報を前記サーバ装置に通知する通知部を備えることを特徴とする。
【0067】
(7)前記表示部は、前記施術室内に回動自在の客椅子にして被施術者が所定位置に座った状態を撮像するカメラを備えることを特徴とする。
【0068】
(8)前記表示部は、前記施術室内に回動自在の客椅子にして被施術者に対する施術後に前記カメラが撮像したカット画像と、前記データベースに履歴として登録されたカット画像とを対比可能に表示することを特徴とする。
【0069】
(9)来店する被施術者に対するヘアスタイル情報を記憶するデータベースを備えるサーバ装置と、前記被施術者が操作するデータ端末とが通信可能なヘアスタイル管理システムであって、前記データ端末は、施術室内の床面上で回動自在の客椅子に被施術者が所定位置に座った状態で、前記被施術者の顔を含む上半身を撮像するカメラと、前記カメラが撮像する顔を含む上半身画像を表示する表示デバイスと、前記客椅子が1回転する間で、前記カメラが撮像した顔を含む上半身の動画情報を前記サーバ装置に転送する転送部を備えることを特徴とする。
【0070】
(10)前記サーバ装置は、前記転送部から転送された動画情報を解析して、ヘアメイクを担当する施術者が仕上げた前記被施術者のカット画像を抽出する抽出部と、前記抽出部が抽出した前記カット画像を前記被施術者の識別情報に紐づけて所定のデータベースに顧客登録する登録部と、を備えることを特徴とする。
【0071】
(11)前記サーバ装置は、前記データベースに登録された前記被施術者の前記カット画像を前記識別情報に基づいて検索する検索部と、前記検索部が検索した前記被施術者の前記カット画像を前記施術室内に設ける表示部に表示する表示制御部と、前記被施術者が来店する毎に、前記客椅子が1回転する間に撮像された動画情報から抽出されるカット画像と、直前来店時に撮像された動画情報から抽出されたカット画像とを対比可能に前記表示デバイスに表示したカット画像を前記施術者と前記被施術者とで閲覧しながら、あらかじめ選択可能な施術方針を選択する選択部と、を備えることを特徴とする。
【0072】
(12)来店する被施術者に対するヘアスタイル情報を記憶するデータベースを備えるサーバ装置と、前記被施術者が操作するカメラ機能付きデータ端末とが通信可能なヘアスタイル管理システムのヘアメイク支援方法であって、前記データ端末は、施術室内に回動自在の客椅子にして被施術者が所定位置に座した状態で、前記被施術者が操作するカメラ機能付きデータ端末を動画撮影モードに設定した状態で前記施術室内の床面から所定長鉛直方向に据えて固定する固定部と、前記固定部に前記カメラ機能付きデータ端末が固定された状態で、前記客椅子が1回転する間で、前記カメラ機能付きデータ端末が撮像した動画情報を記憶する記憶部とを備え、前記データ端末からの操作に基づいて、前記記憶部に記憶された動画情報を前記サーバ装置に転送する転送ステップを備えることを特徴とする。
【0073】
(13)来店する被施術者に対するヘアスタイル情報を記憶するデータベースを備えるサーバ装置と、前記被施術者が操作するデータ端末とが通信可能なヘアスタイル管理システムのヘアメイク支援方法であって、施術室内の床面上で回動自在の客椅子に被施術者が所定位置に座った状態で、前記被施術者の顔を含む上半身を撮像するカメラと、前記カメラが撮像する顔を含む上半身画像を表示する表示デバイスとを備え、前記データ端末からの操作に基づいて、前記客椅子が1回転する間で、前記カメラが撮像した顔を含む上半身の動画情報を前記サーバ装置に転送する転送ステップを備えることを特徴とする。
【0074】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0075】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0076】
被施術者と、施術者とが施術後のカット画像および登録されたカット画像とを対比させながら閲覧し、髪型の詳細について相互に意見交換し合いながら、顧客満足度の高い施術サービスを効率よく展開するため、表示デバイスの改良が進むことで、さらなるシステム態様が決定されるものと期待される。
なお、施術者に対して評価ポイントを被施術者が発行する構成をヘアスタイル管理システムに組み入れて、施術者が貯まったポイントを自由に物品の購入に使用できるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 ネットワーク
2 データ端末
3 サーバ装置
27 高透過ミラー
28 椅子
20 カメラ部
30 データ端末