(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066921
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】カートン起函供給装置
(51)【国際特許分類】
B65B 43/30 20060101AFI20240509BHJP
B31B 50/36 20170101ALI20240509BHJP
【FI】
B65B43/30 B
B31B50/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176722
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】船石 遼介
(72)【発明者】
【氏名】飯田 裕康
(72)【発明者】
【氏名】大山 健二
【テーマコード(参考)】
3E030
3E075
【Fターム(参考)】
3E030AA02
3E030BA02
3E030BB02
3E030GA05
3E075AA03
3E075BA01
3E075CA01
3E075DA23
3E075DA32
3E075DC33
3E075DC43
3E075DC45
3E075DD02
3E075FA05
3E075GA03
(57)【要約】
【課題】コシの強いカートンであっても、角筒状に起函して逆折りを適正に行って搬送手段に供給することができるカートン起函供給装置を提供する。
【解決手段】角筒状カートン10を搬送する搬送手段11の上方に、折畳みカートン10を集積したマガジン12が配設される。搬送手段11の上方に、複数の吸着部30を備えて回転作動機構31により吸着部30を弧状の移動軌跡Eで移動する取出し手段13が配設される。取出し手段13による折畳みカートン10の移送経路に、折曲げ部45が設けられる。取出し手段13は、吸着部30を弧状の移動軌跡Eで移動することで、マガジン12から折畳みカートン10を1枚ずつ吸着して取り出し、取り出した折畳みカートン10の連設縁を折曲げ部45に押し付けて角筒状に起函し、起函したカートン10を折曲げ部45で逆折りした後、角筒状カートン10を搬送手段11に渡す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平に折り畳まれた折畳みカートンを、搬送手段に渡すまでに角筒状に起函して該搬送手段に供給するカートン起函供給装置であって、
前記折畳みカートンが集積された集積部と、
前記折畳みカートンを吸着して移動する吸着部を、該吸着部の移動経路において離間する複数の作用位置に順に移動するよう該吸着部を離間して複数備えると共に、該吸着部を、前記複数の作用位置で移動軌跡が切り換わるように、各作用位置を結ぶ弧状の移動軌跡で移動させる回転作動機構を備え、第1の作用位置で前記集積部の折畳みカートンを吸着した吸着部が第2の作用位置に向けて移動することで集積部から折畳みカートンを取り出すと共に、吸着部の吸着を第3の作用位置で解除することでカートンを前記搬送手段に渡す取出し手段と、
前記第1の作用位置から前記第3の作用位置に吸着部が移動する過程で当該吸着部が吸着した前記折畳みカートンに接するように設けられ、該折畳みカートンにおける前記吸着部で吸着している第1パネルに連設された第2パネルと該第2パネルに重なる第3パネルとの間の折罫に対応する連設縁が押し付けられて、吸着部の移動に伴って該連設縁を起点として第1パネルに対して第2パネルが立ち上がるように折畳みカートンを起函すると共に、吸着部の移動に伴って該起函したカートンの前記第2パネルおよび第3パネルが押し付けられるようにして、折り畳み状態とは逆の扁平となるようにカートンを逆折りする折曲げ部と、を備え、
該折曲げ部で逆折りされた後に角筒状に復元したカートンの前記吸着部による吸着を前記第3の作用位置で解除することで、該カートンを前記搬送手段に渡す
ことを特徴とするカートン起函供給装置。
【請求項2】
前記回転作動機構は、
駆動手段により回転される回転部材と、
該回転部材の偏心位置に回転可能に支持され、前記複数の吸着部が周方向に離間して設けられた移送部材が一体で回転するよう配設された作動部材と、を備え、
前記回転部材の回転に伴い移送部材が逆方向に回転するよう構成することで、前記吸着部を前記弧状の移動軌跡で移動するよう構成したことを特徴とする請求項1記載のカートン起函供給装置。
【請求項3】
前記集積部には、前記第1パネルと第2パネルが上下の位置関係となる姿勢で集積され、
集積された先頭の折畳みカートンにおける前記第3パネルから両側方に延出するフラップを係止する係止部材を、上下方向に延在するように備え、
前記吸着部の移動軌跡は、集積部から折畳みカートンを取り出す際には集積部から離間しつつ上方に移動する軌跡となるよう構成したことを特徴とする請求項1記載のカートン起函供給装置。
【請求項4】
前記折曲げ部は、前記吸着部が前記第2の作用位置から第3の作用位置へ移動する移動軌跡と対向して延在する弧状のガイド面と、該ガイド面の上端から前記吸着部の移動領域側に突出するよう前記第2の作用位置に対応して設けられた当接部と、を備え、
前記吸着部が前記第1の作用位置から第2の作用位置に向けて移動する過程で、前記ガイド面に連設縁が押し付けられて折畳みカートンが起函され、前記吸着部が第2の作用位置に至ることで前記当接部に第3パネルが押し付けられた後に当該吸着部が第2の作用位置から第3の作用位置に向けて移動する過程で、前記第2パネルおよび第3パネルをガイド面に押し付けることで逆折りするよう構成したことを特徴とする請求項1記載のカートン起函供給装置。
【請求項5】
前記当接部は、前記折畳みカートンに対する当接角度を変更可能に構成したことを特徴とする請求項4記載のカートン起函供給装置。
【請求項6】
前記取出し手段により前記搬送手段に角筒状のカートンを渡す際に、該カートンにおける搬送手段の搬送方向上流側のパネルを支持する支持部材を備えたことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載のカートン起函供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平に折り畳まれた折畳みカートンを集積部から取り出して角筒状に起函し、起函したカートンを搬送手段に供給するカートン起函供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
扁平に折り畳まれた折畳みカートンが集積されている集積部から折畳みカートンを取り出して角筒状に起函し、起函したカートンを、物品を詰め込む詰込み処理部等に送り込む搬送コンベヤに供給するようにしたカートン起函供給装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。折畳みカートンを角筒状に起函した際に、該カートンには元の扁平な状態に戻ろうとする復元力が作用するため、起函状態を維持して搬送コンベヤに供給できない場合がある。そこで、特許文献1に開示の装置では、集積部の取出口に臨む先頭の折畳みカートンにおける正面に臨む第1パネルを吸着手段で吸着して集積部から取り出し、その折畳みカートンにおける第1パネルと同一平面で隣接する第2パネルの表面をガイド面に押し付けて折畳みカートンを角筒状に起函し、その後に第2パネルに接続する第3パネルを第2パネルと同一平面となるように逆折りすることで、カートンに作用する復元力を小さくするよう構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の装置では、カートンの逆折りに先立ち、第2パネルの表面をガイド面に押し付けて角筒状に起函するようにしているが、厚みや材質等の性状に起因するコシの強いカートンの場合では、ガイド面に第2パネルの表面を押し付けても、該第2パネルが第1パネルに対して折罫から折れ曲がらず、逆折りに支障を来たす難点がある。また、第2パネルが第1パネルに対して折れ曲がらない場合は、ガイド面に対する押し付け力が第2パネルと共に第1パネルを吸着手段から離間する方向に作用し、吸着手段による第1パネルの吸着位置がズレたり、あるいは吸着手段から第1パネルが離脱してしまう問題を招くおそれもある。
【0005】
本発明の目的は、コシの強いカートンであっても、角筒状に起函して逆折りを適正に行って搬送手段に供給することができるカートン起函供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1に係る発明のカートン起函供給装置は、
扁平に折り畳まれた折畳みカートン(10)を、搬送手段(11)に渡すまでに角筒状に起函して該搬送手段(11)に供給するカートン起函供給装置であって、
前記折畳みカートン(10)が集積された集積部(12)と、
前記折畳みカートン(10)を吸着して移動する吸着部(30)を、該吸着部(30)の移動経路において離間する複数の作用位置(M1,M2,M3)に順に移動するよう該吸着部(30)を離間して複数備えると共に、該吸着部(30)を、前記複数の作用位置(M1,M2,M3)で移動軌跡(E)が切り換わるように、各作用位置(M1,M2,M3)を結ぶ弧状の移動軌跡(E1,E2,E3)で移動させる回転作動機構(31)を備え、第1の作用位置(M1)で前記集積部(12)の折畳みカートン(10)を吸着した吸着部(30)が第2の作用位置(M2)に向けて移動することで集積部(12)から折畳みカートン(10)を取り出すと共に、吸着部(30)の吸着を第3の作用位置(M3)で解除することでカートン(10)を前記搬送手段(11)に渡す取出し手段(13)と、
前記第1の作用位置(M1)から前記第3の作用位置(M3)に吸着部(30)が移動する過程で当該吸着部(30)が吸着した前記折畳みカートン(10)に接するように設けられ、該折畳みカートン(10)における前記吸着部(30)で吸着している第1パネル(17)に連設された第2パネル(19)と該第2パネル(19)に重なる第3パネル(18)との間の折罫(21)に対応する連設縁(41)が押し付けられて、吸着部(30)の移動に伴って該連設縁(41)を起点として第1パネル(17)に対して第2パネル(19)が立ち上がるように折畳みカートン(10)を起函すると共に、吸着部(30)の移動に伴って該起函したカートン(10)の前記第2パネル(19)および第3パネル(18)が押し付けられるようにして、折り畳み状態とは逆の扁平となるようにカートン(10)を逆折りする折曲げ部(45)と、を備え、
該折曲げ部(45)で逆折りされた後に角筒状に復元したカートン(10)の前記吸着部(30)による吸着を前記第3の作用位置(M3)で解除することで、該カートン(10)を前記搬送手段(11)に渡すことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、折り畳み状態で重なっているパネルの折罫に対応する連設縁を折曲げ部に押し付けて起函するよう構成したので、コシの強いカートンであっても連設縁を起点として折畳みカートンを良好に起函することができ、その後の逆折りを適正に行って搬送手段に角筒状のカートンを供給することができる。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記回転作動機構(31)は、
駆動手段(34)により回転される回転部材(35)と、
該回転部材(35)の偏心位置に回転可能に支持され、前記複数の吸着部(30)が周方向に離間して設けられた移送部材(32)が一体で回転するよう配設された作動部材(36)と、を備え、
前記回転部材(35)の回転に伴い移送部材(32)が逆方向に回転するよう構成することで、前記吸着部(30)を前記弧状の移動軌跡(E1,E2,E3)で移動するよう構成したことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、吸着部を、一定の移動軌跡で高速移動することができ、処理能力を向上できる。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記集積部(12)には、前記第1パネル(17)と第2パネル(19)が上下の位置関係となる姿勢で集積され、
集積された先頭の折畳みカートン(10)における前記第3パネル(18)から両側方に延出するフラップ(22a,22a)を係止する係止部材(29,29)を、上下方向に延在するように備え、
前記吸着部(30)の移動軌跡(E1)は、集積部(12)から折畳みカートン(10)を取り出す際には集積部(12)から離間しつつ上方に移動する軌跡となるよう構成したことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、集積部から折畳みカートンを取り出す際に、第1パネルと第3パネルとを引き離しておくことができるので、折曲げ部に第2パネルと第3パネルとの連設縁を押し付けた際に、該第2パネルが第1パネルに対して立ち上がり易くなり、折畳みカートンの起函をより良好に行うことができる。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記折曲げ部(45)は、前記吸着部(30)が前記第2の作用位置(M2)から第3の作用位置(M3)へ移動する移動軌跡(E2)と対向して延在する弧状のガイド面(42)と、該ガイド面(42)の上端から前記吸着部(30)の移動領域側に突出するよう前記第2の作用位置(M2)に対応して設けられた当接部(43)と、を備え、
前記吸着部(30)が前記第1の作用位置(M1)から第2の作用位置(M2)に向けて移動する過程で、前記ガイド面(42)に連設縁(41)が押し付けられて折畳みカートン(10)が起函され、前記吸着部(30)が第2の作用位置(M2)に至ることで前記当接部(43)に第3パネル(18)が押し付けられた後に当該吸着部(30)が第2の作用位置(M2)から第3の作用位置(M3)に向けて移動する過程で、前記第2パネル(19)および第3パネル(18)をガイド面(42)に押し付けることで逆折りするよう構成したことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、起函したカートンを一連で逆折りすることができるので、カートンが元の折り畳み状態に戻ってしまうことなく逆折りを良好に行うことができる。
【0010】
請求項5に係る発明では、前記当接部(43)は、前記折畳みカートン(10)に対する当接角度を変更可能に構成したことを特徴とする。
請求項5の発明によれば、カートンのサイズ等に合わせて当接部の角度を調節することができるので、各種サイズのカートンを適正に起函することができる。
【0011】
請求項6に係る発明では、前記取出し手段(13)により前記搬送手段(11)に角筒状のカートン(10)を渡す際に、該カートン(10)における搬送手段(11)の搬送方向上流側のパネル(19)を支持する支持部材(23a)を備えたことを特徴とする。
請求項6の発明によれば、搬送手段に供給された角筒状のカートンの角筒状態を維持させることができる。また、吸着部から離間した角筒状のカートンが搬送手段に渡される際に、該角筒状のカートンが慣性により上流側へ移動するのを支持部材で阻止でき、常に搬送手段の所定位置に角筒状のカートンを供給することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コシの強いカートンであっても、角筒状に起函して逆折りを適正に行うことができ、角筒状としたカートンの搬送手段への供給を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】カートン起函供給装置を示す概略正面図である。
【
図2】カートン起函供給装置を示す概略側面図であって、回転作動機構の一部を省略して示している。
【
図3】マガジンを取出口側から見た概略側面図である。
【
図4】折畳みカートンを、天面パネルと底面パネルとが僅かに離間した状態で示す概略斜視図である。
【
図5】マガジンから折畳みカートンを取り出す際の吸着部の動きを示す説明図である。
【
図6】折畳みカートンを起函してから逆折りするまでの吸着部の動きを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係るカートン起函供給装置の好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例0015】
図1、
図2に示す如く、実施例のカートン起函供給装置は、角筒状のカートン10を搬送する搬送手段11の上方に配設されて扁平に折り畳まれたカートン10が集積されるマガジン(集積部)12と、該マガジン12から折り畳まれたカートン10を1枚ずつ取り出し、角筒状に起函したカートン10を搬送手段11に渡す取出し手段13と、折り畳まれたカートン10の取出し手段13による移送経路に配設され、折り畳まれたカートン10を起函すると共に逆折りする折曲げ部45と、を備える。なお、扁平に折り畳まれているカートン10および起函されて角筒状となったカートン10について、区別する場合は、折畳みカートン10および角筒状カートン10と称する。
図4に示す如く、実施例の折畳みカートン10は、起函することで角筒状の胴部16が形成されるワンタッチカートンである。カートン10は、天面パネル(第1パネル)17、底面パネル(第3パネル)18および2枚の側面パネル19,20の4枚の連設された矩形状のパネルで筒状の胴部16が構成され、各パネル17,18,19,20の連設部には折り曲げ用の折罫21が設けられている。また、底面パネル18の両開口端部(胴部16の開口の開口辺)から蓋フラップ22が夫々延出すると共に、各側面パネル19,20の両開口端部(胴部16の開口の開口辺)からサイドフラップ19a,20aが夫々延出している。なお、蓋フラップ22の延出端部には、胴部16内に差し込まれて天面パネル17の内面に糊付けされる糊代フラップ22aが設けられている。2枚の側面パネル19,20について、以後折畳みカートン10において天面パネル17と同一平面で隣接する一方の側面パネル(第2パネル)19を第1側面パネル19、底面パネル18と同一平面で隣接する他方の側面パネル20を第2側面パネル20と称する。
【0016】
図1、
図2に示す如く、前記搬送手段11は、カートン搬送方向に延在する載置部23と、該載置部23を挟むカートン搬送方向と直交する左右方向の両側において載置部23の搬送面(上面)より下側を循環走行する一対の無端チェーン(無端索体)24,24と、該無端チェーン24,24に所定間隔毎に配設された挟持部25とを備える搬送コンベヤである。挟持部25は、カートン搬送方向に離間して無端チェーン24,24に配設された前挟持爪25aと後挟持爪25bとを備える。載置部23の搬送面には、前記取出し手段13によって角筒状カートン10が、胴部16の開口が左右を向く姿勢で載置され、胴部16が前後の挟持爪25a,25bで挟持された状態で、無端チェーン24,24の走行によって角筒状カートン10が下流側に搬送される。前記載置部23には、取出し手段13から角筒状カートン10が渡される後述する吸着部30の第3の作用位置M3に対応して、渡される角筒状カートン10におけるカートン搬送方向の上流側に位置する第1側面パネル(パネル)19を支持する支持部材23aが、搬送面から上方に延在するように設けられている。なお、第3の作用位置M3は、挟持部25が無端チェーン24,24の下側走行路から上側走行路へ転向する位置に設定されており、該転向部においては前挟持爪25aと後挟持爪25bとの上端間の離間寸法は、胴部16におけるカートン搬送方向の長さより長くなって、該胴部16を両挟持爪25a,25bの間に余裕を持って受け入れ可能に構成される。
【0017】
図1、
図3に示す如く、前記マガジン12は、前記搬送手段11の上方において、集積した前記折畳みカートン10の取出口12aを、搬送手段11のカートン搬送方向の下流側に向けて配置される。マガジン12には、折畳みカートン10が、前記蓋フラップ22やサイドフラップ19a,20aが左右を向き、前記天面パネル17を取出口12aに向けて立った姿勢で集積される。また、折畳みカートン10は、天面パネル17の上側に同一平面で隣接するように第1側面パネル19が位置すると共に、該第1側面パネル19に連設された底面パネル18の下側に同一平面で隣接するように第2側面パネル20が位置し、該底面パネル18および第2側面パネル20が、天面パネル17および第1側面パネル19の後側に重なるように折り畳まれた形態でマガジン12に集積されている。マガジン12は、折畳みカートン群が載置される送り手段26を備え、該送り手段26によって折畳みカートン群は取出口12aまで送られ、該取出口12aに臨む先頭の折畳みカートン10が、前記取出し手段13によって取り出される。
【0018】
図3に示す如く、前記マガジン12の取出口12aには、送り手段26に載置されている先頭の折畳みカートン10における天面パネル17の下端部を係止可能な下係止部材27と、折畳みカートン10における天面パネル17の上側に位置する第1側面パネル19の上端部を係止可能な上係止部材28と、左右の蓋フラップ22,22に連設された糊代フラップ(フラップ)22a,22aを係止可能に上下方向に延在する側係止部材(係止部材)29,29とが設けられ、これら係止部材27,28,29,29によって先頭の折畳みカートン10は、天面パネル17と第1側面パネル19が上下の位置関係となると共に該天面パネル17が取出口12aに臨む立った姿勢で、取出口12aから取り出し可能な状態で係止されている。すなわち、係止部材27,28,29,29によって取出口12aが画成されている。そして、取出し手段13の後述する吸着部30によって取出口12aに臨む天面パネル17が吸着され、該吸着部30が取出口12aの前方に移動することで、係止部材27,28,29,29による係止が外れて先頭の折畳みカートン10のみが取り出される。側係止部材29は、取出口12aの上方から糊代フラップ22aの高さ方向の中央より下側までを係止可能に垂れ下がるように設けられ、先頭の折畳みカートン10が取出口12aから取り出される際に、吸着部30で吸着されている天面パネル17と底面パネル18とを離間させるべく機能する。
【0019】
図1、
図2に示す如く、前記搬送手段11の上方には、前記マガジン12における取出口12aの外方に、前記取出し手段13が配設されている。取出し手段13は、負圧による吸引力によって折畳みカートン10を吸着する複数(実施例では2つ)の吸着部30を備えて、回転作動機構31により吸着部30が弧状の移動軌跡Eで移動するように回転される移送部材32を有する。移送部材32は、所定長さを有する部材であって、その長手方向の中央が回転作動機構31に連繋されると共に、周方向に離間するように2つの吸着部30が長手方向の端部に配設されて、回転作動機構31により移送部材32が作動されることで、各吸着部30がマガジン12の折畳みカートン10を順次吸着して取り出すよう構成される。吸着部30は、左右方向に離間する2つの吸着カップ30a,30aを備え、該吸着カップ30aの吸引孔は、移送部材32の回転中心から離間する径方向の外側を向いている。そして、吸着部30を弧状の移動軌跡Eで移動することで、各吸着部30によりマガジン12から折畳みカートン10の天面パネル17を吸着して1枚ずつ取り出すよう構成される。また、カートン10の天面パネル17を吸着した吸着部30は、前記搬送手段11の上方に近接した後述する第3の作用位置M3において吸着カップ30aの吸引孔が下向きとなって、カートン10の底面パネル18が搬送手段11における前記載置部23の搬送面に対向するように、前記回転作動機構31により作動される移送部材32における吸着部30の移動軌跡Eが設定されている。なお、各吸着部30は、移動軌跡E上のマガジン12に対応する後述の第1の作用位置M1に到達する直前に吸着を開始し、吸着部30が搬送手段11に対応する第3の作用位置M3に到達した際に吸着を解除する。
【0020】
図2に示す如く、前記回転作動機構31は、機枠33に回転自在に支持されて駆動モータ(駆動手段)34により回転される回転部材35と、該回転部材35の偏心位置に回転可能に支持され、前記移送部材32が一体で回転するよう配設された作動部材36と、を備え、回転部材35の回転に伴い移送部材32が逆方向に回転するよう構成される。実施例では、回転作動機構31として遊星歯車機構が採用される。すなわち、回転作動機構31は、駆動モータ34に連繋されて機枠33に回転自在に支持された回転軸37に一体回転するよう配設した回転部材35と、回転軸37と中心が一致するように機枠33に配設固定された太陽歯車38と、回転部材35の偏心位置に回転自在に支持されて太陽歯車38に噛合する中間歯車39と、該中間歯車39に噛合するように回転部材35に支軸40を介して回転自在に支持された作動部材としての遊星歯車36と、を備え、回転部材35を一定方向に回転することで、中間歯車39および遊星歯車36は、太陽歯車38の周りを周回しつつ自転するよう構成される。前記移送部材32は、遊星歯車36の支軸40に一体で回転するように配設されており、固定の太陽歯車38に噛合する中間歯車39に噛合する遊星歯車36に移送部材32を一体で回転するように配設することで、回転部材35と移送部材32との回転方向は逆向きとなる。すなわち、実施例では、
図1に示す如く、回転部材35が反時計方向に回転するのに対し、移送部材32は時計方向に回転する。
【0021】
前記中間歯車39と遊星歯車36とのギヤ比は、1:1に設定される。また、遊星歯車36(中間歯車39)と太陽歯車38とのギヤ比は、吸着部30が、
図1において符号Eで示す弧状の軌跡(サイクロイド曲線の軌跡)で移動するよう構成される。具体的に、吸着部30の移動経路上における前記回転軸37を中心として周方向に120度間隔で離間する3つの作用位置M1,M2,M3において、吸着部30が回転軸37から最も離間すると共に、各作用位置M1,M2,M3の間の夫々において各作用位置M1,M2,M3を結ぶ回転軸側に膨らんだ円弧となる軌跡で吸着部30が順に移動し、該吸着部30の移動軌跡の向き(吸着部30が移動する向き)が、各作用位置M1,M2,M3において切り換わるよう設定される。そして、第1の作用位置M1において吸着部30がマガジン12の折畳みカートン10を吸着し、該吸着部30が第2の作用位置M2に向けて移動することでマガジン12から折畳みカートン10を取り出し、第2の作用位置M2の付近において吸着部30で吸着している折畳みカート10を折曲げ部45に押し付けて起函すると共に逆折りし、第3の作用位置M3において吸着部30の吸着を解除して角筒状カートン10を搬送手段11に渡すよう構成される。なお、第1の作用位置M1から第2の作用位置M2に移動する吸着部30の両作用位置M1,M2を結ぶ移動軌跡を第1移動軌跡E1、第2の作用位置M2から第3の作用位置M3に移動する吸着部30の両作用位置M2,M3を結ぶ移動軌跡を第2移動軌跡E2、第3の作用位置M3から第1の作用位置M1に移動する吸着部30の両作用位置M2,M3を結ぶ移動軌跡を第3移動軌跡E3と称する。
【0022】
ここで、前記吸着部30が第1の作用位置M1から第2の作用位置M2に向けて移動する第1移動軌跡E1において、マガジン12から折畳みカートン10を取り出す区間の軌跡は、折畳みカートン10を吸着した吸着部30が、マガジン12から離間しつつ上方に移動する軌跡となるよう設定されている。これにより、マガジン12の先頭に位置する折畳みカートン10における吸着部30で吸着された天面パネル17は、
図5に示す如く、前記側係止部材29,29で糊代フラップ22a,22aが係止されている底面パネル18に対し、吸着部30の移動によって引き離されるよう構成される。
【0023】
図1に示す如く、前記第1の作用位置M1と前記第3の作用位置M3との間の前記取出し手段13による折畳みカートン10の移送経路であって、前記回転部材35の配設位置を挟んでマガジン12と反対側に、前記第1の作用位置M1から第3の作用位置M3に吸着部30が移動する過程で当該吸着部30が吸着した前記折畳みカートン10に接するように前記折曲げ部45が配設されている。折曲げ部45は、前記吸着部30が第2の作用位置M2から第3の作用位置M3へ移動する第2移動軌跡E2と対向して延在するガイド面42が形成されたガイド部材15と、該ガイド部材15の上端に配設されてガイド面42の上端から吸着部30の移動領域側に突出するよう前記第2の作用位置M2に対応して設けられた当接部43と、を備える。ガイド部材15のガイド面42は、第2移動軌跡E2側に膨らんだ弧状となっており、該ガイド面42と第2移動軌跡E2との対向間隔は、上側から下側に向かうにつれて漸次小さくなるよう設定される。また、ガイド部材15は、
図2に示す如く、前記吸着部30における一対の吸着カップ30a,30aの間に臨むように配置されて、第1移動軌跡E1および第2移動軌跡E2に沿って移動する吸着カップ30a,30aが接触しないよう構成される。折曲げ部45では、吸着部30が前記第1の作用位置M1から第2の作用位置M2に向けて第1移動軌跡E1で移動する過程で、該吸着部30で吸着されている折畳みカートン10における第1側面パネル19と底面パネル18との折罫21に対応する連設縁41がガイド面42の上部側に押し付けられつつ当接部43(第2の作用位置M2)に向けて移動することで、該折畳みカートン10が連設縁41を起点として第1側面パネル19が天面パネル17から立ち上がるよう菱形となるまで起函される(
図6(a),(b)参照)。次いで、吸着部30が第2の作用位置M2に至る際に、菱形まで起函されたカートン10の第1側面パネル19がガイド面42で支えられた状態で、前記回転部材35および移送部材32の回転により向きを変えつつ移動する吸着部30によってカートン10の底面パネル18が当接部43におけるガイド面42からの突出部分43aに押し付けられて、折畳みカートン10は略角筒状まで起函される(
図6(c)参照)。そして、吸着部30が第2の作用位置M2に至ることで当接部43の突出部分43aに底面パネル18が更に押し付けられると、カートン10は、底面パネル18と第1側面パネル19との角度が鈍角となる側(逆折りとなる側)に曲げられる(
図6(d)参照)。前記ガイド部材15に対して当接部43は、弧状孔43bと固定ボルト44とによって、移動領域側の端部が上下方向に回動変位可能に取り付けられており、当接部43の突出部分43aに折畳みカートン10が当接する際の当接角度を変更可能に構成される。
【0024】
前記当接部43に押し付けられて略角筒状まで起函された角筒状カートン10は、当接部43から離間するように吸着部30が第2の作用位置M2から第3の作用位置M3に向けて第2移動軌跡E2に沿って移動する過程で、前記ガイド面42に第1側面パネル19および底面パネル18を押し付けることで、カートン10は、折り畳み状態とは逆の扁平、すなわち天面パネル17と第2側面パネル20とが同一平面で隣接すると共に、底面パネル18と第1側面パネル19とが同一平面で隣接する状態で、天面パネル17と第2側面パネル20が、底面パネル18と第1側面パネル19に重なる扁平状態に逆折りされるよう構成されている(
図6(e)~(h)参照)。すなわち、吸着部30が第1の作用位置M1から第3の作用位置M3に移動する過程において、当該吸着部30で吸着されている折畳みカートン10は、第2の作用位置M2で吸着部30の移動軌跡が切り換えられる前後において折曲げ部45に押し付けられて起函および逆折りされる。また、
図1に示す如く、前記ガイド面42の下端部には、前記第2移動軌跡E2より吸着部30の移動領域側に突出する突出部42aが設けられ、吸着部30で吸着された逆折り状態のカートン10は、突出部42aに当接している部分(吸着カップ30a,30aの間の部分)を挟む左右両側が、吸着部30の移動領域側とは反対側に向けて折り曲げられるよう構成される。
【0025】
次に、実施例に係るカートン起函供給装置の作用について説明する。
前記回転作動機構31によって回転される移送部材32の吸着部30が前記第1の作用位置M1に到達する直前に、吸着部30の吸着が開始され、該吸着部30が第1の作用位置M1に到達することで、
図1に示す如く、前記マガジン12に集積されている先頭の折畳みカートン10における天面パネル17が吸着部30で吸着される。該吸着部30が前記第1移動軌跡E1に沿って移動することで、先頭の折畳みカートン10がマガジン12から取り出される。このとき、先頭の折畳みカートン10における糊代フラップ22a,22aは、
図3に示す如く、前記側係止部材29,29で取り出し方向の前側から係止されているので、吸着部30で吸着されている天面パネル17は底面パネル18から引き離され、マガジン12から取り出された折畳みカートン10は、天面パネル17と底面パネル18とが離間した状態となる(
図5参照)。
【0026】
前記折畳みカートン10を吸着した吸着部30が第1移動軌跡E1に沿って移動し、前記第2の作用位置M2に到達する前に、
図6(a)に示す如く、該吸着部30に吸着されている折畳みカートン10における第1側面パネル19と底面パネル18との折罫21に対応する連設縁41が、前記ガイド部材15のガイド面42における上部側に対向する位置に至る。このとき、吸着部30は連設縁41をガイド面42に押し付ける方向に移動し、折畳みカートン10は、連設縁41を起点として第1側面パネル19が天面パネル17に対して立ち上がり、該折畳みカートン10は菱形となるまで起函される(
図6(b)参照)。そして、吸着部30が第2の作用位置M2に接近する際に、菱形まで起函されたカートン10の第1側面パネル19がガイド面42に当接して支えられた状態で、前記回転部材35および移送部材32の回転により向きを変えつつ移動する吸着部30によって底面パネル18が当接部43の突出部分43aに押し付けられて、折畳みカートン10は略角筒状まで起函される(
図6(c)参照)。そして、吸着部30が第2の作用位置M2に至ることで、当接部43の突出部分43aに底面パネル18が更に押し付けられ、起函されたカートン10は、底面パネル18と第1側面パネル19との角度が鈍角となる側に曲げられる(
図6(d)参照)。
【0027】
前記第2の作用位置M2から第3の作用位置M3に向けて移動する吸着部30は、略角筒状に起函された角筒状カートン10における第1側面パネル19がガイド面42に当接した状態で、前記当接部43から離間しつつ吸引孔が下を向くように姿勢が変化することで、
図6(e),(f)に示す如く、角筒状カートン10は、第1側面パネル19が天面パネル17に重なる方向に折れ曲がる。そして、吸着部30の姿勢が変化しつつ該吸着部30が第2移動軌跡E2に沿って移動することで、天面パネル17に重なる方向に折れ曲がった第1側面パネル19が、その折れ曲がり状態のままガイド面42に押し付けられて更に折れ曲がる。以後は、吸着部30が第2移動軌跡E2に沿って移動する過程で、ガイド面42に第1側面パネル19と共に底面パネル18が押し付けられて、カートン10は、折り畳み状態とは逆の扁平に逆折りされる(
図6(g),(h)参照)。また、逆折り状態のカートン10は、ガイド面42の前記突出部42aに押し付けられつつ移動する際に、該突出部42aに当接している中央部を挟む左右両側が吸着部30の移動領域側とは反対側に向けて折り曲げられる。
【0028】
前記吸着部30が前記第3の作用位置M3に至る前に、逆折りされたカートン10はガイド面42から離間する。折り畳み状態から一旦逆折りされたカートン10の復元力は小さくなっており、ガイド面42から離間したカートン10は、自身の復元力によって角筒状まで復元し、元の折り畳み状態まで戻ってしまうおそれはない。そして、吸着部30が第3の作用位置M3に至ることで吸着が解除され、角筒状カートン10は、前記搬送手段11における前挟持爪25aと後挟持爪25bとの間に臨む前記載置部23に載置される(
図1参照)。
【0029】
実施例のカートン起函供給装置では、折畳みカートン10における第1側面パネル19と底面パネル18との折罫21に対応する連設縁41を、ガイド面42に押し付けて起函し、その後に当接部43に当接した状態で角筒状まで起函するよう構成したので、コシの強いカートン10であっても連設縁41を起点として折畳みカートン10を良好に起函することができる。また、ガイド面42に第1側面パネル19を当接したまま起函したカートン10の第1側面パネル19を、引き続きガイド面42に押し付けて天面パネル17に重なる方向に折り曲げるので、起函されたカートン10が元の折り畳み状態に戻ることなく逆折りを適正に行うことができ、搬送手段11に角筒状カートン10を供給することができる。また、角筒状まで起函したカートン10の底面パネル18を、当接部43の突出部分43aに更に押し付けてカートン10を逆折り側に曲げることで、底面パネル18と第1側面パネル19との間の折罫21において逆折り側の癖を付けることができ、コシの強いカートン10であっても、その後のガイド面42による逆折りを円滑に行うことができる。更に、カートン10がガイド面42から離間する前に、逆折り状態のカートン10を、前記突出部42aによって中央部を挟む左右両側が吸着部30の移動領域側とは反対側に向けて折り曲げるようにしたので、逆折りされたカートン10の復元力をより小さくすることができる。また、遊星歯車機構からなる回転作動機構31によって吸着部30を弧状の移動軌跡Eで移動するよう構成したので、該吸着部30を一定の移動軌跡Eで高速移動することができ、処理能力を向上し得る。
【0030】
実施例のカートン起函供給装置では、前記マガジン12に集積されている先頭の折畳みカートン10における糊代フラップ22a,22aを、側係止部材29,29によって係止している状態で、吸着部30で吸着した天面パネル17を底面パネル18から引き離す方向に折畳みカートン10を取り出すよう構成したので、マガジン12から取り出された折畳みカートン10における重なっていた天面パネル17と底面パネル18とを引き離しておくことができ、折曲げ部45のガイド面42に第1側面パネル19と底面パネル18との連設縁41を押し付けた際に、該第1側面パネル19が天面パネル17に対して立ち上がり易くなり、折曲げ部45での起函をより良好に行うことができる。また、糊代フラップ22a,22aを、側係止部材29,29によって上端から高さ方向の中央より下側までを係止すると共に、マガジン12から折畳みカートン10を取り出す際の吸着部30は、マガジン12から離間しつつ上方に移動するよう構成したので、糊代フラップ22a,22aが側係止部材29,29に対して下方にすり抜けることなく該側係止部材29,29で係止した状態で、天面パネル17を底面パネル18から好適に引き離すことができる。
【0031】
実施例のカートン起函供給装置では、ガイド部材15の上端に当接部43を設け、ガイド面42によって起函したカートン10を一連で逆折りし得るようにしたので、起函されたカートン10が元の折り畳み状態に戻ってしまうことなく逆折りを良好に行うことができる。また、当接部43は、カートン10のサイズ等に合わせて当接角度を変更し得るよう構成したので、各種サイズのカートン10を適正に起函することができる。更に、取出し手段13から搬送手段11に角筒状カートン10を渡す際に、該角筒状カートン10におけるカートン搬送方向の上流側に位置する第1側面パネル19を支持部材23aで支持するよう構成したので、搬送手段11における挟持部25で挟持されるまで角筒状カートン10の角筒状態を維持させることができ、挟持部25で角筒状カートン10を適正に挟持して下流側に搬送することができる。また、吸着部30から離間した角筒状カートン10が搬送手段11に渡される際に、該角筒状カートン10が慣性により上流側へ移動するのを支持部材23aにより阻止でき、常に搬送手段11の所定位置に角筒状カートン10を供給することができる。
【0032】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 移送部材32に配設する吸着部30は、移送部材32の形状を変更して周方向に離間した3個以上の複数配設したものであってもよく、該吸着部30の配設数に応じて回転作動機構31による吸着部30の移動軌跡Eを設定すればよい。
(2) 実施例では、回転駆動機構31により移動される吸着部30の移動経路において、吸着部30が回転軸37から最も離間する作用位置(移動軌跡が切り換わる位置)が3つの場合で説明したが、該作用位置が4つ以上となるように、回転駆動機構31により吸着部30を移動する構成を採用することができる。
(3) 回転作動機構31は、遊星歯車機構に限らず、その他各種の機構を採用することができる。
(4) 実施例では、吸着部30で吸着した折畳みカートン10を、ガイド面42に押し付けて扁平状態となるまで逆折りするようにしたが、角筒状まで起函したカートン10を、扁平状態となるまで曲げない構成を採用することができる。