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特開2024-66936非再生中継の制御方法、情報処理装置、及び通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066936
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】非再生中継の制御方法、情報処理装置、及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/40 20150101AFI20240509BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20240509BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20240509BHJP
   H04B 7/155 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
H04B17/40
H04W16/26
H04W72/04 132
H04B7/155
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176756
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】国立研究開発法人情報通信研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 賢一
【テーマコード(参考)】
5K067
5K072
【Fターム(参考)】
5K067AA03
5K072AA29
5K072GG11
5K072GG25
5K072HH02
(57)【要約】
【課題】受信局における周波数ダイバーシティ利得を得る。
【解決手段】送信局からの信号を中継局が第1の受信局へ非再生中継する通信システムにおいて、非再生中継を制御する情報処理装置は、非再生中継に関して中継局及び第1の受信局に割り当てられた第1のリソースブロックと、第1のリソースブロックに係るベースバンド信号の周波数を正負反対にしたベースバンド信号を使用する第2のリソースブロックとを用いた非再生中継を行った場合に、第2の受信局に対する干渉が許容可能か否かを中継局が第2の受信局から受信した信号の受信信号強度を示す情報に基づいて判定し、干渉が許容可能と判定される場合に、第2のリソースブロックを非再生中継用の付加用リソースブロックとして中継局及び第1の受信局に割り当てる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信局からの信号を中継局が第1の受信局へ非再生中継する通信システムにおける、非再生中継の制御方法であって、
前記非再生中継を制御する情報処理装置が、
前記非再生中継に関して前記中継局及び前記第1の受信局に割り当てられた第1のリソースブロックと、前記第1のリソースブロックに係るベースバンド信号の周波数を正負反対にしたベースバンド信号を使用する第2のリソースブロックとを用いた非再生中継を前記中継局が行う場合に、前記第1の受信局以外の第2の受信局に対する干渉が許容されるか否かを前記中継局が前記第2の受信局から受信した信号の受信信号強度を示す情報に基づいて判定することと、
前記干渉が許容されると判定される場合に、前記第2のリソースブロックを前記非再生中継用の付加用リソースブロックとして前記中継局及び前記第1の受信局に割り当てることと
を実行する非再生中継の制御方法。
【請求項2】
前記干渉が許容可能か否かの判定は、前記第2の受信局に割り当てられている前記第2のリソースブロックを用いて前記第2の受信局が送信した信号の前記中継局における受信信号強度を示す情報に基づいて、前記干渉が許容可能か否かを判定することを含む
請求項1に記載の非再生中継の制御方法。
【請求項3】
前記情報処理装置が、
前記第2の受信局が前記第2のリソースブロックを用いて信号を送信するタイミングを示す情報と、前記タイミングにおいて前記第2の受信局が送信した信号の前記中継局における受信信号強度の計測指示とを前記中継局に送信することと、
前記中継局が計測によって取得した前記第2の受信局が送信した信号の前記中継局における受信信号強度を示す情報を前記中継局から受信することと
をさらに実行する請求項1に記載の非再生中継の制御方法。
【請求項4】
前記干渉が許容可能か否かの判定は、前記第2の受信局が前記第2のリソースブロックを用いて送信した送信信号の前記中継局における受信信号強度を示す情報と、前記第2の受信局が前記送信信号の送信に用いる送信電力値とに基づいて算出された前記第2の受信局と前記中継局との間の伝搬損失が閾値を超えるか否かを判定することを含む
請求項1に記載の非再生中継の制御方法。
【請求項5】
前記閾値が、前記中継局が許容する最大送信電力と、前記第2の受信局の雑音レベルと、前記送信局と前記第2の受信局との間の下り回線に対する所望品質を示す値と、マージンとを用いて算出される
請求項4に記載の非再生中継の制御方法。
【請求項6】
前記情報処理装置が、
前記中継局が前記第1のリソースブロックを用いて信号を送信するタイミングと同じタイミングで上り回線の信号を送信予定の1又は2以上の第2の受信局を示す情報と、前記1又は2以上の第2の受信局の夫々が前記上り回線の信号の送信に使用するリソースブロックを示す情報とを前記中継局に送信することと、
前記中継局が計測によって取得した前記1又は2以上の第2の受信局が送信した前記上り回線の信号の前記中継局における受信信号強度を示す情報を前記中継局から受信することと
をさらに実行する請求項1に記載の非再生中継の制御方法。
【請求項7】
前記干渉が許容可能か否かの判定は、前記1又は2以上の第2の受信局の夫々が送信した上り回線の信号の前記中継局における受信信号強度を示す情報と、前記1又は2以上の第2の受信局の夫々が前記上り回線の信号の送信に用いる送信電力値とに基づいて算出された前記1又は2以上の第2の受信局の夫々と前記中継局との間の伝搬損失が閾値を超えるか否かを判定することを含み、
前記情報処理装置が、前記伝搬損失が閾値を超える第2の受信局のうち、伝搬損失が最大の第2の受信局に対し、前記中継局による前記第1のリソースブロックを用いた送信のタイミングと同じタイミングの送信において使用するリソースブロックとして前記第2のリソースブロックを割り当てる
請求項1に記載の非再生中継の制御方法。
【請求項8】
前記閾値が、前記中継局が許容する最大送信電力と、前記1又は2以上の第2の受信局の夫々の雑音レベルと、前記送信局と前記1又は2以上の第2の受信局の夫々との間の下り回線に対する所望品質を示す値と、マージンとを用いて算出される
請求項7に記載の非再生中継の制御方法。
【請求項9】
送信局からの信号を中継局が第1の受信局へ非再生中継する通信システムにおいて非再生中継を制御する情報処理装置であって、
前記非再生中継に関して前記中継局及び前記第1の受信局に割り当てられた第1のリソースブロックと、前記第1のリソースブロックに係るベースバンド信号の周波数を正負反対にしたベースバンド信号を使用する第2のリソースブロックとを用いた非再生中継を前記中継局が行う場合に、前記第1の受信局以外の第2の受信局に対する干渉が許容されるか否かを前記中継局が前記第2の受信局から受信した信号の受信信号強度を示す情報に基づいて判定することと、
前記干渉が許容されると判定される場合に、前記第2のリソースブロックを前記非再生中継用の付加用リソースブロックとして前記中継局及び前記第1の受信局に割り当てることと
を実行する制御部を含む情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第2の受信局に割り当てられている前記第2のリソースブロックを用いて前記第2の受信局が送信した信号の前記中継局における受信信号強度を示す情報に基づいて、前記干渉が許容可能か否かを判定する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部が、
前記第2の受信局が前記第2のリソースブロックを用いて信号を送信するタイミングを示す情報と、前記タイミングにおいて前記第2の受信局が送信した信号の前記中継局における受信信号強度の計測指示とを前記中継局に送信することと、
前記中継局が計測によって取得した前記第2の受信局が送信した信号の前記中継局における受信信号強度を示す情報を前記中継局から受信することと
をさらに実行する請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第2の受信局が前記第2のリソースブロックを用いて送信した送信信号の前記中継局における受信信号強度を示す情報と、前記第2の受信局が前記送信信号の送信に用いる送信電力値とに基づいて算出された前記第2の受信局と前記中継局との間の伝搬損失が閾値を超えるか否かを判定する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記閾値が、前記中継局が許容する最大送信電力と、前記第2の受信局の雑音レベルと、前記送信局と前記第2の受信局との間の下り回線に対する所望品質を示す値と、マージ
ンとを用いて算出される
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部が、
前記中継局が前記第1のリソースブロックを用いて信号を送信するタイミングと同じタイミングで上り回線の信号を送信予定の1又は2以上の第2の受信局を示す情報と、前記1又は2以上の第2の受信局の夫々が前記上り回線の信号の送信に使用するリソースブロックを示す情報とを前記中継局に送信することと、
前記中継局が計測によって取得した前記1又は2以上の第2の受信局が送信した前記上り回線の信号の前記中継局における受信信号強度を示す情報を前記中継局から受信することと
をさらに実行する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記制御部が、
前記1又は2以上の第2の受信局の夫々が送信した上り回線の信号の前記中継局における受信信号強度を示す情報と、前記1又は2以上の第2の受信局の夫々が前記上り回線の信号の送信に用いる送信電力値とに基づいて算出された前記1又は2以上の第2の受信局の夫々と前記中継局との間の伝搬損失が閾値を超えるか否かを判定することと、
前記情報処理装置が、前記伝搬損失が閾値を超える第2の受信局のうち、伝搬損失が最大の第2の受信局に対し、前記中継局による前記第1のリソースブロックを用いた送信のタイミングと同じタイミングの送信において使用するリソースブロックとして前記第2のリソースブロックを割り当てることと
を実行する請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記閾値が、前記中継局が許容する最大送信電力と、前記1又は2以上の第2の受信局の夫々の雑音レベルと、前記送信局と前記1又は2以上の第2の受信局の夫々との間の下り回線に対する所望品質を示す値と、マージンとを用いて算出される
請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
送信局からの信号を第1の受信局へ非再生中継する中継局と、
前記非再生中継を制御する情報処理装置とを含み、
前記情報処理装置が、
前記非再生中継に関して前記中継局及び前記第1の受信局に割り当てられた第1のリソースブロックと、前記第1のリソースブロックに係るベースバンド信号の周波数を正負反対にしたベースバンド信号を使用する第2のリソースブロックとを用いた非再生中継を前記中継局が行う場合に、前記第1の受信局以外の第2の受信局に対する干渉が許容されるか否かを前記中継局が前記第2の受信局から受信した信号の受信信号強度を示す情報に基づいて判定することと、
前記干渉が許容されると判定される場合に、前記第2のリソースブロックを前記非再生中継用の付加用リソースブロックとして前記中継局及び前記第1の受信局に割り当てることと
を実行する制御部を含む
通信システム。
【請求項18】
前記中継局は、
前記第2の受信局が前記第2のリソースブロックを用いて信号を送信するタイミングを示す情報と、前記タイミングにおいて前記第2の受信局が送信した信号の前記中継局における受信信号強度の計測指示とを前記情報処理装置から受信し、
前記計測指示に従った計測によって取得した前記第2の受信局が送信した信号の前記中
継局における受信信号強度を示す情報を前記情報処理装置へ送信する
請求項1に記載の通信システム。
【請求項19】
前記中継局は、
前記中継局が前記第1のリソースブロックを用いて信号を送信するタイミングと同じタイミングで上り回線の信号を送信予定の1又は2以上の第2の受信局を示す情報と、前記1又は2以上の第2の受信局の夫々が前記上り回線の信号の送信に使用するリソースブロックを示す情報とを前記情報処理装置から受信し、
前記中継局が計測によって取得した前記1又は2以上の第2の受信局が送信した前記上り回線の信号の前記中継局における受信信号強度を示す情報を前記情報処理装置へ送信する
請求項17に記載の通信システム。
【請求項20】
前記中継局は、アンテナと、前記アンテナで受信された前記送信局からの信号を第1のベースバンド信号に変換する受信機と、前記第1のベースバンド信号の複素共役をとることによって、前記第2のリソースブロックに係る第2のベースバンド信号を生成するベースバンド回路と、前記第1のベースバンド信号と前記第2のベースバンド信号とが合成された信号を前記第1の受信局向けの非再生中継用の無線信号に変換する送信機と
を備える請求項17に記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非再生中継の制御方法、情報処理装置、及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
5th Generation Mobile Communication System(5G)等の無線通信においては、サブミリ秒以下の超低遅延通信が期待されている。一方で、通信サービス向上の観点では、セルのカバレッジエリアの拡大が望まれ、そのためには、中継局を介する中継通信が有効である。そこで、無線通信を行う端末局を中継局とする無線通信方法が提案されている。さらに、遅延の少ない中継技術として、中継局では復調及び復号は行わない非再生中継が望ましい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS 38.174 V17.0.0(2022-03)
【非特許文献2】3GPP TS 38.106 V17.0.0(2022-03)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、受信局において周波数ダイバーシティ利得を得ることのできる非再生中継の制御方法、情報処理装置、及び通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、送信局からの信号を中継局が第1の受信局へ非再生中継する通信システムにおける、非再生中継の制御方法であって、非再生中継を制御する情報処理装置が、非再生中継に関して中継局及び第1の受信局に割り当てられた第1のリソースブロックと、第1のリソースブロックに係るベースバンド信号の周波数を正負反対にしたベースバンド信号を使用する第2のリソースブロックを用いた非再生中継を中継局が行う場合に、第1の受信局以外の第2の受信局に対する干渉が許容されるか否かを中継局が第2の受信局から受信した信号の受信信号強度を示す情報に基づいて判定することと、干渉が許容されると判定される場合に、第2のリソースブロックを非再生中継用の付加用リソースブロックとして中継局及び第1の受信局に割り当てることとを実行する非再生中継の制御方法である。
【0006】
また、本開示の態様の一つは、送信局からの信号を中継局が第1の受信局へ非再生中継する通信システムにおいて非再生中継を制御する情報処理装置である。情報処理装置は、非再生中継に関して中継局及び第1の受信局に割り当てられた第1のリソースブロックと、第1のリソースブロックに係るベースバンド信号の周波数を正負反対にしたベースバンド信号とを使用する第2のリソースブロックを用いた非再生中継を中継局が行う場合に、第1の受信局以外の第2の受信局に対する干渉が許容されるか否かを中継局が第2の受信局から受信した信号の受信信号強度を示す情報に基づいて判定することと、干渉が許容されると判定される場合に、第2のリソースブロックを非再生中継用の付加用リソースブロックとして中継局及び第1の受信局に割り当てることとを実行する制御部を含む。
【0007】
本開示の態様の一つは、送信局からの信号を第1の受信局へ非再生中継する中継局と、非再生中継を制御する情報処理装置とを含み、情報処理装置が、非再生中継に関して中継局及び第1の受信局に割り当てられた第1のリソースブロックと、第1のリソースブロックに係るベースバンド信号の周波数を正負反対にしたベースバンド信号を使用する第2の
リソースブロックとを用いた非再生中継を中継局が行う場合に、第1の受信局以外の第2の受信局に対する干渉が許容されるか否かを中継局が第2の受信局から受信した信号の受信信号強度を示す情報に基づいて判定することと、干渉が許容されると判定される場合に、第2のリソースブロックを非再生中継用の付加用リソースブロックとして中継局及び第1の受信局に割り当てることとを実行する制御部を含む通信システムである。
【0008】
本開示は、上記した非再生中継の制御方法と同様の特徴を有するプログラム、プログラムを記憶した一時記憶可能な記憶媒体、及び中継局などを含むことができる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、非再生中継の信号を受信する受信局において周波数ダイバーシティ利得を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る通信システムの第1の構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る通信システムの第2の構成例を示す図である。
図3図3は、第1の非再生中継の制御方法を説明する図である。
図4図4は、第1の非再生中継の制御方法に用いる数値の算出方法などを説明する図である。
図5図5は、制御装置の構成例を示す図である。
図6図6は、中継局の構成例を示す図である。
図7図7は、図6に示した各信号の波形の例を示す図である。
図8図8は、第1の非再生中継の制御方法に係る基地局又は制御装置の処理例を示すフローチャートである。
図9図9は、第1の非再生中継の制御方法に係る中継局の処理例を示すフローチャートである。
図10図10は、第2の非再生中継の制御方法を説明する図である。
図11図11は、第2の非再生中継の制御方法に係る基地局又は制御装置の処理例を示すフローチャートである。
図12図12は、第2の非再生中継の制御方法に係る中継局の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
送信局(例えば基地局)から送信された信号を中継局が受信して第1の受信局(例えば端末)へ非再生中継する通信システムがある。非再生中継におけるSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio:信号対干渉雑音比)は、最も減衰が大きい通信区間に
よって決定される。特に、中継局と端末局との間は、局が持つアンテナの利得を大きくできないことから、回線品質の維持が課題となる。
【0012】
本開示に係る非再生中継の制御方法では、非再生中継を制御する情報処理装置が、非再生中継に関して中継局及び第1の受信局に割り当てられた第1のリソースブロックと、第1のリソースブロックに係るベースバンド信号の周波数を正負反対にしたベースバンド信号とを使用する第2のリソースブロックを用いた非再生中継を中継局が行う場合に、第1の受信局以外の第2の受信局に対する干渉が許容可能か否かを中継局が第2の受信局から受信した信号の受信信号強度を示す情報に基づいて判定することと、干渉が許容可能と判定される場合に、第2のリソースブロックを非再生中継用の付加用リソースブロックとして中継局及び第1の受信局に割り当てることとを実行する非再生中継の制御方法である。
【0013】
非再生中継に第2のリソースブロックが追加(付加)されることで、第1の受信局において周波数ダイバーシティ利得を得ることができ、第1の受信局に係る好適な回線品質を
得ることが可能となる。
【0014】
以下、図面に基づいて、実施形態に係る非再生中継の制御方法、情報処理装置、及び通信システムについて説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。なお、実施形態では、通信システムとして5Gの通信システムを例示するが、本開示に係る送信局、中継局及び受信局の構成は、5G以外の通信システム(無線LAN等)に適用することが可能である。
【0015】
図1は、通信システムの第1の構成例を示す図である。図1において、第1の構成例に係る通信システム100Aは、制御装置1と、基地局2と、中継局3と、非再生中継の中継先に該当する端末局4と、端末局4以外の端末局4Aとを有する。端末局4Aは、基地局2と直接に通信する端末であり、端末局4Aの数は、単数でも複数でもよい。
【0016】
制御装置1は、基地局2が接続されるネットワーク(例えばコアネットワーク)上の装置である。ただし、制御装置1がコアネットワーク自体であるか、またはコアネットワークに含まれるシステムであると考えることもできる。コアネットワークは、例えば、光ファイバ網を含む。制御装置1は、基地局2、中継局3、端末局4、及び、端末局4Aを制御し、端末局4及び端末局4Aに通信サービスを提供する。
【0017】
基地局2は、端末局4、4Aに無線アクセスネットワークを提供する。無線アクセスネットワークでの無線通信が可能なエリアは、セルとも呼ばれる。基地局2は、実施形態では、1又は2以上のアンテナ(図1では1本のアンテナを例示)と、アンテナに対応する無線機21と、制御回路22とを有する。制御回路22は、例えば、プロセッサとメモリを有する。プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムの実行によって、制御装置1(基地局2)との通信、及び、中継局3及び端末局4、4Aとの無線通信を制御する。
【0018】
中継局3は、基地局2と端末局4との無線通信を中継する(非再生中継を行う)。中継局3は、例えば、小型基地局、移動基地局、車載装置、及び、スマートフォン等である。中継局3は、非再生中継可能な構成を備える装置の中から制御装置1によって中継局として選定されることができる。制御装置1は、端末局4から接続要求の発生時に、基地局2が提供するセルの範囲に位置する1以上の中継局3を選択し、無線通信の非再生中継の指示を各中継局3に送信することができる。指示を受けた中継局3は、制御装置1によって選定された中継局3として動作する。
【0019】
中継局3は、基地局2と同様、1又は2以上のアンテナ33(図1では、複数本のアンテナ33を例示)と、アンテナ33に対応する無線機31と、制御回路32(「コントローラ(制御部)」の一例)とを有する。中継局3の制御回路32が制御に関する情報を受信するため、中継用回線(アンテナ33)とは独立したアンテナ34を有していてもよい。
【0020】
端末局4は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、車載されたデータ通信装置等の移動局である。ただし、これに限られず、端末局4は、据え置き型の端末装置であってもよい。例えば、端末装置は、基地局2が提供するセルの範囲で無線アクセスネットワークに接続する。
【0021】
端末局4は、無線信号の受信に使用する1又は2以上のアンテナ43(図1では1本のアンテナ43を例示)と、当該アンテナに接続される無線機41と、制御回路42とを有する。例えば、セル内の移動局が基地局2に無線アクセスネットワークへの接続を要求し、接続されることで、当該移動局が端末局4として動作する。セル内の移動局は、基地局
2に直接無線アクセスネットワークへの接続を要求してもよい。または、セル内の移動局は、セル内で中継局3として動作する装置を介して基地局2に無線アクセスネットワークへの接続を要求してもよい。端末局4は、1以上の中継局3のいずれかを介してまたは1以上の中継局3のいずれをも介さずに基地局2と通信可能な局ということができる。
【0022】
端末局4Aは、端末局4と同様の構成を有する。ただし、中継局3を介さずに直接に基地局2と通信する点が端末局4と異なる。
【0023】
図2は、通信システムの第2の構成例を示す図である。通信システムとして、図2に示すような第2の構成例に係る通信システム100Bが適用されてもよい。通信システム100Bは、図1の通信システム100Aと比較において、以下の点で異なる。すなわち、通信システム100Bにおける基地局は、制御回路2Aと、1以上の分散基地局2Bと有する。
【0024】
制御回路2Aは、通信システム100における制御回路22に相当し、各分散基地局2Bの動作を制御する。分散基地局2Bは、アンテナ23に対応する無線機21を有する。制御回路2Aと分散基地局2Bの無線機21とは、例えば、光ファイバ又は無線ネットワークで接続される。制御回路2Aと各分散基地局2Bとを接続する光ファイバのトポロジは、特定のトポロジに限定されない。例えば、光ファイバのトポロジは、ノード間の一対一の接続、制御回路2Aから離れるにしたがって分岐するネットワーク、スター型のネットワーク、または、リングネットワーク等であってもよい。また、制御回路2Aと分散基地局2Bの無線機21Bとの間を無線ネットワークで接続する場合に、採用される無線ネットワークの規格及び、プロトコルは特定のものに限定されない。
【0025】
制御回路2Aは、図1の制御回路22と同様、プロセッサとメモリを有する。プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムの実行により、制御装置1との通信、および中継局3、端末局4、4Aとの無線通信を制御する。すなわち、制御回路2Aは、分散基地局2Bの無線機21Bを介して、中継局3及び端末局4、4Aとの無線通信を制御する。中継局3及び端末局4、4Aの構成は、通信システム100Aと同じであるので重ねての説明は省略する。
【0026】
通信システム100A及び100Bは、5G網であり、前提として、以下の構成が採用されている。基本通信単位は10ミリ秒の「フレーム」で、例えば、これが1ミリ秒長の「サブフレーム」に分割され、サブフレームは更に0.5ミリ秒の「スロット」に、そして
スロットは14の「シンボル」単位に分割される。各シンボルの間にはサイクリックプレフィクス(cyclic prefix, CP)が挿入される。例えば、1スロット=14シンボル×12
本(180KHz)のサブキャリアがリソースブロック(RB)と定義され、リソースブロックが通信の基本単位となる。5G網では、ベースバンド信号のディジタル変調方式に直交周波数分割多重方式(orthogonal frequency-division multiplexing, OFDM)が適用されており、データのベースバンド信号は、ディジタル変調によって、リソースブロックをなすサブキャリアに乗せられる。
【0027】
端末局4及び端末局4Aが上り回線及び下り回線の通信に用いる各リソースブロックは、制御装置1、又は基地局2の制御回路22(制御回路2A)によって端末局4A及び端末局4Aに割り当てられる。非再生中継に用いるリソースブロックも、制御装置1、又は基地局2の制御回路22(制御回路2A)によって、中継局3及び端末局4に割り当てられる。
【0028】
通信システム100A及び100Bでは、時分割多重による通信が行われ、上り回線(アップリンク)及び下り回線(ダウンリンク)では同一周波数チャネルが使用される。ま
た、基地局2、中継局3、及び、端末局4、端末局4A間では、無線フレームを構成する各スロットの開始タイミングは同期している。
【0029】
通信システム100A及び100Bでは、無線の変調方式として、CP-OFDM(Cyclic Prefix - Orthogonal Frequency Division Multiplexing)などのサイクリックプレフィクス(CP)を持つブロック伝送方式が採用されている。本実施形態では、CP-OFDMが適用されている場合について説明するが、CP-OFDM以外のCPを有するブロック伝送方式であってもよい。また、中継局3は、中継の対象となる端末局4が上り回線及び下り回線において使用するリソースブロック情報を共有している。
【0030】
なお、上り回線は、端末局4から基地局2への方向のリンクである。下り回線は、基地局2から端末局4への方向のリンクである。以下の説明は、下り回線で非再生中継が行われる場合を例示する。すなわち、基地局2及び分散基地局2Bの夫々が「送信局」に相当し、端末局4が「第1の受信局」に相当する。また、端末局4Aは、「第2の受信局」に相当する。また、制御装置1、基地局2の制御回路22、及び制御回路2Aの夫々は「情報処理装置」の一例である。なお、実施形態において中継局3が行う非再生中継が、上り回線の通信に適用されてもよい。以下の説明では、通信システムの一例として、通信システム100Aについて説明する。
【0031】
図3は、第1の非再生中継の制御方法を説明する図である。図3には通信システム100Aが示されている。基地局2の制御回路22又は制御装置1は、端末局4及び4Aに対するリソースブロックの割り当てを行う。以下の説明では、一例として、基地局2の制御回路22が割り当てを行う例について説明する。
【0032】
基地局2の制御回路22は、中継局3及び端末局4に対し、下り回線の非再生中継用のリソースブロック(第1のリソースブロックと称する)を割り当てている。この第1のリソースブロックをなすサブキャリアの束に乗せられるベースバンド信号(中心周波数0、「リソースブロックに係るベースバンド信号」と称する)の周波数として、正の領域におけるいくつかの周波数が割り当てられている。図3では、端末局4に割り当てられたサブキャリアの束に乗せられるベースバンド信号の周波数を“+f”のブロックとして模式的に図示している。
【0033】
これに対し、基地局2が下り回線において端末局4Aと通信するために端末局4Aへの通信に割り当てられたリソースブロック(第2のリソースブロックと称する)をなすサブキャリアの束に乗せられるベースバンド信号の周波数は、上述した“+f”の周波数の正負を反転させた周波数となっている(図3において“-f”のブロックで模式的に示す)。“+f”のブロックと、“-f”のブロックとは、中心周波数0の軸に対して線対称となっている。
【0034】
ここで、仮に、基地局2が第2のリソースブロックを用いた下り回線で端末局4Aへの送信を行うタイミングで、中継局3が第2のリソースブロックを用いた下り回線の信号(非再生中継の信号)を端末局4Aへ送信すると、当該信号は、基地局2から端末局4Aへ送信された信号に対する干渉する。しかし、中継局3から送信された非再生中継の信号の受信信号強度(結合状況)が端末局4Aにおける下り回線の信号受信に大きな影響を与えない(許容可能な干渉である)ことを示す場合がある。この場合に、第2のリソースブロックを付加用リソースブロックとして非再生中継に第1のリソースブロックに付加し、非再生中継に用いても、端末局4Aへの下り回線の通信に影響を与えない。実施形態では、中継局3及び端末局4の非再生中継用に第2のリソースブロックを割り当て可能か否か(すなわち、端末局4Aに対する干渉が許容されるか否か)を基地局2の制御回路22(制御回路2A)又は制御装置1が判定し、許容されると判定される場合には、第2のリソー
スブロックを中継局3及び端末局4の非再生中継用に割り当てる。これによって、中継局3は、第1のリソースブロックと第2のリソースブロックとを用いた非再生中継の信号を端末局4へ送信することとなる。このような信号を端末局4が受信することで、端末局4におけるダイバーシティ利得の向上を図ることができ、非再生中継信号(下り回線)の品質維持ないし向上を図ることができる。
【0035】
具体的には、以下のような動作又は処理が行われる。基地局2(制御回路22または制御装置1)は、非再生中継に割り当てるリソースブロック(第1のリソースブロック)が使用するサブキャリアに対して、ベースバンド信号で正負反対の周波数(図3の“-f”)となるリソースブロック(第2のリソースブロック)を使用する端末局4Aが上り回線で信号を送信するタイミングを中継局3に対して通知する。また、基地局2は、通知のタイミングでの第2のリソースブロックを用いて送信された信号の中継局3における受信信号強度計測を中継局3に指示する。
【0036】
中継局3は、通知された上り回線のリソースブロックに対する受信信号強度P_(R,RX)を計測し、制御回線を通じて基地局2へ報告する。
【0037】
基地局2は、報告された受信信号強度P_(R,RX)と、端末局4への送信電力の指示値P_(UE.TX)から、端末局4と中継局3との間の伝搬損失L_(UE→R)を算出する。伝搬損失L_(UE→R)が閾値Δ_L以上であれば、その第2のリソースブロックを付加用リソースブロック(追加リソースブロック)として中継局3と中継先の端末局4へ通知する。
【0038】
伝搬損失L_(UE→R)に対する閾値Δ_Lの計算には、例えば、以下の式を用いる
ことができる。
式:Δ_L=P_(R,max)-(W_UE+Γ_UE(MCS))+δ
ここに、P_(R,max)は、中継局が許容する最大送信電力である。W_UEは、端末局4Aの雑音レベルである。Γ_UE(MCS)は、基地局2と端末局4Aとの間の下り回線に係るMCS(Modulation and Coding Scheme)が所望するSINRである(下り回線に対する所望品質を示す値の一例)。また、δはマージンであり、通常は6dBである。但し、マージンの値は適宜設定可能である。
【0039】
図4は、第1の非再生中継の制御方法に用いる数値の算出方法などを説明する図である。上述したP_(R,max)、W_UE、Γ_UE(MCS)及びδは、図4に示す関係にあり、中継局3が受信した端末局4Aから送信された信号の伝搬損失L_(UE→R)が閾値Δ_Lより大きい場合、中継局3が第2のリソースブロックを下り回線の送信に用いても、端末局4Aの上り回線の送信に影響を与えない(干渉が許容される)ことを意味する。
【0040】
図5は、制御装置1のハードウェア構成を例示する図である。制御装置1はCPU11と、主記憶装置12と、外部機器を有し、コンピュータプログラムにより通信処理および情報処理を実行する。CPU11は、プロセッサとも呼ばれる。CPU11は、単一のプロセッサに限定されず、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、CPU11は、Graphics Processing Unit(GPU)、Digital Signal Processor(DSP)等を含むものであってもよい。また、CPU11は、Field Programmable Gate Array(FPGA)等
のハードウェア回路と連携するものでもよい。外部機器としては、外部記憶装置13、出力装置14、操作装置15、および通信装置16が例示される。
【0041】
CPU11は、主記憶装置12に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行し、制御装置1の処理を提供する。主記憶装置12は、CPU11が実行するコンピュー
タプログラム、CPU11が処理するデータ等を記憶する。主記憶装置12は、Dynamic Random Access Memory(DRAM)、Static Random Access Memory(SRAM)、Read Only Memory(ROM)等である。さらに、外部記憶装置13は、例えば、主記憶装置1
2を補助する記憶領域として使用され、CPU11が実行するコンピュータプログラム、CPU11が処理するデータ等を記憶する。外部記憶装置13は、ハードディスクドライブ、Solid State Drive(SSD)等である。さらに、制御装置1には、着脱可能記憶媒
体の駆動装置が接続されてもよい。着脱可能記憶媒体は、例えば、ブルーレイディスク、Digital Versatile Disc(DVD)、Compact Disc(CD)、フラッシュメモリカード等である。
【0042】
出力装置14は、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネル等の表示装置である。ただし、出力装置14がスピーカその他の音を出力する装置を含んでもよい。操作装置15は、例えば、ディスプレイ上にタッチセンサを重ねたタッチパネル等である。通信装置16は、例えば、光ファイバを介して基地局2およびインターネット等の外部ネットワークと通信する。通信装置16は、例えば、基地局2に接続されるゲートウェイおよびインターネット等の外部ネットワークと通信するゲートウェイである。通信装置16は、1台の装置であってもよいし、複数台の装置の組み合わせであってもよい。なお、制御装置1のハードウェア構成は、図5に示されるものに限定されない。
【0043】
また、上述した基地局2の制御回路22、制御回路2A、中継局3の制御回路32、端末局4、4Aの制御回路42は、上述したCPU11,主記憶装置12及び外部記憶装置13を備える装置として構成され、CPU11がプログラムを実行することによって所定の処理を行う。
【0044】
図6は、中継局3の構成例を示す図である。図6において、中継局3は、アンテナ33と、アンテナ33に対応する無線機31と、制御回路(コントローラ)32とを備えている。図6には、1本のアンテナ33を有する中継局3が例示されているが、中継局3は、2以上のアンテナを有していてもよい。この場合、無線機31は、アンテナ33ごとに具備される。
【0045】
無線機31は、同じ構成を有している。すなわち、無線機31は、送信機311と受信機312とベースバンド回路313を有する。送信機311と受信機312とはサーキュレータ314を介してアンテナ33に接続される。すなわち、サーキュレータ314の3つのポートに送信機311と受信機312とアンテナ33とが接続される。アンテナ33で受信された受信信号は、サーキュレータ314の1つ目のポートに入力され、2つ目のポートから受信機312に伝達される。送信機311からの送信信号は、サーキュレータ314の例えば3つ目のポートに入力され、1つ目のポートからアンテナ33に伝達される。
【0046】
ここで、送信信号と受信信号の電力差は例えば約100dBほどである。一方、サーキュレータ314のアイソレーションは30dB程度であり、送信信号の一部は受信信号と互いに干渉し合う。無線機31における送信信号の一部と受信信号との干渉は、自己干渉(Self Interference)と呼ばれる。自己干渉は受信機312内のRadio Frequency(RF)アナログフィルタとベースバンド回路313に含まれるFIRフィルタに所定の重みを設定することで構成可能である。
【0047】
受信機312は、サーキュレータ314を介してアンテナ33から受信信号(例えば、基地局2からの無線信号(第1の無線信号))を受ける。受信機312は、直交検波回路とアナログデジタル(AD)コンバータを有する。受信機312は、直交検波により受信信号をダウンコンバートし、さらにADコンバータによりデジタルデータに変換してベー
スバンド信号を得る。受信機312は、得られたベースバンド信号をベースバンド回路313に入力する。
【0048】
ベースバンド回路313は、自己干渉除去回路315と、遅延調整回路316と、虚数符号反転回路317と、乗算器318と、加算器319とを含む。自己干渉除去回路315は、受信機312から入力されるベースバンド信号に混入し、自己干渉している送信信号を抑圧又は除去する。自己干渉除去回路315の出力信号は、信号y_(in)として、遅延調整回路316と、虚数符号反転回路317とに入力される。信号y_(in)は「第1のベースバンド信号」に相当する。
【0049】
第1のリソースブロックと、付加的に割り当てられた第2のリソースブロックとを使用した合成信号y_(out)は 、以下の式で与えられる。
式:y_(out)=y_(in)+conj(y_(in))e^jθ
【0050】
虚数符号反転回路317は、conj処理(複素共役をとる処理)を行い、複素信号である信号y_(in)の虚数部分のみの正負を反転した信号を出力する。乗算器318は、虚数符号反転回路317の出力信号にe^jθを乗じて所定の位相回転を与える。信号conj(y_(in))e^jθは、「第2のベースバンド信号」に相当する。
【0051】
遅延調整回路316は、虚数符号反転回路317及び乗算器318での処理時間と同じ遅延時間を信号y_(in)に与え、信号開始タイミング(位相)をそろえる。加算器319は、遅延調整回路316からの出力信号と、虚数符号反転回路317の出力信号とを加算(合成)し、信号y_(out)を出力する。信号y_(out)は送信機311に入力され、端末局4向けの無線信号に変換され、アンテナ33から放射される。
【0052】
図7は、図6に示した各信号の波形の例を示す図である。図7の最上段の波形図は、信号y_(in)を時間領域で示す図であり、上から2段目の波形図は、信号y_(in)を周波数領域で示した図である。第1のリソースブロックに対応する周波数群を示し、図3で示した“+f”のブロックに相当する。上から3段目の波形図は、信号y_(out)を時間領域で示した図であり、最下段の波形図は、信号y_(out)を周波数領域で示した図である。破線で囲んだ箇所が、第2のリソースブロックに対応する周波数群を示す。このように、所望の信号y_(out)は、図6に示すような簡易なベースバンド回路313の回路構成で得ることができる。なお、自己干渉除去回路315及び遅延調整回路316は、例えばFIRフィルタに所定の重みを設定することで構成可能である。ベースバンド信号をなす回路は、回路素子によって構成されたディジタル回路であっても、DSP或いはFPGAを用いて論理的に構成される回路であってもよい。
【0053】
制御回路32は、アンテナ34を用いて基地局2の制御回路22、制御回路2A、または制御装置1(制御回路22等と称する)と通信することができる。制御回路32は制御回路22等からの指示を得て、端末局4Aからの送信信号の受信信号強度を計測し、制御回路22等へ計測結果を送信する処理を行う。また、第2のリソースブロックの割り当てを示す情報を得た場合に、ベースバンド回路313を制御して、信号y_(out)を生成させる。
【0054】
また、端末局4では、第1のリソースブロック及び第2のリソースブロックが割り当てられた場合には、これらのリソースブロックの割り当てを示す通知を受け取る。このため、端末局4は、非再生中継の信号に使用しているリソースブロックが既知であることから、制御回路42が、無線機で受信された信号に対して通常の受信処理(FFT処理、等化処理、リソースブロック合成処理、及び復調処理)を行うことで、周波数ダイバーシティ利得を得ることができる(=周波数軸上の連送(同一データの複数回送信)と同じ)。
【0055】
図8は、第1の非再生中継の制御方法に係る基地局又は制御装置(制御回路22又は制御装置1)の処理例を示すフローチャートである。ここでは、制御回路22が処理の主体となる例を示すが、処理の主体は制御回路2A又は制御装置1であってもよい。
【0056】
ステップS001では、制御回路22は、非再生中継に割り当てたリソースブロック(第1のリソースブロック)が使用するサブキャリアに対して、ベースバンド信号で正負反対の周波数となるリソースブロック(第2のリソースブロック)を使用する端末局4Aが上り回線で信号を送信するタイミングを示す情報を中継局3に通知(送信)する。また、制御回路22は、通知のタイミングで第2のリソースブロックを用いた端末局4Aからの信号の受信信号強度を計測する指示を中継局3に送信する。通知及び指示は、同じタイミングで送信されてもよく、異なるタイミングで送信されてもよい。
【0057】
ステップS002では、制御回路22は、中継局3からの報告を受信する。ステップS003では、制御回路22は、報告に含まれた受信信号強度P_(R,RX)と、端末局4Aへの送信電力の指示値P_(UE,TX)から、端末局4Aと中継局3との間の伝搬損失L_(UE→R)を算出する。また、制御回路22は、伝搬損失L_(UE→R)に対する閾値Δ_(L)を算出する。
【0058】
ステップS004では、制御回路22は、伝搬損失L_(UE→R)が閾値Δ_(L)
以上であるか否か(閾値を上回るか否かでもよい)を算出する。伝搬損失が閾値以上と判定される場合には、処理がステップS005に進み、そうでない場合には、図8の処理が終了する。
【0059】
ステップS005では、制御回路22は、ステップS001で特定したリソースブロック、すなわち第2のリソースブロックを付加用リソースブロックとして中継局3と端末局4へ通知する。すなわち、制御回路22は、中継局3及び端末局4に対し、第2のリソースブロックの割り当てを示す情報を送信する。
【0060】
第2のリソースブロックの割り当てを示す情報を受けた中継局では、信号y_(out)の生成を開始し、y_(out)を変換した無線信号が非再生中継の信号として中継局3から送信される。第2のリソースブロックの割り当てを示す情報を受けた端末局4では、第1のリソースブロックと第2のリソースブロックとを用いた信号の受信により周波数ダイバーシティ利得(ダイバーシティ効果)を得ることができる。
【0061】
図9は、第1の非再生中継の制御方法に係る中継局の処理例を示すフローチャートである。ステップS011では、中継局3の制御回路32は、制御回路22によって指定された端末局4Aの上り回線のリソースブロック(第2のリソースブロック)の受信信号強度の計測指示と、計測のタイミングを示す情報を受信する。
【0062】
ステップS012では、制御回路32は、制御回路22から通知されたタイミングで、指定された上り回線のリソースブロックに対する受信信号強度P_(R,RX)を計測する。
【0063】
ステップS013では、制御回路32は、受信信号強度P_(R,RX)の計測結果を、アンテナ34を用いた制御回線を通じて基地局2の制御回路32へ送信する。
【0064】
ステップS014では、制御回路32は、リソースブロックの付加情報、すなわち、第2のリソースブロックの割り当てを示す情報を基地局2の制御回路22から受信する。ステップS015では、制御回路32は、元のリソースブロック(第1のリソースブロック
)と、付加情報で指定された付加用リソースブロック(第2のリソースブロック)とを利用した非再生中継を実施する。端末局4は非再生中継による信号を受信する。
【0065】
ステップS016において、制御回路32は、基地局2の制御回路22からの停止指示又は指定された期間が終了(満了)するまで、ステップS015で説明した非再生中継を実施する。
【0066】
図10は、第2の非再生中継の制御方法を説明する図である。第2の非再生中継の制御方法では、中継局3が第1のリソースブロックを用いた下り回線の信号の送信タイミングと同一のタイミングで上り回線の信号を送信する1又は2以上の端末局4A(端末局UE_(i)と称する。iは端末局4Aの番号)に関して、中継局3が、各端末局UE_(i)から送信される信号の受信信号強度を計測する。
【0067】
基地局2の制御回路22(制御回路2A又は制御装置1でもよい)は、計測結果に基づいて、端末局UE_(i)と中継局3との間の伝搬損失L_(UE→R)(UE_(i)
)が閾値Δ以上である(又は上回る)場合には、該当する端末局UE_(i)のうち、伝搬損失L_(UE→R)(UE_(i))が最大の端末局UE_(i)に、第2のリソー
スブロックを割り当てる。そして、制御回路22は、中継局3及び端末局4に対し、第1のリソースブロックに対する付加的なリソースブロックとして、第2のリソースブロックを割り当てる。これによって、中継局3が第1及び第2のリソースブロックを用いた非再生中継を行っても、非再生中継の信号の端末局4Aの送信信号に対する干渉の影響は許容される範囲に収まる。一方、端末局4では周波数ダイバーシティ利得を得ることができ、好適な下り回線の品質を得ることができる。
【0068】
伝搬損失L_(UE→R)(UE_(i))に対する閾値Δ_L(UE_(i))の計
算には、例えば、以下の式を用いることができる。
式:Δ_L(UE_(i))=P_(R,max)-(W_UE_(i)+Γ_UE_(i)(MCS))+δ
ここに、P_(R,max)は、中継局3が許容する最大送信電力である。W_UEは、端末局4Aの雑音レベル(規定値)である。Γ_UE_(i)(MCS)は、端末局UE_(i)が要求するSINRである(下り回線に対する所望品質を示す値の一例)。また、δはマージンであり、通常は6dBである。
但し、マージンの値は適宜設定可能である。
【0069】
図11は、第2の非再生中継の制御方法に係る基地局又は制御装置の処理例を示すフローチャートである。図12は、第2の非再生中継の制御方法に係る中継局の処理例を示すフローチャートである。
【0070】
図11のステップS101において、基地局2の制御回路22(制御装置1又は制御回路2Aでもよい)は、非再生中継に割り当てるリソースブロック(第1のリソースブロック)と同一タイミングで送信予定の端末局4A(UE_(i))が上り回線で使用するリソースブロックとその送信タイミングを中継局3に通知する。また、制御回路22は、端末局UE_(i)が通知された各送信タイミングで送信する信号の中継局3における受信信号強度の計測を指示する。
【0071】
中継局3は、上り回線の各端末局(UE_(i))に割り当てられたリソースブロックに対する受信信号強度の計測指示と、計測のタイミングを示す情報を受信する(図12のステップS111)。すると、中継局3は、各端末局UE_(i)が自局に割り当てられたリソースブロックを用いて送信した上り回線の信号の中継局3における受信信号強度P_(R,RX)(UE_(i))を計測する(図12のステップS112)。中継局3は
、制御回線を通じて計測結果を基地局2の制御回路22へ報告(送信)する(図12のステップS113)。
【0072】
ステップS102において、基地局2の制御回路22は、中継局3から報告を受信する。ステップS103において、制御回路22は、報告された各端末局UE_(i)に対する受信信号強度P_(R,RX)(UE_(i))と、上り回線のリソースブロックに対する端末局4Aへの送信電力の指示値P_(UE,RX)(UE_(i))とから、各端末局UE_(i)と中継局3との間の伝搬損失L_(UE→R)(UE_(i))を算出する。また、伝搬損失に対する閾値Δ_L(UE_(i))を算出する。
【0073】
ステップS104において、制御回路22は、伝搬損失L_(UE→R)(UE_(i))が閾値Δ_L(UE_(i))以上の端末局UE_(i)があるか否かを判定する。該当の端末局があると判定される場合には、処理がステップS105に進み、そうでないと判定される場合には、図11の処理が終了する。
【0074】
ステップS105では、伝搬損失L_(UE→R)(UE_(i))が閾値Δ_L(UE_(i))以上の端末局UE_(i)のうち、伝搬損失と閾値Δ_L(UE_(i))との差が最も大きな端末局UE_(i)に対して、非再生中継に割り当てるリソースブロック(第1のリソースブロック)が使用するサブキャリアとはベースバンド信号で正負反対の周波数となるリソースブロック(第2のリソースブロック)を割り当てる。また、制御回路22は、第2のリソースブロックを付加用リソースブロックとして割り当てたことを示すリソースブロック付加情報を中継局3と端末局4へ通知する。
【0075】
中継局は、リソースブロック付加情報を制御回路22から受信する(図12のステップS114)。すると、中継局3は、非再生中継を行う第1のリソースブロックと、付加情報で指定された付加用リソースブロック(第2のリソースブロック)とを利用した非再生中継を実施する(図12のステップ115)。端末局4は当該非再生中継による信号を受信する。これによって、周波数ダイバーシティ利得を得ることができる。
【0076】
中継局3は、基地局2の制御回路22からの停止指示もしくは指定された期間が終了(満了)するまで、非再生中継を継続する(図12のステップS116)。
【0077】
実施形態では、基地局2(送信局)からの信号を中継局3が端末局4(第1の受信局)へ非再生中継する通信システム100A(100B)において、非再生中継の制御方法として以下が行われる。すなわち、非再生中継を制御する基地局2の制御回路22、制御回路2A又は制御装置1(制御回路22等、情報処理装置)が、以下の処理を行う。制御回路22等は、非再生中継に関して中継局3及び端末局4に割り当てられた第1のリソースブロックと、第1のリソースブロックに係るベースバンド信号の周波数を正負反対にしたベースバンド信号を使用する第2のリソースブロックとを用いた非再生中継を中継局3が行う場合に、端末局4以外の端末局4A(第2の受信局)に対する干渉が許容されるか否かを中継局3が端末局4Aから受信した信号の受信信号強度を示す情報に基づいて判定する。制御回路22等は、干渉が許容されると判定される場合に、第2のリソースブロックを非再生中継用の付加用リソースブロックとして中継局3及び端末局4に割り当てる。これによって、端末局4Aに対する干渉が許容される状態で、端末局4にて周波数ダイバーシティを得ることができる。
【0078】
端末局4Aに割り当てられている第2のリソースブロックを用いて端末局4Aが送信した信号の中継局3における受信信号強度を示す情報に基づいて、干渉が許容可能か否かが判定されてもよい。
【0079】
制御回路22等は、端末局4Aが第2のリソースブロックを用いて信号を送信するタイミングを示す情報と、当該タイミングにおいて端末局4Aが送信した信号の中継局3における受信信号強度の計測指示とを中継局3に送信する。また、制御回路22等は、中継局3が計測によって取得した端末局4Aが送信した信号の中継局3における受信信号強度を示す情報を中継局3から受信する。
【0080】
干渉が許容可能か否かの判定は、端末局4Aが第2のリソースブロックを用いて送信した送信信号の中継局3における受信信号強度を示す情報と、端末局4Aが送信信号の送信に用いる送信電力値とに基づいて算出された端末局4Aと中継局3との間の伝搬損失が閾値を超えるか否かを判定することで実行されてもよい。
【0081】
閾値は、中継局3が許容する最大送信電力と、端末局4Aの雑音レベルと、基地局2と端末局4Aとの間の下り回線に対する所望品質を示す値(下り回線MCSの所望SINR)と、マージンとを用いて算出されてもよい。
【0082】
制御回路22等は、中継局3が第1のリソースブロックを用いて信号を送信するタイミングと同じタイミングで上り回線の信号を送信予定の1又は2以上の端末局4A(端末局UE_(i))を示す情報と、1又は2以上の端末局4Aの夫々が前記上り回線の信号の送信に使用するリソースブロックを示す情報とを中継局3に送信してもよい。制御回路22等は、中継局3が計測によって取得した1又は2以上の端末局4Aが送信した上り回線の信号の中継局3における受信信号強度を示す情報を中継局3から受信してもよい。
【0083】
干渉が許容可能か否かの判定は、1又は2以上の端末局4Aの夫々が送信した上り回線の信号の中継局3における受信信号強度を示す情報と、1又は2以上の端末局4Aの夫々が上り回線の信号の送信に用いる送信電力値とに基づいて算出された1又は2以上の端末局4Aの夫々と中継局3との間の伝搬損失が閾値を超えるか否かを判定することであってもよい。この場合、制御回路22等が、伝搬損失が閾値を超える端末局4Aのうち、伝搬損失が最大の端末局4Aに対し、中継局3による第1のリソースブロックを用いた送信のタイミングと同じタイミングの送信において使用するリソースブロックとして第2のリソースブロックを割り当ててもよい。
【0084】
閾値は、中継局3が許容する最大送信電力と、1又は2以上の端末局4Aの夫々の雑音レベルと、基地局2と1又は2以上の端末局4Aの夫々との間の下り回線に対する所望品質を示す値と、マージンとを用いて算出されてもよい。
【0085】
中継局3は、端末局4Aが第2のリソースブロックを用いて信号を送信するタイミングを示す情報と、タイミングにおいて端末局4Aが送信した信号の中継局3における受信信号強度の計測指示とを制御回路22等から受信してもよい。中継局3は、計測指示に従った計測によって取得した端末局4Aが送信した信号の中継局3における受信信号強度を示す情報を制御回路22等へ送信してもよい。
【0086】
中継局3は、中継局3が第1のリソースブロックを用いて信号を送信するタイミングと同じタイミングで上り回線の信号を送信予定の1又は2以上の端末局4Aを示す情報と、1又は2以上の端末局4Aの夫々が上り回線の信号の送信に使用するリソースブロックを示す情報とを制御回路22等から受信してもよい。中継局3は、中継局3が計測によって取得した1又は2以上の端末局4Aが送信した上り回線の信号の中継局3における受信信号強度を示す情報を制御回路22等へ送信してもよい。
【0087】
また、中継局3は、アンテナ33と、アンテナ33で受信された基地局2からの信号を第1のベースバンド信号に変換する受信機312と、第1のベースバンド信号の複素共役
をとることによって、第2のリソースブロックに係る第2のベースバンド信号を生成するベースバンド回路313と、第1のベースバンド信号と第2のベースバンド信号とが合成された信号を端末局4向け(第1の受信局向け)の非再生中継用の無線信号に変換する送信機311とを備えてもよい。
【0088】
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0089】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは、柔軟に変更可能である。
【0090】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0091】
1・・制御装置
2・・基地局
3・・中継局
4,4A・・端末局
11・・・CPU
12・・・主記憶装置
13・・・補助記憶装置
21、31、41・・無線機
22、32、42・・制御回路
100A、100B・・通信システム
311・・送信機
312・・受信機
313・・ベースバンド回路
314・・サーキュレータ
図1
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