(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066969
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】木質燃料ストーブ
(51)【国際特許分類】
F24B 1/02 20060101AFI20240507BHJP
F23B 60/02 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
F24B1/02 C
F23B60/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072682
(22)【出願日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2022173838
(32)【優先日】2022-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)2022年5月3日~5日 Urban Camp Cityin BANDAI 2022において公開 (2)2022年9月16日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (3)2022年9月20日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (4)2022年9月23日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (5)2022年9月24日~25日 NSTまつり2022において公開 (6)2022年9月24日 新潟総合テレビNSTまつり特別番組:新潟青春学園祭祭りNSTまつりSPにおいて公開 (7)2022年9月28日 新潟日報において公開 (8)2022年9月28日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (9)2022年9月29日 自社ウェブサイト(https://www.honma-seisakusyo.jp)において公開 (10)2022年9月29日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (11)2022年10月3日 rakutenウェブサイト(https://item.rakuten.co.jp)において公開 (12)2022年10月4日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (13)2022年10月5日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (14)2022年10月6日 三興エネルギー有限会社に販売 (15)2022年10月7日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (16)2022年10月13日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (17)2022年10月14日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (18)令和4年10月14日 アルペンアウトドアーズ春日井店において公開 (19)2022年10月15日・16日 NST presentsキャンプイベントにおいて公開 (20)2022年10月17日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (21)2022年10月18日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (22)2022年10月20日 コメリパワー河渡店において公開 (23)2022年10月22日 新潟放送 BUZZラテにおいて公開 (24)令和4年10月22日 アルペンアウトドアーズフラッグシップストア柏店において公開 (25)2022年10月24日 youtubeウェブサイト(https://www.youtube.com)において公開 (26)2022年10月25日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (27)2022年10月28日 amazonウェブサイト(https://www.amazon.co.jp)において公開 (28)2022年10月28日 youtubeウェブサイト(https://www.youtube.com)において公開 (29)2022年10月30日 コメリパワー河渡店において公開 (30)2022年11月1日 youtubeウェブサイト(https://www.youtube.com)において公開 (31)2022年11月1日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (32)2022年11月8日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (33)2022年11月9日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (34)2022年11月15日 facebookウェブサイト(https://www.facebook.com)において公開 (35)2022年11月15日 facebookウェブサイト(https://www.facebook.com)において公開 (36)2022年11月15日 facebookウェブサイト(https://www.facebook.com)において公開 (37)2022年11月15日 facebookウェブサイト(https://www.facebook.com)において公開 (38)2022年11月15日 facebookウェブサイト(https://www.facebook.com)において公開 (39)2022年11月15日 facebookウェブサイト(https://www.facebook.com)において公開 (40)2022年11月15日 facebookウェブサイト(https://www.facebook.com)において公開 (41)2022年11月18日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (42)2022年11月19日 facebookウェブサイト(https://www.facebook.com)において公開 (43)2022年12月2日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (44)令和4年12月3日 スーパーセンタームサシ新潟店において公開 (45)2022年12月15日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (46)2023年1月1日~3日 新潟総合テレビ 年始テレビCMにおいて公開 (47)2023年1月4日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (48)2023年1月11日 komeriウェブサイト(https://www.komeri.com)において公開 (49)2023年1月11日~3月7日 コメリパワー河渡店において公開 (50)2023年3月7日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (51)2023年3月16日 朝日新聞において公開 (52)2023年4月24日 instagramウェブサイト(https://www.instagram.com)において公開 (53)2023年4月25日 facebookウェブサイト(https://www.facebook.com)において公開
(71)【出願人】
【識別番号】592230438
【氏名又は名称】株式会社ホンマ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】本間 榮作
【テーマコード(参考)】
3K046
【Fターム(参考)】
3K046AA06
3K046AB08
3K046AC01
3K046AD02
3K046BA02
3K046FA02
(57)【要約】
【課題】本発明は、従来にない非常に実用性の高いストーブを提供することを目的とする。
【解決手段】室内で使用され木質燃料60を燃焼する木質燃料ストーブであって、燃焼室2を有するストーブ本体1に、前記燃焼室2で発生した排ガスを室外に排出する排ガス排出筒3と、前記燃焼室2に室外空気を供給する室外空気供給筒4とが設けられ、更に、前記室外空気供給筒4を通過する空気を前記燃焼室2で発生する熱により加熱する空気加熱部5を有するものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内で使用され木質燃料を燃焼する木質燃料ストーブであって、燃焼室を有するストーブ本体に、前記燃焼室で発生した排ガスを室外に排出する排ガス排出筒と、前記燃焼室に室外空気を供給する室外空気供給筒とが設けられ、更に、前記室外空気供給筒を通過する空気を前記燃焼室で発生する熱により加熱する空気加熱部を有することを特徴とする木質燃料ストーブ。
【請求項2】
請求項1記載の木質燃料ストーブにおいて、前記空気加熱部は、前記排ガス排出筒の少なくとも一部が前記室外空気供給筒の内部に配設され、前記排ガス排出筒を通過する排ガスの熱により前記室外空気供給筒を通過する空気を加熱するように構成されていることを特徴とする木質燃料ストーブ。
【請求項3】
請求項1記載の木質燃料ストーブにおいて、前記空気加熱部は、前記排ガス排出筒の少なくとも一部が前記室外空気供給筒の外部に近設され、前記排ガス排出筒を通過する排ガスの熱により前記室外空気供給筒を通過する空気を加熱するように構成されていることを特徴とする木質燃料ストーブ。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載の木質燃料ストーブにおいて、前記燃焼室の排ガスが通過する部位には、前記室外空気供給筒部から供給された室外空気を導入する未燃焼ガス燃焼用空気導入部が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブ。
【請求項5】
請求項4記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体は、前記燃焼室へ室外空気を導入する第一通路部と、この第一通路部と別経路にして前記未燃焼ガス用空気導入部へ室外空気を導入する第二通路部とが設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブ。
【請求項6】
室内で使用され木質燃料を燃焼する木質燃料ストーブであって、燃焼室を有するストーブ本体に、前記燃焼室で発生した排ガスを室外に排出する排ガス排出筒と、前記燃焼室に室外空気を供給する室外空気供給筒とが設けられ、前記燃焼室の排ガスが通過する部位には、前記室外空気供給筒部から供給された室外空気を導入する未燃焼ガス燃焼用空気導入部が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブ。
【請求項7】
請求項6記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体は、前記燃焼室へ室外空気を導入する第一通路部と、この第一通路部と別経路にして前記未燃焼ガス用空気導入部へ室外空気を導入する第二通路部とが設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブ。
【請求項8】
請求項1~3いずれか1項に記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体の上部にはサウナストーンを載置する載置板が設けられ、この載置板は前記燃焼室の熱により加熱されるように設けられ、この載置板には前記ストーブ本体の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられ、更に、前記ストーブ本体には前記載置板を流下した水を排水する排水部が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブ。
【請求項9】
請求項4記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体の上部にはサウナストーンを載置する載置板が設けられ、この載置板は前記燃焼室の熱により加熱されるように設けられ、この載置板には前記ストーブ本体の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられ、更に、前記ストーブ本体には前記載置板を流下した水を排水する排水部が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブ。
【請求項10】
請求項5記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体の上部にはサウナストーンを載置する載置板が設けられ、この載置板は前記燃焼室の熱により加熱されるように設けられ、この載置板には前記ストーブ本体の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられ、更に、前記ストーブ本体には前記載置板を流下した水を排水する排水部が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブ。
【請求項11】
請求項6記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体の上部にはサウナストーンを載置する載置板が設けられ、この載置板は前記燃焼室の熱により加熱されるように設けられ、この載置板には前記ストーブ本体の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられ、更に、前記ストーブ本体には前記載置板を流下した水を排水する排水部が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブ。
【請求項12】
請求項7記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体の上部にはサウナストーンを載置する載置板が設けられ、この載置板は前記燃焼室の熱により加熱されるように設けられ、この載置板には前記ストーブ本体の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられ、更に、前記ストーブ本体には前記載置板を流下した水を排水する排水部が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木質燃料ストーブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、薪や炭などの木質燃料を燃焼させる燃焼装置として特許文献1に開示されるストーブ(以下、「従来例」という。)を提案している。
【0003】
この従来例は、燃焼部を有するケース状のストーブ本体に、燃焼部で発生した排ガスを排出する排ガス排出筒(長い煙突)を設け、更に、燃焼部とガス排出筒との間に未燃焼ガスを燃焼させる触媒を配設した構成であり、排ガス中の未燃焼ガスを触媒により二次燃焼させ、排ガス排出筒から黒煙が出ることが可及的に抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来例は、例えば室内を温める暖房として使用する際には、ストーブ本体を室内に設置し、ガス排出筒の排気開口端部を室外に配した状態とするが、ストーブ本体の燃焼部における木質燃料の燃焼は、ストーブ本体を配する室内の室内空気を利用して行われ、燃焼部で発生するガスはガス排出筒を介して室外に排出されるが、多量の室内空気が燃焼部内に引き込まれて燃焼に利用される為、低温の室外空気が隙間などから室内に引き込まれ、室内が温まりにくく、また、室内の低圧化によりガス排出筒におけるガス排出力の低下(排気不良)が生じてしまう場合がある。
【0006】
本発明は、前述した問題点を鑑みてなされたものであり、従来にない非常に実用性の高い木質燃料ストーブを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
室内で使用され木質燃料60を燃焼する木質燃料ストーブであって、燃焼室2を有するストーブ本体1に、前記燃焼室2で発生した排ガスを室外に排出する排ガス排出筒3と、前記燃焼室2に室外空気を供給する室外空気供給筒4とが設けられ、更に、前記室外空気供給筒4を通過する空気を前記燃焼室2で発生する熱により加熱する空気加熱部5を有することを特徴とする木質燃料ストーブに係るものである。
【0009】
また、請求項1記載の木質燃料ストーブにおいて、前記空気加熱部5は、前記排ガス排出筒3の少なくとも一部が前記室外空気供給筒4の内部に配設され、前記排ガス排出筒3を通過する排ガスの熱により前記室外空気供給筒4を通過する空気を加熱するように構成されていることを特徴とする木質燃料ストーブに係るものである。
【0010】
また、請求項1記載の木質燃料ストーブにおいて、前記空気加熱部5は、前記排ガス排出筒3の少なくとも一部が前記室外空気供給筒4の外部に近設され、前記排ガス排出筒3を通過する排ガスの熱により前記室外空気供給筒4を通過する空気を加熱するように構成されていることを特徴とする木質燃料ストーブに係るものである。
【0011】
また、請求項1~3いずれか1項に記載の木質燃料ストーブにおいて、前記燃焼室2の排ガスが通過する部位には、前記室外空気供給筒部4から供給された室外空気を導入する未燃焼ガス燃焼用空気導入部7が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブに係るものである。
【0012】
また、請求項4記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体1は、前記燃焼室2へ室外空気を導入する第一通路部9と、この第一通路部9と別経路にして前記未燃焼ガス用空気導入部7へ室外空気を導入する第二通路部10とが設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブに係るものである。
【0013】
また、室内で使用され木質燃料60を燃焼する木質燃料ストーブであって、燃焼室2を有するストーブ本体1に、前記燃焼室2で発生した排ガスを室外に排出する排ガス排出筒3と、前記燃焼室2に室外空気を供給する室外空気供給筒4とが設けられ、前記燃焼室2の排ガスが通過する部位には、前記室外空気供給筒部4から供給された室外空気を導入する未燃焼ガス燃焼用空気導入部7が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブに係るものである。
【0014】
また、請求項6記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体1は、前記燃焼室2へ室外空気を導入する第一通路部9と、この第一通路部9と別経路にして前記未燃焼ガス用空気導入部7へ室外空気を導入する第二通路部10とが設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブに係るものである。
【0015】
また、請求項1~3いずれか1項に記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体1の上部にはサウナストーン61を載置する載置板14が設けられ、この載置板14は前記燃焼室2の熱により加熱されるように設けられ、この載置板14には前記ストーブ本体1の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられ、更に、前記ストーブ本体1には前記載置板14を流下した水を排水する排水部15が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブに係るものである。
【0016】
また、請求項4記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体1の上部にはサウナストーン61を載置する載置板14が設けられ、この載置板14は前記燃焼室2の熱により加熱されるように設けられ、この載置板14には前記ストーブ本体1の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられ、更に、前記ストーブ本体1には前記載置板14を流下した水を排水する排水部15が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブに係るものである。
【0017】
また、請求項5記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体1の上部にはサウナストーン61を載置する載置板14が設けられ、この載置板14は前記燃焼室2の熱により加熱されるように設けられ、この載置板14には前記ストーブ本体1の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられ、更に、前記ストーブ本体1には前記載置板14を流下した水を排水する排水部15が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブに係るものである。
【0018】
また、請求項6記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体1の上部にはサウナストーン61を載置する載置板14が設けられ、この載置板14は前記燃焼室2の熱により加熱されるように設けられ、この載置板14には前記ストーブ本体1の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられ、更に、前記ストーブ本体1には前記載置板14を流下した水を排水する排水部15が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブに係るものである。
【0019】
また、請求項7記載の木質燃料ストーブにおいて、前記ストーブ本体1の上部にはサウナストーン61を載置する載置板14が設けられ、この載置板14は前記燃焼室2の熱により加熱されるように設けられ、この載置板14には前記ストーブ本体1の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられ、更に、前記ストーブ本体1には前記載置板14を流下した水を排水する排水部15が設けられていることを特徴とする木質燃料ストーブに係るものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上述のように構成したから、前述した問題点が生じることは無く、室内を良好に温めることができるなど、従来にない非常に実用性の高い木質燃料ストーブとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図6】実施例1に係る要部の使用状態説明図である。
【
図7】実施例1に係る要部の使用状態説明図である。
【
図15】実施例2に係る要部の使用状態説明図である。
【
図16】実施例2に係る要部の使用状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0023】
燃焼室2で木質燃料60を燃焼させることで発生する排ガスは排ガス排出筒3を介して室外へ排出される。
【0024】
本発明は、燃焼室2における木質燃料60の燃焼は室外空気供給筒4を介して供給される室外空気を利用して行われ、前述した従来例のように多量の室内空気が燃焼室2内に引き込まれることはなく、低温の室外空気を室内へ引き込むことが防止される。従って、室内を良好に温めることができ、しかも、室内の低圧化が防止され、排ガス排出筒3におけるガス排出力の低下(排気不良)が生じることはない。
【0025】
また、本発明は、室外空気供給筒4を通過する空気を燃焼室2で発生する熱により加熱する空気加熱部5を有しており、この構成により良好な燃焼が行われる。
【0026】
即ち、仮に燃焼室2に供給される室外空気が低温の場合、燃焼効率の低下の原因となるが、この点、本発明の場合、燃焼室2には加熱された室外空気が供給されることになる為、燃焼効率の低下を可及的に防止することができる。
【実施例0027】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
<実施例1>
本実施例は、幕材や壁材などの面材51により室外と仕切られた室内で使用され、薪や炭や木質ペレットなどの木質燃料60を燃焼する木質燃料ストーブであって、燃焼室2を有するストーブ本体1に、排気開口端部3aが室外に配されることで燃焼室2で発生した排ガスを室外に排出する排ガス排出筒3と、吸気開口端部4aが室外に配されることで燃焼室2に室外空気を供給する室外空気供給筒4とが設けられたものである。尚、本実施例は、防水性の幕材(面材51)により室外と仕切られ屋外に設置されるサウナテント内(室内)において使用するサウナストーブとして構成しているが、壁材(面材51)により室外と仕切られた家屋内(室内)において使用する薪ストーブやペレットストーブとして構成しても良いなど、本実施例の特性を発揮する構成であれば適宜採用し得るものである。
【0029】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0030】
ストーブ本体1は、
図1~7に図示したように適宜な金属部材で形成された直方体形状の箱状体であって、いずれも方形板状構造から成る六面方向の壁部(正面壁部1A,背面壁部1B,左右側面壁部1C,底面壁部1D及び天面壁部1E)を有し、そのうちの底面壁部1Dの上面には燃料載置部材12(ロストル/目皿)を配設して成る燃料燃焼部2aが設けられており、このストーブ本体1の内空間は燃焼室2として構成されている。
【0031】
また、この燃焼室2の下方部位には、燃料載置部材12の下面と底面壁部1Dの上面との間に間隙が設けられることで、後述する室外空気供給筒4から供給された室外空気を通過する第一通路部9が設けられており、更に、燃料載置部材12には多数の通気孔12aが設けられ、第一通路部9を通過した室外空気を燃料燃焼部2aに導入する燃料燃焼用空気導入部6として構成されている。尚、燃料載置部材12に設けられる多数の通気孔12aのうち、ストーブ本体1の扉体26側に近い正面側領域に設けられる各通気孔12aは径が大きい寸法であり、中央領域に設けられる各通気孔12aは径が中間程度の寸法であり、背面側領域に設けられる各通気孔12aは径が小さい寸法に設けられている。
【0032】
また、ストーブ本体1には、前述したように燃焼室2の燃料燃焼部2aに室外空気供給筒4から供給された室外空気を導入する燃料燃焼用空気導入部6の他、燃料燃焼部2aよりも排ガス排出方向における下流側部位にして排ガスが通過する部位に室外空気供給筒部4から供給された室外空気を導入する未燃焼ガス燃焼用空気導入部7が設けられ、また、ストーブ本体1は、室外空気供給筒4が連設され室外空気を受け入れる空気受け入れ空間部8を有し、この空気受け入れ空間部8から燃料燃焼用空気導入部6まで室外空気の通路となる前述した第一通路部9と、この第一通路部9と別経路にして空気受け入れ空間部8から未燃焼ガス用空気導入部7まで室外空気の通路となる第二通路部10とが設けられ、更に、燃焼室2で発生する排ガスを排ガス排出筒3まで通過させる排ガス通路部19が設けられている。
【0033】
具体的には、ストーブ本体1を構成する一の側周壁部(背面壁部1B)は、
図3~6に図示したように底面壁部1Dの背面側端部に立設される板状の背面壁部材13と、この背面壁部材13の内面部に設けられる横向きケース状の第一仕切り部材16と、この第一仕切り部材16の内側(燃焼室2内方側)に間隙を介して設けられる水平横断面コ字状の第二仕切り部材17と、この第二仕切り部材17の内側(燃焼室2内方側)に隙間を介して設けられる水平横断面コ字状の第三仕切り部材18とで構成された複数の中空層を有する通気壁体である。
【0034】
この背面壁部材13及び第一仕切り部材16には、後述する排ガス排出筒3(横筒部3A)の開口端部が貫通状態に設けられ、また、背面壁部材13には、後述する室外空気供給筒4の開口端部が貫通状態に設けられるが、第一仕切り部材16には室外空気供給筒4の開口端部が貫通状態に設けられず、よって、背面壁部材13と第一仕切り部材16とから成る内空間は、室外空気供給筒4から導入される室外空気を受ける空気受け入れ空間部8として構成され、第一仕切り部材16と第二仕切り部材17とから成る内空間は、燃焼室2で発生する排ガスを排ガス排出筒3まで通過させる排ガス通路部19として構成されている。
【0035】
また、空気受け入れ空間部8の下部(第一仕切り部材16の底板部16aと第二仕切り部材17の底板部17aとを重合して構成される底部)には空気通過開口部20が設けられ、更に、この空気通過開口部20の下方部位には下方通気空間部21が設けられており、この下方通気空間部21は、空気受け入れ空間部8で受け入れた室外空気を分岐して前述した第一通路部9と後述する第二通路部10に送るように構成されている。
【0036】
また、第二仕切り部材17と第三仕切り部材18との隙間の下部開口部は、下方通気空間部21に開口して室外空気を導入する部位として構成され、第二仕切り部材17と第三仕切り部材18との隙間は第二通路部10として構成され、更に、第二仕切り部材17の上端部には第三仕切り部材18との間隙の上部開口部を閉塞する閉塞板17b設けられ、この閉塞板17bには複数の通気孔17b’が並設されて未燃焼ガス用空気導入部7が構成されている。
【0037】
この未燃焼ガス用空気導入部7は、後述する二次燃焼部を通過して流れきた排ガス(二次燃焼ガス)が通過する位置に設けられ、この排ガス(二次燃焼ガス)中の未燃焼ガスが燃焼することになり、三次燃焼部として機能する。
【0038】
また、ストーブ本体1は、前述したように背面壁部1Bに排ガス排出筒3が通気可能に設けられ、この排ガス排出筒3を介して燃焼室2(三次燃焼部)で発生した排ガス(三次燃焼ガス)を当該ストーブ本体1の外部に排出(自然排気)するように構成されている。
【0039】
この排ガス排出筒3は、
図1~6に図示したように適宜な金属製の部材で形成した円形筒状体であり、ストーブ本体1の背面壁部1Bに設けられた排ガス通路部19から水平状に突設される横筒部3Aと、この横筒部3Aの先端部に蛇腹状のコーナー筒部を介して連設され鉛直状に立設される縦筒部3B(複数本の継合筒体)とで構成されている。
【0040】
従って、燃焼室2で発生した排ガスは排ガス通路部19を通過した後、排ガス排出筒3を通過して排出開口端部3aから排出される。
【0041】
また、ストーブ本体1は、前述したように背面壁部1Bに室外空気供給筒4が通気可能に設けられ、この室外空気供給筒4を介して室外空気を燃焼室2に供給(自然吸気)するように構成されている。
【0042】
この室外空気供給筒4は、
図1~6に図示したように適宜な金属製の部材で形成した円形筒状体であり、第一筒4’と、この第一筒4’にスライド自在に嵌挿される第二筒4”とから成り、室外空気供給筒4は伸縮自在に構成されている。
【0043】
また、第一筒4’は前述した排ガス排出筒3よりも径大であり、ストーブ本体1の背面壁部1Bに設けられた空気受け入れ空間部8から水平状に突設されている。
【0044】
従って、室外空気供給筒4を通過した室外空気は、空気受け入れ空間部8へ供給され、この空気受け入れ空間部8から空気通過開口部20を介して下方通気空間部21へ送られ、更に、この下方通気空間部21で分岐して第一通路部9と第二通路部10に送られる。
【0045】
また、本実施例は、室外空気供給筒4を通過する空気を燃焼室2で発生する熱により加熱する空気加熱部5を有している。
【0046】
この空気加熱部5は、排ガス排出筒3の少なくとも一部が室外空気供給筒4の内部に配設され、排ガス排出筒3を通過する排ガスの熱(燃焼室2で発生する熱)で室外空気供給筒4を通過する空気を加熱するように構成されている。
【0047】
具体的には、
図5,6に図示したようにストーブ本体1の背面壁部1Bから突出する排ガス排出筒3の横筒部3A及びコーナー筒部は室外空気供給筒4内に配され、排ガス排出筒3の縦筒部3Bは室外空気供給筒4の周面(上面)の所定位置を貫通して該室外空気供給筒4の外部に配されている。
【0048】
従って、室外空気供給筒4を通過した室外空気は、空気受け入れ空間部8へ供給される前に、室外空気供給筒4が被嵌する排ガス排出筒3の横筒部3A(排ガスの熱を放散する部位)の周囲を通過することで加熱(熱交換)される。
【0049】
尚、空気加熱部5は、排ガス排出筒3の少なくとも一部が室外空気供給筒4の外部に近設(接触状態若しくは非接触状態で並設)されることで、排ガス排出筒3を通過する排ガスの熱で室外空気供給筒4を通過する空気を加熱する構成としても良い。
【0050】
また、本実施例は、前述した室外空気を供給する構造には、室外空気の供給量を調整する室外空気供給量調整機構が設けられている。
【0051】
具体的には、この室外空気供給量調整機構は、空気通過開口部20に操作部28の操作により可動する図示省略の閉塞部材を設けて構成されており、この閉塞部材で空気通過開口部20の開口度合いを可変して室外空気の供給量を調整することができ、また、閉塞部材で空気通過開口部20を完全に閉塞することで供給停止も可能である。尚、この閉塞部材は室外空気供給筒4に設けても良い。
【0052】
また、本実施例は、排ガス排出筒3と室外空気供給筒4との間に架設される連結部材11aと、この連結部材11aを支承する脚部材11bとから成る筒支承構造体11を有している。
【0053】
この筒支承構造体11は、
図1~8に図示したように適宜な金属製の部材で形成したものであり、連結部材11の一端部には排ガス排出筒3(縦筒部3B)の所定位置に被嵌連結する環状の第一連結部11a’が設けられ、他端部には室外空気供給筒4の所定位置に被嵌連結する環状の第二連結部11a”が設けられ、この第二連結部11a”に脚部材11bが連設されている。
【0054】
従って、ストーブ本体1の側方に突出する排ガス排出筒3及び室外空気供給筒4を支承して安定的な設置状態を確保することができる。
【0055】
尚、連結部材11と第一連結部11a’及び第二連結部11a”との連設部位、第二連結部11a”と脚部材11bとの連設部位は、ヒンジを介して折り畳み自在に枢着されており、よって、筒支承構造体11は不使用時にはコンパクトに折り畳むことができる。
【0056】
ストーブ本体1の左右側面壁部1Cは、
図2,3,7に図示したように後述する天面壁部1Eの載置板14の左右側縁から垂設する上板部22と、底面壁部1Dの左右側縁に立設され正面壁部1Aと背面壁部1Bとの下部同士間に架設される下板部23とで構成されている。
【0057】
この左右側面壁部1C(上板部22)には、室内空気供給部24が設けられている。
【0058】
室内空気供給部24は、
図3に図示したように左右側面壁部1C(上板部22)の所定位置に室内空気導入部としての通気孔22aを設け、この通気孔22aが設けられる部位の内面に空気通過路を形成する横向きケース状の空気通路形成部材24aを設けた構成であり、この空気通路形成部材24aの所定位置には燃焼室2内に開口する通気孔24a’が設けられ、この通気孔24a’から燃焼室2内に空気が導入されるように構成されている。
【0059】
この通気孔24a’から燃焼室2内に供給される空気は室内空気であり、この通気孔24a’は燃料燃焼用空気導入部6を設けた燃料燃焼部2a(一次燃焼部)と未燃焼ガス燃焼用空気導入部7を設けたガス燃焼部(三次燃焼部)との間に設けられ、燃料燃焼部2a(一次燃焼部)で発生した排ガス(一次燃焼ガス)中の未燃焼ガスを燃焼する二次燃焼部として機能する(
図6,7参照)。
【0060】
即ち、燃焼室2では、室外空気を使用した一次燃焼と、室内空気を使用した二次燃焼と、室外空気を使用した三次燃焼が行われる。
【0061】
符号1aは後述する断熱板材25の鉤状の係止部25aが係止するコ字環状の被係止部、1bは断熱板材25が左右側面壁部1C(上板部22)に当接するのを阻止して間隙を保持する間隙保持部材である。
【0062】
ストーブ本体1の上部(天面壁部1E)は、
図1,2,3,6,7に図示したように適宜な金属製の部材で形成した板状体であり、このストーブ本体1の天面壁部1Eにはサウナストーン61を載置状態で加熱する載置板14が設けられている。
【0063】
また、載置板14は、ストーブ本体1の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられており、左右方向における中央位置が頂点となる山形状に形成されている。
【0064】
また、ストーブ本体1の左右側方には載置板14を流下した水を落下排水する排水部15(載置板14の排水勾配を流れ落ちた水が左右側面壁部1Cの表面を流れ落ちる構造)が設けられている。
【0065】
従って、この載置板14の排水勾配により該載置板14で蒸気化しなかった余剰水は排水部15から排水され(左右側面壁部1Cも蒸気化に貢献する)、載置板14の過度な温度降下を抑え、熱変形による載置板14のゆがみや破損を抑えることができ、しかも、この排水勾配(折部)の形成により載置板14の強度が向上する。
【0066】
また、ストーブ本体1の側周壁部(正面壁部1A,背面壁部1B及び左右側面壁部1C)夫々の外周面には、金属製の断熱板材25(フロント,サイド及びリアのガードパネル)が隙間を介して着脱自在に設けられており、各断熱板材25の上部は載置板14(天面壁部1E)よりも上方に位置し、サウナストーン61を収納する凹部を形成している。
【0067】
符号25aはストーブ本体1の左右側面壁部1C(下板部23)の外面に設けられるコ字環状の被係止部1aに係止する鉤状の係止部、25bはフロント及びリアの断熱板材25夫々の左右側端に設けられるフック状の係止部25cが係止するスリット状の被係止部である。
【0068】
また、ストーブ本体1の正面壁部1Aには、窓部26a及びハンドル部26dを有する扉体26が開閉自在に設けられており、ハンドル部26dを握持して扉体26を開放して燃焼室2に木質燃料60を補充したり、燃焼室2のメンテナンスが行え、しかも、窓部26aを通じて燃焼室2の状況(例えば木質燃料60の燃焼状況)を確認できる。
【0069】
また、扉体26には、燃焼室2に室内空気を供給する空気供給開口部26bが設けられており、更に、室内空気の供給量を調整する空気供給量調整機構が設けられている。
【0070】
具体的には、この空気供給量調整機構は、空気供給開口部26bには操作部26cの操作により可動する図示省略の閉塞部材が設けられており、この閉塞部材で空気供給開口部26bの開口度合いを可変して室内空気の供給量を調整することができ、また、閉塞部材で空気供給開口部26bを完全に閉塞することで供給停止も可能である。
【0071】
符号27はストーブ本体1の底面壁部1Dの下面に折り畳み自在に枢着される脚体である。
【0072】
以上の構成から成る本実施例に係る木質燃料ストーブの使用(サウナテントでの使用)について説明する。
【0073】
図8に図示したようにテント内(室内)にストーブ本体1を配し、排ガス排出筒3の排気開口端部3a及び室外空気供給筒4の吸気開口端部4aをテント外(室外)に配する。
【0074】
この状態で燃料燃焼部2a(燃料載置部材12)の木質燃料60を点火すると、燃焼開始時に燃焼室2の空気を使用して燃焼が行われた後、自然吸気作用により室外空気供給筒4から供給される室外空気を使用して燃焼が行われると共に、燃焼室2で木質燃料60を燃焼させると排ガスが発生し、この排ガスは自然排気作用により排ガス排出筒3を介して室外へ排出される。
【0075】
具体的には、室外空気供給筒4を通過した室外空気は、空気加熱部5において加熱された後、空気受け入れ空間部8へ送られ、この空気受け入れ空間部8から空気通過開口部20を介して下方通気空間部21へ送られ、更に、この下方通気空間部21で分岐して第一通路部9と第二通路部10に送られ、第一通路部9を通過した室外空気は、燃料燃焼用空気導入部6から燃焼室2(燃料燃焼部2a)に導入されて燃焼(一次燃焼)に使用され、第二通路部10を通過した室外空気は、未燃焼ガス燃焼用空気導入部7から燃焼室2に導入されて排ガス中の未燃焼ガスの燃焼(三次燃焼)に使用される。この際、一次燃焼で発生する排ガスは、排ガス排出筒3に流れる途中、室内空気供給部24から室内空気が供給されることで未燃焼ガスが燃焼(二次燃焼)し、この二次燃焼により発生した排ガスは未燃焼ガス燃焼用空気導入部7から供給される室外空気により未燃焼ガスが燃焼(三次燃焼)する。
【0076】
この三次燃焼した排ガスは、排ガス通路部19を通過して排ガス排出筒3の横筒部3Aに送られて通過し、縦筒部3Bの排気開口端部3aから室外に排出される。この際、排ガス排出筒4の一部が室外空気供給筒4の内部に配設されることで構成される空気加熱部5において、室外空気供給筒4を通過した室外空気は加熱される。
【0077】
上記燃焼室2での燃焼により載置板14は高温となり、この載置板14に載置されるサウナストーン61は加熱され、このサウナストーン61に水をかけると水蒸気が発生する。この際、載置板14で蒸気化しなかった余剰水は排水部15から排水される。
【0078】
本実施例は上述のように構成したから、燃焼室2における木質燃料60の燃焼は室外から供給される室外空気を利用して行われることになり、前述した従来例のように多量の室内空気が燃焼室2内に引き込まれることなく、低温の室外空気を室内へ引き込むことが防止される為、室内を良好に温めることができ、しかも、室内の低圧化が防止される為、排ガス排出筒3におけるガス排出力の低下(排気不良)が生じることはない。特にクリーンで高温の室内環境が要求されるサウナテントで使用されるサウナストーブに適した構造と言える。
【0079】
また、本実施例は、室外空気供給筒4を通過する空気を燃焼室2で発生する熱により加熱する空気加熱部5を有しており、燃焼室2には加熱された室外空気が供給されることになる為、燃焼効率の低下を可及的に防止することができる。
【0080】
また、本実施例は、空気加熱部5は、排ガス排出筒3の少なくとも一部が室外空気供給筒4の内部に配設され、排ガス排出筒3を通過する排ガスの熱により室外空気供給筒4を通過する空気を加熱するように構成されているから、室外空気供給筒4を通過する空気を確実且つ良好に加熱することができる。
【0081】
また、本実施例は、燃焼室2の排ガスが通過する部位には、室外空気供給筒部4から供給された室外空気を導入する未燃焼ガス燃焼用空気導入部7が設けられているから、室外空気を使った良好な燃焼(木質燃料60から多くの熱を得る燃焼)が行われ、室外への排気をクリーンにすることができる。
【0082】
また、本実施例は、ストーブ本体1は、燃焼室2へ室外空気を導入する第一通路部9と、この第一通路部9と別経路にして未燃焼ガス用空気導入部7へ室外空気を導入する第二通路部10とが設けられているから、前述した作用効果を確実に奏することになる。
【0083】
また、本実施例は、ストーブ本体1の上部にはサウナストーン61を載置する載置板14が設けられ、この載置板14は燃焼室2の熱により加熱されるように設けられ、この載置板14にはストーブ本体1の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられ、更に、ストーブ本体1には前記載置板14を流下した水を排水する排水部15が設けられているから、載置板14の過度な温度降下を抑え、熱変形による載置板14のゆがみや破損を抑えることができる。
【0084】
<実施例2>
本実施例は、幕材や壁材などの面材51により室外と仕切られた室内で使用され、薪や炭や木質ペレットなどの木質燃料60を燃焼する木質燃料ストーブであって、燃焼室2を有するストーブ本体1に、排気開口端部3aが室外に配されることで燃焼室2で発生した排ガスを室外に排出する排ガス排出筒3と、吸気開口端部4aが室内にして面材51の内側近傍位置(後述する側周壁部51Bに設けられる通気孔部53の近傍位置)に配されることで燃焼室2に室外空気(及び室内空気)を供給する室外空気供給筒4とが設けられたものである。
【0085】
尚、本実施例は、後述するように防水性の幕材(面材51)により室外と仕切られ屋外に設置されるサウナテントT内(室内)において使用するサウナストーブとして構成しているが、壁材(面材51)により室外と仕切られた家屋内(室内)において使用する薪ストーブやペレットストーブとして構成しても良いなど、本実施例の特性を発揮する構成であれば適宜採用し得るものである。
【0086】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0087】
ストーブ本体1は、
図9~16に図示したように適宜な金属部材で形成された直方体形状の箱状体であって、いずれも方形板状構造から成る六面方向の壁部(正面壁部1A,背面壁部1B,左右側面壁部1C,底面壁部1D及び天面壁部1E)を有し、そのうちの底面壁部1Dの上面には燃料載置部材12(ロストル/目皿)を配設して成る燃料燃焼部2aが設けられており、このストーブ本体1の内空間は燃焼室2として構成されている。
【0088】
また、この燃焼室2の下方部位には、燃料載置部材12の下面と底面壁部1Dの上面との間に間隙が設けられることで、後述する室外空気供給筒4から供給された室外空気を通過する第一通路部9が設けられており、更に、燃料載置部材12には多数の通気孔12aが設けられ、第一通路部9を通過した室外空気を燃料燃焼部2aに導入する燃料燃焼用空気導入部6として構成されている。尚、燃料載置部材12に設けられる多数の通気孔12aのうち、ストーブ本体1の扉体26側に近い正面側領域に設けられる各通気孔12aは径が大きい寸法であり、中央領域に設けられる各通気孔12aは径が中間程度の寸法であり、背面側領域に設けられる各通気孔12aは径が小さい寸法に設けられている。
【0089】
また、ストーブ本体1には、前述したように燃焼室2の燃料燃焼部2aに室外空気供給筒4から供給された室外空気を導入する燃料燃焼用空気導入部6の他、燃料燃焼部2aよりも排ガス排出方向における下流側部位にして排ガスが通過する部位に室内空気を導入する未燃焼ガス燃焼用空気導入部7が設けられ、また、ストーブ本体1は、室外空気供給筒4が連設され室外空気を受け入れる空気受け入れ空間部8を有し、この空気受け入れ空間部8から燃料燃焼用空気導入部6まで室外空気の通路となる前述した第一通路部9と、この第一通路部9と別経路にしてストーブ本体1の底面壁部1Dから未燃焼ガス用空気導入部7まで室内空気の通路となる第二通路部10とが設けられ、更に、燃焼室2で発生する排ガスを排ガス排出筒3まで通過させる排ガス通路部19が設けられている。
【0090】
具体的には、ストーブ本体1を構成する一の側周壁部(背面壁部1B)は、
図11~16に図示したように底面壁部1Dの背面側端部に立設される板状の背面壁部材13と、この背面壁部材13の内面部に設けられる横向きケース状の第一仕切り部材16と、この第一仕切り部材16の内側(燃焼室2内方側)に間隙を介して設けられる水平横断面コ字状の第二仕切り部材17と、この第二仕切り部材17の内側(燃焼室2内方側)に隙間を介して設けられる水平横断面コ字状の第三仕切り部材18とで構成された複数の中空層を有する通気壁体である。
【0091】
この背面壁部材13及び第一仕切り部材16には、後述する排ガス排出筒3(横筒部3A)の開口端部が貫通状態に設けられ、また、背面壁部材13には、後述する室外空気供給筒4の開口端部が貫通状態に設けられるが、第一仕切り部材16には室外空気供給筒4の開口端部が貫通状態に設けられず、よって、背面壁部材13と第一仕切り部材16とから成る内空間は、室外空気供給筒4から導入される室外空気を受ける空気受け入れ空間部8として構成され、第一仕切り部材16と第二仕切り部材17とから成る内空間は、燃焼室2で発生する排ガスを排ガス排出筒3まで通過させる排ガス通路部19として構成されている。
【0092】
また、空気受け入れ空間部8の下部(第一仕切り部材16の底板部16aと第二仕切り部材17の底板部17aとを重合して構成される底部)には空気通過開口部20が設けられ、更に、この空気通過開口部20の下方部位には下方通気空間部21が設けられており、この下方通気空間部21は、空気受け入れ空間部8で受け入れた室外空気を前述した第一通路部9に送るように構成されている。
【0093】
また、第二仕切り部材17と第三仕切り部材18との隙間の下部開口部は、下方通気空間部21とは連通せず、ストーブ本体1の底面壁部1Dに設けられた開口部7aから室内空気を導入する部位として構成され、第二仕切り部材17と第三仕切り部材18との隙間は第二通路部10として構成され、更に、第二仕切り部材17の上端部には第三仕切り部材18との間隙の上部開口部を閉塞する閉塞板17b設けられ、この第二仕切り部材17の上部には複数の通気孔17b’が並設されて室内空気を供給する未燃焼ガス用空気導入部7が構成されている。
【0094】
この未燃焼ガス用空気導入部7は、後述する二次燃焼部を通過して流れきた排ガス(二次燃焼ガス)が通過する位置に設けられ、この排ガス(二次燃焼ガス)中の未燃焼ガスが燃焼することになり、三次燃焼部として機能する。
【0095】
また、ストーブ本体1は、前述したように背面壁部1Bに排ガス排出筒3が通気可能に設けられ、この排ガス排出筒3を介して燃焼室2(三次燃焼部)で発生した排ガス(三次燃焼ガス)を当該ストーブ本体1の外部に排出(自然排気)するように構成されている。
【0096】
この排ガス排出筒3は、
図9~16に図示したように適宜な金属製の部材で形成した円形筒状体であり、ストーブ本体1の背面壁部1Bに設けられた排ガス通路部19から水平状に突設される横筒部3Aと、この横筒部3Aの先端部に蛇腹状のコーナー筒部を介して連設され鉛直状に立設される縦筒部3B(複数本の継合筒体)とで構成されている。
【0097】
従って、燃焼室2で発生した排ガスは排ガス通路部19を通過した後、排ガス排出筒3を通過して排出開口端部3aから排出される。
【0098】
また、ストーブ本体1は、前述したように背面壁部1Bに室外空気供給筒4が通気可能に設けられ、この室外空気供給筒4を介して室外空気(及び室内空気)を燃焼室2に供給(自然吸気)するように構成されている。
【0099】
この室外空気供給筒4は、
図9~15に図示したように適宜な金属製の部材で形成した所定長さを有する円形筒状体である。
【0100】
また、室外空気供給筒4は前述した排ガス排出筒3よりも径大であり、ストーブ本体1の背面壁部1Bに設けられた空気受け入れ空間部8から水平状に突設されている。
【0101】
従って、室外空気供給筒4を通過した室外空気(及び室内空気)は、空気受け入れ空間部8へ供給され、この空気受け入れ空間部8から空気通過開口部20を介して下方通気空間部21へ送られ、更に、この下方通気空間部21から第一通路部9に送られる。
【0102】
また、本実施例は、室外空気供給筒4を通過する空気を燃焼室2で発生する熱により加熱する空気加熱部5を有している。
【0103】
この空気加熱部5は、排ガス排出筒3の少なくとも一部が室外空気供給筒4の内部に配設され、排ガス排出筒3を通過する排ガスの熱(燃焼室2で発生する熱)で室外空気供給筒4を通過する空気を加熱するように構成されている。
【0104】
具体的には、
図13,15に図示したようにストーブ本体1の背面壁部1Bから突出する排ガス排出筒3の横筒部3A及びコーナー筒部は室外空気供給筒4内に配され、排ガス排出筒3の縦筒部3Bは室外空気供給筒4の周面(上面)の所定位置を貫通して該室外空気供給筒4の外部に配されている。
【0105】
従って、室外空気供給筒4を通過した室外空気は、空気受け入れ空間部8へ供給される前に、室外空気供給筒4が被嵌する排ガス排出筒3の横筒部3A(排ガスの熱を放散する部位)の周囲を通過することで加熱(熱交換)される。
【0106】
尚、空気加熱部5は、排ガス排出筒3の少なくとも一部が室外空気供給筒4の外部に近設(接触状態若しくは非接触状態で並設)されることで、排ガス排出筒3を通過する排ガスの熱で室外空気供給筒4を通過する空気を加熱する構成としても良い。
【0107】
また、本実施例は、前述した室外空気を供給する構造には、空気の供給量を調整する空気供給量調整機構が設けられている。
【0108】
具体的には、この空気供給量調整機構は、空気通過開口部20に操作部28の操作によりスライド可動する操作杆29の先端部に閉塞部材30を設けて構成されており、この閉塞部材30で空気通過開口部20の開口度合いを可変して室外空気の供給量を調整することができ、また、閉塞部材30で空気通過開口部20を完全に閉塞することで供給停止も可能である。尚、この閉塞部材30は室外空気供給筒4に設けても良い。
【0109】
また、本実施例は、排ガス排出筒3と室外空気供給筒4との間に架設される連結部材11aと、この連結部材11aを支承する脚部材11bとから成る筒支承構造体11を有している。
【0110】
この筒支承構造体11は、
図9~18に図示したように適宜な金属製の部材で形成したものであり、連結部材11の一端部には排ガス排出筒3(縦筒部3B)の所定位置に被嵌連結する環状の第一連結部11a’が設けられ、他端部には室外空気供給筒4の所定位置に被嵌連結する環状の第二連結部11a”が設けられ、この第二連結部11a”に脚部材11bが連設されている。
【0111】
従って、ストーブ本体1の側方に突出する排ガス排出筒3及び室外空気供給筒4を支承して安定的な設置状態を確保することができる。
【0112】
尚、連結部材11と第一連結部11a’及び第二連結部11a”との連設部位、第二連結部11a”と脚部材11bとの連設部位は、ヒンジを介して折り畳み自在に枢着されており、よって、筒支承構造体11は不使用時にはコンパクトに折り畳むことができる。
【0113】
ストーブ本体1の左右側面壁部1Cは、
図10,11,16に図示したように後述する天面壁部1Eの載置板14の左右側縁から垂設する上板部22と、底面壁部1Dの左右側縁に立設され正面壁部1Aと背面壁部1Bとの下部同士間に架設される下板部23とで構成されている。
【0114】
この左右側面壁部1C(上板部22)には、室内空気供給部24が設けられている。
【0115】
室内空気供給部24は、
図11に図示したように左右側面壁部1C(上板部22)の所定位置に室内空気導入部としての通気孔22aを設け、この通気孔22aが設けられる部位の内面に空気通過路を形成する横向きケース状の空気通路形成部材24aを設けた構成であり、この空気通路形成部材24aの所定位置には燃焼室2内に開口する通気孔24a’が設けられ、この通気孔24a’から燃焼室2内に空気が導入されるように構成されている。
【0116】
この通気孔24a’から燃焼室2内に供給される空気は室内空気であり、この通気孔24a’は燃料燃焼用空気導入部6を設けた燃料燃焼部2a(一次燃焼部)と未燃焼ガス燃焼用空気導入部7を設けたガス燃焼部(三次燃焼部)との間に設けられ、燃料燃焼部2a(一次燃焼部)で発生した排ガス(一次燃焼ガス)中の未燃焼ガスを燃焼する二次燃焼部として機能する(
図15,16参照)。
【0117】
即ち、燃焼室2では、室外空気(及び室内空気)を使用した一次燃焼と、室内空気を使用した二次燃焼と、室外空気を使用した三次燃焼が行われる。
【0118】
符号1aは後述する断熱板材25の鉤状の係止部25aが係止するコ字環状の被係止部、1bは断熱板材25が左右側面壁部1C(上板部22)に当接するのを阻止して間隙を保持する間隙保持部材である。
【0119】
ストーブ本体1の上部(天面壁部1E)は、
図9,10,11,15,16に図示したように適宜な金属製の部材で形成した板状体であり、このストーブ本体1の天面壁部1Eにはサウナストーン61を載置状態で加熱する載置板14が設けられている。
【0120】
また、載置板14は、ストーブ本体1の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられており、左右方向における中央位置が頂点となる山形状に形成されている。
【0121】
また、ストーブ本体1の左右側方には載置板14を流下した水を落下排水する排水部15(載置板14の排水勾配を流れ落ちた水が左右側面壁部1Cの表面を流れ落ちる構造)が設けられている。
【0122】
従って、この載置板14の排水勾配により該載置板14で蒸気化しなかった余剰水は排水部15から排水され(左右側面壁部1Cも蒸気化に貢献する)、載置板14の過度な温度降下を抑え、熱変形による載置板14のゆがみや破損を抑えることができ、しかも、この排水勾配(折部)の形成により載置板14の強度が向上する。
【0123】
また、ストーブ本体1の側周壁部(正面壁部1A,背面壁部1B及び左右側面壁部1C)夫々の外周面には、金属製の断熱板材25(フロント,サイド及びリアのガードパネル)が隙間を介して着脱自在に設けられており、各断熱板材25の上部は載置板14(天面壁部1E)よりも上方に位置し、サウナストーン61を収納する凹部を形成している。
【0124】
符号25aはストーブ本体1の左右側面壁部1C(下板部23)の外面に設けられるコ字環状の被係止部1aに係止する鉤状の係止部、25bはフロント及びリアの断熱板材25夫々の左右側端に設けられるフック状の係止部25cが係止するスリット状の被係止部である。
【0125】
また、ストーブ本体1の正面壁部1Aには、窓部26a及びハンドル部26dを有する扉体26が開閉自在に設けられており、ハンドル部26dを握持して扉体26を開放して燃焼室2に木質燃料60を補充したり、燃焼室2のメンテナンスが行え、しかも、窓部26aを通じて燃焼室2の状況(例えば木質燃料60の燃焼状況)を確認できる。
【0126】
また、扉体26には、燃焼室2に室内空気を供給する空気供給開口部26bが設けられており、更に、室内空気の供給量を調整する空気供給量調整機構が設けられている。
【0127】
具体的には、この空気供給量調整機構は、空気供給開口部26bには操作部26cの操作により可動する図示省略の閉塞部材が設けられており、この閉塞部材で空気供給開口部26bの開口度合いを可変して室内空気の供給量を調整することができ、また、閉塞部材で空気供給開口部26bを完全に閉塞することで供給停止も可能である。
【0128】
符号27はストーブ本体1の底面壁部1Dの下面に折り畳み自在に枢着される脚体である。
【0129】
本実施例では、前述した構成の木質燃料ストーブを使用する専用のテントT(サウナテント)を設けている。
【0130】
このテントは、
図17,18に図示したように適宜な素材から成る面材51(膜体)と、この面材51を張設する金属製の骨組み構造体(図示省略)とから成り、天壁部51Aとこの天壁部51Aに連設する側周壁部51Bとで覆われストーブ本体1を配設する室内空間Sを有するものである。
【0131】
また、天壁部51Aの所定位置には、ストーブ本体1から上方へ向けて鉛直状に突設された排ガス排出筒3を貫通する貫通孔部52が設けられ、側周壁部51Bの所定高さ位置には、ストーブ本体1から側方へ向けて水平状に突設された室外空気供給筒4の吸気開口端部4aが対設する通気孔部53が設けられており、排ガス排出筒3が貫通孔部52に貫通する状態においてストーブ本体1を室内空間Sに配設状態とした場合に、室外空気供給筒4の吸気開口端部4aが通気孔部53に触れない間隔(通気孔部53を介した室外空気に加えテントT内の室内空気も吸引し得る適宜な間隔)を介した内側対向位置に配されるように貫通孔部52の形成位置(及び室外空気供給筒4におけるストーブ本体1からの突出長さ)が設定されている。
【0132】
また、通気孔部53には、複数の通気孔を有する金属製の通気板53a(ガラリ)が設けられている。
【0133】
以上の構成から成る本実施例に係る木質燃料ストーブの使用(サウナテントTでの使用)について説明する。
【0134】
図17,18に図示したようにテントT内(室内空間S)にストーブ本体1を配し、排ガス排出筒3を貫通孔部52に貫通させて排気開口端部3aをテントTの外側(室外)に配した状態とすると、室外空気供給筒4の吸気開口端部4aはテントTの内側(室内)にして通気孔部53に触れない間隔を介した内側対向位置に配される。
【0135】
この状態で燃料燃焼部2a(燃料載置部材12)の木質燃料60を点火すると、燃焼開始時に燃焼室2の空気を使用して燃焼が行われた後、自然吸気作用により室外空気供給筒4から供給される室外空気(及び室内空気)を使用して燃焼が行われると共に、燃焼室2で木質燃料60を燃焼させると排ガスが発生し、この排ガスは自然排気作用により排ガス排出筒3を介して室外へ排出される。
【0136】
具体的には、室外空気供給筒4を通過した空気は、空気加熱部5において加熱された後、空気受け入れ空間部8へ送られ、この空気受け入れ空間部8から空気通過開口部20を介して下方通気空間部21へ送られ、更に、この下方通気空間部21から第一通路部9に送られ、第一通路部9を通過した空気は、燃料燃焼用空気導入部6から燃焼室2(燃料燃焼部2a)に導入されて燃焼(一次燃焼)に使用され、ストーブ本体1の下部(開口部7a)から第二通路部10を通過した室内空気は、未燃焼ガス燃焼用空気導入部7から燃焼室2に導入されて排ガス中の未燃焼ガスの燃焼(三次燃焼)に使用される。この際、一次燃焼で発生する排ガスは、排ガス排出筒3に流れる途中、室内空気供給部24から室内空気が供給されることで未燃焼ガスが燃焼(二次燃焼)し、この二次燃焼により発生した排ガスは未燃焼ガス燃焼用空気導入部7から供給される空気により未燃焼ガスが燃焼(三次燃焼)する。
【0137】
この三次燃焼した排ガスは、排ガス通路部19を通過して排ガス排出筒3の横筒部3Aに送られて通過し、縦筒部3Bの排気開口端部3aから室外に排出される。この際、排ガス排出筒4の一部が室外空気供給筒4の内部に配設されることで構成される空気加熱部5において、室外空気供給筒4を通過した室外空気は加熱される。
【0138】
上記燃焼室2での燃焼により載置板14は高温となり、この載置板14に載置されるサウナストーン61は加熱され、このサウナストーン61に水をかけると水蒸気が発生する。この際、載置板14で蒸気化しなかった余剰水は排水部15から排水される。
【0139】
本実施例は上述のように構成したから、燃焼室2における木質燃料60の燃焼は室外から供給される室外空気も利用して行われることになり、前述した従来例のように多量の室内空気が燃焼室2内に引き込まれることなく、低温の室外空気を室内へ引き込むことが防止される為、室内を良好に温めることができ、しかも、室内の低圧化が防止される為、排ガス排出筒3におけるガス排出力の低下(排気不良)が生じることはない。特にクリーンで高温の室内環境が要求されるサウナテントTで使用されるサウナストーブに適した構造と言える。
【0140】
また、本実施例は、室外空気供給筒4を通過する空気を燃焼室2で発生する熱により加熱する空気加熱部5を有しており、燃焼室2には加熱された空気が供給されることになる為、燃焼効率の低下を可及的に防止することができる。
【0141】
また、本実施例は、空気加熱部5は、排ガス排出筒3の少なくとも一部が室外空気供給筒4の内部に配設され、排ガス排出筒3を通過する排ガスの熱により室外空気供給筒4を通過する空気を加熱するように構成されているから、室外空気供給筒4を通過する空気を確実且つ良好に加熱することができる。
【0142】
また、本実施例は、燃焼室2の排ガスが通過する部位には、ストーブ本体1の下部から供給された空気を導入する未燃焼ガス燃焼用空気導入部7が設けられているから、空気を使った良好な燃焼(木質燃料60から多くの熱を得る燃焼)が行われ、室外への排気をクリーンにすることができる。
【0143】
即ち、メインとなる一次燃焼用空気の大部分を室外から、一部分を室内から供給する構造であり、吸気空気の大部分を室外から供給することで燃焼時に発生する冷えた室外空気の室内への流入ある程度抑制し室内温度低下を抑え室内を加温する。また、一部室内空気を使用することで室内の換気を生み出し、木質燃料60の追加時等の扉体26を開いた際や燃焼不具合時に発生し得る室内に漏れ出す一酸化炭素や二酸化炭素といった人体に悪影響を及ぼす可能性のある気体を室外に排出できる。また、ストーブ吸気経路に排気管を設けることで吸気温度を上昇させ、燃焼部に燃焼空気が到達した際の燃焼部温度低下を抑え、燃焼反応をより起こし易くする。また、ストーブ本体1に複数の火炎発生個所を設け、効率の良い燃焼を行い燃焼ガスが未燃状態で排気されることを防ぎ、木質燃料60から熱を多く得、尚且つ排気をクリーンにすることができる。
【0144】
また、本実施例は、ストーブ本体1の上部にはサウナストーン61を載置する載置板14が設けられ、この載置板14は燃焼室2の熱により加熱されるように設けられ、この載置板14にはストーブ本体1の側方へ向けて下り傾斜する排水勾配が設けられ、更に、ストーブ本体1には前記載置板14を流下した水を排水する排水部15が設けられているから、載置板14の過度な温度降下を抑え、熱変形による載置板14のゆがみや破損を抑えることができる。
【0145】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。