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特開2024-66978フォーカスを制御するオーバーレイ計測装置と方法、及びこのためのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066978
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】フォーカスを制御するオーバーレイ計測装置と方法、及びこのためのプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
H01L21/66 J
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108409
(22)【出願日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】10-2022-0144235
(32)【優先日】2022-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523164931
【氏名又は名称】アウロス テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】カン ジ-フン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒュン-テ
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA39
4M106CA50
4M106DB04
4M106DB07
4M106DB08
4M106DB12
4M106DB13
4M106DB14
4M106DB15
4M106DB16
4M106DB20
4M106DJ04
4M106DJ19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウエハに対する計測時間を短縮するため、フォーカスを制御するオーバーレイ計測装置、オーバーレイ計測装置のフォーカスを制御する方法、及びそのためのプログラムを提供する。
【解決手段】対物レンズ120、メモリ180、対物レンズ120を動作させて、ステージ190上に置かれたウエハ140との距離を調節するレンズフォーカスアクチュエータ125及びメモリ180とレンズフォーカスアクチュエータ125の動作を制御するプロセッサ170を含むオーバーレイ計測装置100であって、プロセッサ170は、ウエハ140の各サイト別に第1高さ値を獲得し、獲得した第1高さ値を当該サイトとマッチングして貯蔵し、ウエハ140の各サイトに対する初期計測が始まる場合、当該サイトの貯蔵された第1高さ値に基づいて、レンズフォーカスアクチュエータ125を制御して、対物レンズ120のZ軸移動を制御することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカスを制御するオーバーレイ計測装置において、
対物レンズ;
メモリ;
前記対物レンズを動作させて、ウエハとの距離を調節するレンズフォーカスアクチュエータ;及び、
前記メモリ及び前記レンズフォーカスアクチュエータの動作を制御するプロセッサを含み、
前記プロセッサは、
前記ウエハの各サイト別に第1高さ値を獲得し、
前記獲得された第1高さ値を当該サイトとマッチングして貯蔵し、
ウエハの各サイトに対する初期計測が始まる場合、当該サイトの貯蔵された第1高さ値に基づいて、前記レンズフォーカスアクチュエータを制御して、前記対物レンズのZ軸移動を制御するように設定された、
オーバーレイ計測装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記ウエハが置かれたステージのXY軸移動と、前記対物レンズのZ軸移動を同時に制御するように設定された、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記対物レンズのZ軸移動が完了した状態で、前記ウエハに対する第2高さ値を獲得し、
前記第1高さ値と前記第2高さ値との差をモデリングして、次のサイトの高さ値を予測し、
前記予測された高さ値に基づいて、前記次のサイトにおける前記対物レンズのZ軸移動を制御するように設定された、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記ウエハの現在のサイトで獲得した高さ値を前記メモリに貯蔵し、
前記現在のサイトで獲得した高さ値を次のサイトに適用して、前記対物レンズのZ軸移動を制御するように設定された、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記ステージのXY軸移動時点に、前記対物レンズの焦点距離を調節するように設定された、
請求項2に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記ウエハに構成された複数のフィールドのそれぞれに含まれる複数のサイトのそれぞれに対して、現在のサイトで獲得した高さ値を次のサイトに適用して、前記対物レンズのZ軸移動を制御するように設定された、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項7】
前記第1高さ値及び前記第2高さ値は、それぞれ当該サイトにおける焦点位置の変化による位相差に基づいて計算される、
請求項3に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項8】
オーバーレイ計測装置のフォーカスを制御する方法において、
ウエハの各サイト別に第1高さ値を獲得する過程;
前記獲得された第1高さ値を当該サイトとマッチングして貯蔵する過程;及び、
ウエハの各サイトに対する初期計測が始まる場合、当該サイトの貯蔵された第1高さ値に基づいて、対物レンズのZ軸移動を制御する過程を含む、
方法。
【請求項9】
前記対物レンズのZ軸移動を制御する過程は、
前記ウエハが置かれたステージのXY軸移動を同時に制御する過程を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記対物レンズのZ軸移動が完了した状態で、前記ウエハに対する第2高さ値を獲得する過程;
前記第1高さ値と前記第2高さ値との差をモデリングして、次のサイトの高さ値を予測する過程;及び、
前記予測された高さ値に基づいて、前記次のサイトにおける前記対物レンズのZ軸移動を制御する過程をさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、
前記ウエハの現在のサイトで獲得した高さ値をメモリに貯蔵する過程;及び、
前記現在のサイトで獲得した高さ値を次のサイトに適用して、前記対物レンズのZ軸移動を制御する過程をさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
前記ウエハに構成された複数のフィールドのそれぞれに含まれる複数のサイトのそれぞれに対して、現在のサイトで獲得した高さ値を次のサイトに適用して、前記対物レンズのZ軸移動を制御する過程をさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
オーバーレイ計測装置のフォーカスを制御する命令語等を貯蔵するプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な貯蔵媒体において、
前記プログラムは、
ウエハの各サイト別に第1高さ値を獲得する命令語等;
前記獲得された第1高さ値を当該サイトとマッチングして貯蔵する命令語等;及び、
ウエハの各サイトに対する初期計測が始まる場合、当該サイトの貯蔵された第1高さ値に基づいて、対物レンズのZ軸移動を制御する命令語等を含む、
コンピュータ読み取り可能な貯蔵媒体。
【請求項14】
前記プログラムは、
前記ウエハが置かれたステージのXY軸移動と、前記対物レンズのZ軸移動を同時に制御する命令語等を含む、
請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な貯蔵媒体。
【請求項15】
前記プログラムは、
前記対物レンズのZ軸移動が完了した状態で、前記ウエハに対する第2高さ値を獲得する命令語等;
前記第1高さ値と前記第2高さ値との差をモデリングして、次のサイトの高さ値を予測する命令語等;及び、
前記予測された高さ値に基づいて、前記次のサイトにおける前記対物レンズのZ軸移動を制御する命令語等を含む、
請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な貯蔵媒体。
【請求項16】
前記プログラムは、
前記ウエハの現在のサイトで獲得した高さ値をメモリに貯蔵する命令語等;及び、
前記現在のサイトで獲得した高さ値を次のサイトに適用して、前記対物レンズのZ軸移動を制御する命令語等を含む、
請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な貯蔵媒体。
【請求項17】
前記プログラムは、
前記ウエハに構成された複数のフィールドのそれぞれに含まれる複数のサイトのそれぞれに対して、現在のサイトで獲得した高さ値を次のサイトに適用して、前記対物レンズのZ軸移動を制御する命令語等を含む、
請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な貯蔵媒体。
【請求項18】
フォーカスを制御するオーバーレイ計測装置において、
対物レンズ;
メモリ;
前記対物レンズを動作させて、ウエハとの距離を調節するレンズフォーカスアクチュエータ;及び、
前記メモリ及び前記レンズフォーカスアクチュエータの動作を制御するプロセッサを含み、
前記プロセッサは、
第1ウエハに対する第1位置情報を獲得し、
前記獲得された第1位置情報を前記メモリに貯蔵し、
前記第1ウエハの後、第2ウエハに対する初期計測が始まる場合、前記貯蔵された第1位置情報に基づいて、前記レンズフォーカスアクチュエータを制御して、前記対物レンズのZ軸移動を制御するように設定された、
オーバーレイ計測装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、
前記第2ウエハが置かれたステージのXY軸移動を同時に制御するように設定された、
請求項18に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、
前記対物レンズのZ軸移動が完了した状態で、前記第2ウエハに対する第2位置情報を獲得し、
前記第1位置情報の第1高さ値と、前記第2位置情報の第2高さ値との差をモデリングして、前記第2ウエハの後、第3ウエハの第3高さ値を予測し、
前記予測された第3高さ値に基づいて、前記第3ウエハにおける前記対物レンズのZ軸移動を制御するように設定された、
請求項18に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項21】
前記第1高さ値及び前記第2高さ値は、それぞれサイトにおける焦点位置の変化による位相差に基づいて計算される、
請求項20に記載のオーバーレイ計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーカスを制御するオーバーレイ計測装置と方法、及びこのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、技術の発展に伴い、ウエハの特性を計測する半導体ウエハのサイズは小さくなり、計測装置の集積回路の密度は増加している。集積回路をウエハに形成するためには、特定の位置における所望の回路の構造及び要素らが順次形成されるように、複数の製造過程を経らなければならない。これら製造過程は、ウエハ上にパターン化した層を順次生成するようにする。
【0003】
このように繰り返される積層工程らによって、集積回路内に電気的に活性化したパターンが生成される。このとき、各々の構造は、生産工程で許容する誤差範囲内に整列されていないと、電気的に活性化したパターンの間に干渉が起こり、この現象によって、製造された回路の性能及び信頼性に問題が生じ得る。これら層間の整列誤差を測定及び検証するために、オーバーレイ測定ツールが使用される。
【0004】
一般的なオーバーレイ計測及び方法らは、2つの層間の整列が許容誤差内にあるか、測定及び検証を行う。そのうち、1つの方法は、基板上で特定の位置にオーバーレイマークと呼ばれる構造物を形成し、この構造物を光学的なイメージ獲得装備で撮影して、オーバーレイを測定することである。
【0005】
これら測定のため従来は、ステージをXY軸(すなわち、X軸Y軸)方向に移動させた後、対物レンズをZ軸方向に移動させる。
【0006】
ところが、これら従来の方法は、測定しようとするサイトの位置にステージを XY軸移動した後、AF(Auto Focus)システムによって計測された高さに合わせて、対物レンズをZ軸方向に調節するため、ウエハに対する計測時間(例:MAM(Move Acquire Measure)Time)が増加し、これによって、作業性能が落ちるという問題点があった。
【0007】
よって、ウエハの各サイト別に高さを予め予測して、ステージの移動と対物レンズの移動を同時に行うことにより、ウエハに対する計測時間を短縮する必要性が提起されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって、本発明は、フォーカスを制御するオーバーレイ計測装置と方法、及びこのためのプログラムを提供することである。
【0009】
また、本発明は、ステージの移動と対物レンズの移動を同時に行うオーバーレイ計測装置と方法、及びこのためのプログラムを提供することである。
【0010】
本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達するために、本発明の一実施形態によるフォーカスを制御するオーバーレイ計測装置において、対物レンズ;メモリ;前記対物レンズを動作させて、ウエハとの距離を調節するレンズフォーカスアクチュエータ;及び前記メモリ及び前記レンズフォーカスアクチュエータの動作を制御するプロセッサを含み、前記プロセッサは、前記ウエハの各サイト別に第1高さ値を獲得し、前記獲得された第1高さ値を当該サイトとマッチングして貯蔵し、ウエハの各サイトに対する初期計測が始まる場合、当該サイトの貯蔵された第1高さ値に基づいて、前記レンズフォーカスアクチュエータを制御して、前記対物レンズのZ軸移動を制御することができる。
【0012】
また、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置のフォーカスを制御する方法は、ウエハの各サイト別に第1高さ値を獲得する過程;前記獲得された第1高さ値を当該サイトとマッチングして貯蔵する過程;及びウエハの各サイトに対する初期計測が始まる場合、当該サイトの貯蔵された第1高さ値に基づいて、対物レンズのZ軸移動を制御する過程を含むことができる。
【0013】
また、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置のフォーカスを制御する命令語等を貯蔵するプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な貯蔵媒体において、前記プログラムは、ウエハの各サイト別に第1高さ値を獲得する命令語等;前記獲得された第1高さ値を当該サイトとマッチングして貯蔵する命令語等;及びウエハの各サイトに対する初期計測が始まる場合、当該サイトの貯蔵された第1高さ値に基づいて、対物レンズのZ軸移動を制御する命令語等を含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、ウエハの各サイト別に高さ値を獲得し、ウエハの各サイトに対する初期計測が始まる場合、当該サイトの貯蔵された高さ値に基づいて、対物レンズのZ軸移動を制御することで、ウエハに対する計測時間を短縮することができる。
【0015】
また、本発明は、ウエハが置かれたステージのXY軸移動と対物レンズのZ軸移動を同時に行わせることで、計測時間の短縮による作業性能を向上させることができる。
【0016】
また、本発明は、第1高さ値に基づいて、対物レンズのZ軸移動が完了した状態で、ウエハに対する第2高さ値を獲得し、前記第1高さ値と前記第2高さ値との差をモデリングすることで、前記予測された高さ値に基づいて、次のサイトにおける対物レンズのZ軸移動を効率よく制御することができる。
【0017】
また、本発明は、ウエハの現在のサイトで獲得した高さ値をメモリに貯蔵するか、次のサイトの高さ値を測定するために更新することで、現在のサイトで獲得した高さ値を次のサイトに適用して、対物レンズのZ軸移動を予め予測することができる。
【0018】
また、本発明は、ウエハの現在のサイトで獲得した高さ値をメモリに貯蔵するか、次のサイトの高さ値を測定するために更新することで、ウエハの間の多くの変化及び計測装置のハードウェアの条件によるZ軸の差にもかかわらず、予測性能を高めることができる。
【0019】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の概念図である。
図2】本発明の一実施形態によるウエハのサイトに対する高さ値を予測する過程を示した手順図である。
図3】本発明の一実施形態によるウエハのサイトに対する高さ値の予測に基づいて、ウエハを計測する過程を示した手順図である。
図4】本発明の一実施形態によるウエハがステージ上に安着した状態を示した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想を容易に実施することができる。本発明を説明するにあたり、本発明に係る公知の技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0022】
たとえ第1、第2などは、様々な構成要素を述べるために使われるものの、これら構成要素は、これらの用語によって制限されないことは勿論である。これらの用語は、単に一構成要素を他構成要素と区別するために使うものであって、特に逆の記載がない限り、第1構成要素は、第2構成要素であってもよいことは勿論である。
【0023】
以下では、構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配されるということは、任意の構成が、上記構成要素の上面(又は下面)に接して配されるだけでなく、上記構成要素と、上記構成要素上に(又は下に)配された任意の構成との間に他の構成が介在し得ることを意味する。
【0024】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、上記構成要素は、互いに直接に連結されるか、或いは接続されていてもよいが、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されていてもよいと理解しなければならない。
【0025】
全明細書において、特に逆の記載がない限り、各構成要素は、単数であってもよく、複数であってもよい。
【0026】
本明細書で使われる単数の表現は、文脈上明らかに他に意味しない限り、複数の表現を含む。本出願における「構成される」又は「含む」などの用語は、明細書上に記載の複数の構成要素、又は複数の段階を必ずしも全て含むものであると解釈されてはならず、そのうち一部の構成要素又は一部の段階は、含まれていなくてもよく、又はさらなる構成要素又は段階をさらに含むことができると解釈しなければならない。
【0027】
全明細書において、「A及び/又はB」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、A、B又はA及びBを意味し、「C~D」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、C以上かつD以下であることを意味する。
【0028】
以下では、本発明の幾つかの実施形態によるフォーカスを制御するオーバーレイ計測装置と方法、及びこのためのプログラムを説明することとする。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の概念図である。
【0030】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置100は、ウエハ140に形成された相異する層にそれぞれ形成された第1オーバーレイマーク(OM1)と、第2オーバーレイマーク(OM2)との間の誤差を計測する装置である。
【0031】
例えば、第1オーバーレイマーク(OM1)は、以前層(previous layer)に形成されたオーバーレイマークであり、第2オーバーレイマーク(OM2)は、現在層(current layer)に形成されたオーバーレイマークであってもよい。オーバーレイマークは、ダイ領域に半導体デバイスを形成するための層を形成するとともに、スクライブレーンに形成される。例えば、第1オーバーレイマーク(OM1)は、絶縁膜パターンと共に形成され、第2オーバーレイマーク(OM2)は、絶縁膜パターン上に形成されるフォトレジストパターンと共に形成されていてもよい。
【0032】
この場合、第2オーバーレイマーク(OM2)は、外部に露出しているが、第1オーバーレイマーク(OM1)は、フォトレジスト層によって遮られた状態であり、フォトレジスト材料からなる第2オーバーレイマーク(OM2)とは、光学的性質が異なる酸化物からなる。また、第1オーバーレイマーク(OM1)と第2オーバーレイマーク(OM2)の焦点面は、同じか又は相違する。
【0033】
本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置100は、光源110、第1ビームスプリッタ(beam splitter)112、第1ミラー113、第1スペクトラムフィルタ(color filter)114、第2スペクトラムフィルタ115、ビームコンバイナ(beam combiner)116、第2ミラー117、リレーレンズ118、偏光フィルタ121、絞り151、第2検出機133、焦点アクチュエータ134、ズームレンズ132、第1検出機131、第2ビームスプリッタ130、光学素子127、第3ビームスプリッタ124、ラムダ波長板122、対物レンズ120、レンズフォーカスアクチュエータ125、絞り151、AF(Auto Focus)161、プロセッサ170、及びメモリ180を含むことができる。
【0034】
図1に示されたオーバーレイ計測装置100の構成は、一実施形態に従うものであり、オーバーレイ計測装置100の構成要素らは、図1に示された実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて、一部の構成要素を付加、変更又は削除することができる。例えば、オーバーレイ計測装置100は、プロセッサ170によってオーバーレイ計測装置100の各構成の動作を制御させる命令語等、プログラム、ロジッグなどを貯蔵するメモリ180を含むことができる。
【0035】
一実施形態によれば、光源110では、ハロゲンランプ、ゼノンランプ、スーパーコンティニュームレーザ(supercontinuum laser)、発光ダイオード、レーザ励起ランプ(laser induced lamp)などを用いることができる。
【0036】
一実施形態によれば、第1ビームスプリッタ112は、光源110から出たビームを2つのビームに分離させる役割を担う。第1ビームスプリッタ112は、光源110から出たビームの一部は透過させ、一部は反射させて、光源110から出たビームを2つのビームに分離させる。
【0037】
一実施形態によれば、第1ミラー113は、第1ビームスプリッタ112と第2スペクトラムフィルタ115との間に設置されて、第1ビームスプリッタ112で反射したビームを第2スペクトラムフィルタ115に向かうように、ビームの経路を変更させる。
【0038】
一実施形態によれば、第1スペクトラムフィルタ114は、第1ビームスプリッタ112から分離されたビームのうち、第1ビームスプリッタ112を透過したビームの中心波長及びバンド幅を、現在層に形成された第2オーバーレイマーク(OM2)のイメージ獲得に適して調節する役割を担う。スペクトラムフィルタは、フィルタホイール、線状並進デバイス、フリッパデバイスのうち1つを用いることができる。
【0039】
一実施形態によれば、第2スペクトラムフィルタ115は、第1ビームスプリッタ112から分離されたビームのうち、第1ビームスプリッタ112で反射したビームの中心波長及びバンド幅を、以前層に形成された第1オーバーレイマーク(OM1)のイメージ獲得に適して調節する役割を担う。本発明は、第1スペクトラムフィルタと第2スペクトラムフィルタを種々のフィルタに取り替えることができる。そして、スペクトラムフィルタは、フィルタホイール、線状並進デバイス、フリッパデバイスのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0040】
一実施形態によれば、ビームコンバイナ(beam combiner)116は、第1スペクトラムフィルタ114と第2スペクトラムフィルタ115を通過した光を合わせる役割を担う。第1スペクトラムフィルタ114を通過した光は、ビームコンバイナ116を透過し、第2スペクトラムフィルタ115を通過したビームは、第2ミラー117によってビームコンバイナ116に向かうように、ビームの経路が変更された後、ビームコンバイナ116で反射して、ビームコンバイナ116を透過したビームとさらに合わさった後、絞り151を通過する。
【0041】
一実施形態によれば、絞り151は、ビームコンバイナを透過したビームを、第1オーバーレイマーク(OM1)の撮影に適した形態に変更する役割を担う。
【0042】
一実施形態によれば、第2検出機133は、第2ビームスプリッタ130で反射したビームを検出する。第2検出機133は、焦点アクチュエータ(focus actuator)134に設置されて、第2ビームスプリッタ130と第2検出機133との間の距離が調節される。第2検出機133は、第1オーバーレイマーク(OM1)のイメージを獲得する。
【0043】
一実施形態によれば、第1検出機131は、第2ビームスプリッタ130を通過したビームを検出する。第1検出機131は、第2オーバーレイマーク(OM2)のイメージを獲得することができる。
【0044】
または、使用者の設定によって、第2検出機は動作せずに、第1検出機のみにおいて、第1オーバーレイマーク(OM1)と第2オーバーレイマーク(OM2)のイメージ獲得を実施することができる。
【0045】
一実施形態によれば、ズームレンズ132は、第2ビームスプリッタ130と焦点アクチュエータ134との間に設置される。ズームレンズ132は、第2検出機133の位置変化値を焦点アクチュエータ134から受信し、これに基づいて、第2オーバーレイマーク(OM2)のイメージと第1オーバーレイマーク(OM1)のイメージとの倍率を一致させる役割を担う。第1オーバーレイマーク(OM1)と第2オーバーレイマーク(OM2)との高さ差によって、第2検出機133と第2ビームスプリッタ130との間の光経路距離は、第1検出機131と第2ビームスプリッタ130との間の光経路距離と異なるため、第1検出機131で獲得されたイメージと、第2検出機133で獲得されたイメージとの倍率が相異し得る。正確なオーバーレイ誤差を測定するためには、倍率を一致させなければならない。
【0046】
一実施形態によれば、第2ビームスプリッタ130は、対物レンズ120で収集したビームを2つのビームに分離する役割を担う。第2ビームスプリッタ130は、チューブビームスプリッタと、ダイクロイックフィルタ(dichroic filter)とを含むことができる。ダイクロイックフィルタは、特定の波長ビームを透過させるフィルタである。対物レンズ120で収集したビームは、ラムダ波長板122、第3ビームスプリッタ124及び光学素子127を経て、第2ビームスプリッタ130で2つのビームに分離される。すなわち、第1オーバーレイマーク(OM1)の検出に適したビームと、第2オーバーレイマーク(OM2)の検出に適したビームとに分離される。
【0047】
一実施形態によれば、前記光学素子127は、ホットミラー(hot mirror)と、コールドミラー(cold mirror)とを含むことができる。
【0048】
一実施形態によれば、第3ビームスプリッタ124は、コンバイナ116を介して合わさったビームを、さらに2つのビームに分離する役割を担う。ビームコンバイナ116を介して合わさったビームは、リレーレンズ118及び偏光フィルタ121を経て偏光した状態で、第3ビームスプリッタ124で2つのビームに分離される。
【0049】
一実施形態によれば、対物レンズ120は、コンバイナ116で合わさった後、第3ビームスプリッタ124で反射した後、ラムダ波長板122を経て、円偏光となったビームをウエハ140の測定位置に集光させ、測定位置で反射したビームを収集する役割を担う。対物レンズ120は、レンズフォーカスアクチュエータ(lens focus actuator)125に設置される。
【0050】
一実施形態によれば、レンズフォーカスアクチュエータ125は、対物レンズ120とウエハ140との間の距離を調節して、焦点面が第1オーバーレイマーク(OM1)又は第2オーバーレイマーク(OM2)に位置するように調節することができる。レンズフォーカスアクチュエータ125は、プロセッサ170の制御下で、対物レンズ120をウエハ方向(例:Y方向)に垂直移動させて、焦点距離を調節することができる。
【0051】
一実施形態によれば、レンズフォーカスアクチュエータ125が焦点面を調節するとき、現在層又は以前層の位置だけでなく、他の位置でも焦点距離を調節することができる。
【0052】
一実施形態によれば、光学素子は、ビームスプリッタを透過したビームの経路に対して、45゜を成すように設置される。これは、オートフォーカスモジュールにビームを送るためのものであり、長波長ビームを反射させ、短波長ビームを透過させるか、或いは短波長ビームを反射させ、長波長ビームを透過させることを特徴とする。光学素子は、ホットミラー又はコールドミラーのうち1つから構成可能である。
【0053】
一実施形態によれば、オートフォーカスモジュールは、フォーカスを調節するためのものであって、対物レンズとウエハとの間の距離をレーザを用いて感知する役割を担う。すなわち、検出機の焦点位置の変化によって生成される位相差を計算する役割を担う。オートフォーカスモジュールは、位相差方式のオートフォーカスセンサモジュールを用いることができる。例えば、オートフォーカスセンサモジュールで獲得した焦点が「標準焦点」と一致する場合は、オートフォーカスセンサモジュールで計算された位相差の値が0であってもよく、一致していない場合には、焦点の位置によって+又は-値であってもよい。「標準焦点」とは、センサに結像するレーザ信号を基準に決定された第1又は第2検出機、オートフォーカスセンサの焦点である。「標準焦点」は、実際の整列イメージの獲得に適した「測定焦点」と一致していてもよいが、第1オーバーレイマーク(OM1)と第2オーバーレイマーク(OM2)との高さ差が大きい場合は、ほとんど異なる。
【0054】
オートフォーカスセンサは、ウエハの測定領域で反射した反射光によって、焦点位置による信号を獲得する。また、オートフォーカスセンサは、焦点位置を調節するように、ウエハの測定領域と対物レンズとの間の距離を調節するアクチュエータを調節することができる。
【0055】
一実施形態によれば、メモリ180は、オーバーレイ計測装置100の少なくとも1つの他の構成要素に係る命令又はデータを貯蔵することができる。メモリ180は、ウエハの各サイトに対する高さ値及び当該サイトの位置に関する情報を貯蔵することができ、これら情報を獲得及び貯蔵するのに必要な命令語等、アルゴリズム、プログラム、ソフトウェアのうち少なくとも一部を貯蔵することができる。
【0056】
また、メモリ180は、オーバーレイ計測装置100に既設定された設定値、及びプロセッサ170の動作に基づいて生成されるデータ(例;高さ値及び位置情報など)を貯蔵することができる。
【0057】
また、メモリ180は、第1ウエハで測定した位置を貯蔵することができ、これら貯蔵された位置は、第1ウエハの後、第2ウエハで測定しようとする位置に予め移動するために用いることができる。
【0058】
また、メモリ180は、オーバーレイ計測装置100が行える様々な機能を実行可能な命令語等を貯蔵することができる。
【0059】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、ステージ190上に置かれたウエハの各サイト別に高さ値(例:対物レンズとサイトとの間の距離、第1高さ値)を獲得し、前記獲得された第1高さ値を当該サイトの位置情報(例:ウエハ上における当該サイトの位置)とマッチングして貯蔵することができる。プロセッサ170は、AF(Auto Focus)161を制御して、ステージ190上に置かれたウエハの各サイト別に高さ値を測定することができる。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、ウエハに対する測定時間を減らすために、プロセッサ170は、第1ウエハ(例:一番目のウエハ)における測定位置をメモリ180に貯蔵し、第2ウエハ(例:第1ウエハの後に測定するウエハ)に対する測定時、前記貯蔵された第1ウエハに対する測定位置に対物レンズを移動させて測定することができる。
【0061】
例えば、第1ウエハに対する測定位置を決定するときは、レーザを使用し、これら測定位置は、オートフォーカスボード(AutoFocus Board)を介してリアルタイムでGUI Programに伝送されて記録される。
【0062】
その後、第2ウエハからは、記録された測定位置に基づいて対物レンズが予め移動するようになり、第1ウエハと第2ウエハとの測定位置差は、オートフォーカスを行うことで、補正される。そして、第2ウエハに対する測定位置値も、オートフォーカスボードを介してリアルタイムでGUI Programに伝送される。
【0063】
そして、プロセッサ170は、これら情報に基づいて、第1ウエハと第2ウエハとの間の差を補正するアルゴリズムを行うことができる。
【0064】
以下では、1つのウエハにおけるサイトらの間の高さに基づいて、対物レンズのZ軸移動について記述したが、これは、単に実施形態だけであり、本発明は、ウエハらの間(例:第1ウエハと第2ウエハ)にも適用することができる。
【0065】
1つのウエハには複数のフィールドが形成されており、1つのフィールドには、複数のサイト(例:4個)が存在していてもよい。そして、プロセッサ170は、各々のサイトについて、高さに対する値と当該サイトの位置に関する情報を獲得することができる。プロセッサ170は、獲得された高さ値と位置に関する情報をマッチングして、メモリ180に貯蔵することができる。
【0066】
例えば、前記メモリ180は、ウエハの各サイトに対する座標、各サイトの座標に該当するサンプルの高さ、予測高さ、測定高さ、及びZ軸の移動値を含むテーブルを貯蔵することができる。下記の表1は、これらテーブルを示した例示図である。
【0067】
【表1】
【0068】
表1に示されたように、例えば、XY座標が(0,0)であるサイトのサンプルの高さは99であり、実際の高さが100であると、対物レンズのZ軸は、1だけ(すなわち、100-99)移動する。同様、XY座標が(0,1)であるサイトのサンプルの高さは100であり、実際の高さが100であると、対物レンズのZ軸は、移動しない。
【0069】
このように、プロセッサ170は、各サイトの各座標に対するサンプルの高さと実際の高さを測定して、上記テーブルに記録する。
【0070】
その後、XY座標が(N,N)であるサイトのサンプルの高さが98である状態で、予測高さは100であり、実際の高さが101であると、対物レンズのZ軸は、1だけ(すなわち、101-100)移動する。ここで、XY座標が(N,N)である場合の予測高さ(すなわち、100)は、先行データをモデリングした値である。
【0071】
このためにプロセッサ170は、ウエハのサンプルサイトに対する高さ値と、これに対応するサンプルサイトの位置情報を獲得して、メモリ180に貯蔵するサンプリング動作(すなわち、先行過程)を行うことができる。これらサンプリング動作によって、サンプルサイトに対する0度~180度における高さ値を獲得することができる。
【0072】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、ウエハの各サイトに対する初期計測(すなわち、先行過程の後、予測高さでサイトに対する焦点距離を調節する過程)が始まる場合、当該サイトの貯蔵された第1高さ値に基づいて、レンズフォーカスアクチュエータ125を制御して、対物レンズ120のZ軸移動を制御することができる。
【0073】
プロセッサ170は、ウエハが置かれたステージ190をXY軸に移動させて、対物レンズ120のZ軸移動を制御することができる。例えば、プロセッサ170は、ステージ190のXY軸移動と、対物レンズ120のZ軸移動を同時に制御することができる。すなわち、プロセッサ170は、ステージ190のXY軸移動を制御するとともに、対物レンズ120の焦点距離を調節することができる。
【0074】
このように、本発明は、対物レンズ120の移動距離を短縮することで、サイトを計測する時間(例:MAM(Move Acquire Measure)Time)を効率よく短縮することができる。
【0075】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、対物レンズ120のZ軸移動が完了した状態で、ウエハ(例:ウエハの当該サイト)に対する第2高さ値を獲得し、前記第1高さ値と前記第2高さ値との差をモデリングして、次のサイトの高さ値を予測することができる。前記モデリングは、次のサイトの高さ値を予測することを意味する。例えば、プロセッサ170は、現在のサイトで測定された距離値を用いて、次のサイトにおける距離値を予測することができる。そして、プロセッサ170は、かかる予測によって獲得された高さ値について誤り有無を確認することができる。モデリングは、Least Square Methodを基づくモデリングのみならず、様々なモデリングを含むことができる。
【0076】
そして、プロセッサ170は、前記予測された高さ値に基づいて、次のサイトにおける対物レンズ120のZ軸移動を制御することができる。例えば、プロセッサ170は、次のサイトのパターンを認識するために、前記予測された高さ値で対物レンズ120の焦点を調節することができる。
【0077】
このように、プロセッサ170は、ウエハに構成された複数のフィールドのそれぞれに含まれる複数のサイトのそれぞれに対して、現在のサイトで獲得した高さ値を次のサイトに適用して、ステージ190のXY軸移動と、対物レンズ120のZ軸移動を同時に制御することができる。
【0078】
または、プロセッサ170は、現在のウエハで獲得した高さ値を次のウエハに適用して、ステージ190のXY軸移動と、対物レンズ120のZ軸移動を同時に制御することができる。これによって、本発明は、サイトを計測する時間(例:MAM Time)を効率よく短縮することができる。
【0079】
そして、プロセッサ170は、ステージ190のXY軸移動と、対物レンズ120のZ軸移動を同時に行った後、ウエハに対するPRU(Pattern Recognition Unit)を用いて、測定ターゲットをFOV(Field of View)イメージの中心にステージ190のXY軸移動を制御する過程(例:PRU Grab)であってもいい。そして、プロセッサ170は、FOVイメージに対する測定のため、対物レンズ120のZ軸移動を制御する過程(例:Measure Focus Move)を行った後、測定過程(例:Measure)を行うことができる。
【0080】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、レンズフォーカスアクチュエータ125の制御に基づく対物レンズ120の焦点距離(例:Z軸移動)を制御できるZ軸コントローラと、ステージ190の移動(例:XY軸移動)を制御できるXY軸コントローラとを含むことができる。また、プロセッサ170は、各サイトについて、対物レンズ120とステージ190が移動する前の第1高さ値と、対物レンズ120とステージ190が移動した後の第2高さ値との差をモデリングできるロジッグを貯蔵することができる。
【0081】
そして、これらプロセッサ170は、オーバーレイ計測装置内に別途構成されるか、又は他の構成要素にプログラム化して貯蔵することもできる。
【0082】
上述したように、プロセッサ170は、ウエハの各サイト別に第1高さ値を獲得し、前記獲得された第1高さ値を当該サイトとマッチングして貯蔵し、ウエハの各サイトに対する初期計測が始まる場合、当該サイトの貯蔵された第1高さ値に基づいて、レンズフォーカスアクチュエータを制御して、対物レンズのZ軸移動を制御することができる。
【0083】
また、プロセッサ170は、第1ウエハに対する第1位置情報を獲得し、前記獲得された第1位置情報を前記メモリに貯蔵し、前記第1ウエハの後、第2ウエハに対する初期計測が始まる場合、前記貯蔵された第1位置情報に基づいて、前記レンズフォーカスアクチュエータを制御して、前記対物レンズのZ軸移動を制御することができる。
【0084】
一実施形態によれば、前記プロセッサ170は、前記第2ウエハが置かれたステージのXY軸移動と、前記対物レンズのZ軸移動を同時に制御することができる。
【0085】
一実施形態によれば、前記プロセッサ170は、前記対物レンズのZ軸移動が完了した状態で、前記第2ウエハに対する第2位置情報を獲得し、前記第1位置情報の第1高さ値と、前記第2位置情報の第2高さ値との差をモデリングして、前記第2ウエハの後、第3ウエハの第3高さ値を予測し、前記予測された第3高さ値に基づいて、前記第3ウエハにおける前記対物レンズのZ軸移動を制御することができる。
【0086】
上述したように、本発明は、1つのウエハにおける各サイトに対する高さ値に基づいて、対物レンズの位置を調節することができるだけでなく、第1ウエハに対する第1位置情報を獲得して、メモリ180に貯蔵した後、前記第1ウエハの後、第2ウエハに対する初期計測が始まる場合、前記貯蔵された第1位置情報に基づいて、前記対物レンズのZ軸移動を制御することができる。
【0087】
以下では、1つのウエハにおける各サイトに対する高さ値に基づいて、対物レンズの位置を調節する内容について記述したが、これは、単に実施形態だけであり、第1ウエハに対する第1位置情報を用いて、前記第1ウエハの後、第2ウエハに対する初期計測が始まる場合、前記第1位置情報に基づいて、前記対物レンズのZ軸移動を制御することもできる。
【0088】
図2は、本発明の一実施形態によるウエハのサイトに対する高さ値を予測する過程を示した手順図である。
【0089】
以下、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態によるウエハのサイトに対する高さ値を予測する過程を詳説すると、次のとおりである。
【0090】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、ウエハの各サイト別に第1高さ値を獲得して、メモリ180に貯蔵することができる(S210)。プロセッサ170は、ステージ190上に置かれたウエハの各サイト別に高さ値(例:対物レンズ120とサイトとの間の距離)を獲得することができる。そして、プロセッサ170は、前記獲得された高さ値(例:第1高さ値)を当該サイトの位置情報(例:ウエハ上における当該サイトの位置)とマッチングして、メモリ180に貯蔵することができる。
【0091】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、サイト上のXY軸移動と、対物レンズ120のZ軸移動を同時に制御することができる(S212)。プロセッサ170は、ウエハが置かれたステージ190をXY軸に移動させる過程と、メモリ180に貯蔵された高さ値及び位置情報に基づく対物レンズ120をZ軸に移動させる過程を同時に行われるように、ステージ190とレンズフォーカスアクチュエータ125を制御することができる。
【0092】
このように、プロセッサ170は、ステージ190のXY軸移動と、レンズフォーカスアクチュエータ125の制御を用いた対物レンズ120のZ軸移動を同時に制御することができる。すなわち、プロセッサ170は、ステージ190をXY軸に移動するとともに、対物レンズ120のZ軸を移動させて、サイトに対する焦点距離を調節することができる。
【0093】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、移動された位置におけるサイトに対する第2高さ値を獲得することができる(S214)。プロセッサ170は、ステージ190のXY軸移動と、対物レンズ120のZ軸移動が同時に完了した後、ステージ190と対物レンズ120が移動された位置におけるサイトに対する第2高さ値を獲得することができる。例えば、前記第2高さ値は、前記第1高さ値よりも大きいか、又は小さくてもよい。
【0094】
また、プロセッサ170は、前記第2高さ値と、当該サイトに対する位置情報をメモリ180に貯蔵することができる。
【0095】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、各サイトについて、第1高さ値と第2高さ値との差をモデリングして、サイトの高さ値を予測することができる(S216)。プロセッサ170は、対物レンズ120のZ軸移動が完了した後、ウエハの当該サイトに対する第2高さ値を獲得し、対物レンズ120のZ軸移動前の第1高さ値と、前記第2高さ値との差をモデリングして、次のサイトの高さ値を予測することができる。このように、前記モデリングは、次のサイトの高さ値を予め予測することを意味する。
【0096】
図3は、本発明の一実施形態によるウエハのサイトに対する高さ値の予測に基づいてウエハを計測する過程を示した手順図である。図4は、本発明の一実施形態によるウエハがステージ上に安着した状態を示した例示図である。
【0097】
以下では、図1図3及び図4を参照して、本発明の一実施形態によるウエハのサイトに対する高さ値の予測に基づいてウエハを計測する過程を詳説すると、次のとおりである。
【0098】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、ウエハ140がステージ190に安着すると、ウエハ140の各サイト座標別に第1高さ値を獲得することができる(S310,S312)。プロセッサ170は、ウエハ140がステージ190に安着すると、ステージ190のXY軸移動を制御し、レンズフォーカスアクチュエータ125を制御して、対物レンズ120をサイトの上部に位置させることができる。そして、プロセッサ170は、測定しようとする当該サイトに対する高さ値と、これに対応するサンプルサイトの位置情報を獲得することができる。
【0099】
図4を参照すると、ウエハ140は、複数のフィールド410が配置されており、各々のフィールド410は、互いに重畳しないように、ウエハ140上に配置されていてもよい。そして、各々のフィールド410は、複数のサイト411,412,413,414が存在し、各々のサイトは、FOVイメージを獲得することができるポイントであってもよい。
【0100】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、前記獲得された第1高さ値を当該サイトにマッチングして貯蔵することができる(S314)。1つのウエハには複数のフィールドが形成されており、1つのフィールドには複数のサイト(例:4個)が存在していてもよい。プロセッサ170は、これらウエハの各サイトに対する高さ値と、当該サイトがウエハ上に配置された位置を示す情報をマッチングして、メモリ180に貯蔵することができる。
【0101】
このように、プロセッサ170は、ウエハ140のサンプルサイトに対する高さ値と、これに対応するサンプルサイトの位置情報を獲得して、メモリ180に貯蔵するサンプリング動作(すなわち、先行過程)を行うことができる。
【0102】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、ウエハの各サイトに対する初期計測が始まると、当該サイトの貯蔵された第1高さ値に基づいて、対物レンズのZ軸移動を制御することができる(S316,S318)。プロセッサ170は、ウエハ140の各サイトに対する初期計測(すなわち、先行過程後、予測高さでサイトに対する焦点距離を調節する過程)が始まる場合、貯蔵された第1高さ値に基づいてレンズフォーカスアクチュエータ125を制御して、対物レンズ120のZ軸移動を制御することができる。
【0103】
例えば、プロセッサ170は、初期計測が始まる場合、ステージ190のXY軸移動を制御した後、レンズフォーカスアクチュエータ125を制御して、対物レンズ120を第1高さ値に基づいて、サイトの上部に位置させることができる。または、プロセッサ170は、ステージ190のXY軸移動と、対物レンズ120のZ軸移動が同時に行われるように、ステージ190とレンズフォーカスアクチュエータ125を制御することができる。これによって、プロセッサ170は、ステージ190のXY軸移動を制御するとともに、対物レンズ120の焦点距離を調節することができる。
【0104】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、対物レンズ120が移動された位置におけるサイトとの第2高さ値を獲得することができる(S320)。プロセッサ170は、対物レンズ120の焦点距離が第2高さ値になるように、レンズフォーカスアクチュエータ125の動作を制御することができる。そして、プロセッサ170は、レンズフォーカスアクチュエータ125の動作制御によって、対物レンズの焦点距離が調節されると、対物レンズ120が移動された位置におけるサイトとの第2高さ値を獲得することができる。例えば、プロセッサ170は、サイトとの第2高さ値をメモリ180に貯蔵することができる。
【0105】
このように、プロセッサ170は、先行過程後、対物レンズ120の焦点距離を調節して、初期計測過程を完了することができる。
【0106】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、各サイトについて、前記第1高さ値と前記第2高さ値との差をモデリングして、次のサイトの高さ値を予測することができる(S322)。プロセッサ170は、先行過程で獲得した第1高さ値と、初期計測過程で獲得した第2高さ値を用いて、次のサイトに対する高さ値、つまり焦点距離を予測することができる。
【0107】
例えば、プロセッサ170は、先行過程で獲得した第1高さ値から、初期計測過程で獲得した第2高さ値を差し引き、差し引かれた高さ値を次のサイトの高さ値に反映することで、次のサイトに対する焦点距離を予測することができる。または、プロセッサ170は、初期計測過程で獲得した第2高さ値から、先行過程で獲得した第1高さ値を差し引き、差し引かれた高さ値を次のサイトの高さ値に反映することで、次のサイトに対する焦点距離を予測することができる。
【0108】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、前記予測された高さ値に基づいて、対物レンズのZ軸移動を制御した後、ウエハを計測することができる(S324)。プロセッサ170は、差し引かれた高さ値を次のサイトの高さ値に反映し、対物レンズ120のZ軸移動を制御して、焦点距離を調節した後、ウエハ140の当該サイトに対する計測を行うことができる。
【0109】
そして、プロセッサ170は、前記予測された高さ値に基づいて、対物レンズのZ軸移動を制御した後、ウエハに対するPRUを用いて、測定ターゲットをFOVイメージの中心へステージ190のXY軸移動を制御することができる。そして、プロセッサ170は、FOVイメージに対する測定のため、対物レンズ120のZ軸移動を制御して、測定過程を行うことができる。
【0110】
上述したように、本発明は、ウエハのサイトに対する対物レンズ120の焦点距離を予め予測した後、ステージ190のXY軸移動と対物レンズ120の焦点距離に、前記予測された焦点距離を反映することで、次のサイトを計測する時間(例:MAM Time)を効率よく短縮することができる。
【0111】
以上で上述した各々の手順図における各ステップは、図示の順序に関係なく動作することができるか、或いは同時に行うことができる。また、本発明の少なくとも1つの構成要素と、前記少なくとも1つの構成要素で行われる少なくとも1つの動作は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで具現可能である。
【0112】
以上のように、本発明について例示した図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内における通常の技術者によって様々な変形が可能であることは明らかである。さらに、本発明の実施形態を前述しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
【符号の説明】
【0113】
100 オーバーレイ計測装置
110 光源
112 第1ビームスプリッタ
113 第1ミラー
114 第1スペクトラムフィルタ
115 第2スペクトラムフィルタ
116 ビームコンバイナ
117 第2ミラー
118 リレーレンズ
120 対物レンズ
121 偏光フィルタ
122 ラムダ波長板
124 第3ビームスプリッタ
125 レンズフォーカスアクチュエータ
127 チューブレンズ
130 第2ビームスプリッタ
131 第1検出機
132 ズームレンズ
133 第2検出機
134 焦点アクチュエータ
151 絞り
161 AF
170 プロセッサ
180 メモリ
図1
図2
図3
図4