(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066982
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】デジタルインプラントシステム
(51)【国際特許分類】
A61C 8/00 20060101AFI20240509BHJP
A61C 9/00 20060101ALI20240509BHJP
A61C 13/00 20060101ALI20240509BHJP
A61C 13/087 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
A61C9/00 Z
A61C13/00 Z
A61C13/087
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134683
(22)【出願日】2023-08-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2022-0144800
(32)【優先日】2022-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523319405
【氏名又は名称】イム ジョンフン
【氏名又は名称原語表記】LIM, JUNGHOON
【住所又は居所原語表記】#203, YP House, 33-32, Geumo-daero, Yesan-eup, Yesan-gun, Chungcheongnam-do, 32428 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イム ジョンフン
【テーマコード(参考)】
4C159
【Fターム(参考)】
4C159AA01
4C159AA41
4C159AA56
(57)【要約】 (修正有)
【課題】咀嚼活動の際にインプラント下部組立体と補綴物の結合関係が緩むかまたは解除される場合を低減するデジタルインプラントシステムを提供する。
【解決手段】第1口腔情報に基づいて、インプラント下部組立体の前記上顎および下顎における配置形態を決めるステップと、パノラマおよびCT装置200、300に基づいて、インプラント下部組立体が配置された上顎および下顎に関する第2口腔情報およびユーザの顔面を2Dおよび3D撮像装置400を介してスキャニングして第2表面情報を取得するステップと、第2口腔情報および第2表面情報に基づいて、前記インプラント下部組立体と結合可能な補綴物のイメージを生成するステップと、を含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルインプラントシステムであって、
ユーザの複数の歯が配置された上顎および下顎に対し、パノラマおよびCT装置に基づいて複数の歯のうち無傷の第1歯が配置された領域を検出し、前記上顎および下顎の第1口腔情報を取得するステップと、
ユーザの顔面を2Dおよび3D撮像装置を介してスキャニングして第1表面情報を取得するステップと、
抜歯された第1歯を基に、自家歯骨移植材および前記第1口腔情報に基づいて仮義歯のイメージを生成するステップと、
前記第1口腔情報に基づいて、インプラント下部組立体の前記上顎および下顎における配置形態を決めるステップと、
前記パノラマおよびCT装置に基づいて、インプラント下部組立体が配置された前記上顎および下顎に関する第2口腔情報およびユーザの顔面を前記2Dおよび3D撮像装置を介してスキャニングして第2表面情報を取得するステップと、
前記第2口腔情報および第2表面情報に基づいて、前記インプラント下部組立体と結合可能な補綴物のイメージを生成するステップと、を含み、
前記第1表面情報に基づいて、ユーザの顔面の複数の領域のうち、前記上顎が配置された第1領域に対向して存在する皮膚の第1上部領域と、前記下顎が配置された第2領域に対向して存在する皮膚の第1下部領域を識別するステップと、
前記第2表面情報に基づいて、前記複数の領域のうち、前記上顎が配置された第1領域に対向して存在する皮膚の第2上部領域と、前記下顎が配置された第2領域に対向して存在する皮膚の第2下部領域を識別するステップと、
前記第1上部領域と前記第2上部領域との高低差と、前記第1下部領域と前記第2下部領域との高低差を識別して変更情報を取得し、前記変更情報に基づいて前記補綴物のイメージを生成するステップと、を含み、
前記補綴物は、複数のPMMA歯を含み、
前記変更情報は、前記第2上部領域および第2下部領域に対して口腔内部に陥没した陥没領域を識別し、複数のPMMA歯のうち、識別された陥没領域に対応して配置された第1PMMA歯の上側領域が口腔外部に突出するように大きさと形状を決め、
前記インプラント下部組立体と前記補綴物を結合するステップを含み、
前記インプラント下部組立体は、外側面にそれぞれ配置される前記インプラント下部組立体の直径が広くなる下側方向に回動可能に設けられた第1突出部と、前記第1突出部の下側に配置され、下側方向に回動可能に設けられた第2突出部と、を含み、
前記補綴物は、前記インプラント下部組立体と結合する内側空間を有し、前記内側空間に前記第1突出部に対応して前記第1突出部が貫入するように設けられた第1凹溝と、前記内側空間に前記第2突出部に対応して前記第2突出部が貫入するように設けられた第2凹溝と、を含むことを特徴とする、デジタルインプラントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルインプラントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
歯科治療における歯のインプラント(implant)施術は、人工的に作られた歯を移植するものであり、人体に拒絶反応のないチタン(titanium)またはチタン合金で作られたフィクスチャ(fixture)を歯が抜けた歯槽骨に植えた後、人工歯を固定させ、歯の機能を回復するようにする施術である。入れ歯の場合は、時間が経つと周囲の歯と骨が損傷し得るが、インプラントの場合は、周囲の歯の組織を損傷させず、自然歯と機能や形状が同一であり、かつ、虫歯が生じないため、半永久的に使用できるという利点がある。
【0003】
歯のインプラント施術過程を概略的に説明すると、先ず、歯槽骨にドリリング(drilling)およびタッピング(tapping)過程を経て、フィクスチャの寸法に合致する溝(groove)が形成され、フィクスチャが前記歯槽骨に埋植される。オッセオインテグレーションによりフィクスチャが歯槽骨に固定されると、歯茎を審美的に再建するために、ヒーリングアバットメント(healing abutment)がフィクスチャに固定締結される。歯茎が審美的に再建されると、ヒーリングアバットメントがフィクスチャから除去され、印象コーピング(impression coping)がフィクスチャに締結され、印象体を装着して印象を採得し、前記採得された印象に基づいて固定用アバットメント(abutment)と永久歯補綴物、すなわちクラウン(crown)が製作される。一方、前記固定用アバットメントと永久歯補綴物が製作される間、前記フィクスチャにはヒーリングアバットメントが再び締結される。前記固定用アバットメントと永久歯補綴物が製作されると、前記ヒーリングアバットメントがフィクスチャから再び除去され、前記フィクスチャに固定用アバットメントが固定締結され、前記固定用アバットメント上に前記永久歯補綴物が固定結合される。
【0004】
従来、歯科用インプラント計画プログラムを用いたインプラント計画の樹立時、フィクスチャ(fixture)、アバットメント(abutment)、仮想クラウン(virtual crown)などの補綴物の位置と角度が専ら施術を行うプログラムユーザの経験と感覚に依存して決められるため、ユーザ間のばらつきが存在し、このため、施術に対する信頼性が阻害されるという問題があった。
【0005】
また、インプラント計画を樹立するためのガイドを全く提供しないため、ユーザが計画を繰り返し修正する必要があり、これはインプラント計画の樹立にかかる時間と手順の複雑性を増大させる要因として作用した。
【0006】
そこで、インプラント計画の樹立時、計画の樹立にかかる時間と手順の複雑性を減らすために、自動的に口腔内部構造に関する情報を取得し、それに基づいてインプラント計画を樹立するデジタルインプラントシステムが求められる状況である。
【0007】
一方、インプラントの場合、自然歯とは異なり、フィクスチャおよび固定用アバットメントを含むインプラント下部組立体と補綴物が結合するため、粘着性のある食べ物や、液体が口腔内部に進入する場合、咀嚼活動の際にインプラント下部組立体と補綴物の結合関係が緩むかまたは解除され得るため、それに関する研究が求められる状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためのものであり、インプラント計画の樹立時、計画の樹立にかかる時間と手順の複雑性を減らすために、自動的に口腔内部構造に関する情報を取得し、それに基づいてインプラント計画を樹立し、咀嚼活動の際にインプラント下部組立体と補綴物の結合関係が緩むかまたは解除される場合を低減するようにするデジタルインプラントシステムを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、デジタルインプラントシステムであって、ユーザの複数の歯が配置された上顎および下顎に対し、パノラマおよびCT装置に基づいて複数の歯のうち無傷の第1歯が配置された領域を検出し、前記上顎および下顎の第1口腔情報を取得するステップと、ユーザの顔面を2Dおよび3D撮像装置を介してスキャニングして第1表面情報を取得するステップと、前記抜歯された第1歯を基に、自家歯骨移植材および前記第1口腔情報に基づいて仮義歯のイメージを生成するステップと、前記第1口腔情報に基づいて、インプラント下部組立体の前記上顎および下顎における配置形態を決めるステップと、前記パノラマおよびCT装置に基づいて、インプラント下部組立体が配置された前記上顎および下顎に関する第2口腔情報およびユーザの顔面を前記2Dおよび3D撮像装置を介してスキャニングして第2表面情報を取得するステップと、前記第2口腔情報および第2表面情報に基づいて、前記インプラント下部組立体と結合可能な補綴物のイメージを生成するステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
前記第1表面情報に基づいて、ユーザの顔面の複数の領域のうち、前記上顎が配置された第1領域に対向して存在する皮膚の第1上部領域と、前記下顎が配置された第2領域に対向して存在する皮膚の第1下部領域を識別するステップと、前記第2表面情報に基づいて、前記複数の領域のうち、前記上顎が配置された第1領域に対向して存在する皮膚の第2上部領域と、前記下顎が配置された第2領域に対向して存在する皮膚の第2下部領域を識別するステップと、前記第1上部領域と前記第2上部領域との高低差と、前記第1下部領域と前記第2下部領域との高低差を識別して変更情報を取得し、前記変更情報に基づいて前記補綴物のイメージを生成するステップと、を含み、前記補綴物は、複数のPMMA歯を含み、前記変更情報は、前記第2上部領域および第2下部領域に対して口腔内部に陥没した陥没領域を識別し、複数のPMMA歯のうち、識別された陥没領域に対応して配置された第1PMMA歯の上側領域が口腔外部に突出するように大きさと形状を決めることを特徴とする。
【0011】
前記インプラント下部組立体と前記補綴物を結合するステップを含み、前記インプラント下部組立体は、外側面にそれぞれ配置される前記インプラント下部組立体の直径が広くなる下側方向に回動可能に設けられた第1突出部と、前記第1突出部の下側に配置され、下側方向に回動可能に設けられた第2突出部と、を含み、前記補綴物は、前記インプラント下部組立体と結合する内側空間を有し、前記内側空間に前記第1突出部に対応して前記第1突出部が貫入するように設けられた第1凹溝と、前記内側空間に前記第2突出部に対応して前記第2突出部が貫入するように設けられた第2凹溝と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、インプラント計画の樹立時、計画の樹立にかかる時間と手順の複雑性を減らすために、自動的に口腔内部構造に関する情報を取得し、それに基づいてインプラント計画を樹立し、咀嚼活動の際にインプラント下部組立体と補綴物の結合関係が緩むかまたは解除される場合を低減するようにするデジタルインプラントシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムを概略的に示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムの構成を示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムにおいて、口腔情報および表面情報を取得することを示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムにおいて、表面情報から陥没領域を識別する動作を示した図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムにおいて、PMMA歯の大きさと形状を決めることを示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムの補綴物の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明する。図面上の同一の参照番号または符号は、実質的に同一の機能を行う構成要素を指し、図面上の各構成要素の大きさは、説明の明瞭性および便宜のために誇張されることがある。ただし、本発明の技術的思想とその核心構成および作用が以下の実施形態に説明された構成または作用のみに限定されるものではない。本発明を説明するにあたり、本発明と関連する公知の技術または構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0015】
本発明の実施形態において、第1、第2などの序数を含む用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、単数の表現は、文脈上、明らかに他を意味しない限り、複数の表現を含む。また、本発明の実施形態において、「構成される」、「含む」、「有する」などの用語は、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除するものではないことを理解しなければならない。また、本発明の実施形態において、「モジュール」または「部」は、少なくとも1つの機能や動作を行い、ハードウェアまたはソフトウェアで実現されるか、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現されることができ、少なくとも1つのモジュールに一体化され、少なくとも1つのプロセッサで実現されることができる。また、本発明の実施形態において、複数の要素のうち少なくとも1つ(at least one)は、複数の要素の全てだけでなく、複数の要素のうち残りを排除した各1つまたはこれらの組み合わせの全てを指す。また、「~するように構成された(または、設定された)(configured to)」は、状況に応じて、例えば、「~に適した(suitable for)」、「~する能力を有する(having the capacity to)」、「~するように設計された(designed to)」、「~するように変更された(adapted to)」、「~するように作られた(made to)」、または「~することができる(capable of)」と置き換えて用いることができる。「~するように構成された(または、設定された)」は、必ずしもハードウェア的に「特別に設計された(specifically designed to)」ことだけを意味するものではない。代わりに、ある状況では、「~するように構成された装置」という表現は、その装置が他の装置または部品とともに「~することができる」ことを意味し得る。例えば、文言「A、B、およびCを行うように構成された(または、設定された)プロセッサ」は、当該動作を行うための専用プロセッサ(例えば、組み込みプロセッサ)、またはメモリ装置に格納された1つ以上のソフトウェアプログラムを実行することで当該動作を行うことができる汎用プロセッサ(generic-purpose processor)(例えば、CPUまたはアプリケーションプロセッサ)を意味し得る。
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。これは本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が発明を容易に実施できる程度に詳しく説明するためのものであり、これにより本発明の技術的思想および範囲が限定されるものではないことを明らかにしておく。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムを概略的に示した図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムの構成を示した図である。
【0018】
図1および
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムは、コンピューティング装置100、パノラマ装置200、CT装置300、および2Dおよび3D撮像装置400を含む。
【0019】
本発明の一実施形態に係るコンピューティング装置100は、パノラマ装置200、CT装置300、および2Dおよび3D撮像装置400とネットワークを介して連結され、この際、コンピューティング装置100は、パノラマ装置200、CT装置300、および2Dおよび3D撮像装置400と有線または無線で互いにデジタル信号を送受信することができる。
【0020】
本発明の一実施形態に係るコンピューティング装置100は、パノラマ装置200、CT装置300、および2Dおよび3D撮像装置400から受信した撮像画像を画面に表示するディスプレイ部140、格納部120、通信部110、制御部130、およびユーザ入力部150を含む。
【0021】
ディスプレイ部140は、ディスプレイを実現する方式は限定されず、例えば、液晶(Liquid Crystal)、プラズマ(Plasma)、発光ダイオード(Light-Emitting Diode)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode)、表面伝導型電子放出素子(Surface-Conduction Electron-Emitter)、カーボンナノチューブ(Carbon Nano-Tube)、ナノクリスタル(Nano-Crystral)などの様々なディスプレイ方式で実現されることができる。ディスプレイ部140は、液晶方式の場合、液晶ディスプレイパネルと、液晶ディスプレイパネルに光を供給するバックライトユニットと、液晶ディスプレイパネルを駆動させるパネル駆動部と、を含む。ディスプレイ部140は、バックライトユニットなしに、自発光素子であるOLEDパネルで実現されることができる。
【0022】
ユーザ入力部150は、数字および文字情報などの様々な情報の入力を受け、各種機能の設定およびユーザ端末の機能制御と関連して入力される信号を受信し、ユーザ入力部150は、ユーザのタッチまたは操作による入力信号を発生するキーボードおよびタッチパッドのうち少なくとも1つを含んで構成されることができる。この際、ユーザ入力部150は、ディスプレイとともに1つのタッチパネル(または、タッチスクリーン(touch screen))の形態で構成され、入力と表示機能を同時に行うことができる。また、ユーザ入力部150としては、キーボード、キーパッド、マウス、ジョイスティックなどの入力装置の他に、今後開発可能な全ての形態の入力手段を用いることができる。
【0023】
格納部120は、ネットワークを介して連結されたパノラマ装置200、CT装置300、および2Dおよび3D撮像装置400から撮像されたイメージ、映像、およびその他の動作を制御する設定などに対するデータを受信し、それを格納することができる。また、格納部120は、後述する制御部130の処理および制御に応じて様々なデータを格納することができ、制御部130によりアクセスされ、データの読み取り、記録、修正、削除、更新などを行うことができる。格納部120は、コンピューティング装置100に対するシステム電源の提供有無に関係なくデータを保存できるように、フラッシュメモリ(flash-memory)、ハードディスクドライブ(hard-disc drive)、SSD(solid-state drive)などの不揮発性メモリを含むことができる。また、格納部120は、制御部130により処理されるデータが一時的にロードされるためのバッファ、RAMなどの揮発性メモリを含むことができる。
【0024】
通信部110は、複数のコンピューティング装置100、または複数のパノラマ装置200、CT装置300、および2Dおよび3D撮像装置400などと有・無線で通信することができ、パノラマ装置200、CT装置300、および2Dおよび3D撮像装置400から映像、イメージ、テキスト、各種制御用アプリケーションのアップデートファイルおよび修正コマンドなどの情報を有線または無線で通信することができる。したがって、有線接続のためのコネクタまたは端子を含む接続部の他に、様々な他の通信方式でも実現されることができる。例えば、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)、ジグビー(Zigbee)、赤外線通信、Radio Control、UWM(Ultra-Wide Band)、Wireless USB、NFC(Near Field Communication)のうち1つ以上の通信を行うように構成されることができる。通信部110は、BLE(Bluetooth Low Energy)、SPP(Serial Port Profile)、Wi-Fi Direct、赤外線通信、ジグビー、NFC(Near Field Communication)などの通信モジュールを含むことができる。また、通信部110は、デバイス、S/Wモジュール、回路、チップなどの形態で実現されることができる。
【0025】
制御部130は、口腔撮影カメラシステムのコンピューティング装置100と、パノラマ装置200、CT装置300、および2Dおよび3D撮像装置400の諸構成が動作するための制御を行うことができる。制御部130は、このような制御動作を行うことができるようにする制御プログラム(または、命令)と、制御プログラムがインストールされる非活性メモリ、インストールされた制御プログラムの少なくとも一部がロードされる揮発性メモリ、およびロードされた制御プログラムを実行する少なくとも1つのプロセッサまたはCPU(Central Processing Unit)を含むことができる。また、このような制御プログラムは、コンピューティング装置100の他に、他の電子機器にも格納されることができる。
【0026】
制御プログラムは、BIOS、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、ファームウェア、プラットフォーム、およびアプリケーションプログラム(アプリケーション)のうち少なくとも1つの形態で実現されるプログラムを含むことができる。一実施形態として、アプリケーションプログラムは、コンピューティング装置100の製造時、それを提供するサーバを介して予めインストールまたは格納されるか、または今後使用時に外部からアプリケーションプログラムのデータを受信し、受信されたデータに基づいてコンピューティング装置100にインストールされることができる。アプリケーションプログラムのデータは、例えば、アプリケーションマーケットのような外部サーバからダウンロードされてもよいが、これに限定されない。一方、制御部130は、デバイス、S/Wモジュール、回路、チップなどの形態またはその組み合わせで実現されることができる。
【0027】
パノラマ装置200は、放射線を用いた撮影で、動きを最小化し、装置内に設けられた空間に口腔内部を撮像するものであり、従来のX線で口腔内部の断面を撮像する際、口腔内部の遠近感のある丸い構造で口腔の前、後、左、右、外側、および内側を肉眼で正確に見ることに限界がある点を改善した装置である。本発明の一実施形態に係るパノラマ装置200は、放射線を用いて、口腔内部を全方位にわたって撮像して歯科診療を助ける役割をする全ての撮像装置を含むことができる。
【0028】
CT装置300は、X線およびコンピュータを用いて、人体の目的部位を種々の方向から照射して透過したX線を検出器により収集し、その部位に対するX線の吸収差をコンピュータが数学的技法を用いて再構成し、ディスプレイ部140の画面に表示する断層(Computed Tomography、CT)撮影ができる装置を意味する。本発明の一実施形態に係るCT装置300は、コンピュータを用いて収集された情報を再構成し、ディスプレイ部140に表示する役割をする全ての撮像装置を含むことができる。
【0029】
2Dおよび3D撮像装置は、複数のイメージセンサを同時に動作して撮像される被写体の深さを正確に捉え、2Dまたは3Dで立体感のある顔画像を再現するものであり、歪みのない顔イメージデータを撮像する役割をする。本発明の一実施形態に係る2Dおよび3D撮像装置は、コンピューティング装置100内のソフトウェアおよび複数のイメージセンサを用いて立体感のある顔画像を再現するように構成された全ての撮像装置を含むことができる。
【0030】
図3を参照して、本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムの動作についてより詳しく説明する。
本発明の一実施形態に係るコンピューティング装置100の制御部130は、ユーザの複数の歯が配置された上顎および下顎に対し、パノラマおよびCT装置300に基づいて複数の歯のうち無傷の第1歯が配置された領域を検出し、上顎および下顎の第1口腔情報を取得し、ユーザの顔面を2Dおよび3D撮像装置を介してスキャニングして第1表面情報を取得する。これは、一部の領域に対するインプラントではなく、全顎インプラントの場合には、無傷の第1歯を抜歯し、それを基に自家歯骨移植材を生成することができるためである。
【0031】
制御部130は、第1口腔情報に基づいて仮義歯に対するイメージを生成することができ、第1口腔情報に基づいて、インプラント下部組立体520の上顎および下顎における配置形態を決め、パノラマおよびCT装置300に基づいて、インプラント下部組立体520が配置された上顎および下顎に関する第2口腔情報およびユーザの顔面を2Dおよび3D撮像装置を介してスキャニングして第2表面情報を取得し、取得された第2口腔情報および第2表面情報に基づいて、インプラント下部組立体520と結合可能な補綴物510のイメージを生成することができる。
【0032】
制御部130は、第1表面情報に基づいて、ユーザの顔面の複数の領域のうち、上顎が配置された第1領域310に対向して存在する皮膚の第1上部領域311と、下顎が配置された第2領域320に対向して存在する皮膚の第1下部領域321を識別し、第2表面情報に基づいて、複数の領域のうち、上顎が配置された第1領域310に対向して存在する皮膚の第2上部領域と、下顎が配置された第2領域320に対向して存在する皮膚の第2下部領域を識別し、第1上部領域311と第2上部領域との高低差と、第1下部領域321と第2下部領域との高低差を識別して変更情報を取得し、変更情報に基づいて補綴物510のイメージを生成することができる。一方、本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムの補綴物510は、複数のPMMA歯を含むことができ、変更情報は、第2上部領域および第2下部領域に対して口腔内部に陥没した陥没領域410を識別し、複数のPMMA歯のうち、識別された陥没領域410に対応して配置された第1PMMA歯411の上側領域が口腔外部に突出するように大きさと形状を決めることを含むことができる。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムにおいて、口腔情報および表面情報を取得することを示した図である。
図3を参照すると、<3-a>、<3-b>、および<3-c>は、本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムにおいて、パノラマ装置200、CT装置300、2Dおよび3D撮像装置400に基づいて上顎と下顎に関する口腔情報および表面情報を取得したイメージであり、口腔情報は、口腔内部に存在する上顎の第1領域310と下顎の第2領域320に関する情報を含み、表面情報は、上顎の第1領域310と対向して存在する皮膚の第1上部領域311と、下顎の第2領域320と対向して存在する皮膚の第1下部領域321と、を含む。このように本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムは、パノラマ装置200、CT装置300、2Dおよび3D撮像装置400、およびこれらと連結されたコンピューティング装置100を用いて口腔情報および表面情報を取得することができる。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムにおいて、表面情報から陥没領域410を識別する動作を示した図である。
図4を参照すると、口腔内部にインプラント下部組立体520の上顎と下顎における配置形態が決められると、それを口腔内部に配置形態に基づいて埋入する過程を経る。このように口腔内部にインプラント下部組立体520が配置されると、制御部130は、インプラント下部組立体520の配置前後の表面情報である第1表面情報と第2表面情報に基づいて、配置前後の皮膚の高低差を識別することができる。これは、インプラントの提供を受ける利用者の口腔内部を囲む皮膚が陥没した部分、突出した部分があり得、美感上、陥没した部分および突出した部分がそれぞれの周囲の皮膚と平坦さを維持できるようにするPMMA歯のイメージを生成し、このように表面情報が反映されたPMMA歯がインプラント下部組立体520に結合され、皮膚がインプラント施術前よりも平坦に維持されるようにするためのものである。
図4の左側の上側図面は、第1上部領域311においてそれぞれ突出した部分312と陥没した部分313を識別したイメージを示したものであり、下側図面は、表面情報が反映されたPMMA歯がインプラント下部組立体520に結合され、突出した部分312と陥没した部分313が以前よりも平坦になった例示をイメージで示したものである。
【0035】
図5は、本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムにおいて、PMMA歯の大きさと形状を決めることを示した図である。
本発明の一実施形態に係るコンピューティング装置100の制御部130は、表面情報に基づいて、突出した部分に対応するPMMA歯は、上側の一部の領域が口腔内部に陥没するように大きさと形状を決め、陥没した陥没領域410に対応して配置された第1PMMA歯411の上側の一部の領域が口腔外部に突出するように大きさと形状を決めることで、皮膚の審美感を向上させるデジタルインプラントシステムを提供することができる。
【0036】
図6は、本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムの補綴物510の構成を示した図である。
本発明の一実施形態に係るデジタルインプラントシステムは、インプラント下部組立体520と補綴物510を結合するステップを含み、インプラント下部組立体520は、外側面にそれぞれ配置されるインプラント下部組立体520の直径が広くなる下側方向に回動可能に設けられた第1突出部521と、第1突出部521の下側に配置され、下側方向に回動可能に設けられた第2突出部と、を含み、補綴物510は、インプラント下部組立体520と結合する内側空間511を有し、内側空間511に第1突出部521に対応して第1突出部521が貫入するように設けられた第1凹溝512と、内側空間511に第2突出部522に対応して前記第2突出部522が貫入するように設けられた第2凹溝513と、を含むことができる。
【0037】
図6を参照してより詳しく説明すると、インプラント下部組立体520は、口腔内部に配置され、全顎インプラントの補綴物510が結合するようにし、補綴物510は、インプラント下部組立体520に載せられ、内部充填材などを用いて結合されることができる。この際、従来のインプラントシステムの補綴物510は、単に充填材により接着するように構成されており、粘着性のある食べ物を噛む場合、これらの結合が解除され得るという問題があるが、インプラント下部組立体520に下側方向に回動可能に設けられた突出部を含むことで、補綴物510が挿入される際に下側に移動して進入を容易にし、進入後には上側方向に回動して補綴物510内の凹溝に貫入し、これらがさらに強く結合するようにすることができる。
【符号の説明】
【0038】
100:コンピューティング装置
110:通信部
120:格納部
130:制御部
140:ディスプレイ部
150:ユーザ入力部
200:パノラマ装置
300:CT装置
310:第1領域
311:第1上部領域
320:第2領域
321:第1下部領域
400:2Dおよび3D撮像装置
410:陥没領域
411:第1PMMA歯
500:インプラント
510:補綴物
511:内側空間
512:第1凹溝
513:第2凹溝
520:インプラント下部組立体
521:第1突出部
522:第2突出部