(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066993
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20240509BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20240509BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
H01L29/78 301D
H01L29/78 301W
H01L29/44 Y
H01L29/06 301F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176072
(22)【出願日】2023-10-11
(31)【優先権主張番号】18/051,935
(32)【優先日】2022-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小清水 亮
(72)【発明者】
【氏名】中柴 康隆
(72)【発明者】
【氏名】河合 徹
【テーマコード(参考)】
4M104
5F140
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104BB01
4M104BB04
4M104BB06
4M104BB21
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5F140CE07
(57)【要約】
【課題】LDMOSにおいて、ゲート電極とドレイン領域との間の半導体基板上の絶縁膜にホットキャリアが注入されることによる抵抗の増大を防ぐ。
【解決手段】半導体基板SBの上面に形成されたn型のソース領域SRおよびドレイン領域DRと、半導体基板SB上にゲート絶縁膜GFを介して形成されたゲート電極G1と、ゲート電極G1およびドレイン領域DRの間の半導体基板SB上に、ゲート絶縁膜GFよりも大きい膜厚を有する絶縁膜IF1を介して形成されたフィールドプレート電極G2とを有するLDMOSを形成する。ここで、フィールドプレート電極G2は、その直下の半導体基板SBに形成されたn型の半導体領域NRの仕事関数よりも大きい仕事関数を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および下面を有する半導体基板と、
前記半導体基板内に形成された、前記半導体基板の前記上面から所定の深さを有する、n型の第1半導体領域と、
前記半導体基板内において、前記半導体基板の前記上面から所定の深さを有し、前記半導体基板の前記上面に沿う第1方向において、前記第1半導体領域と隣接して形成された、p型の第2半導体領域と、
前記第2半導体領域の上面に形成された、n型のソース領域と、
前記第1半導体領域の上面に形成された、n型のドレイン領域と、
前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記第2半導体領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極と前記ドレイン領域との間の前記第1半導体領域上に、前記ゲート絶縁膜よりも大きい膜厚を有する第1絶縁膜を介して形成された第1電極と、
を有し、
前記第1方向において、前記ゲート電極と前記第1電極とは、互いに隣り合っており、
前記第1電極は、前記第1電極の直下に位置する前記第1半導体領域の仕事関数よりも大きい仕事関数を有する材料からなる、半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1電極は、p型のシリコン、銅または白金を含んでいる、半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ゲート電極の一部は、前記第1絶縁膜上に位置している、半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1絶縁膜は、前記ゲート電極と前記ドレイン領域との間の前記半導体基板の前記上面と、前記ゲート電極の前記ドレイン領域側の側面と、前記ゲート電極の上面の一部とを覆っている、半導体装置。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置において、
前記第1電極は、前記ゲート電極の前記ドレイン領域側の側面を覆う前記第1絶縁膜に接している、半導体装置。
【請求項6】
請求項5記載の半導体装置において、
前記第1電極は、サイドウォールスペーサ状に形成されている、半導体装置。
【請求項7】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1電極は、前記第1方向において前記ゲート電極および前記ドレイン領域の間に位置する前記第1絶縁膜の上面と、前記ゲート電極の前記ドレイン領域側の側面を覆う前記第1絶縁膜の側面側面と、前記ゲート電極の上面上の前記第1絶縁膜の前記上面とに接して連続的に形成され、
前記第1絶縁膜および前記第1電極からなる積層膜と前記ドレイン領域との間には、前記積層膜の前記ドレイン領域側の側面を覆い、前記ドレイン領域を露出する第2絶縁膜からなるサイドウォールスペーサが形成されている、半導体装置。
【請求項8】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1絶縁膜は、前記半導体基板の前記上面および前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を構成し、
前記層間絶縁膜は、前記ゲート電極と前記ドレイン領域との間の前記半導体基板の直上に溝を有し、
前記第1電極は、前記溝内に形成されている、半導体装置。
【請求項9】
(a)上面および下面を有する半導体基板を用意する工程、
(b)前記半導体基板の前記上面から所定の深さを有する、n型の第1半導体領域を形成する工程、
(c)前記第1半導体領域上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程、
(d)前記ゲート電極の直下の前記半導体基板の前記上面から所定の深さを有し、且つ前記第1半導体領域と隣接するp型の第2半導体領域を形成する工程、
(e)前記第2半導体領域の上面から所定の深さを有するn型のソース領域を形成し、前記第1半導体領域の上面から所定の深さを有するn型のドレイン領域を形成する工程、
(f)前記ゲート電極と前記ドレイン領域との間の前記半導体基板の前記上面と、前記ゲート電極の前記ドレイン領域側の側面とを連続的に覆うように、前記ゲート絶縁膜より大きい膜厚を有する第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上の第1電極とからなる積層膜を形成する工程、
(g)前記半導体基板の前記上面、前記ゲート電極および前記積層膜を覆う第2絶縁膜を形成する工程、
(h)前記第2絶縁膜をエッチバックすることで、前記半導体基板、前記ゲート電極および前記積層膜のそれぞれの上面を露出し、前記積層膜の前記ドレイン領域側の側面を覆う前記第2絶縁膜からなるサイドウォールスペーサを形成する工程、
を有し、
前記第1電極は、前記第1電極の直下に位置する前記第1半導体領域の仕事関数よりも大きい仕事関数を有する材料からなる、半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1電極は、p型のシリコン、銅または白金を含んでいる、半導体装置の製造方法。
【請求項11】
(a)上面および下面を有する半導体基板を用意する工程、
(b)前記半導体基板の前記上面から所定の深さを有するn型の第1半導体領域を形成する工程、
(c)前記第1半導体領域の直上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程、
(d)前記ゲート電極の直下の前記半導体基板の前記上面から所定の深さを有し、且つ前記第1半導体領域と隣接するp型の第2半導体領域を形成する工程、
(e)前記第2半導体領域の上面を含む前記第2半導体領域内にn型のソース領域を形成し、前記第1半導体領域の上面を含む前記第1半導体領域内にn型のドレイン領域を形成する工程、
(f)前記ゲート電極を覆うように、前記半導体基板上に層間絶縁膜を形成する工程、
(g)前記ゲート電極と前記ドレイン領域との間の前記半導体基板の直上において、前記層間絶縁膜の上面から前記層間絶縁膜の途中深さに達する溝を形成する工程、
(h)前記溝内に、第1電極を形成する工程、
を有し、
前記半導体基板の前記上面と前記第1電極と間の最短距離は、前記ゲート絶縁膜より大きく、
前記第1電極は、前記第1電極の直下に位置する前記第1半導体領域の仕事関数よりも大きい仕事関数を有する材料からなる、半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1電極は、p型のシリコン、銅または白金を含んでいる、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、例えば、ゲート電極とドレイン領域との間の基板上に、ゲート絶縁膜よりも厚い絶縁膜と、当該絶縁膜上のフィールドプレート電極とを有する電界効果トランジスタを備えた半導体装置に好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)の一つとして、LDMOSFET(Laterally Diffused MOSFET、横方向拡散MOSFET、以下、単に「LDMOS」という場合がある)が知られている。LDMOSでは、ゲート電極と基板間の電界の電界を緩和するために、ゲート電極の下にSTI(Shallow Trench Isolation)を設ける場合がある。
【0003】
LDMOSにおいてソース-ドレイン間に高電界が印加されると、ホットキャリアがSTIに注入されて劣化が生じる。すなわち、回路動作不良、消費電力増加および製品寿命の劣化が生じる。このような問題の対策として、STIの長さを延伸することが考えられる。非特許文献1に記載されているように、STIを形成せず、平坦な基板上にゲート絶縁膜より厚い酸化シリコン膜を設け、当該酸化シリコン膜上にゲート電位が印加されたフィールドプレート電極を形成することが考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ケイタ・タカハシ(Keita Takahashi)、他7名,「「ホット-キャリア インデュースド オフ-ステイト リーケイジ カレント インクリース オブ LDMOS アンド アプローチ トゥー オーバーカム ザ フェノメノン(Hot-carrier Induced Off-state Leakage Current Increase of LDMOS and Approach to Overcome the Phenomenon)」,「プロシーディングズ オブ ザ 30th インターナショナル シンポジウム オン パワー セミコンダクター デバイス アンド Ics(Proceedings of the 30th International Symposium on Power Semiconductor Devices & Ics)」,(米国),2018年,p.303-306
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の対策では、基板を構成するシリコンと上記酸化シリコン膜との界面のポテンシャルの干渉が大きく、依然インパクトイオン率が大きいという課題がある。
【0006】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0008】
一実施の形態である半導体装置は、半導体基板の上面に形成されたn型のソース領域およびドレイン領域と、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、ゲート電極およびドレイン領域の間の半導体基板上に、ゲート絶縁膜よりも膜厚が大きい絶縁膜を介して形成されたフィールドプレート電極とを有するLDMOSを備えている。フィールドプレート電極は、その直下の半導体基板内に形成されたn型半導体領域の仕事関数よりも大きい仕事関数を有する。
【0009】
一実施の形態である半導体装置の製造方法は、半導体基板の上面に並ぶn型のソース領域、p型半導体領域、n型半導体領域およびn型のドレイン領域と、p型半導体領域の直上にゲート絶縁膜を介して位置するゲート電極を形成する工程と、ゲート絶縁膜よりも膜厚が大きい第1絶縁膜および第1絶縁膜上のフィールドプレート電極からなる積層膜を、ゲート電極とドレイン領域との間の半導体基板の上面と、ゲート電極の側面とを連続的に覆うように形成する工程と、当該積層膜のドレイン領域側の側面を覆い、ドレイン領域の上面を露出するサイドウォールスペーサを形成する工程と、を有するものである。ここで、フィールドプレート電極は、フィールドプレート電極の直下の半導体基板内に形成されたn型半導体領域の仕事関数よりも大きい仕事関数を有する。
【0010】
他の一実施の形態である半導体装置の製造方法は、半導体基板の上面に並ぶn型のソース領域、p型半導体領域、n型半導体領域およびn型のドレイン領域と、p型半導体領域の直上にゲート絶縁膜を介して位置するゲート電極を形成する工程と、半導体基板上に層間絶縁膜を形成する工程と、ゲート電極とドレイン領域との間の層間絶縁膜の上面に溝を形成し、溝内にフィールドプレート電極を形成する工程と、を有するものである。ここで、溝の底面と半導体基板の上面との間の距離は、ゲート絶縁膜よりも大きく、フィールドプレート電極は、フィールドプレート電極の直下の半導体基板内に形成されたn型半導体領域の仕事関数よりも大きい仕事関数を有する。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0012】
本発明によれば、半導体装置の性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1である半導体装置を示す断面図である。
【
図2】実施の形態1である半導体装置を示す平面レイアウトである。
【
図4】実施の形態1である半導体装置におけるポテンシャルを示すバンド図である。
【
図5】n型フィールドプレート電極近傍のポテンシャルの変調を示すバンド図である。
【
図6】p型フィールドプレート電極近傍のポテンシャルの変調を示すバンド図である。
【
図7】実施の形態1である半導体装置におけるポテンシャルを示す断面図およびグラフである。
【
図8】実施の形態1である半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【
図15】実施の形態2である半導体装置を示す断面図である。
【
図16】実施の形態2である半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【
図22】実施の形態3である半導体装置を示す断面図である。
【
図23】実施の形態3である半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【
図27】実施の形態4である半導体装置を示す断面図である。
【
図28】実施の形態4である半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【
図33】比較例1である半導体装置を示す断面図である。
【
図34】比較例2である半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その言及した数に限定されるものではなく、言及した数以上でも以下でもよい。
【0015】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことはいうまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0016】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0017】
<改善の余地>
以下に、
図33および
図34を用いて、改善の余地の詳細について説明する。
【0018】
図33には、比較例1であるnチャネル型のLDMOSトランジスタを有する半導体装置の断面を示している。比較例1の半導体装置は、半導体基板SBの上面にソース領域SRおよびドレイン領域DRを有する横型MOSFETであって、ゲート電極GEの下に素子分離領域STIを備えたLDMOSである。半導体基板SBは、上面から所定の深さを有するn型の半導体領域NR1を有する。半導体領域NR1内には、その上面から所定の深さを有するp型ウェルPWとn型ウェルNWとが、互いに離間して形成されている。p型ウェル内にはp型のボディ層PBが形成されており、ボディ層PBの上面(半導体基板SBの上面)にはp型のコンタクト領域BCとn型のソース領域SRとが形成されている。n型ウェルの上面には、n型のドレイン領域が形成されている。
【0019】
ソース領域SRとドレイン領域DRとの間の半導体基板SB上には、ゲート絶縁膜GFを介してゲート電極GEが形成されている。ゲート電極GEの直下の半導体領域NR1とドレイン領域DRとの間の半導体基板SBの上面には溝が設けられ、当該溝内に素子分離領域STIが埋め込まれている。素子分離領域STIと隣接する半導体領域NR1内には、n型のドリフト層DFが形成されている。
【0020】
このようなLDMOSにおいてソース-ドレイン間に高電界が印加されると、ホットキャリアが素子分離領域STIに注入されて劣化が生じる。すなわち、ホットキャリアインジェクションにより、回路動作不良、消費電力増加および製品寿命の劣化が生じる。すなわち、素子分離領域STI内に固定電荷(ホットキャリア)がトラップされ、その箇所から空乏化が起きるため、LDMOSのオン抵抗が高くなる。
【0021】
この問題の対策として、素子分離領域STIの長さを延伸することが考えられる。また、
図34に比較例2として示すように、素子分離領域STIを形成せず、平坦な半導体基板SBの上面上にゲート絶縁膜GFより厚い酸化シリコン膜OXを設け、酸化シリコン膜OX上にゲート電位が印加されたフィールドプレート電極FPを形成することが考えられる。ここでは、ゲート電極GEとフィールドプレート電極FPとは同一のn型ポリシリコン膜からなる。すなわち、ゲート電極GEとフィールドプレート電極FPとは一体となっており、共にn型ポリシリコン膜により構成されている。
【0022】
しかし、上記の対策では、半導体基板SBを構成するシリコンと酸化シリコン膜OXとの界面のポテンシャルの干渉が大きく、依然インパクトイオン率が大きいという改善の余地がある。そこで、本願の各実施の形態では、上述した改善の余地を解決する工夫を施している。以下では、この工夫を施した実施の形態における技術的思想について説明する。
【0023】
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体装置として、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor:MOS型電界効果トランジスタ)のうち、LDMOSトランジスタ(Laterally Diffused MOSFET)について説明する。
【0024】
<半導体装置の構造>
以下に、
図1~
図3を用いて、本実施の形態1の半導体装置の構造について説明する。
図1は、本実施の形態の半導体装置の要部を示す断面図である。
図2は、本実施の形態の半導体装置を示す平面図である。
図3は、本実施の形態の半導体装置を示す断面図であり、
図2のA-A線における断面図である。本実施の形態の半導体装置は、nチャネル型のLDMOSトランジスタを有する半導体装置である。なお、LDMOSトランジスタは、横型パワーMOSFETと呼ばれることもある。
【0025】
本実施の形態の半導体素子は、
図1に示すように、上面(第1主面)と、その反対側の下面(裏面、第2主面)とを備えた、シリコン(Si)からなる半導体基板SBを有している。半導体基板SB内には、半導体基板SBの上面から所定の深さを有するn型の半導体領域NRが形成されている。また、半導体基板SB内には、半導体領域NRの下面から所定の深さを有するp型の半導体領域PRが形成されている。図示はしていないが、半導体基板SBは、半導体領域PRの下にn型の半導体領域を有していてもよい。半導体領域NRは、ドレイン領域の低濃度領域であり、且つ、n型のドリフト領域である。
【0026】
半導体領域NRと隣接する半導体基板SB内には、半導体基板SBの上面から所定の深さを有するp型のボディ層PBが形成されている。ボディ層PB内には、ボディ層PBの上面(半導体基板SBの上面)から所定の深さを有するp型の半導体領域(拡散層)であるコンタクト領域BCと、n型の半導体領域(拡散層)であるソース領域SRとが互いに隣接して形成されている。コンタクト領域BCおよびソース領域SRの深さは、半導体領域NRの深さよりも浅い。コンタクト領域BCおよびソース領域SRは、半導体基板SBの上面に沿う方向(ゲート長方向)において、半導体領域NRに対しボディ層PBを介して離間している。半導体領域NR内には、半導体領域NRの上面(半導体基板SBの上面)から所定の深さを有する、n型の半導体領域(拡散層)であるドレイン領域DRが形成されている。ドレイン領域DRは、半導体領域PRから離間している。ソース領域SRおよびドレイン領域DRのそれぞれのn型不純物濃度は、半導体領域NRのn型不純物濃度より大きい。コンタクト領域BCのp型不純物濃度は、ボディ層PBのp型不純物濃度より大きい。
【0027】
ソース領域SRとドレイン領域DRとの間の半導体基板SB上には、ゲート絶縁膜GFを介してゲート電極G1が形成されている。ゲート電極G1は、n型の半導体膜からなり、例えばポリシリコン膜からなる。ゲート絶縁膜GFの直下の領域とドレイン領域DRとの間の半導体基板SB上には、ゲート絶縁膜GFよりも大きい膜厚を有する絶縁膜IF1を介して、フィールドプレート電極G2が形成されている。ゲート絶縁膜GFおよび絶縁膜IF1は、例えば酸化シリコン膜からなる。フィールドプレート電極G2は、p型の半導体膜からなり、例えばポリシリコン膜からなる。ゲート電極G1およびフィールドプレート電極G2は、絶縁膜IF1の直上にて互いに離間している。つまり、ゲート電極G1の一部はゲート絶縁膜GFの直上に位置しており、他の一部は絶縁膜IF1の直上に位置している。ゲート電極G1およびフィールドプレート電極G2のそれぞれの側壁は、サイドウォールスペーサSW1により覆われている。
【0028】
本実施の形態の半導体装置であるLDMOSは、少なくともボディ層PB、ソース領域SR、ドレイン領域DRおよびゲート電極G1を有している。本実施の形態のLDMOSは、さらに、絶縁膜IF1、フィールドプレート電極G2およびコンタクト領域BCを有している。LDMOSのゲート長方向において、ソース領域SRおよびドレイン領域DRと隣り合う領域のうち、ゲート電極G1側とは反対側の半導体基板SBの上面には溝が形成され、当該溝内には素子分離領域が形成されている(図示しない)。
【0029】
ゲート絶縁膜GF、ゲート電極G1、絶縁膜IF1、フィールドプレート電極G2および素子分離領域から露出する半導体基板SBの上面には、シリサイド層S1が形成されている。すなわち、ソース領域SR、コンタクト領域BCおよびドレイン領域DRのそれぞれの上面には、シリサイド層S1が形成されている。また、ゲート電極G1の上面およびフィールドプレート電極G2の上面のそれぞれにも、シリサイド層S1が形成されている。
図1および
図3では、シリサイド層S1より上の構造のうち、層間絶縁膜、コンタクトプラグおよび配線層の図示を省略している。シリサイド層S1は、ソース領域SR、コンタクト領域BC、ドレイン領域DR、ゲート電極G1およびフィールドプレート電極G2のそれぞれと、コンタクトプラグとの接続抵抗を低減する役割を有する。
【0030】
図1では、ゲート長方向においてソース領域SRおよびコンタクト領域BCが並ぶ態様を示しているが、実際には、
図2に示すようにソース領域SRおよびコンタクト領域BCはLDMOSのゲート幅方向に並んで交互に形成されている。
図2では、コンタクトプラグCPと、コンタクトプラグCP上のソース配線MSおよびドレイン配線MDとのそれぞれの下の構造を透過して示している。
図2では、シリサイド層S1および層間絶縁膜の図示を省略している。また、
図2では、ゲート長方向における絶縁膜IF1の終端部のうち、ゲート電極G1に覆われている終端部の輪郭を破線で示している。
【0031】
図1および
図2に示すように、ソース領域SRおよびコンタクト領域BCは、シリサイド層S1およびコンタクトプラグCPを介してソース配線MSに電気的に接続されている。ドレイン領域DRは、シリサイド層S1およびコンタクトプラグCPを介してドレイン配線MDに電気的に接続されている。図示していない領域において、ゲート電極G1は、シリサイド層S1およびコンタクトプラグCPを介してゲート配線に電気的に接続されている。ここでは、フィールドプレート電極G2は、シリサイド層S1およびコンタクトプラグCPを介してソース配線MSに電気的に接続されている。つまり、
図2に示すように、ゲート幅方向に延在するソース配線MSの一部がゲート長方向に突出し、フィールドプレート電極G2の直上の領域に達している。当該領域にて、ソース配線MSとフィールドプレート電極G2とが電気的に接続されている。
【0032】
よって、ソース領域SRおよびフィールドプレート電極G2には、ソース電位が供給される。また、ゲート電極G1にはゲート電位が供給され、ドレイン領域DRにはドレイン電位が供給される。ボディ層PBには、コンタクト領域BCを介してソース電位(バックゲート電位)が供給される。ただし、フィールドプレート電極G2がゲート配線に電気的に接続されて、フィールドプレート電極G2にゲート電位が供給されてもよい。
【0033】
<半導体装置の動作>
本実施の形態のLDMOSがオン状態のとき、例えば、ソース領域SRには0V、ドレイン領域DRには12V、ゲート電極G1には5~5.5V、フィールドプレート電極G2には0Vが印加される。これにより、電子は、
図1に矢印で示すように、ソース領域SRから半導体基板SBの上面近傍を通って、ドレイン領域DRへと流れる。つまり電子は、ソース領域SRから、ボディ層PBの上面に形成されたチャネル(反転層)を通って、半導体領域NRの上面近傍を介してドレイン領域DR側へ移動する。このとき、フィールドプレート電極G2の直下において、絶縁膜IF1と半導体基板SBとの界面に接する半導体基板SB内には、表面ポテンシャル変調領域に相当する厚さの空乏層DLが形成されている。
図1では、空乏層DLの輪郭を破線で示している。
【0034】
空乏層DLの発生によりポテンシャルバリアが生じるため、半導体領域NR内を通過する電子は、空乏層DLを迂回してドレイン領域DR側へ移動する。つまり、電子は絶縁膜IF1と半導体基板SBとの界面から離れた箇所を通る。このように電子が絶縁膜IF1から離れた位置を通過することを、
図4~
図7を用いて説明する。
【0035】
図4は、本実施の形態のLDMOSにおける電子のポテンシャルを示すバンド図である。具体的には、
図4は、
図1に一点鎖線で示す箇所において、フィールドプレート電極G2、絶縁膜IF1および半導体領域NR(半導体基板SB)に亘る箇所(フィールドプレート電極部)のバンド図である。絶縁膜IF1は
図4の中央部に対応し、
図4における絶縁膜IF1の左側がフィールドプレート電極G2、絶縁膜IF1の右側が半導体領域NRに対応する。
図4には、フェルミ準位Ef、真性半導体のフェルミ準位Ei、荷電子帯Ev、および、伝導体Ecを示している。
【0036】
ここでは、フィールドプレート電極G2の電位は0Vであり、半導体領域NRにはドレイン電位(正電位)が供給されている。このため、
図4に示すように、バンドは半導体領域NR側に下がるように傾いている。半導体領域NRにドレイン電位(正電位)が印加されることで、
図4に白い矢印で示すように、フェルミ準位はフィールドプレート電極G2内に比べ、半導体領域NR内にて低下している。また、絶縁膜IF1の近傍の半導体領域NRでは、空乏層DLが生じているためにバンドが曲がり、電子に対して斥力が生じる。なお、フィールドプレート電極G2に印加する電位は低電位であればいいが、0Vであれば帰還容量を低減できる。このため、スイッチングの損失が少なくLDMOSの動作を高速化できる。また、フィールドプレート電極G2にゲート電位を供給すると、電界緩和、耐圧向上、および、オン抵抗低減が実現できる。
【0037】
ここでは、フィールドプレート電極G2を形成し、ソース電位またはゲート電位を印加することで、ドレイン側ゲート電極端部のドレイン耐圧を向上できる。すなわち、LDMOSのオフ時のBVDSS(ドレイン-ソース間降伏電圧)が低下を防げる。また、フィールドプレート電極G2を形成し、ソース電位またはゲート電位を印加することで、半導体基板SBと絶縁膜IF1の界面、つまりSiとSiOとの界面の近傍をポテンシャル変調により空乏化させている。この空乏化により、電子電流が半導体基板SB内にて当該界面を迂回し、半導体基板SBの表面での電子の集中を回避できる。したがって、電界が強い半導体基板SBの表面付近にホットキャリアの候補となる伝導電子が存在することを防げるため、ホットキャリアインジェクション耐性を向上できる。
【0038】
ここで、本発明者らは、実験により、絶縁膜IF1の下に形成された低濃度n型シリコン(半導体領域NR)に対する仕事関数が小さい材料をフィールドプレート電極G2に用いると、ホットキャリアインジェクションの改善効果が不十分となることを見出した。そこで、本実施の形態の主な特徴の一つとして、絶縁膜IF1の下に形成された半導体領域NRよりも仕事関数が大きい材料として、p型のシリコン膜をフィールドプレート電極G2に用いている。
【0039】
図5に、n型フィールドプレート電極近傍のポテンシャルの変調をバンド図により示し、
図6に、p型フィールドプレート電極近傍のポテンシャルの変調をバンド図により示す。
図5および
図6のそれぞれでは、左から右にバンド構造が遷移する様子を3つのバンド図を並べて示している。各バンド図は、
図4と同様に、フィールドプレート電極、絶縁膜、半導体基板(n型の半導体領域、n型ドリフト領域)に亘るバンド構造を示すものである。
図5および
図6のそれぞれでは、フェルミ準位Efを破線で示し、真性半導体のフェルミ準位Eiを一点鎖線で示している。
【0040】
図5および
図6の左側には、フィールドプレート電極とn型ドリフト領域(半導体領域NRに対応)との接合前のバンド図を示している。
図5および
図6の中央には、フィールドプレート電極とn型ドリフト領域との接合後であってそれらの相互間の電位差がないゼロバイアスの平衡状態のバンド図を示している。
図5および
図6の右側には、フィールドプレート電極とn型ドリフト領域との接合後においてn型ドリフト領域に正電位(ドレイン電圧)を印加した場合のバンド図を示している。
図5および
図6の左側のバンド図には、上方に真空準位Esを示している。真空準位Esは、0.95eVである。n型ドリフト領域のn型不純物濃度は、1×10
17cm
-3である。
【0041】
図5に示すフィールドプレート電極はn型のポリシリコン膜からなり、接合前(
図5の左側のバンド図)におけるその仕事関数Φsは約4.10eVである。
図6に示すフィールドプレート電極はp型のポリシリコン膜からなり、接合前(
図6の左側のバンド図)におけるその仕事関数Φsは約5.10eVである。接合前(
図5および
図6の左側のバンド図)において、n型ドリフト領域の仕事関数Φsは約4.20eVである。
【0042】
図5および
図6の中央のバンド図に示すように、接合後の平衡状態では、フィールドプレート電極がn型である場合、n型ドリフト領域側で上がるようにバンドが傾き、フィールドプレート電極がp型である場合、n型ドリフト領域側で下がるようにバンドが傾く。
図5および
図6の中央のバンド図に示すように、n型ドリフト領域にドレイン電圧を印加した状態では、フィールドプレート電極がn型のp型のいずれであっても、n型ドリフト領域側で下がるようにバンド構造が遷移する。ここで、フィールドプレート電極がn型である場合に比べ、p型である場合はバンドの曲がりが大きく、絶縁膜近傍のn型ドリフト領域にて、ポテンシャル変調がより大きいことが分かる。つまり、仕事関数がn型ドリフト領域より大きいp型のフィールドプレート電極を設けた場合、フィールドプレート電極がn型である場合に比べて、絶縁膜近傍のn型ドリフト領域において電子に対しより大きい斥力が働く。このように、フィールドプレート電極の仕事関数が大きいことで、n型ドリフト領域でのバンド曲がり(表面ポテンシャル変調)が大きくなり、電子の界面集中をより効果的に緩和できる。このことを、本発明者らは実験により確認した。
【0043】
図7に、p型のフィールドプレート電極G2を備えたLDMOSにおける半導体装置の断面図と、当該断面図の位置に対応するポテンシャルのグラフとを示す。
図7の断面図の下のグラフでは、上側から下側に向かってポテンシャル、つまり電子のエネルギーが大きくなる。
図7の断面図の右のグラフでは、右側から左側に向かってポテンシャル、つまり電子のエネルギーが大きくなる。
図7の断面図の下のグラフでは、電子を模式的に黒い丸で示し、LDMOSのオフ状態のポテンシャル(実線)と、オン状態のポテンシャル(実線および破線)とを示している。
図7の断面図の右のグラフは、
図7の断面図において一点鎖線で示す箇所、つまりフィールドプレート電極G2のドレイン側端部と平面視で重なる位置におけるポテンシャルを示すものである。
【0044】
図7の断面図の下のグラフに示すように、オフ状態ではゲート電極G1の直下におけるポテンシャルが低いため、ソース領域SRの電子はドレイン領域DR側に流れない。これに対し、オン状態では、ゲート電極G1の直下におけるポテンシャルが高くなるため、ソース領域SRの電子はドレイン領域DR側に流れる。
【0045】
図7の断面図の右のグラフに示すように、フィールドプレート電極G2の下の半導体領域NR内では、絶縁膜IF1近傍において、フィールドプレート電極G2の仕事関数の大きさに応じてポテンシャルが変調され、フェルミレベルがポテンシャルが低くなる方向へ曲がる。このように、フィールドプレート電極G2の下の半導体基板SBの表面におけるポテンシャル低下により、電子に対して斥力が生じ、当該表面を電子が通らなくなる。
【0046】
ここでは、フィールドプレート電極G2の材料としてp型シリコンを例に説明したが、フィールドプレート電極G2の材料はこれに限られない。フィールドプレート電極G2の材料は、半導体領域NRよりも仕事関数が大きい材料であればよい。フィールドプレート電極G2の材料としては、例えば、銅(Cu)または白金(Pt)であってもよい。銅の仕事関数は5.10eVであり、白金の仕事関数は5.64eVである。p型のフィールドプレート電極G2の仕事関数は、不純物濃度にもよるが、例えば5.14eVである。半導体領域NRの仕事関数は、例えば4.20eVである。
【0047】
フィールドプレート電極G2の導電型がn型である場合、その仕事関数は例えば4.08eVであり、上記半導体領域NRの仕事関数よりも小さい。そのため、フィールドプレート電極G2がn型である場合、ホットキャリアインジェクション耐性は不十分となる。よって、ホットキャリアインジェクション耐性を高める観点からは、フィールドプレート電極G2の材料としてn型の半導体を用いることは好ましくない。
【0048】
なお、本実施の形態ではn型のゲート電極G1およびp型のフィールドプレート電極G2を半導体膜として説明するが、これらの電極は不純物濃度が十分高く低抵抗であるため、導体膜と呼ぶこともできる。
【0049】
<半導体装置の製造方法>
本実施の形態の半導体装置の製造方法を、
図8~
図14を用いて説明する。
【0050】
まず、
図8に示すように、単結晶シリコンからなる半導体基板SBを用意する。続いて、半導体基板SBの上面に比較的近く浅い領域に、イオン注入法によりn型不純物(例えばリン(P))を打ち込む。また、半導体基板SBの比較的深い領域に、イオン注入法によりp型不純物(例えばホウ素(B))を打ち込む。これにより、半導体基板SB内に、半導体基板SBの上面に接するn型の半導体領域NRと、半導体領域NRの下面に接するp型の半導体領域PRとを形成する。続いて、半導体領域NR、PRを活性化させるため、半導体基板SBに対して熱処理を行う。
【0051】
次に、
図9に示すように、半導体基板SBの上面上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により酸化シリコン膜からなる絶縁膜IF1を形成する。続いて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、絶縁膜IF1をパターニング(加工)する。これにより、半導体基板SBの上面の一部を露出させる。
【0052】
次に、
図10に示すように、酸化法を用いて、露出している半導体基板SBの上面を酸化させる。これにより、酸化シリコン膜を形成する。続いて、当該酸化シリコン膜上および絶縁膜IF1上に、例えばCVD法によりポリシリコン膜(半導体膜)を形成する。続いて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、当該ポリシリコン膜および当該酸化シリコン膜をパターニング(加工)する。これにより、半導体基板SBの上面の一部および絶縁膜IF1の上面の一部を露出させる。また、当該ポリシリコン膜からなるゲート電極G1およびフィールドプレート電極G2を互いに離間させて形成し、当該酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜GFを形成する。ゲート電極G1は、半導体基板SBの上面上および絶縁膜IF1の上面上に形成される。ゲート電極G1とフィールドプレート電極G2とが隣り合う方向(ゲート長方向)においてフィールドプレート電極G2の両端は、絶縁膜IF1の直上で終端している。
【0053】
次に、
図11に示すように、半導体基板SB内に、p型の半導体領域であるボディ層PBを形成する。ここでは、フォトレジスト膜PR1をマスクとして用いたイオン注入法により、p型不純物(例えばホウ素(B))を半導体基板SBに打ち込むことで、ボディ層PBを形成する。フォトレジスト膜PR1は、例えば、ゲート電極G1の上面の一部、絶縁膜IF1およびフィールドプレート電極G2を覆い、絶縁膜IF1から露出する半導体基板SBの上面のうち、ゲート電極G1とは反対側の上面を覆っている。つまり、フォトレジスト膜PR1は、ゲート電極G1から露出する半導体基板SBの上面のうち、絶縁膜IF1とは反対側の上面を露出している。当該p型不純物の注入工程では、斜めイオン注入を行う。斜めイオン注入を行うことで、ゲート電極G1の直下にボディ層PBの一部を形成できる。ボディ層PBは、半導体基板SBの上面から半導体領域PRの途中深さに亘って形成される。
【0054】
次に、
図12に示すように、フォトレジスト膜PR1を除去した後、ゲート電極G1およびフィールドプレート電極G2のそれぞれの側壁を覆うサイドウォールスペーサSW1を形成する。サイドウォールスペーサSW1は、例えば、半導体基板SB上に酸化シリコン膜などからなる絶縁膜をCVD法により堆積した後、エッチバックを行って半導体基板SB、ゲート電極G1およびフィールドプレート電極G2のそれぞれの上面を露出させることで形成する。続いて、ゲート長方向においてゲート電極G1および絶縁膜IF1を含む構造と隣り合う領域の半導体基板SBの上面およびゲート電極G1に、n型不純物(例えばリン(P)またはヒ素(As))をイオン注入法により打ち込む。これにより、半導体基板SB内に、n型のソース領域SRと、n型のドレイン領域DRとを、当該構造を挟むように形成する。ここでは、ボディ層PBの上面の一部とフィールドプレート電極G2の全体とを覆い、ゲート電極G1と、当該構造とゲート長方向において隣り合う半導体基板SBの上面とを露出するフォトレジスト膜PR2をマスクとして用いてイオン注入を行う。このため、ゲート電極G1はn型の半導体膜となるが、フィールドプレート電極G2にはn型不純物は打ち込まれない。
【0055】
次に、
図13に示すように、フォトレジスト膜PR2を除去した後、ボディ層PBの上面の一部とフィールドプレート電極G2とを露出し、ゲート電極G1、ソース領域SRおよびドレイン領域DRを覆うフォトレジスト膜PR3を形成する。続いて、p型不純物(例えばホウ素(B))を半導体基板SBの上面(ボディ層PBの上面)とフィールドプレート電極G2とに打ち込む。これにより、半導体基板SBの上面(ボディ層PBの上面)に、ソース領域SRと隣接するp型のコンタクト領域BCを形成する。また、当該イオン注入工程により、フィールドプレート電極G2は、p型の半導体膜となる。ゲート電極G1とフィールドプレート電極G2とは元々同一のポリシリコン膜であるが、
図12および
図13を用いて説明したイオン種の打ち分けを行うことで、互いに異なる伝導型の半導体膜となる。なお、
図12を用いて説明した工程の前に
図13を用いて説明した工程を行ってもよい。
【0056】
上記工程により、少なくともボディ層PB、ソース領域SR、ドレイン領域DRおよびゲート電極G1を有するLDMOSが形成される。本実施形態のLDMOSは、さらに、絶縁膜IF1、フィールドプレート電極G2およびコンタクト領域BCを有している。
【0057】
次に、
図14に示すように、フォトレジスト膜PR3を除去した後、周知のサリサイドプロセスを行うことで、コンタクト領域BC、ソース領域SR、ドレイン領域DR、ゲート電極G1およびフィールドプレート電極G2のそれぞれの上面にシリサイド層S1を形成する。シリサイド層S1は、たとえばニッケルシリコン(NiSi)からなる。サイドウォールスペーサSW1は、シリサイドブロック膜としての役割を有する。
【0058】
その後、図示は省略するが、LDMOS、半導体基板SBおよびシリサイド層S1の上に、層間絶縁膜、コンタクトプラグおよび配線層を形成することで、本実施の形態の半導体装置が略完成する。
【0059】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態では、フィールドプレート電極G2を形成し、ソース電位またはゲート電位を印加することで、ドレイン側ゲート電極端部のドレイン耐圧を向上できる。つまり、フィールドプレート効果を得られる。
【0060】
また、ゲート電極G1とフィールドプレート電極G2との間隔をリソグラフィの最小ルールに設定することで、それらの電極同士の間隔を極力小さくしている。これにより、それらの電極の下での半導体基板SB内の電界を緩和でき、且つ、ゲート-ドレイン間の容量を低減できる。
【0061】
また、フィールドプレート電極G2にソース電位またはゲート電位を印加することで、半導体基板SBと絶縁膜IF1との界面近傍をポテンシャル変調により空乏化させている。これにより、電子電流が半導体基板SB内にて当該界面を迂回するため、ホットキャリアインジェクション耐性を向上できる。つまり、フィールドプレート電極によるポテンシャル変調効果により、界面のポテンシャルの干渉を緩和し、これによりホットキャリアインジェクションの発生を抑えられる。ここで、本実施の形態では、絶縁膜IF1の下に位置する半導体領域NRに対する仕事関数が大きい材料をフィールドプレート電極G2に用いているため、ホットキャリアインジェクションの改善効果が効果的に得られる。
【0062】
また、本実施の形態の半導体装置の製造方法では、ゲート電極G1およびフィールドプレート電極G2を形成するために、ポリシリコン膜を1層形成すればよく、ポリシリコン膜の形成工程を最小限に抑えられる。
【0063】
以上より、本実施の形態では、耐圧が高く、且つ、ホットキャリアインジェクション耐性が高いLDMOSを実現できる。すなわち、半導体装置の性能を向上できる。
【0064】
(実施の形態2)
<半導体装置の構造>
以下に、
図15を用いて、本実施の形態2の半導体装置の構造について説明する。
図15は、本実施の形態の半導体装置を示す断面図である。
【0065】
図15に示すように、本実施の形態のLDMOSの半導体基板SB内の構造、ゲート絶縁膜GF、ゲート電極G1の構造は、前記実施の形態1と同様である。これに対し、ゲート電極G1の全体がゲート絶縁膜GF上に形成されている点は、前記実施の形態1と異なる。すなわち、ゲート電極G1の一部は、ゲート絶縁膜GFよりも厚い絶縁膜上に配置されていない。また、半導体基板SBとフィールドプレート電極G3との間に介在する絶縁膜IF2が、ゲート電極G1側面全体と、ゲート電極G1の上面の一部とを覆っている点は、前記実施の形態1と異なる。さらに、フィールドプレート電極G3が、ゲート電極G1の側面を覆う絶縁膜IF2の側面にサイドウォールスペーサ状に形成されている点は、前記実施の形態1と異なる。
【0066】
ここでは、絶縁膜IF2は、ゲート電極G1の上面の直上から、ゲート長方向における半導体領域NRとドレイン領域DRとの境界の直上近傍に亘って連続的に形成されており、ゲート電極G1の上面の一部と、ドレイン領域DRの上面とを露出している。つまり、絶縁膜IF2は、ゲート電極G1の上面の一部と、ゲート電極G1の側面と、ゲート電極G1およびドレイン領域DRの間の半導体基板SBの上面とを連続的に覆っている。絶縁膜IF2は、ゲート絶縁膜GFよりも膜厚が大きいシリサイドブロック酸化膜を用いて形成されている。
【0067】
p型のポリシリコン膜からなるフィールドプレート電極G3は、ゲート長方向において、絶縁膜IF2を介してゲート電極G1の側面と隣り合って形成されている。ゲート長方向において、フィールドプレート電極G3とドレイン領域DRとは離間している。
【0068】
<半導体装置の製造方法>
本実施の形態の半導体装置の製造方法を、
図16~
図21を用いて説明する。
【0069】
まず、
図16に示すように、
図8を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、半導体領域NR、PRを備えた半導体基板SBを用意する。続いて、露出している半導体基板SBの上面を酸化させる。これにより、酸化シリコン膜を形成する。続いて、当該酸化シリコン膜上に、例えばCVD法によりポリシリコン膜(半導体膜)を形成する。続いて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、当該ポリシリコン膜および当該酸化シリコン膜をパターニング(加工)する。これにより、半導体基板SBの上面の一部を露出させる。また、当該ポリシリコン膜からなるゲート電極G1と当該酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜GFとを形成する。
【0070】
続いて、ゲート長方向において、ゲート電極G1の横の一方の半導体基板SBの上面を露出し、他方の半導体基板SBの上面を覆うフォトレジスト膜PR4を形成する。続いて、フォトレジスト膜PR4をマスクとして用いたイオン注入法により、p型不純物(例えばホウ素(B))を半導体基板SBに打ち込む。これにより、半導体基板SB内にp型の半導体領域であるボディ層PBを形成する。当該p型不純物の注入工程では、斜めイオン注入を行うことで、ゲート電極G1の直下にボディ層PBの一部を形成できる。ボディ層PBは、半導体基板SBの上面から所定の深さを有する。
【0071】
次に、
図17に示すように、フォトレジスト膜PR4を除去した後、ゲート電極G1の側壁を覆うサイドウォールスペーサSW1を形成し、続いて、コンタクト領域BC、ソース領域SRおよびドレイン領域DRを形成する。これらの拡散層の形成工程は、絶縁膜IF1およびフィールドプレート電極G2が存在しない点を除き、
図12および
図13を用いて説明した工程と同様である。すなわち、ソース領域SRおよびドレイン領域DRの形成工程では、ゲート電極G1にもn型不純物を打ち込み、コンタクト領域BCの形成工程では、半導体基板SB上の半導体膜にはp型不純物を打ち込まない。
【0072】
次に、
図18に示すように、半導体基板SBの上面上に、例えばCVD法により酸化シリコン膜からなる絶縁膜IF2を形成(堆積)する。続いて、絶縁膜IF2上に、例えばCVD法によりポリシリコン膜(シリコン膜、半導体膜)SF1を形成する。ポリシリコン膜SF1は、成膜時にp型不純物(例えばホウ素(B))が導入されて形成されたp型の半導体膜である。絶縁膜IF2の膜厚はゲート電極G1の膜厚より小さいため、ゲート電極G1の側面には、絶縁膜IF2を介してポリシリコン膜SF1が隣り合って形成される。
【0073】
次に、
図19に示すように、ポリシリコン膜SF1をエッチバックすることで、絶縁膜IF2の上面を露出させる。これにより、ポリシリコン膜SF1はゲート電極G1の側面を絶縁膜IF2を介して覆う箇所にのみサイドウォールスペーサ状に残る。ゲート電極G1の側面のうち、ドレイン領域DR側の側面を覆うポリシリコン膜SF1は、フィールドプレート電極G3を構成する。
【0074】
次に、
図20に示すように、ゲート長方向において、ゲート電極G1の横のソース領域SR側の半導体基板SBの上面を露出し、ゲート電極G1の横のドレイン領域DR側の半導体基板SBの上面およびフィールドプレート電極G3を覆うフォトレジスト膜(図示しない)を形成する。続いて、当該フォトレジスト膜をマスクとして用いて行うドライエッチング法またはウェットエッチング法により、ゲート電極G1のソース領域SR側の側面に隣り合うポリシリコン膜SF1を除去する。
【0075】
続いて、当該フォトレジスト膜を除去した後、ソース領域SR、コンタクト領域BC、ドレイン領域DRおよびゲート電極G1の上面の一部を覆う絶縁膜IF2を形成する。続いて、フィールドプレート電極G3を覆うフォトレジスト膜PR5を形成する。続いて、フォトレジスト膜PR5をマスクとしてドライエッチングを行うことで、絶縁膜IF2からゲート電極G1の上面の一部およびソース領域SR、コンタクト領域BCおよびドレイン領域DRのそれぞれの上面を露出させる。図示はしていないが、このとき、絶縁膜IF2の一部がゲート電極G1のソース領域SR側の側面を覆うようにサイドウォールスペーサとして残ってもよい。
【0076】
上記工程により、少なくともボディ層PB、ソース領域SR、ドレイン領域DRおよびゲート電極G1を有するLDMOSが形成される。本実施形態のLDMOSは、さらに、絶縁膜IF2、フィールドプレート電極G3およびコンタクト領域BCを有している。
【0077】
次に、
図21に示すように、周知のサリサイドプロセスを行うことで、コンタクト領域BC、ソース領域SR、ドレイン領域DR、ゲート電極G1およびフィールドプレート電極G3のそれぞれの上面にシリサイド層S1を形成する。絶縁膜IF2は、半導体基板SBの一部の上面と、ゲート電極G1のドレイン領域DR側の側面がシリサイド化されることを防ぐシリサイドブロック膜としての役割を有している。当該シリサイド工程により、フィールドプレート電極G3には、上面からドレイン領域DR側の側面に亘って表面を覆うシリサイド層S1が形成される。
【0078】
その後、図示は省略するが、LDMOS、半導体基板SBおよびシリサイド層S1の上に、層間絶縁膜、コンタクトプラグおよび配線層を形成することで、本実施の形態の半導体装置が略完成する。
【0079】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態では、LDMOSにおいてゲート電極G1とは別に設けたフィールドプレート電極G3にソース電位またはゲート電位を印加することで、ドレイン側ゲート電極端部のドレイン耐圧を向上できる。
【0080】
また、ゲート電極G1とフィールドプレート電極G3との間隔は、絶縁膜IF2の膜厚により決まる。このため、当該間隔をリソグラフィの最小ルール以下とすることができ、耐圧確保に最適な距離にできる。また、リソグラフィ技術の精度により当該間隔が決まる場合には、リソグラフィの位置ずれなどにより当該間隔にばらつきが生じ得る。これに対し、本実施の形態では当該間隔を高い精度で制御可能である。よって、フィールドプレート電極G3とゲート電極G1とをより近づけられるため、前記実施の形態1よりも、ゲート電極G1の端部近傍における半導体基板SB内の電界を緩和でき、且つ、ゲート-ドレイン間の容量を低減できる。
【0081】
また、フィールドプレート電極G3にソース電位またはゲート電位を印加することで、半導体基板SBと絶縁膜IF2との界面近傍をポテンシャル変調により空乏化させている。これにより、電流が半導体基板SB内にて当該界面を迂回するため、ホットキャリアインジェクション耐性を向上できる。本実施の形態では、絶縁膜IF2の下に位置する半導体領域NRに対する仕事関数が大きい材料をフィールドプレート電極G3に用いているため、ホットキャリアインジェクションの改善効果が効果的に得られる。
【0082】
以上より、本実施の形態では、耐圧が高く、且つ、ホットキャリアインジェクション耐性が高いLDMOSを実現できる。すなわち、半導体装置の性能を向上できる。
【0083】
(実施の形態3)
<半導体装置の構造>
以下に、
図22を用いて、本実施の形態3の半導体装置の構造について説明する。
図22は、本実施の形態の半導体装置を示す断面図である。
【0084】
図22に示すように、本実施の形態のLDMOSの半導体基板SB内の構造、ゲート絶縁膜GF、ゲート電極G1の構造は、前記実施の形態1と同様である。これに対し、ゲート電極G1の全体がゲート絶縁膜GF上に形成されている点は、上記実施の形態1と異なる。すなわち、ゲート電極G1は、ゲート絶縁膜GFよりも厚い絶縁膜上に形成されていない。また、半導体基板SBとフィールドプレート電極G4との間に介在する絶縁膜IF3が、ゲート電極G1側面全体と、ゲート電極G1の上面とを覆っている点は、上記実施の形態1と異なる。また、ゲート長方向において、絶縁膜IF3とドレイン領域DRとの間の半導体基板SB(半導体領域NR)の上面が、酸化シリコン膜からなるサイドウォールスペーサSWにより覆われている点は、上記実施の形態2と異なる。さらに、フィールドプレート電極G4が、ゲート電極G1の上面と側面とを絶縁膜IF3を介して連続的に覆っている点は、上記実施の形態1および実施の形態2と異なる。
【0085】
ここでは、絶縁膜IF3は、ゲート電極G1の上面から、ゲート長方向におけるゲート電極G1とドレイン領域DRとの間の半導体領域NRの上面の一部に亘って連続的に形成されている。絶縁膜IF3は、ゲート電極G1の上面の一部と、ドレイン領域DRの上面と、ゲート電極G1のソース領域SR側の側面に隣接する半導体領域NRの上面とを露出している。つまり、絶縁膜IF3は、ゲート電極G1の上面の一部と、ゲート電極G1の側面と、ゲート電極G1およびドレイン領域DRの間の半導体基板SBの上面の一部とを連続的に覆っている。絶縁膜IF3は、ゲート絶縁膜GFよりも大きい膜厚を有するシリサイドブロック酸化膜を用いて形成されている。
【0086】
フィールドプレート電極G4は、ゲート長方向においてゲート電極G1およびドレイン領域DRの間に位置する絶縁膜IF3の上面と、ゲート電極G1のドレイン領域DR側の側面を覆う絶縁膜IF3の側面のうち、ドレイン領域DR側の側面と、ゲート電極G1の上面上の絶縁膜IF3の上面とに接して連続的に形成されている。すなわち、絶縁膜IF3およびフィールドプレート電極G4からなる積層膜は、ゲート電極G1およびドレイン領域DRの間の半導体基板SBの上面と、ゲート電極G1のドレイン領域DR側の側面と、ゲート電極G1の上面の一部とを連続的に覆っている。
【0087】
p型のポリシリコン膜からなるフィールドプレート電極G4の一部は、ゲート長方向において、絶縁膜IF3を介してゲート電極G1の側面と隣り合って形成されている。ゲート長方向において、フィールドプレート電極G4とドレイン領域DRとは、相互間に上記サイドウォールスペーサSWが形成されているため、離間している。サイドウォールスペーサSWは、絶縁膜IF3およびフィールドプレート電極G4からなる積層膜の側面のうち、ドレイン領域DR側の側面を覆っている。当該サイドウォールスペーサSWは、ドレイン領域DRの上面を露出している。
【0088】
また、ゲート電極G1の直上において、当該積層膜の側面(終端面)は、他のサイドウォールスペーサSWにより覆われている。ゲート電極G1の上面の一部は、当該積層膜および当該サイドウォールスペーサSWから露出し、シリサイド層S1により覆われている。
【0089】
<半導体装置の製造方法>
本実施の形態の半導体装置の製造方法を、
図23~
図26を用いて説明する。
【0090】
まず、
図23に示すように、
図16および
図17を用いて説明した工程と同様の工程を行う。これにより、半導体基板SB内に半導体領域NR、PR、ソース領域SR、コンタクト領域BCおよびドレイン領域DRを形成し、半導体基板SB上にゲート絶縁膜GFを介してゲート電極G1を形成する。
【0091】
続いて、半導体基板SBの上面上に、例えばCVD法により酸化シリコン膜からなる絶縁膜IF3を形成(堆積)する。続いて、絶縁膜IF3上に、例えばCVD法によりポリシリコン膜(シリコン膜、半導体膜)SF2を形成する。ポリシリコン膜SF2は、成膜時にp型不純物(例えばホウ素(B))が導入されて形成されたp型の半導体膜である。絶縁膜IF3の膜厚はゲート電極G1の膜厚より小さいため、ゲート電極G1の側面には、絶縁膜IF3を介してポリシリコン膜SF2が隣り合って形成される。ポリシリコン膜SF2の膜厚は、上記実施の形態2で説明したポリシリコン膜SF1の膜厚よりも小さい。
【0092】
次に、
図24に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、絶縁膜IF3およびポリシリコン膜SF2からなる積層膜をパターニングする。これにより、ソース領域SR、コンタクト領域BCおよびドレイン領域DRのそれぞれの上面を含む半導体基板SBの上面と、ゲート電極G1の上面とを露出させる。ポリシリコン膜SF2は、フィールドプレート電極G4を構成する。
【0093】
次に、
図25に示すように、半導体基板SBの上面上に、例えばCVD法により、酸化シリコン膜を形成(堆積)する。これにより、半導体基板SBの上面、ゲート電極G1の上面および側面、並びに、絶縁膜IF3とフィールドプレート電極G4からなる積層膜の上面および側面は、当該酸化シリコン膜により覆われる。続いて、ドライエッチング法またはウェットエッチング法により、当該酸化シリコン膜の一部を除去する。これにより、ゲート電極G1の上面の一部と、ソース領域SR、コンタクト領域BCおよびドレイン領域DRのそれぞれの上面を含む半導体基板SBの上面とを露出させる。このエッチング工程により、ゲート長方向における上記積層膜の両側の側面のそれぞれを覆う当該酸化シリコン膜がサイドウォールスペーサSWとして残る。なお、
図25では図示していないが、ゲート電極G1のソース領域SR側の側面を覆う当該酸化シリコン膜がサイドウォールスペーサ状に残っていてもよい。
【0094】
上記工程により、少なくともボディ層PB、ソース領域SR、ドレイン領域DRおよびゲート電極G1を有するLDMOSが形成される。本実施形態のLDMOSは、さらに、絶縁膜IF3、フィールドプレート電極G4およびコンタクト領域BCを有している。
【0095】
次に、
図26に示すように、周知のサリサイドプロセスを行うことで、露出しているコンタクト領域BC、ソース領域SR、ドレイン領域DR、ゲート電極G1およびフィールドプレート電極G4のそれぞれの表面にシリサイド層S1を形成する。絶縁膜IF3は、半導体基板SBの一部の上面と、ゲート電極G1のドレイン領域DR側の側面がシリサイド化されることを防ぐシリサイドブロック膜としての役割を有している。
【0096】
その後、図示は省略するが、LDMOS、半導体基板SBおよびシリサイド層S1の上に、層間絶縁膜、コンタクトプラグおよび配線層を形成することで、本実施の形態の半導体装置が略完成する。
【0097】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態では、LDMOSにおいてゲート電極G1とは別に設けたフィールドプレート電極G4にソース電位またはゲート電位を印加することで、ドレイン側ゲート電極端部のドレイン耐圧を向上できる。
【0098】
また、ゲート電極G1とフィールドプレート電極G4との間隔は、絶縁膜IF3の膜厚により決まる。このため、当該間隔をリソグラフィの最小ルール以下とすることができ、耐圧確保に最適な距離にできる。また、リソグラフィ技術の精度により当該間隔が決まる場合には、リソグラフィの位置ずれなどにより当該間隔にばらつきが生じ得るが、これに対し、本実施の形態では当該間隔を高い精度で制御可能である。よって、フィールドプレート電極G4とゲート電極G1とをより近づけられるため、上記実施の形態1よりも、ゲート電極G1の端部近傍における半導体基板SB内の電界を緩和でき、且つ、ゲート-ドレイン間の容量を低減できる。
【0099】
また、フィールドプレート電極G4にソース電位またはゲート電位を印加することで、半導体基板SBと絶縁膜IF3との界面近傍をポテンシャル変調により空乏化させている。これにより、電流が半導体基板SB内にて当該界面を迂回するため、ホットキャリアインジェクション耐性を向上できる。本実施の形態では、絶縁膜IF3の下に位置する半導体領域NRに対する仕事関数が大きい材料をフィールドプレート電極G4に用いているため、ホットキャリアインジェクションの改善効果が効果的に得られる。
【0100】
以上より、本実施の形態では、耐圧が高く、且つ、ホットキャリアインジェクション耐性が高いLDMOSを実現できる。すなわち、半導体装置の性能を向上できる。
【0101】
(実施の形態4)
<半導体装置の構造>
以下に、
図27を用いて、本実施の形態4の半導体装置の構造について説明する。
図27は、本実施の形態の半導体装置を示す断面図である。
【0102】
図27に示すように、本実施の形態のLDMOSの半導体基板SB内の構造、ゲート絶縁膜GF、ゲート電極G1の構造は、上記実施の形態1と同様である。ただし、ゲート電極G1の全体はゲート絶縁膜GF上に形成されている。すなわち、ゲート電極G1は、ゲート絶縁膜GFよりも厚い絶縁膜上に形成されていない。また、上記実施の形態2の絶縁膜IF2に対応するシリサイドブロック膜である絶縁膜は形成されているが、
図27では半導体基板SB上の層間絶縁膜ILと一体となっており、当該絶縁膜の輪郭は図示していない。
【0103】
ここでは、半導体基板SBの上面、ゲート電極G1および各シリサイド層S1を覆う層間絶縁膜ILが形成されている。層間絶縁膜ILは、例えば主に酸化シリコン膜からなる。層間絶縁膜ILの上面は平坦化されている。ゲート長方向において、ゲート電極G1とドレイン領域DRとの間の層間絶縁膜ILの上面には、溝D1が形成されている。溝D1内には、導体膜からなるフィールドプレート電極G5が埋め込まれている。
【0104】
溝D1は、層間絶縁膜ILを貫通しておらず、半導体基板SBの上面に達していない。溝D1の底面(最底面)と半導体基板SBの上面との最短距離(厚さ方向における距離)は、ゲート絶縁膜GFの膜厚よりも大きい。つまり、フィールドプレート電極G5の直下の層間絶縁膜ILの膜厚は、ゲート絶縁膜GFの膜厚よりも大きい。言い換えれば、フィールドプレート電極G5の底面は、ゲート絶縁膜GFの上面より上に位置している。ゲート長方向において、フィールドプレート電極G5は層間絶縁膜ILの一部を介してゲート電極G1と隣り合っている。すなわち、フィールドプレート電極G5の一部はゲート電極G1と同じ高さに位置している。
【0105】
なお、ここでは層間絶縁膜IL上の構成の図示を省略しているが、後述する半導体装置の製造方法にて説明するように、層間絶縁膜IL上には配線層が形成されている。配線層は、フィールドプレート電極G5、ソース領域SR、コンタクト領域BCおよびドレイン領域DRなどのそれぞれに電気的に接続された配線を含む。また、ここでは、図示していないが、層間絶縁膜ILは層間絶縁膜ILを貫通する貫通孔である複数の接続孔を有する。その接続孔内にコンタクトプラグ(導電性接続部)が形成されている。
【0106】
<半導体装置の製造方法>
本実施の形態の半導体装置の製造方法を、
図28~
図32を用いて説明する。
【0107】
まず、
図28に示すように、
図16および
図17を用いて説明した工程と同様の工程を行う。これにより、半導体基板SB内に半導体領域NR、PR、ソース領域SR、コンタクト領域BC、ドレイン領域DR、ゲート絶縁膜GFおよびゲート電極G1を形成する。
【0108】
続いて、半導体基板SBの上面上に、例えばCVD法により酸化シリコン膜からなる絶縁膜IF4を形成(堆積)する。続いて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、絶縁膜IF4をパターニングする。これにより、ソース領域SR、コンタクト領域BCおよびドレイン領域DRのそれぞれの上面を含む半導体基板SBの上面と、ゲート電極G1の上面とを露出させる。絶縁膜IF4は、後に行うシリサイド工程において、所望の場所以外にシリサイド層が形成されることを防ぐためのシリサイドブロック膜である。
【0109】
続いて、周知のサリサイドプロセスにより、シリサイド層S1を形成する。絶縁膜IF4により覆われた、ゲート電極G1とドレイン領域DRとの間の半導体基板SBの上面、ゲート電極G1のドレイン領域DR側の側面、および、ゲート電極G1の上面の一部には、シリサイド層S1は形成されない。
【0110】
次に、
図29に示すように、半導体基板SBの上面、ゲート電極G1および各シリサイド層S1を覆う層間絶縁膜ILを、例えばCVD法により形成する。
図29では、絶縁膜IF4が層間絶縁膜ILの一部となっているものとして、絶縁膜IF4の図示を省略する。層間絶縁膜ILは、例えば、比較的薄い窒化シリコン膜と、当該窒化シリコン膜上に形成され、当該窒化シリコン膜およびゲート電極G1のいずれよりも大きい膜厚を有する酸化シリコン膜とを積層することで形成できる。続いて、層間絶縁膜ILの上面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により平坦化する。この平坦化工程後も、ゲート電極G1は層間絶縁膜ILに覆われたままである。
【0111】
続いて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜ILは層間絶縁膜ILを貫通する貫通孔である複数の接続孔が形成される。複数の接続孔のそれぞれは、ソース領域SRおよびコンタクト領域BCのそれぞれの上のシリサイド層S1の上面と、ドレイン領域DR側上のシリサイド層S1の上面とを露出している。また、
図29に示していない領域に形成された接続孔は、ゲート電極G1上のシリサイド層S1の上面を露出している。
【0112】
続いて、各接続孔内に、コンタクトプラグCPを形成する。コンタクトプラグは、例えば主にタングステン(W)からなる。ここでは、例えば接続孔内を含む半導体基板SB上に、スパッタリング法などを用いて金属膜を形成し、これにより接続孔内を埋め込んだ後、CMP法などを用いて層間絶縁膜IL上の当該金属膜を除去する。これにより、接続孔内に残った金属膜からなるコンタクトプラグCPを形成する。なお、ソース領域SRおよびコンタクト領域BCのそれぞれの上のコンタクトプラグCPは、
図2に示すように、平面視においてソース領域SRとコンタクト領域BCとの境界を跨ぐように形成されていることが考えられる。
【0113】
次に、
図30に示すように、層間絶縁膜IL上に絶縁膜IF5、IF6を順に積層する。絶縁膜IF5は例えば窒化シリコン膜からなり、絶縁膜IF6は例えば酸化シリコン膜からなる。絶縁膜IF5、IF6は、例えばCVD法により形成できる。
【0114】
続いて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、絶縁膜IF5、IF6からなる積層膜を貫通する配線溝D2、D3およびD4を形成する。配線溝D2は、ソース領域SRおよびコンタクト領域BCのそれぞれの上のコンタクトプラグCPの上面を露出している。配線溝D4は、ドレイン領域DR上のコンタクトプラグCPの上面を露出している。また、図示していない領域では、ゲート電極G1上のコンタクトプラグの上面を露出する配線溝も形成する。これに対し、配線溝D3の底面では、コンタクトプラグCPは露出していない。ただし、配線溝D3は、配線溝D2またはゲート電極G1上の配線溝と、
図30に示していない領域にて接続されている。配線溝D3の一部は、ゲート電極G1とドレイン領域DRとの間の領域の直上に形成されている。
【0115】
次に、
図31に示すように、フォトレジスト膜PR6をマスクとしてドライエッチングを行うことで配線溝D3の直下の層間絶縁膜ILの上面に、溝D1を形成する。フォトレジスト膜PR6は、配線溝D3の底面を露出し、他の領域を覆っている。溝D1は、層間絶縁膜ILの上面から所定の深さを有する。溝D1の底面は、ゲート絶縁膜GFの上面より上に位置している。ここでは、溝D1はゲート電極G1の下の領域とドレイン領域DRとの間の半導体基板SB上に形成される。溝D1は、ゲート電極G1およびドレイン領域DRに重なっていない。
【0116】
次に、
図32に示すように、フォトレジスト膜PR6を除去した後、配線溝D2、D3およびD4並びに溝D1のそれぞれの内部を埋め込む導体膜を形成する。ここでは、当該導体膜として、主に銅(Cu)からなる金属膜を、配線溝D2、D3およびD4並びに溝D1のそれぞれの内部に埋め込む。これにより、配線溝D2内には、当該金属膜からなるソース配線MSが形成される。また、配線溝D4内には、当該金属膜からなるドレイン配線MDが形成される。配線溝D3内には、当該金属膜からなる配線MFが形成される。溝D1内には、当該金属膜からなるフィールドプレート電極G5が形成される。
【0117】
当該金属膜の形成する際には、まず、例えばスパッタリング法などにより、シード膜である薄い銅膜を層間絶縁膜IL上に形成する。シード膜は上記溝内にも形成される。続いて、当該シード膜上にめっき法を用いて主導体膜である銅膜を形成する。これにより、当該シード膜および当該主導体膜からなる当該金属膜を形成できる。その後、例えばCMP法を用いて、絶縁膜IF6上の当該金属膜を除去し、絶縁膜IF6の上面を露出させることで、各溝内のみに当該金属膜を残す。これにより、当該金属膜からなるソース配線MS、配線MF、ドレイン配線MDおよびフィールドプレート電極G5が形成される。このとき、図示していない領域では、ゲート電極G1の直上の配線溝内にゲート配線も形成される。
【0118】
配線溝D3および配線MFは、溝D1およびフィールドプレート電極G5の直上に位置している。配線溝D3内の配線MFは、溝D1内のフィールドプレート電極G5と一体となっている。
【0119】
ソース配線MSは、コンタクトプラグCPを介してソース領域SR、コンタクト領域BCおよびボディ層PBにソース電位を供給するソース配線である。配線MFは、ソース配線MSと一体となっている(
図2参照)。このため、フィールドプレート電極G5には、配線MFおよびMSを介して、ソース電位が供給される。フィールドプレート電極G5および配線MFが、ソース配線MSではなくゲート配線に接続されている場合は、フィールドプレート電極G5には配線MFおよびゲート配線を介して、ゲート電位が供給される。このように、ソース配線MS、配線MF、ドレイン配線MDおよびフィールドプレート電極G5は、所謂ダマシン法により形成できる。特に、配線MFおよびフィールドプレート電極G5は、所謂デュアルダマシン法により形成できる。
【0120】
上記工程により、少なくともボディ層PB、ソース領域SR、ドレイン領域DRおよびゲート電極G1を有するLDMOSが形成される。本実施形態のLDMOSは、さらに、フィールドプレート電極G5およびコンタクト領域BCを有している。
【0121】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態では、LDMOSにおいてゲート電極G1とは別に設けたフィールドプレート電極G5にソース電位またはゲート電位を印加することで、ドレイン側ゲート電極端部のドレイン耐圧を向上できる。
【0122】
また、フィールドプレート電極G5にソース電位またはゲート電位を印加することで、半導体基板SBとフィールドプレート電極G5の直下の層間絶縁膜ILとの界面近傍をポテンシャル変調により空乏化させている。これにより、電子電流が半導体基板SB内にて当該界面を迂回するため、ホットキャリアインジェクション耐性を向上できる。本実施の形態では、フィールドプレート電極G5の直下の層間絶縁膜ILの下に位置する半導体領域NRに対する仕事関数が大きい材料をフィールドプレート電極G5に用いている。これにより、ホットキャリアインジェクションの改善効果が効果的に得られる。
【0123】
また、本実施の形態では、前記実施の形態1と異なり配線の形成工程において、層間絶縁膜ILに形成した溝D1内にフィールドプレート電極G5を形成している。このため、ゲート電極G1とドレイン領域DRとの間の半導体基板SB上に、ゲート絶縁膜GFより厚い絶縁膜IF1~IF3を形成しなくても、フィールドプレート効果を得られる。また、ここではフィールドプレート電極を形成するためにポリシリコン膜の成膜工程と、ポリシリコン膜をパターニングまたはエッチバックするための工程とを行う必要がない。
【0124】
以上より、本実施の形態では、耐圧が高く、且つ、ホットキャリアインジェクション耐性が高いLDMOSを実現できる。すなわち、半導体装置の性能を向上できる。
【0125】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0126】
BC コンタクト領域
CP コンタクトプラグ
D1 溝
D2~D4 配線溝
DF ドリフト層
DL 空乏層
DR ドレイン領域
FP、G2~G5 フィールドプレート電極
G1、GE ゲート電極
GF ゲート絶縁膜
IF1~IF6 絶縁膜
IL 層間絶縁膜
MD ドレイン配線
MF 配線
MS ソース配線
NR、NR1、PR 半導体領域
NW n型ウェル
OX 酸化シリコン膜
PB ボディ層
PR1~PR6 フォトレジスト膜
PW p型ウェル
S1 シリサイド層
SB 半導体基板
SF1、SF2 ポリシリコン膜
SR ソース領域
STI 素子分離領域
SW、SW1 サイドウォールスペーサ