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特開2024-67004接続アセンブリ、および接続アセンブリを作製するための方法
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  • 特開-接続アセンブリ、および接続アセンブリを作製するための方法 図1
  • 特開-接続アセンブリ、および接続アセンブリを作製するための方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067004
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】接続アセンブリ、および接続アセンブリを作製するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/62 20060101AFI20240509BHJP
   H01R 13/03 20060101ALI20240509BHJP
   H01R 43/16 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
H01R4/62 A
H01R13/03 D
H01R43/16
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023185216
(22)【出願日】2023-10-30
(31)【優先権主張番号】10 2022 128 989.3
(32)【優先日】2022-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル エーハイム
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ディストラー
(72)【発明者】
【氏名】ビヨルン ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】ロン ブッフホルツ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ヴォルフ
【テーマコード(参考)】
5E063
【Fターム(参考)】
5E063GA02
5E063GA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】単純な器具(tool)を用いて銅とアルミニウムとの間の恒久的かつ導電可能な接続部を提供する。
【解決手段】本発明は、第1の金属材料から作製されているバスバー1であって、バスバー1は孔を備える、バスバー1と、バスバー1の孔に配置され、第2の金属材料から作製されているコンタクト要素2とを備える接続アセンブリに関し、挿入方向において後方に位置するコンタクト要素2の部分の外径は、挿入方向において前方に位置するコンタクト要素2の部分の外径よりも大きく、バスバー1の孔の内面は、コンタクト要素2の材料が充填されている凹部5を備え、それにより、コンタクト要素2がバスバー1の孔に保持される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金属材料から作製されており、孔を備えるバスバー(1)と、
前記バスバー(1)の前記孔に配置され、第2の金属材料から作製されているコンタクト要素(2)と、
を備える接続アセンブリであって、

挿入方向において後方に位置する前記コンタクト要素(2)の部分の外径は、前記挿入方向において前方に位置する前記コンタクト要素(2)の部分の外径よりも大きく、
前記バスバー(1)の前記孔の内面は、前記コンタクト要素(2)が前記バスバー(1)の前記孔に保持されるように、前記コンタクト要素(2)の材料が充填されている凹部(5)を備える、
接続アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の金属材料は、アルミニウムを含む、
請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項3】
前記第2の金属材料は、銅を含む、
請求項1または2に記載の接続アセンブリ。
【請求項4】
前記コンタクト要素(2)は、管状である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の接続アセンブリ。
【請求項5】
前記コンタクト要素(2)は、リングピンを備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の接続アセンブリ。
【請求項6】
前記接続アセンブリを構成する複数の部品は、少なくとも部分的に銀めっきされている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の接続アセンブリ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の接続アセンブリを作製するための方法であって、前記方法は、
前記バスバー(1)に孔を作製するステップと、
前記バスバー(1)の前記孔に挿入可能なコンタクト要素を作製するステップであって、挿入方向において後方に位置する前記コンタクト要素(2)の部分の外径は、挿入方向において前方に位置する前記コンタクト要素(2)の部分の外径よりも大きい、作製するステップと、
前記コンタクト要素(2)を前記バスバー(1)に挿入するステップと、
外面に突出部(4)を備える取外し可能な器具を前記コンタクト要素(2)に挿入するステップであって、前記突出部(4)は、前記コンタクト要素(2)の壁が前記バスバー(1)の前記孔の内面に向かって径方向に変形するように、前記コンタクト要素(2)の前記壁を前記バスバー(1)の前記孔の前記内面に押し付け、それにより、凹部が前記バスバー(1)の前記孔の前記内面に形成され、前記凹部には、前記バスバー(1)の前記孔の前記内面に押し付けられた前記コンタクト要素(2)の材料が充填される、挿入するステップと
を含む、方法。
【請求項8】
前記バスバー(1)の前記孔の作製は、打ち抜き加工により行われる、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記バスバー(1)の前記孔の作製は、ドリル加工により行われる、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記バスバー(1)の前記孔は、円筒形である、
請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記バスバー(1)の前記円筒形の孔は、直線状である、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コンタクト要素(2)は、管状である、
請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記コンタクト要素(2)の作製は、冷間成形により行われる、
請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンダーカット(undercut、被嵌入部、中窪部)および保持機能を有する接続アセンブリに関する。本発明はさらに、バスバーをコンタクト要素に接続してそのような接続アセンブリを作製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトリングまたはコンタクトピンなどのコンタクト部材は、様々な材料特性を有する必要があり、したがって、例えば銅部分およびアルミニウム部分からなる。2つ以上の材料層を接続するための既知の方法は、特別なパンチおよびダイを用いた局所的な冷間成形(cold forming)を利用する。パンチが材料層をダイキャビティに押し込み、そこでパンチにより及ぼされる圧力が金属を横方向(sideways)に流れさせる。
【0003】
この方法の結果として、ロック接続部として機能する接続アセンブリのダイ側におけるボタン形状の押出成形品、およびパンチ側における小さい円筒形空洞が得られる。第1の金属材料と第2の金属材料との間の接続部を形成するアンダーカット(バックテーパとも称される)が作製される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような方法は、特別なパンチおよびダイを用いた複雑な段取りを必要とする。したがって、単純な器具(tool)を用いて銅とアルミニウムとの間の恒久的かつ導電可能な接続部を作製する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項の主題により解決される。有利な実施形態が従属請求項の主題となる。
【0006】
本発明は、円筒形コンタクト要素をバスバーの孔に挿入し、器具を用いてコンタクト要素の壁をバスバーの孔の壁に局所的に押し付けることにより、円筒形コンタクト要素とバスバーとの間の安定的かつ導電可能な接続部を作製するという構想に基づくものである。代替的に、コンタクトに残留するロック要素が用いられてもよい。これは、円筒形コンタクト要素をバスバーの孔に恒久的に保持するアンダーカット(バックテーパとも称される)が生じるように、円筒形コンタクト要素の材料が押し込まれるバスバーの孔の壁の材料のずれをもたらす。
【0007】
本発明は、第1の金属材料から作製されるバスバーを備える接続アセンブリに関し、バスバーは、孔を備える。接続アセンブリは、バスバーの孔に配置され、第2の金属材料から作製されるコンタクト要素をさらに備える。接続アセンブリの作製中において、コンタクト要素は、バスバーの一方側からバスバーの孔に挿入される。挿入方向において後方に位置するコンタクト要素の部分の外径は、挿入方向において前方に位置するコンタクト要素の部分の外径よりも大きい。組み立て中において、これは、コンタクト要素が挿入方向の反対方向においてバスバーの孔から出ることができるが、それ以上孔に入り込むことができないという利点を有する。
【0008】
加えて、バスバーの孔の内面は、コンタクト要素の材料が充填されている凹部を備え、それにより、コンタクト要素がバスバーの孔に保持される。本発明の利点は、銅とアルミニウムとの間の恒久的かつ導電可能な接続部を提供することである。
【0009】
本発明に係る接続アセンブリの一例において、第1の金属材料は、アルミニウムを含む。
【0010】
本発明に係る接続アセンブリのさらなる例において、第2の金属材料は、銅を含む。
【0011】
本発明に係る接続アセンブリのさらなる例において、コンタクト要素は、管状である。
【0012】
本発明に係る接続アセンブリのさらなる例において、コンタクト要素は、リングピンを備える。
【0013】
本発明に係る接続アセンブリのさらなる例において、接続アセンブリを構成する複数の部品は、少なくとも部分的に銀めっきされる。これは、接続アセンブリの部品間の良好な電気伝導が確実になるという利点を有する。
【0014】
本発明のさらなる態様は、本発明に係る接続アセンブリを作製するための方法に関し、方法は、例えば打ち抜き加工(punching)またはドリル加工(drilling)により、バスバーに孔を作製するステップを含む。これは、孔が単純な構成を有するという利点を有する。方法は、バスバーの孔に挿入可能なコンタクト要素を作製するステップであって、挿入方向において後方に位置するコンタクト要素の部分の外径は、挿入方向において前方に位置するコンタクト要素の部分の外径よりも大きい、作製するステップと、コンタクト要素をバスバーに挿入するステップと、外面に突出部を備える取外し可能な器具をコンタクト要素に挿入するステップであって、突出部は、コンタクト要素の壁がバスバーの孔の内面に向かって径方向に変形するように、コンタクト要素の壁をバスバーの孔の内面に押し付け、それにより、凹部がバスバーの孔の内面に形成され、凹部には、バスバーの孔の内面に押し付けられたコンタクト要素の材料が充填される、挿入するステップとを含む。これにより、自動的なアンダーカット(被嵌入部、中窪部)の形成が生じる。取外し可能な器具の代替として、ブッシングなどの、構成要素に残留するロック要素が用いられてもよい。
【0015】
円筒形コンタクト要素の壁およびバスバーの孔の壁は、作製プロセスの初めには必ずしも突出部を備えている必要はない。代わりに、突出部は、径方向における圧力に起因して、作製プロセス中にコンタクト要素の壁に作られ、またそれにより径方向における圧力をバスバーの孔の壁に及ぼし、対応する凹部をバスバーの孔の壁に生じさせる。バスバーの孔の壁における凹部は、径方向に広がるコンタクト要素の材料により作られるので、コンタクト要素の広がる材料(expanding material)により直接充填される。これにより、径方向に突出し、バスバーの孔の壁に係合する突出部が、コンタクト要素の壁に作られる。径方向は、バスバーの孔へのコンタクト要素の挿入方向と実質的に直交するので、コンタクト要素の壁における突出部は、コンタクト要素をバスバーの孔に保持するアンダーカットを形成する。
【0016】
したがって、本発明に係る方法の利点は、単純かつ安価な方法で銅とアルミニウムとの間の恒久的かつ導電可能な接続部を実現する自動的なアンダーカットの形成である。
【0017】
本発明に係る方法の一例において、バスバーの孔は、打ち抜き加工により作製される。これは、孔の作製が特に単純かつ安価であるという利点を有する。
【0018】
本発明に係る方法のさらなる例において、バスバーの孔は、ドリル加工により作製される。これは、孔の作製が特に単純かつ安価であるという利点を有する。
【0019】
本発明に係る方法のさらなる例において、バスバーの孔は、円筒形である。これは、バスバーの孔の単純なジオメトリにより、孔の作製が特に単純かつ安価になるという利点を有する。
【0020】
本発明に係る方法のさらなる例において、バスバーの円筒形の孔は、特に直線状である。これは、バスバーの孔の単純なジオメトリにより、孔の作製が特に単純かつ安価になるという利点を有する。
【0021】
本発明に係る方法のさらなる例において、コンタクト要素は、管状(tubular)である。これは、コンタクト要素をバスバーの孔に容易に挿入することができるという利点を有する。
【0022】
本発明に係る方法のさらなる例において、コンタクト要素は、冷間成形により作製される。冷間成形は、再結晶温度未満での金属の塑性成形を表す。アルミニウムおよび銅の場合、冷間成形は、熱間成形とは異なり、材料を再結晶温度まで加熱することを必要としない。これは、コンタクト要素の作製が特に単純かつ安価であるという利点を有する。
【0023】
本発明のより良好な理解のために、本発明を以下の図面に示す実施形態に関してより詳細に説明する。同じ部分には、同じ参照番号および同じ構成要素名を付す。さらに、図示および説明されている様々な実施形態におけるいくつかの特徴または特徴の組み合わせは、それら自体が、独立であり、進歩性を有し、または本発明に係る解決策に相当し得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1の例示的実施形態に係る接続アセンブリの模式的な断面図である。
図2図1における接続アセンブリの断面を示す図である。
図3】本発明のさらなる実施形態に係る接続アセンブリの模式的な断面図である。
図4】本発明のさらなる実施形態に係る接続アセンブリの模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の第1の例示的実施形態に係る接続アセンブリ7の模式的な断面図を示す。接続アセンブリは、第1の金属材料、例えばアルミニウムから作製されるバスバー1を備える。バスバー1は、コンタクト要素2が配置される孔を備える。コンタクト要素2は、第2の金属材料、例えば銅から作製され、管状の形状を有する。図1において、コンタクト要素2は、下方から穿孔(ボア)に挿入される。挿入方向において後方に位置するコンタクト要素2の部分の外径は、挿入方向において前方に位置するコンタクト要素2の部分の外径よりも大きく、そのため、バスバー1の孔に挿入されたコンタクト要素2は、バスバー1の孔から出ることができるが、それ以上孔に入り込むことができない。
【0026】
器具3が、コンタクト要素2の挿入方向の反対方向において管状のコンタクト要素2に挿入される。器具3は、その外面に突出部4を備える。これは、例えば、一種の刻み付き構造または直径の差異であり得る。器具3が管状のコンタクト要素2に挿入されると、突出部4がコンタクト要素2の壁をバスバー1の孔の内面8に押し付ける。この圧力により、コンタクト要素2の壁がバスバー1の孔の内面に向かって径方向に変形する。結果として、凹部5がバスバー1の孔の内面に形成される。この凹部5には、バスバー1の孔の内面に押し付けられたコンタクト要素2の材料が充填される。取外し可能な器具3の代替として、ブッシングなどの、構成要素に残留するロック要素が用いられてもよい。
【0027】
図2は、バスバー1、コンタクト要素2、および突出部4を有する器具3からなる接続アセンブリ7の断面を示す。図2において、器具3は、管状のコンタクト要素2に全体が挿入され、凹部5がバスバー1の孔の内面8に形成され、凹部5にはコンタクト要素2の材料が充填される。コンタクト要素2の材料が充填された凹部5は、第1の金属材料と第2の金属材料との間の恒久的かつ導電可能な接続部をもたらすアンダーカット(バックテーパとも称される)を形成する。
【0028】
図3および図4は、本発明の代替的実施形態を示す。図3は、本発明のさらなる例示的実施形態に係る接続アセンブリ70の模式的な断面図を示す。接続アセンブリ70は、バスバー10と、コンタクト要素20と、突出部40を有する器具30とを備える。図3において、器具30は、管状のコンタクト要素20に全体が挿入されている。図3における拡大詳細図は、凹部50がバスバー10の孔の内面80に形成され、凹部50にコンタクト要素20の材料が充填されることを示す。コンタクト要素20の材料が充填された凹部50は、第1の金属材料と第2の金属材料との間の恒久的かつ導電可能な接続部をもたらすアンダーカットを形成する。
【0029】
図3に示す実施形態においては、ねじ付きブッシング(threaded bushing)6、および嵌合部材19としてのねじが、アンダーカットを作るために用いられる。ねじ19は、ねじ付きブッシング6の雌ねじ15に螺合可能な雄ねじ16を備える。この目的で、ねじ19は、器具30の空洞に挿入される。ねじ19は、ねじ19のシャンクよりも幅広なねじ頭部13を有する。これにより、ねじ19が器具30をすり抜けることを防止する。それに応じて、ねじ付きブッシング6は、コンタクトリング21の空洞に挿入される。ねじ付きブッシング6は、雌ねじ15の反対側に配される端部に幅広部17を有する。これにより、ねじ付きブッシング6がコンタクトリング21をすり抜けることを防止する。
【0030】
ねじ19がねじ付きブッシング6に螺合すると、ねじ頭部13における幅広部とねじ付きブッシング6における幅広部17との間に配置される接続アセンブリ70の要素が共に押圧される。特に、結果として器具30がコンタクト要素20に押し込まれる。これにより、器具30における突出部40が、コンタクト要素20の材料を径方向においてバスバー10の孔の内面80に押し付け、それにより、凹部50がバスバー10の孔の内面80に作られ、凹部50には、押し付けられたコンタクト要素の材料が充填される。したがって、コンタクト要素20の材料が充填された凹部50は、第1の金属材料と第2の金属材料との間の恒久的かつ導電可能な接続部をもたらすアンダーカットを形成する。
【0031】
図4は、本発明のさらなる例示的実施形態に係る接続アセンブリ700の模式的な断面図を示す。図1に示す接続アセンブリ7と同様に、図4に示す接続アセンブリ700は、第1の金属材料、例えばアルミニウムから作製されるバスバー100を備える。バスバー100は、コンタクト要素200が配置される孔を備える。コンタクト要素200は、第2の金属材料、例えば銅から作製される。コンタクト要素200は、少なくとも部分的に中空状の円筒の形状を有する。当該円筒は、円筒の空洞に接続された開口部22を底面に備え、すなわち、当該円筒は、一方側が管状である。
【0032】
当該円筒は、管状の側とは反対の側において、さらなるコンタクト要素(図4では不図示)へのプラグ接続などの導電接続を確立することを可能とするピン12を備える。
【0033】
図4において、コンタクト要素200の一部、すなわち接続要素9が、上方からバスバー100の穿孔(ボア)に挿入される。コンタクト要素200は、コンタクト要素200をバスバー100の孔に挿入することができるように、バスバー100の孔の内径よりも大幅に小さい第1の外径を有する。コンタクト要素200は、接続要素9に隣接して、止め要素11を備える。止め要素11は、止め要素11をバスバー100の孔に挿入することができない程度にバスバー100の孔の内径を上回る第2の外径を有する。したがって、止め要素11により、コンタクト要素200を接続要素9の長さの分の距離しかバスバー100の孔に挿入することができないことが確実になる。接続要素9の全体がバスバー100の孔に挿入されると、コンタクト要素200は、さらにそれ以上はバスバー100の孔に挿入することができなくなるが、挿入方向の反対方向においてバスバー100の孔から引き出すことのみができる。
【0034】
接続アセンブリ700を作製する場合、器具300が、コンタクト要素200の挿入方向の反対方向においてコンタクト要素200の管状部分に挿入される。図4における拡大詳細図において見ることができるように、器具300は、その外面に突出部400を備える。器具300がコンタクト要素200の管状部分に挿入されると、突出部400がコンタクト要素200の壁をバスバー100の孔の内面800に押し付ける。この圧力により、コンタクト要素200の壁がバスバー100の孔の内面800に向かって径方向に変形する。結果として、凹部500がバスバー100の孔の内面800に形成される。この凹部500には、バスバー100の孔の内面に押し付けられたコンタクト要素200の材料が充填される。
【0035】
コンタクト要素200の材料が充填された凹部500は、第1の金属材料と第2の金属材料との間の恒久的かつ導電可能な接続部をもたらすアンダーカットを形成する。次いで、コンタクト要素200におけるピン12により、バスバー100とさらなるコンタクト要素(図4では不図示)との間に導電接続を確立することができる。
【符号の説明】
【0036】
1、10、100 バスバー
2、20、200 コンタクト要素
3、30、300 器具
4、40、400 突出部
5、50、500 凹部
6 ねじ付きブッシング
7、70、700 接続アセンブリ
8、80、800 バスバーの孔の内面
9 接続要素
11 止め要素
12 ピン
13 ねじ頭部
14 タッチガードキャップ
15 雌ねじ
16 雄ねじ
17 幅広部
18 タッチガードキャップ
19 嵌合部材(ねじ)
21 コンタクトリング
22 開口部
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金属材料から作製されており、孔を備えるバスバー(1)と、
前記バスバー(1)の前記孔に配置され、第2の金属材料から作製されているコンタクト要素(2)と、
を備える接続アセンブリであって、

挿入方向において後方に位置する前記コンタクト要素(2)の部分の外径は、前記挿入方向において前方に位置する前記コンタクト要素(2)の部分の外径よりも大きく、
前記バスバー(1)の前記孔の内面は、前記コンタクト要素(2)が前記バスバー(1)の前記孔に保持されるように、前記コンタクト要素(2)の材料が充填されている凹部(5)を備える、
接続アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の金属材料は、アルミニウムを含む、
請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項3】
前記第2の金属材料は、銅を含む、
請求項2に記載の接続アセンブリ。
【請求項4】
前記コンタクト要素(2)は、管状である、
請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項5】
前記コンタクト要素(2)は、リングピンを備える、
請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項6】
前記接続アセンブリを構成する複数の部品は、少なくとも部分的に銀めっきされている、
請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の接続アセンブリを作製するための方法であって、前記方法は、
前記バスバー(1)に前記孔を作製するステップと、
前記バスバー(1)の前記孔に挿入可能な前記コンタクト要素を作製するステップであって、挿入方向において後方に位置する前記コンタクト要素(2)の部分の外径は、挿入方向において前方に位置する前記コンタクト要素(2)の部分の外径よりも大きい、作製するステップと、
前記コンタクト要素(2)を前記バスバー(1)に挿入するステップと、
外面に突出部(4)を備える取外し可能な器具を前記コンタクト要素(2)に挿入するステップであって、前記突出部(4)は、前記コンタクト要素(2)の壁が前記バスバー(1)の前記孔の内面に向かって径方向に変形するように、前記コンタクト要素(2)の前記壁を前記バスバー(1)の前記孔の前記内面に押し付け、それにより、凹部が前記バスバー(1)の前記孔の前記内面に形成され、前記凹部には、前記バスバー(1)の前記孔の前記内面に押し付けられた前記コンタクト要素(2)の材料が充填される、挿入するステップと
を含む、方法。
【請求項8】
前記バスバー(1)の前記孔の作製は、打ち抜き加工により行われる、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記バスバー(1)の前記孔の作製は、ドリル加工により行われる、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記バスバー(1)の前記孔は、円筒形である、
請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記バスバー(1)の前記円筒形の孔は、直線状である、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コンタクト要素(2)は、管状である、
請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記コンタクト要素(2)の作製は、冷間成形により行われる、
請求項7に記載の方法。
【外国語明細書】