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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067020
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】洗浄機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/22 20060101AFI20240509BHJP
   A47L 15/42 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
A47L15/22
A47L15/42 S
A47L15/42 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023187786
(22)【出願日】2023-11-01
(31)【優先権主張番号】P 2023089972
(32)【優先日】2023-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022176630
(32)【優先日】2022-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】福間 貴一
(72)【発明者】
【氏名】大坂 宏
(72)【発明者】
【氏名】津森 衛
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082BL05
(57)【要約】
【課題】逆止弁のメンテナンス性の向上を図ることができる洗浄機を提供する。
【解決手段】食器洗浄機1は、下側ノズル12を回転自在に支持すると共に、下側ノズル12に至る濯ぎ水の流路の一部を形成する第一ヘッダ30を備え、第一ヘッダ30は、濯ぎ水を下側ノズル12に供給する供給穴37と、供給穴37側から濯ぎ水の流路の上流側に向かう水の流れを阻止する逆止弁38であって、第一ヘッダ30内に設けられる弁体41を含んで構成されている当該逆止弁38と、を有し、下側ノズル12が第一ヘッダ30から取り外されている状態において、供給穴37から弁体41を視認可能である。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濯ぎ水を洗浄室の下側から噴射する下側ノズルが着脱可能に設けられている洗浄機であって、
前記下側ノズルを回転自在に支持すると共に、前記下側ノズルに至る前記濯ぎ水の流路の一部を形成する支持部を備え、
前記支持部は、
前記濯ぎ水を前記下側ノズルに供給する供給穴と、
前記供給穴側から前記濯ぎ水の前記流路の上流側に向かう水の流れを阻止する逆止弁であって、前記支持部内に設けられる弁体を含んで構成されている当該逆止弁と、を有し、
前記下側ノズルが前記支持部から取り外されている状態において、前記供給穴から前記弁体を視認可能である、洗浄機。
【請求項2】
前記逆止弁は、前記支持部内において、前記弁体が接触することによって前記弁体と共に前記供給穴側から前記濯ぎ水の前記流路の前記上流側に向かう水の流れを阻止する止水部を有し、
前記弁体は球状であり、
前記止水部は、前記弁体と当該止水部とが接触した状態において、前記弁体の中心位置が前記供給穴の下端の高さ位置よりも低い位置となり且つ前記弁体の頂部が前記供給穴の前記下端の高さ位置よりも高い位置となるように、前記供給穴よりも下方の高さ位置に配置されている、請求項1に記載の洗浄機。
【請求項3】
前記止水部は、前記供給穴側に向かう前記濯ぎ水の前記流路が狭くなるように当該流路を絞る絞り面と、前記絞り面によって絞られた水を流通させる流通穴を形成している流通面と、前記絞り面と前記流通面とを接続している接続面と、を有し、
前記接続面は、一又は複数の面で構成されており、
前記一又は複数の面は、隣り合う面に沿った仮想線に対して成す角度が45°以下である、請求項2に記載の洗浄機。
【請求項4】
前記支持部は、前記弁体が前記止水部から離れる方向への移動を規制する規制体を有し、
前記規制体は、前記供給穴から前記濯ぎ水が供給される状態において、前記弁体の少なくとも一部が前記供給穴の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、前記弁体が前記止水部から離れる方向への移動を規制する、請求項2に記載の洗浄機。
【請求項5】
前記規制体は、前記支持部内において、前記弁体よりも前記止水部から離れた位置に設けられる球体である、請求項4に記載の洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄機として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の洗浄機のノズル構造は、洗浄ノズル及び濯ぎノズルがノズルヘッダに回転可能な状態で着脱可能に装着され、ノズルヘッダ内の洗浄水用流路を介して洗浄ノズルに洗浄水を供給すると共に、ノズルヘッダ内の濯ぎ水用流路を介して濯ぎノズルに濯ぎ水を供給するよう構成されている。特許文献1に記載の洗浄機では、ノズルヘッダは複数の着脱可能な部材で構成され、この部材の内、洗浄水用流路と濯ぎ水用流路とが連通する部位よりも上流側で濯ぎ水用流路を形成する流路部材の内部に逆止弁が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4653346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
逆止弁は、洗浄水が濯ぎ水流路を介して貯湯タンク等に逆流することを阻止するために設けられている。逆止弁は、弁体を含んで構成されている。弁体は、移動することによって流路を開閉するため、長年の使用等によって不具合(破損等)が生じたりすることがある。また、洗浄水に含まれる残菜等が詰まったり固着したりすることによって、弁体の移動が阻害され、逆止弁の機能が低下することがある。そのため、洗浄機では、逆止弁を定期的にメンテナンス(確認作業を含む)する必要がある。
【0005】
従来の洗浄機では、弁体の上部にホルダが設けられており、弁体及びホルダがヘッダ内に収容されている。この構成では、濯ぎノズルを取り外した状態においてヘッダを覗き込んだとしても、ホルダが弁体の上方に位置しているため、弁体を確認することができない。そのため、弁体を確認するためには、弁体をヘッダから取り出す必要がある。また、従来の洗浄機では、ヘッダ内の残菜の詰まり等を確認するためには、弁体を取り出した後にヘッダを覗き込んだり、ヘッダ自体を取り外したりする必要がある。このように、従来の洗浄機では、逆止弁を確認するためには濯ぎノズル以外の部材を取り外さないといけないため、逆止弁のメンテナンスが容易ではなかった。
【0006】
本発明は、逆止弁のメンテナンス性の向上を図ることができる洗浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る洗浄機は、濯ぎ水を洗浄室の下側から噴射する下側ノズルが着脱可能に設けられている洗浄機であって、下側ノズルを回転自在に支持すると共に、下側ノズルに至る濯ぎ水の流路の一部を形成する支持部を備え、支持部は、濯ぎ水を下側ノズルに供給する供給穴と、供給穴側から濯ぎ水の流路の上流側に向かう水の流れを阻止する逆止弁であって、支持部内に設けられる弁体を含んで構成されている当該逆止弁と、を有し、下側ノズルが支持部から取り外されている状態において、供給穴から弁体を視認可能である。
【0008】
本発明に係る洗浄機では、下側ノズルが支持部から取り外されている状態において、供給穴から弁体を視認可能である。これにより、下側ノズルの洗浄等のために下側ノズルを取り外した際に、弁体を視認することができる。そのため、弁体の状態を容易に確認することができる。したがって、逆止弁のメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0009】
本実施形態に係る洗浄機では、逆止弁は、支持部内において、弁体が接触することによって弁体と共に供給穴側から濯ぎ水の流路の上流側に向かう水の流れを阻止する止水部を有し、弁体は球状であり、止水部は、弁体と当該止水部とが接触した状態において、弁体の中心位置が供給穴の下端の高さ位置よりも低い位置となり且つ弁体の頂部が供給穴の下端の高さ位置よりも高い位置となるように、供給穴よりも下方の高さ位置に配置されていてもよい。この構成では、供給穴からの弁体の視認性を確保しつつ、洗浄工程において支持部内に溜まる洗浄水の量を少なくすることができる。これにより、濯ぎ工程において支持部から下側ノズルに濯ぎ水が供給されるときに、支持部に残留した洗浄水が濯ぎ水に混入して、濯ぎの性能が低下することを抑制できる。
【0010】
本実施形態に係る洗浄機では、止水部は、供給穴側に向かう濯ぎ水の流路が狭くなるように当該流路を絞る絞り面と、絞り面によって絞られた水を流通させる流通穴を形成している流通面と、絞り面と流通面とを接続している接続面と、を有し、接続面は、一又は複数の面で構成されており、一又は複数の面は、隣り合う面に沿った仮想線に対して成す角度が45°以下であってよい。止水部において、水は、絞り面によって絞られた流路を通過した後に流通穴に流入する。止水部において、絞り面と流通面との角度差が大きいと、絞り面によって絞られた水が流通穴に流入するときに乱流が発生し得る。乱流が発生すると、弁体が振動し、水の流れが不安定になることにより、支持部において異音が発生し得る。そこで、洗浄機では、止水部は、絞り面と流通面との間に接続面を有しており、接続面を構成する一又は複数の面は、隣り合う面に沿った仮想線に対して成す角度が45°以下である。この構成では、絞り面から流通面までの面の角度の変化(変化量)を小さくすることができるため、乱流が発生することを抑制できる。したがって、洗浄機では、乱流に起因する異音の発生を抑制できる。
【0011】
本実施形態に係る洗浄機では、支持部は、弁体が止水部から離れる方向への移動を規制する規制体を有し、規制体は、供給穴から濯ぎ水が供給される状態において、弁体の少なくとも一部が供給穴の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、弁体が止水部から離れる方向への移動を規制してもよい。この構成では、弁体の移動が規制体によって規制されるため、支持部内における弁体の移動距離が短くなる。そのため、食器洗浄機では、支持部内において弁体が移動した場合であっても、その移動量が小さいため、弁体の移動に起因する異音の発生を抑制できる。また、上記構成では、濯ぎ水が弁体を押し上げる力を確保できる。そのため、食器洗浄機では、供給穴から濯ぎ水を供給する際、弁体の位置を安定させることができる。したがって、食器洗浄機では、弁体に振動が発生することを抑制できるため、弁体の振動に起因する異音の発生を抑制できる。
【0012】
本実施形態に係る洗浄機では、規制体は、支持部内において、弁体よりも止水部から離れた位置に設けられる球体であってもよい。この構成では、濯ぎ水は、弁体の外周面によって供給穴側に案内されることによって供給穴から流出し、弁体よりも上方に流れた濯ぎ水は、規制体の外周面によって供給穴側に案内されることによって供給穴から流出する。このように、濯ぎ水は、弁体及び規制体によって供給穴側に案内される。これにより、食器洗浄機では、濯ぎ水が支持部の上部側に流入することを抑制できる。そのため、食器洗浄機では、支持部の上部において濯ぎ水に乱流が発生することを抑制できるため、乱流に起因する異音の発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、逆止弁のメンテナンス性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、一実施形態に係る食器洗浄機の斜視図である。
図2図2は、食器洗浄機の概略構成を示す断面図である。
図3図3は、下側ノズルを取り外した状態を示す斜視図である。
図4図4は、下部ノズル支持体を示す斜視図である。
図5図5は、ノズル構造の断面構成を示す図である。
図6図6は、第一ヘッダの分解図である。
図7図7(a)及び図7(b)は、第一ヘッダにおける逆止弁の動作を示す図である。
図8図8は、第一ヘッダにおいてキャップ、ベアリング及びストッパが取り外された状態を示す断面斜視図である。
図9図9は、ノズル構造の断面構成を示す図である。
図10図10は、キャップの凹部の深さに係る効果を説明するための図である。
図11図11は、シャフトの断面構成を示す図である。
図12図12は、図11に示すシャフトの一部を拡大して示す図である。
図13図13は、図11に示すシャフトの一部を拡大して示す図である。
図14図14は、第一ヘッダの断面構成を示す図である。
図15図15は、変形例に係る第一ヘッダの断面構成を示す図である。
図16図16は、変形例に係る第一ヘッダの断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下の説明においては、説明の便宜のため、図1で規定する方向(上下方向、前後方向、左右方向(幅方向))を定義する。
【0016】
図1は、一実施形態に係る食器洗浄機の斜視図である。図2は、食器洗浄機の概略構成を示す断面図である。図1及び図2に示されるように、食器洗浄機(洗浄機)1は、ステンレス製のパネルで覆われた洗浄機本体2を有している。洗浄機本体2は、洗浄室3が形成された上側部分2Aと、機械室4が形成された下側部分2Bとに仕切られている。洗浄機本体2の背面側におけるコーナ部には、上側部分2Aと下側部分2Bとに渡って上下方向に延びる支柱6が配置され、支柱6,6間には背面パネル5が配置されている。
【0017】
洗浄機本体2の上側部分2Aには、洗浄室3の開閉を行うための箱型のドア7が設けられている。このドア7は、ステンレス製の一対の支柱6,6により上下動自在に案内されると共に、前方において水平方向に延在するハンドル8Aによって上下動する。
【0018】
このハンドル8Aの両端には左右一対の回動アーム8B,8Bの先端が固定され、回動アーム8B,8Bはドア7の側面7Aに沿って斜めに配置されている。回動アーム8B,8Bには、ドア7の側面7Aに沿って配置されたリンク部8Cの一端が回動自在に連結され、リンク部8Cの他端は、軸ピン8Dを介してドア7に連結されており、ハンドル8Aの回動運動に対してドア7が上下運動可能となっている。洗浄機本体2の底面の四隅には脚部9が取り付けられている。
【0019】
図2に示されるように、洗浄室3内には、ラックレール10が着脱自在に配置されており、このラックレール10上に、飲食後の皿や茶碗等の食器(被洗浄物)が並べられた格子状の食器ラックが載置される。洗浄室3の上部には、上側ノズル11が配置されている。洗浄室3の下部には、下側ノズル12が配置されている。
【0020】
上側ノズル11は、洗浄室3の上方に設けられた上部支持体13に回転自在に設けられている。上側ノズル11は、上側ノズル11における回転軸の回転中心である基端部から半径方向に沿って先端部まで延在する本体部11Aを有している。本体部11Aには、洗浄水タンク15に貯留された洗浄水を噴射する洗浄噴射孔(図示省略)と、回転中心から洗浄噴射孔(図示省略)まで延在すると共に洗浄水が流通する洗浄流路(図示省略)と、濯ぎ水タンク19に貯留された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔(図示省略)と、回転中心から濯ぎ噴射孔まで延在すると共に濯ぎ水が流通する濯ぎ流路(図示省略)と、が一体的に形成されている。
【0021】
上側ノズル11は、洗浄流路に発生する洗浄水の流れ又は濯ぎ流路に発生する濯ぎ水の流れが回転力に変換されることによって回転する。上側ノズル11には、上部支持体13を介して、洗浄流路に洗浄水を供給する第一洗浄水吐出管18A及び濯ぎ流路に濯ぎ水を供給する第一濯ぎ水吐出管22Aが接続されている。
【0022】
上側ノズル11は、上部支持体13から本体部11Aを着脱する着脱機構(図示省略)を備えている。着脱機構は、例えば、一対のつまみ部(図示省略)を有している。上側ノズル11は、着脱機構の一対のつまみ部を操作することによって、上部支持体13において着脱される。
【0023】
下側ノズル12は、洗浄室3の下方に設けられた下部支持体14に回転自在に設けられている。下側ノズル12は、下側ノズル12における回転軸の回転中心である基端部から半径方向に沿って先端部まで延在する本体部12Aを有している。本体部12Aには、洗浄水タンク15に貯留された洗浄水を噴射する洗浄噴射孔(図示省略)と、回転中心から洗浄噴射孔まで延在すると共に洗浄水が流通する洗浄流路(図示省略)と、濯ぎ水タンク19に貯留された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔(図示省略)と、回転中心から濯ぎ噴射孔まで延在すると共に濯ぎ水が流通する濯ぎ流路と、が一体的に形成されている。
【0024】
下側ノズル12は、洗浄流路に発生する洗浄水の流れ又は濯ぎ流路に発生する濯ぎ水の流れが回転力に変換されることによって回転する。下側ノズル12には、洗浄流路に洗浄水を供給する第二洗浄水吐出管18B及び濯ぎ流路に濯ぎ水を供給する第二濯ぎ水吐出管22Bが接続されている。下側ノズル12及び下部支持体14は、ノズル構造を構成している。
【0025】
下側ノズル12は、下部支持体14から本体部12Aを着脱する着脱機構(図示省略)を備えている。着脱機構は、例えば、一対のつまみ部(図示省略)を有している。下側ノズル12は、着脱機構の一対のつまみ部を操作することによって、下部支持体14において着脱される。
【0026】
洗浄室3の底部には、機械室4内に突出するように洗浄水タンク15が設けられている。洗浄室3と洗浄水タンク15との間には、フィルタ16が着脱自在に配置されている。洗浄水タンク15の前面には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ17が接続されている。洗浄ポンプ17の吐出口には洗浄水吐出管18が接続されている。洗浄水吐出管18は、第一洗浄水吐出管18Aと第二洗浄水吐出管18Bとに分岐する。第一洗浄水吐出管18Aは上側ノズル11に接続され、第二洗浄水吐出管18Bは下側ノズル12に接続されている。
【0027】
機械室4内には、外部から給水管(図示せず)を介して濯ぎ水が供給される濯ぎ水タンク19が配置されている。濯ぎ水タンク19には、濯ぎ水吸込管20を介して濯ぎポンプ21が接続されている。濯ぎポンプ21の吐出口には濯ぎ水吐出管22が接続されている。濯ぎ水吐出管22は、第一濯ぎ水吐出管22Aと第二濯ぎ水吐出管22Bとに分岐して、第一濯ぎ水吐出管22Aは上側ノズル11に接続され、第二濯ぎ水吐出管22Bは下側ノズル12に接続されている。
【0028】
機械室4内には、食器洗浄機1の動作全般を制御するコントローラ23が内蔵された電装ボックス(図示せず)等が収容されている。
【0029】
食器洗浄機1は、熱交換ユニット24を備えている。熱交換ユニット24は、洗浄機本体2の洗浄室3から排出された水蒸気を取り込んで、取り込んだ水蒸気を凝縮して水蒸気の包含量が減少した空気(以下、単に「空気」とも称する。)を外部空間に排出するユニットである。
【0030】
[第一実施形態]
続いて、食器洗浄機1の第一実施形態に係る下部支持体14について詳細に説明する。
【0031】
図3は、下側ノズル12を取り外した状態を示す斜視図である。図3では、ドア7等の図示を省略している。図4は、下部支持体14の斜視図である。図5は、ノズル構造の断面構成を示す図である。図3図5に示されるように、下部支持体14は、第一ヘッダ(支持部)30と、第二ヘッダ31と、を備えている。
【0032】
図6は、第一ヘッダの分解図である。図7(a)及び図7(b)は、第一ヘッダにおける逆止弁の動作を示す図である。第一ヘッダ30は、下側ノズル12を回転自在に支持する。第一ヘッダ30は、濯ぎ水タンク19から下側ノズル12に至る濯ぎ水の流路の一部を形成している。濯ぎ水の流路は、濯ぎ水吸込管20、第二濯ぎ水吐出管22B及び第一ヘッダ30を含んで形成されている。第一ヘッダ30は、第二濯ぎ水吐出管22Bから供給される濯ぎ水を下側ノズル12に供給する。図6図7(a)及び図7(b)に示されるように、第一ヘッダ30は、シャフト32と、キャップ33と、ベアリング34と、ストッパ35と、を有している。
【0033】
シャフト32は、中空状の部材である。本実施形態では、シャフト32は、円筒形状を呈している。図5に示されるように、シャフト32は、第二濯ぎ水吐出管22Bに挿入されている。具体的には、シャフト32の下端部が、第二濯ぎ水吐出管22Bの上端部に挿入されている。図6に示されるように、シャフト32は、流入口36と、供給穴37と、逆止弁38と、張出部39と、を有している。
【0034】
流入口36は、第二濯ぎ水吐出管22Bから供給される濯ぎ水をシャフト32に流入させる。流入口36は、シャフト32の下端部に設けられている。
【0035】
供給穴37は、下側ノズル12に濯ぎ水を供給する。供給穴37は、下側ノズル12の濯ぎ流路に対して、流入口36から流入した濯ぎ水を供給する。供給穴37は、シャフト32の上部に設けられている。本実施形態では、複数(例えば四個)の供給穴37が設けられている。供給穴37は、シャフト32の内部と外部とを貫通するように形成されている。供給穴37は、シャフト32の周方向において、所定の間隔をあけて配置されている。供給穴37は、例えば、円形状を呈している。供給穴37の直径は、弁体41(後述)の直径よりも小さい。
【0036】
逆止弁38は、供給穴37側から流入口36(濯ぎ水の流路の上流側)に向かう水の流れを阻止する。逆止弁38は、弁体41と、止水部42と、を含んで構成されている。本実施形態では、弁体41は、球体である。弁体41は、例えば樹脂で形成されている。弁体41は、シャフト32の内部に配置されている。図7(a)及び図7(b)に示されるように、弁体41は、シャフト32内において移動可能に設けられている。
【0037】
止水部42は、シャフト32内の水の経路において、流入口36と供給穴37との間に設けられている。止水部42は、シャフト32において、供給穴37よりも下方に配置されている。具体的には、図7(a)に示されるように、止水部42は、弁体41と止水部42とが接触した状態において、弁体41の中心位置(図7(a)において黒丸で示す位置)が供給穴37の下端の高さ位置(図7(a)において破線で示す位置)よりも低い位置となり、且つ弁体41の頂部が供給穴37の下端の高さ位置よりも高い位置となるように、供給穴37よりも下方の高さ位置に配置されている。これにより、弁体41は、供給穴37から見える位置に配置される。
【0038】
止水部42は、シャフト32の内面32Aからシャフト32の内側に向かって突出している。止水部42は、円環状を呈している。止水部42の上面42Aは、上方に向かって径が拡がるテーパー面である。止水部42の下面42Bは、上方に向かって径が小さくなるテーパー面である。止水部42は、流入口36と供給穴37とを連通させる流通穴42Cを形成している。流通穴42Cは、例えば円形状を呈している。流通穴42Cの直径は、弁体41の直径よりも小さい。
【0039】
図7(a)に示されるように、弁体41は、止水部42に接触(当接)可能に設けられている。逆止弁38では、弁体41が止水部42に接触することによって、流通穴42Cが閉塞される。図7(b)に示されるように、弁体41は、止水部42から離間可能に設けられている。逆止弁38では、弁体41が止水部42から離間することによって、流通穴42Cが開放される。
【0040】
張出部39は、シャフト32の外面32Bから外側に張り出している。張出部39は、円環状を呈している。張出部39は、シャフト32が第二濯ぎ水吐出管22Bに挿入されたときに、第二濯ぎ水吐出管22Bの上端と対向配置される。図5に示されるように、張出部39は、第二濯ぎ水吐出管22Bの上端と第二ヘッダ31との間に配置され、第二濯ぎ水吐出管22Bと第二ヘッダ31とに挟持される。これにより、第一ヘッダ30は、第二濯ぎ水吐出管22Bに対して固定される。
【0041】
図7(a)及び図7(b)に示されるように、キャップ33は、シャフト32の上部に挿入される。キャップ33には、凹部33Aと、接続部33Bと、が設けられている。凹部33Aは、キャップ33の下部に設けられている。凹部33Aは、シャフト32と共に濯ぎ水の流路の一部を形成している。図7(b)に示されるように、弁体41が止水部42から離れる方向に移動した際、凹部33Aには、弁体41の一部が入り込む。凹部33Aの深さは、弁体41の直径の1/2以上が入り込まないように設定されている。凹部33Aの深さとは、供給穴37の上端からの凹部33Aの深さを意味する。本実施形態では、凹部33Aの深さは、弁体41の直径の1/3程度が入り込むように設定されている。接続部33Bは、キャップ33の上部に設けられている。接続部33Bには、ストッパ35が接続される。
【0042】
ベアリング34は、ストッパ35の軸部35B(後述)に外装され、ストッパ35に対して回転自在に設けられている。具体的には、ベアリング34は、キャップ33の上面とストッパ35の頭部35A(後述)の下面との間において、これらの面に摺動しながら回転する。ベアリング34は、下側ノズル12の着脱機構が接続される。図5に示されるように、下側ノズル12は、着脱機構の係合部12Eがベアリング34に設けられている凹部34Aに係合することにより、ベアリング34と一体化される。これにより、下側ノズル12は、ストッパ35に対して回転自在に設けられる。
【0043】
ストッパ35は、キャップ33に着脱可能に設けられている。ストッパ35は、例えばねじである。ストッパ35は、ベアリング34を介して、キャップ33の接続部33Bに接続される。ストッパ35は、頭部35Aと、軸部35Bと、を有している。頭部35Aには、例えばマイナスドライバー等と係合する溝35Cが設けられている。軸部35Bには、キャップ33の接続部33Bと螺合するねじ山が形成されている。ストッパ35は、マイナスドライバー等を用いて回転させられることによって、キャップ33に装着又はキャップ33から取り外される。第一ヘッダ30では、ストッパ35を取り外すことによって、キャップ33及びベアリング34をシャフト32から取り外すことができる。
【0044】
図8は、第一ヘッダ30においてキャップ33、ベアリング34及びストッパ35が取り外された状態を示す断面斜視図である。図8に示されるように、第一ヘッダ30において、ストッパ35を取り外して、キャップ33及びベアリング34を取り外すことにより、シャフト32の上部から弁体41を視認及び操作(ピンセット等を使った取り出し等)することができる。
【0045】
続いて、第一ヘッダ30の逆止弁38の動作について説明する。食器洗浄機1では、洗浄運転が開始されると、食器Dの洗浄工程及び濯ぎ工程が行われる。濯ぎ工程では、濯ぎポンプ21が駆動し、濯ぎ水タンク19から下側ノズル12に向かって濯ぎ水が送水される。濯ぎ水の送水が開始されると、第二濯ぎ水吐出管22Bを介して、第一ヘッダ30に濯ぎ水が流入する。図7(b)に示されるように、弁体41は、流入した濯ぎ水の圧力によって上方に押し上げられることにより、キャップ33(凹部33A)側に移動し、止水部42から離れる。これにより、逆止弁38では、流通穴42Cが開放され、流入口36から供給穴37に向かう水の流れを許容する。
【0046】
濯ぎ工程が終了すると、濯ぎポンプ21が停止し、濯ぎ水タンク19から下側ノズル12への濯ぎ水の送水が停止される。濯ぎ水の送水が停止されると、濯ぎ水タンク19の高さ位置と下側ノズル12の高さ位置との高低差によって、第二濯ぎ水吐出管22B内の濯ぎ水が濯ぎ水タンク19に戻る。図7(a)に示されるように、弁体41は、自重によって止水部42側に移動し、止水部42に接触(当接)する。これにより、逆止弁38では、流通穴42Cが弁体41によって閉塞され、供給穴37側から流入口36に向かう水の流れを阻止する。食器洗浄機1において、次の洗浄運転が開始されると、洗浄工程において、下側ノズル12の濯ぎ噴射孔や下側ノズル12の回転の摺動部の隙間(下側ノズル12を回転可能にさせるための、下部支持体14と下側ノズル12との隙間)から供給穴37を介して洗浄水がシャフト32の内部(止水部42よりも上方の空間)に流入する。逆止弁38の弁体41は、洗浄水の圧力によって、止水部42に押し付けられる。これにより、逆止弁38は、供給穴37側から流入口36に向かう洗浄水の流れを阻止する。すなわち、逆止弁38は、第一ヘッダ30から濯ぎ水タンク19に向かう洗浄水の流れ(逆流)を阻止する。
【0047】
図9は、ノズル構造の断面構成を示す図である。図5及び図9に示されるように、第二ヘッダ31は、装着部43と、流入部44と、吐出部45と、絞り部46と、を有している。装着部43、流入部44、吐出部45及び絞り部46は、一体に形成されている。第二ヘッダ31は、洗浄水タンク15から下側ノズル12に至る洗浄水の流路の一部を形成している。洗浄水の流路は、第二洗浄水吐出管18B及び第二ヘッダ31を含んで形成されている。
【0048】
装着部43は、第二洗浄水吐出管18Bに装着される。装着部43は、円筒形状を呈している。装着部43は、第二洗浄水吐出管18Bの上端部に差し込まれる。図5に示されるように、装着部43は、ねじ47によって第二洗浄水吐出管18Bに固定される。
【0049】
流入部44は、第二洗浄水吐出管18Bから供給された洗浄水を第二ヘッダ31に流入させる。流入部44は、第二洗浄水吐出管18Bと連通している。流入部44は、第二洗浄水吐出管18Bから供給される洗浄水が流入する流入口44Aを有している。流入口44Aは、例えば円形状を呈している。流入部44は、流入口44Aから上方(絞り部46)に向かって径が小さくなるテーパー面44Bによって形成されている。
【0050】
吐出部45は、洗浄水を下側ノズル12の洗浄流路に吐出する。吐出部45は、洗浄水を下側ノズル12の洗浄流路に吐出(供給)する吐出口45Aを有している。吐出口45Aは、例えば円形状を呈している。吐出部45は、上方(吐出口45A)に向かって径が拡がるテーパー面45Bによって形成されている。
【0051】
絞り部46は、流入部44と吐出部45との間に設けられている。絞り部46は、流入部44と吐出部45との間において、洗浄水の流路を絞る(狭くする)部分である。絞り部46は、流入部44のテーパー面44Bと吐出部45のテーパー面45Bとによって形成されている。具体的には、絞り部46は、流入部44においてテーパー面44Bを先細り(上方に向かって径が小さくなる構成)とし、吐出部45においてテーパー面45Bを先太り(上方に向かって径が拡がる構成)とすることによって形成されている。絞り部46の直径は、流入部44の流入口44Aの直径及び吐出部45の吐出口45Aの直径よりも小さい。
【0052】
第二ヘッダ31では、第二洗浄水吐出管18Bから洗浄水が供給されると、洗浄水が流入部44から流入し、絞り部46を通過して、吐出部45から洗浄水を吐出する。吐出部45から吐出される洗浄水は、絞り部46を通過した後で吐出部45において拡がり、下側ノズル12の洗浄流路に流入する。図9に示されるように、下側ノズル12の洗浄流路の入口部分には、本体部12Aの先端側に向かって斜め上方に拡がるようにガイド12Gが形成されている。このように、吐出部45から吐出される洗浄水が、下側ノズル12における本体部12Aの先端側に向かって拡がるように吐出部45が形成されていると共に、本体部12Aに供給された洗浄水が、本体部12Aにおいて先端側に向かって拡がるように下側ノズル12の入口部分にガイド12Gが形成されている。これにより、下側ノズル12の洗浄流路の洗浄水の流れが変化する部分(曲がる部分)において、洗浄水を先端側に向かってスムーズに流すことができる。
【0053】
図4に示されるように、下部支持体14では、下側ノズル12が取り外された状態において、第一ヘッダ30のシャフト32の供給穴37から弁体41を視認可能である。すなわち、下部支持体14では、弁体41は、止水部42に接触している位置において、複数の供給穴37のいずれかを介して視認できる位置に配置されている。弁体41は、供給穴37から供給穴37内を見た場合に、少なくとも一部を見ることができる。
【0054】
なお、上部支持体13には、逆止弁が設けられない。これは、上部支持体13が洗浄室3の上部に配置されているため、洗浄動作の洗浄工程等において、第一濯ぎ水吐出管22Aに洗浄水が流入する可能性が低いためである。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係る食器洗浄機1では、下側ノズル12が第一ヘッダ30から取り外されている状態において、供給穴37から弁体41を視認可能である。これにより、下側ノズル12の洗浄等のために下側ノズル12を取り外した際に、弁体41を視認することができる。そのため、弁体41の状態を容易に確認することができる。したがって、逆止弁38のメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0056】
業務用として使用される食器洗浄機1では、上側ノズル11及び下側ノズル12は、営業後に毎回取り外されて洗浄(掃除)される。そのため、食器洗浄機1では、下側ノズル12を洗浄のために取り外す度、第一ヘッダ30において弁体41の状態を確認できる。このように、食器洗浄機1では、弁体41を確認するために、下側ノズル12以外の他の部材を取り外す等の作業が生じない。
【0057】
本実施形態に係る食器洗浄機1では、第一ヘッダ30の逆止弁38は、流入口36と供給穴37との間に設けられ、弁体41が接触することによって弁体41と共に供給穴37側から流入口36に向かう水の流れを阻止する止水部42を有する。弁体41は球状である。止水部42は、弁体41と止水部42とが接触した状態において、弁体41の中心位置が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となり且つ弁体41の頂部が供給穴37の下端の高さ位置よりも高い位置となるように、供給穴37よりも下方の高さ位置に配置されている。この構成では、供給穴37からの弁体41の視認性を確保しつつ、洗浄工程においてシャフト32内に溜まる洗浄水の量を少なくすることができる。これにより、濯ぎ工程において供給穴37から下側ノズル12の濯ぎ流路に濯ぎ水が供給されるときに、シャフト32内に残留した洗浄水が濯ぎ水に混入して、濯ぎの性能が低下することを抑制できる。
【0058】
供給穴37からシャフト32内に洗浄水が流入し、弁体41に対して洗浄水が側方から当たると、洗浄水の水圧によって弁体41が浮いて止水部42から離間するおそれがある。そこで、第一ヘッダ30では、弁体41の中心位置が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、止水部42が配置されている。この構成では、供給穴37から流入する洗浄水が弁体41の側方に対して当たる領域(面積)を小さくできるため、洗浄工程において供給穴37から洗浄水がシャフト32内に流入した際に、弁体41が側方から受ける水圧を低下させることができる。そのため、流入した洗浄水によって弁体41が移動し、弁体41の位置が不安定になることを抑制できる。また、弁体41の中心位置が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となるように止水部42を配置することによって、供給穴37内に流入した洗浄水が弁体41の上方から弁体41に対して圧力を加える。この水圧によって、弁体41が止水部42側に押圧されるため、弁体41の位置が不安定になることを抑制できる。したがって、逆止弁38の機能が低下することを抑制できるため、洗浄水が第二濯ぎ水吐出管22Bに流入することを抑制できる。
【0059】
本実施形態に係る食器洗浄機1では、第一ヘッダ30において、弁体41が設けられる空間は、シャフト32とキャップ33の凹部33Aとによって構成されている。弁体41が設けられる空間において、供給穴37の上端からの凹部33Aの深さは、弁体41の直径の1/2以上が入り込まないように設定されている。図10に示される例では、供給穴37の上端からの凹部33Aの深さが、弁体41の直径の1/2以上が入り込むように設定されている。この場合、弁体41の中心位置が供給穴37の上端の高さ位置(図10において破線で示す位置)よりも高い位置となる。このように、供給穴37の上端よりも下方に弁体41が突出する部分が短いと、流入口36から流入した洗浄水の左右方向への流れが強くなり、弁体41を凹部33A内に保持するための水圧が低くなる。これにより、弁体41が凹部33Aに対して押し付けられる力が小さくなるため弁体41に振動が生じ、その結果、異音が発生し得る。
【0060】
これに対して、図7(b)に示されるように、凹部33Aの深さが、弁体41の直径の1/2以上が入り込まないように設定されている場合、供給穴37の上端よりも下方に弁体41が突出する部分が長くなる。これにより、流入口36から流入した濯ぎ水が供給穴37から流出する際に弁体41に当たるため、弁体41に水圧が加わる。そのため、弁体41を凹部33A内に保持するための水圧が高くなり、弁体41が凹部33Aに押し付けられるため、弁体41に振動が発生することを抑制できる。したがって、異音の発生を抑制できる。
【0061】
本実施形態に係る食器洗浄機1では、第一ヘッダ30は、シャフト32と、キャップ33と、ベアリング34と、ストッパ35と、を有している。第一ヘッダ30では、ストッパ35を取り外すことによって、ベアリング34及びキャップ33を取り外すことができる。これにより、図8に示されるように、シャフト32の上部から弁体41を視認及び操作することができる。したがって、弁体41(逆止弁38)を容易にメンテナンスできる。
【0062】
本実施形態に係る食器洗浄機1では、第二ヘッダ31は吐出部45及び絞り部46を備えている。第二ヘッダ31では、絞り部46から吐出部45の吐出口45Aに向かって径が拡がるように(ラッパ状に拡径するように)、吐出部45にテーパー面45Bが形成されている。これにより、第二ヘッダ31では、流入部44から流入した洗浄水は、絞り部46を通過することによって一度絞られた後に吐出部45において拡がり、下側ノズル12の洗浄流路に流入する。これにより、第二洗浄水吐出管18Bから供給された洗浄水がストレートに下側ノズル12の洗浄流路に吐出される場合に比べて、下側ノズル12における本体部12Aの先端へと向けて洗浄水の流れの向きが変化する(曲がる)場所における圧力損失が低減し、洗浄水の流れがスムーズになる。そのため、下側ノズル12に洗浄水が当たったときに、下側ノズル12を上方向に押し上げる力を小さくすことができる。したがって、下部支持体14と係合する下側ノズル12の部材の摩耗を抑制できる。
【0063】
[第二実施形態]
続いて、第二実施形態に係る下部支持体について詳細に説明する。
【0064】
図11は、シャフトの断面構成を示す図である。図12は、図11に示すシャフトの一部を拡大して示す図である。図11及び図12に示されるように、第二実施形態に係る下部支持体14のシャフト32は、止水部50の構成が第一実施形態に係るシャフト32の止水部42と異なっている。
【0065】
止水部50は、上面50Aと、下面(絞り面)50Bと、流通面50Cと、第一接続面50Dと、第二接続面50Eと、を有している。上面50Aは、上方に向かって径が拡がるテーパー面である。下面50Bは、上方に向かって径が小さくなるテーパー面である。下面50Bは、流入口36から供給穴37側に向かう濯ぎ水の流路が狭くなるように流路を絞る面である。流通面50Cは、流通穴50Hを形成している。流通面50Cは、平坦面である。流通面50Cは、シャフト32の内面32Aと略平行である。
【0066】
第一接続面50Dは、上面50Aと流通面50Cとを接続している。すなわち、第一接続面50Dは、上面50Aと流通面50Cとの間に設けられている。第一接続面50Dは、流通面50Cから上面50Aに至る濯ぎ水の流路を形成している。第二接続面50Eは、下面50Bと流通面50Cとを接続している。すなわち、第二接続面50Eは、下面50Bと流通面50Cとの間に設けられている。第二接続面50Eは、下面50Bから流通面50Cに至る濯ぎ水の流路を形成している。
【0067】
上面50Aは、内面32Aに連続している(連設されている)面である。上面50Aは、平坦面である。上面50Aと内面32Aとは、角度θ1を成している。角度θ1は、例えば、113°である。上面50Aは、内面32Aに沿った仮想線L1に対して、角度θ2で傾斜している。仮想線L1は、内面32Aに平行な線(面)であるとも言える。上面50Aは、仮想線L1と平行である流通面50Cに対して角度θ2を成しているとも言える。角度θ2は、例えば、67°である。
【0068】
下面50Bは、内面32Aに連続している面である。下面50Bは、平坦面である。下面50Bと内面32Aとは、角度θ3を成している。角度θ2は、例えば、113°である。すなわち、角度θ1と角度θ3とは、同じ角度である(θ1=θ3)。下面50Bは、内面32Aに沿った仮想線L2に対して、角度θ4で傾斜している。仮想線L2は、内面32Aに平行な線(面)であるとも言える。下面50Bは、仮想線L2と平行である流通面50Cに対して角度θ4を成しているとも言える。角度θ4は、例えば、67°である。すなわち、角度θ2と角度θ4とは、同じ角度である(θ2=θ4)。
【0069】
第一接続面50Dは、上面50A及び流通面50Cに連続している面である。本実施形態では、第一接続面50Dは、一つの面で構成されている。第一接続面50Dは、例えば、C面取り加工によって形成されている。第一接続面50Dは、例えば、「C0.3」により形成されている。第一接続面50Dと流通面50Cとは、角度θ5を成している。角度θ5は、例えば、135°である。
【0070】
第一接続面50Dは、流通面50Cに沿った仮想線L3に対して角度θ6を成している。仮想線L3は、流通面50Cに平行な線(面)であるとも言える。角度θ6は、45°以下である。すなわち、第一接続面50Dは、隣り合う(隣接する)流通面50Cに沿った仮想線L3対して成す角度θ6が45°以下である。第一接続面50Dと流通面50Cとが成す角度θ5が、135°よりも大きいとも言える。本実施形態では、角度θ6は、例えば、45°である。角度θ6は、角度θ2よりも小さい。第一接続面50Dは、上面50Aよりも、流通面50Cに対する角度の変化が小さい。
【0071】
図13に示されるように、第一接続面50Dは、上面50Aに沿った仮想線L4に対して角度θ7を成している。仮想線L4は、上面50Aに平行な線(面)であるとも言える。角度θ7は、45°以下である。すなわち、第一接続面50Dは、隣り合う上面50Aに沿った仮想線L4に対して成す角度θ7が45°以下である。第一接続面50Dと上面50Aとが成す角度が、135°よりも大きいとも言える。本実施形態では、角度θ7は、例えば、22°である。この場合、第一接続面50Dと上面50Aとが成す角度は、158°である。
【0072】
図12に示されるように、第二接続面50Eは、下面50B及び流通面50Cに連続している面である。本実施形態では、第二接続面50Eは、一つの面で構成されている。第二接続面50Eは、例えば、C面取り加工によって形成されている。第二接続面50Eは、例えば、「C0.3」により形成されている。第二接続面50Eと流通面50Cとは、角度θ8を成している。角度θ8は、例えば、135°である。すなわち、角度θ5と角度θ8とは、同じ角度である(θ5=θ8)。
【0073】
第二接続面50Eは、流通面50Cに沿った仮想線L5に対して角度θ9を成している。仮想線L5は、流通面50Cに平行な線(面)であるとも言える。角度θ9は、45°以下である。すなわち、第二接続面50Eは、隣り合う流通面50Cに沿った仮想線L5に対して成す角度θ9が45°以下である。第二接続面50Eと流通面50Cとが成す角度θ8が、135°よりも大きいとも言える。本実施形態では、角度θ9は、例えば、45°である。すなわち、角度θ6と角度θ9とは、同じ角度である(θ6=θ9)。角度θ9は、角度θ4よりも小さい。第二接続面50Eは、下面50Bよりも、流通面50Cに対する角度の変化が小さい。
【0074】
図13に示されるように、第二接続面50Eは、下面50Bに沿った仮想線L6に対して角度θ10を成している。仮想線L6は、下面50Bに平行な線(面)であるとも言える。角度θ10は、45°以下である。すなわち、第二接続面50Eは、隣り合う下面50Bに沿った仮想線L6に対して成す角度θ10が45°以下である。本実施形態では、角度θ10は、例えば、22°である。すなわち、角度θ7と角度θ10とは、同じ角度である(θ7=θ10)。この場合、第二接続面50Eと下面50Bとが成す角度は、158°である。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係る食器洗浄機1では、止水部50は、供給穴37側に向かう濯ぎ水の流路が狭くなるように当該流路を絞る下面50Bと、下面50Bによって絞られた水を流通させる流通穴50Hを形成している流通面50Cと、下面50Bと流通面50Cとを接続している第二接続面50Eと、を有している。第二接続面50Eは、隣り合う下面50Bに沿った仮想線L6に対して成す角度θ10が45°以下であると共に、隣り合う流通面50Cに沿った仮想線L5に対して成す角度θ9が45°以下である。
【0076】
止水部50において、濯ぎ水は、下面50Bによって絞られた流路を通過した後に流通穴50Hに流入する。止水部50において、下面50Bと流通面50Cとの角度差が大きいと、下面50Bによって絞られた濯ぎ水が流通穴50Hに流入するときに乱流が発生し得る。乱流が発生すると、弁体41が振動し、濯ぎ水の流れが不安定になることにより、第一ヘッダ30において異音が発生し得る。そこで、食器洗浄機1では、止水部50は、下面50Bと流通面50Cとの間に第二接続面50Eを有している。第二接続面50Eは、隣り合う下面50Bに沿った仮想線L6に対して成す角度θ10が45°以下であると共に、隣り合う流通面50Cに沿った仮想線L5に対して成す角度θ9が45°以下である。この構成では、下面50Bと第二接続面50Eとの角度の変化、及び、第二接続面50Eと流通面50Cとの角度の変化を小さくできる。これにより、食器洗浄機1では、下面50Bと流通面50Cとの角度の変化を小さくすることができるため、乱流が発生することを抑制できる。したがって、食器洗浄機1では、乱流に起因する異音の発生を抑制できる。
【0077】
本実施形態に係る食器洗浄機1では、止水部50は、第一接続面50Dを有している。第一接続面50Dは、流通面50Cの仮想線L3に対して成す角度θ6が45°以下である。止水部50において、上面50Aと流通面50Cとの角度差が大きいと、流通穴50Hから放出された濯ぎ水において上面50A付近で乱流が発生し得る。乱流が発生すると、弁体41が振動し、濯ぎ水の流れが不安定になることにより、第一ヘッダ30において異音が発生し得る。そこで、食器洗浄機1では、止水部50は、上面50Aと流通面50Cとの間に第一接続面50Dを有している。第一接続面50Dは、隣り合う上面50Aに沿った仮想線L4に対して成す角度θ7が45°以下であると共に、隣り合う流通面50Cに沿った仮想線L3に対して成す角度θ6が45°以下である。この構成では、上面50Aと第一接続面50Dとの角度の変化、及び、第一接続面50Dと流通面50Cとの角度の変化を小さくできる。これにより、食器洗浄機1では、上面50Aと流通面50Cとの角度の変化を小さくすることができるため、流通穴50Hから放出された濯ぎ水がスムーズに流れ、乱流が発生することを抑制できる。したがって、食器洗浄機1では、乱流に起因する異音の発生を抑制できる。
【0078】
また、止水部50において、第一接続面50Dは、弁体41が流通穴50Hを閉塞するときに弁体41と接触する(弁体41を受け止める)。第一接続面50Dと弁体41とは、面で接触する。そのため、逆流防止効果の向上を図ることができる。
【0079】
第二実施形態では、止水部50が第一接続面50D及び第二接続面50Eを有している形態を一例に説明した。しかし、止水部50は、第一接続面50Dを有していなくてもよい。
【0080】
また、第一接続面50D及び第二接続面50Eのそれぞれは、複数の面によって構成されていてもよい。すなわち、第一接続面50D及び第二接続面50Eのそれぞれは、多段階的に角度が変化する面であってもよい。第一接続面50Dを構成する複数の面のそれぞれは、隣り合う面に沿った仮想線に対して成す角度が45°以下である。第二接続面50Eを構成する複数の面のそれぞれは、隣り合う面に沿った仮想線に対して成す角度が45°以下である。また、第一接続面50D及び第二接続面50Eのそれぞれは、凸状の湾曲面であってもよい。
【0081】
[第三実施形態]
続いて、第三実施形態に係る下部支持体について説明する。
【0082】
図14は、第一ヘッダの断面構成を示す図である。図14に示されるように、第二実施形態に係る下部支持体14の第一ヘッダ30は、規制体52を有している。
【0083】
本実施形態では、規制体52は、球状の球体である。規制体52は、例えば樹脂で形成されている。規制体52のサイズ(直径)は、例えば、弁体41と同じである。規制体52は、シャフト32の内部に配置されている。規制体52は、シャフト32内において移動可能に設けられている。規制体52は、シャフト32内において弁体41よりも止水部42から離れた位置に設けられている。すなわち、規制体52は、弁体41よりも上方に設けられている。
【0084】
規制体52は、弁体41が止水部42から離れる方向(上下方向)への移動を規制する。具体的には、規制体52は、供給穴37から濯ぎ水が供給される状態、すなわち弁体41が止水部42から離れた状態において、弁体41の少なくとも一部が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、弁体41の移動を規制する。規制体52は、止水部42から離れる方向に移動し、凹部33Aに一部が入り込んで移動が規制された位置において弁体41と接触(当接)した場合に、弁体41の少なくとも一部が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、弁体41の移動を規制する。すなわち、規制体52は、弁体41が止水部42から離れる方向に移動することができる最大移動量を移動した場合であっても、弁体41の少なくとも一部が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、弁体41の移動を規制する。
【0085】
以上説明したように、本実施形態に係る食器洗浄機1では、下部支持体14の第一ヘッダ30は、弁体41が止水部42から離れる方向への移動を規制する規制体52を有している。これにより、食器洗浄機1では、弁体41の移動が規制体52によって規制されるため、シャフト32内における弁体41の移動距離が短くなる。したがって、食器洗浄機1では、シャフト32内において弁体41が移動した場合であっても、その移動量が小さいため、弁体41の移動に起因する異音の発生を抑制できる。
【0086】
食器洗浄機1では、規制体52は、供給穴37から濯ぎ水が供給される状態において、弁体41の少なくとも一部が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、弁体41の移動を規制する。この構成では、流通穴32Cから放出された濯ぎ水が弁体41を押し上げる力を確保できる。これにより、食器洗浄機1では、供給穴37から濯ぎ水を供給する際、弁体41の位置を安定させることができる。そのため、食器洗浄機1では、弁体41に振動が発生することを抑制できる。したがって、食器洗浄機1では、弁体41の振動に起因する異音の発生を抑制できる。
【0087】
本実施形態に係る食器洗浄機1では、規制体52は、シャフト32内において、弁体41よりも止水部42から離れた位置に設けられる球体である。この構成では、図14に示されるように、流通穴42Cから放出された濯ぎ水は、弁体41の外周面によって供給穴37側に案内されることによって供給穴37から流出し、弁体41よりも上方に流れた濯ぎ水は、規制体52の外周面によって供給穴37側に案内されることによって供給穴37から流出する。このように、食器洗浄機1では、流通穴42Cから放出された濯ぎ水は、弁体41及び規制体52によって供給穴37側に案内される。これにより、食器洗浄機1では、濯ぎ水がシャフト32の上部(キャップ33の凹部33A)側に流入することを抑制できる。そのため、食器洗浄機1では、シャフト32の上部において濯ぎ水に乱流が発生することを抑制できるため、乱流に起因する異音の発生を抑制できる。
【0088】
食器洗浄機1では、シャフト32内に規制体52(球体)を設けることによって、異音の発生を抑制している。したがって、食器洗浄機1では、製造コストを抑えつつ、異音の発生を抑制できる。
【0089】
なお、弁体41のサイズは、第一実施形態及び第二実施形態に係る食器洗浄機1の弁体41のサイズよりも小さくしてもよい。これにより、シャフト32内に弁体41及び規制体52の二つの部材が設けられる構成であっても、流通穴32Cから放出されて供給穴37から流出する濯ぎ水の通水量を確保することができる。
【0090】
上記実施形態では、異音の発生を抑制するために、シャフト32内に規制体52を設ける形態を一例に説明した。しかし、異音の発生を抑制する構造は、他の構造であってもよい。図15は、変形例に第一ヘッダの断面構成を示す図である。図15に示されるように、変形例に係る下部支持体14の第一ヘッダ30は、規制体54を有している。
【0091】
規制体54は、キャップ33に設けられている。規制体54は、例えば、キャップ33と一体に形成されている。規制体54は、半球状である。規制体54のサイズ(直径)は、例えば、弁体41と同じであってもよい。規制体54は、シャフト32内において、キャップ33から弁体41側に突出している。規制体54は、弁体41よりも上方に設けられている。
【0092】
規制体54は、弁体41が止水部42から離れる方向への移動を規制する。具体的には、規制体54は、供給穴37から濯ぎ水が供給される状態、すなわち弁体41が止水部42から離れた状態において、弁体41の少なくとも一部が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、弁体41の移動を規制する。規制体54は、弁体41が止水部42から離れる方向に移動することができる最大移動量を移動した場合であっても、弁体41の少なくとも一部が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、弁体41の移動を規制する。
【0093】
以上説明したように、本実施形態に係る食器洗浄機1では、弁体41が止水部42から離れる方向への移動を規制する規制体54を有している。これにより、食器洗浄機1では、弁体41の移動が規制体54によって規制されるため、シャフト32内における弁体41の移動距離が短くなる。したがって、食器洗浄機1では、シャフト32内において弁体41が移動した場合であっても、その移動量が小さいため、弁体41の移動に起因する異音の発生を抑制できる。
【0094】
食器洗浄機1では、規制体54は、供給穴37から濯ぎ水が供給される状態において、弁体41の少なくとも一部が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、弁体41の移動を規制する。この構成では、流通穴32Cから放出された濯ぎ水が弁体41を押し上げる力を確保できる。これにより、食器洗浄機1では、供給穴37から濯ぎ水を供給する際、弁体41の位置を安定させることができる。そのため、食器洗浄機1では、弁体41に振動が発生することを抑制できる。したがって、食器洗浄機1では、弁体41の振動に起因する異音の発生を抑制できる。
【0095】
本実施形態に係る食器洗浄機1では、規制体54は、半球状である。この構成では、図15に示されるように、流通穴42Cから放出された濯ぎ水は、弁体41の外周面によって供給穴37側に案内されることによって供給穴37から流出し、弁体41よりも上方に流れた濯ぎ水は、規制体54の外周面によって供給穴37側に案内されることによって供給穴37から流出する。このように、食器洗浄機1では、流通穴42Cから放出された濯ぎ水は、弁体41及び規制体54によって供給穴37側に案内される。これにより、食器洗浄機1では、濯ぎ水がシャフト32の上部側に流入することを抑制できる。また、食器洗浄機1では、規制体54がキャップ33と一体に設けられているため、シャフト32の上部側に濯ぎ水が入り込み難い。そのため、食器洗浄機1では、シャフト32の上部において濯ぎ水に乱流が発生することを抑制できるため、乱流に起因する異音の発生を抑制できる。
【0096】
図16は、変形例に第一ヘッダの断面構成を示す図である。図16に示されるように、変形例に係る下部支持体14の第一ヘッダ30は、規制体56を有している。
【0097】
規制体56は、キャップ33に設けられている。規制体56は、例えば、キャップ33と一体に形成されている。規制体56は、シャフト32内において、キャップ33から弁体41側に突出している。規制体56は、弁体41よりも上方に設けられている。
【0098】
規制体56において、弁体41と接触する接触面56A(下端面)は、弁体41の外周面に沿った形状(円弧形状)である。規制体56の側面56Bは、湾曲面である。規制体56は、第一流通部57及び第二流通部58を有している。第一流通部57は、接触面56Aに開口し、上下方向に延在している。第二流通部58は、第一流通部57に連通しており、側面56Bに開口している。第二流通部58は、複数設けられている。第二流通部58の開口は、供給穴37に対応する位置(供給穴37を臨む位置)に配置されている。
【0099】
規制体56は、弁体41が止水部42から離れる方向への移動を規制する。具体的には、規制体56は、供給穴37から濯ぎ水が供給される状態、すなわち弁体41が止水部42から離れた状態において、弁体41の少なくとも一部が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、弁体41の移動を規制する。規制体56は、弁体41が止水部42から離れる方向に移動することができる最大移動量を移動した場合であっても、弁体41の少なくとも一部が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、弁体41の移動を規制する。
【0100】
以上説明したように、食器洗浄機1では、下部支持体14の第一ヘッダ30は、弁体41が止水部42から離れる方向への移動を規制する規制体56を有している。これにより、食器洗浄機1では、弁体41の移動が規制体56によって規制されるため、シャフト32内における弁体41の移動距離が短くなる。したがって、食器洗浄機1では、シャフト32内において弁体41が移動した場合であっても、その移動量が小さいため、弁体41の移動に起因する異音の発生を抑制できる。
【0101】
食器洗浄機1では、規制体56は、供給穴37から濯ぎ水が供給される状態において、弁体41の少なくとも一部が供給穴37の下端の高さ位置よりも低い位置となるように、弁体41の移動を規制する。この構成では、流通穴32Cから放出された濯ぎ水が弁体41を押し上げる力を確保できる。これにより、食器洗浄機1では、供給穴37から濯ぎ水を供給する際、弁体41の位置を安定させることができる。そのため、食器洗浄機1では、弁体41に振動が発生することを抑制できる。したがって、食器洗浄機1では、弁体41の振動に起因する異音の発生を抑制できる。
【0102】
本実施形態に係る食器洗浄機1では、図16に示されるように、流通穴42Cから放出された濯ぎ水は、弁体41の外周面によって供給穴37側に案内されることによって供給穴37から流出し、弁体41よりも上方に流れた濯ぎ水は、規制体56の第一流通部57及び第二流通部58を通って供給穴37側に案内されると共に側面56Bによって供給穴37側に案内されることによって供給穴37から流出する。これにより、食器洗浄機1では、濯ぎ水がシャフト32の上部側に流入することを抑制できる。そのため、食器洗浄機1では、シャフト32の上部において濯ぎ水に乱流が発生することを抑制できるため、乱流に起因する異音の発生を抑制できる。
【0103】
なお、図15及び図16に示す弁体41のサイズは、第一実施形態及び第二実施形態に係る食器洗浄機1の弁体41のサイズよりも小さくしてもよい。これにより、シャフト32内に弁体41及び規制体54,56が設けられる構成であっても、流通穴32Cから放出されて供給穴37から流出する濯ぎ水の通水量を確保することができる。
【0104】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0105】
上記実施形態では、下側ノズル12が、洗浄噴射孔、洗浄流路、濯ぎ噴射孔及び濯ぎ流路が一体的に形成されている形態を一例に説明した。しかし、食器洗浄機1では、洗浄噴射孔及び洗浄流路を有する下側洗浄ノズルと、濯ぎ噴射孔及び濯ぎ流路を有する下側濯ぎノズルと、を備えていてもよい。上側ノズル11についても同様である。
【0106】
上記実施形態では、第一ヘッダ30のストッパ35がねじであり、ストッパ35を操作することによって、ベアリング34及びキャップ33を取り外すことができる形態を一例に説明した。しかし、キャップ33等の取り外しを可能とする構成は、その他の構成であってもよい。例えば、ベアリングとキャップとが一体化された部品とされており、当該部品がシャフトに対して着脱可能に設けられていてもよい。
【0107】
上記実施形態では、弁体41が球状である形態を一例に説明した。しかし、弁体は球状でなくてもよい。弁体は、止水部との協働によって、水の逆流を阻止できる構成であればよい。
【0108】
上記実施形態では、食器洗浄機1が熱交換ユニット24を備えている形態を一例に説明した。しかし、熱交換ユニット24は備えていなくてもよい。
【0109】
上記実施形態では、ドア7が上下方向に可動自在に設けられたタイプの洗浄機を一例に説明した。しかし、オーブンのように洗浄機本体の前面側にドアが設けられたタイプの食器洗浄機等にも適用することができる。
【0110】
本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態、上記変形例及びその他の変形例として記載の内容を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1…食器洗浄機(洗浄機)、30…第一ヘッダ(支持部)、36…流入口、37…供給穴、38…逆止弁、41…弁体、42,50…止水部、50B…下面(絞り面)、50C…流通面、50E…第二接続面、52,54,56…規制体、L5…仮想線、L6…仮想線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図12
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図16