(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067057
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】連結構造、搬送装置、及び入浴装置
(51)【国際特許分類】
A61H 33/00 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
A61H33/00 310C
A61H33/00 310K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176847
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000182373
【氏名又は名称】酒井医療株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺田 和博
【テーマコード(参考)】
4C094
【Fターム(参考)】
4C094AA01
4C094BB01
4C094CC03
4C094GG02
(57)【要約】
【課題】簡単に第1連結部材を第2連結部材に装脱着可能に連結する。
【解決手段】第1連結部材を第2連結部材に連結可能な連結構造の孔部は、第1連結部材及び第2連結部材のうちの一方部材を上下方向に貫通する。台座部は、他方部材に取り付けられ、孔部内に収容可能である。第1止め部は、他方部材に配置され、上下方向に延びて台座部を貫く柱部の上下方向の他方部材側の端部に接続される。レバー部は、台座部よりも上下方向の一方部材側において柱部に配置され、柱部を中心とする周方向に回転可能且つ上下方向に移動可能である。第1連結部材が第2連結部材に装脱着可能である状態において、上下方向から見て、レバー部の外縁部は、孔部の外縁部よりも内側に配置される。第1連結部材が第2連結部材に連結される状態において、レバー部の外縁部の一部は、上下方向から見て孔部の外縁部よりも外側に配置される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1連結部材を下方から支持する第2連結部材に、前記第1連結部材を連結可能な連結構造であって、
前記第1連結部材及び前記第2連結部材のうちの一方部材を上下方向に貫通する孔部と、
前記第1連結部材及び前記第2連結部材のうちの他方部材に取り付けられ、前記孔部内に収容可能な台座部と、
上下方向に延びて前記台座部を貫く柱部と、
前記他方部材に配置され、前記柱部の上下方向の前記他方部材側の端部に接続される第1止め部と、
前記台座部よりも上下方向の前記一方部材側において前記柱部に配置され、前記柱部を中心とする周方向に回転可能且つ上下方向に移動可能なレバー部と、
を備え、
前記第1連結部材が前記第2連結部材に装脱着可能である状態において、上下方向から見て、前記レバー部の外縁部は、前記孔部の外縁部よりも内側に配置され、
前記第1連結部材が前記第2連結部材に連結される状態において、
前記レバー部の外縁部の一部は、上下方向から見て前記孔部の外縁部よりも外側に配置される、連結構造。
【請求項2】
前記レバー部を上下方向の前記他方部材側に付勢する弾性部と、
上下方向の前記一方部材側に隆起し、前記台座部の上下方向の前記一方部材側の端面の外縁部と、前記一方部材の上下方向の前記一方部材側の端面における前記孔部の外縁部に沿う領域との少なくともどちらかに沿って延びる複数の隆起部と、
隣り合う前記隆起部間に配置される第1溝部と、
をさらに備え、
前記レバー部の上下方向の前記他方部材側の端部は、前記レバー部の回転により、前記隆起部上に乗り上げ可能であり、前記第1溝部に嵌合される、請求項1に記載の連結構造。
【請求項3】
前記第1連結部材が前記第2連結部材に装脱着可能である状態において、前記レバー部の上下方向の前記他方部材側の端部は、前記レバー部の回転により、
前記隆起部の先端よりも上下方向の前記他方部材側に配置され、
又は、
隣り合う前記隆起部間に配置され且つ前記第1溝部とは異なる第2溝部に嵌る、請求項2に記載の連結構造。
【請求項4】
前記レバー部の上下方向の前記他方部材側の端面は、上下方向の前記他方部材側に突出する曲面部を有し、
前記曲面部の外縁は、前記レバー部の上下方向を基準とする外側面の前記他方部材側の端部に接続される、請求項1に記載の連結構造。
【請求項5】
前記一方部材の上下方向の前記一方部材側の端面には、上下方向の前記他方部材側に凹む窪み部が配置され、
前記レバー部が前記第1溝部に嵌る際、前記窪み部には、前記レバー部の上下方向の前記他方部材側の端部が収容される、請求項1に記載の連結構造。
【請求項6】
前記柱部の上下方向の前記一方部材側の端部に接続されて、上下方向と交差する方向に広がる第2止め部をさらに備え、
前記レバー部は、
前記レバー部の上下方向の前記一方部材側の端面において上下方向の前記他方部材側に凹む凹部と、
前記凹部の底面から上下方向の前記他方部材側に延びる貫通孔と、
を有し、
前記柱部は、前記貫通孔に挿通され、
前記第2止め部は、前記凹部に収容される、請求項1に記載の連結構造。
【請求項7】
前記弾性部は、前記第2止め部と前記凹部の底面との間、及び、前記他方部材と前記第1止め部間との間の少なくともどちらかに配置される、請求項1に記載の連結構造。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の連結構造を備える、搬送装置。
【請求項9】
請求項8に記載の搬送装置と、
前記搬送装置により搬送される被介助者を入浴させるための浴槽と、
を備える、入浴装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結構造、搬送装置、及び入浴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、介助を受ける者(以下、被介助者と呼ぶ。)を入浴させることを目的として、被介助者を担架に乗せたまま、浴槽内の湯に浸からせる入浴装置が知られている。被介助者を載せた担架は、搬送装置により浴槽の上方まで運ばれる。被介助者は、担架ごと浴槽内に浸けられる。
【0003】
ところで、入浴の際、担架も湯に浸かるので、使用後には担架の清掃が必要である。特に、被介助者を載せるベースプレートの清掃が重要である。そのため、ベースプレートを支持フレームなどから取り外せる担架が商品化されている。
【0004】
なお、本発明に関連する従来技術の一例として、特許文献1には、担架用マットの掛止具が開示されている。掛止具の上部には、マットが固定され、下部には、L字状の鈎部が取り付けられる。マットを担架の平面部に止着する際、マットを反り返らせて、平面部に形成された貫通孔に鈎部の鍔部を挿入する。その後、マットを戻して、貫通孔に掛止具を挿入させる。鈎部が平面部の裏側に引っ掛かることで、平面部に対する掛止具の抜けが抑制される。また、マットを担架の平面部から取り外す際、マットを引っ張るとともに、反り返させることで、平面部の裏側に対する鈎部の引っ掛かりを解消する。そして、さらにマットを引っ張ることで、鈎部を貫通孔から抜き取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成では、平面部に対して掛止具を装脱着する際、マットの反り返し及び引っ張り、貫通孔に対する鈎部の抜き差しなどを行う必要がある。そのため、担架の平面部にマットを簡単には装脱着できない。従って、特許文献1の構成を支持フレームに対するベースプレートの連結構造に適用しても、支持フレームにベースプレートを簡単には装脱着及び連結できない。
【0007】
本発明は、上記の状況を鑑みて、簡単に第1連結部材を第2連結部材に装脱着可能に連結することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一の態様による連結構造は、第1連結部材を第2連結部材に連結可能である。前記第2連結部材は、前記第1連結部材を下方から支持する。連結構造は、孔部と、台座部と、柱部と、第1止め部と、レバー部と、を備える。前記孔部は、前記第1連結部材及び前記第2連結部材のうちの一方部材を上下方向に貫通する。前記台座部は、前記第1連結部材及び前記第2連結部材のうちの他方部材に取り付けられ、前記孔部内に収容可能である。前記柱部は、上下方向に延びて前記台座部を貫く。前記第1止め部は、前記他方部材に配置され、前記柱部の上下方向の前記他方部材側の端部に接続される。前記レバー部は、前記台座部よりも上下方向の前記一方部材側において前記柱部に配置され、前記柱部を中心とする周方向に回転可能且つ上下方向に移動可能である。前記第1連結部材が前記第2連結部材に装脱着可能である状態において、上下方向から見て、前記レバー部の外縁部は、前記孔部の外縁部よりも内側に配置される。前記第1連結部材が前記第2連結部材に連結される状態において、前記レバー部の外縁部の一部は、上下方向から見て前記孔部の外縁部よりも外側に配置される。
【0009】
また、本発明の一の態様による搬送装置は、上記の連結構造を備える。
【0010】
また、本発明の一の態様による入浴装置は、上記の搬送装置と、前記搬送装置により搬送される被介助者を入浴させるための浴槽と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、簡単に第1連結部材を第2連結部材に装脱着可能に連結することができる。また、たとえば入浴装置の搬送装置において、この連結構造を採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図4A】第1実施形態に係る装脱着可能な状態の連結構造の構成例を示す断面図
【
図4B】装脱着可能な状態の連結構造を他の方向から見た断面図
【
図5】装脱着可能な状態の連結構造を斜め上方から見た斜視図
【
図6】第1実施形態に係る連結状態の連結構造の構成例を示す断面図
【
図7A】斜め上方から見た台座部の構成例を示す斜視図
【
図8】斜め上方から見た台座部の第1変形例を示す斜視図
【
図9A】斜め上方から見た台座部の第2変形例を示す斜視図
【
図9B】斜め下方から見た台座部の第2変形例の斜視図
【
図11A】斜め上方から見たレバー部の構成例を示す斜視図
【
図13A】第2実施形態に係る装脱着可能な状態の連結構造の構成例を示す断面図
【
図13B】装脱着可能な状態の連結構造を他の方向から見た断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、本明細書では、後述する搬送装置300を操作する介助者から見て、左右方向をX方向と呼ぶ。なお、X方向は、担架1の長手方向である。X方向のうちの右方を「X1」とし、左方を「X2」とする。また、前後方向をY方向と呼ぶ。なお、Y方向は、担架1の短手方向である。Y方向のうちの前方を「Y1」とし、後方を「Y2」とする。また、上下方向をZ方向と呼ぶ。なお、Z方向は、担架1の厚さ方向である。Z方向のうちの上方を「Z1」とし、下方を「Z2」とする。なお、X方向、Y方向、及びZ方向は、それぞれ直交する。
【0014】
<1.第1実施形態>
図1は、入浴装置100の構成例を示す斜視図である。入浴装置100は、浴槽200と、搬送装置300と、を備える。浴槽200は、搬送装置300により搬送される被介助者を入浴させるための槽であり、上方に開口する。浴槽200には、適温の湯が入れられている。搬送装置300は、被介助者を搬送するための装置である。たとえば、搬送装置300は、被介助者を病室(居室)から脱衣所及び脱衣所から浴室に搬送し、或いは、浴室から脱衣所及び脱衣所から病室(居室)に搬送する。本発明では、たとえば入浴装置100の搬送装置300において、後述の連結構造6を採用できる。
【0015】
図2は、搬送装置300の構成例を示す斜視図である。搬送装置300は、ベース脚部310と、支柱部320と、把持部330と、支持アーム340と、を有する。また、搬送装置300は、担架1をさらに有する。ベース脚部310は、搬送装置300を支える脚部であり、床面に接地する複数のキャスター(符号省略)を有する。搬送装置300は、キャスターを転がすことで、床面をスムーズに移動できる。支柱部320は、ベース脚部310から上方に延び、上下方向に伸縮可能である。たとえば、支柱部320は、上下方向に延びるアクチュエータを有する。アクチュエータのシリンダ及びロッドの一方はベース脚部310に固定される。アクチュエータの他方を含む部分には、把持部330が配置される。但し、この例示は、支柱部320が上下方向に伸縮不能である構成を排除しない。この場合、たとえば、浴槽200全体が上下方向に移動可能な構成であってもよい。また、支柱部320は、担架1の右側に配置される。但し、この例示に限定されず、支柱部320は、担架1の左側に配置されてもよい。把持部330は、搬送装置300を操作・移動させる介助者が把持するハンドルである。支持アーム340は、支柱部320に固定され、担架1を支持する。支持アーム340は、第1アーム341と、第2アーム342と、第3アーム343と、を有する。第1アーム341は、支柱部320から前方に延びる。第2アーム342は、第1アーム341の前端部から下方に延びる。第3アーム343は、第2アーム342の下端部から前方に延び、担架1に対して装着脱可能に接続される。たとえば、第3アーム343は、担架1の後述する支持フレーム2の挿入部(図示省略)に固定可能に挿入され、担架1を支持する。
【0016】
次に、
図3~
図6を参照して、担架1の構成を説明する。
図3は、担架1の断面図である。
図3は、
図2の一点鎖線III-IIIに沿う担架1の断面構造を示している。
図4A~
図6は、支持フレーム2に対するベースプレート4の連結構造6の構成例を示す。
図4Aは、第1実施形態に係る装脱着可能な状態の連結構造6の構成例を示す断面図である。
図4Bは、装脱着可能な状態の連結構造を他の方向から見た断面図である。
図5は、装脱着可能な状態の連結構造6を斜め上方から見た斜視図である。
図6は、第1実施形態に係る連結状態の連結構造6の構成例を示す断面図である。
図4Aは、
図3の破線IVaに沿う断面構造を示しており、前後方向から断面構造を見ている。
図4B及び
図6は、
図3の破線IVbに沿う断面構造を示しており、左右方向から断面構造を見ている。
【0017】
担架1は、被介助者を載せるための台であり、搬送装置300により移送される。担架1は、支持フレーム2と、柵部31と、ハンドル部32と、ベースプレート4と、マット部5と、連結構造6と、を備える。すなわち、搬送装置300は、これらを備える。
【0018】
支持フレーム2は、ベースプレート4を下方から支持する。なお、ベースプレート4は、本発明の「第1連結部材」の一例であり、支持フレーム2は本発明の「第2連結部材」の一例である。支持フレーム2は、たとえば金属製である。支持フレーム2は、左右方向に延びる複数のフレーム(符号省略)と、前後方向に延びる複数のフレーム(符号省略)と、第3アーム343が挿入される上述の挿入部と、を有する構造体である。但し、この例示に限定されず、支持フレーム2は、挿入部を有して左右方向及び前後方向に広がるプレート形状であってもよい。
【0019】
支持フレーム2のベースプレート4と接する部分には、上下方向に延びる貫通孔21が配置される。貫通孔21の上端部は、ベースプレート4に面する。また、貫通孔21の近傍には、穴22が配置される(
図4A参照)。穴22は、一対で配置され、上下方向と垂直な方向において貫通孔21を挟んで並ぶ。なお、穴22はそれぞれ、第1実施形態では支持フレーム2を上下方向に貫通する。但し、この例示に限定されず、一対で配置される穴22の内の少なくともどちらかは、下方に凹む凹部であってよく、つまり支持フレーム2を貫通していなくてもよい。
【0020】
柵部31は、前後一対で配置され、担架1に乗る被介助者の落下を防止する。柵部31は、支持フレーム2の前後方向両側に配置され、上方に突出し、左右方向に延びる。ハンドル部32は、前後一対で配置され、担架1に乗る被介助者が把持可能な取っ手である。ハンドル部32は、支持フレーム2の左右両側において被介助者の上半身側に配置され、斜め上方に突出する。
【0021】
ベースプレート4は、マット部5を介して、担架1に横たわる被介助者を支持する。ベースプレート4は、たとえば、樹脂製の担架カバーであり、ブロー成型などで形成される。ベースプレート4は、左右方向及び前後方向に広がる板状であり、連結構造6により支持フレーム2に対して装脱着可能に連結される。
【0022】
ベースプレート4の上面には、下方に凹む凹部41が配置される。凹部41は、連結構造6の上部(たとえばレバー部62、連結部材63の上部など)を収容する。凹部41の底面には、孔部42と、窪み部43と、が配置される。つまり、連結構造6は、これらを備える。第1実施形態では、孔部42は、左右方向と平行な長手方向をする長孔である。孔部42は、ベースプレート4を上下方向に貫通する。孔部42の下端部は、支持フレーム2に面し、支持フレーム2の貫通孔21に繋がる。ベースプレート4の上面には、下方に凹む窪み部43が配置される。窪み部43は、長手方向を有する形状であり、孔部42から前後方向に延びる(
図4B~
図6参照)。ベースプレート4が支持フレーム2に連結される際、窪み部43には、レバー部62の下端部が嵌る(
図6参照)。
【0023】
マット部5は、ベースプレート4上に装脱着可能に配置される。マット部5は、担架1のクッション部分であり、担架1に横たわる被介助者に接する。マット部5は、ウレタンフォームなどの高反発発泡樹脂部材などの緩衝材と、該緩衝材を覆うカバー部材と、を有する。
【0024】
<1-1.連結構造>
次に、
図4A~
図6を参照して、第1実施形態の連結構造6を説明する。連結構造6は、支持フレーム2にベースプレート4を連結可能である。なお、第1実施形態では、ベースプレート4が本発明の「一方部材」の一例であり、支持フレーム2が本発明の「他方部材」の一例である。そのため、第1実施形態では、上方が本発明の「上下方向の一方部材側」に対応し、下方が本発明の「上下方向の他方部材側」に対応する。連結構造6は、台座部61と、レバー部62と、連結部材63と、止め部材64と、弾性部65と、を備える。
【0025】
<1-1-1.台座部>
図7Aは、斜め上方から見た台座部61の構成例を示す斜視図である。
図7Bは、斜め下方から見た台座部61の斜視図である。
図8は、斜め上方から見た台座部61の第1変形例を示す斜視図である。
図9Aは、斜め上方から見た台座部61の第2変形例を示す斜視図である。
図9Bは、斜め下方から見た台座部61の第2変形例の斜視図である。
【0026】
台座部61は、支持フレーム2に取り付けられ、孔部42内に収容可能である。これにより、ベースプレート4を支持フレーム2に装着する際、台座部61が孔部42内に収容されることにより、支持フレーム2に対するベースプレート4の位置決めを容易に実施できる。台座部61は、たとえば樹脂製である。台座部61は、本体部611と、貫通孔612と、複数の隆起部613と、一対で配置される第1溝部614と、一対で配置される凸部615と、を有する。つまり、連結構造6は、これらを備える。
【0027】
本体部611は、支持フレーム2上に配置されて、上方に延び、孔部42内に収容される。本体部611は、上方に向かうにつれて窄む錐台形状の部材である。すなわち、上下方向から見て、本体部611の上端部の外縁部は、本体部611の下端部の外縁部よりも内側にある。また、上下方向から見て、本体部611の上面の投影面積は、下面の投影面積よりも狭い。こうすれば、台座部61を孔部42内に収容し易くなる。従って、支持フレーム2に対するベースプレート4の位置決めをより容易に実施できる。
【0028】
好ましくは、レバー部62がベースプレート4に掛止される際、本体部611の上面は、支持フレーム2の上面と同じ上下方向位置、又は、該上面よりも上方に位置する。但し、この例は、本体部611の上面が支持フレーム2の上面よりも下方に位置する構成を排除しない。
【0029】
また、第1実施形態では、本体部611は、上下方向から見て、長手方向を有する。上下方向から見て、本体部611の長手方向の両端部は半円形状であり、その両端部間の部分は長手方向に延びる矩形状である。
【0030】
貫通孔612は、上下方向から見て本体部611の中央部に配置され、本体部611を上下方向に貫通する。
【0031】
隆起部613は、上方に隆起し、台座部61の上面の外縁部に沿って延びる。第1実施形態では、本体部611の上面の外縁部に配置される。なお、本体部611の上面のうち、隆起部613で囲まれ且つ貫通孔612よりも外側の領域は、上下方向と垂直な平面である。上下方向から見て、隆起部613は、各々の半円形状の部分の外縁部と、矩形部分の短手方向の両端の外縁部と、にそれぞれ配置される。なお、矩形部分の短手方向の両端の外縁部における中央部には、隆起部613は配置されない。この部分は、第1溝部614として機能する。
【0032】
なお、隆起部613は、台座部61の上面以外に配置されてもよい。
図10は、隆起部613の他の配置例を示す斜視図である。たとえば
図10に示すように、隆起部613は、ベースプレート4の上面における孔部42の外縁部に沿って延びてもよい。つまり、隆起部613は、台座部61の上面の外縁部と、ベースプレート4の上面における孔部42の外縁部に沿う領域との少なくともどちらかに沿って延びていればよい。
【0033】
第1溝部614は、隣り合う隆起部613間に配置される。第1実施形態では、第1溝部614は、本体部611の上面の外縁部において隣り合う隆起部613間の隙間である。第1溝部614は、本体部611の矩形部分の短手方向の両端の外縁部における中央部にそれぞれ配置され、下方に凹んで隆起部613を貫通する。また、
図7に示すように、第1溝部614は、ベースプレート4の上面のうちの孔部42の外縁部に沿う領域に配置されてもよい。後述するように、レバー部62がベースプレート4に掛止される際、レバー部62の下端部は、第1溝部614に嵌る。
【0034】
なお、
図7Aの例示に限定されず、台座部61は、隣り合う隆起部613間に配置される他の溝部を有してもよい。たとえば、
図8に示すように、台座部61は、一対で配置される第2溝部616を有してもよ。第2溝部616は、本体部611の上面の外縁部において隣り合う隆起部613間の隙間である。第2溝部616は、本体部611の半円形状部分の外縁部における中央部にそれぞれ配置され、下方に凹んで隆起部613を貫通する。第2溝部616には、レバー部62がベースプレート4に装脱着可能である際、レバー部62の下端部が嵌る。
【0035】
凸部615はそれぞれ、本体部611の下面から下方に突出し、支持フレーム2の穴22に嵌る(
図4A参照)。これにより、上下方向と垂直な方向及び周方向における台座部61の移動を抑制又は防止できる。従って、台座部61を支持フレーム2上に安定的に配置できる。なお、本体部611の下面及び凸部615の少なくともどちらかは、支持フレーム2に対し、ろう付け、溶接、接着剤などの手段により固定されてもよいし、固定されなくてもよい。また、台座部61は、支持フレーム2とは別体である。但し、この例示に限定されず、台座部61は、支持フレーム2と一体であってもよい。
【0036】
また、台座部61の本体部611は、上述の実施形態に限定されず、長手方向を有する形状でなくてもよい。たとえば
図9A及び
図9Bに示すように、本体部611は、円錐台形状であってもよい。この場合、台座部61の下面には、1つの凸部615が配置される。凸部615の下面には、貫通孔612の下端部が開口する。或いは、上下方向から見た本体部611の形状は、n角形状(nは3以上の自然数)であってもよいし、楕円形状、十字形状などであってもよい。
【0037】
<1-1-2.レバー部>
次に、
図11A及び
図11Bを挙げて、レバー部62を説明する。
図11Aは、斜め上方から見たレバー部62の構成例を示す斜視図である。
図11Bは、斜め下方から見たレバー部62の斜視図である。
【0038】
レバー部62は、台座部61よりも上方において、柱部631に配置される。レバー部62は、柱部631を中心とする周方向に回転可能且つ上下方向に移動可能である。レバー部62は、たとえば樹脂製である。なお、レバー部62の回転軸は、上下方向から見てレバー部62の中央に一致する。但し、この例示に限定されず、回転軸はレバー部62の中央に一致しなくてもよい。たとえば、レバー部62は、その回転軸に対して、偏心回転してもよい。
【0039】
レバー部62は、取手部621と、凹部622と、貫通孔623と、曲面部624と、筒部625と、を有する。取手部621は、本体部611上に配置され、ベースプレート4の凹部41内に収容される。取手部621は、第1実施形態では、上下方向から見て長手方向を有する柱状である。上下方向から見て、取手部621の長手方向の両端部は半円形状であり、その両端部間の部分は長手方向に延びる矩形状である。凹部622は、レバー部62の上面において、下方に凹む。詳細には、凹部622は、上下方向から見て取手部621の中央部に配置され、取手部621の上面から下方に凹む。凹部622は、連結部材63の上端部及び弾性部65を収容する。貫通孔623は、上下方向から見て凹部622の底面の中央部に配置される。貫通孔623は、凹部622の底面から下方に延びる。貫通孔623は、取手部621を上下方向に貫通し、台座部61の貫通孔612に繋がる。貫通孔623の中心軸は、貫通孔612の中心軸及び支持フレーム2の貫通孔21の中心軸と一致する。
【0040】
次に、レバー部62の下面は、曲面部624と、筒部625と、を有する。曲面部624は、下方に突出する曲面である。曲面部624の外縁は、レバー部62の上下方向を基準とする外側面の下端部に接続される。上下方向から見て、曲面部624の外縁部は、取手部621の外側面の下端部に接続される。こうすれば、後述するように、レバー部62をスムーズに回転させることができる。また、レバー部62を回転させる際、レバー部62が隆起部613上にスムーズに乗り上げ易くなる。従って、乗り上げに起因するレバー部62及び隆起部613の損傷を抑制又は防止でき、レバー部62及び隆起部613の寿命を向上できる。筒部625は、曲面部624から下方に突出する。筒部625の内部は、貫通孔623の一部(つまり下端部)である。筒部625の下端面は、上下方向と垂直な環状の平面であり、本体部611の上面に接する。
【0041】
支持フレーム2とベースプレート4との連結が解除される際、レバー部62の長手方向は、孔部42の長手方向と平行にされる。また、支持フレーム2にベースプレート4を連結する際、レバー部62の長手方向は、孔部42の長手方向と交差する。さらに、レバー部62の長手方向が孔部42の長手方向と垂直にされることで、レバー部62が第1溝部614及び窪み部43に嵌り、レバー部62の回転が抑制される。
【0042】
<1-1-3.連結部材>
連結部材63は、柱部631と、鍔部632と、雄螺子部633と、を有する。つまり連結構造6は、これらを備える。連結部材63は、台座部61を介してベースプレート4に対してレバー部62を回転可能に連結する。たとえば、連結部材63は、雄螺子である。柱部631、鍔部632、雄螺子部633はそれぞれ、雄螺子の軸部、ヘッド、ねじ山である。
【0043】
柱部631は、上下方向に延びて、台座部61(詳細には本体部611)を貫通する。柱部631は、レバー部62の貫通孔623に挿通され、さらに台座部61の貫通孔612及び支持フレーム2の貫通孔21に挿通される。柱部631の下端部は、支持フレーム2の貫通孔21よりも下方に突出し、止め部材64に接続される。
【0044】
鍔部632は、柱部631の上端部に接続され、上下方向と交差する方向に広がる。なお、鍔部632は、本発明の「第2止め部」の一例である。鍔部632は、レバー部62の凹部622に収容される。好ましくは、鍔部632を含む連結部材63の上端部の全てが、凹部622に収容される。こうすれば、たとえば鍔部632などの連結部材63の上端部が凹部622からはみ出る構成と比べて、連結構造6の上下方向における幅をより狭くできる。従って、連結構造6をさらにコンパクトに構成できる。但し、この例示は、鍔部632などの連結部材63の上端部が凹部622からはみ出る構成を排除しない。
【0045】
雄螺子部633は、柱部631の下端部の周側面に配置される。なお、
図4A及び
図4Bなどでは、支持フレーム2の貫通孔21の内周面には雌螺子が配置され、雄螺子部633と螺合される。但し、この例示は、貫通孔21の内周面に雌螺子が配置されない構成を排除しない。
【0046】
<1-1-4.止め部材>
止め部材64は、支持フレーム2の下面に配置され、柱部631の下端部に接続される。なお、止め部材64は、本発明の「第1止め部」の一例である。止め部材64は、ろう付け、溶接、接着剤などの手段により支持フレーム2に固定されてもよいし、支持フレーム2に固定されなくてもよい。止め部材64は、上下方向に延びる雌螺子部641を有する。雌螺子部641の中心軸は、貫通孔21,612,623の中心軸と一致する。雌螺子部641は、連結部材63の下端部において、雄螺子部633と螺合される。止め部材64は、たとえば袋ナットである。
【0047】
<1-1-5.弾性部>
弾性部65は、レバー部62を下方に付勢する。たとえば、弾性部65は、鍔部632と凹部622の底面との間に配置される。こうすれば、簡単な構成で、レバー部62を下方に付勢できる。弾性部65を介して連結部材63を止め部材64に螺合することにより、レバー部62を回転させる際、レバー部62を上下方向に移動可能にすることができる。従って、ベースプレート4を支持フレームに連結する際、レバー部62は、隆起部613に乗り上がった後に、第1溝部614に嵌ることができる。また、ベースプレート4及びを支持フレーム2の連結を解除する際、隆起部613に乗り上がった後に、隆起部613の内側の平面(或いは第2溝部616)に嵌ることができる。
【0048】
弾性部65は、柱部631が挿通される環状又は筒状の部材であり、たとえば皿ばねである。但し、この例示は、弾性部65が皿ばね以外である構成を排除しない。弾性部65は、上下方向に弾性変形可能であればよく、たとえばスプリングワッシャ、圧縮コイルばねなどであってもよい。
【0049】
また、弾性部65は、鍔部632と凹部622の底面との間以外に配置されてもよい。
図12は、弾性部65の他の配置例を示す断面図である。たとえば
図12に示すように、弾性部65は、支持フレーム2と止め部材64との間に配置されてもよい。なお、弾性部65は、鍔部632と凹部622の底面との間、及び、支持フレーム2と止め部材64との間のうちの少なくともどちらかに配置されていればよい。このようにしても、簡単な構成で、レバー部62を下方に付勢できる。
【0050】
<1-2.連結構造の動作例>
図4A~
図5に示すように、ベースプレート4が支持フレーム2に装脱着可能である状態において、上下方向から見て、レバー部62の外縁部は、孔部42の外縁部よりも内側に配置される。また、
図6に示すように、ベースプレート4が支持フレーム2に連結される状態において、レバー部62は、孔部42よりも上方に配置されている。レバー部62の外縁部の一部は、上下方向から見て孔部42の外縁部よりも外側に配置される。
【0051】
たとえば、ベースプレート4を支持フレーム2に装脱着する際、レバー部62の回転により、上下方向から見てレバー部62の外縁部を孔部42の外縁部よりも内側に配置させる。これにより、レバー部62が孔部42を通過可能になる。従って、支持フレーム2及びベースプレート4に対して何らかの部材の取り付け及び取り外しを要することなく、簡単にベースプレート4を支持フレーム2に装脱着可能に連結できる。たとえば装着する際、孔部42を通じてレバー部62をベースプレート4の下側から上側に移動させることにより、ベースプレート4を支持フレーム2に取り付けることができる。そして、レバー部62の回転により、上下方向から見てレバー部62の外縁部の一部を孔部42の外縁部よりも外に配置させることで、レバー部62をベースプレート4に掛止できる。これにより、何らかの部材の取り付けを要することなく、支持フレーム2に対してベースプレート4を連結できる。一方、取り外す際、レバー部62の回転により、レバー部62の掛止を解除し、上下方向から見てレバー部62の外縁部を孔部42の外縁部よりも内側に配置させる。これにより、支持フレーム2に対するベースプレート4の連結を解除できる。また、レバー部62を孔部42の上側から下側に移動させる。これにより、何らかの部材の取り外しを要することなく、支持フレーム2からベースプレート4を取り外すことができる。
【0052】
また、レバー部62の下端部は、レバー部62の回転により、隆起部613上に乗り上げ可能であり、第1溝部614に嵌合される。
【0053】
こうすれば、レバー部62を掛止すべく回転させる際、レバー部62は、一旦、隆起部613上に乗り上げた後、第1溝部614に嵌る。そのため、レバー部62を回転させた者は、レバー部62の乗り上げを感じることで、レバー部62の掛止が開始されたことを実感できる。また、レバー部62を回転させた者は、レバー部62が第1溝部614に嵌ったことを感じることで、レバー部62を安定的に掛止できたことを実感できる。また、レバー部62が第1溝部614に嵌ることで、意図しないレバー部62の回転を抑制できる。従って、目視を要することなく、レバー部62を安定的且つ簡単に掛止できる。
【0054】
さらに、レバー部62の掛止を解除すべく回転させる際、レバー部62は、隆起部613上に乗り上げる。そのため、レバー部62を回転させた者は、レバー部62の乗り上げを感じることで、レバー部62が第1溝部614から外れたことを実感できる。また、レバー部62が孔部42に通過可能になると、レバー部62は、下方に移動可能となる。これにより、レバー部62を回転させた者は、レバー部62の掛止を解除できる周方向位置までレバー部62を回転させたことを実感できる。従って、レバー部62を孔部42の上側から下側に移動させることができる。よって、目視を要することなく、支持フレーム2及びベースプレート4間の連結を簡単に解除でき、支持フレーム2からベースプレート4を安全に取り外すことができる。
【0055】
好ましくは、レバー部62が第1溝部614に嵌る際、窪み部24には、レバー部62の下端部が収容される。こうすれば、レバー部62がベースプレート4に掛止される際、ベースプレート4の上面に妨げられることなく、レバー部62は第1溝部614に嵌ることができる。さらに、この際のレバー部62の上下方向における移動幅がさらに大きくなる。従って、レバー部62を回転させた者は、レバー部62を確実に掛止できる位置まで回転させたことを実感できる。但し、この例示は、レバー部62の下端部が窪み部24に収容されない構成を排除しない。たとえば、窪み部24は省略されてもよい。
【0056】
また、ベースプレート4が支持フレーム2に装脱着可能である状態において、レバー部62の下端部は、レバー部62の回転により、隆起部613の先端(上端部)よりも下側に配置される。つまり、レバー部62の下端部は、台座部61の上端部において隆起部613で囲まれた部分に嵌る(
図7A参照)。又は、レバー部62の下端部は、第2溝部616に嵌ってもよい。第2溝部616は、第1溝部614とは異なる溝部であり、隣り合う隆起部613間に配置される(
図8参照)。
【0057】
こうすれば、目視を要することなく、支持フレーム2に対するベースプレート4の連結解除を容易に実施できる。たとえば、レバー部62の掛止を解除すべく回転させる際、レバー部62は、隆起部613上への乗り上げの解除、又は、第2溝部616に嵌ることにより、下方に落ち込む。そのため、レバー部62を回転させた者は、レバー部62の落ち込みを感じることで、レバー部62を孔部42から引き抜くことができる位置までレバー部62を回転させたことを実感できる。従って、目視を要することなく、レバー部62を安定的且つ簡単に掛止することができる。また、意図しないレバー部62の回転を抑制することもできる。
【0058】
<2.第2実施形態>
次に、
図13A及び
図13Bを挙げて、第2実施形態を説明する。
図13Aは、第2実施形態に係る装脱着可能な状態の連結構造6の構成例を示す断面図である。
図13Bは、装脱着可能な状態の連結構造6を他の方向から見た断面図である。なお、
図13Aは、
図3の破線IVaに沿う断面構造に対応しており、前後方向から断面構造を見ている。
図13Bは、
図3の破線IVbに沿う断面構造に対応しており、左右方向から断面構造を見ている。
【0059】
以下では、第2実施形態について、第1実施形態と異なる構成を説明する。また、第1実施形態と同様の構成部には同じ符号を付し、その説明を省略することがある。また、第2実施形態では、支持フレーム2が本発明の「一方部材」の一例であり、ベースプレート4が本発明の「他方部材」の一例である。そのため、第2実施形態では、下方が本発明の「上下方向の一方部材側」に対応し、上方が本発明の「上下方向の他方部材側」に対応する。
【0060】
<2-1.支持フレーム>
第2実施形態では、ベースプレート4の孔部42に代えて、支持フレーム2が孔部23を有する。孔部23は、支持フレーム2を上下方向に貫通する。孔部23の上端部は、ベースプレート4に面する。
【0061】
また、ベースプレート4の窪み部43に代えて、支持フレーム2の下面には、上方に凹む窪み部24が配置される。窪み部24は、下方から上方を見て長手方向を有する形状である。好ましくは、レバー部62が第1溝部614に嵌る際、窪み部24には、レバー部62の上端部が収容される。
【0062】
<2-2.ベースプレート>
また、第2実施形態では、支持フレーム2の貫通孔21に代えて、ベースプレート4の凹部41の底面には、貫通孔44の上端部が配置される。貫通孔44は、ベースプレート4(凹部41の底面)を上下方向に貫通し、支持フレーム2の孔部23に繋がる。
【0063】
また、支持フレーム2の穴22に代えて、ベースプレート4の下面には、穴45が配置される。穴45は、一対で配置され、貫通孔44の近傍に配置され、上下方向と垂直な方向において貫通孔44を挟んで並ぶ。穴45は、ベースプレート4(凹部41の底面)を上下方向に貫通してもよい。或いは、一対で配置される穴45の内の少なくともどちらかは、上方に凹む凹部であってよく、つまりベースプレート4(凹部41の底面)を貫通していなくてもよい。
【0064】
<2-3.連結構造>
次に、第2実施形態では、連結構造6の配置が第1実施形態とは上下に反転して配置される。
【0065】
<2-3-1.台座部>
台座部61は、ベースプレート4に取り付けられ、支持フレーム2の孔部23に内に収容可能である。台座部61の構成は、第1実施形態とは上下逆になっている。
【0066】
たとえば、本体部611は、ベースプレート4の下面に配置されて、下方に延び、孔部23内に収容される。本体部611は、下方に向かうにつれて窄む錐台形状の部材である。すなわち、上下方向から見て、本体部611の下端部の外縁部は、本体部611の上端部の外縁部よりも内側にある。また、上下方向から見て、本体部611の下面の投影面積は、上面の投影面積よりも狭い。
【0067】
好ましくは、レバー部62が支持フレーム2に掛止される際、本体部611の下面は、支持フレーム2の下面と同じ上下方向位置、又は、該下面よりも下方に位置する。但し、この例は、本体部611の下面が支持フレーム2の下面よりも上方に位置する構成を排除しない。
【0068】
第2実施形態では、隆起部613及び第1溝部614は、本体部611の下面の外縁部に配置される。隆起部613は、下方に隆起し、台座部61の下面の外縁部に沿って延びる。なお、本体部611の下面のうち、隆起部613で囲まれ且つ貫通孔612よりも外側の領域は、上下方向と垂直な平面である。
【0069】
なお、隆起部613は、台座部61の下面以外に配置されてもよい。隆起部613は、たとえば支持フレーム2の下面において孔部23の外縁部に沿って延びてもよい。つまり、隆起部613は、台座部61の下面の外縁部と、支持フレーム2の下面における孔部23の外縁部に沿う領域との少なくともどちらかに沿って延びていればよい。
【0070】
第1溝部614は、本体部611の下面の外縁部において隣り合う隆起部613間の隙間であり、上方に凹んで隆起部613を貫通する。後述するように、レバー部62が支持フレーム2に掛止される際、レバー部62の上端部は、第1溝部614に嵌る。なお、台座部61は、隣り合う隆起部613間に配置される他の溝部(たとえば第1実施形態の第2溝部616参照)を有してもよい。
【0071】
凸部615はそれぞれ、本体部611の上面から上方に突出し、ベースプレート4の穴45に嵌る。なお、本体部611の下面及び凸部615の少なくともどちらかは、ベースプレート4に対し、ろう付け、溶接、接着剤などの手段により固定されてもよいし、固定されなくてもよい。
【0072】
<2-3-2.レバー部>
第2実施形態では、レバー部62は、台座部61よりも下方において、柱部631に配置される。レバー部62の構成は、第1実施形態とは上下逆になっている。たとえば、取手部621は、本体部611の下方に配置される。凹部622は、レバー部62の下面において、取手部621の下面から上方に凹む。貫通孔623は、凹部622の底面から上方に延びる。レバー部62の上面は、曲面部624と、筒部625と、を有する。曲面部624は、上方に突出する曲面である。曲面部624の外縁は、レバー部62の上下方向を基準とする外側面の上端部に接続される。詳細には、曲面部624及び筒部625は、取手部621の上面に配置される。上下方向から見て、曲面部624の外縁部は、取手部621の外側面の上端部に接続される。筒部625は、曲面部624から上方に突出する。筒部625の内部は、貫通孔623の一部(つまり上端部)である。筒部625の上端面は、上下方向と垂直な環状の平面である。
【0073】
第2実施形態では、支持フレーム2とベースプレート4との連結が解除される際、レバー部62の長手方向は、孔部23の長手方向と平行にされる。また、支持フレーム2にベースプレート4を連結する際、レバー部62の長手方向は、孔部23の長手方向と交差する。さらに、レバー部62の長手方向が孔部23の長手方向と垂直にされることで、レバー部62が第1溝部614及び窪み部24に嵌り、レバー部62の回転が抑制される。
【0074】
<2-3-3.連結部材>
第2実施形態では、連結部材63の柱部631の上端部は、ベースプレート4の凹部41の底面よりも上方に突出する。鍔部632は、柱部631の下端部に接続され、上下方向と交差する方向に広がる。雄螺子部633は、柱部631の上端部の周側面に配置される。なお、第2実施形態では、ベースプレート4の貫通孔44の内周面には雌螺子が配置され、雄螺子部633と螺合される。但し、この例示は、貫通孔44の内周面に雌螺子が配置されない構成を排除しない。
【0075】
<2-3-4.止め部材>
止め部材64は、ベースプレート4の上面(つまり凹部41の底面上)に配置され、柱部631の上端部に接続される。止め部材64の雌螺子部641は、連結部材63の上端部において、雄螺子部633と螺合される。
【0076】
<2-3-5.弾性部>
弾性部65は、レバー部62を上方に付勢する。第2実施形態では、弾性部65は、鍔部632と凹部622の底面との間に配置される。なお、弾性部65は、鍔部632と凹部622の底面との間以外に配置されてもよい。たとえば、弾性部65は、ベースプレート4(たとえば凹部41の底面)と止め部材64との間に配置されてもよい。なお、弾性部65は、鍔部632と凹部622の底面との間、及び、ベースプレート4(たとえば凹部41の底面)と止め部材64との間のうちの少なくともどちらかに配置されていればよい。このようにしても、簡単な構成で、レバー部62を上方に付勢できる。
【0077】
<3.備考>
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述の実施形態は例示であり、その各構成要素及び各処理の組み合わせに色々な変形が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0078】
たとえば、上述の第1及び第2実施形態では、本発明の「第1連結部材」及び「第2連結部材」はそれぞれ、ベースプレート4及び支持フレーム2である。但し、この例示に限定されず、本発明の「第1連結部材」は、マット部5であってもよい。この場合、本発明の「第2連結部材」は、ベースプレート4(つまり金属製の担架カバー)であってもよい。或いは、ベースプレート4(つまり金属製の担架カバー)は省略され、本発明の「第2連結部材」は支持フレーム2とされてもよい。
【0079】
また、上述の第1及び第2実施形態では、台座部61は、隆起部613及び第1溝部614を有する。但し、この例示に限定されず、隆起部613及び第1溝部614は、省略されてもよい。この場合、たとえば、レバー部62を掛止させる際、レバー部62を(摘み上げながら)回転させることにより、レバー部62の曲面部624の少なくとも一部が窪み部24,43に嵌る。これによりレバー部62を安定的に掛止し、さらに意図しないレバー部62の回転を抑制できる。また、レバー部62の掛止を解除する際、(レバー部62を摘み上げることで、)窪み部24,43との嵌合を解除し、レバー部62を回転させることができる。
【0080】
また、上述の第1及び第2実施形態では、被介助者を乗せる担架1の例を説明した。ただし、この例示に限定されず、上述の技術は、被介助者を座位姿勢で乗せる車椅子に使用されてもよい。
【0081】
<4.総括>
以下では、これまでに説明した実施形態について総括的に述べる。
【0082】
たとえば、本明細書に開示されている連結構造は、第1連結部材を下方から支持する第2連結部材に、前記第1連結部材を連結可能な連結構造であって、前記第1連結部材及び前記第2連結部材のうちの一方部材を上下方向に貫通する孔部と、前記第1連結部材及び前記第2連結部材のうちの他方部材に取り付けられ、前記孔部内に収容可能な台座部と、上下方向に延びて前記台座部を貫く柱部と、前記他方部材に配置され、前記柱部の上下方向の前記他方部材側の端部に接続される第1止め部と、前記台座部よりも上下方向の前記一方部材側において前記柱部に配置され、前記柱部を中心とする周方向に回転可能且つ上下方向に移動可能なレバー部と、を備え、前記第1連結部材が前記第2連結部材に装脱着可能である状態において、上下方向から見て、前記レバー部の外縁部は、前記孔部の外縁部よりも内側に配置され、前記第1連結部材が前記第2連結部材に連結される状態において、前記レバー部の外縁部の一部は、上下方向から見て前記孔部の外縁部よりも外側に配置される構成(第1の構成)とされる。
【0083】
なお、第1の構成の連結構造は、前記レバー部を上下方向の前記他方部材側に付勢する弾性部と、上下方向の前記一方部材側に隆起し、前記台座部の上下方向の前記一方部材側の端面の外縁部と、前記一方部材の上下方向の前記一方部材側の端面における前記孔部の外縁部に沿う領域との少なくともどちらかに沿って延びる複数の隆起部と、隣り合う前記隆起部間に配置される第1溝部と、をさらに備え、前記レバー部の上下方向の前記他方部材側の端部は、前記レバー部の回転により、前記隆起部上に乗り上げ可能であり、前記第1溝部に嵌合される構成(第2の構成)にしてもよい。
【0084】
さらに、第2の構成の連結構造は、前記第1連結部材が前記第2連結部材に装脱着可能である状態において、前記レバー部の上下方向の前記他方部材側の端部は、前記レバー部の回転により、前記隆起部の先端よりも上下方向の前記他方部材側に配置され、又は、隣り合う前記隆起部間に配置され且つ前記第1溝部とは異なる第2溝部に嵌る構成(第3の構成)にしてもよい。
【0085】
また、第1から第3のいずれかの構成の連結構造は、前記レバー部の上下方向の前記他方部材側の端面は、上下方向の前記他方部材側に突出する曲面部を有し、前記曲面部の外縁は、前記レバー部の上下方向を基準とする外側面の前記他方部材側の端部に接続される構成(第4の構成)にしてもよい。
【0086】
また、第1から第4のいずれかの構成の連結構造は、前記一方部材の上下方向の前記一方部材側の端面には、上下方向の前記他方部材側に凹む窪み部が配置され、前記レバー部が前記第1溝部に嵌る際、前記窪み部には、前記レバー部の上下方向の前記他方部材側の端部が収容される構成(第5の構成)にしてもよい。
【0087】
また、第1から第5のいずれかの構成の連結構造は、前記柱部の上下方向の前記一方部材側の端部に接続されて、上下方向と交差する方向に広がる第2止め部をさらに備え、前記レバー部は、前記レバー部の上下方向の前記一方部材側の端面において上下方向の前記他方部材側に凹む凹部と、前記凹部の底面から上下方向の前記他方部材側に延びる貫通孔と、を有し、前記柱部は、前記貫通孔に挿通され、前記第2止め部は、前記凹部に収容される構成(第6の構成)にしてもよい。
【0088】
また、第1から第6のいずれかの構成の連結構造は、前記弾性部は、前記第2止め部と前記凹部の底面との間、及び、前記他方部材と前記第1止め部間との間の少なくともどちらかに配置される構成(第7の構成)にしてもよい。
【0089】
また、第1から第7のいずれかの構成の連結構造は、前記台座部は、上下方向の前記一方部材側に延びる本体部を有し、上下方向から見て、前記本体部の上下方向の前記一方部材側の端部の外縁部は、前記本体部の上下方向の前記他方部材側の端部の外縁部よりも内側にある構成(第8の構成)にしてもよい。
【0090】
また、本明細書に開示されている搬送装置は、第1から第8のいずれかの構成の連結構造と、を備える構成(第9の構成)とされる。
【0091】
また、本明細書に開示されている入浴装置は、第9の構成の搬送装置と、前記搬送装置により搬送される被介助者を入浴させるための浴槽と、を備える構成(第10の構成)とされる。
【符号の説明】
【0092】
100・・・入浴装置、200・・・浴槽、300・・・搬送装置、310・・・ベース脚部、320・・・支柱部、330・・・把持部、340・・・支持アーム、341・・・第1アーム部、342・・・第2アーム部、343・・・第3アーム部、
1・・・担架、2・・・支持フレーム、21・・・貫通孔、22・・・穴、23・・・孔部、24・・・窪み部、31・・・柵部、32・・・ハンドル部、4・・・ベースプレート、41・・・凹部、42・・・孔部、43・・・窪み部、44・・・貫通孔、45・・・穴、5・・・マット部、6・・・連結構造、61・・・台座部、611・・・本体部、612・・・貫通孔、613・・・隆起部、614・・・第1溝部、615・・・凸部、616・・・第2溝部、62・・・レバー部、621・・・取手部、622・・・凹部、623・・・貫通孔、624・・・曲面部、625・・・筒部、63・・・連結部材、631・・・柱部、632・・・鍔部、633・・・雄螺子部、64・・・止め部材、641・・・雌螺子部、65・・・弾性部