(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067069
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】押さえピン打込具
(51)【国際特許分類】
A01G 13/02 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
A01G13/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176871
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000130710
【氏名又は名称】株式会社サンエー
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 一紀
【テーマコード(参考)】
2B024
【Fターム(参考)】
2B024EC05
2B024EC07
(57)【要約】
【課題】使用者が立ち姿勢のまま押さえピンを地面に挿入可能な押さえピン打込具を提供する。
【解決手段】押さえピン打込具1は、押さえピンAの頭部A1を保持するための保持手段2と、保持手段2から上方に向けて延出する支持軸3と、支持軸3に設けられた把持部4と、を備え、保持手段2は、下板6と、下板6と対向配置された上板7と、を備える。下板6には切欠61aが設けられ、切欠61aに押さえピンAの脚部A2が挿入され、押さえピンAの頭部A1が上板7と下板6の間に保持された状態において、使用者が把持部4を把持して押さえピンAを地面に打ち付けることにより押さえピンAの脚部A2が地面に打ち込まれる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押さえピンの頭部を保持するための保持手段と、
前記保持手段から上方に向けて延出する支持軸と、
前記支持軸に設けられた把持部と、を備え、
前記保持手段は、下板と、前記下板と対向配置された上板と、を備え、
前記下板には第1の切欠が設けられ、
前記第1の切欠に前記押さえピンの脚部が挿入され、前記押さえピンの前記頭部が前記上板と前記下板の間に保持された状態において、使用者が前記把持部を把持して前記押さえピンを地面に打ち付けることにより前記押さえピンの前記脚部が地面に打ち込まれる押さえピン打込具。
【請求項2】
前記上板には、前記下板の前記第1の切欠に対応して第2の切欠が設けられ、
前記第1の切欠に前記押さえピンの前記脚部が挿入され、前記上板と前記下板で前記押さえピンの前記頭部を挟持し、前記第2の切欠に前記押さえピンの接続部が挿入された状態において、前記押さえピンを地面に打ち付けることにより前記押さえピンの前記脚部が地面に打ち込まれる請求項1に記載の押さえピン打込具。
【請求項3】
前記上板の上面には、挟持具が設けられ、
前記押さえピンの前記接続部が前記第2の切欠に挿入されると共に前記挟持具に挟持された状態において、前記押さえピンを地面に打ち付けることにより前記押さえピンの前記脚部が地面に打ち込まれる請求項2に記載の押さえピン打込具。
【請求項4】
前記下板には、他の押さえピンの脚部を挿入するための第3の切欠が設けられている請求項2に記載の押さえピン打ち込具。
【請求項5】
前記上板と前記下板の間隔が調整可能に構成されている請求項1~4の何れかに記載の押さえピン打ち込み具。
【請求項6】
前記下板に連結されたアーチ状の連結部と、前記連結部に固定されたスリーブと、を更に備え、
前記連結部は、前記上板を上方から跨ぐように配置され、その両端は前記下板に固定され、
前記支持軸は前記スリーブに挿通され、前記支持軸の下端は前記上板に固定され、
前記支持軸を前記スリーブに対してスライド移動させることにより前記下板と前記上板の間隔が調整される請求項1~4の何れかに記載の押さえピン打込具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押さえピンを地面に打ち込むための押さえピン打込具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、防草シートやマルチシートで地面(畑等)を覆った際に、これらのシートが風で飛ばされないように押さえピンを地面に打ち込んで用いることが多い。しかしながら、押さえピンを地面に打ち込むには、身体をかがめて作業する必要があり、身体への負担が大きいという問題があった。そこで、立ち姿勢のまま押さえピンを地面に打ち込むための器具が提案されている。例えば、特許文献1に開示の操作具は、下端に設けられた磁石片による磁力によって押さえアンカー(押さえピン)を保持するように構成され、使用者が立ち姿勢のまま押さえアンカーを地中に差し込むことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の操作具は、磁力によって押さえアンカーを保持する構成であることから、例えば樹脂製の押さえアンカーには対応できず、また押さえアンカーによっては頂部に磁性金属体を溶着固定させる必要があった。
【0005】
本発明は、立ち姿勢のまま押さえピンを地面に挿入可能な押さえピン打込具の提供を目的とする。
【0006】
本発明は、種々の形状の押さえピンに対応可能な押さえピン打込具の提供を他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る押さえピン打込具は、押さえピンの頭部を保持するための保持手段と、前記保持手段から上方に向けて延出する支持軸と、前記支持軸に設けられた把持部と、を備え、前記保持手段は、下板と、前記下板と対向配置された上板と、を備え、前記下板には第1の切欠が設けられ、前記第1の切欠に前記押さえピンの脚部が挿入され、前記押さえピンの前記頭部が前記上板と前記下板の間に保持された状態において、使用者が前記把持部を把持して前記押さえピンを地面に打ち付けることにより前記押さえピンの前記脚部が地面に打ち込まれる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る押さえピン打込具によれば、押さえピンの頭部を上板と下板の間に保持して地面に打ち込むことができるので、使用者は立ち姿勢のまま押さえピンを地面に打ち込むことができ、作業負担を軽減できる。また、押さえピンは、その脚部が第1の切欠に挿入されて押さえピン打込具にセットされるので、押さえピンが地面に打ち込まれた後は、押さえピン打込具を水平方向にずらすだけで押さえピンから押さえピン打込具を外すことができ、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る押さえピン打込具を押さえピンと共に示す全体斜視図。
【
図2】
図1に示す押さえピン打込具を下方から見た全体斜視図。
【
図3】
図1に示す押さえピン打込具に押さえピンをセットして上板と下板の間隔を縮めた状態を示す要部斜視図。
【
図4】(a)は
図1に示す押さえピン打込具に他の押さえピンをセットする様子を示す斜視図、(b)は押さえピン打込具に当該他の押さえピンをセットした様子を示す斜視図。
【
図5】(a)は
図1に示す押さえピン打込具に更に他の押さえピンをセットする様子を示す斜視図、(b)は押さえピン打込具に当該更に他の押さえピンをセットした様子を示す斜視図。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る押さえピン打込具を押さえピンと共に示す全体斜視図。
【
図7】本発明の第3実施形態に係る押さえピン打込具を押さえピンと共に示す全体斜視図。
【
図8】本発明の第4実施形態に係る押さえピン打込具を押さえピンと共に示す全体斜視図。
【
図9】
図6に示す押さえピン打込具の変形形態を示す全体斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る押さえピン打込具について説明する。
図1に示す様に、本実施形態に係る押さえピン打込具1は、後述する押さえピンの頭部を保持するための保持手段2と、保持手段2から上方に向けて延出する支持軸3と、支持軸3に設けられた把持部4と、連結手段5と、を備え、保持手段2は、下板6と、下板6と対向配置された上板7と、を備える。
【0011】
連結手段5は、下板6に取り付けられたアーチ状の連結具51と、連結具51に固定されたスリーブ52と、を備える。連結具51は、上板7を上方から跨ぐように配置され、その両端は下板6に固定されている。スリーブ52は、連結具51の上中央部側面に固定され、スリーブ52には支持軸3が挿通されている。支持軸3の下端は上板7に固定され、スリーブ52には螺子91が螺入されている。螺子91を緩めて支持軸3を上下方向D1にスライドさせることで、上板7を下板6に対して上下動可能であり、これにより上下方向D1における下板6と上板7の間隔が調整可能になっている。
【0012】
下板6の側縁61(
図1における右側縁)にはU字状の切欠61aが設けられ、下板6の他の側縁62(
図1における左側縁)にはスリット状の一対の切欠62a,62bが設けられている。また、上板7の側縁72(
図1における左側縁)には、切欠62a、62bに対応してスリット状の一対の切欠72a,72bが設けられている。換言すると、切欠62a,62bは、切欠72a、72bと上下方向D1に対向している。また、
図1に示す幅方向D2において、切欠61aの幅寸法は切欠62a,62b, 72a,72bの幅寸法より大きく設定されている。
【0013】
上板7の上面70には切欠72bに沿って挟持具8が取り付けられている。挟持具8としては、例えば縦断面視逆U字状の板状クリップが用いられる。
【0014】
図2に示す様に、支持軸3は、上板7に挿通されたボルト92によって上板7に取り付けられており、下板6の切欠61aは支持軸3の延長線上に位置している。これにより、ボルト92は切欠61aを介して下方に臨み、切欠61aを介してボルト92へ容易にアクセス可能となっている。
【0015】
ここで、支持軸3及びスリーブ52は角形状であるのが好ましい。支持軸3及びスリーブ52を角形状とすることで、これらを円筒状とした場合と異なり、支持軸3がスリーブ52に対して回転するのを防止できる。これにより、上板7と下板6との間隔を調整した際に上板7と下板6の向きにズレが生じるのを防止して、切欠62a,62bと切欠72a,72bの上下方向D1における対向関係を保つことができる。
【0016】
次に、本実施形態に係る押さえピン打込具1(以下、単に「打込具1」とも称する)を用いて
図1,
図4,
図5に示す押さえピンA~Cを地面に打ち込む際の手順について順に説明する。ここではまず、押さえピンA~Cについて説明する。
【0017】
図1に示す押さえピンAは、フランジ状の頭部A1と、頭部A1の下面から下方へ延出する脚部A2から構成されている。押さえピンAは例えば樹脂製であって、脚部A2には複数個の返しA21が設けられている。
【0018】
図4に示す押さえピンBは、1本の金属線を折曲加工して形成されており、水平方向に延びる頭部B1と、頭部B1から上方に向かってアーチ状に延びる接続部B4と、接続部B4から下方に向かって直線状に延びる脚部B2から構成されている。
【0019】
図5に示す押さえピンCは、板状の頭部C1と、頭部C1に挿通された下向きU字型のピン部材C3から構成されており、ピン部材C3は、一対の脚部C2と、上方に向かってアーチ状に湾曲して一対の脚部C2同士を接続する接続部C4と、を有する。
【0020】
何れの押さえピンA~Cにおいても、頭部A1~C1は、地面に敷設されたシート(図示せず)の上方に位置してシートを上方から押さえるものであり、脚部A2~C2は地面に打ち込まれて頭部A1~C1を支持するものである。
【0021】
次に、押さえピンAの打込方法について説明する。初めに、押さえピンAの頭部A1の厚さに応じて上板7と下板6の間隔を調整する。より具体的に、
図1に示す様に上板7と下板6の間隔を広げておき、押さえピンAの脚部A2を切欠61aに横方向(
図1の例では右方向)から挿入し、押さえピンAの頭部A1を上板7と下板6の間に位置づける。次に、
図3に示す様に上板7が頭部A1に軽く当接するまで上板7と下板6の間隔を縮め、螺子91を締めて上板7の位置を固定する。これにより、押さえピンAの頭部A1が下板6と上板7により上下方向から挟まれて保持される。
【0022】
この状態で把持部4を把持して押さえピンAを地面に打ち付けるようにすると、押さえピンAの頭部A1が上板7により下方に押圧され、押さえピンAの脚部A2が地面に打ち込まれる。その後、打込具1を(
図3(a)の矢印D3方向)にずらすと(このとき、支持軸3を足で蹴ると良い)、押さえピンAが地面に打ち込まれた状態のまま、打込具1は押さえピンAから外れる。
【0023】
2個目以降の押さえピンAについては、上板7と下板6の間隔調整は既に済んでいるため、押さえピンAの脚部A2を切欠61aに横方向から挿入し、押さえピンAの頭部A1を上板7と下板6の間に位置づける。把持部4を把持して押さえピンAを地面に打ち付けるようにすると、押さえピンAの脚部A2が地面に打ち込まれる。以降、上述の手順を繰り返せば良い。
【0024】
次に、押さえピンBの打込方法について説明する。
図4を参照して、押さえピンBの頭部B1の厚さに応じて上板7と下板6の間隔を調整する。即ち、
図4(a)に示す様に上板7と下板6の間隔を広げておき、脚部B2と接続部B4を下板6の切欠62aと上板7の切欠72aにそれぞれ横方向(
図4の左方向)から挿入し、頭部B1を上板7と下板6の間に位置づける。
図4(b)に示す様に上板7が頭部B1に軽く当接するまで上板7と下板6の間隔を縮め、螺子91を締めて上板7の位置を固定する。
【0025】
次に、把持部4を把持して押さえピンBを地面に打ち付けるようにすると、押さえピンBの脚部B2が地面に打ち込まれる。その後、支持軸3を足で蹴る等して打込具1を横方向(
図4(b)の矢印D4方向)にずらすと、押さえピンBが地面に打ち込まれた状態のまま打込具1は押さえピンBから外れる。
【0026】
2個目以降の押さえピンBについては、上板7と下板6の間隔調整は既に済んでいるため、押さえピンBを上述のように打込具1にセットして、上述したのと同様に押さえピンBを地面に打ち込めば良い。
【0027】
このように、接続部B4をスリット72aに挿入することで、頭部B1を下板6と上板7の間に保持する際に接続部B4が邪魔にならず、押さえピンBを良好に地面に打ち込むことができる。
【0028】
次に、押さえピンCの打込方法について
図5を参照して説明する。まず、押さえピンCの頭部C1の厚さに応じて上板7と下板6の間隔を調整する。即ち、
図5(a)に示す様に上板7と下板6の間隔を広げておき、一対の脚部C2と接続部C4を下板6の切欠62bと上板7の切欠72bにそれぞれ横方向(ここでは左方向)から挿入して頭部C1を上板7と下板6の間に位置づけると共に、接続部C4を挟持具8で挟持する。
図5(b)に示す様に上板7が頭部C1に軽く当接するまで上板7と下板6の間隔を縮め、螺子91を締めて上板7の位置を固定する。
【0029】
次に、把持部4を把持して押さえピンCを地面に打ち付けるようにすると、押さえピンCの脚部C2が地面に打ち込まれる。その後、支持軸3を足で蹴る等して打込具1を横(
図5(b)の矢印D3方向)にずらすと、押さえピンCが地面に打ち込まれた状態のまま打込具1は押さえピンCから外れる。
【0030】
2個目以降の押さえピンCについては、上板7と下板6の間隔調整は既に済んでいるため、押さえピンCを上述のようにして打込具1にセットして、上述したのと同様に押さえピンCを地面に打ち込めば良い。
【0031】
押さえピンCにおいては、ピン部材C3が頭部C1に固定されていないことから、頭部C1を上板7と下板6の間で保持した際にピン部材C3が不安定になりやすいが、押さえピンCの接続部C4を挟持具8で挟持することで、ピン部材C3が安定し、打込具1を用いた押さえピンCの打ち込み作業を良好に行うことができる。
【0032】
このように、本実施形態に係る押さえピン打込具1によれば、押さえピンA(B,C)を押さえピン打込具1にセットし、把持部4を把持して地面に突き刺す動作を行うことで、押さえピンA(B,C)を地面に打ち込めるので、使用者は立ち姿勢のままで打込作業を行うことができる。また、押さえピンA(B,C)が地面に打ち込まれた後は、押さえピン打込具1を水平方向へずらすだけで押さえピンA(B,C)から押さえピン打込具1を外すことができ、使い勝手が良い。
【0033】
更に、押さえピン打込具1によれば、押さえピンA(B,C)を所要の通りに押さえピン打込具1にセットして押さえピンA(B,C)を地面に打ち付ける様にすると、押さえピンA(B,C)の頭部A1(B1,C1)が上板7により下方に押圧され、これにより押さえピンの脚部A2(B2,C2)が地面に打ち込まれるので、様々な形状の頭部を有する押さえピンに対応できる。
【0034】
また、上板7には下板6に設けられた切欠62a,62bに対応して切欠72a,72bが設けられているので、頭部B1(C1)よりも上方に延出する接続部B4(C4)を有する押さえピンB(C)にも対応できる。更に、下板6には幅寸法の異なる複数個の切欠61a,62a,62bが設けられているので、脚部の太さが異なる押さえピンにも対応できる。
【0035】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る押さえピン打込具について
図6を参照して説明する。なお、以下の説明において、押さえピン打込具1と実質同一の部材には同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0036】
上述した第1実施形態に係る押さえピン打込具1は、打ち込まれる押さえピンA~Cの頭部A1~ACの厚みに応じて下板6と上板7の間隔を調整可能に構成されているが、本実施形態に係る押さえピン打込具101においては下板106と上板107の間隔が固定されている点において押さえピン打込具1と異なる。
【0037】
より具体的に、押さえピン打込具1では、下板6と上板7は連結手段5と支持軸3を介して相互に連結されているが、
図6に示す押さえピン打込具101では、下板106と上板107は一枚の板部材を曲げ加工して一体に形成されており、中間部21を介して相互に固定され、下板106と上板107と中間部21により保持手段が構成されている。また、下板106の側縁61にはU字状の切欠61aが設けられている。
【0038】
この押さえピン打込具101は、特に押さえピンAを地面に打ち込むのに好適に用いられる。押さえピン打込具101を用いて押さえピンAを地面に打ち込むには、上述したのと同様に、押さえピンAの脚部A2を切欠61aに挿入し、押さえピンAの頭部A1を下板106と上板107の間に位置づける。この状態で把持部4を把持して押さえピンAを地面に打ち付けるようにすると、押さえピンAの頭部A1が上板107により下方に押圧され、押さえピンAの脚部A2が地面に打ち込まれる。その後、押さえピン打込具101を水平方向にずらすと、押さえピンAが地面に打ち込まれた状態のまま、押さえピン打込具101は押さえピンAから外れる。
【0039】
このように、本実施形態にかかる押さえピン打込具101においても、押さえピン打込具1を用いるのと同様に立ち姿勢のまま押さえピンを地面に打ち込むことができる。また、上板107と下板106の間隔が固定されていることから、押さえピン打込具1と異なり、上板107と下板106の間隔を調整する必要がなく、また構成を簡素にできることから製造コストを抑えることができる。なお、下板106と上板107の間隔は、使用が想定される押さえピンの頭部の厚さに応じて適宜設定しておけば良い。
【0040】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る押さえピン打込具について
図7を参照して説明する。
図7に示す押さえピン打込具201は、
図6に示す押さえピン打込具101と略同一であるが、
図7に示す押さえピン打込具201は特に押さえピンBを地面に打ち込むのに好適に用いられるものであって、下板206の側縁61にはスリット状の切欠62aが設けられ、上板207の側縁71には切欠62aに対応してスリット状の切欠72aが設けられている。
【0041】
押さえピン打込具201を用いて押さえピンBを地面に打ち込むには、上述したのと同様に、押さえピンBの脚部B2及び接続部B4を切欠62a及び切欠72aにそれぞれ挿入し、押さえピンBの頭部B1を下板206と上板207の間に位置づける。この状態で把持部4を把持して押さえピンBを地面に打ち付けるようにすれば良い。
【0042】
このように、本実施形態にかかる押さえピン打込具201においても、押さえピン打込具101と同様の作用効果が発揮される。
【0043】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る押さえピン打込具について
図8を参照して説明する。
図8に示す押さえピン打込具301は、
図7に示す押さえピン打込具201と略同一であるが、
図8に示す押さえピン打込具301は特に押さえピンCを地面に打ち込むのに好適に用いられるものであって、下板206の側縁61にはスリット状の切欠62bが設けられ、上板207の側縁71には切欠62bに対応してスリット状の切欠72bが設けられ、更に上板207の上面には切欠72bに沿って挟持具8が設けられている。
【0044】
押さえピン打込具301を用いて押さえピンCを地面に打ち込むには、上述したのと同様に、押さえピンCの脚部C2及び接続部C4を切欠62b,72bにそれぞれ挿入し、押さえピンCの頭部C1を下板206と上板207の間に位置づけると共に、接続部C4を挟持具8で挟持する。そして、この状態で把持部4を把持して押さえピンCを地面に打ち付けるようにすれば良い。
【0045】
このように、本実施形態にかかる押さえピン打込具301においても、押さえピン打込具101,201と同様の作用効果が発揮される。
【0046】
以上、本発明の実施形態に係る押さえピン打込具について添付の図面を参照して説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形、修正が可能である。
【0047】
例えば、上記第1実施形態においては、3種類の押さえピンA~Cに対応させて5個の切欠61a,62a,62b,72a,72bを設けたが、3種類全ての押さえピンA~Cに対応させる必要はなく、何れか1種類又は2種類の押さえピンに対応させて、何れか1個又は複数個の切欠を省略しても構わない。即ち、押さえピンA,Bのみ、B,Cのみ、或いはA,Cのみに対応させて切欠62b,72b,切欠61a,或いは切欠62a,72aを省略しても構わない。或いは、押さえピンA、B、或いはCのみに対応させて切欠61aのみ、切欠62a,72aのみ、或いは切欠62b,72bのみを設けても良い。なお、切欠62b、72bを省略するときは、挟持具8も省略すると良い。
【0048】
上記第1実施形態においては、押さえピンAについては切欠61aを用いて押さえピン打込具1にセットしたが、押さえピンAの脚部A2の径が比較的小さい場合には、切欠61aに代えて切欠62a又は切欠62bを用いて押さえピン打込具1にセットしても良い。
【0049】
また、上記実施形態においては、切欠61aの幅寸法を、切欠62a,62b,72a,72bの幅寸法よりも大きく設定しているが、各切欠61a,62a,62b,72a,72bの幅寸法は任意であり、利用したい押さえピンの寸法等に応じて適宜設定すればよい。
【0050】
更に、上記実施形態2~4においては、特に押さえピンA~Cの何れかを対象としているが、押さえピンA~Cのうち何れか2個又は全てに対応するように構成することもできる。例えば、押さえピンA及びBに対応できるようにする場合には、
図9に示すように、下板206及び上板207に切欠61a,62a,72aを設ければ良い。或いは、押さえピンB及びCに対応できるようにするのであれば、下板206及び上板207に62a,72a,62b,72bを設けると共に挟持具8を設ければ良い。
【0051】
また、押さえピンA~Cは例示にすぎず、上記実施形態に係る押さえピン打込具は押さえピンA~Cとは異なる押さえピンにも対応できる。
【符号の説明】
【0052】
1,101,201,301 押さえピン打込具
2 保持手段
3 支持軸
4 把持部
5 連結手段
6 下板
7 上板
51 連結具
52 スリーブ
61a,62a,62b,72a,72b 切欠
A,B,C 押さえピン
A1,B1,C1 頭部
A2,B2,C2 脚部