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特開2024-67072直上噴射型内燃機関のシリンダヘッド構造
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  • 特開-直上噴射型内燃機関のシリンダヘッド構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067072
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】直上噴射型内燃機関のシリンダヘッド構造
(51)【国際特許分類】
   F02F 1/24 20060101AFI20240510BHJP
   F02M 61/14 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
F02F1/24 J
F02M61/14 310S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176877
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】吉田 龍太
(72)【発明者】
【氏名】小峠 敦朗
【テーマコード(参考)】
3G024
3G066
【Fターム(参考)】
3G024AA04
3G024DA01
3G024DA03
3G024DA10
3G024EA01
3G024FA13
3G024GA01
3G066AA02
3G066AC09
3G066BA67
(57)【要約】
【課題】シリンダヘッド1やカムキャリア2の幅方向寸法を拡大することなく点火プラグ52と燃料系部品(燃料噴射弁51およびコモンレールボス56)をレイアウトする。
【解決手段】シリンダヘッド1の上面にラダー状のカムキャリア2が固定され、カムキャリア2によってカムシャフト5,6が支持される。カムシャフト5,6の間のカムキャリア2の底壁部25に、噴射弁用開口部23とプラグホール24とが形成される。噴射弁用開口部23には、燃料噴射弁51とコモンレールボス56とが内燃機関の前後方向に隣接して配置される。燃料噴射弁51およびコモンレールボス56は、噴射弁用開口部23を通してシリンダヘッド1に固定される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダヘッドと、
吸気弁用および排気弁用の2本のカムシャフトと、
シリンダヘッドの上部に固定されて上記の2本のカムシャフトを支持するラダー状に構成されたカムキャリアと、
各気筒の中心部にそれぞれ配置される点火プラグと、
この点火プラグに隣接してそれぞれ配置されるとともに、コモンレールに支持された燃料噴射弁と、
を備えた直上噴射型内燃機関のシリンダヘッド構造であって、
上記カムキャリアは、2本のカムシャフトの間の底壁部に、上記点火プラグが挿通される点火プラグ用開口部と、上記コモンレールが備えるコモンレールボスおよび上記燃料噴射弁が挿通される燃料系開口部と、を備え、
上記点火プラグ用開口部と上記燃料系開口部とは、内燃機関の幅方向に互いに隣接して配置されており、
上記コモンレールボスと上記燃料噴射弁とは内燃機関の前後方向に互いに隣接して配置されている、
直上噴射型内燃機関のシリンダヘッド構造。
【請求項2】
上記点火プラグに接続された点火コイルユニットが上記点火プラグ用開口部に支持されており、
上記コモンレールボスおよび上記燃料噴射弁は、上記燃料系開口部の開口縁に接触せずにシリンダヘッドに支持されている、
請求項1に記載の直上噴射型内燃機関のシリンダヘッド構造。
【請求項3】
上記燃料噴射弁のコネクタは、当該燃料噴射弁の中心を挟んで上記コモンレールボスとは反対側に設けられている、
請求項2に記載の直上噴射型内燃機関のシリンダヘッド構造。
【請求項4】
上記カムキャリアのシリンダヘッドとの接合面において、上記点火プラグ用開口部から上記燃料系開口部へ向かって延びた肉抜き部が形成されている、
請求項3に記載の直上噴射型内燃機関のシリンダヘッド構造。
【請求項5】
上記肉抜き部に対向するようにシリンダヘッド側肉抜き部がシリンダヘッドの点火プラグ孔に連続して形成されており、
上記肉抜き部および上記シリンダヘッド側肉抜き部の周縁部がシール部材を介して互いに接合されている、
請求項4に記載の直上噴射型内燃機関のシリンダヘッド構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ラダー状のカムキャリアをシリンダヘッドと組み合わせた内燃機関のシリンダヘッド構造に関し、特に、燃料噴射弁を気筒中心部に備えた直上噴射型内燃機関のシリンダヘッド構造に関する。
【背景技術】
【0002】
シリンダヘッドの上面にラダー状に構成されたカムキャリアを固定し、このカムキャリアによって吸気カムシャフトと排気カムシャフトとを回転自在に支持するようにした構成のシリンダヘッド構造が提案されている。この種の構成では、カムキャリアがいわゆる動弁室を覆うカバーとしても機能し、一般的なシリンダヘッドカバーは具備しない。
【0003】
特許文献1には、シリンダヘッドの上面をカバー状に覆うとともに2本のカムシャフトを回転自在に支持するラダー状のカムキャリアが開示されている。このカムキャリアは、燃焼室中央部上方となる位置に、それぞれ点火プラグを挿入するための開口部を備えた構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-371808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
気筒中心部に燃料噴射弁を備えた直上噴射型の内燃機関の場合には、各気筒に点火プラグに加えて燃料噴射弁を配置する必要があり、この燃料噴射弁がカムキャリアを貫通して配置されるので、シリンダヘッドおよびカムキャリアの幅方向寸法が拡大しがちである。また、一般に燃料噴射弁はコモンレールに支持された構成であるので、このコモンレールをシリンダヘッドに取り付けるための構造も必要である。
【0006】
特許文献1は、このような直上噴射型内燃機関における点火プラグと燃料噴射弁の双方の適切な配置を開示するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、
シリンダヘッドと、
吸気弁用および排気弁用の2本のカムシャフトと、
シリンダヘッドの上部に固定されて上記の2本のカムシャフトを支持するラダー状に構成されたカムキャリアと、
各気筒の中心部にそれぞれ配置される点火プラグと、
この点火プラグに隣接してそれぞれ配置されるとともに、コモンレールに支持された燃料噴射弁と、
を備えた直上噴射型内燃機関のシリンダヘッド構造であって、
上記カムキャリアは、2本のカムシャフトの間の底壁部に、上記点火プラグが挿通される点火プラグ用開口部と、上記コモンレールが備えるコモンレールボスおよび上記燃料噴射弁が挿通される燃料系開口部と、を備え、
上記点火プラグ用開口部と上記燃料系開口部とは、内燃機関の幅方向に互いに隣接して配置されており、
上記コモンレールボスと上記燃料噴射弁とは内燃機関の前後方向に互いに隣接して配置されている。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、点火プラグ用開口部と燃料系開口部とが内燃機関の幅方向に互いに隣接し、かつ燃料系開口部の中でコモンレールボスと燃料噴射弁とが内燃機関の前後方向に互いに隣接するので、全体としてコンパクトなレイアウトとなり、カムキャリアならびにシリンダヘッドの小型化とりわけ幅方向寸法の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】カムキャリアを備えたシリンダヘッドの正面図。
図2】カムキャリアの平面図。
図3】カムキャリアの下面を示す図。
図4図3に対応したシリンダヘッドの上面を示す図。
図5】カムキャリアとシリンダヘッドとを組み合わせた状態を上方から見た要部の説明図。
図6】カムキャリアおよびシリンダヘッドの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明に係る直上噴射型内燃機関のシリンダヘッド1をカムキャリア2とともに示した正面図である。シリンダヘッド1は、金属材料例えばアルミニウム合金を用いて一体に鋳造されたものであり、シリンダブロック3の上面に取り付けられている。実施例の内燃機関は、直列3気筒の火花点火式内燃機関いわゆるガソリン機関であって、車両の前部にいわゆる横置き姿勢で搭載される。車両搭載状態では、シリンダ中心軸線は、概ね垂直となっており、従って、図1は概ね車両搭載状態での姿勢に対応している。
【0011】
また、実施例の内燃機関は、後述するように燃焼室中央部に点火プラグと燃料噴射弁とを備えたペントルーフ型燃焼室を有しており、各気筒に対し、一対の吸気弁と一対の排気弁とを備えている。
【0012】
シリンダヘッド1は、吸気弁用の吸気カムシャフト5と、排気弁用の排気カムシャフト6と、を備えている。カムキャリア2は、シリンダヘッド1の上面開口を覆うカバー状に構成されており、シリンダヘッド1の上面に液体ガスケット等の適当なシール部材を介して接合され、かつ固定されている。カムキャリア2は、下面へ向かう略半円形をなす吸気側カムシャフト軸受部11および排気側カムシャフト軸受部12を有し、これらのカムシャフト軸受部11,12に対向して取り付けられるカムブラケット13,14との間で、吸気カムシャフト5および排気カムシャフト6をそれぞれ回転可能に支持している。
【0013】
図1に示すように、シリンダ中心軸線に沿った高さ位置として、排気カムシャフト6に比較して吸気カムシャフト5の方が相対的に低い位置に配置されている。これに対応して、各々のカムシャフト5,6の上方を覆うカムキャリア2の上縁部分の高さ位置も、吸気カムシャフト5側の方が排気カムシャフト6側よりも低くなるように構成されている。一実施例の内燃機関は、吸気カムシャフト5側が車両前方となり排気カムシャフト6側が車両後方となるような向きで車両前部のエンジンルーム内に搭載される。従って、前端部が低い位置となるように傾斜した車両のエンジンフード(仮想線Lで示す)との間のクリアランスが、吸気カムシャフト5側と排気カムシャフト6側との双方で適切なものとなる。
【0014】
図2に示すように、一実施例のカムキャリア2は、気筒列方向に細長く延びた2つのカムシャフト収容部21,22が気筒間位置で互いに接続されてなるラダー状の構成を有している。気筒列方向で気筒位置に相当する3箇所においては、2つのカムシャフト収容部21,22の間の底壁部25に、それぞれ比較的大きな噴射弁用開口部23を備えている。また、噴射弁用開口部23よりも排気カムシャフト6側(カムシャフト収容部22側)に、点火プラグを挿入するためのプラグホール24がそれぞれ円筒状に形成されている。カムキャリア2は、金属材料例えばアルミニウム合金を用いて一体に鋳造されている。
【0015】
上記噴射弁用開口部23は、請求項における「噴射系開口部」に相当し、上記プラグホール24は、請求項における「点火プラグ用開口部」に相当する。同じ気筒に対応する噴射弁用開口部23とプラグホール24は、内燃機関の幅方向に互いに隣接して配置されている。
【0016】
図3は、カムキャリア2の内側面つまり下面側の構成を示している。図3に示すように、噴射弁用開口部23はいわゆるハート形をなしており、ハート形の中の鋭端となる部分が吸気弁側に、凹んだ形の部分が排気弁側に、それぞれ向いている。このハート形の噴射弁用開口部23の周囲は、シリンダヘッド1側と液体ガスケット等のシール部材を介して接合されるシール面31によって囲まれている。また、プラグホール24は、中心軸線が僅かに傾斜した真円形に開口しており、噴射弁用開口部23のハート形における凹んだ形の部分に隣接して配置されている。プラグホール24の周囲は、噴射弁用開口部23を囲むシール面31に連続したシール面31Aによって囲まれている。ここで、プラグホール24と噴射弁用開口部23との間には、プラグホール24から噴射弁用開口部23へ向かって延びた肉抜き部33が形成されており、この肉抜き部33とプラグホール24との周縁部をシール面31Aが囲っている。
【0017】
図4は、図3のように構成されたカムキャリア2の下面に対向するシリンダヘッド1の上面の構成を示している。シリンダヘッド1の上面側には、噴射弁用開口部23に対応したハート形をなす噴射弁用凹部35が形成されており、この噴射弁用凹部35の周囲は、液体ガスケット等のシール部材を介してカムキャリア2側のシール面31に接合されるシール面36によって囲まれている。噴射弁用凹部35の略中央部には、噴射弁挿入孔37が僅かに傾斜した状態で形成されている。また、噴射弁用凹部35の内部において、ハート形の右肩部分に相当する位置に、ネジ孔38を備えた取付座部39が形成されている。この取付座部39の座面つまり上面は、噴射弁用凹部35を囲むシール面36から僅かに下がった高さ位置に設けられている。この取付座部39と噴射弁挿入孔37とは、内燃機関の前後方向(気筒列方向)に隣接している。
【0018】
また、カムキャリア2側のプラグホール24に連続するように、シリンダヘッド側プラグホール40(請求項における「点火プラグ孔」に相当)が形成されている。このシリンダヘッド側プラグホール40の周囲は、噴射弁用凹部35を囲むシール面36に連続したシール面36Aによって囲まれている。シリンダヘッド側プラグホール40と噴射弁用凹部35との間には、カムキャリア2側の肉抜き部33に対向するシリンダヘッド側肉抜き部41が形成されており、シール面36Aは、シリンダヘッド側プラグホール40とシリンダヘッド側肉抜き部41との周縁部を囲っている。
【0019】
カムキャリア2側のシール面31,31Aとシリンダヘッド1側のシール面36,36Aは、互いに対応した形状をなし、両者間に液体ガスケット等のシール部材を挟んだ状態で互いに接合される。また、プラグホール24,40の中心軸線と噴射弁挿入孔37の中心軸線とは、両者でV字形をなすように、シリンダ中心軸線に対しそれぞれ傾いている。
【0020】
図5は、カムキャリア2を備えたシリンダヘッド1に燃料噴射弁51を装着した状態を示している。図6は、燃料噴射弁51および点火プラグ52を通る断面に沿ってカムキャリア2およびシリンダヘッド1を切断した断面図である。
【0021】
図6に示すように、点火プラグ52は、点火コイルユニット53を一体に備えており、点火コイルユニット53の円筒部53aがカムキャリア2のプラグホール24に嵌合して支持されている。点火コイルユニット53の頂部にある矩形のコイル部53bは、カムキャリア2の上面に露出しており、図示しないネジによってカムキャリア2に固定されている。点火プラグ52の先端は、シリンダヘッド側プラグホール40を通して燃焼室54に達している。このように点火コイルユニット53の円筒部53aがカムキャリア2のプラグホール24に比較的密に嵌合することで、点火コイルユニット53の上部が支持されることとなり、点火コイルユニット53の揺動が抑制される。
【0022】
燃料噴射弁51は、いわゆるコモンレール形の構成となっており、図5図6に示すように、高圧燃料配管つまりコモンレール55に3個の燃料噴射弁51が取り付けられている。コモンレール55は、直線的な円管状をなし、各燃料噴射弁51の上端部がコモンレール55に支持されている。燃料噴射弁51は、カムキャリア2の噴射弁用開口部23に挿通され、さらにシリンダヘッド1の噴射弁挿入孔37を通して、先端が燃焼室54に達している。
【0023】
内燃機関の前後方向に延びるコモンレール55は、燃料噴射弁51に隣接した3箇所に、コモンレール55を内燃機関に取り付けるためのコモンレールボス56を備えている。各々のコモンレールボス56は、円筒形をなし、中心部を通るボルト57によってそれぞれシリンダヘッド1の取付座部39に固定されている。ボルト57は、取付座部39のネジ孔38に螺合している。コモンレールボス56は、カムキャリア2の噴射弁用開口部23に挿通されている。特に、噴射弁用開口部23を貫通する燃料噴射弁51およびコモンレールボス56は、カムキャリア2の噴射弁用開口部23の開口縁に接触せずに、シリンダヘッド1に支持された形となっている。このように、コモンレール55および燃料噴射弁51がシリンダヘッド1に直接に支持されていることで、燃料系部品(コモンレール55および燃料噴射弁51)をシリンダヘッド1に堅固に固定することができる。
【0024】
また、図5に示すように、燃料噴射弁51は、ハーネスを接続するためのコネクタ60を備えているが、このコネクタ60は、図5のような平面視において、燃料噴射弁51の中心を挟んでコモンレールボス56とは反対側に設けられている。図5に示すように、コネクタ60は、カムキャリア2の噴射弁用開口部23およびシリンダヘッド1側の噴射弁用凹部35に対し、そのハート形の左肩部分に相当する位置に配置されており、カムキャリア2の噴射弁用開口部23を通ってシリンダヘッド1側の噴射弁用凹部35の中に位置している。このようにコネクタ60をコモンレールボス56とは反対側の位置とすることで、コモンレールボス56とコネクタ60(およびこれに接続されるハーネス)とが干渉することがなく、コモンレール55やカムキャリア2に邪魔されることなく狭い空間内にコネクタ60を配置することが可能となる。
【0025】
このように、上記実施例の構成によれば、ラダー状のカムキャリア2をシリンダヘッド1上面に配置したことで限られたものとなる気筒上方のスペースに、点火プラグ52と燃料系部品(コモンレールボス56および燃料噴射弁51)とを効率良くレイアウトすることができる。特に、燃料噴射弁51とコモンレールボス56とを内燃機関の前後方向に隣接配置して共通の噴射弁用開口部23内に配置したことで、これらと点火プラグ52とを内燃機関の幅方向に隣接して配置したときに、内燃機関の幅方向寸法が大きくならずに済み、カムキャリア2やシリンダヘッド1の幅方向寸法の小型化が図れる。
【0026】
また、カムキャリア2とシリンダヘッド1との間が液体ガスケット等のシール部材を介してシールされており、これにより2つのカムシャフト収容部21,22が外部から閉じられた空間として構成されているが、2つのカムシャフト収容部21,22の間に設けられた噴射弁用開口部23およびプラグホール24が個々にシールされ、かつこれら開口部を通して点火プラグ52および燃料系部品が配置されているので、点火プラグ52や燃料系部品に特別なシール構造が不要である。
【0027】
互いに対応するようにカムキャリア2側およびシリンダヘッド1側に設けられた肉抜き部33,41は、カムキャリア2およびシリンダヘッド1の軽量化に寄与する。そして、これらの肉抜き部33,41を設けたことで、周囲のシール面31A,36Aが楕円状に拡大するので、シール面積を大きく確保することができ、シール面圧がより均一となってシール性が向上する。
【0028】
以上、この発明の一実施例を説明したが、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、本発明は上記実施例のような3気筒機関に限らず、適当な気筒数の内燃機関に適用が可能である。
【符号の説明】
【0029】
1…シリンダヘッド
2…カムキャリア
5,6…カムシャフト
21,22…カムシャフト収容部
23…噴射弁用開口部
24…プラグホール
25…底壁部
31,31A,36,36A…シール面
33…肉抜き部
35…噴射弁用凹部
37…噴射弁挿入孔
39…取付座部
40…シリンダヘッド側プラグホール
41…シリンダヘッド側肉抜き部
51…燃料噴射弁
52…点火プラグ
55…コモンレール
56…コモンレールボス
60…コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6