(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067156
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】駐車装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/18 20060101AFI20240510BHJP
E04H 6/42 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
E04H6/18 601G
E04H6/18 601F
E04H6/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177001
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】592217141
【氏名又は名称】サノヤス・エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】森本 憲司
(72)【発明者】
【氏名】吉田 俊雄
(57)【要約】
【課題】安全性の高い駐車装置の提供。
【解決手段】車両を載せるパレット20及び前記パレット20への進入を抑制する進入抑止部21を有する駐車装置本体2と、前記駐車装置本体2内での作業を行う旨を入力可能な作業用操作部4と、前記駐車装置本体2の駆動を制御する駆動制御部5と、を備え、前記駆動制御部5は、前記駐車装置本体2の駆動を規制可能な規制部511を有し、前記規制部は、前記作業用操作部4に前記駐車装置本体2内での作業を行う旨が入力されると、前記駐車装置本体2の駆動を規制するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を載せるパレット及び前記パレットへの進入を抑制する進入抑止部を有する駐車装置本体と、
前記駐車装置本体内での作業を行う旨を入力可能な作業用操作部と、
前記駐車装置本体の駆動を制御する駆動制御部と、を備え、
前記駆動制御部は、前記駐車装置本体の駆動を規制可能な規制部を有し、
前記規制部は、前記作業用操作部に前記駐車装置本体内での作業を行う旨が入力されると前記駐車装置本体の駆動を規制するように構成される、
駐車装置。
【請求項2】
車両を載せるパレット及び前記パレットへの進入を抑制する進入抑止部を有する駐車装置本体と、
前記駐車装置本体内での作業を開始する旨と前記駐車装置本体内での作業を終了する旨とを入力可能な作業用操作部と、
前記駐車装置本体の駆動を制御する駆動制御部と、を備え、
前記駆動制御部は、前記駐車装置本体の駆動を規制可能な規制部を有し、
前記規制部は、前記作業用操作部に前記駐車装置本体内での作業を開始する旨が入力された後、前記駐車装置本体内での作業を終了する旨が未入力である状態で前記駐車装置本体の駆動を規制し、前記作業用操作部に前記駐車装置本体内での作業を開始する旨が入力された後、前記駐車装置本体内での作業を終了する旨も入力された状態で前記駐車装置本体の駆動に対する規制を解除するように構成される、
駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車に用いられる駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記駐車装置として、例えば特許文献1に開示されている機械式立体駐車装置が知られている。
【0003】
機械式立体駐車装置は、車両を載置する可動式のパレットと、充電コードを介して車両に電気的に接続されるバッテリー充電スタンドと、使用者によって、前記パレットを定位置から別の位置に移動させる立駐機動作を実行するための呼出操作が行われる操作盤と、を備えている。
【0004】
また、前記機械式立体駐車装置では、バッテリー充電スタンドのスタンド扉が開いている間は立駐機動作が不能になるように構成されているため、バッテリー充電スタンドのスタンド扉が開いたままパレットが動作することが防止されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の機械式立体駐車装置では、パレット内に使用者が進入している場合であっても、バッテリー充電スタンドのスタンド扉が閉じていれば立駐機動作が実行されてしまうため、使用者の安全性は十分に確保されていなかった。
【0007】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、安全性の高い駐車装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の駐車装置は、
車両を載せるパレット及び前記パレットへの進入を抑制する進入抑止部を有する駐車装置本体と、
前記駐車装置本体内での作業を行う旨を入力可能な作業用操作部と、
前記駐車装置本体の駆動を制御する駆動制御部と、を備え、
前記駆動制御部は、前記駐車装置本体の駆動を規制可能な規制部を有し、
前記規制部は、前記作業用操作部に前記駐車装置本体内での作業を行う旨が入力されると前記駐車装置本体の駆動を規制するように構成される。
【0009】
上記構成の駐車装置によれば、駐車装置本体内で作業を行う者によって駐車装置本体内での作業を行う旨が作業用操作部に入力されると規制部によって駐車装置本体の駆動が規制されるため、駐車装置本体内で作業を行う者が駐車装置本体内に進入している状態で駐車装置本体が駆動してしまうことを防止でき、これにより、安全性が高まるようになっている。
【0010】
本発明の駐車装置において、
車両を載せるパレット及び前記パレットへの進入を抑制する進入抑止部を有する駐車装置本体と、
前記駐車装置本体内での作業を開始する旨と前記駐車装置本体内での作業を終了する旨とを入力可能な作業用操作部と、
前記駐車装置本体の駆動を制御する駆動制御部と、を備え、
前記駆動制御部は、前記駐車装置本体の駆動を規制可能な規制部を有し、
前記規制部は、前記作業用操作部に前記駐車装置本体内での作業を開始する旨が入力された後、前記駐車装置本体内での作業を終了する旨が未入力である状態で前記駐車装置本体の駆動を規制し、前記作業用操作部に前記駐車装置本体内での作業を開始する旨が入力された後、前記駐車装置本体内での作業を終了する旨も入力された状態で前記駐車装置本体の駆動に対する規制を解除するように構成される。
【0011】
上記構成の駐車装置によれば、駐車装置本体内で作業を行う者によって駐車装置本体内での作業を開始する旨が作業用操作部に入力されると、作業用操作部に駐車装置本体内での作業を終了する旨が入力されるまでの間は駐車装置本体の駆動が規制部によって規制されるため、駐車装置本体内で作業を行う者が駐車装置本体内に進入している状態で駐車装置本体が駆動してしまうことを防止でき、これにより、安全性が高まるようになっている。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明の駐車装置は、安全性が高いという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車装置の機能ブロック図である。
【
図2】
図2において、(a)は同実施形態に係る駐車装置の概要図であり、(b)は領域IIの拡大図である。
【
図3】
図3において、(a)はパレットを上方から見た図であり、(b)はパレットを側方から見た図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る駐車装置の作業用操作部の画面遷移図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係る駐車装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、同実施形態に係る駐車装置の充電制御部の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の他の実施形態に係る駐車装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態にかかる駐車装置について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0015】
駐車装置1は、
図1に示すように、車両を載せるパレット20及びパレット20への進入を抑制する進入抑止部21を有する駐車装置本体2とパレット20を呼び出す情報を入力可能な呼出用操作部3と、駐車装置本体2内での作業を行う旨を入力可能な作業用操作部4と、駐車装置本体2の駆動(動作)を制御する駆動制御部5と、情報を記憶する記憶手段6と、を備えている。
【0016】
駐車装置本体2は、上述のパレット20と、進入抑止部21と、駐車装置本体2内に設置されている作業設備22と、パレット20を移動させるための移動機構(図示しない)と、を有する。
【0017】
駐車装置本体2が有するパレット20の数は特に問わないが、本実施形態の駐車装置1の説明では、駐車装置本体2が複数のパレット20を有する場合を一例に挙げて説明を行う(
図2(a)参照)。
【0018】
進入抑止部21は、いわゆるゲートである。
【0019】
進入抑止部21は、駐車装置本体2の内部と、駐車装置本体2の外部との境目に設置されている。駐車装置本体2の内部とは、進入抑止部21よりも内側のエリアのことであり、パレット20上の駐車スペースや、パレット20の周囲の通路スペースが含まれる。駐車装置本体2の外部とは、例えば、呼び出したパレット20の到着を待つ人が待機するスペースのことである。
【0020】
また、進入抑止部21は、駐車装置本体2内への出入りを禁止した状態(閉状態)と、駐車装置本体2内への出入りを許容した状態(開状態)とに切替可能である。
【0021】
本実施形態の作業設備22とは、パレット20に載っている車両の充電を行うための充電設備22(具体的には充電スタンド)である。
【0022】
充電設備22は、駐車装置本体2内のパレット20の周囲に設置されている。本実施形態の充電設備22は、通路スペースの奥側に設置されている(
図3(a)、
図3(b)参照)。
【0023】
充電設備22は、パレット上の車両と電気的に接続された状態になると、車両に搭載されているバッテリーの充電を行うことができるようになる。そのため、駐車装置本体2内では、充電設備22と車両とをケーブル等によって電気的に接続する作業や、充電設備22と車両との電気的な接続を解除する作業が行われる。
【0024】
移動機構は、パレット20を車両が入出庫可能な位置(以下、入出庫位置と称する)まで移動させる動作や、入出庫位置に移動させたパレット20を元の位置まで移動させる動作等をとるように構成されている。
【0025】
なお、駐車装置本体2の駆動とは、パレット20を移動させる動作や、進入抑止部21の開閉動作等のことである。
【0026】
呼出用操作部3は、いわゆる操作盤によって構成される。
【0027】
本実施形態の呼出用操作部3は、呼び出すパレット20を示す番号(以下、呼出用指定番号と称する)を入力可能な指定番号入力部30と、指定番号入力部30に入力された呼出用指定番号が示すパレット20を入出庫位置まで移動させる動作を駐車装置本体2に実行させる旨を入力可能な呼出実行部31と、呼出実行部31への操作に伴って指定番号入力部30に入力された指定番号を出力する指定番号出力部32とを有する。
【0028】
指定番号出力部32から出力された指定番号は、駆動制御部5の後述するパレット用制御部50によって取得されるようになっている。
【0029】
呼出用操作部3の指定番号入力部30と呼出実行部31は、機械式のボタンであってもよいし(
図2(b)参照)、タッチパネルに表示される押操作可能な画像であってもよい。
【0030】
作業用操作部4は、いわゆる操作盤によって構成される。
【0031】
本実施形態の作業用操作部4は、駐車装置本体2内での作業を行う旨を入力可能な作業開始入力部40と、駐車装置本体2内での作業が不要である旨を入力可能な作業不要入力部41と、駐車装置本体2内での作業の内容を入力可能な作業内容入力部42と、駐車装置本体2内に立ち入る前に認証用の情報を入力可能な立入前認証入力部43と、駐車装置本体2内での作業が完了した旨を入力可能な作業完了入力部44と、駐車装置本体2内から退出した後に認証用の情報を入力可能な退出後認証入力部45と、を有する。
【0032】
作業開始入力部40は、
図4に示すように、押操作可能なボタンによって構成されており、具体的には、タッチパネルに表示される押操作可能な画像によって構成されている。
【0033】
作業不要入力部41も、押操作可能なボタンによって構成されており、具体的には、タッチパネルに表示される押操作可能な画像によって構成されている。
【0034】
作業開始入力部40と作業不要入力部41は、同じ操作画面P1上に表示されるように構成されており、この操作画面P1は、進入抑止部21が閉状態から開状態に切り替わった後に表示される。
【0035】
本実施形態の作業用操作部4は、複数の作業内容入力部42を有する。本実施形態の駐車装置1では、駐車装置本体2が充電設備22を有する構成となっているため、この複数の作業内容入力部42には、充電設備22に車両を取り付ける作業を示す取付作業入力部420と、充電設備22から車両を取り外す作業を示す取外作業入力部421と、が含まれている。
【0036】
作業内容入力部42は、押操作可能なボタンによって構成されており、具体的には、タッチパネルに表示される押操作可能な画像によって構成されている。作業内容入力部42を含む操作画面P2は、作業開始入力部40が押操作された後に表示されるように構成されている。
【0037】
立入前認証入力部43は、呼び出したパレット20を示す番号(以下、認証用指定番号と称する)を入力可能な認証用指定番号入力部430と、駐車装置1のユーザーであることを認証するための認証情報(例えば、ユーザー毎に割り当てられている暗証番号や、ユーザー自身が任意に決めた暗証番号等)を入力可能な認証情報入力部431と、を有する。
【0038】
認証用指定番号入力部430と認証情報入力部431は、別々の操作画面P3,P4に表示されるように構成されている。
【0039】
より具体的に説明すると、認証用指定番号入力部430を含む操作画面P3は、作業内容入力部42が押操作された後に表示されるように構成されている。
【0040】
認証用指定番号入力部430に入力された認証用指定番号と、指定番号入力部30に入力された呼出用指定番号とが一致していれば(すなわち、認証用指定番号入力部430に正しい認証用指定番号が入力されていれば)、認証用指定番号入力部430を含む操作画面P3から認証情報入力部431を含む操作画面P4への遷移が可能な状態になる。
【0041】
作業完了入力部44は、押操作可能なボタンによって構成されており、具体的には、タッチパネルに表示される押操作可能な画像によって構成されている。
【0042】
作業完了入力部44を含む操作画面P5は、認証情報入力部431に認証情報が正しく入力されると表示されるようになっている。
【0043】
なお、作業完了入力部44を含む操作画面P5が表示される際、駐車装置本体2の駆動は規制された状態になっているため、作業完了入力部44を含む操作画面P5には、作業完了入力部44と併せて駐車装置本体2の駆動が規制されている旨を示す規制表示46を表示してもよい。
【0044】
退出後認証入力部45は、押操作可能なボタンによって構成されており、具体的には、タッチパネルに表示される押操作可能な画像によって構成されている。
【0045】
退出後認証入力部45は、駐車装置1のユーザーであることを認証するための認証情報(ユーザー毎に割り当てられている暗証番号等)を入力可能である。なお、退出後認証入力部45で入力が求められる認証情報と立入前認証入力部43で入力が求められる認証情報は同じものである。
【0046】
退出後認証入力部45を含む操作画面P6は、作業完入力部が押操作されると表示されるようになっている。
【0047】
駆動制御部5は、
図1に示すように、パレット20の駆動を制御するパレット用制御部50と、進入抑止部の駆動を制御する抑止用制御部51と、充電設備22の駆動を制御する充電制御部52と、を有する。
【0048】
パレット用制御部50は、呼出実行部31が押操作されることによって指定番号出力部32から出力された呼出指定番号を取得すると、この呼出用指定番号が示すパレット20を車両の入出庫が可能な位置まで移動させる動作を駐車装置本体2に実行させる。
【0049】
抑止用制御部51は、進入抑止部21の開状態と閉状態とを切り替える動作(以下、開閉動作と称する)を実行する開閉切替部510と、駐車装置本体2の開閉動作の規制と規制の解除を行う規制部511と、を有する。
【0050】
開閉切替部510は、パレット20が入出庫位置に配置されている状態で、進入抑止部21に開閉動作を実行させるように構成されている。
【0051】
呼出実行部31が押操作された際、パレット20が入出庫位置とは別の位置に配置されている場合、開閉切替部510は、パレット20の移動が完了した後に進入抑止部21に対して開閉動作を実行させて進入抑止部21の状態を閉状態から開状態に切り替える。
【0052】
呼出実行部31が押操作された際、パレット20が既に入出庫位置に配置されている場合は、駐車装置本体2がパレット20を移動させる動作をとることなく、開閉切替部510が進入抑止部に21開閉動作を実行させて進入抑止部21の状態を閉状態から開状態に切り替える。
【0053】
開閉切替部510で進入抑止部21の状態を開状態から閉状態に切り替える場合は、規制部511が駐車装置本体2の駆動に対する規制を解除した後、手動若しくは自動的に開閉切替部510が進入抑止部21に開閉動作を実行させればよい。
【0054】
規制部511は、進入抑止部21が閉状態から開状態に切り替わった後、規制表示46(より具体的には、規制表示46と作業完了入力部44とを含む操作画面)が表示されるまでの間に駐車装置本体2の駆動を規制するように構成されている。
【0055】
本実施形態の規制部511は、立入前認証入力部43での認証が適切に完了すると、駐車装置本体2の駆動を規制する処理を実行するように構成されている。
【0056】
また、規制部511は、退出後認証入力部45での認証が適切に完了すると、駐車装置本体2の駆動に対する規制を解除する処理を実行するように構成されている。
【0057】
充電制御部52は、充電設備22の充電動作を開始することを示す充電開始情報、及び充電動作を停止させることを示す充電停止情報の設定状態を判定する設定判定処理と、充電開始情報、及び充電停止情報の設定状態を変更する設定変更処理と、充電開始情報及び充電停止情報の設定状態に応じて充電設備22の充電動作の開始(例えば、充電回路を閉路にする)又は充電動作の停止(例えば、充電回路を開路にする)を行う動作切替処理と、を実行するように構成されている。
【0058】
設定変更処理では、取付作業入力部420が押操作された状態である場合は、退出後認証入力部45による認証が正しく行われると、充電開始情報が登録され(記憶手段6に記憶され)、充電停止情報が削除される(記憶手段6から削除される)。
【0059】
また、設定変更処理では、取外作業入力部421が押操作された状態である場合は、退出後認証入力部45による認証が正しく行われると、充電開始情報が削除され(記憶手段6から削除され)、充電停止情報が登録される(記憶手段6に記憶される)。
【0060】
ここで、充電制御部52の動作について説明する。充電設備22が充電動作を停止している状態である場合、充電開始情報は登録されておらず、充電停止情報が登録されている状態である。
【0061】
充電設備22の充電動作を開始する際(すなわち、取付作業入力部420が押操作された後に、退出後認証入力部45による認証が正しく行われた際)、
図6に示すように、充電制御部52は、設定確認処理において充電開始情報が登録されていないと判定し(S30でNo)、且つ充電停止情報が登録されていると判定する(S31)。
【0062】
この場合、充電制御部52は、設定変更処理において充電開始情報を登録し(S32でYes)、充電停止情報を削除する(S33)。
【0063】
このようにすると、充電開始情報のみが登録されている状態になり、充電制御部52は、動作切替処理において充電設備22に充電動作を開始させる(S34)。
【0064】
続いて、充電設備22の充電動作を停止する際(すなわち、取外作業入力部421が押操作された後に、退出後認証入力部45による認証が正しく行われた際)、充電制御部52は、設定確認処理において充電開始情報が登録されていると判定する(S30でYes)。
【0065】
この場合、充電制御部52は、設定変更処理において充電停止情報を登録し(S35でYes)、充電開始情報を削除する(S36)。
【0066】
このようにすると、充電停止情報のみが登録されている状態になり、充電制御部52は、動作切替処理において充電設備22の充電動作を停止させる(S37)。
【0067】
なお、充電制御部52は、設定判定処理を自動的に繰り返し実行するように構成される場合においては、充電開始情報と充電停止情報の設定状態が変化していなければ、充電設備22の充電動作を開始している状態、又は充電設備22の充電動作を停止している状態を維持するように構成されていてもよい。
【0068】
例えば、充電設備22の充電動作が停止しており、充電設備22の充電動作を開始する操作(すなわち、取付作業入力部420を押操作した後に、退出後認証入力部45による認証を行う操作)が行われていない場合、充電制御部52は、設定判定処理において充電開始情報が登録されていないと判定し(S30でNo)、且つ充電停止情報が登録されていると判定する状態(S31)が続き、設定変更処理においては充電開始情報を登録しない(S32でNo)。
【0069】
この場合、充電制御部52は、動作切替処理を実行しないため、充電設備22の充電動作が停止している状態が維持される。
【0070】
また、例えば、充電設備22の充電動作が開始しており、充電設備22の充電動作を停止する操作(すなわち、取外作業入力部421を押操作した後に、退出後認証入力部45による認証を行う操作)が行われていない場合、充電制御部52は、設定判定処理において充電開始情報が登録されていると判定する状態(S30でYes)が続き、設定変更処理においては充電停止情報を登録しない(S35でNo)。
【0071】
この場合、充電制御部52は、動作切替処理を実行しないため、充電設備22の充電動作が開始している状態が維持される。
【0072】
本実施形態に係る駐車装置1の構成は、以上の通りである。続いて、駐車装置1の動作を説明する。
【0073】
駐車装置1の使用者は、呼出用操作部3と作業用操作部4との電源をオンにしてそれぞれを起動する(S1)。
【0074】
呼出用操作部3の指定番号入力部30に呼び出すパレット20を示す呼出用指定番号を入力し(S2)、呼出実行部31を押操作すると、駐車装置本体2がパレット20を呼出位置まで移動させる動作を開始する(S3)。
【0075】
駐車装置本体2がパレット20を呼出位置まで移動させる動作が完了すると(S4)、進入抑止部21が開閉動作を開始し、これにより、進入抑止部21の状態が閉状態から開状態に切り替わる(S5)。
【0076】
続いて、作業用操作部4に作業開始入力部40を含む操作画面が表示される(S6)。
【0077】
ここで、充電設備22を用いた作業が不要である場合(作業不要入力部41が押操作された場合)は(S7でYes)、進入抑止部21を閉状態に切り替える操作が行われると(S8)、進入抑止部21が開状態から閉状態に切り替わる(S9)。なお、進入抑止部21を閉状態に切り替える操作が行われる前に、ユーザーに安全確認を促すための画面P8を作業用操作部4に表示してもよい(
図4参照)
【0078】
そして、駐車装置1の使用を終了する場合は、呼出用操作部3と作業用操作部4の電源をオフにしてそれぞれを停止させる(S10)。
【0079】
充電設備22を用いた作業を行う場合であり(S7でNo)、作業開始入力部40が押操作されると、作業用操作部4には、取付作業入力部420と取外作業入力部421とを含む操作画面が表示され、取付作業入力部420が押操作されると(S11でYes)、指定番号入力部430を含む操作画面が表示される。
【0080】
指定番号入力部430に認証用指定番号が正しく入力されると(S12)、認証情報入力部431を含む操作画面に遷移し、認証情報入力部431への認証情報も正しく入力されると(S13)、パレット20が確定され(S14)、進入抑止部21の駆動(開閉動作であり、具体的には、進入抑止部21の開状態から閉状態に切り替わる動作)が規制される(S15)。
【0081】
使用者は、駐車装置本体2外から駐車装置本体2内に移動し、充電設備22と車両の接続作業を行う(S16)。
【0082】
作業用操作部4には、作業完了入力部44を含む操作画面が表示されているため、駐車装置本体2内から退出した使用者が作業完了入力部44を押操作することによって、駐車装置本体2内での作業が完了したことを知らせる操作が行われる(S17)。
【0083】
なお、作業完了入力部44が押操作された後、安全確認を行うための画面P7を作業用操作部4に表示してもよい(
図4参照)。
【0084】
作業完了入力部44が押操作されると、作業用操作部4には退出後認証入力部45を含む操作画面が表示される。そして、退出後認証入力部45に認証情報が正しく入力されると(S18)、充電制御部52が設定変更処理において設定変更処理において充電開始情報の登録と充電停止情報の削除を行い、動作切替処理において充電設備22に充電動作を開始させる(S19)。そして、規制部511によって進入抑止部21の駆動(開閉動作であり、具体的には、進入抑止部21の開状態から閉状態に切り替わる動作)への規制が解除される(S20)。
【0085】
そして、進入抑止部21を閉状態に切り替える操作が行われると(S8)、進入抑止部21が開状態から閉状態に切り替わる(S9)。駐車装置1の使用を終了する場合は、上述のように、呼出用操作部3と作業用操作部4の電源をオフにしてそれぞれを停止させる(S10)。
【0086】
充電設備22を用いた作業を行う場合であり(S7でNo)、且つ取付作業入力部420が押操作されずに(S11でNo)取外作業入力部421が押操作されると(S21)、作業用操作部4には、指定番号入力部430を含む操作画面が表示される。
【0087】
指定番号入力部430に認証用指定番号が正しく入力されると(S22)、認証情報入力部431を含む操作画面に遷移し、認証情報入力部431への認証情報も正しく入力されると(S23)、パレット20が確定され(S24)、規制部511によって進入抑止部21の駆動(開閉動作であり、具体的には、進入抑止部21の開状態から閉状態に切り替わる動作)が規制される(S25)。
【0088】
使用者は、駐車装置本体2外から駐車装置本体2内に移動し、充電設備22と車両との接続を解除する作業を行う(S26)。
【0089】
作業用操作部4には、作業完了入力部44を含む操作画面が表示されているため、駐車装置本体2内から退出した使用者が作業完了入力部44を押操作することによって、駐車装置本体2内での作業が完了したことを知らせる操作が行われる(S27)。
【0090】
なお、この場合においても、作業完了入力部44が押操作された後、安全確認を行うための画面P7を作業用操作部4に表示してもよい(
図4参照)。
【0091】
作業完了入力部44が押操作されると、作業用操作部4には退出後認証入力部45を含む操作画面が表示される。そして、退出後認証入力部45に認証情報が正しく入力されると(S28)、充電制御部52が設定変更処理において設定変更処理において充電停止情報の登録と充電開始情報の削除を行い、動作切替処理において充電設備22の充電動作を停止させる(S29)。そして、規制部511によって進入抑止部21の駆動(開閉動作であり、具体的には、進入抑止部21の開状態から閉状態に切り替わる動作)への規制が解除される(S20)。
【0092】
進入抑止部21を閉状態に切り替える操作が行われると(S8)、進入抑止部21が開状態から閉状態に切り替わる(S9)。駐車装置1の使用を終了する場合は、上述のように、呼出用操作部3と作業用操作部4の電源をオフにしてそれぞれを停止させる(S10)。
【0093】
以上のように、本実施形態に係る駐車装置1によれば、駐車装置本体2内で作業を行う者によって駐車装置本体2内での作業を行う旨が作業用操作部4に入力されると規制部511によって駐車装置本体2の駆動が規制されるため、駐車装置本体2内で作業を行う者が駐車装置本体2内に進入している状態で駐車装置本体2が駆動してしまうことを防止でき、これにより、安全性が高まるという優れた効果を奏し得る。
【0094】
また、作業用操作部が駐車装置本体2の外部に設置されており、且つ駐車装置本体2の駆動を規制した状態に移るための立入前認証入力部43での認証を駐車装置本体2内に立ち入る前に行う必要があるため、駐車装置本体2内に使用者が滞在している状態で駐車装置本体2が駆動してしまうことを抑制できるようになっている。
【0095】
さらに、駐車装置本体2の駆動に対する規制を解除するには、駐車装置本体2内から退出した後に、作業完了入力部44の操作や、退出後認証入力部45での認証を行う必要があるため、駐車装置本体2内に使用者が滞在している状態で駐車装置本体2が駆動してしまうことをより確実に抑制できる。
【0096】
なお、本実施形態の立入前認証入力部43や退出後認証入力部45では、駐車装置本体2内に出入りする者しか知り得ない認証情報の入力を求めるようになっているため、駐車装置本体2内を出入りする者とは別の者の誤操作により、駐車装置本体2が駆動してしまうことも抑制できる。
【0097】
なお、本発明に係る駐車装置1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0098】
上記実施形態の駐車装置1は、複数のパレット20を有するように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、駐車装置1は、1つのパレット20を有するように構成されていてもよい。この場合、パレット20を移動させる必要がなければ、呼出用操作部3や、パレット用制御部50がなくてもよい。また、立入前認証入力部43は、認証用指定番号入力部430がなく、認証情報入力部431に認証情報が入力されることによって認証が行われるように構成されていてもよい。
【0099】
上記実施形態の進入抑止部21は、ゲートであったが、この構成に限定されない。例えば、進入抑止部21は、チェーン等で構成されていてもよい。
【0100】
上記実施形態の作業設備22は、充電設備(充電スタンド)であったが、例えば、別の設備であってもよい。
【0101】
上記実施形態の駐車装置1の説明において特に言及しなかったが、呼出用操作部3を構成する操作盤と作業用操作部4を構成する操作盤は別々であってもよいし、1つの操作盤で呼出用操作部3と作業用操作部4を構成してもよい。
【0102】
また、呼出用操作部3を構成する操作盤と作業用操作部4を構成する操作盤が別々である場合、それぞれの操作盤は、互いに近接する場所に設置されていてもよいし、互いに離れた場所に設置されていてもよい。
【0103】
上記実施形態の作業用操作部4は、充電設備22を用いた作業を示す作業内容入力部42を有していたが、例えば、充電設備22を用いた作業とは別の作業を示す作業内容入力部42を有するように構成されていてもよい。
【0104】
上記実施形態の作業用操作部4では、作業開始入力部40、作業不要入力部41、作業内容入力部42(取付作業入力部420、取外作業入力部421)、立入前認証入力部43(認証用指定番号入力部430、認証情報入力部431)、作業完了入力部44、退出後認証入力部45が押操作可能な画像により構成されていたが、例えば、機械式のボタンにより構成することも可能である。
【0105】
上記実施形態の規制部511は、
図7に示すように、立入前認証入力部43での認証が適切に完了すると、駐車装置本体2の駆動を規制する処理を実行するように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、規制部511は、進入抑止部が閉状態から開状態に切り替わった後(S44)、作業開始入力部40が表示される(S46)までの間に駐車装置本体2の駆動を規制する処理を実行するように構成されていてもよい。
【0106】
なお、
図7に示す動作をとるように駐車装置1を構成する場合、立入前認証入力部43は、駐車装置本体2への操作が行われる前(具体的には、電源キーがオンにされた直後(S38の直後))に認証用の情報を入力可能な操作前認証入力部として構成されていればよい。
【0107】
このようにすれば、作業内容入力部42の押操作(すなわち、作業内容を入力する操作)が行われる前に操作前認証入力部による認証や、駐車装置本体2の駆動の規制が行われるため、駐車装置1の使用者は作業内容入力部42を押操作した後すぐに作業に移ることができるようになる。
【0108】
さらに、駐車装置1は、駐車装置本体2内に使用者が滞在していないことを確認する無人確認を行うように構成されていてもよい。
【0109】
無人確認は、駐車装置本体2を駆動させる操作に移る前に行われるようになっていればよい。例えば
図7に示すように、電源キーがオンにされた直後(S38の直後)のようなパレット20を呼び出す前や、充電作業を行わない場合においては(S46でYes)、退出後認証入力部45に認証情報を入力する前(S49の前)、充電作業を行う場合にお いては(S52でYes、若しくはS58でYes)、退出後認証入力部45に認証情報を入力する前(S49の前)に無人確認が行われるようになっていればよい。
【0110】
上記実施形態の駐車装置1の説明において特に言及しなかったが、作業用操作部4は、呼出用操作部3の電源がオンになると連動して電源がオンになり、呼出用操作部3の電源がオフになると連動して電源がオフになるように構成されていてもよい。
【0111】
上記実施形態の駐車装置1では、立入前認証入力部43が認証用指定番号入力部430と認証情報入力部431とを有していたが、この構成に限定されない。立入前認証入力部43は、例えば、認証用指定番号入力部430と認証情報入力部431のうち、認証情報入力部431のみを有するように構成されていてもよい。すなわち、立入前認証入力部43は、認証情報のみを用いて作業用操作部4を操作している者がユーザーであることの認証を行うように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1…駐車装置、2…駐車装置本体、3…呼出用操作部、4…作業用操作部、5…駆動制御部、6…記憶手段、20…パレット、21…進入抑止部、22…作業設備(充電設備)、30…指定番号入力部、31…呼出実行部、32…指定番号出力部、40…作業開始入力部、41…作業不要入力部、42…作業内容入力部、43…立入前認証入力部、44…作業完了入力部、45…退出後認証入力部、46…規制表示、50…パレット用制御部、51…抑止用制御部、52…充電制御部、420…取付作業入力部、421…取外作業入力部、430…認証用指定番号入力部、431…認証情報入力部、510…開閉切替部、511…規制部