(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067193
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】作業台
(51)【国際特許分類】
G06M 7/00 20060101AFI20240510BHJP
G01G 1/24 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G06M7/00 341Z
G01G1/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177066
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】遠山 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】平野 珠実
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業者が直感的に早く、規定数であることを確認することが可能な作業台を提供する。
【解決手段】少なくとも1本の支柱1aと、支柱1aに沿って昇降可能に設けられた荷物載置部2と、支柱1aに沿って昇降可能に設けられ、荷物載置部2の下降に際し上昇し、かつ、荷物載置部2の上昇に際し下降するように、滑車4を介してワイヤ5によって荷物載置部2と連動する重り部3と、荷物載置部2に所定の重量の荷物が載置されて下降した際に、作業者に刺激を付与する刺激付与手段6と、荷物載置部2の降下および重り部3の上昇を止めるストッパー7と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1本の支柱と、
前記支柱に沿って昇降可能に設けられた荷物載置部と、
前記支柱に沿って昇降可能に設けられ、前記荷物載置部の下降に際し上昇し、かつ、前記荷物載置部の上昇に際し下降するように、滑車を介してワイヤによって前記荷物載置部と連動する重り部と、
前記荷物載置部に所定の重量の荷物が載置されて下降した際に、作業者に刺激を付与する刺激付与手段と、
前記荷物載置部の降下および前記重り部の上昇を止めるストッパーと、を有する作業台。
【請求項2】
前記刺激付与手段は、前記刺激として、音、光および振動のうち少なくとも一つを前記作業者へ付与する、請求項1に記載の作業台。
【請求項3】
前記刺激付与手段は、手押しベルである、請求項1に記載の作業台。
【請求項4】
前記作業台は、前記刺激付与手段を作動させる起動手段を有する、請求項1に記載の作業台。
【請求項5】
前記刺激付与手段は前記重り部に配置され、前記起動手段は前記荷物載置部に配置されており、前記荷物載置部が下降し、前記重り部が上昇することによって、前記刺激付与手段および前記起動手段が接触することによって、前記刺激付与手段が前記刺激を発する、請求項4に記載の作業台。
【請求項6】
前記ストッパーが、前記起動手段を兼ねる、請求項4または請求項5に記載の作業台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製品をコンテナ等の収容容器に格納する際、規定数をまとめて容器に移載する場合が多い。この際に、一目で規定数に達しているかが分かりにくいという問題がある。規定数と異なる数量を収容することで適合数過不足となる恐れがあるため、移載前に規定数であることを確実に確認する必要があり、さまざまな方策がとられている。
【0003】
例えば、重量計を用いて重量を計測し、画面上に表示される数値で規定数であることを確認する方法がある。この手法は、画面上に表示される数値を見るため、判断が遅くなり作業効率が低下する点、弱視の人などにとっては適切に判断できず、雇用制限となる点等が問題となっている。また、電気駆動が必要であり作業場所が制限される。
【0004】
また、光電センサやカメラ等を用いて製品の境目の明暗を検出し、員数管理する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、互いに密着して積層された複数枚の板状体のそれぞれの端面を所定の同一寸法で一方向に階段状にずらし、それらの階段状端面の突出している端面側から後退している積層されたそれぞれの板状体の端面に平行光で照射し、隣接する後退した板状体の端面に突出している板状体の陰を生成して階段状端面に明確な明暗の縞を生成し、その階段状端面を画像撮影手段で撮影し、その撮影された画像を画像処理して積層された複数枚の板状体の枚数を計数することを特徴とする積層された板状体の枚数計数方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、例えば、周りの環境の明暗によっては、うまく陰が生成できず、誤認知を発生する問題がある。また、員数管理のために画面表示を目視する必要があり、直感的に規定数であるかを確認することが困難である。さらに、人によってばらつきが生じる場合がある。また、外部の動力や電気制御が必要であるため装置構成が複雑となり、メンテナンス性が悪い。
【0006】
例えば、製品を積み上げ、その高さが基準と一致しているかを目視する方法が提案されている。この方法では、製品が柔軟な材質の場合にはカールが発生し誤認しやすい点や、作業者の身長の違いによっては見る角度が変わり読み取りにくくなり、作業性が低下する点が問題となっている。
【0007】
また、特許文献2には、下り勾配の搬入コンベヤにより搬入された空箱を受け取る受け取り位置と、前記空箱に物品が箱詰めされた実箱を、下り勾配の搬出コンベヤに送り出す送り出し位置との間で昇降可能に設けられた箱載置台と、液体が貯留されたシリンダ内に上下方向へ摺動可能に配置され、箱載置台の下降に際し上方へ摺動し、かつ前記箱載置台の上昇に際し下方へ摺動するように、ケーブル及び滑車を介して前記箱載置台に接続された錘とを備えていることを特徴としている。しかしながら、員数管理をする機構を有しておらず、箱内の個数を保証できない。また、装置が大型となるため移動が困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001-184479号公報
【特許文献2】特開2019-142661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示は、上記事情に鑑みてなされた発明であり、作業者が直感的に早く、規定数であることを確認することが可能な作業台を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、少なくとも1本の支柱と、上記支柱に沿って昇降可能に設けられた荷物載置部と、上記支柱に沿って昇降可能に設けられ、上記荷物載置部の下降に際し上昇し、かつ、上記荷物載置部の上昇に際し下降するように、滑車を介してワイヤによって上記荷物載置部と連動する重り部と、上記荷物載置部に所定の重量の荷物が載置されて下降した際に、作業者に刺激を付与する刺激付与手段と、上記荷物載置部の降下および上記重り部の上昇を止めるストッパーと、を有する作業台を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、作業者が、直感的に早く規定数であることを確認することが可能な作業台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の作業台の一例を示す概略正面図である。
【
図2】
図1に示す作業台の一例を示す概略側面図である。
【
図3】
図1に示す作業台の一例を示す概略上面図である。
【
図4】本開示の作業台に、規定数未満の荷物を載置した場合を例示した概略側面図である。
【
図5】本開示の作業台に規定数(4つ)の製品を移載した際の動作の一例を示す概略断面図である。
【
図6】本開示における荷物載置部周辺の一例を示す概略上面図である。
【
図7】本開示における重り部周辺の一例を示す概略上面図である。
【
図8】本開示における作業台の一例を示す部分概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0014】
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」または「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
【0015】
以下、本開示の作業台について説明する。
図1は、本開示の作業台の一例を示す概略正面図である。
図2は、
図1に示す作業台の概略側面図である。
図3は、
図1に示す作業台の概略上面図である。
図1から
図3に示す作業台10は、4つの支柱1(1a,1a,1b,1b)を有する。また、作業台10は、支柱1aに沿って昇降可能に設けられた荷物載置部2および支柱1bに沿って昇降可能に設けられた重り部3を有する。荷物載置部2は、支柱1aに沿って上下方向に移動するリニアスライダ8aに接続されている。重り部3は、重り31を有し、支柱1bに沿って上下方向に移動するリニアスライダ8bに接続されている。また、重り部3は、荷物載置部2の下降に際し上昇し、かつ、荷物載置部2の上昇に際し下降するように、滑車4(4a,4b)を介してワイヤ5によって荷物載置部2と連動している。作業台10は、さらに、荷物載置部2に所定の重量の荷物が載置されて下降した際に、作業者に刺激を付与する刺激付与手段6を有する。さらに、荷物載置部2の降下および上記重り部3の上昇を止めるストッパー7を有する。
図1においては、ストッパー7が、刺激付与手段6を作動させる起動手段としての機能も有している。また、作業台10は、キャスター9を有する。
【0016】
本開示における作業台の作動機構について、詳述する。
図4は、
図1から
図3に示す本開示における作業台10に、規定数未満(1つ)の荷物Lを載置した場合を例示した概略側面図である。
図5は、
図4に続き1つずつ荷物Lを移載し、作業台10に規定数(4つ)の製品を移載した際の動作の一例を示す概略断面図であり、
図5(a)は4つめの荷物Lを載置した直後の様子を示す図であり、
図5(b)は荷物載置部2が降下している途中の様子を示す図であり、
図5(c)は荷物載置部2が停止した様子を示す図である。
【0017】
まず、作業者によって作業台10の荷物載置部2に荷物Lを1つずつ積載する。
図5においては、荷物Lは荷物載置部2の載置台22上に積層されている。荷物の積載数が規定数(4つ)と一致したとき(
図5(a))、荷物載置部2が降下する。同時に、滑車4a,4bを介して張られたワイヤ5により重り部3が上昇する(
図5(b))。重り部3に固定された刺激付与手段6が、荷物載置部2に位置調整部11を介して固定されたストッパー7と接触することにより、重り部3の上昇が止まり、同時に、ストッパー7が起動手段として機能し、刺激付与手段6を作動させ、作業者に刺激が付与される(
図5(c))。この刺激により、作業者が荷物の積載数が規定数に達したことを認知し、荷物載置部2から規定数の荷物を取り除き、荷物をコンテナ等の収容容器に移載する。荷物載置部2が上昇し、同時に、重り部3が降下し、それぞれがはじめの位置に戻る(
図5(a))。
【0018】
本開示によれば、荷物が規定数と一致したことを、荷物載置部の降下という動きと、刺激付与手段から発せられる刺激との両方で作業員に知らせることで、目視よりも早く、確実に員数管理できる。また、荷物載置部の降下という動きを確認するため、例えば、聴覚に障害を持つ作業者でも作業が可能となる。刺激付与手段が与える刺激の種類によっては、視覚に障害を持つ作業者でも作業が可能となる。さらに、本開示によれば、荷物の重量および規定数が変更になった場合にも、重り部の質量を変更することで迅速に対応できる。さらに、本開示によれば、からくり機構を用いているため装置構成が簡単であり、メンテナンス性に優れるとともに、安価に作成できる。また、装置構成が簡単であるため小型化でき、移動が容易である。
【0019】
以下、本開示における作業台の各構成及び特性について、詳細に説明する。
【0020】
1.支柱
本開示における作業台は、少なくとも1本の支柱を有する。支柱は、上下方向に延伸する部材である。上下方向とは、例えば、下方向は、重力が向かう方向ベクトルを含んでおり、上方向は、当該下方向と反対方向である。中でも、上下方向は鉛直方向であることが好ましい。
【0021】
作業台に含まれる支柱の本数は、荷物載置部を支柱に沿って上下方向に昇降可能に支持することができ、かつ、重り部を支柱に沿って上下方向に昇降可能に支持することができる本数であれば、特に限定されない。作業台に含まれる支柱の本数は、1本以上であり、2本以上であってもよく、4本以上であってもよく、8本以上であってもよい。複数の支柱を有する場合、互いに離間して配されていることが好ましい。また、各支柱の延伸方向は同一であることが好ましい。
【0022】
図1から
図3においては、例えば、支柱1は4本(1a、1a、1b、1b)が、互いに離間して配されており、2本の支柱1aが、荷物載置部2を上下方向に昇降可能に支持しており、2本の支柱1bが、重り部3を上下方向に昇降可能に支持している。一方、荷物載置部を支持する支柱は1本であってもよいし、2本より多くてもよい。同様に、重り部を支持する支柱は1本であってもよいし、2本より多くてもよい。さらには、荷物載置部と重り部とが、同じ支柱に支持されていてもよい。例えば、荷物載置部と重り部とが、同じ一本の支柱に支持されていてもよいし、複数の同じ支柱に支持されていてもよい。
【0023】
荷物載置部および重り部は、リニアスライダを介して支柱に支持されていることが好ましい。例えば、
図1から
図3に示すように、支柱1aは、リニアスライダ8aを介して荷物載置部2を支持していることが好ましい。同様に、支柱1bは、リニアスライダ8bを介して重り部3を支持していることが好ましい。この場合、支柱は、通常、レールとしての機能を有する。
【0024】
2.荷物載置部
荷物載置部は、支柱に沿って昇降可能に設けられ、荷物が載置される部材である。
図6に、荷物載置部周辺の一例を示す概略上面図を示す。
図6に示すように、荷物載置部2は、例えば、荷物を載置するための載置板21を有する。載置板21は、水平方向に延在していることが好ましい。載置板21の平面視形状は、特に限定されないが、例えば、矩形である。また、荷物載置部2は、荷物載置部2をリニアスライダ8aに接続するための支持部23を有していてもよい。また、荷物載置部2は、荷物Lの台座となる載置台22を有していてもよい。
【0025】
荷物載置部は、リニアスライダに接続されることにより、支柱に沿って昇降可能となっていることが好ましい。例えば、
図1から
図3及び
図6に示すように、荷物載置部2は、支持部23の両端がそれぞれリニアスライダ8aに接続されることにより、荷物載置部2側の2本の支柱1aに沿って上下方向に昇降可能となっていることが好ましい。一方、これに限定されず、例えば、荷物載置部2は、支持部23の中央付近が1本のリニアスライダ8aに接続されることにより、1本の支柱1aに沿って上下方向に昇降可能となっていてもよい。
【0026】
荷物載置部2は、所定の重量の荷物が載置されたとき(
図5(a))、荷物載置部2が支柱1aに沿って降下するように、滑車4a、4bおよびワイヤ5を介して重り部3に接続されている。所定の重量は、規定数の荷物の重量である。荷物載置部2に載置された荷物の数が規定数と一致したとき、荷物載置部2が支柱に沿って降下する。規定数は、特に限定されず、荷物の種類や、荷物を格納する収容容器等によって適宜設定される。
【0027】
また、
図1から
図3及び
図6に示すように、荷物載置部2には、後述するストッパー7が固定されていてもよい。また、図示しないが、後述する刺激付与手段が固定されていてもよい。
【0028】
3.重り部
重り部は、支柱に沿って昇降可能に設けられ、荷物載置部の下降に際し上昇し、かつ、荷物載置部の上昇に際し下降するように、滑車を介してワイヤによって荷物載置部と連動している。
図7に、重り部周辺の一例を示す概略上面図を示す。
図1から
図3および
図7に示すように、重り部3は、通常、重り31を有する。重り31の重量は、所定の重量の荷物が荷物載置部2に載置されたとき(
図5(a))、荷物載置部2が支柱に沿って降下するように、予め調整しておく。重りとしては、荷物載置部に載置する荷物とは別の重りであってもよいし、荷物と同じものであってもよい。荷物を重りとしても用いることにより、荷物の重さや規定数を変更する場合に、重りを変更後の荷物に替えることによって重りの調整が容易となる。
【0029】
図1から
図3および
図7に示すように、重り部3は、重り31を支持する支持板32を有していてもよい。また、重り部3は、重り部3をリニアスライダ8bに接続するための支持部33を有していてもよい。
図1から
図3および
図7に示すように、重り31は支持板32に吊り下げられることによって支持されていてもよいし、図示しないが、支持板上に載置されることにより支持されていてもよい。
【0030】
重り部は、リニアスライダに接続されることにより、支柱に沿って昇降可能となっていることが好ましい。例えば、
図1から
図3および
図7に示すように、重り部3は、支持部33の両端がそれぞれリニアスライダ8bに接続されることにより、重り部3側の2本の支柱1bに沿って上下方向に昇降可能となっていることが好ましい。一方、これに限定されず、例えば、重り部3は、支持部33の中央付近が1本のリニアスライダ8bに接続されることにより、1本の支柱1bに沿って上下方向に昇降可能となっていてもよい。
【0031】
4.滑車およびワイヤ
本開示における作業台は、滑車およびワイヤを有する。本開示における作業台は、上記荷物載置部と上記重り部とが、滑車を介したワイヤによって、上記荷物載置部の下降に際し上記重り部が上昇し、かつ、上記荷物載置部の上昇に際し上記重り部が下降するように連動する。本開示における作業台は、このようなからくり機構を用いているためメンテナンス性に優れるとともに、安価に作成できる。また、装置構成が簡単であるため小型化でき、移動が容易である。
【0032】
本開示における作業台は、例えば、荷物載置部に固定された定滑車および支柱に固定された定滑車を有することが好ましい。このような構成であれば、より簡易的な機構となるために、メンテナンス性が更に優れるものとなる。
図8は、本開示における作業台を例示する部分概略斜視図である。
図8に示すように、滑車として、荷物載置部2に固定された2つの定滑車4aおよび重り部3側の支柱1bに固定された2つの定滑車4bを有することが好ましい。この場合、ワイヤ5は、荷物載置部2に固定された2つの定滑車4aの下側を通り、上方に引き出される。さらに、上方に引き出されたワイヤ5は、滑車4bに掛け渡されることによって下方に折り返される。下方に折り返されたワイヤ5の端は、重り部に接続されている。これにより、荷物載置部および荷物が
図1に示す初期位置から、その荷物Lの重さを利用して支柱に沿って降下すると、ワイヤ5によって重り部3が引き上げられる構成となっている。一方、滑車の数、固定位置は上記に限定されず、上記荷物載置部と上記重り部とが、滑車を介したワイヤによって、上記荷物載置部の下降に際し上昇し、かつ、上記荷物載置部の上昇に際し下降するように連動可能となる数および固定位置であればよい。
【0033】
5.刺激付与手段
本開示における作業台は、荷物載置部に所定の重量の荷物が載置されて下降した際に、作業者に刺激を付与する刺激付与手段を有する。刺激付与手段は、刺激として、音、光および振動のうち少なくとも一つの刺激を作業者へ付与することが好ましい。刺激付与手段は、音を発生する音源、光を与える光源、および振動を与える振動源のいずれかを有することが好ましい。中でも、音源を有することが好ましい。視覚困難者であっても、音によって規定数に達したことを認知できるためである。刺激付与手段は、作業者に対して継続的に或いは断続的に刺激を付与するものであってもよい。
【0034】
また、刺激付与手段は、ベルであることが特に好ましい。外部の動力や電気制御を必要としないため、メンテナンスがより容易であり、環境負荷の低減も可能である。さらに、光電センサ等の検知機構を用いる必要がないため、環境や場所の制限なく作業が行うことができる。
【0035】
刺激付与手段は、荷物載置部に所定の重量の荷物が載置されて下降した際に、作業者に刺激を付与することができれば、その配置位置は特に限定されない。例えば、
図1から
図3に示すように、刺激付与手段6は重り部3に固定されていてもよい。一方、荷物載置部に固定されていてもよい。また、刺激付与手段は、リニアスライダに固定し、リニアスライダが動き出した時に、刺激を付与する機能を有していてもよい。
【0036】
刺激付与手段は、刺激を発生するためのスイッチを有することが好ましい。例えば、刺激付与手段がベルである場合、手押しベルであることが好ましい。上記スイッチは手押しベルの手押し部に相当する。
【0037】
本開示における作業台は、刺激付与手段を作動させるため(刺激付与手段がスイッチを有する場合は、スイッチを押すため)の起動手段を有することが好ましい。本開示においては、ストッパー7が、起動手段を兼ねていることが好ましい。
図1から
図3に示す例では、起動手段(ストッパー)7が、手押しベル(刺激付与手段)6の手押し部(スイッチ)を押すことにより、刺激である音を発生させる。なお、この場合、刺激付与手段6がスイッチを有さない場合、すなわち単なるベルである場合、上記起動手段(ストッパー)7が、直接ベルを叩き、音を発生させる構造であってもよい。
上記起動手段(ストッパー)は、棒状であることが好ましい。
【0038】
図1から
図3に示すように、重り部3に刺激付与手段6が配置され、好ましくは固定されている場合、起動手段7は荷物載置部2に配置され、好ましくは固定されていることが好ましい。この場合、起動手段7と刺激付与手段6とが対向するように配置されることが好ましい。さらに、刺激付与手段6および起動手段7が、上下方向の平面視において、重複するように配置されていることが好ましい。起動手段7と荷物載置部2との間に位置調整部11を介してもよい。また、図示しないが、重り部と刺激付与手段との間に位置調整部を介してもよい。このような配置位置とすることにより、荷物載置部が下降し、重り部が上昇することによって、刺激付与手段および起動手段が接触し、刺激付与手段が刺激を発するため、より簡易的な構造となる。
【0039】
一方、荷物載置部に刺激付与手段が配置され、好ましくは固定されている場合、起動手段は重り部に配置され、好ましくは固定されていることが好ましい。この場合、起動手段と刺激付与手段とが対向するように配置されることが好ましい。さらに、刺激付与手段および起動手段が、上下方向の平面視において、重複するように接続されていることが好ましい。さらに、刺激付与手段および起動手段が、上下方向の平面視において、重複するように固定されていることが好ましい。この場合、起動手段と重り部との間および刺激付与手段と荷物載置部との間の少なくとも一方に位置調整部を介してもよい。このような配置位置とすることにより、荷物載置部が下降し、重り部が上昇することによって、刺激付与手段および起動手段が接触し、刺激付与手段が刺激を発するため、より簡易的な構造となる。
【0040】
なお、上記いずれの場合でも、刺激付与手段が配置されている場所に、刺激付与手段のスイッチのみが配置され、刺激付与手段が別の場所に配置されていてもよい。
【0041】
6.ストッパー
本開示における作業台は、荷物載置部の降下および重り部の上昇を止めるストッパーを有する。ストッパーは、荷物載置部の降下および重り部の上昇を止める機能を有することができれば、その配置位置は特に限定されない。例えば、
図1から
図3に示すように、ストッパー7は荷物載置部2に固定されていてもよい。一方、図示しないが、重り部に固定されていてもよいし、リニアスライダに固定されていてもよい。
【0042】
本開示においては、
図1から
図3に示すように、ストッパー7が、起動手段を兼ねていることが好ましい。従って、ストッパーの形状および配置位置は、上述した起動手段と同様の内容であることが好ましい。
【0043】
また、本開示における作業台は、荷物載置部の下降および重り部の上昇を止めるストッパーを有していてもよい。
【0044】
7.その他
本開示における作業台は、キャスターを有していてもよい。キャスターを有することにより、自在に移設可能であることから、より環境や場所の制限なく作業を行うことができる。
【0045】
8.用途
本開示における作業台は、荷物の数量を検査するために用いられる。本開示における作業台を用いることにより、荷物をコンテナ等の収容容器に格納する前に、規定数であることを確実に確認することができる。
荷物としては、特に限定されるものではなく、例えば、製品自体であってもよいし、または製品を複数梱包した箱、袋等の梱包体であっても良い。製品としては、例えば、枚葉類、日用品、飲料、食品、アパレル商品、機械や機械部品類、電気製品、建築用品等が挙げられる。
【0046】
本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
【0047】
このように、本開示においては、例えば、以下の発明が提供される。
【0048】
[1]
少なくとも1本の支柱と、
前記支柱に沿って昇降可能に設けられた荷物載置部と、
前記支柱に沿って昇降可能に設けられ、前記荷物載置部の下降に際し上昇し、かつ、前記荷物載置部の上昇に際し下降するように、滑車を介してワイヤによって前記荷物載置部と連動する重り部と、
前記荷物載置部に所定の重量の荷物が載置されて下降した際に、作業者に刺激を付与する刺激付与手段と、
前記荷物載置部の降下および前記重り部の上昇を止めるストッパーと、を有する作業台。
【0049】
[2]
前記刺激付与手段は、前記刺激として、音、光および振動のうち少なくとも一つを前記作業者へ付与する、[1]に記載の作業台。
【0050】
[3]
前記刺激付与手段は、手押しベルである、[1]または[2]に記載の作業台。
【0051】
[4]
前記作業台は、前記刺激付与手段を作動させる起動手段を有する、[1]から[3]までのいずれかに記載の作業台。
【0052】
[5]
前記刺激付与手段は前記重り部に配置され、前記起動手段は前記荷物載置部に配置されており、前記荷物載置部が下降し、前記重り部が上昇することによって、前記刺激付与手段および前記起動手段が接触することによって、前記刺激付与手段が前記刺激を発する、[4]に記載の作業台。
【0053】
[6]
前記ストッパーが、前記起動手段を兼ねる、[4]または[5]に記載の作業台。
【符号の説明】
【0054】
1 … 支柱
2 … 荷物載置部
3 … 重り部
4 … 滑車
5 … ワイヤ
6 … 刺激付与手段
7 … ストッパー(起動手段)
8 … リニアスライダ
9 … キャスター
10 … 作業台