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特開2024-67196電池パックシステム、電池モジュール、端部モジュール、及び並列化モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067196
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】電池パックシステム、電池モジュール、端部モジュール、及び並列化モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/269 20210101AFI20240510BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240510BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20240510BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20240510BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20240510BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240510BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20240510BHJP
【FI】
H01M50/269
H02J7/00 K
H02J7/00 302C
H01M50/296
H01M10/42 P
H01M50/284
H01M10/48 P
H01M50/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177074
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】512280080
【氏名又は名称】AZAPA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003823
【氏名又は名称】弁理士法人柳野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】守屋 一成
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5G503BA02
5G503BA05
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB06
5H030AA01
5H030AA09
5H030AS06
5H030AS08
5H030BB21
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H040AA03
5H040AA39
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY08
5H040DD03
5H040DD04
5H040DD05
5H040DD08
5H040DD26
5H040GG09
5H043AA13
5H043AA17
5H043AA19
5H043CA21
5H043DA06
5H043FA08
5H043FA22
5H043FA23
5H043FA24
(57)【要約】
【課題】共通化の程度を高めることが容易な電池パックシステム、電池モジュール、端部モジュール、及び並列化モジュールを提供する。
【解決手段】
複数の電池モジュール2が一列に連結され、第一端部31と第二端部32とを有する電池列3と、電池列3の第二端部32に連結される端部モジュール4とを備え、各電池モジュール2は、第一正端子Tp1、第一負端子Tm1、第二正端子Tp2、第二負端子Tm2、正側経路部21、負側経路部22とを備え、互いに隣接する電池モジュール2相互間で、一方の第一正端子Tp1と他方の第二正端子Tp2、及び一方の第一負端子Tm1と他方の第二負端子Tm2が、それぞれ電気的に接続され、正側経路部21と負側経路部22とのうち少なくとも一方は、蓄電部B1と、蓄電部B1の接続状態を切り換えるスイッチング素子SW1,SW2とを含み、端部モジュール4の第三正端子Tp3と第三負端子Tm3とが導通する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池モジュールが一列に連結され、第一端部と第二端部とを有する電池列と、
前記電池列の前記第二端部に連結される端部モジュールとを備え、
前記各電池モジュールは、
前記各電池モジュールの前記第一端部側に設けられた第一正端子、及び第一負端子と、
前記各電池モジュールの前記第二端部側に設けられた第二正端子、及び第二負端子と、
前記第一正端子と前記第二正端子との間に電流を流すための正側経路部と、
前記第二負端子と前記第一負端子との間に電流を流すための負側経路部とを備え、
前記複数の電池モジュールが連結された状態で、互いに隣接する前記電池モジュール相互間で、一方の前記第一正端子と他方の前記第二正端子、及び一方の前記第一負端子と他方の前記第二負端子が、それぞれ電気的に接続され、
前記正側経路部と前記負側経路部とのうち少なくとも一方の経路部は、
電荷を蓄える蓄電部と、
前記少なくとも一方の経路部における電流経路に前記蓄電部を加入させる加入状態と前記電流経路から前記蓄電部を離脱させる離脱状態とを含む接続状態を切り換える切換回路とを含み、
前記端部モジュールは、前記電池列の前記第二端部に位置する前記電池モジュールの、前記第二正端子に接続される第三正端子と、前記第二負端子に接続される第三負端子とを備え、
前記第三正端子と前記第三負端子とが導通する電池パックシステム。
【請求項2】
前記正側経路部は、
前記蓄電部と、
前記正側経路部の電流経路に前記蓄電部を加入させる前記加入状態と前記正側経路部の電流経路から前記蓄電部を離脱させる前記離脱状態とを含む接続状態を切り換える前記切換回路とを含み、
前記負側経路部は、
前記蓄電部と、
前記負側経路部の電流経路に前記蓄電部を加入させる前記加入状態と前記負側経路部の電流経路から前記蓄電部を離脱させる前記離脱状態とを含む接続状態を切り換える前記切換回路とを含む請求項1記載の電池パックシステム。
【請求項3】
前記各電池モジュールは、
前記各電池モジュールの前記第一端部側に設けられた第一通信端子と、
前記各電池モジュールの前記第二端部側に設けられた第二通信端子とをさらに備え、
前記複数の電池モジュールが連結された状態で、互いに隣接する前記電池モジュール相互間で、一方の前記第一通信端子と他方の前記第二通信端子が、それぞれ電気的に接続され、
前記各電池モジュールは、前記第一通信端子又は前記第二通信端子から得られた制御情報に応じて前記切換回路による前記接続状態を切り換えさせるモジュール内制御部をさらに備える請求項1記載の電池パックシステム。
【請求項4】
前記各電池モジュールに対する前記制御情報を前記電池列における前記複数の電池モジュールの連結順に連結した第一信号を、前記第一端部に位置する前記電池モジュールの前記第一通信端子へ出力する制御部をさらに備え、
前記モジュール内制御部は、自己の前記電池モジュールにおける前記第一通信端子から得られた前記第一信号の一端に連結された前記制御情報を自己に対する前記制御情報として取得し、前記第一信号から前記自己に対する前記制御情報を削除した残余の信号を新たな第一信号として自己の前記電池モジュールにおける前記第二通信端子へ出力する請求項3記載の電池パックシステム。
【請求項5】
前記各電池モジュールは、
前記各電池モジュールの前記第二端部側に設けられた第三通信端子と、
前記各電池モジュールの前記第一端部側に設けられた第四通信端子とをさらに備え、
前記モジュール内制御部は、自己の前記電池モジュールにおける前記第三通信端子から得られた第二信号の一端に、自己の前記電池モジュールに関するモジュール情報を連結して新たな第二信号として自己の前記電池モジュールにおける前記第四通信端子へ出力する請求項4記載の電池パックシステム。
【請求項6】
前記モジュール内制御部は、自己の前記電池モジュールにおける前記第二通信端子から得られた第二信号の一端に、自己の前記電池モジュールに関するモジュール情報を連結して新たな第二信号として自己の前記電池モジュールにおける前記第一通信端子へ出力する請求項4記載の電池パックシステム。
【請求項7】
前記各電池モジュールに対する前記制御情報を前記電池列における前記複数の電池モジュールの連結順に連結した第一信号を、前記第二端部に位置する前記電池モジュールの前記第二通信端子へ出力する制御部をさらに備え、
前記モジュール内制御部は、自己の前記電池モジュールにおける前記第二通信端子から得られた前記第一信号の一端に連結された前記制御情報を自己に対する前記制御情報として取得し、前記第一信号から前記自己に対する前記制御情報を削除した残余の信号を新たな第一信号として自己の前記電池モジュールにおける前記第一通信端子へ出力する請求項3記載の電池パックシステム。
【請求項8】
前記各電池モジュールは、
前記各電池モジュールの前記第二端部側に設けられた第三通信端子と、
前記各電池モジュールの前記第一端部側に設けられた第四通信端子とをさらに備え、
前記モジュール内制御部は、自己の前記電池モジュールにおける前記第四通信端子から得られた第二信号の一端に、自己の前記電池モジュールに関するモジュール情報を連結して新たな第二信号として自己の前記電池モジュールにおける前記第三通信端子へ出力する請求項7記載の電池パックシステム。
【請求項9】
前記モジュール内制御部は、自己の前記電池モジュールにおける前記第一通信端子から得られた第二信号の一端に、自己の前記電池モジュールに関するモジュール情報を連結して新たな第二信号として自己の前記電池モジュールにおける前記第二通信端子へ出力する請求項7記載の電池パックシステム。
【請求項10】
前記端部モジュールは、
前記第三正端子と前記第三負端子との間に介設されるインダクタと、
前記インダクタの中点と導通する中間接続端子とをさらに備える請求項2記載の電池パックシステム。
【請求項11】
複数の前記電池列を備え、
前記複数の電池列を並列接続するための並列化モジュールをさらに備え、
前記並列化モジュールは、前記電池列毎に設けられ、
前記第一端部に位置する前記電池モジュールの前記第一正端子に接続される第一正接続端子と、
前記第一端部に位置する前記電池モジュールの前記第一負端子に接続される第一負接続端子と、
前記第一正接続端子と導通する正出力端子及び正並列端子と、
前記第一負接続端子と導通する負出力端子及び負並列端子とを備え、
前記第一正接続端子及び前記第一負接続端子は、前記並列化モジュールにおける、前記電池列の列方向と直交する方向の外面に位置し、
前記正並列端子及び前記負並列端子は、前記並列化モジュールにおける、前記第一正接続端子及び前記第一負接続端子とは反対側の外面に位置する請求項1記載の電池パックシステム。
【請求項12】
前記並列化モジュールは、前記第一正接続端子及び前記第一負接続端子から得られた電圧を平滑化するフィルタをさらに備える請求項11記載の電池パックシステム。
【請求項13】
前記各電池モジュールは、前記蓄電部を複数含み、
前記切換回路は、前記蓄電部毎に、前記接続状態を切り換える請求項1~12のいずれか1項に記載の電池パックシステム。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか1項に記載の電池パックシステムに用いられる前記電池モジュールである電池モジュール。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか1項に記載の電池パックシステムに用いられる前記端部モジュールである端部モジュール。
【請求項16】
請求項11又は12に記載の電池パックシステムに用いられる前記並列化モジュールである並列化モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池を備えた電池パックシステム、電池モジュール、端部モジュール、及び並列化モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車に搭載される電池パックが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-115495
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電気自動車は、その車種やメーカによって、要求される電圧等の電気的な仕様が異なる。電気自動車以外の電動装置についても、要求される電圧等の電気的な仕様が異なる。そのため、電池パックを共通化することが困難となっている。
【0005】
本発明の目的は、共通化の程度を高めることが容易な電池パックシステム、電池モジュール、端部モジュール、及び並列化モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電池パックシステムは、複数の電池モジュールが一列に連結され、第一端部と第二端部とを有する電池列と、前記電池列の前記第二端部に連結される端部モジュールとを備え、前記各電池モジュールは、前記各電池モジュールの前記第一端部側に設けられた第一正端子、及び第一負端子と、前記各電池モジュールの前記第二端部側に設けられた第二正端子、及び第二負端子と、前記第一正端子と前記第二正端子との間に電流を流すための正側経路部と、前記第二負端子と前記第一負端子との間に電流を流すための負側経路部とを備え、前記複数の電池モジュールが連結された状態で、互いに隣接する前記電池モジュール相互間で、一方の前記第一正端子と他方の前記第二正端子、及び一方の前記第一負端子と他方の前記第二負端子が、それぞれ電気的に接続され、前記正側経路部と前記負側経路部とのうち少なくとも一方の経路部は、電荷を蓄える蓄電部と、前記少なくとも一方の経路部における電流経路に前記蓄電部を加入させる加入状態と前記電流経路から前記蓄電部を離脱させる離脱状態とを含む接続状態を切り換える切換回路とを含み、前記端部モジュールは、前記電池列の前記第二端部に位置する前記電池モジュールの、前記第二正端子に接続される第三正端子と、前記第二負端子に接続される第三負端子とを備え、前記第三正端子と前記第三負端子とが導通する。
【0007】
この構成によれば、複数の電池モジュールが一列に連結された電池列に、端部モジュールが連結されることによって、複数の電池モジュールが備える蓄電部が直列接続される。従って、電気自動車等の電動装置毎に要求される電圧に応じて電池モジュールの数を増減することによって、出力電圧を変化させることができる。その結果、電池パックシステムは、種々の電動装置に適用することができ、共通化の程度を高めることが容易となる。さらに、切換回路を用いて動的に蓄電部の直列数を変化させて出力波形を変化させることができるので、電動装置毎に要求される電圧波形に適合させることが可能となり、共通化の程度を高めることが容易となる。
【0008】
また、前記正側経路部は、前記蓄電部と、前記正側経路部の電流経路に前記蓄電部を加入させる前記加入状態と前記正側経路部の電流経路から前記蓄電部を離脱させる前記離脱状態とを含む接続状態を切り換える前記切換回路とを含み、前記負側経路部は、前記蓄電部と、前記負側経路部の電流経路に前記蓄電部を加入させる前記加入状態と前記負側経路部の電流経路から前記蓄電部を離脱させる前記離脱状態とを含む接続状態を切り換える前記切換回路とを含むことが好ましい。
【0009】
この構成によれば、各電池モジュールの正側経路部と負側経路部の両方に蓄電部が設けられるので、蓄電部の直列数を増大させることが容易である。
【0010】
また、前記各電池モジュールは、前記各電池モジュールの前記第一端部側に設けられた第一通信端子と、前記各電池モジュールの前記第二端部側に設けられた第二通信端子とをさらに備え、前記複数の電池モジュールが連結された状態で、互いに隣接する前記電池モジュール相互間で、一方の前記第一通信端子と他方の前記第二通信端子が、それぞれ電気的に接続され、前記各電池モジュールは、前記第一通信端子又は前記第二通信端子から得られた制御情報に応じて前記切換回路による前記接続状態を切り換えさせるモジュール内制御部をさらに備えることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、電池列の第一端部に設けられた第一通信端子、又は電池列の第二端部に設けられた第二通信端子へ、制御信号を入力することによって、各電池モジュールの接続状態の切り換えを制御することが可能となる。
【0012】
また、前記各電池モジュールに対する前記制御情報を前記電池列における前記複数の電池モジュールの連結順に連結した第一信号を、前記第一端部に位置する前記電池モジュールの前記第一通信端子へ出力する制御部をさらに備え、前記モジュール内制御部は、自己の前記電池モジュールにおける前記第一通信端子から得られた前記第一信号の一端に連結された前記制御情報を自己に対する前記制御情報として取得し、前記第一信号から前記自己に対する前記制御情報を削除した残余の信号を新たな第一信号として自己の前記電池モジュールにおける前記第二通信端子へ出力することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、制御部は、各電池モジュールに対する制御情報を、複数の電池モジュールの連結順に連結して第一端部に位置する電池モジュールの第一通信端子へ出力するだけでよく、送信先の電池モジュールの通信アドレスが不要である。従って、電池モジュールの増減や入れ替えを行う場合であっても、各電池モジュールに通信アドレスを設定する必要がない。
【0014】
また、前記各電池モジュールは、前記各電池モジュールの前記第二端部側に設けられた第三通信端子と、前記各電池モジュールの前記第一端部側に設けられた第四通信端子とをさらに備え、前記モジュール内制御部は、自己の前記電池モジュールにおける前記第三通信端子から得られた第二信号の一端に、自己の前記電池モジュールに関するモジュール情報を連結して新たな第二信号として自己の前記電池モジュールにおける前記第四通信端子へ出力することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、各電池モジュールのモジュール情報が、各電池モジュールの連結順に連結された第二信号が、電池列における第一端部の第四通信端子から出力される。従って、送信先の電池モジュールに通信アドレスを設定しなくても、第二信号から、各電池モジュールのモジュール情報を正しく取得することが可能となる。その結果、電池モジュールの増減や入れ替えを行う場合であっても、各電池モジュールに通信アドレスを設定する必要がない。
【0016】
また、前記モジュール内制御部は、自己の前記電池モジュールにおける前記第二通信端子から得られた第二信号の一端に、自己の前記電池モジュールに関するモジュール情報を連結して新たな第二信号として自己の前記電池モジュールにおける前記第一通信端子へ出力することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、送受信用の通信端子を兼用することができる。
【0018】
また、前記各電池モジュールに対する前記制御情報を前記電池列における前記複数の電池モジュールの連結順に連結した第一信号を、前記第二端部に位置する前記電池モジュールの前記第二通信端子へ出力する制御部をさらに備え、前記モジュール内制御部は、自己の前記電池モジュールにおける前記第二通信端子から得られた前記第一信号の一端に連結された前記制御情報を自己に対する前記制御情報として取得し、前記第一信号から前記自己に対する前記制御情報を削除した残余の信号を新たな第一信号として自己の前記電池モジュールにおける前記第一通信端子へ出力することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、制御部は、各電池モジュールに対する制御情報を、複数の電池モジュールの連結順に連結して第二端部に位置する電池モジュールの第二通信端子へ出力するだけでよく、送信先の電池モジュールの通信アドレスが不要である。従って、電池モジュールの増減や入れ替えを行う場合であっても、各電池モジュールに通信アドレスを設定する必要がない。
【0020】
また、前記各電池モジュールは、前記各電池モジュールの前記第二端部側に設けられた第三通信端子と、前記各電池モジュールの前記第一端部側に設けられた第四通信端子とをさらに備え、前記モジュール内制御部は、自己の前記電池モジュールにおける前記第四通信端子から得られた第二信号の一端に、自己の前記電池モジュールに関するモジュール情報を連結して新たな第二信号として自己の前記電池モジュールにおける前記第三通信端子へ出力することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、各電池モジュールのモジュール情報が、各電池モジュールの連結順に連結された第二信号が、電池列における第二端部の第三通信端子から出力される。従って、送信先の電池モジュールに通信アドレスを設定しなくても、第二信号から、各電池モジュールのモジュール情報を正しく取得することが可能となる。その結果、電池モジュールの増減や入れ替えを行う場合であっても、各電池モジュールに通信アドレスを設定する必要がない。
【0022】
また、前記モジュール内制御部は、自己の前記電池モジュールにおける前記第一通信端子から得られた第二信号の一端に、自己の前記電池モジュールに関するモジュール情報を連結して新たな第二信号として自己の前記電池モジュールにおける前記第二通信端子へ出力することが好ましい。
【0023】
この構成によれば、送受信用の通信端子を兼用することができる。
【0024】
また、前記端部モジュールは、前記第三正端子と前記第三負端子との間に介設されるインダクタと、前記インダクタの中点と導通する中間接続端子とをさらに備えることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、電池パックシステムを、インバータ回路として動作させることが可能となる。
【0026】
また、複数の前記電池列を備え、前記複数の電池列を並列接続するための並列化モジュールをさらに備え、前記並列化モジュールは、前記電池列毎に設けられ、前記第一端部に位置する前記電池モジュールの前記第一正端子に接続される第一正接続端子と、前記第一端部に位置する前記電池モジュールの前記第一負端子に接続される第一負接続端子と、前記第一正接続端子と導通する正出力端子及び正並列端子と、前記第一負接続端子と導通する負出力端子及び負並列端子とを備え、前記第一正接続端子及び前記第一負接続端子は、前記並列化モジュールにおける、前記電池列の列方向と直交する方向の外面に位置し、前記正並列端子及び前記負並列端子は、前記並列化モジュールにおける、前記第一正接続端子及び前記第一負接続端子とは反対側の外面に位置することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、並列化モジュールが連結された複数の電池列を、電池列の列方向と直交する方向に連結することによって、複数の電池列を並列接続することが可能となる。その結果、電池パックシステムの電流容量を増大させることができる。
【0028】
また、前記並列化モジュールは、前記第一正接続端子及び前記第一負接続端子から得られた電圧を平滑化するフィルタをさらに備えることが好ましい。
【0029】
この構成によれば、各電池列の出力電圧がフィルタによって平滑化されるので、並列接続された複数の電池列相互間で、瞬間的に生じる出力電圧の差異が低減される。その結果、電池列相互間での瞬時的な電流の入出力を低減することができる。
【0030】
また、前記各電池モジュールは、前記蓄電部を複数含み、前記切換回路は、前記蓄電部毎に、前記接続状態を切り換えることが好ましい。
【0031】
この構成によれば、各電池モジュールに蓄電部が複数含まれているので、電池パックシステム全体の蓄電部の直列数を増大させることが容易である。
【0032】
また、本発明に係る電池モジュールは、上述の電池パックシステムに用いられる前記電池モジュールである。
【0033】
この構成によれば、上述の電池パックシステムによって共通化の程度を高めることが容易となる。
【0034】
また、本発明に係る端部モジュールは、上述の電池パックシステムに用いられる前記端部モジュールである。
【0035】
この構成によれば、上述の電池パックシステムによって共通化の程度を高めることが容易となる。
【0036】
また、本発明に係る並列化モジュールは、上述の電池パックシステムに用いられる前記並列化モジュールである。
【0037】
この構成によれば、上述の電池パックシステムによって共通化の程度を高めることが容易となる。
【発明の効果】
【0038】
このような構成の電池パックシステム、電池モジュール、端部モジュール、及び並列化モジュールは、共通化の程度を高めることが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の一実施形態に係る電池パックシステムの外観の一例を概略的に示す斜視図である。
図2図1に示す電池モジュール、端部モジュール、及び並列化モジュールの外観を概略的に示す斜視図である。
図3図1に示す直列ブロックの電気的構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図4】単位モジュールの構成を説明するための概略的な回路図である。
図5】切換回路としてフルブリッジを用いた単位モジュールEMの一例を示す概念的な回路図である。
図6】第一シリアル信号の送受信動作の一例を説明するための説明図である。
図7】第二シリアル信号の送受信動作の一例を説明するための説明図である。
図8】直列ブロックの並列接続を説明するための説明図である。
図9図1に示す電池パックシステムの別の実施形態を示す概略的な斜視図である。
図10図9に示す電池パックシステムの概略回路図である。
図11図9に示す電池パックシステムの別の実施形態を示す概略的な斜視図である。
図12図11に示す電池パックシステムの概略回路図である。
図13図9に示す電池パックシステムの別の実施形態を示す概略的な斜視図である。
図14図13に示す電池パックシステムの概略回路図である。
図15図11に示す電池パックシステムの別の実施形態を示す概略的な斜視図である。
図16図15に示す電池パックシステムの概略回路図である。
図17図15に示す電池パックシステムの別の実施形態を示す概略的な斜視図である。
図18図17に示す電池パックシステムの概略回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。各図には、方向関係を明確にするために適宜XYZ直交座標軸を示している。図1は、本発明の一実施形態に係る電池パックシステムの外観の一例を概略的に示す斜視図である。
【0041】
図1に示す電池パックシステム1は、大略的に、複数の電池モジュール2と、複数の端部モジュール4と、複数の並列化モジュール5とを備えている。電池モジュール2、端部モジュール4、及び並列化モジュール5は、それぞれ略直方体形状の筐体を有している。
【0042】
複数の電池モジュール2は、X方向に沿って一列に連結され、電池列3を構成している。電池列3の+X側端部が第一端部31、電池列3の-X側端部が第二端部32とされている。すなわち、+X方向は第一端部31側、-X方向は第二端部32側となる。
【0043】
電池列3の第二端部32に端部モジュール4が連結され、電池列3の第一端部31に並列化モジュール5が連結されている。並列化モジュール5、電池列3、及び端部モジュール4が連結された直列ブロック11が、Y軸方向に複数連結されて電池パックシステム1が構成されている。電池モジュール2、端部モジュール4、及び並列化モジュール5は、互いに脱着可能とされている。
【0044】
図2は、図1に示す電池モジュール2、端部モジュール4、及び並列化モジュール5の外観を概略的に示す斜視図である。電池モジュール2の+X側外壁面には、第一正端子Tp1、第一負端子Tm1、第一通信端子Tc1、及び第四通信端子Tc4が設けられている。電池モジュール2の-X側外壁面には、第二正端子Tp2、第二負端子Tm2、第二通信端子Tc2、及び第三通信端子Tc3が設けられている。
【0045】
端部モジュール4の+X側外壁面には、第三正端子Tp3、第三負端子Tm3、第五通信端子Tc5、及び第六通信端子Tc6が設けられている。端部モジュール4の+Z側外壁面には、中間接続端子Tiが設けられている。なお、中間接続端子Tiが設けられるのは、+Z側外壁面に限られず、-Z側又は-X側外壁面であってもよい。
【0046】
並列化モジュール5の-X側外壁面には、第一正接続端子Tpc1、第一負接続端子Tmc1、第一通信接続端子Tcc1、及び第二通信接続端子Tcc2が設けられている。並列化モジュール5の、X方向と直交する方向の-Y側外壁面には、正出力端子Tpo及び負出力端子Tmoが設けられている。並列化モジュール5の、X方向と直交する方向であって、かつ正出力端子Tpo及び負出力端子Tmoとは反対側の+Y側外壁面には、正並列端子Tpp及び負並列端子Tmpが設けられている。なお、+Y側外壁面に正出力端子Tpo及び負出力端子Tmo、-Y側外壁面に正並列端子Tpp及び負並列端子Tmpが設けられていてもよい。
【0047】
複数の電池モジュール2が連結されると、互いに隣接する電池モジュール2相互間で、一方の第一正端子Tp1、第一負端子Tm1、第一通信端子Tc1、及び第四通信端子Tc4と、他方の第二正端子Tp2、第二負端子Tm2、第二通信端子Tc2、及び第三通信端子Tc3とが、それぞれ接続される。
【0048】
また、第二端部32に位置する電池モジュール2と端部モジュール4とが連結されると、第二端部32に位置する電池モジュール2の第二正端子Tp2、第二負端子Tm2、第二通信端子Tc2、及び第三通信端子Tc3と、端部モジュール4の第三正端子Tp3、第三負端子Tm3、第五通信端子Tc5、及び第六通信端子Tc6とが、それぞれ接続される。
【0049】
また、第一端部31に位置する電池モジュール2と並列化モジュール5とが連結されると、第一端部31に位置する電池モジュール2の第一正端子Tp1、第一負端子Tm1、第一通信端子Tc1、及び第四通信端子Tc4と、並列化モジュール5の第一正接続端子Tpc1、第一負接続端子Tmc1、第一通信接続端子Tcc1、及び第二通信接続端子Tcc2とが、それぞれ接続される。
【0050】
このように電池モジュール2と端部モジュール4と並列化モジュール5とが連結された直列ブロック11が、複数、Y方向に連結されると、互いに隣接する並列化モジュール5相互間で、一方の正出力端子Tpo及び負出力端子Tmoと、他方の正並列端子Tpp及び負並列端子Tmpとが、それぞれ接続される。
【0051】
図3は、図1に示す直列ブロック11の電気的構成の一例を概略的に示すブロック図である。各電池モジュール2は、その筐体内に、第一正端子Tp1と第二正端子Tp2との間に電流を流すための正側経路部21と、第二負端子Tm2と第一負端子Tm1との間に電流を流すための負側経路部22と、モジュール内制御部23とを備えている。
【0052】
正側経路部21及び負側経路部22は、それぞれ、複数の単位モジュールEMを含んでいる。単位モジュールEMは、端子T1(第一端子)と端子T2(第二端子)とを備えている。
【0053】
正側経路部21内の複数の単位モジュールEMは、直列接続され、互いに隣接する単位モジュールEM間で、高電位側の単位モジュールEMの端子T2が、低電位側の単位モジュールEMの端子T1に接続されている。最も高電位側の単位モジュールEMの端子T1は第一正端子Tp1に接続され、最も低電位側の単位モジュールEMの端子T2は第二正端子Tp2に接続されている。これにより、正側経路部21は、第一正端子Tp1から第二正端子Tp2に至る電流経路を構成する。
【0054】
負側経路部22は、最も高電位側の単位モジュールEMの端子T1が第二負端子Tm2に接続され、最も低電位側の単位モジュールEMの端子T2が第一負端子Tm1に接続される点を除いて、正側経路部21と同様に構成されている。これにより、負側経路部22は、第二負端子Tm2から第一負端子Tm1に至る電流経路を構成する。
【0055】
なお、正側経路部21内の単位モジュールEMの数、すなわち蓄電部B1の数は、一つであってもよく、負側経路部22内の単位モジュールEMの数、すなわち蓄電部B1の数は、一つであってもよい。
【0056】
図4は、単位モジュールEMの構成を説明するための概略的な回路図である。単位モジュールEMは、端子T1,T2、電荷を蓄える蓄電部B1、端子T1及び端子T2への蓄電部B1の電気的な接続状態を切り換えるスイッチング素子SW1,SW2(切換回路)を含んでいる。スイッチング素子SW1,SW2は、切換回路の一例であり、図4に示す例では、ハーフブリッジを構成している。
【0057】
具体的には、蓄電部B1とスイッチング素子SW1とが直列接続され、蓄電部B1とスイッチング素子SW1の直列回路と並列にスイッチング素子SW2が接続されている。スイッチング素子SW1とスイッチング素子SW2の接続点が端子T1に接続され、スイッチング素子SW2と蓄電部B1の接続点が端子T2に接続されている。
【0058】
端子T1は、自モジュールよりも高電位側の単位モジュールEMの端子T2に接続され、端子T2は、自モジュールよりも低電位側の単位モジュールEMの端子T1に接続される。これにより、複数の単位モジュールEMが直列接続されている。
【0059】
スイッチング素子SW1,SW2としては、種々のスイッチング素子を用いることができ、例えばトランジスタ等の半導体スイッチング素子を好適に用いることができる。スイッチング素子SW1,SW2は、モジュール内制御部23からの制御信号に応じてオン、オフする。
【0060】
蓄電部B1としては、種々の二次電池を好適に用いることができ、単電池に限られず、複数の二次電池を組み合わせた組電池を蓄電部B1として用いてもよい。
【0061】
符号Aで示す単位モジュールEMの蓄電部B1は、接続状態が加入状態とされており、符号Bで示す単位モジュールEMの蓄電部B1は、接続状態が離脱状態とされている。加入状態ではスイッチング素子SW1がオン、スイッチング素子SW2がオフすることにより、正側経路部21、負側経路部22の電流経路に蓄電部B1が加入する。離脱状態ではスイッチング素子SW1がオフ、スイッチング素子SW2がオンすることにより、正側経路部21、負側経路部22の電流経路から蓄電部B1が離脱する。
【0062】
なお、単位モジュールEMは切換回路としてフルブリッジを用いてもよい。図5は、切換回路としてフルブリッジを用いた単位モジュールEMの一例を示す概念的な回路図である。図5に示すフルブリッジの単位モジュールEMは、図4に示すハーフブリッジの単位モジュールEMに加えて、さらにスイッチング素子SW3,SW4を備える。スイッチング素子SW3,SW4としては、スイッチング素子SW1,SW2と同様のスイッチング素子を用いることができる。
【0063】
具体的には、スイッチング素子SW3,SW4の直列回路がスイッチング素子SW1,SW2の直列回路と並列に接続されている。スイッチング素子SW1,SW2の接続点が端子T1に接続され、スイッチング素子SW3,SW4の接続点が端子T2に接続されている。
【0064】
図5に示すフルブリッジの単位モジュールEMは、符号Aで示す加入状態、符号Bで示す離脱状態に加えて、符号Cで示す反転状態とすることができる。反転状態の単位モジュールEMでは、蓄電部B1が、極性を反転させて接続される。
【0065】
加入状態ではスイッチング素子SW1,SW4がオン、スイッチング素子SW2,SW3がオフする。離脱状態ではスイッチング素子SW1,SW3がオフ、スイッチング素子SW2,SW4がオンする。反転状態ではスイッチング素子SW1,SW4がオフ、スイッチング素子SW2,SW3がオンする。なお、離脱状態ではスイッチング素子SW1,SW3をオン、スイッチング素子SW2,SW4をオフさせてもよい。
【0066】
モジュール内制御部23は、例えば、所定の論理演算を実行するCPU(Central Processing Unit)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、不揮発性の記憶装置、シリアル通信回路、及びこれらの周辺回路等を備えて構成され、所定のプログラムを実行することによって動作する。
【0067】
モジュール内制御部23は、第一通信端子Tc1から得られた制御情報に応じてスイッチング素子SW1,SW2をオンオフさせ、自電池モジュール2内の各単位モジュールEMにおける接続状態を切り換える。以下、モジュール内制御部23が、スイッチング素子SW1,SW2を制御して加入状態及び離脱状態を含む接続状態を制御すること、又はスイッチング素子SW1~SW4を制御して加入状態、離脱状態、及び反転状態を含む接続状態を制御することを、単に、接続状態を制御する、と記載する。
【0068】
端部モジュール4は、その筐体内に、インダクタL1,L2と、端部制御部41と、電流センサ42とを備えている。インダクタL1の一端は第三正端子Tp3に接続され、インダクタL1の他端はインダクタL2の一端に接続され、インダクタL2の他端は第三負端子Tm3に接続されている。すなわち、インダクタL1,L2は、第三正端子Tp3と第三負端子Tm3との間に介設されている。
【0069】
インダクタL1,L2の接続点、すなわちインダクタL1,L2の中点は、中間接続端子Tiと導通接続されている。なお、インダクタL1,L2の代わりにセンタータップ付リアクトルを用い、センタータップを中間接続端子Tiと接続してもよい。
【0070】
端部モジュール4がインダクタL1,L2を備えることによって、電池パックシステム1を、インバータ回路として動作させることが可能となる。なお、端部モジュール4は、インダクタL1,L2及び中間接続端子Tiを備えていなくてもよく、第三正端子Tp3と第三負端子Tm3とが短絡されていてもよい。
【0071】
電流センサ42は、電池列3に流れる電流を検出し、その電流値を端部制御部41へ出力する。
【0072】
端部制御部41は、例えば、所定の論理演算を実行するCPU、データを一時的に記憶するRAM、不揮発性の記憶装置、シリアル通信回路、及びこれらの周辺回路等を備えて構成され、所定のプログラムを実行することによって動作する。
【0073】
端部制御部41は、電流センサ42で検出された電流値を、第二シリアル信号SS2(第二信号)として第六通信端子Tc6へ送信する。第二シリアル信号SS2の送受信動作については後述する。
【0074】
並列化モジュール5は、その筐体内に、制御部51と、フィルタ52とを備えている。フィルタ52は、第一正端子Tp1と正出力端子Tpoとの間に介設されるインダクタLと、正出力端子Tpoと負出力端子Tmoとの間に介設されるキャパシタCとを含む、いわゆるLCフィルタである。正並列端子Tppは正出力端子Tpoと導通接続され、負並列端子Tmpは負出力端子Tmoと導通接続されている。
【0075】
制御部51は、例えば、所定の論理演算を実行するCPU、データを一時的に記憶するRAM、不揮発性の記憶装置、シリアル通信回路、及びこれらの周辺回路等を備えて構成され、所定のプログラムを実行することによって動作する。
【0076】
制御部51は、各電池モジュール2及び端部モジュール4に対する制御情報を、直列ブロック11における複数の電池モジュール2及び端部モジュール4の連結順に連結した第一シリアル信号SS1(第一信号)を、第一通信接続端子Tcc1を介して第一端部31に位置する電池モジュール2の第一通信端子Tc1へ出力する。第一シリアル信号SS1の送受信動作については後述する。
【0077】
なお、第一信号の一例として第一シリアル信号SS1、第二信号の一例として第二シリアル信号SS2を示したが、第一信号及び第二信号は、パラレル信号であってもよい。また、第一通信端子Tc1乃至第六通信端子Tc6、および第一通信接続端子Tcc1、および第二通信接続端子Tcc2は、導体同士が接触するコネクタとして構成されてもよい。または、電波や光等の非接触の手段により一対一で接続されるように構成されてもよい。
【0078】
以上のように構成された複数の電池モジュール2、端部モジュール4、及び並列化モジュール5が連結されると、すべての電池モジュール2における加入状態の蓄電部B1が、インダクタL1,L2を介して直列接続され、その蓄電部B1の出力電圧の合計が、正出力端子Tpoと負出力端子Tmoとの間に、電池パックシステム1の出力電圧Voutとして出力される。
【0079】
電池パックシステム1は、連結される電池モジュール2の数を増減することができるので、電気自動車等の電動装置毎に要求される電圧に応じて電池モジュール2の数を増減することによって、出力電圧Voutを変化させることができる。従って、電池パックシステム1は、種々の電動装置に適用することができ、共通化の程度を高めることが容易となる。
【0080】
さらに、制御情報を用いて加入状態の蓄電部B1の数を動的に変化させることができるので、蓄電部B1の充電状態や出力電圧に応じて出力電圧Voutを微調整することが可能となる。さらに、端部モジュール4が、インダクタL1,L2と中間接続端子Tiとを備える構成とした場合には、電池パックシステム1をインバータ回路として動作させ、電池パックシステム1を二つ用いて中間接続端子Tiから単相交流電圧を出力し、電池パックシステム1を三つ用いて中間接続端子Tiから三相交流電圧を出力することが可能となる。
【0081】
図6は、第一シリアル信号SS1の送受信動作の一例を説明するための説明図である。図6では、第一端部31に位置する電池モジュール2を電池モジュール2(1)、電池モジュール2(1)に隣接する電池モジュール2を電池モジュール2(2)、電池モジュール2(2)に隣接し、第二端部32に位置する電池モジュール2を電池モジュール2(3)と記載する。また、電池モジュール2(1)に対する制御情報をD1、電池モジュール2(2)に対する制御情報をD2、電池モジュール2(3)に対する制御情報をD3、端部モジュール4に対する制御情報をD4と記載している。
【0082】
まず、制御部51は、各電池モジュール2及び端部モジュール4に対する制御情報D1~D4を、各電池モジュール2及び端部モジュール4の連結順に連結した第一シリアル信号SS1を、第一通信接続端子Tcc1から電池モジュール2(1)へ送信する。図6では、並列化モジュール5から近い順の連結順に制御情報D1~D4を連結する例を示したが、並列化モジュール5から遠い順の連結順に制御情報D1~D4を連結してもよい。
【0083】
電池モジュール2(1)のモジュール内制御部23は、電池モジュール2(1)の第一通信端子Tc1から得られた第一シリアル信号SS1の一端、例えば先頭に連結された制御情報D1を取得し、第一シリアル信号SS1から制御情報D1を削除した残余の制御情報D2~D4を新たな第一シリアル信号SS1として電池モジュール2(1)の第二通信端子Tc2から電池モジュール2(2)へ出力する。
【0084】
電池モジュール2(1)のモジュール内制御部23は、このようにして得られた制御情報D1に基づいて、電池モジュール2(1)内の各蓄電部B1の接続状態を制御する。
【0085】
電池モジュール2(2),2(3)のモジュール内制御部23は、電池モジュール2(1)のモジュール内制御部23と同様、自己の電池モジュール2の第一通信端子Tc1から得られた第一シリアル信号SS1の先頭に連結された自己の制御情報を取得し、第一シリアル信号SS1から自己の制御情報を削除した残余の制御情報を新たな第一シリアル信号SS1として自己の電池モジュール2の第二通信端子Tc2から出力する。
【0086】
また、電池モジュール2(2),2(3)のモジュール内制御部23は、このようにして得られた自己の制御情報に基づいて、電池モジュール2(2),2(3)内の各蓄電部B1の接続状態を制御する。
【0087】
制御部51が、並列化モジュール5から遠い順の連結順に制御情報D1~D4を連結した場合には、電池モジュール2(1)~2(3)は、第一通信端子Tc1から得られた第一シリアル信号SS1の末端に連結された制御情報を自己の制御情報として取得すればよい。
【0088】
このように、制御部51は、制御情報D1~D4を、各電池モジュール2及び端部モジュール4の連結順に連結した第一シリアル信号SS1を送信することによって、各電池モジュール2及び端部モジュール4を制御することができるので、各電池モジュール2及び端部モジュール4にアドレスを設定する必要がない。従って、電池モジュール2を増減したり入れ替えたりした場合であっても、各電池モジュール2にアドレスを設定する必要がないので、電気自動車等の電動装置毎に要求される電圧に応じて電池モジュール2の数を増減することが容易となる。
【0089】
図7は、第二シリアル信号SS2の送受信動作の一例を説明するための説明図である。図7では、電池モジュール2(1)に関するモジュール情報をM1、電池モジュール2(2)に関するモジュール情報をM2、電池モジュール2(3)に関するモジュール情報をM3、端部モジュール4に関するモジュール情報をM4と記載している。
【0090】
まず、端部モジュール4の端部制御部41は、例えば電流センサ42によって検出された電流値を、端部モジュール4に関するモジュール情報M4として第六通信端子Tc6から電池モジュール2(3)へ送信する。
【0091】
次に、電池モジュール2(3)のモジュール内制御部23は、電池モジュール2(3)における第三通信端子Tc3から得られた第二シリアル信号SS2の一端、例えば末端に、電池モジュール2(3)に関するモジュール情報M3を連結して新たな第二シリアル信号SS2として電池モジュール2(3)の第四通信端子Tc4から電池モジュール2(2)へ出力する。
【0092】
モジュール内制御部23は、例えば電池モジュール2(3)内の、各蓄電部B1の端子電圧や、各蓄電部B1のSOC(State Of Charge)等を、モジュール情報M3とすることができる。各蓄電部B1の端子電圧は、例えば各単位モジュールEMに、図略の電圧検出回路を設けることによって、検出することができる。
【0093】
各蓄電部B1のSOCは、例えば離脱状態の蓄電部B1の開放端電圧を検出し、開放端電圧とSOCとの関係を示す開放端電圧-SOC特性テーブルを参照することによって、各蓄電部B1の開放端電圧から取得してもよい。
【0094】
あるいは、各蓄電部B1に流れる電流を検出する図略の電流検出回路を備え、各蓄電部B1に流れる電流を、充電方向の電流値をプラス、放電方向の電流値をマイナスとして積算し、各蓄電部B1の満充電容量に対する電流積算値の比率から各蓄電部B1のSOCを算出してもよい。
【0095】
電池モジュール2(2),2(1)のモジュール内制御部23は、電池モジュール2(3)のモジュール内制御部23と同様、自己の電池モジュール2における第三通信端子Tc3から得られた第二シリアル信号SS2の末端に、自己の電池モジュール2に関するモジュール情報を連結して新たな第二シリアル信号SS2とし、自己の電池モジュール2の第四通信端子Tc4へ出力する。
【0096】
なお、電池モジュール2(1)~2(3)は、第二シリアル信号SS2の先頭に、自己の電池モジュール2に関するモジュール情報を連結して新たな第二シリアル信号SS2としてもよい。
【0097】
このようにしてモジュール情報M1~M4が連結された第二シリアル信号SS2が、第二通信接続端子Tcc2で受信され、並列化モジュール5の制御部51によって、モジュール情報M1~M4が取得される。
【0098】
この構成によれば、第二シリアル信号SS2におけるモジュール情報M1~M4の連結順によって、各モジュール情報がどの電池モジュール2及び端部モジュール4のモジュール情報かを特定することができる。従って、各電池モジュール2及び端部モジュール4にアドレスを設定する必要がない。その結果、電池モジュール2を増減したり入れ替えたりした場合であっても、各電池モジュール2にアドレスを設定する必要がないので、電気自動車等の電動装置毎に要求される電圧に応じて電池モジュール2の数を増減することが容易となる。
【0099】
また、制御部51は、第二シリアル信号SS2を受信することによって、各電池モジュール2及び端部モジュール4に関するモジュール情報M1~M4を取得することができる。そして、制御部51は、モジュール情報M1~M4に基づき制御情報D1~D4を第一シリアル信号SS1として送信することによって、各電池モジュール2における蓄電部B1の接続状態を制御することができる。
【0100】
その結果、制御部51は、各電池モジュール2における各単位モジュールEMの出力を、個別に制御することができるので、電池パックシステム1を、いわゆるモジュラーマルチレベル変換器(MMC:Modular Multilevel Converter)として動作させることができる。さらに、MMCは原理的に蓄電部B1の電圧幅のステップでしか出力電圧Voutを変化させることができないが、PWM(Pulse Width Modulation)制御技術と組み合わせることで、ステップの中間の電圧も出力電圧Voutとして出力可能になる。
【0101】
また、各蓄電部B1の、SOC、温度、連続通電時間、連続休止時間等をモジュール情報とすれば、制御部51は、これらの情報に基づき各蓄電部B1毎に接続状態の制御内容を決定することによって、電池パックシステム1を安定動作させたり蓄電部B1の劣化を低減させたりすることが可能となる。
【0102】
なお、第三通信端子Tc3の代わりに第二通信端子Tc2を用い、第四通信端子Tc4の代わりに第一通信端子Tc1を用い、第一通信端子Tc1及び第二通信端子Tc2を送受信に兼用することによって、第四通信端子Tc4及び第三通信端子Tc3を備えない構成としてもよい。
【0103】
次に、直列ブロック11の並列接続について説明する。図8は、直列ブロック11の並列接続を説明するための説明図である。図8では、フィルタ52、インダクタL1,L2、及び中間接続端子Tiの記載を省略している。
【0104】
図1に示すように複数の直列ブロック11がY軸方向に連結されると、図8に示すように、Y方向に互いに隣接する並列化モジュール5相互間で、一方の正出力端子Tpo及び負出力端子Tmoと、他方の正並列端子Tpp及び負並列端子Tmpとが、それぞれ接続される。
【0105】
その結果、複数の直列ブロック11が並列接続される。これにより、正出力端子Tpo、負出力端子Tmo間に出力される電流容量を増大させることができる。このように、並列化モジュール5を用いることによって、並列接続する直列ブロック11の数を容易に増減することができる。その結果、電池パックシステム1の電流容量を、容易に変化させることができる。従って、電池パックシステム1は、電気自動車等の電動装置毎に要求される電流に応じた電流容量とすることが容易である。
【0106】
また、複数の直列ブロック11を並列接続し、各直列ブロック11の単位モジュールEMをMMC制御等によりスイッチング動作させると、直列ブロック11相互間で出力電圧の瞬時値に差異が生じる。そうすると、直列ブロック11相互間で瞬時的な電流の入出力が繰り返し発生し、好ましくない。そこで、並列化モジュール5にフィルタ52を設け、各直列ブロック11の出力電圧を平滑することによって、直列ブロック11相互間での瞬時的な電流の入出力を低減することができる。
【0107】
なお、必ずしも並列化モジュール5にフィルタ52を設ける必要はない。並列化モジュール5にフィルタ52を設ける代わりに、各直列ブロック11の出力電圧を制御部51によるPWM制御により電圧ステップの中間電圧を出力し、かつ電圧ステップを十分に小さくすることによって直列ブロック11相互間での出力電圧差を低減してもよい。これにより、並列化モジュール5のフィルタ52を不要とすることが可能となる。しかしながら、蓄電部B1を、複数の電池セルを組み合わせた電池モジュールにより構成した場合等、電圧ステップを小さくすることが難しい。従って、フィルタ52を備えることが、より好ましい。
【0108】
また、並列化モジュール5が制御部51を備える例に限らない。並列化モジュール5の外部に制御部を設けてもよく、単一の制御部によって、複数の直列ブロック11を制御してもよい。
【0109】
また、端部制御部41に制御部51を備えてもよい。端部制御部41に制御部51を備えた場合、制御部51は、第一シリアル信号SS1を、第五通信端子Tc5を介して第二端部32に位置する電池モジュール2の第二通信端子Tc2へ出力すればよく、各電池モジュール2のモジュール内制御部23は、第二通信端子Tc2から得られた第一シリアル信号SS1から自モジュールの制御情報を取得し、その制御情報を削除した残余の制御情報を新たな第一シリアル信号SS1として第一通信端子Tc1から出力すればよい。
【0110】
同様に、端部制御部41に制御部51を備えた場合、各電池モジュール2のモジュール内制御部23は、第四通信端子Tc4から得られた第二シリアル信号SS2の一端に、自己の電池モジュール2に関するモジュール情報を連結して新たな第二シリアル信号SS2として第三通信端子Tc3へ出力し、制御部51は、第六通信端子Tc6で受信された第二シリアル信号SS2を取得すればよい。
【0111】
また、電池パックシステム1は、制御部51を備えていなくてもよく、電池パックシステム1の外部に制御部51が設けられていてもよい。
【0112】
図9は、図1に示す電池パックシステム1の別の実施形態を示す概略的な斜視図である。図9に示す電池パックシステム1aは、電池パックシステム1とは、直列ブロック11aを二列備える点、及び各直列ブロック11aにおける第一端部31の第一負端子Tm1同士が、負極バスバーBB1によって短絡される点で異なる。また、電池パックシステム1aは、制御部51を備えず、電池パックシステム1aの外部に設けられた制御部51が各直列ブロック11aの第一端部31の第一通信端子Tc1及び第四通信端子Tc4に接続される。これにより、外部の制御部51によって、電池パックシステム1aが制御される例を示している。
【0113】
直列ブロック11aは、並列化モジュール5を備えず、直列ブロック11における端部モジュール4の代わりに端部モジュール4aを備える。端部モジュール4aは、端部モジュール4とは、インダクタL1,L2及び中間接続端子Tiを備えず、第三正端子Tp3と第三負端子Tm3とが短絡されている点で異なる。
【0114】
図10は、図9に示す電池パックシステム1aの概略回路図である。図10では、モジュール内制御部23、端部制御部41、及び通信に関する回路の記載を省略している。電池パックシステム1aによれば、図10に示す各単位モジュールEMの接続状態を適宜制御することによって、第一端部31の二つの第一正端子Tp1間に、単相交流電圧を出力することが可能となる。
【0115】
図11は、図9に示す電池パックシステム1aの別の実施形態を示す概略的な斜視図である。図11に示す電池パックシステム1bは、電池パックシステム1aとは、直列ブロック11aの代わりに直列ブロック11bを備える点、及び、負極バスバーBB1に加えて、各直列ブロック11bにおける第一端部31の第一正端子Tp1同士が、正極バスバーBB2によって短絡される点で異なる。
【0116】
直列ブロック11bは、直列ブロック11aとは、端部モジュール4aの代わりに端部モジュール4を備える点で異なる。
【0117】
図12は、図11に示す電池パックシステム1bの概略回路図である。図12では、モジュール内制御部23、端部制御部41、及び通信に関する回路の記載を省略している。電池パックシステム1bによれば、図12に示す通り、いわゆるインバータ回路を構成することができる。従って、各単位モジュールEMの接続状態をMMC制御することによって、電池パックシステム1bをインバータ回路として動作させ、二つの中間接続端子Ti間に、単相交流電圧を出力することが可能となる。
【0118】
図13は、図9に示す電池パックシステム1aの別の実施形態を示す概略的な斜視図である。図13に示す電池パックシステム1cは、電池パックシステム1aとは、直列ブロック11aを、三つY方向に連結する点、及び、三つの直列ブロック11aにおける第一端部31の第一負端子Tm1同士が、負極バスバーBB1によって短絡される点で異なる。
【0119】
図14は、図13に示す電池パックシステム1cの概略回路図である。図13では、モジュール内制御部23、端部制御部41、及び通信に関する回路の記載を省略している。電池パックシステム1cによれば、図13に示す各単位モジュールEMの接続状態を適宜制御することによって、第一端部31の三つの第一正端子Tp1間に、三相交流電圧を出力することが可能となる。
【0120】
図15は、図11に示す電池パックシステム1bの別の実施形態を示す概略的な斜視図である。図15に示す電池パックシステム1dは、電池パックシステム1bとは、直列ブロック11bを、三つY方向に連結する点、及び、第一端部31の三つの第一負端子Tm1同士が負極バスバーBB1によって短絡され、第一端部31の三つの第一正端子Tp1同士が正極バスバーBB2によって短絡される点で異なる。
【0121】
図16は、図15に示す電池パックシステム1dの概略回路図である。図15では、モジュール内制御部23、端部制御部41、及び通信に関する回路の記載を省略している。電池パックシステム1dによれば、図16に示す通り、いわゆる三相インバータ回路を構成することができる。従って、各単位モジュールEMの接続状態をMMC制御することによって、電池パックシステム1dを三相インバータ回路として動作させ、三つの中間接続端子Ti間に、三相交流電圧を出力することが可能となる。
【0122】
図17は、図15に示す電池パックシステム1dの別の実施形態を示す概略的な斜視図である。図17に示す電池パックシステム1eは、電池パックシステム1bにおける三つの直列ブロック11bのうち一つを、直列ブロック11cで置き換える点で異なる。
【0123】
直列ブロック11cは、直列ブロック11aにおける電池モジュール2を、電池モジュール2aで置き換える点で異なる。電池モジュール2aは、電池モジュール2とは、蓄電部B1の代わりに蓄電部B2を用いる点で異なる。蓄電部B2は、蓄電部B1よりも、蓄電容量が大きく、電流定格が小さい。
【0124】
図18は、図17に示す電池パックシステム1eの概略回路図である。図18では、モジュール内制御部23、端部制御部41、及び通信に関する回路の記載を省略している。電池パックシステム1eによれば、図18に示す通り、複数の直列ブロック11bから構成されたインバータ回路に対し、蓄電部B1よりも蓄電容量が大きい蓄電部B2を備えた直列ブロック11cが並列接続される。
【0125】
これにより、電流定格の大きな蓄電部B1を用いたインバータ回路によって、複数の中間接続端子Ti間に高電流を出力可能としつつ、蓄電容量が大きい蓄電部B2を備えた直列ブロック11cから、インバータ回路へエネルギーを供給することが可能となる。さらに直列ブロック11bを一つ追加することで、三相交流電圧に対応することも可能である。
【0126】
電流定格と蓄電容量が共に大きな電池は入手が困難である。一方、電流定格が大きく蓄電容量の小さな蓄電部B1や、電流定格が小さく蓄電容量の大きな蓄電部B2は、電流定格と蓄電容量が共に大きな電池よりも入手が容易である。従って、電流定格と蓄電容量が共に大きな電池を用いるよりも、蓄電部B1,B2を組み合わせる電池パックシステム1eを構成することは容易である。
【符号の説明】
【0127】
1,1a,1b,1c,1d,1e 電池パックシステム
2,2a 電池モジュール
3 電池列
4,4a 端部モジュール
5 並列化モジュール
11,11a,11b,11c 直列ブロック
21 正側経路部
22 負側経路部
23 モジュール内制御部
31 第一端部
32 第二端部
41 端部制御部
42 電流センサ
51 制御部
52 フィルタ
B1,B2 蓄電部
BB1 負極バスバー
BB2 正極バスバー
C キャパシタ
D1~D4 制御情報
EM 単位モジュール
L,L1,L2 インダクタ
M1~M4 モジュール情報
SS1 第一シリアル信号(第一信号)
SS2 第二シリアル信号(第二信号)
SW1~SW4 スイッチング素子
T1,T2 端子
Tc1 第一通信端子
Tc2 第二通信端子
Tc3 第三通信端子
Tc4 第四通信端子
Tc5 第五通信端子
Tc6 第六通信端子
Tcc1 第一通信接続端子
Tcc2 第二通信接続端子
Ti 中間接続端子
Tm1 第一負端子
Tm2 第二負端子
Tm3 第三負端子
Tmc1 第一負接続端子
Tmo 負出力端子
Tmp 負並列端子
Tp1 第一正端子
Tp2 第二正端子
Tp3 第三正端子
Tpc1 第一正接続端子
Tpo 正出力端子
Tpp 正並列端子
Vout 出力電圧
図1
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