(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000672
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】意匠カバー、照明装置および照明装置の取付方法
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20231226BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20231226BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231226BHJP
F21V 21/03 20060101ALI20231226BHJP
F21V 29/83 20150101ALI20231226BHJP
F21V 29/77 20150101ALI20231226BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20231226BHJP
F21W 131/10 20060101ALN20231226BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231226BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V15/01 360
F21S2/00 612
F21V21/03 150
F21V29/83
F21V29/77
F21V29/503
F21W131:10
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099505
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鶴留 和幸
(57)【要約】
【課題】照明器具の取付作業時の視認性および作業性を向上させ、作業員の作業負荷の低減を図る意匠カバー、照明装置および照明装置の取付方法を得る。
【解決手段】意匠カバーは、被取付部に設置された吊りボルトに取り付けられる照明器具の器具本体の第1面に配置された光源部を覆う意匠カバーであって、器具本体の第1面側から第1面側の反対側の第2面側に向かう方向を第1方向としたとき、光源部を覆うように器具本体の第1面側に配置され、光源部を露出させる光源部用開口部が形成された意匠カバー主面部と、意匠カバー主面部の端部から第1方向に立設され、内方に照明器具と吊りボルトとが配置される、意匠カバー側面部と、意匠カバー側面部のうちの少なくとも1つに設けられ、吊りボルトの被取付部の反対側の先端部を露出させる作業窓と、作業窓を開閉させる作業窓カバーと、を備えている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部に設置された吊りボルトに取り付けられる照明器具の器具本体の第1面に配置された光源部を覆う意匠カバーであって、
前記器具本体の前記第1面側から前記第1面側の反対側の第2面側に向かう方向を第1方向としたとき、
前記光源部を覆うように前記器具本体の前記第1面側に配置され、前記光源部を露出させる光源部用開口部が形成された意匠カバー主面部と、
前記意匠カバー主面部の端部から前記第1方向に立設され、内方に前記照明器具と前記吊りボルトとが配置される、意匠カバー側面部と、
前記意匠カバー側面部のうちの少なくとも1つに設けられ、前記吊りボルトの前記被取付部の反対側の先端部を露出させる作業窓と、
前記作業窓を開閉させる作業窓カバーと、
を備えた、意匠カバー。
【請求項2】
前記作業窓は、前記第1方向において前記被取付部に向かうにつれて、前記器具本体から離れる方向に傾斜して配置される、
請求項1に記載の意匠カバー。
【請求項3】
前記作業窓の設置角度に沿った前記作業窓の前記第1方向の長さは、前記意匠カバー側面部の設置角度に沿った前記意匠カバー側面部の前記第1方向の全長と同じかあるいは略同じである、
請求項1または2に記載の意匠カバー。
【請求項4】
前記作業窓は、側面視で矩形形状を有しており、前記第1方向において前記器具本体の前記第1面側に配置された作業窓第1端部と、前記第1方向において前記作業窓第1端部に対向して配置された作業窓第2端部と、を有し、
前記作業窓第1端部および前記作業窓第2端部の延設方向を第2方向としたとき、
前記作業窓第1端部は、前記作業窓と連通し、前記作業窓から離れる方向に前記第2方向に延びた切欠き部を有し、
前記切欠き部は、前記作業窓カバーに設けられた突出部が挿通された状態で引っ掛かるように形成されている、
請求項1または2に記載の意匠カバー。
【請求項5】
前記作業窓カバーは、側面視で矩形形状を有しており、前記第1方向において前記器具本体の前記第1面側に配置された作業窓カバー第1端部と、前記第1方向において前記作業窓カバー第1端部に対向して配置された作業窓カバー第2端部と、を有し、
前記作業窓カバーに設けられた前記突出部は、前記作業窓カバー第1端部に設けられ、前記作業窓から離れる方向に前記第2方向に延設され、
前記突出部は、前記作業窓に設けられた前記切欠き部に引っ掛かることで、前記切欠き部に係止され、
前記作業窓カバーは、前記作業窓カバー第1端部を軸にして、前記作業窓に対して回動自在に取り付けられる、
請求項4に記載の意匠カバー。
【請求項6】
前記作業窓は、前記意匠カバー側面部のうちの少なくとも1つから前記意匠カバー主面部に亘って、前記意匠カバー側面部のうちの前記少なくとも1つと前記意匠カバー主面部とが交差する角部に形成され、
前記作業窓は、
前記意匠カバー側面部のうちの前記少なくとも1つに設けられた第1開口部と、
前記意匠カバー主面部に設けられ、前記第1開口部に連通した第2開口部と、
を備え、
前記作業窓カバーは、前記第1開口部を覆う第1カバー部と、前記第1カバー部に連結されて設けられ、前記第2開口部を覆う第2カバー部と、を有する、
請求項1または2に記載の意匠カバー。
【請求項7】
前記作業窓は、側面視で矩形形状を有しており、前記第1方向において前記器具本体の前記第1面側に配置された作業窓第1端部と、前記第1方向において前記作業窓第1端部に対向して配置された作業窓第2端部と、を有し、
前記作業窓第1端部および前記作業窓第2端部の延設方向を第2方向としたとき、
前記作業窓は、
前記作業窓第1端部に設けられ、前記作業窓第1端部から前記作業窓に向かって突出された複数の第1爪部と、
前記作業窓第2端部に設けられ、前記作業窓第2端部から前記作業窓に向かって突出された複数の第2爪部と、
を有し、
前記作業窓カバーは、前記第1爪部と前記第2爪部とによって摺動可能に支持されて、前記第1爪部と前記第2爪部とにガイドされて前記第2方向に摺動することで、前記作業窓を開閉する、
請求項1または2に記載の意匠カバー。
【請求項8】
前記作業窓が設けられた前記意匠カバー側面部のうちの前記少なくとも1つに設けられ、前記意匠カバー側面部のうちの前記少なくとも1つから外方に向かって突出する凸部から構成されたストッパーを備え、
前記ストッパーは、前記作業窓が全開の状態のときに、前記作業窓カバーの前記第2方向の一端が当接することで、前記作業窓カバーの前記第2方向の移動を規制する、
請求項7に記載の意匠カバー。
【請求項9】
前記第1方向に交差する方向を第2方向および第3方向とし、
前記第2方向を前記作業窓の幅方向とし、
前記第3方向を前記作業窓の奥行き方向としたとき、
前記作業窓の設置角度に沿った前記作業窓の前記第1方向の長さは、前記吊りボルトの前記先端部が前記第1方向および前記第3方向から見えるように露出される長さに設定される、
請求項1または2に記載の意匠カバー。
【請求項10】
前記第1方向に交差する方向を第2方向および第3方向とし、
前記第2方向を前記作業窓の幅方向とし、
前記第3方向を前記作業窓の奥行き方向としたとき、
前記作業窓の前記第2方向の長さは、前記吊りボルトの前記先端部に固定具を取り付ける際に用いられる工具が回動可能で、前記工具の握り手が前記作業窓の開口部の縁に干渉しない長さに設定される、
請求項1または2に記載の意匠カバー。
【請求項11】
前記作業窓は、側面視で矩形形状を有しており、前記第1方向において前記器具本体の前記第1面側に配置された作業窓第1端部と、前記第1方向において前記作業窓第1端部に対向して配置された作業窓第2端部と、前記作業窓第1端部と前記作業窓第2端部との間に配置され、前記作業窓第1端部と前記作業窓第2端部とを連結する1対の作業窓第3端部と、を有し、
前記作業窓の奥行き方向を第3方向とし、
前記吊りボルトの前記先端部の軸中心を中心とし、
前記中心を通って前記第3方向に延びる仮想線を基準線とし、
前記作業窓第2端部と前記作業窓第3端部とが接続される接続点と、前記中心と、を通る仮想線を、第1仮想線としたとき、
前記作業窓の前記第2方向の長さは、
前記基準線と前記第1仮想線とで定義される第1角度が、60°~80°の間の範囲の値になるように、設定される、
請求項1または2に記載の意匠カバー。
【請求項12】
前記被取付部に設置された前記吊りボルトに取り付けられる前記照明器具の前記器具本体の前記第1面と反対側の第2面に前記光源部からの熱を放熱させるヒートシンクが配置され、
前記意匠カバー主面部、前記意匠カバー側面部、および、前記作業窓カバーのうち少なくとも1つに形成された複数の通風穴
を備えた、
請求項1または2に記載の意匠カバー。
【請求項13】
前記被取付部に設置された前記吊りボルトに取り付けられ、前記光源部を有する、照明器具と、
前記照明器具の器具本体の第1面に配置された前記光源部を覆う請求項1または2に記載の意匠カバーと、
を備えた、照明装置。
【請求項14】
請求項13に記載の照明装置の取付方法であって、
前記作業窓カバーを開状態にする工程と、
前記照明装置に形成された吊りボルト挿通孔に前記吊りボルトを挿通させる工程と、
前記吊りボルトに固定具を仮止めした後、前記固定具を本締めして固定する工程と、
前記吊りボルトの前記固定具の固定状態の確認を行う工程と、
前記作業窓カバーを閉状態にする工程と、
を備えた、照明装置の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、意匠カバー、照明装置および照明装置の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井等の被取付部に設けられた吊りボルトに対して、本体を取り付ける構造を有する照明器具が知られている。例えば特許文献1には、灯具が着脱自在に取り付けられる灯具装着部と、灯具装着部に設けられて、被取付部の吊りボルトに固定される接続部と、接続部から下方に突出した吊りボルトが配置される取付具配置部と、を備えた、照明器具が開示されている。特許文献1に記載の照明器具は、長尺状のベースライトである。
【0003】
特許文献1では、灯具装着部が、天井に沿って配置される天面部と、照明器具の短手方向において天面部の側方に配置される器具側部と、を有している。器具側部は、天井と反対側に向かって天面部から立ち上がるように延設されている。器具側部は、内側に配置された側面部と、外側に配置された外郭部と、から構成されている。
【0004】
特許文献1では、照明器具の外郭部が、照明器具の外方から内方に向かうにつれて天井から離れる方向に天井に対して傾斜して配置された本体傾斜部を有している。本体傾斜部の内側の空間が、上述した吊りボルトが配置される取付具配置部を形成している。本体傾斜部には、吊りボルトに固定されるナットおよび座金等の固定具が挿入される固定具挿通孔が形成されている。固定具挿通孔は、ナットおよび座金等の固定具が挿通できる程度の大きさであり、平面視で円形形状を有している。固定具挿通孔は、本体傾斜部の下端部付近に配置され、天井と反対側の床面に向かって開口している。固定具挿通孔には、通常時は閉状態の蓋体が取り付けられている。
【0005】
特許文献1では、固定具挿通孔から蓋体を取り外した状態で、作業員が、接続部に形成された取付具挿通孔に、取付具である吊りボルトを挿通させる。次に、作業員は、本体傾斜部に形成された固定具挿通孔から、ナットおよび座金等の固定具を挿入する。そして、作業員は、それらの固定具を吊りボルトに装着させ、レンチ等の工具で締結する。なお、このとき、作業員は、当該工具も固定具挿通孔から挿入させて、締結作業を行う。その後、作業員は、固定具挿通孔に蓋体を取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の照明器具においては、上述したように、照明器具を天井等の被取付部に固定するときに、照明器具の灯具装着部の本体傾斜部に形成された固定具挿通孔から、ナットおよび座金等の固定具を挿入する。また、レンチ等の工具を固定具挿通孔から挿入して、ナットおよび座金等の固定具を吊りボルトに締結させている。
【0008】
特許文献1に記載の照明器具においては、固定具挿通孔は、ナットおよび座金または工具が挿通する程度の大きさである。そのため、作業員は、取付作業時に、本体傾斜部の内部の様子を固定具挿通孔から見なければならず、吊りボルトの固定具を取り付ける取付箇所を殆ど視認することができない状態で、取付作業を行っており、視認性が悪かった。また、固定具挿通孔は床面に向かって開口しているため、作業員は、ナットに対して下方から垂直方向にレンチ等の工具を嵌めて作業を行う必要がある。そのため、ナットに対して水平方向にレンチ等の工具を嵌めるための作業スペースを確保できないため、作業がやり難く作業性が悪かった。さらに、作業スペースが確保できない関係で、工具を使う際に、「てこの原理」を利用することができないので、作業員の作業負荷が大きかった。このように、特許文献1に記載の照明器具においては、照明器具の取付作業時の視認性および作業性が悪いという課題があった。
【0009】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、照明器具の取付作業時の視認性および作業性を向上させ、作業員の作業負荷の低減を図る、意匠カバー、照明装置および照明装置の取付方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る意匠カバーは、被取付部に設置された吊りボルトに取り付けられる照明器具の器具本体の第1面に配置された光源部を覆う意匠カバーであって、前記器具本体の前記第1面側から前記第1面側の反対側の第2面側に向かう方向を第1方向としたとき、前記光源部を覆うように前記器具本体の前記第1面側に配置され、前記光源部を露出させる光源部用開口部が形成された意匠カバー主面部と、前記意匠カバー主面部の端部から前記第1方向に立設され、内方に前記照明器具と前記吊りボルトとが配置される、意匠カバー側面部と、前記意匠カバー側面部のうちの少なくとも1つに設けられ、前記吊りボルトの前記被取付部の反対側の先端部を露出させる作業窓と、前記作業窓を開閉させる作業窓カバーと、を備えたものである。
【0011】
本開示に係る照明装置は、前記被取付部に設置された前記吊りボルトに取り付けられ、前記光源部を有する、照明器具と、前記照明器具の器具本体の第1面に配置された前記光源部を覆う上記の意匠カバーと、を備えたものである。
【0012】
本開示に係る照明装置の取付方法は、上記の照明装置の取付方法であって、前記作業窓カバーを開状態にする工程と、前記照明装置に形成された吊りボルト挿通孔に前記吊りボルトを挿通させる工程と、前記吊りボルトに固定具を仮止めした後、前記固定具を本締めして固定する工程と、前記吊りボルトの前記固定具の固定状態の確認を行う工程と、前記作業窓カバーを閉状態にする工程と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係る意匠カバー、照明装置および照明装置の取付方法によれば、意匠カバーに作業窓を設け、作業員が作業窓から取付部分を目視しながら、照明装置の取付作業を行うことができるため、照明器具の取付作業時の視認性および作業性を向上させ、作業員の作業負荷の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明装置の構成を示す分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明装置の構成を示す分解斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明器具の構成を示す組立斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明装置に設けられた意匠カバーの構成を示す分解斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る照明装置に意匠カバーを取り付けた状態を示す組立斜視図である。
【
図7】実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程1を説明する斜視図である。
【
図8】実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程1を模式的に示す模式図である。
【
図9】実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程1を説明する断面図である。
【
図10】実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程1を説明する側面図である。
【
図11】実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程1を説明する平面図である。
【
図12】実施の形態1に係る照明装置に設けられた作業窓への作業窓カバーの取付方法を説明する斜視図である。
【
図13】実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程2を説明する斜視図である。
【
図14】実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程3を説明する斜視図である。
【
図15】実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程3を説明する平面図である。
【
図16】実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程3を説明する断面図である。
【
図17】実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程4を説明する斜視図である。
【
図18】実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程5を説明する斜視図である。
【
図19】実施の形態1に係る照明装置の取付方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図20】実施の形態2に係る照明装置の構成および取付方法を示す斜視図である。
【
図21】実施の形態2に係る照明装置の構成および取付方法を示す斜視図である。
【
図22】実施の形態2に係る照明装置の構成および取付方法を示す斜視図である。
【
図23】実施の形態2に係る照明装置の構成および取付方法を示す断面図である。
【
図24】実施の形態2に係る照明装置の構成および取付方法を示す斜視図である。
【
図25】実施の形態2に係る照明装置を被取付部に取り付けた状態を説明する斜視図である。
【
図26】実施の形態2の変形例に係る照明装置の構成および取付方法を示す断面図である。
【
図27】実施の形態3に係る照明装置の構成および取付方法を示す斜視図である。
【
図28】実施の形態3に係る照明装置の構成および取付方法を示す斜視図である。
【
図29】実施の形態4に係る照明装置を保守管理する照明装置保守管理システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示に係る意匠カバーおよび照明装置の実施の形態について図面を参照して説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本開示は、以下の実施の形態およびその変形例に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、各図面において、説明の便宜上、照明装置1の幅方向をX方向とし、照明装置1の奥行き方向をY方向とし、X方向およびY方向に交差する方向をZ方向とする。X方向およびY方向は、例えば水平方向である。Z方向は、例えば垂直方向である。Z方向は、鉛直方向の場合がある。Z方向が上下方向の場合、Z1側が上方向であり、Z2側が下方向である。Z方向は「第1方向」と呼ばれることがある。さらに、特に、Z方向のうち、Z2側からZ1側に向かう方向を「第1方向」と呼ぶことがある。また、X方向は「第2方向」と呼ばれることがある。Y方向は「第3方向」と呼ばれることがある。
【0016】
実施の形態1.
図1~
図6を用いて、実施の形態1に係る意匠カバー、照明器具および照明装置の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る照明装置の外観を示す斜視図である。
図2および
図3は、実施の形態1に係る照明装置の構成を示す分解斜視図である。
図4は、実施の形態1に係る照明器具の構成を示す組立斜視図である。
図5は、実施の形態1に係る照明装置に設けられた意匠カバーの構成を示す分解斜視図である。
図6は、実施の形態1に係る照明装置に意匠カバーを取り付けた状態を示す組立斜視図である。
【0017】
図1および
図2に示すように、実施の形態1に係る照明装置1は、照明器具2と、意匠カバー3と、接続部4と、を備えている。照明装置1は、天井等の被取付部100に取り付けられて、照射対象領域に光を照射する。実施の形態1では、照明対象領域は、例えば、ガソリンスタンドの店の敷地内の天井下の給油スペースである。その場合、被取付部100は、ガソリンスタンドの天井となる。被取付部100は、造営部と呼ばれることがある。なお、照明装置1の被取付部100は、ガソリンスタンドの天井に限られず、屋外あるいは屋外の天井に取り付けられていてもよい。
【0018】
(意匠カバー3)
意匠カバー3は、逆富士型形状または四角錐台形状を有している。意匠カバー3は、
図1および
図6に示すように、意匠カバー主面部3aと、4つの意匠カバー側面部3dと、を有している。意匠カバー3は、
図2および後述する
図8に示すように、上面部3cが開口した箱型形状になっている。意匠カバー3は、
図2に示すように、照明器具2を覆うように、照明器具2の下方から取り付けられる。意匠カバー3は、意匠カバー主面部3aおよび意匠カバー側面部3dに形成された複数の通風穴3fを有している。通風穴3fは、
図2に示すように、上下2列または上下3列に配置されている。通風穴3fは、Z方向に延びた長孔である。通風穴3fは、意匠カバー3の内部に配置された照明器具2からの熱を外部に放出するために設けられている。
【0019】
意匠カバー主面部3aは、平面視で、矩形形状を有している。意匠カバー主面部3aは、平面視で、例えば、正方形または略正方形の形状を有している。意匠カバー主面部3aは、板状形状である。意匠カバー主面部3aは、中央部に、後述する光源部220を露出させる光源部用開口部3bを有している。
【0020】
4つの意匠カバー側面部3dは、それぞれ、側面視で、矩形形状または台形形状を有している。4つの意匠カバー側面部3dは、板状形状である。4つの意匠カバー側面部3dは、意匠カバー主面部3aの外周を形成する4辺から、Z方向のZ1側に向かって立設している。4つの意匠カバー側面部3dは、それぞれ、Z方向のZ2側からZ1側に向かうにつれて、外方に向かうように傾斜している。4つの意匠カバー側面部3dのうちの少なくとも1つ、すなわち、意匠カバー側面部3d-1には、作業窓3eが形成されている。実施の形態1では、4つの意匠カバー側面部3dのうちの2つの意匠カバー側面部3d-1に作業窓3eが設けられている場合を例に挙げて説明する。作業窓3eには、作業窓カバー30が開閉自在に取り付けられており、通常時は閉状態となっている。
【0021】
図5においては、意匠カバー3の組立方法の一例が示されている。
図5に示すように、2つの意匠カバー側面部3d-1は、互いに対向して配置されている。また、2つの意匠カバー側面部3d-1は、意匠カバー主面部3aに連結されている。2つの意匠カバー側面部3d-1と意匠カバー主面部3aとは、共に、矩形の板状形状を有している。2つの意匠カバー側面部3d-1と意匠カバー主面部3aとは、1枚の板状部材を折り曲げ加工することにより、形成される。また、4つの意匠カバー側面部3dのうちの残りの2つの意匠カバー側面部3d-2は、それぞれ、台形形状の板状部材から構成されている。2つの意匠カバー側面部3d-2は、意匠カバー主面部3aとは別体で構成される。2つの意匠カバー側面部3d-2は、ネジ等の固定具で、意匠カバー主面部3aおよび意匠カバー側面部3d-1に取り付けられる。
【0022】
図2に示すように、作業窓カバー30は、ネジ等の固定具50によって、意匠カバー3に固定されている。作業窓カバー30は、固定具50を外すことで、開閉可能となる。作業窓カバー30は、
図2の矢印Aで示すように、下端部である作業窓カバー第1端部30aを軸として周方向(略上下方向)に回動することで、開閉される。作業窓カバー30は、複数の通風穴30fを有している。通風穴30fは、
図2に示すように、上下3列に配置されている。通風穴30fは、Z方向に延びた長孔である。通風穴30fは、意匠カバー3の内部に配置された照明器具2からの熱を外部に放出するために設けられている。なお、作業窓カバー30の構成の詳細については、
図12を用いて後述する。
【0023】
(照明器具2)
照明器具2は、器具本体200と、光源ユニット210と、吊りボルト取付部260と、を備えている。
【0024】
(器具本体200)
器具本体200は、平面視で矩形形状の板状部材である。器具本体200のZ方向のZ2側の第1面には、光源ユニット210の光源部220が設けられている。また、器具本体200のZ方向のZ1側の第2面には、光源ユニット210のヒートシンク230が設けられている。このように、器具本体200においては、第1面側に光源部220が配置され、第2面側にはヒートシンク230が配置されている。第2面側は、第1面側の反対側である。
【0025】
(光源ユニット210)
光源ユニット210は、光を照射する光源部220と、光源部220からの熱を放散するヒートシンク230と、を有している。さらに、光源ユニット210は、光源部220に電力を供給して点灯させる電源ユニット240と、光源部220を覆うように器具本体200に取り付けられる光源カバー250と、を有している。
【0026】
光源部220は、複数の発光素子と、複数の発光素子が放射状に配置された基板と、を有している。発光素子は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)素子である。基板は、例えば円板状をなしている。光源部220は、電源ユニット240から電力が供給されて発光素子を発光させる。なお、基板を設けずに、器具本体200に発光素子を取り付けるようにしてもよい。
【0027】
ヒートシンク230は、全体として角柱状または円柱状をなしており、矩形板状のベース部231と、複数のフィンを有するフィン部232と、ヒートシンク側固定部233と、を有している。また、ヒートシンク230は、フィン部232をZ1側から覆う庇部をさらに有していてもよい。その場合、庇部は、例えば、円板状でもよいし、ベース部231と同型同寸法の矩形板状を有している。ベース部231、フィン部232、庇部は、例えば、アルミニウム製の板を加工して形成されたものであり、組み合わせることでヒートシンク230が製造される。ヒートシンク230は、アルミニウム板を板金加工して形成されることによって、軽量化および放熱性を確保することができる。フィン部232を構成する複数のフィンは、ベース部231からZ1側に向かって立設されている。複数のフィンは、ベース部231において、放射状に配置されている。そのため、フィン部232は、全体として、円柱状の形状を有している。各フィンは、2枚1組となっており、矩形板状のフィンの下端部同士が接続部によって接続されている。そのため、2枚のフィンと接続部とは、側面視でコの字形状を有している。ヒートシンク側固定部233は、ベース部231からZ1側に向かって立設された矩形の板状部材である。
【0028】
電源ユニット240は、
図3および
図4に示すように、ヒートシンク230の側方に配置されている。電源ユニット240は、電源部241と、電源部241に設けられた端子台242と、端子台242に接続された器具側電線243と、を有している。電源部241は、端子台242と器具側電線243とを介して、商業電源等の外部電源からの電力を取得する。電源部241は、光源部220に電力を供給して、光源部220の発光素子を点灯させる。
【0029】
光源カバー250は、透光性を有する材料を用いて形成され、光源部220の発光素子をZ2側から覆うように配置される。発光素子から発光された光は、光源カバー250を介して照明対象領域に照射される。透光性の材料とは、例えば、ポリカーボネイト、アクリル、もしくは、ポリプロピレン等の合成樹脂等である。光源カバー250は、使用される材料に応じて、射出成形、押出し成形、三次元積層造形等により形成される。光源カバー250の少なくとも中央部は、
図2に示した意匠カバー3の光源部用開口部3bから外部に露出している。
【0030】
(吊りボルト取付部260)
吊りボルト取付部260は、
図2および
図3に示すように、照明器具固定部261と、吊りボルト突出部262と、意匠カバー固定部263と、を有している。吊りボルト取付部260は、例えば板金を折り曲げて形成される部材である。吊りボルト取付部260は、ナットおよび座金等の固定具によって、被取付部100に設けられた吊りボルト110に固定される。吊りボルト取付部260は、照明器具2を間にして、1対設けられている。すなわち、2つの吊りボルト取付部260は、Y方向において、照明器具2の両側に設けられている。
【0031】
照明器具固定部261は、
図4に示すように、側面視で矩形の板状形状を有している。照明器具固定部261は、Z方向に配置されている。具体的には、照明器具固定部261は、XZ平面に平行になるように配置されている。照明器具固定部261は、ネジまたはボルト等の固定具51で、照明器具2に固定される。そのため、照明器具固定部261には、固定具51が挿入される固定具挿通穴261a(
図9参照)が形成されている。照明器具固定部261は、照明器具2のヒートシンク230に設けられたヒートシンク側固定部233に、ネジ等の固定具51により固定される。
【0032】
吊りボルト突出部262は、
図4に示すように、平面視で矩形の板状形状を有している。吊りボルト突出部262は、照明器具固定部261のX方向に延びる上端部から、Y方向に突出している。すなわち、吊りボルト突出部262は、照明器具2の器具本体200から外方に向かって突出するように設けられている。吊りボルト突出部262は、XY平面に平行に配置されている。そのため、吊りボルト突出部262は、天井等の被取付部100に沿うように配置される。また、
図3に示すように、接続部4は、平面視で矩形の貫通孔4aを有している。吊りボルト突出部262は、
図2に示すように、接続部4の貫通孔4aに挿入される。その結果、
図6に示すように、吊りボルト突出部262は、接続部4の貫通孔4aから、Z方向のZ1側に突出する。吊りボルト突出部262には、吊りボルト挿通孔262a(
図9参照)が形成されている。吊りボルト挿通孔262aは、吊りボルト突出部262の板厚を貫通する貫通穴である。吊りボルト挿通孔262aには、被取付部100に設けられた吊りボルト110が、Z方向のZ1側から挿入される。
【0033】
意匠カバー固定部263は、
図4に示すように、平面視で矩形の板状形状を有している。意匠カバー固定部263は、照明器具固定部261のX方向に延びる下端部から、Y方向に突出している。すなわち、意匠カバー固定部263は、照明器具2の器具本体200から外方に向かって突出するように設けられている。意匠カバー固定部263は、XY平面に平行に配置されている。そのため、意匠カバー固定部263は、Z方向において、吊りボルト突出部262に対向して配置されている。意匠カバー固定部263は、ネジまたはボルト等の固定具52(
図9参照)で、意匠カバー3に固定される。そのため、意匠カバー固定部263には、固定具52が挿入される固定具挿通穴263a(
図9参照)が形成されている。
【0034】
(接続部4)
図3および
図6に示すように、接続部4は、平面視で矩形の板状形状を有している。上述したように、接続部4は、吊りボルト突出部262を挿通させる貫通孔4aを有している。また、接続部4は、外周を形成する4つの辺に沿って、複数のネジ穴4bが形成されている。ネジ穴4bは、接続部4の板厚を貫通する貫通孔である。ネジ穴4bは、接続部4の外周を形成する4つの辺のそれぞれに対して、3つずつ形成されている。
図2に示すように、ネジ穴4bには、Z方向のZ1側から、ネジ等の固定具53が挿入される。接続部4は、固定具53により、意匠カバー3に固定される。接続部4が意匠カバー3に取り付けられることで、照明装置1は、
図6の状態となる。すなわち、照明装置1は、パッケージ化される。照明装置1は、新規取付時または交換時には、
図6に示すパッケージ化された状態で、被取付部100に取り付けられる。なお、
図6の状態において、電源ユニット240に設けられた器具側電線243は、Z方向のZ1側に向かって、接続部4から突出している。接続部4には、器具側電線243を挿通させる電線挿通孔4cが形成されている。これにより、商用電源等の外部電源に、容易に電気的に接続することができる。また、
図6の状態において、上述したように、吊りボルト突出部262が、Z方向のZ1側に向かって、接続部4から突出している。これにより、作業員は、作業窓3eから、吊りボルト110の位置と吊りボルト突出部262の吊りボルト挿通孔262aの位置との位置関係を確認しながら、取付作業を行うことができる。さらに、作業員は、作業窓3eから、吊りボルト110の取付部分である先端部110aの位置と状態とを確認しながら、取付作業を行うことができる。
【0035】
(照明装置1の取付方法における工程1)
次に、
図7~
図12を用いて、照明装置1の取付方法における工程1について説明する。
図7は、実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程1を説明する斜視図である。
図8は、実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程1を模式的に示す模式図である。
図9は、実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程1を説明する断面図である。
図10は、実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程1を説明する側面図である。
図11は、実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程1を説明する平面図である。
図11においては、照明装置1をZ方向のZ2側から見た状態を示している。
図12は、実施の形態1に係る照明装置に設けられた作業窓への作業窓カバーの取付方法を説明する斜視図である。
【0036】
工程1では、
図7に示すように、作業員が、ネジ等の固定具50を外して、作業窓3eを開状態にする。具体的には、
図8(a)に示すように、通常時は、作業窓カバー30は、ネジ等の固定具50によって、意匠カバー3に固定されている。そのため、まず、
図8(b)に示すように、作業員は、ネジ等の固定具50を作業窓カバー30から取り外す。次に、
図8(c)に示すように、作業窓カバー30を、矢印Aの方向に回転させて開状態にする。
【0037】
実施の形態1では、このように、作業窓3eを開状態にしたまま、照明器具2を被取付部100に取り付ける取付作業を行う。そのため、作業員は、作業窓3eから、すなわち、照明器具2の真下または斜め下方から、吊りボルト110の先端部110aの位置と、照明器具2の吊りボルト突出部262と、の位置関係を視認することができる。
【0038】
図9の断面図に示すように、Y方向において、吊りボルト取付部260の照明器具固定部261と、意匠カバー側面部3dと、の間の空間は、吊りボルト110の先端部110aが配置される吊りボルト配置部3hを構成している。さらに具体的に言えば、吊りボルト取付部260の照明器具固定部261と、意匠カバー側面部3dと、接続部4と、で囲まれた空間は、吊りボルト配置部3hを構成している。作業窓3eは、吊りボルト配置部3hの内部を外部に露出するように設けられている。そのため、作業窓カバー30を、
図9の矢印Aのように回転させて開状態にしたとき、作業員は、吊りボルト配置部3hの内部を視認することができる。
【0039】
図10には、意匠カバー3の寸法の一例が示されている。
図10に示すように、意匠カバー3の意匠カバー主面部3aは、Y方向に延びている。一方、意匠カバー3の意匠カバー側面部3dは、意匠カバー主面部3aの端部から、被取付部100に向かうにつれて、意匠カバー3の外方に向かって傾斜している。意匠カバー主面部3aのY方向の長さL1は、例えば、282mmである。また、対向する2つの意匠カバー側面部3dのZ方向のZ1側の端部同士のY方向の距離L2は、430mmである。すなわち、距離L2は、意匠カバー3の上面部3cのY方向の外形寸法である。また、意匠カバー側面部3dの高さ方向の長さL4は、148mmである。高さ方向の長さL4とは、意匠カバー側面部3dの設置角度に沿った高さ方向の長さである。意匠カバー3の上面部3cと意匠カバー主面部3aとの間のZ方向の距離L3は、128.1mmである。距離L3は、ヒートシンク230の高さ寸法に応じて決定される。また、意匠カバー主面部3aと意匠カバー側面部3dとが成す角度αは、例えば、60°である。これらの数値は、単なる一例であるため、これに限定されない。
【0040】
図11に示すように、実施の形態1では、2つの作業窓3eが設けられている。これらの作業窓3eは、互いに対向する位置に配置されている。これらの作業窓3eには、それぞれ、作業窓カバー30が開閉自在に取り付けられている。
図9および
図10に示すように、被取付部100には、2つの吊りボルト110が設けられている。そのため、それらの吊りボルト110のそれぞれに対して、作業窓3eが1つずつ設けられている。これにより、各作業窓3eから、各吊りボルト110の先端部110aを視認することができる。
【0041】
図12においては、作業窓3eに対する作業窓カバー30の取付方法が示されている。
【0042】
図12に示すように、作業窓3eは、側面視で矩形形状を有している。作業窓3eは、意匠カバー側面部3dの板厚を貫通する貫通穴である。作業窓3eは、Z方向のZ2側に配置された作業窓第1端部3eaと、Z方向においてZ1側に配置された作業窓第2端部3ebと、を有している。作業窓第1端部3eaと作業窓第2端部3ebとは、Z方向において、互いに対向して配置されている。作業窓第1端部3eaおよび作業窓第2端部3ebの延設方向は、共に、X方向である。また、作業窓3eは、Z方向に延びた1対の作業窓第3端部3edを有している。作業窓第3端部3edは、Z方向に対して傾斜して配置されている。具体的には、作業窓第3端部3edは、被取付部100に向かうにつれて、意匠カバー3の外方に向かって傾斜している。また、作業窓第1端部3eaは、作業窓3eと連通している切欠き部3ecを有している。切欠き部3ecは、作業窓3eから離れる方向に、すなわち、作業窓3eの外方に向かって、X方向に延びている。すなわち、切欠き部3ecは、作業窓第1端部3eaの延長部である。切欠き部3ecは、作業窓第3端部3edから、X方向の外方に向かって凹んでいる。切欠き部3ecは、作業窓カバー30に設けられた突出部30cが挿通された状態で、突出部30cが引っ掛かるように形成されている。すなわち、突出部30cは、切欠き部3ecと互いに係り合うため、作業窓カバー30が開状態でも、作業窓カバー30は作業窓3eから脱落しない。
【0043】
図12に示すように、作業窓カバー30は、側面視で矩形形状を有した板状部材である。作業窓カバー30は、Z方向のZ2側に配置された作業窓カバー第1端部30aと、Z方向のZ1側に配置された作業窓カバー第2端部30bと、を有している。作業窓カバー第1端部30aと作業窓カバー第2端部30bとは、Z方向において互いに対向して配置されている。作業窓カバー第1端部30aと作業窓カバー第2端部30bとは、共に、X方向に延びている。また、作業窓カバー30は、Z方向に延びた1対の作業窓カバー第3端部30dを有している。作業窓カバー第3端部30dは、Z方向に対して傾斜して配置されている。具体的には、作業窓カバー第3端部30dは、被取付部100に向かうにつれて、意匠カバー3の外方に向かって傾斜している。また、作業窓カバー30は、突出部30cを有している。突出部30cは、作業窓カバー第1端部30aに設けられ、作業窓3eから離れる方向にX方向に延設されている。すなわち、突出部30cは、作業窓カバー第1端部30aの延長部である。突出部30cは、作業窓カバー第3端部30dから、X方向の外方に向かって突出している。突出部30cは、作業窓3eに設けられた切欠き部3ecに挿入されて引っ掛けられることで、切欠き部3ecに係止される。作業窓カバー30は、作業窓カバー第1端部30aを軸にして、
図2の矢印Aで示すように、回動自在に取り付けられる。作業窓カバー30の回動により、作業窓3eは開閉される。このように、実施の形態1では、作業窓カバー30は、上下の向きに、すなわち、Z方向の向きに開閉する。作業窓カバー30は、通常時は、閉状態となっている。作業窓カバー30は、作業窓カバー第2端部30b側に、ネジ穴30eを有している。ネジ穴30eは、作業窓カバー30を貫通する貫通穴である。ネジ穴30eには、ネジ等の固定具50が挿通される。通常時は、
図2に示すように、作業窓カバー30は、ネジ等の固定具50によって、意匠カバー3に固定されている。なお、作業窓カバー30は、矩形形状に限定されず、円形形状でもよく、作業窓3eを覆う形状であればよい。
【0044】
作業窓カバー30は、
図2に示すように、作業窓カバー第2端部30bのZ方向の位置が、意匠カバー3の上面部3cのZ方向の位置と、ほぼ同じになっている。また、作業窓カバー30の作業窓カバー第1端部30aのZ方向の位置は、意匠カバー3の意匠カバー主面部3aのZ方向の位置の近傍になっている。そのため、作業窓カバー30のZ方向の長さは、意匠カバー3の意匠カバー側面部3dのZ方向の長さと、ほぼ同じか、あるいは、若干短くなっている。また、
図3に示すように、作業窓3eは、意匠カバー側面部3dの上下の縁部分を除いて、意匠カバー側面部3dのZ方向の長さの全長に亘って設けられている。そのため、実施の形態1では、作業窓カバー30を設けることで、吊りボルト110に対応した位置で意匠カバー側面部3dを大きく開口させることができ、作業員は、吊りボルト110の先端部110aを容易に視認することができる。
【0045】
(照明装置1の取付方法における工程2)
次に、
図13を用いて、照明装置1の取付方法における工程2について説明する。
図13は、実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程2を説明する斜視図である。
【0046】
工程2では、
図13に示すように、作業員が、照明装置1を被取付部100に押し当てて、照明装置1の吊りボルト突出部262に形成された吊りボルト挿通孔262aに、吊りボルト110の先端部110aを挿通させる。このとき、作業員は、開状態の作業窓3eを通して、照明装置1の真下または斜め下方から、吊りボルト110の先端部110aの位置と、照明装置1の吊りボルト突出部262と、の位置関係を視認することができる。そのため、作業員は、容易に、吊りボルト挿通孔262aに、吊りボルト110の先端部110aを挿通させることができる。
【0047】
このように、実施の形態1では、照明装置1を被取付部100に押し当てたときに、作業窓カバー30が開いて作業窓3eが開口している状態であるため、吊りボルト挿通孔262aに吊りボルト110が挿入されていることを目視で確認できる。実施の形態1では、被取付部100がガソリンスタンドの天井である場合を想定しているため、照明装置1の取付作業は、脚立または高所作業車を使用して作業するような高所作業となり、作業空間が狭くなり、限定される。そのため、吊りボルト挿通孔262aに吊りボルト110が挿入されていることが確認し易くなっていることが、作業性を向上させるためにも、重要な要素となっている。実施の形態1では、照明装置1の傾斜部、すなわち、傾斜して配置されている意匠カバー側面部3dに、作業窓3eを形成している。そのため、作業員が、照明装置1の真下または斜め下方から、吊りボルト110の取付部分である吊りボルト110の先端部110aおよび吊りボルト挿通孔262aを見易くしている。
【0048】
(照明装置1の取付方法における工程3)
次に、
図14~
図16を用いて、照明装置1の取付方法における工程3について説明する。
図14は、実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程3を説明する斜視図である。
図15は、実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程3を説明する平面図である。
図15では、照明装置1をZ方向のZ2側から見た状態を示している。
図16は、実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程3を説明する断面図である。
【0049】
工程3では、
図14に示すように、作業員は、吊りボルト110の先端部110aに、ナットおよび座金等の固定具53を挿入して固定具53を仮止めした後、レンチ等の工具60により、固定具53を本締めする。これにより、吊りボルト取付部260は、ナットおよび座金等の固定具53によって、被取付部100に設けられた吊りボルト110に固定される。
【0050】
作業窓3eのX方向の長さは、固定具53の本締めで、工具60を回すための作業スペース用の長さが必要である。実施の形態1では、照明装置1の傾斜部、すなわち、傾斜して配置されている意匠カバー側面部3dに、作業窓3eを形成することにより、作業員が、照明器具2の側面方向から、すなわち、Y方向から、工具60を挿入し易く、作業性がよい。また、傾斜して配置されている意匠カバー側面部3dに作業窓3eが形成されていることによって、工具60を矢印Bの方向に回動させて作業する際の回動幅を大きくすることができる。すなわち、工具60の握り手60aが、作業窓3eの作業窓第3端部3edに当接するまでの回転幅を大きくすることができる。また、工具60を握る作業員の手が、照明装置1の意匠カバー3に当たり難くすることができる。
【0051】
作業窓3eのX方向の長さについて、
図15を用いて説明する。
図15において、作業窓3eの奥行き方向をY方向とする。また、吊りボルト110の先端部110aの軸中心を中心Oとする。さらに、中心Oを通って、Y方向に延びる仮想線を基準線Rとする。また、作業窓第2端部3ebと作業窓第3端部3edとが接続される接続点を、接続点Pとする。このとき、接続点Pと中心Oとを通る仮想線を、第1仮想線Vとしたとき、作業窓3eのX方向の長さは、基準線Rと第1仮想線Vとで定義される角度βが、60°~80°の間の範囲の値になるように設定される。角度βは「第1角度」と呼ばれることがある。
【0052】
作業窓3eの高さ方向の長さについて、
図16を用いて説明する。作業窓3eの高さ方向の長さは、
図10に示す長さL4と同じか、ほぼ同じか、あるいは、長さL4より若干短い。作業窓3eの高さ方向の長さは、工具60にナット等の固定具53を掛けた状態、および、固定具53を緩めて工具60で外すときの状態において、工具60および固定具53が、作業窓3eの開口部の縁に干渉しない長さとする。すなわち、作業窓3eの作業窓第2端部3ebのZ方向の位置は、
図16の一点鎖線Cで示すように、吊りボルト110の先端部110aとほぼ同じ位置となるようにする。工具60は、
図16の矢印Dで示すように、工具60に固定具53を掛けた状態で、上下に移動させる。このときに、工具60が、作業窓3eの縁、特に、作業窓第2端部3ebおよび作業窓第1端部3eaに接触しないように、作業窓3eの高さ方向の長さを決定する。
【0053】
また、実施の形態1では、
図16の一点鎖線の楕円Eで示すように、吊りボルト110の真下方向が、作業窓3eによって開口しているので、吊りボルト110の取付部分である先端部110aの視認性がよい。なお、工具60は、照明器具2の側方から作業窓3eに挿入できるので、必ずしも、吊りボルト110の真下まで作業窓3eが開口していなくてもよい。すなわち、作業時に、作業員が、吊りボルト110の取付部分の位置を視認できる程度に、作業窓3eが開口していればよい。
【0054】
また、作業窓カバー30に、作業窓3eの切欠き部3ecのX方向の長さより長い突出部30cを設けているので、突出部30cが作業窓3eの切欠き部3ecに引っ掛かり、作業窓3eから外れない構造となっている。これにより、高所作業時において、作業窓カバー30が、作業窓3eから外れて落下することを防止できると共に、作業窓カバー30の開閉が容易なため、作業性が向上する。
【0055】
また、
図16に示すように、意匠カバー3の意匠カバー側面部3dが傾斜しており、この傾斜している意匠カバー側面部3dに作業窓3eを形成している。これにより、作業員が、作業窓3eを通して、吊りボルト110の位置を容易に確認することができると共に、工具60の取り扱いが容易になり、作業性がよい。
【0056】
(照明装置1の取付方法における工程4)
次に、
図17を用いて、照明装置1の取付方法における工程4について説明する。
図17は、実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程4を説明する斜視図である。
【0057】
工程4では、作業員は、作業窓3eを通して、吊りボルト110への固定具53の固定状態を目視で確認する。工程4では、
図17の矢印Fで示すように、作業員は、作業窓3eよりも広い範囲から、吊りボルト110への固定具53の固定状態を目視で確認することができる。具体的には、作業員は、吊りボルト110の先端部110aの側面方向に近い角度(すなわち、真横に近い角度)から、吊りボルト110の先端部110aの真下方向まで、の広い範囲で、固定具53の固定状態を目視で確認できる。また、作業窓3eが大きく開口しているため、作業員は、作業窓3eから手を入れて、吊りボルト110における固定具53の締め具合を実際に手で触って確認することもできる。そのため、吊りボルト110に対するナットまたは座金等の固定具53の締め忘れ等を防止することができる。
【0058】
(照明装置1の取付方法における工程5)
次に、
図18を用いて、照明装置1の取付方法における工程5について説明する。
図18は、実施の形態1に係る照明装置の取付方法における工程5を説明する斜視図である。
【0059】
工程5では、作業員は、作業窓カバー30を閉じて、ネジ等の固定具50によって作業窓カバー30を意匠カバー3に固定する。なお、固定具50として、摘みネジを用いてもよい。
【0060】
図19は、実施の形態1に係る照明装置の取付方法の処理の流れを示すフローチャートである。
図19に示すように、ステップS1では、上述した工程1を行う。すなわち、ステップS1では、
図7に示すように、作業員は、作業窓カバー30を開状態にする。次に、ステップS2では、上述した工程2を行う。すなわち、
図13に示すように、作業員は、吊りボルト挿通孔262aに、吊りボルト110の先端部110aを挿通させる。次に、ステップS3では、上述した工程3を行う。すなわち、
図14に示すように、作業員は、吊りボルト110に固定具53を仮止めした後、工具60で本締めする。次に、ステップS4では、上述した工程4を行う。すなわち、
図17に示すように、作業員は、吊りボルト110への固定具53の固定状態を確認する。次に、ステップS5では、上述した工程5を行う。すなわち、
図18に示すように、作業員は、作業窓カバー30を閉じて、ネジ等の固定具50で、作業窓カバー30を意匠カバー3に固定する。
【0061】
以上のように、実施の形態1によれば、意匠カバー3の意匠カバー側面部3dに、作業窓3eが形成されている。そのため、意匠カバー3を取り付けた状態で照明装置1を被取付部100に取り付けることができる。すなわち、
図7に示すように、照明器具2に意匠カバーを取り付けてパッケージ化された状態の照明装置1を、天井等の被取付部100に取り付けることができる。そのため、作業員は、取付作業が容易になり、作業員の作業負荷を軽減することができる。
【0062】
また、照明装置1の取付作業時に、作業員は、作業窓3eを開いた状態で、照明装置1の取付作業を行う。そのため、作業員は、作業窓3eから、吊りボルト110の位置と吊りボルト突出部262の吊りボルト挿通孔262aの位置との位置関係を確認しながら、取付作業を行うことができる。さらに、作業員は、作業窓3eから、吊りボルト110の取付部分である先端部110aの位置と状態とを確認しながら、取付作業を行うことができる。このように、作業員は、作業窓3eから、常に、取付状態を確認しながら、取付作業が行えるため、視認性に優れている。これにより、実施の形態1における照明装置1および意匠カバー3は、取付時の視認性に優れ、取付作業が容易になる。
【0063】
以上のように、実施の形態1は、意匠カバー3の一部が作業窓3eによって開閉できる構造となっているため、意匠カバー3を照明器具2に取り付けた状態で、天井等の被取付部100に取付が可能である。そのため、天井等の被取付部100への照明装置1の取付作業が容易になり、作業員の作業負荷が軽減される。
【0064】
さらに、実施の形態1では、意匠カバー3の意匠カバー側面部3dが傾斜しており、この傾斜している意匠カバー側面部3dに作業窓3eを形成している。これにより、作業員は、作業窓3eを通して、吊りボルト110の側面方向から真下方向までの広い範囲から、吊りボルト110の位置を容易に確認することができる。特許文献1に比べて、作業窓3eが大きいため、工具60を回動できる作業スペースが十分に確保され、工具60の取り扱いが容易になり、視認性および作業性に優れている。
【0065】
実施の形態2.
図20~
図25を用いて、実施の形態2に係る意匠カバーおよび照明装置の構成について説明する。
図20は、実施の形態2に係る照明装置の構成および取付方法を示す斜視図である。
図21は、実施の形態2に係る照明装置の構成および取付方法を示す斜視図である。
図22は、実施の形態2に係る照明装置の構成および取付方法を示す斜視図である。
図23は、実施の形態2に係る照明装置の構成および取付方法を示す断面図である。
図24は、実施の形態2に係る照明装置の構成および取付方法を示す斜視図である。
図25は、実施の形態2に係る照明装置を被取付部に取り付けた状態を説明する斜視図である。
【0066】
実施の形態2に係る意匠カバー3は、
図20および
図25に示すように、直方体形状を有している。すなわち、意匠カバー3の4つの意匠カバー側面部3dが、すべて、矩形の板状形状を有している。上記の実施の形態1では、
図5に示すように、4つの意匠カバー側面部3dのうちの2つの意匠カバー側面部3d-1が矩形形状で、残りの2つの意匠カバー側面部3d-2が台形形状であったため、実施の形態2は、この点が実施の形態1と異なる。
【0067】
そのため、実施の形態2では、4つの意匠カバー側面部3dが、すべて、傾斜しておらず、Z方向に立設されている。すなわち、実施の形態2では、意匠カバー側面部3dと意匠カバー主面部3aとが直交または略直交している。
【0068】
さらに、実施の形態2では、作業窓3eが、意匠カバー側面部3dから意匠カバー主面部3aに亘って、設けられている。すなわち、作業窓3eは、意匠カバー側面部3dと意匠カバー主面部3aとが交差する角部3jに形成されている。この点も、実施の形態2は実施の形態1と異なる。
【0069】
上記の実施の形態1では、意匠カバー側面部3d側に、ネジ等の固定具50が挿通されるネジ穴が形成されており、作業窓カバー30が、
図18に示すように、ネジ等の固定具50で、意匠カバー側面部3dに固定される例について説明した。一方、実施の形態2では、
図20に示すように、意匠カバー主面部3a側に、ネジ等の固定具50Aが挿通されるネジ穴が形成されており、作業窓カバー30Aが、ネジ等の固定具50Aで、意匠カバー主面部3aに固定される。照明装置1は、ガソリンスタンドの天井等の被取付部100に設置されるものであるため、取付作業は高所作業となる。そのため、意匠カバー主面部3a側に、ネジ等の固定具50Aが挿通されるネジ穴が形成されている方が、ネジ穴のZ方向の位置が低くなるため、作業員の作業性は、より向上される。但し、実施の形態2は、この場合に限定されず、意匠カバー側面部3d側にネジ穴を形成するか、あるいは、意匠カバー主面部3a側にネジ穴を形成するかについては、適宜、決定してよい。実施の形態2では、作業窓カバー30Aは、固定具50Aを外すことで、作業窓3eから取り外すことができる。このように、作業窓カバー30Aは、作業窓3eに対して着脱自在に取り付けられている。なお、ネジ穴をだるま穴から構成し、固定具50Aを緩めるだけで、作業窓カバー30Aの着脱が行えるようにしてもよい。
【0070】
なお、実施の形態2に係る、照明装置1、照明器具2および意匠カバー3の他の構成は、実施の形態1と同じであるため、同一符号を付して示し、ここでは、その説明を省略する。
【0071】
作業窓3eは、
図21に示すように、意匠カバー側面部3dに設けられた第1開口部3g-1と、意匠カバー主面部3aに設けられた第2開口部3g-2と、を有する。すなわち、実施の形態2では、作業窓3eが、意匠カバー側面部3d側に開口すると共に、意匠カバー主面部3a側に開口している。また、第1開口部3g-1と第2開口部とは、互いに連通している。
【0072】
作業窓カバー30Aは、
図25に示すように、作業窓3eの第1開口部3g-1を覆う第1カバー部30g-1と、作業窓3eの第2開口部3g-2を覆う第2カバー部30g-2と、を有している。第1カバー部30g-1と第2カバー部30g-2とは、共に、板状形状を有している。第1カバー部30g-1と第2カバー部30g-2とは、直交している。第1カバー部30g-1と第2カバー部30g-2とは、互いに連結されている。そのため、実施の形態2では、作業窓カバー30Aが、L字状の断面形状を有している。
【0073】
次に、実施の形態2に係る照明装置1の取付方法について説明する。実施の形態2における取付方法は、基本的に実施の形態1と同じである。そのため、ここでも、
図19のフローチャートを用いて、取付方法について説明する。
【0074】
図19に示すように、ステップS1では、上述した実施の形態1の工程1と同様の工程を行う。すなわち、ステップS1では、
図21に示すように、作業員は、ネジ等の固定具50A(
図20参照)を外して、作業窓カバー30Aを開状態にする。
【0075】
次に、ステップS2では、上述した実施の形態1の工程2と同様の工程を行う。すなわち、
図21に示すように、作業員は、吊りボルト挿通孔262aに、吊りボルト110の先端部110aを挿通させる。
【0076】
次に、ステップS3では、上述した実施の形態1の工程3と同様の工程を行う。すなわち、
図22および
図23に示すように、作業員は、吊りボルト110に固定具53を仮止めした後、レンチ等の工具60で本締めする。
【0077】
次に、ステップS4では、上述した実施の形態1の工程4と同様の工程を行う。すなわち、
図24に示すように、作業員は、吊りボルト110への固定具53の固定状態を確認する。
【0078】
工程4では、
図24の矢印Fで示すように、作業員は、作業窓3eよりも広い範囲から、吊りボルト110への固定具53の固定状態を目視で確認することができる。具体的には、作業員は、吊りボルト110の先端部110aの側面方向に近い角度から、吊りボルト110の先端部110aの真下方向の角度まで、の広い範囲で、固定具53の固定状態を目視で確認できる。また、作業窓3eが大きく開口しているため、作業員は、作業窓3eから手を入れて、吊りボルト110における固定具53の締め具合を実際に手で触って確認することもできる。そのため、吊りボルト110に対するナットまたは座金等の固定具53の締め忘れ等を防止することができる。
【0079】
次に、ステップS5では、上述した実施の形態1の工程5と同様の工程を行う。すなわち、
図25に示すように、作業員は、作業窓カバー30Aを閉じて、ネジ等の固定具50Aで、作業窓カバー30Aを意匠カバー3に固定する。
【0080】
作業窓3eの高さ方向の長さについて、
図23を用いて説明する。作業窓3eの高さ方向の長さは、意匠カバー側面部3dの高さ方向の長さL5の1/2程度である。作業窓3eの高さ方向の長さは、工具60にナット等の固定具53を掛けた状態、および、固定具53を緩めて工具60で外すときの状態において、工具60および固定具53が、作業窓3eの開口部の縁に干渉しない長さとする。すなわち、作業窓3eの作業窓第2端部3ebのZ方向の位置は、
図23の一点鎖線Cで示すように、吊りボルト110の先端部110aとほぼ同じ位置となるようにする。工具60は、
図23の矢印Dで示すように、工具60に固定具53を掛けた状態で、上下に移動させる。このときに、工具60が、作業窓3eの縁、特に、作業窓第2端部3ebおよび作業窓第1端部3eaに接触しないように、作業窓3eの高さ方向の長さを決定する。
【0081】
また、実施の形態2では、
図23の一点鎖線の楕円Eで示すように、吊りボルト110の真下方向が、作業窓3eによって開口しているので、吊りボルト110の取付部分である先端部110aの視認性がよい。なお、工具60は、照明器具2の側方から作業窓3eに挿入できるので、必ずしも、吊りボルト110の真下まで作業窓3eが開口していなくてもよい。すなわち、作業時に、作業員が、吊りボルト110の取付部分の位置を視認できる程度に、作業窓3eが開口していればよい。
【0082】
実施の形態2において、作業窓3eの幅方向の長さは、実施の形態1と同様に設定すればよいため、ここでは、その説明を省略する。
【0083】
以上のように、実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、意匠カバー3の意匠カバー側面部3dに、作業窓3eが形成されている。そのため、意匠カバー3を取り付けた状態で照明装置1を被取付部100に取り付けることができる。すなわち、
図20に示すように、照明器具2に意匠カバーを取り付けてパッケージ化された状態の照明装置1を、天井等の被取付部100に取り付けることができる。これにより、作業員は、取付作業が容易になり、作業員の作業負荷を軽減することができる。
【0084】
また、照明装置1の取付作業時に、作業員は、作業窓3eを開いた状態で、照明装置1の取付作業を行う。そのため、作業員は、作業窓3eから、吊りボルト110の位置と吊りボルト突出部262の吊りボルト挿通孔262aの位置との位置関係を確認しながら、取付作業を行うことができる。さらに、作業員は、作業窓3eから、吊りボルト110の取付部分である先端部110aの位置と状態とを確認しながら、取付作業を行うことができる。このように、作業員は、作業窓3eから、常に、取付状態を確認しながら、取付作業が行えるため、視認性に優れている。これにより、実施の形態2における照明装置1および意匠カバー3は、取付時の視認性に優れ、取付作業が容易になる。
【0085】
以上のように、実施の形態2は、意匠カバー3の一部が作業窓3eによって開閉できる構造となっているため、意匠カバー3を照明器具2に取り付けた状態で、天井等の被取付部100に取付が可能である。そのため、天井等の被取付部100への照明装置1の取付作業が容易になり、作業員の作業負荷が軽減される。
【0086】
なお、上記の実施の形態2の説明においては、作業窓3eの高さ方向の長さは、意匠カバー側面部3dの高さ方向の長さL5の1/2程度である場合を例に挙げて説明した。ししかしながら、その場合に限定されない。
図26は、実施の形態2の変形例に係る照明装置の構成および取付方法を示す断面図である。
図26に示すように、作業窓3eの高さ方向の長さは、意匠カバー側面部3dの高さ方向の長さL5とほぼ同じか、あるいは、長さL5より若干短い長さにしてもよい。その場合には、さらに、工具60が作業窓3eの開口部の縁に干渉し難くなるため、より作業性に優れる。
【0087】
さらに、実施の形態2では、意匠カバー3の意匠カバー側面部3dから意匠カバー主面部3aに亘って作業窓3eを形成している。これにより、作業員は、作業窓3eを通して、吊りボルト110の側面方向から真下方向までの広い範囲から、吊りボルト110の位置を容易に確認することができ、工具60の取り扱いが容易になり、視認性および作業性に優れている。
【0088】
実施の形態3.
図27および
図28を用いて、実施の形態3に係る意匠カバーおよび照明装置の構成について説明する。
図27および
図28は、実施の形態3に係る照明装置の構成および取付方法を示す斜視図である。
【0089】
図27および
図28に示すように、実施の形態3では、作業窓カバー30Bが、X方向に開閉される。この点が、実施の形態3は実施の形態1と異なる。
【0090】
実施の形態3に係る、照明装置1、照明器具2および意匠カバー3の他の構成は、実施の形態1と同じであるため、同一符号を付して示し、ここでは、その説明を省略する。
【0091】
実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、意匠カバー3は、四角錐台形の形状を有している。そのため、実施の形態3においても、作業窓3eが形成された意匠カバー側面部3dは、Z方向に対して傾斜して配置されている。すなわち、意匠カバー側面部3dは、実施の形態1と同様に、天井等の被取付部100に向かうにつれて、照明器具2の外方に向かって傾斜する。
【0092】
実施の形態3においては、
図27および
図28に示すように、作業窓3eは、側面視で矩形形状を有している。作業窓3eは、Z方向において器具本体200の第1面側、すなわち、Z2側に配置された作業窓第1端部3eaと、Z方向において作業窓第1端部3eaに対向して配置された作業窓第2端部3ebと、を有している。作業窓第1端部3eaおよび作業窓第2端部3ebは、共に、X方向に延びている。
【0093】
作業窓3eは、2つの第1爪部3ee-1と、2つの第2爪部3ee-2と、を有している。第1爪部3ee-1は、作業窓第1端部3eaに設けられ、作業窓第1端部3eaから作業窓3eの内方に向かって突出している。また、第2爪部3ee-2は、作業窓第2端部3ebに設けられ、作業窓第2端部3ebから作業窓3eの内方に向かって突出している。なお、
図27および
図28では、第1爪部3ee-1の個数と、第2爪部3ee-2の個数と、が、共に2つの場合を図示しているが、その場合に限らず、3以上の任意の個数でもよい。
【0094】
作業窓カバー30Bは、第1爪部3ee-1と第2爪部3ee-2とによって摺動可能に支持されている。作業窓カバー30Bは、第1爪部3ee-1と第2爪部3ee-2とにガイドされてX方向に摺動することで、作業窓3eを開閉させる。
【0095】
また、実施の形態3では、
図28に示すように、作業窓カバー30BのX方向の移動を規制するためのストッパー31が、意匠カバー側面部3dに設けられている。ストッパー31は、意匠カバー側面部3dの表面から外方に向かって突出する凸部から構成されている。ストッパー31は、意匠カバー側面部3dの一部を切り起こすことで形成してもよいし、あるいは、意匠カバー側面部3dと別体で形成して取り付けるようにしてもよい。
【0096】
ストッパー31は、作業窓3eが全開の状態のときに、作業窓カバー30BのX方向の一端が当接することで、作業窓カバー30BのX方向の移動を規制する。
【0097】
また、作業窓カバー30BのX方向の他端には、ネジ等の固定具50Bが挿通されるネジ穴が形成されている。作業窓カバー30Bは、通常時は閉状態であり、固定具50Bにより意匠カバー側面部3dに固定されている。
【0098】
実施の形態3における照明装置1の取付方法は、実施の形態1と同じである。そのため、ここでは、その説明を省略する。
【0099】
以上のように、実施の形態3によれば、意匠カバー3の意匠カバー側面部3dに、作業窓3eが形成されている。そのため、意匠カバー3を取り付けた状態で照明装置1を被取付部100に取り付けることができる。
図27および
図28に示すように、照明器具2に意匠カバー3を取り付けてパッケージ化された状態の照明装置1を、天井等の被取付部100に取り付けることができる。そのため、作業員は、取付作業が容易になり、作業員の作業負荷を軽減することができる。
【0100】
また、照明装置1の取付作業時に、作業員は、作業窓3eを開いた状態で、照明装置1の取付作業を行う。そのため、作業員は、作業窓3eから、吊りボルト110の位置と吊りボルト突出部262の吊りボルト挿通孔262aの位置との位置関係を確認しながら、取付作業を行うことができる。さらに、作業員は、作業窓3eから、吊りボルト110の取付部分である先端部110aの位置と状態とを確認しながら、取付作業を行うことができる。このように、作業員は、作業窓3eから、常に、取付状態を確認しながら、取付作業が行えるため、組立作業時の視認性に優れている。これにより、実施の形態3における照明装置1および意匠カバー3は、取付時の視認性に優れ、取付作業が容易になる。
【0101】
以上のように、実施の形態3は、意匠カバー3の一部が作業窓3eによって開閉できる構造となっているため、意匠カバー3を照明器具2に取り付けた状態で、天井等の被取付部100に取付が可能である。そのため、天井等の被取付部100への照明装置1の取付作業が容易になり、作業員の作業負荷が軽減される。
【0102】
さらに、実施の形態3では、意匠カバー3の意匠カバー側面部3dが傾斜しており、この傾斜している意匠カバー側面部3dに作業窓3eを形成している。これにより、作業員は、作業窓3eを通して、吊りボルト110の側面方向から真下方向までの広い範囲から、吊りボルト110の位置を容易に確認することができ、工具60の取り扱いが容易になり、視認性および作業性に優れている。さらに、実施の形態3では、作業窓カバー30Bが左右方向にスライド式に開閉する。そのため、作業窓カバー30Bが下方に向かって垂れていないので、作業員の作業の邪魔にならない。
【0103】
なお、意匠カバー3に設けられた2つの作業窓カバー30Bのうち、一方を実施の形態1の作業窓カバー30に変更して、実施の形態1と実施の形態3とを組み合わせてもよい。
【0104】
実施の形態4.
図29は、実施の形態4に係る照明装置を保守管理する照明装置保守管理システムの構成を示す図である。
図29に示すように、照明装置保守管理システム300は、サーバ301またはクラウド302と、端末装置303と、を備えている。また、照明装置保守管理システム300は、必要に応じて、携帯端末304を備えていてもよい。
【0105】
端末装置303は、例えば、照明装置1のメンテナンス会社に設置される。携帯端末304は、例えば、スマートフォンから構成され、メンテナンス会社の作業員400または照明装置1が設置されたガソリンスタンドの作業員400が携帯している。
【0106】
サーバ301およびクラウド302は、日本国内または海外に設置される。サーバ301は、例えば、ガソリンスタンドを経営している会社内に設置されているか、あるいは、メンテナンス会社内に設置されている。照明装置保守管理システム300は、サーバ301またはクラウド302のうち少なくとも1つを備えていればよい。
【0107】
作業員400は、照明装置1が被取付部100に設置されたときに、サーバ301またはクラウド302に対して、ユーザ登録を行う。ユーザ登録の際には、照明装置1を使用しているユーザのユーザ名、設置日時、設置場所、照明装置1の型番および製造番号等のユーザ情報が送信されて登録される。なお、作業員400は、サーバ301またはクラウド302の代わりに、端末装置303に対して、ユーザ情報を送信してユーザ登録を行うようにしてもよい。また、ユーザ登録の際には、作業員は、例えば、作業員400が携帯している携帯端末304、または、作業員400またはユーザが所持しているパーソナルコンピュータ等の端末装置(図示せず)に、ユーザ情報を入力して送信する。
【0108】
照明装置1は、各種データを検知するためのセンサ群1aを有している。センサ群1aが検知するデータは、例えば、以下のデータである。センサ群1aは、必要に応じて、これらのデータのうちの少なくとも1つを検知する。また、センサ群1aには、検知するデータに対応して、温度センサ、電流センサ、電圧センサ、タイマー、加速度センサ等の各種センサのうちの少なくとも1つが含まれる。これらのセンサは、検知するデータに対応して、照明装置1の意匠カバー3の内部または外部に取り付けられる。
【0109】
(a)照明装置1の通電時間(すなわち、稼働時間)
(b)照明装置1のヒートシンク230の温度
(c)意匠カバー3の表面温度
(d)照明装置1の消費電力
(e)照明装置1の設置日時からの経過日数
(f)照明装置1の姿勢角度の変化
(g)照明装置1の設置されている箇所での地震等による振動の発生
【0110】
センサ群1a、サーバ301またはクラウド302、端末装置303、および、携帯端末304は、インターネット等のネットワークで接続され、互いに、データの送信および受信を行う。
【0111】
センサ群1aは、上記(a)~(g)のデータのうち、少なくとも1つを検知して、例えばルータ(図示せず)を介して、サーバ301またはクラウド302に送信する。なお、サーバ301またはクラウド302に送信するデータは、センサ群1aが検知したデータのうち、保守管理を目的とするデータである。このように、サーバ301またはクラウド302は、インターネット等のネットワークを介して、照明装置1の保守管理を目的とするデータを取得する。
【0112】
サーバ301またはクラウド302は、取得したデータの分析を行って、照明装置1の点検、清掃、または、交換等が必要か否かを判断する。また、サーバ301またはクラウド302は、取得したデータの分析を行って、照明装置1の交換時期または故障の有無を判定するようにしてもよい。
【0113】
具体的には、サーバ301またはクラウド302は、上記(a)および(b)のデータに基づいて、照明装置1の残寿命を推定して、照明装置1の交換時期を予測する。あるいは、サーバ301またはクラウド302は、上記(e)のデータに基づいて、照明装置1の設置日時からの経過日数が予め設定された閾値に達したときに、照明装置1の交換時期であると判断する。なお、残寿命の推定値は、例えば、寿命試験等から得られた平均寿命、稼働時間、設置環境、等に基づいて予め設定された数式を用いて算出する。あるいは、残寿命の推定値は、サーバ301またはクラウド302に学習装置を構築し、教師あり学習、強化学習、教師無し学習などの公知の学習アルゴリズムを用いて求めるようにしてもよい。強化学習の代表的な手法としては、Q学習、および、TD学習などが知られている。
【0114】
あるいは、サーバ301またはクラウド302は、上記(b)または(c)のデータに基づいて、意匠カバー3等の通風穴3fおよび30fの目詰まりの発生の有無を判断する。具体的には、サーバ301またはクラウド302は、ヒートシンク230の温度または意匠カバー3の表面温度が、予め設定された閾値に達したか否かを判定する。そして、それらの温度が閾値に達したときに、意匠カバー3の通風穴3fまたは作業窓カバー30の通風穴30fにおいて埃による目詰まりが発生している可能性があると判断し、照明装置1の清掃が必要であると判断する。
【0115】
あるいは、サーバ301またはクラウド302は、上記(b)または(c)のデータに基づいて、照明装置1の部品のいずれかに異常が発生しているか判断する。具体的には、ヒートシンク230の温度または意匠カバー3の表面温度が、予め設定された閾値に達した場合、照明装置1の部品のいずれかに異常が発生している可能性がある。そのため、サーバ301またはクラウド302は、その場合には、照明装置1の点検が必要であると判断する。
【0116】
あるいは、サーバ301またはクラウド302は、上記(d)のデータに基づいて、照明装置1の消費電力が予め設定された閾値に達したときに、照明装置1に何らかの異常が発生している可能性があるため、照明装置1の清掃または交換が必要であると判断する。
【0117】
あるいは、サーバ301またはクラウド302は、上記(f)のデータに基づいて、照明装置1の姿勢角度の変化量が予め設定された閾値に達したときに、照明装置1の取付不良が発生している可能性があるため、照明装置1の点検が必要であると判断する。
【0118】
あるいは、サーバ301またはクラウド302は、上記(g)のデータに基づいて、照明装置1が設置されている箇所で、予め設定された震度以上の地震等による振動の発生が検知された場合、照明装置1の点検が必要であると判断する。
【0119】
そして、サーバ301またはクラウド302は、照明装置1の点検、清掃、または、交換等が必要であると判断した場合に、インターネット等のネットワークを介して、端末装置303および携帯端末304のうち少なくとも1つに、メッセージを送信する。端末装置303または携帯端末304のアドレスは、サーバ301またはクラウド302に通知先として予め登録されている。当該メッセージを受信した端末装置303または携帯端末304は、当該メッセージをメモリに格納するとともに、当該メッセージを表示画面に表示する。これにより、メンテナンス会社またはガソリンスタンドの作業員400は、照明装置1の点検、清掃、または、交換等が必要であることを認知して、対応することができる。
【0120】
以上のように、サーバ301およびクラウド302は、照明装置1の保守管理を目的とするデータの取得を行うデータ取得部を有している。また、サーバ301およびクラウド302は、取得したデータの分析を行って、照明装置1の点検、清掃、または、交換が必要か否かを判断する、データ分析部を有している。さらに、サーバ301およびクラウド302は、データ分析部が照明装置1の点検、清掃、または、交換が必要であると判断した場合に、照明装置1の点検、清掃、または、交換が必要であることを予め通知先として登録されている端末装置303または携帯端末304に通知する通知部を有している。
【0121】
また、端末装置303および携帯端末304は、サーバ301またはクラウド302から、照明装置1の点検、清掃、または、交換が必要であることを示す通知データを含むメッセージを受信する受信部を有している。また、端末装置303および携帯端末304は、当該通知データを含むメッセージを格納するメモリとしての記憶部を有している。さらに、端末装置303および携帯端末304は、当該通知データを含むメッセージを表示するディスプレイ等の表示部を有している。なお、端末装置303および携帯端末304は、表示部の代わりに、メッセージを音声またはアラーム音により出力する出力部を有していてもよい。
【0122】
また、照明装置1は、照明装置1の保守管理を目的とするデータを検知する検知部を有している。検知部は、センサ群1aから構成されている。また、照明装置1は、検知部で検知したデータを、サーバ301またはクラウド302に送信するデータ送信部を有している。データ送信部は、照明装置1の構成要素ではなく、作業員400またはユーザが所持しているパーソナルコンピュータ等の端末装置(図示せず)に設置されていてもよい。また、データ送信部は、センサ群1aと無線等で通信可能な、ガソリンスタンドに設置されているルータから構成されていてもよい。
【0123】
上記の実施の形態1~3で説明したように、上記の実施の形態1~3に係る照明装置1は、意匠カバー3を照明器具2に取り付けたパッケージ化した状態で、天井等の被取付部100に取り付けることができる。そのため、照明装置1を交換する際に、作業員400は、作業窓3eから吊りボルト110の取付部分である先端部110aを視認しながら、簡単に、照明装置1の交換作業を行うことができる。
【0124】
また、上記の実施の形態1~3に係る照明装置1は、意匠カバー3を照明器具2に取り付けたパッケージ化した状態で取り付けおよび取り外しが可能である。そのため、作業員400は、容易に照明装置1を取り外すことができるため、高所作業で照明装置1の点検を行う必要はなく、点検時に、照明装置1を取り外して、地上で照明装置1の点検作業を行うことも可能である。また、清掃時も、照明装置1を取り外して、地上で照明装置1の清掃作業を行うことも可能である。
【0125】
以上のように、上記の実施の形態1~3に係る照明装置1は、被取付部100への取付作業および取り外し作業が容易である。そのため、照明装置保守管理システム300により照明装置1の状態を常にモニタリングすることで、速やかに、点検、清掃、または、交換等が必要か否かを認知することができる。その結果、作業員400は、清掃等のメンテナンス、異常の有無の点検、交換等の作業を、効率よく簡易な作業で行うことができる。
【0126】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0127】
(付記1)
被取付部に設置された吊りボルトに取り付けられる照明器具の器具本体の第1面に配置された光源部を覆う意匠カバーであって、
前記器具本体の前記第1面側から前記第1面側の反対側の第2面側に向かう方向を第1方向としたとき、
前記光源部を覆うように前記器具本体の前記第1面側に配置され、前記光源部を露出させる光源部用開口部が形成された意匠カバー主面部と、
前記意匠カバー主面部の端部から前記第1方向に立設され、内方に前記照明器具と前記吊りボルトとが配置される、意匠カバー側面部と、
前記意匠カバー側面部のうちの少なくとも1つに設けられ、前記吊りボルトの前記被取付部の反対側の先端部を露出させる作業窓と、
前記作業窓を開閉させる作業窓カバーと、
を備えた、意匠カバー。
(付記2)
前記作業窓は、前記第1方向において前記被取付部に向かうにつれて、前記器具本体から離れる方向に傾斜して配置される、
付記1に記載の意匠カバー。
(付記3)
前記作業窓の設置角度に沿った前記作業窓の前記第1方向の長さは、前記意匠カバー側面部の設置角度に沿った前記意匠カバー側面部の前記第1方向の全長と同じかあるいは略同じである、
付記1または2に記載の意匠カバー。
(付記4)
前記作業窓は、側面視で矩形形状を有しており、前記第1方向において前記器具本体の前記第1面側に配置された作業窓第1端部と、前記第1方向において前記作業窓第1端部に対向して配置された作業窓第2端部と、を有し、
前記作業窓第1端部および前記作業窓第2端部の延設方向を第2方向としたとき、
前記作業窓第1端部は、前記作業窓と連通し、前記作業窓から離れる方向に前記第2方向に延びた切欠き部を有し、
前記切欠き部は、前記作業窓カバーに設けられた突出部が挿通された状態で引っ掛かるように形成されている、
付記1~3のいずれか1つに記載の意匠カバー。
(付記5)
前記作業窓カバーは、側面視で矩形形状を有しており、前記第1方向において前記器具本体の前記第1面側に配置された作業窓カバー第1端部と、前記第1方向において前記作業窓カバー第1端部に対向して配置された作業窓カバー第2端部と、を有し、
前記作業窓カバーに設けられた前記突出部は、前記作業窓カバー第1端部に設けられ、前記作業窓から離れる方向に前記第2方向に延設され、
前記突出部は、前記作業窓に設けられた前記切欠き部に引っ掛かることで、前記切欠き部に係止され、
前記作業窓カバーは、前記作業窓カバー第1端部を軸にして、前記作業窓に対して回動自在に取り付けられる、
付記4に記載の意匠カバー。
(付記6)
前記作業窓は、前記意匠カバー側面部のうちの少なくとも1つから前記意匠カバー主面部に亘って、前記意匠カバー側面部のうちの前記少なくとも1つと前記意匠カバー主面部とが交差する角部に形成され、
前記作業窓は、
前記意匠カバー側面部のうちの前記少なくとも1つに設けられた第1開口部と、
前記意匠カバー主面部に設けられ、前記第1開口部に連通した第2開口部と、
を備え、
前記作業窓カバーは、前記第1開口部を覆う第1カバー部と、前記第1カバー部に連結されて設けられ、前記第2開口部を覆う第2カバー部と、を有する、
付記1~3のいずれか1つに記載の意匠カバー。
(付記7)
前記作業窓は、側面視で矩形形状を有しており、前記第1方向において前記器具本体の前記第1面側に配置された作業窓第1端部と、前記第1方向において前記作業窓第1端部に対向して配置された作業窓第2端部と、を有し、
前記作業窓第1端部および前記作業窓第2端部の延設方向を第2方向としたとき、
前記作業窓は、
前記作業窓第1端部に設けられ、前記作業窓第1端部から前記作業窓に向かって突出された複数の第1爪部と、
前記作業窓第2端部に設けられ、前記作業窓第2端部から前記作業窓に向かって突出された複数の第2爪部と、
を有し、
前記作業窓カバーは、前記第1爪部と前記第2爪部とによって摺動可能に支持されて、前記第1爪部と前記第2爪部とにガイドされて前記第2方向に摺動することで、前記作業窓を開閉する、
付記1~6のいずれか1つに記載の意匠カバー。
(付記8)
前記作業窓が設けられた前記意匠カバー側面部のうちの前記少なくとも1つに設けられ、前記意匠カバー側面部のうちの前記少なくとも1つから外方に向かって突出する凸部から構成されたストッパーを備え、
前記ストッパーは、前記作業窓が全開の状態のときに、前記作業窓カバーの前記第2方向の一端が当接することで、前記作業窓カバーの前記第2方向の移動を規制する、
付記7に記載の意匠カバー。
(付記9)
前記第1方向に交差する方向を第2方向および第3方向とし、
前記第2方向を前記作業窓の幅方向とし、
前記第3方向を前記作業窓の奥行き方向としたとき、
前記作業窓の設置角度に沿った前記作業窓の前記第1方向の長さは、前記吊りボルトの前記先端部が前記第1方向および前記第3方向から見えるように露出される長さに設定される、
付記1~8のいずれか1つに記載の意匠カバー。
(付記10)
前記第1方向に交差する方向を第2方向および第3方向とし、
前記第2方向を前記作業窓の幅方向とし、
前記第3方向を前記作業窓の奥行き方向としたとき、
前記作業窓の前記第2方向の長さは、前記吊りボルトの前記先端部に固定具を取り付ける際に用いられる工具が回動可能で、前記工具の握り手が前記作業窓の開口部の縁に干渉しない長さに設定される、
付記1~9のいずれか1つに記載の意匠カバー。
(付記11)
前記作業窓は、側面視で矩形形状を有しており、前記第1方向において前記器具本体の前記第1面側に配置された作業窓第1端部と、前記第1方向において前記作業窓第1端部に対向して配置された作業窓第2端部と、前記作業窓第1端部と前記作業窓第2端部との間に配置され、前記作業窓第1端部と前記作業窓第2端部とを連結する1対の作業窓第3端部と、を有し、
前記作業窓の奥行き方向を第3方向とし、
前記吊りボルトの前記先端部の軸中心を中心とし、
前記中心を通って前記第3方向に延びる仮想線を基準線とし、
前記作業窓第2端部と前記作業窓第3端部とが接続される接続点と、前記中心と、を通る仮想線を、第1仮想線としたとき、
前記作業窓の前記第2方向の長さは、
前記基準線と前記第1仮想線とで定義される第1角度が、60°~80°の間の範囲の値になるように、設定される、
付記1~10のいずれか1つに記載の意匠カバー。
(付記12)
前記被取付部に設置された前記吊りボルトに取り付けられる前記照明器具の前記器具本体の前記第1面と反対側の第2面に前記光源部からの熱を放熱させるヒートシンクが配置され、
前記意匠カバー主面部、前記意匠カバー側面部、および、前記作業窓カバーのうち少なくとも1つに形成された複数の通風穴
を備えた、
付記1~11のいずれか1つに記載の意匠カバー。
(付記13)
前記被取付部に設置された前記吊りボルトに取り付けられ、前記光源部を有する、照明器具と、
前記照明器具の器具本体の第1面に配置された前記光源部を覆う付記1~12のいずれか1つに記載の意匠カバーと、
を備えた、照明装置。
(付記14)
付記13に記載の照明装置の取付方法であって、
前記作業窓カバーを開状態にする工程と、
前記照明装置に形成された吊りボルト挿通孔に前記吊りボルトを挿通させる工程と、
前記吊りボルトに固定具を仮止めした後、前記固定具を本締めして固定する工程と、
前記吊りボルトの前記固定具の固定状態の確認を行う工程と、
前記作業窓カバーを閉状態にする工程と、
を備えた、照明装置の取付方法。
(付記15)
付記13に記載の照明装置の保守管理を行う照明装置保守管理システムで用いられるサーバであって、
前記照明装置の保守管理を目的とするデータの取得を行うデータ取得部と、
前記データの分析を行って、前記照明装置の点検、清掃、または、交換が必要か否かを判断する、データ分析部と、
前記データ分析部が前記照明装置の点検、清掃、または、交換が必要であると判断した場合に、前記照明装置の点検、清掃、または、交換が必要であることを予め通知先として登録されている端末装置または携帯端末に通知する通知部と、
を備えた、サーバ。
【符号の説明】
【0128】
1 照明装置、1a センサ群、2 照明器具、3 意匠カバー、3a 意匠カバー主面部、3b 光源部用開口部、3c 上面部、3d 意匠カバー側面部、3d-1 意匠カバー側面部、3d-2 意匠カバー側面部、3e 作業窓、3ea 作業窓第1端部、3eb 作業窓第2端部、3ec 切欠き部、3ed 作業窓第3端部、3ee-1 第1爪部、3ee-2 第2爪部、3f 通風穴、3g-1 第1開口部、3g-2 第2開口部、3h 吊りボルト配置部、3j 角部、4 接続部、4a 貫通孔、4b ネジ穴、4c 電線挿通孔、30 作業窓カバー、30A 作業窓カバー、30B 作業窓カバー、30a 作業窓カバー第1端部、30b 作業窓カバー第2端部、30c 突出部、30d 作業窓カバー第3端部、30e ネジ穴、30f 通風穴、30g-1 第1カバー部、30g-2 第2カバー部、31 ストッパー、50 固定具、50A 固定具、50B 固定具、51 固定具、52 固定具、53 固定具、60 工具、60a 握り手、100 被取付部、110 吊りボルト、110a 先端部、200 器具本体、210 光源ユニット、220 光源部、230 ヒートシンク、231 ベース部、232 フィン部、233 ヒートシンク側固定部、240 電源ユニット、241 電源部、242 端子台、243 器具側電線、250 光源カバー、260 吊りボルト取付部、261 照明器具固定部、261a 固定具挿通穴、262 吊りボルト突出部、262a 吊りボルト挿通孔、263 意匠カバー固定部、263a 固定具挿通穴、300 照明装置保守管理システム、301 サーバ、302 クラウド、303 端末装置、304 携帯端末、400 作業員、A 矢印、B 矢印、C 一点鎖線、D 矢印、E 楕円、F 矢印、L2 距離、L3 距離、O 中心、P 接続点、R 基準線、V 第1仮想線、α 角度、β 角度。