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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067200
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ショベル系掘削機活用型作業機
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/38 20060101AFI20240510BHJP
   E02F 3/36 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
E02F3/38 B
E02F3/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177083
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】517442410
【氏名又は名称】株式会社Die Kraft
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 力
(72)【発明者】
【氏名】亀谷 亮太
【テーマコード(参考)】
2D012
【Fターム(参考)】
2D012DA03
(57)【要約】
【課題】ブームに対してアームを鋭角的に屈曲させ得るようにしてブームの上方空間の作業を可能にしたショベル系掘削機転用型作業機を提供すること。
【解決手段】 ショベル系掘削機(1)のアーム(6)の先端部にバケット(7)に代えて又はバケット(7)と共に着脱可能なアタンチメント手段を取付けたショベル系掘削機活用型作業機において、アーム(6)の基端部に固着され且つバケットシリンダ(10)とアームシリンダ(9)とがピン結合されるアームブラケット(14)を設け、ブーム(5)にはアームブラケット(14)とアームシリンダ(9)を導入可能な導入空間(11)を形成し、アームシリンダ(9)の基端部をブームに結合するピン結合部(19)を下方且つアームに接近する方向へ切換えるリンク変更機構(20)を設け、リンク変更機構(20)によりアームシリンダ(9)の先端部のピン結合部(18)を死点(X)を越えて死点(X)よりも下側へ移動可能に構成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショベル系掘削機の掘削機本体と、ブームと、アームと、ブームを揺動させる為のブームシリンダと、アームを揺動させる為のアームシリンダと、バケットシリンダとを有し、アームの先端部にバケットに代えて又はバケットと共に着脱可能なアタンチメント手段を取付けたショベル系掘削機活用型作業機において、
前記アームの基端部に固着され且つバケットシリンダの基端部とアームシリンダの先端部とが夫々ピン結合されるアームブラケットを設け、
前記ブームは前記アームブラケットとアームシリンダを導入可能な導入空間を部材と部材の間に形成した二部材構造に形成され、
前記アームシリンダの基端部をブームに結合する第1ピン結合部を下方且つ前記アームに接近する方向へ切換えるリンク変更機構を設け、
前記アームシリンダを最大限収縮させた死点位置で且つ前記アームシリンダの油圧をロックした状態で、前記リンク変更機構により前記アームシリンダの基端部の第1ピン結合部の位置を切換えることで、アームシリンダの先端部の第2ピン結合部を前記死点を越えて死点よりも下側へ移動させるように構成したことを特徴とするショベル系掘削機活用型作業機。
【請求項2】
前記アームシリンダを最大限収縮させた状態で、アームの基端部をブームに結合する第3ピン結合部と、アームシリンダの先端部の第2ピン結合部と、アームシリンダの基端部の第1ピン結合部とが一直線上に整列することを特徴とする請求項1に記載のショベル系掘削機活用型作業機。
【請求項3】
前記アームシリンダの先端部の第2ピン結合部を前記死点よりも下方へ移動させた状態において、前記アームシリンダの油圧ロックを解除し、前記アーム及びアタンチメント手段により前記ブームの上方の作業空間における作業を実施可能にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のショベル系掘削機活用型作業機。
【請求項4】
前記リンク変更機構は、少なくとも一部が前記導入空間に配置された三角ブラケットであって、前記掘削機本体側の基端部が前記ブームにピン結合され且つ上端側先端部に前記アームシリンダの基端部がピン結合された三角ブラケットと、
前記三角ブラケットを前記リンク変更機構が作動しない通常位置から、この通常位置よりも下方へ回動させたリンク変更位置に切換える油圧シリンダを有することを特徴とする
請求項1又は2に記載のショベル系掘削機活用型作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショベル系掘削機のアームの先端部にアタッチメント手段を取り付けた作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
ショベル系掘削機は、掘削機本体と、この掘削機本体に連結されたブームと、このブームの先端部に連結されたアームと、アームの先端部に連結されたバケット、ブームを揺動させる為のブームシリンダと、アームを揺動させる為のアームシリンダと、バケットを揺動させるバケットシリンダとを有する(特許文献1~4参照)。
前記ショベル系掘削機のアームの先端部に着脱可能なアタンチメント手段を取付けた種々の作業機も実用化されており、剪断や切断用アタンチメント手段を用いる建物や土木構造物の解体用の作業機、掴み動作用アタンチメント手段を用いる木材等のハンドリングや物資の運搬等に供する種々の作業機が活用されている。
【0003】
本願の図5に示すように、従来のショベル系掘削機100は、掘削機本体101と、この掘削機本体101に連結されたブーム102と、このブーム102の先端部に連結されたアーム103と、ブーム102を揺動させる為のブームシリンダ104と、アーム103を揺動させる為のアームシリンダ105と、バケットシリンダ106とを有する。
掘削機本体101は、左右1対のクローラを備えた下部走行体101aと、この下部走行体101aの上部に旋回自在に装備され且つ運転質を備えた上部旋回体101bとを有している。この掘削機100においては、ブーム102が1部材からなる一体構造であり、このブーム102の上側にアームシリンダ105が配設されている。
【0004】
ブーム102を最大限上方揺動させ、アーム103を最大限上方揺動させた状態において、アーム103の基部のピン結合部107aと、アームシリンダ105の先端部のピン結合部105aと、アームシリンダ105の基端部のピン結合部105bとが一直線上に整列することはなく、ピン結合部105a,105bがブーム102の上面から外側に離隔した状態になっている。そのため、アーム103を図示の状態よりも上方へ揺動させることは出来ず、ブーム101の上半部とアーム103とがほぼ一直線状に並んだ状態がアーム103の最大揺動位置となる。バケットの最大揺動姿勢も図示のとおりである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-119832号公報
【特許文献2】特開2021-116547号公報
【特許文献3】特開平7-76492号公報
【特許文献4】特開平11-247214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のショベル系掘削機では、ブームに対してアームを上方へ屈曲状態に揺動させることはできないため、掘削機の上方空間の解体作業等を行うには、アームの姿勢に制約があり、作業能率を高めることは困難であった。しかも、バケットやアタッチメント手段の上向き方向への姿勢変更にも制約があり、作業能率を高めることは困難であった。
本発明の目的は、ブームに対してアームを鋭角的に屈曲させ得るようにしてブームの上方空間の作業を可能にしたショベル系掘削機転用型作業機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1のショベル系掘削機転用型作業機は、ショベル系掘削機の掘削機本体と、ブームと、アームと、ブームを揺動させる為のブームシリンダと、アームを揺動させる為のアームシリンダと、バケットシリンダとを有し、アームの先端部にバケットに代えて又はバケットと共に着脱可能なアタンチメント手段を取付けたショベル系掘削機活用型作業機において、前記アームの基端部に固着され且つバケットシリンダの基端部とアームシリンダの先端部とが夫々ピン結合されるアームブラケットを設け、前記ブームは前記アームブラケットとアームシリンダを導入可能な導入空間を部材と部材の間に形成する二部材構造に形成され、前記アームシリンダの基端部をブームに結合する第1ピン結合部を下方且つ前記アームに接近する方向へ切換えるリンク変更機構を設け、前記アームシリンダを最大限収縮させた死点位置で且つ前記アームシリンダの油圧をロックした状態で、前記リンク変更機構により前記アームシリンダの基端部の第1ピン結合部の位置を切換えることで、アームシリンダの先端部の第2ピン結合部を前記死点を越えて死点よりも下側へ移動させるように構成したことを特徴としている。
【0008】
以上の構成によれば、ブームが導入空間を有する二部材構造であるため、アームシリンダを最大限収縮させた死点位置で且つアームシリンダの油圧をロックした状態で、リンク変更機構によりアームシリンダの基端部の第1ピン結合部の位置を下方且つ前記アームに接近する方向へ切換えることで、アームシリンダの先端部の第2ピン結合部を死点を越えて死点よりも下側へ移動させる。
こうすると、アームシリンダの油圧ロックを解除してアームシリンダを機能させることで、アームをブームに対して上方へ鋭角的に屈曲させることができ、ブームの上方の作業空間における作業を能率的に実施可能になるうえ、アタンチメント手段の動作方向の切り換えの自由度も増して作業能率が向上する。
【0009】
請求項2のショベル系掘削機転用型作業機は、請求項1の発明において、前記アームシリンダを最大限収縮させた状態で、アームの基端部をブームに結合する第3ピン結合部と、アームシリンダの先端部の第2ピン結合部と、アームシリンダの基端部の第1ピン結合部とが一直線上に整列することを特徴としている。
【0010】
以上の構成によれば、上記の状態のとき、アームシリンダの先端部の第2ピン結合部が死点位置にあるため、アームシリンダの基端部の第1ピン結合部の位置を僅かに移動させるだけで、アームシリンダの先端部の第2ピン結合部が死点を越えることができる。
【0011】
請求項3のショベル系掘削機転用型作業機は、請求項1又は2の発明において、前記アームシリンダの先端部の第2ピン結合部を前記死点よりも下方へ移動させた状態において、前記アームシリンダの油圧ロックを解除し、前記アーム及びアタンチメント手段により前記ブームの上方の作業空間における作業を実施可能にしたことを特徴としている。
【0012】
以上の構成によれば、アームをブームに対して上方へ鋭角的に屈曲させることができ、ブームの上方の作業空間における作業を能率的に実施可能になるうえ、アタンチメント手段の動作方向の切り換えの自由度も増して作業能率が向上する。
【0013】
請求項4のショベル系掘削機転用型作業機は、請求項1又は2の発明において、前記リンク変更機構は、少なくとも一部が前記導入空間に配置された三角ブラケットであって、前記掘削機本体側の基端部が前記ブームにピン結合され且つ上端側先端部に前記アームシリンダの基端部がピン結合された三角ブラケットと、前記三角ブラケットを前記リンク変更機構が作動しない通常位置から、この通常位置よりも下方へ回動させたリンク変更位置に切換える油圧シリンダを有することを特徴としている。
【0014】
以上の構成によれば、三角ブラケットと、油圧シリンダとからなる簡単な構成のリンク変更機構を採用することができ、製作コスト面で有利である。
【発明の効果】
【0015】
上記のように、本発明によれば種々の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るショベル系掘削機の側面図である。
図2】ショベル系掘削機の平面図である。
図3】閉状態のアタッチメント手段の側面図である。
図4】開状態のアタッチメント手段の側面図である。
図5】従来のショベル系掘削機の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係るショベル系掘削機活用型作業機について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、このショベル系掘削機1(油圧ショベル)は、掘削機本体4と、この掘削機本体4に水平の連結ピンにより連結されたブーム5と、このブーム5の先端部に基端部が水平の連結ピンにより連結されたアーム6と、このアーム6の先端部に水平の連結ピンにより連結されたバケット7と、ブームシリンダ8と、アームシリンダ9と、バケットシリンダ10とを有する。
【0018】
掘削機本体4は、左右1対のクローラ2aを備えた下部走行体2と、この下部走行体2 の上部に旋回自在に装備され操作者が乗り込む運転室3aを備えた上部旋回体3とを有している。上部旋回体3の後部には、油圧供給源としての油圧ポンプ(図示略)と、この油圧ポンプを駆動すると共に左右のクローラを駆動するエンジン等が搭載されている。
尚、前記ブーム5は、上部旋回体3の前端部に水平連結ピンにより連結されている。
【0019】
ショベル系掘削機活用型作業機は、上記のショベル系掘削機1のバケット7に代えてアーム6の先端部に着脱可能なアタッチメント手段50(図3図4 参照)を取付けたものであり、本願の特徴はアーム6を揺動させる機構にあるので、主にショベル系掘削機1に基づいて以下に説明する。尚、以下の説明において「基端部」とは、掘削機本体4側の端部を意味し、「先端部」とは、掘削機本体4と反対側の端部を意味する。
【0020】
尚、アタッチメント手段50は、例えば、建物の解体を行う為の鋏型のアタッチメント手段であるが、アタッチメント手段50はこれに限定されるものではなく、種々のアタッチメント手段を適用可能である。
尚、バケット7を残した状態でアタッチメント手段をアームの先端に取付け、バケット7とアタッチメント手段との協働で作業を行うように構成する場合もある。
【0021】
ここで、アタッチメント手段50について、図3図4に基づいて説明する。
アタッチメント手段50は、爪部材51と、爪部材52と、爪部材51に固着の腕部材54をアーム6の先端部にピン結合するピン結合部53と、爪部材51,52の基端部同士をピン結合するピン結合部55と、爪部材52に固着の腕部材57の端部をバケットシリンダ10のロッドの先端に連結するピン結合部56とを有する。
【0022】
バケットシリンダ10のロッドを最大限収縮させると、図4のように開状態となり、バケットシリンダ10のロッドを伸長させると、図3のように閉状態となる。
【0023】
図1図2に示すように、ブーム5は、例えば側面視L形の2枚の板部材5aの間に、アームブラケット14とアームシリンダ9を導入可能な導入空間11(図2参照)を空けるように形成された二部材構造のものである。ブームシリンダ8の基端部は、上部旋回体3の前端部に水平連結ピンを用いたピン結合部12により連結されている。ブームシリンダ8のロッド8aの先端部は、ブーム5の長さ方向途中部に水平連結ピンを用いたピン結合部(図示略)により連結されている。
【0024】
このブーム5の先端部にアーム6の基端部が挿入されて水平連結ピンを用いたピン結合部13(第3ピン結合部)により連結されている。アーム6の基端部にはほぼ台形状のアームブラケット14が固着され、このアームブラケット14は、ブーム5の導入空間11内へ導入可能に形成されている。
【0025】
上記のアームブラケット14の上端部のうち先端側部分にはバケットシリンダ10の基端部が水平連結ピンを用いたピン結合部15により連結され、バケットシリンダ10のロッド10aの先端部はバケットリンク16a,16bに水平連結ピンを用いたピン結合部17により連結されている。アームブラケット14の上端部のうち基端側部分にはアームシリンダ9のロッド9aの先端部が水平連結ピンを用いたピン結合部18(第2ピン結合部)により連結されている。
【0026】
前記アームシリンダ9の基端部をブーム5に連結するピン結合部19(第1ピン結合部)を下方且つ前記アーム6に接近する方向へ切換えるリンク変更機構20が設けられている。
【0027】
リンク変更機構20は、少なくとも一部がブーム5の導入空間11に配置された三角ブラケット21であって、基端部がブーム5に水平連結ピンを用いたピン結合部22により連結され且つ上端側先端部にアームシリンダ9の基端部が水平連結ピンを用いたピン結合部19により連結された三角ブラケット21と、三角ブラケット21をリンク変更機構20が作動しない通常位置から、この通常位置よりも下方へ約30°回動させたリンク変更位置に切換える油圧シリンダ23を有する。
【0028】
前記アームシリンダ9のロッド9aの先端のピン結合部18の移動軌跡は、図1のピン結合部13を中心とする一点鎖線の円24である。そのため、アームシリンダ9を最大限収縮させた状態で、アーム6の基端部をブーム5に結合するピン結合部13と、アームシリンダ9のロッド9aの先端部のピン結合部18と、アームシリンダ9の基端部のピン結合部19とが一直線25上に整列する。このときのアームシリンダ9のロッド9aの先端部のピン結合部18の位置が死点X(思案点)である。
【0029】
前記アーム6及びアタンチメント手段50によりブームの上方の作業空間における作業を実施する場合には、アームシリンダ9を最大限収縮させた死点Xの位置で且つアームシリンダ9の油圧をロックした状態で、リンク変更機構20の油圧シリンダ23を収縮させることで、三角ブラケット21を下方へ約30°回動させて、アームシリンダ9の基端部のピン結合部19の位置を下方且つアーム6に接近する方向へ切換えて、アームシリンダ9のロッド9aの先端部のピン結合部18を死点Xを越えて死点Xよりも下側へ移動させる。
【0030】
アームシリンダ9の先端部のピン結合部18を死点Xを越えて死点Xよりも下方へ移動させた状態において、アームシリンダ9の油圧ロックを解除し、アームシリンダ9を伸長させてピン結合部18を例えば位置Yまで移動させると、アーム6は図示のように、ブーム5との間の開角が約50°~60°になるように屈曲して上方へ揺動する。
【0031】
それ故、アーム6及びアタンチメント手段50によりブーム5の上方の作業空間における作業を能率的に実施可能になる。しかも、バケット7やアタッチメント手段50の動作方向の切り換えの自由度も増すため、作業能率が向上する。
【0032】
次に、以上のショベル系掘削機活用型作業機の作用効果について説明する。
アームシリンダ9を最大限収縮させた死点位置で且つアームシリンダ9の油圧をロックした状態で、リンク変更機構20によりアームシリンダ9の基端部のピン結合部19の位置を下方且つアーム6に接近する方向へ切換えることで、アームシリンダ9のロッド9aの先端部のピン結合部18を死点Xを越えて死点Xよりも下側へ移動させる。
【0033】
こうしてから、アームシリンダ9の油圧ロックを解除してアームシリンダ9を動作させることで、アーム6をブーム5に対して上方へ鋭角的に屈曲させることができ、ブーム5の上方の作業空間における作業を能率的に実施可能になるうえ、アタッチメント手段50の動作方向の切り換えの自由度も増して作業能率が向上する。
【0034】
アームシリンダ9を最大限収縮させると、アームシリンダ9のロッド9aの先端部のピン結合部18が死点Xの位置になるため、アームシリンダ9の基端部のピン結合部19の位置を僅かに移動させるだけで、アームシリンダ9の先端部のピン結合部19が死点Xを越えることができる。
【0035】
上記のように、アームシリンダ9のロッド9aの先端部のピン結合部18が死点Xを越えた状態において、アームシリンダ9を作動させることで、アーム6をブーム5に対して上方へ鋭角的に屈曲させることができ、ブーム5の上方の作業空間における作業を能率的に実施可能になるうえ、バケット7やアタンチメント手段50の動作方向の切り換えの自由度も増して作業能率が向上する。
三角ブラケット21と、油圧シリンダ23とからなる簡単な構成のリンク変更機構20を採用することができ、製作コスト面で有利である。
【0036】
なお、アーム6を元の状態に復帰させる際には、アームシリンダ9を最大収縮状態にしてその油圧をロックした状態で、リンク変更機構20の油圧シリンダ23を伸長させ、その後アームシリンダ9の油圧ロックを解除すれば、ピン結合18が死点Xの上方へ復帰するため、通常動作が可能になる。
【符号の説明】
【0037】
1 ショベル系掘削機
4 掘削機本体
5 ブーム
5a 板部材
6 アーム
7 バケット
8 ブームシリンダ
9 アームシリンダ
10 バケットシリンダ
11 導入空間
13 第3ピン結合部
14 アームブラケット
18 第2ピン結合部
19 第1ピン結合部
20 リンク変更機構
21 三角ブラケット
23 油圧シリンダ
50 アタッチメント手段
図1
図2
図3
図4
図5