(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067216
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】サーバ、プログラム、及び情報システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20240510BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177109
(22)【出願日】2022-11-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】522432424
【氏名又は名称】株式会社HINICHIJO
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高岡 淳二
(72)【発明者】
【氏名】木邨 学人
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC27
5L050CC27
(57)【要約】
【課題】仮想空間の発展と現実空間の経済的発展の関連を強化する。
【解決手段】管理サーバ10は、記憶装置130、第1受付手段110a、通知手段110b、第2受付手段110c、受信手段110d、及び決定手段110eを有する。記憶装置130は、仮想空間内の位置と現実空間内の位置との対応関係、及び現実空間内の不動産に関する権利者を記憶する。第1受付手段110aは、仮想空間内の仮想建築物についての登録要求を第1ユーザ端末から受け付ける。通知手段110bは、仮想建築物に対応する不動産に関する権利の内容を示す情報を第2ユーザ端へ通知する。第2受付手段110cは、不動産に関する権利の購入の要求を第2ユーザ端末から受け付ける。受信手段110dは、仮想建築物が構築された旨の通知を受信する。決定手段110eは、第1ユーザ端末のユーザ及び不動産の地権者に支払う報酬を決定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内における仮想物についての登録要求を第1ユーザ端末から受け付ける第1受付手段と、
前記登録要求を前記第1受付手段により受け付けた後、前記仮想物に対応する現実空間の物に起因して発生する前記現実空間における権利の内容を示す情報を第2ユーザ端末へ通知する通知手段と、
前記権利の購入の要求を前記第2ユーザ端末から受け付ける第2受付手段と、
前記仮想物に対応する物が前記現実空間に出現した旨の通知を受信する受信手段と、
前記通知を受け取った後に前記第1ユーザ端末のユーザに対して支払う報酬を決定する決定手段と
を有するサーバ。
【請求項2】
前記仮想空間内の位置と現実空間内の位置との対応関係、及び前記現実空間内の不動産に関する権利者を記憶する記憶手段を更に有し、
前記通知手段は、前記仮想物に対応する現実世界の不動産に関する権利の内容を示す情報を前記第2ユーザ端末へ通知し、
前記決定手段は、前記第1ユーザ端末のユーザおよび前記仮想空間に対応する物が前記現実空間に出現した場所に存在する不動産に関する権利者のうち少なくとも何れかに対して支払う報酬を決定する
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記第1受付手段は、前記登録要求に係る仮想空間内の一の場所に対応する前記現実空間の場所に存在する既存の不動産に関する権利者によって当該登録要求が許可されるか否かを判定し、
許可されていない場合、前記通知手段は、前記不動産に関する権利の内容を示す情報の通知を行わない、
請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記第1受付手段は、前記権利の内容に関する条件を受け付け、
前記通知手段は、該受け付けた条件を更に通知する
請求項1に記載のサーバ。
【請求項5】
前記権利の売買を仲介する仲介手段を更に有する
請求項1に記載のサーバ。
【請求項6】
コンピュータに、
仮想空間内における仮想物についての登録要求を第1ユーザ端末から受け付けるステップと、
前記登録要求を受け付けた後、前記仮想物に対応する現実空間の物に起因してして発生する当該現実空間における権利の内容を示す情報を第2ユーザ端末へ通知するステップと、
前記権利の購入の要求を前記第2ユーザ端末から受け付けるステップと、
前記仮想物に対応する物が前記現実空間に出現した旨の通知を受信するステップと、
前記通知を受け取った後に前記第1ユーザ端末のユーザに対して支払う報酬を決定するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項7】
第1ユーザ端末及び第2ユーザ端末と、前記第1ユーザ端末及び前記第2ユーザ端末の各々と通信するサーバと、を備え、
前記サーバは、
仮想空間内における仮想物についての登録要求を前記第1ユーザ端末から受け付ける第1受付手段と、
前記登録要求を前記第1受付手段により受け付けた後、前記仮想物に対応する現実空間の物に起因して発生する当該現実空間における権利の内容を示す情報を前記第2ユーザ端末へ通知する通知手段と、
前記権利の購入の要求を前記第2ユーザ端末から受け付ける第2受付手段と、
前記仮想物に対応する物が前記現実空間に出現した旨の通知を受信する受信手段と、
前記通知を受け取った後に前記第1ユーザ端末のユーザに対して支払う報酬を決定する決定手段と
を有する、
情報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現実空間のイベントと仮想空間のイベントとを関連付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現実空間と仮想空間とを関連付ける技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、現実空間における文書と仮想空間における文書とを現実空間において一元管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メタバース等の仮想空間は、現実空間を模して構築される場合がある。現実空間を模した仮想空間を構築するには、現実空間の地権者等の協力が必要となる場合がある。現実空間を模した仮想空間を構築する際に必要となる地権者等の協力の一例としては、現実空間における建物又は土地の形状を表すデータを得るための画像撮影への協力が挙げられる。
しかし、現状では、地権者等の立場から見ると、そのような協力の要請に応える要因となる特段のインセンティブがない。一方、仮想空間における一般ユーザについても、仮想空間内の活動によって現実空間での経済的利益を受けることは、基本的にはない。つまり、現状では、仮想空間と現実空間とが基本的に切り離されており、仮想空間内での活動を盛り上げる際の動機となるインセンティブが乏しい。
【0005】
本発明は、現実空間を模した仮想空間内の活動を盛り上げるインセンティブを創出し、仮想空間の普及・発展と現実空間における経済的発展との関連を強化することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一の態様において、仮想空間内における仮想物についての登録要求を第1ユーザ端末から受け付ける第1受付手段と、前記登録要求を前記第1受付手段により受け付けた後、前記仮想物に対応する現実空間の物に起因して発生する前記現実空間における権利の内容を示す情報を第2ユーザ端末へ通知する通知手段と、前記権利の購入の要求を前記第2ユーザ端末から受け付ける第2受付手段と、
前記仮想物に対応する物が前記現実空間に出現した旨の通知を受信する受信手段と、前記通知を受け取った後に前記第1ユーザ端末のユーザに対して支払う報酬を決定する決定手段とを有するサーバを提供する。
【0007】
この態様によれば、仮想世界の活動の成果を現実世界の成果(経済的利益)に結びつけることが期待できるので、地権者等が撮影等に協力するインセンティブを創出することができる。同時に、第1の態様のサーバによれば、一般ユーザの仮想空間内における活動が活発化することも期待される。この結果、仮想空間の発展と現実空間における経済的発展との両方が実現する。第1の態様のサーバを用いることにより、仮想空間における活動を現実空間に展開して現実空間における経済活動を活性化することが期待される。例えば、現実空間で活動する前に、同様の活動を仮想空間内で試す等のシミュレーションを行うことができる。
【0008】
好ましい態様において、前記仮想空間内の位置と現実空間内の位置との対応関係、及び前記現実空間内の不動産に関する権利者を記憶する記憶手段を更に有し、前記通知手段は、前記仮想物に対応する現実世界の不動産に関する権利の内容を示す情報を前記第2ユーザ端末へ通知し、前記決定手段は、前記第1ユーザ端末のユーザおよび前記仮想空間に対応する物が前記現実空間に出現した場所に存在する不動産に関する権利者のうち少なくとも何れかに対して支払う報酬を決定する。
【0009】
前記第1受付手段は、前記登録要求に係る仮想空間内の一の場所に対応する前記現実空間の場所に存在する既存の不動産に関する権利者によって当該登録要求が許可されるか否かを判定し、許可されていない場合、前記通知手段は、前記不動産に関する権利の内容を示す情報の通知を行わない。この態様によれば、仮想空間内の一の場所に対応する現実空間の場所に存在する既存の不動産に関する権利者によって許可されない場合に、当該不動産に関する権利の内容を示す情報が通知されることを回避できる。
【0010】
好ましい態様において、前記第1受付手段は、前記権利の内容に関する条件を受け付け、前記通知手段は、該受け付けた条件を更に通知する。この態様によれば、仮想建築物に対応する不動産が仮想空間内の一の場所に対応する現実空間の場所に新たに構築された場合に、当該新たに構築された不動産に関する権利の内容に関する条件が通知される。
【0011】
好ましい態様において、前記サーバは、前記権利の売買を仲介する仲介手段を更に有する。この態様によれば、仮想建築物に対応して構築された不動産に関する権利の売買を仲介することが可能になる。
【0012】
本発明は、他の観点において、コンピュータに、前記仮想空間内における仮想物についての登録要求を第1ユーザ端末から受け付けるステップと、前記登録要求を受け付けた後、前記仮想物に対応する現実空間の物に起因してして発生する当該現実空間における権利の内容を示す情報を第2ユーザ端末へ通知するステップと、前記権利の購入の要求を前記第2ユーザ端末から受け付けるステップと、前記仮想物に対応する物が前記現実空間に出現した旨の通知を受信するステップと、前記通知を受け取った後に前記第1ユーザ端末のユーザに対して支払う報酬を決定するステップとを実行させるプログラム。
【0013】
本発明は、更に他の観点において、第1ユーザ端末及び第2ユーザ端末と、前記第1ユーザ端末及び前記第2ユーザ端末の各々と通信するサーバとを備え、前記サーバは、前記仮想空間内における仮想物についての登録要求を前記第1ユーザ端末から受け付ける第1受付手段と、前記登録要求を前記第1受付手段により受け付けた後、前記仮想物に対応する現実空間の物に起因して発生する当該現実空間における権利の内容を示す情報を前記第2ユーザ端末へ通知する通知手段と、前記権利の購入の要求を前記第2ユーザ端末から受け付ける第2受付手段と、前記仮想物に対応する物が前記現実空間に出現した旨の通知を受信する受信手段と、前記通知を受け取った後に前記第1ユーザ端末のユーザに対して支払う報酬を決定する決定手段とを有する、情報システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態による管理サーバ10を含む情報システム1の構成例を示す図である。
【
図5】管理サーバ10の処理装置110がプログラムPRに従って実行する取引支援方法の流れ、及び情報システム1における通信の流れを示す図である
【
図8】変形例に係る、取引支援方法の流れ及び情報システム1における通信の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<A.実施形態>
図1は、本発明の一実施形態による情報システム1の構成例を示す図である。情報システム1は、現実空間を模したメタバース等の仮想空間内の活動を盛り上げるためのインセンティブを創出し、仮想空間の発展と現実空間における経済的発展との関連を強化するシステムである。なお、以下における仮想空間とは、コンピュータグラフィックスの技術を用いて表現される3次元空間であり、アバタの有無、VRゴーグル等の必要なデバイスの有無、操作方法、表現方法等は問わない。
本実施形態における仮想空間の一の場所には仮想建築物が構築される。なお、仮想建築物を構築するとは、仮想空間内のある場所と画像オブジェクトを対応付けて登録することで、その場所に存在するオブジェクトとして認識させることをいう。仮想建築物の具体例としては、美術品その他のモニュメント等の鑑賞対象物、又はアバタがその中に入ることができる施設(バーチャルショッピングモール、バーチャル遊園地と呼ばれるもの)が挙げられる。
なお、仮想建築物の外観、機能、構築の目的は問わない。仮想建築物は、現実に存在する不動産、物品その他の有体物など、視覚によって把握される物体を模したものでもあってもよいし、同様の外観や機能がまだ現実には存在していない物体であってもよい。また、「模した」とは、必ずしもそっくりそのままの形状の場合だけでなく、現実の設計上の制約、仮想空間における表現上の制約等に起因する差異が存在してもよい。要するに、仮想建築物は、仮想空間において視認されるオブジェクトであればよい。
【0016】
情報システム1は、仮想建築物の登録を受け付け、当該仮想建築物に対応する建築物が現実空間に構築された場合に、その建築物に関連して発生し設定される権利を一般ユーザに通知することによって、当該権利の購入者を募り、提案者を資金的に支援することによって、仮想空間内で提案された仮想建築物に対応する現実の建築物を現実空間に構築する(換言すると、仮想空間内のイベントを現実の世界に展開する)ことを促進するシステムである。なお、仮想建築物に「対応する」建築物とは、必ずしもそっくりそのままの形状を意味するのではなく、現実の設計上の制約、仮想空間における表現上の制約等に起因する差異が存在してもよい。要するに、仮想空間において視認されるオブジェクトと現実空間で視認されるオブジェクトが対応関係にあるユーザが認識できる程度であればよい。
【0017】
また、現実空間の不動産に関する権利とは、不動産の利用に関する権利、不動産に基づく収益を受け取る権利、又は不動産を転売する権利等のことをいう。現実空間内の不動産に関する権利を有する権利者としては、土地又は建物等の不動産の所有権(区分所有権を含む)を有する者(所謂地権者)、不動産の管理者、又は不動産の利用を許可されている者などが挙げられる。
なお、情報システム1が登録を受け付ける仮想建築物は一つ仮想空間内に構築されるものであってもよいし、複数の事業者によって提供される複数の仮想空間内に構築されるものであってもよい。
【0018】
ここで、仮想建築物の登録を要求すること(以下、登録要求)の受け付けの時点では、当該登録要求に係る仮想建築物は、仮想空間上に存在していなくてもよいし、登録要求により登録を要求された場所とは異なる他の場所に既に存在していてもよい。後者の場合、登録要求は、他の場所に存在する仮想建築物を上記一の場所に移設することの提案を意味する。登録要求には、仮想空間における仮想建築物の位置に関する情報が含まれる。仮想空間における仮想建築物の位置には、仮想空間における3次元位置(例えば、建物の階数などの高さ方向の情報)が含まれてもよく、また、一の仮想建築建物内部の区画されたエリアの情報が含まれてもよい。また、登録要求には、仮想建築物の登録に関する報酬の分配に関する条件、及びその他の付随情報が含まれていてもよい。
【0019】
図1に示されるように、情報システム1には、管理サーバ10と、通信網を介して管理サーバ10と各々通信するユーザ端末20A、ユーザ端末20B、及びユーザ端末20Cと、が含まれる。以下では、ユーザ端末20A、ユーザ端末20B、及びユーザ端末20Cの各々を区別する必要がない場合には、ユーザ端末20A、ユーザ端末20B、及びユーザ端末20Cは「ユーザ端末20」と表記される場合がある。なお、
図1では、ユーザ端末20と管理サーバ10との間の通信を仲介する通信網の図示は省略されている。
【0020】
ユーザ端末20は、例えばパーソナルコンピュータである。
ユーザ端末20Aは、仮想空間において仮想建築物の企画立案および/または現実空間における構築・建築や登記その他の手続きを行う事業者ユーザ(以下、提案者という)により使用される。
ユーザ端末20Bは、仮想建築物に対応する現実空間の不動産に関する権利を購入するユーザ(換言すると、当該仮想建築物の現実世界への展開に出資する者)により使用される。なお、ユーザ端末20Bは、提案に係る仮想建築物が構築される仮想空間にアクセスしたことがあるユーザであってもよいし、そうでなくてもよい。
ユーザ端末20Cは、仮想建築物に対応する現実空間の不動産に関する権利を有する権利者(いわゆる地権者など)により使用される。ユーザ端末20Aは本発明における第1ユーザ端末の一例であり、ユーザ端末20Bは本発明における第2ユーザ端末の一例である。
図1には、第1ユーザ端末(ユーザ端末20A)は1つずつ図示されているが、情報システム1には複数のユーザ端末20Aが含まれてもよい。同様に、情報システム1には、現実空間の不動産に関する権利を有する権利者により使用されるユーザ端末20Cが複数含まれてもよい。
【0021】
管理サーバ10は、本発明におけるサーバの一例である。
図2は、管理サーバ10の構成の例を示す図である。
図2に示す管理サーバ10は、管理サーバ10は、処理装置110、通信装置120、及び記憶装置130を有する。通信装置120及び記憶装置130の各々は、図示せぬバスを介して、処理装置110とのデータの授受を行う。なお、管理サーバ10、仮想空間におけるサービスをユーザに提供する事業を行う企業によって管理・運営されてもよいし、そのような企業から委託された事業者によって管理・運営されてもよい。
図2の例では、管理サーバ10自体は仮想空間におけるサービスを提供する機能(すなわち、ユーザの操作に応じて仮想空間を表示しあるいはアバタを動かすといった機能)を有していない場合を示している。この場合、管理サーバ10、必要に応じて、仮想空間を提供するサーバ(図示省略)にアクセスして、仮想空間を利用しているユーザの情報や、仮想空間内の位置と現実空間における位置との対応関係を示す情報、仮想空間に対応する現実空間の地権者等の情報、その他仮想空間の構築に際し用いられる情報を取得して記憶装置130に記憶してもよい。
【0022】
処理装置110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有し、記憶装置130に記憶されているプログラムPRをCPUが読み出して実行することにより管理サーバ10の制御中枢として機能する。通信装置120は、通信網に接続する通信回路である。管理サーバ10は、通信装置120により、通信網に接続された他の装置、即ちユーザ端末20と情報をやり取りする。
【0023】
記憶装置130は、半導体メモリ(ソリッドステートドライブ)やハードディスクドライブ等の記憶手段であり、処理装置110のCPUに読み込まれる各種のプログラム、データ等を記憶する。記憶装置130に記憶されている各種のプログラムの一例としては、プログラムPRの他に、処理装置110にOS(Operating System)を実現させるカーネルプログラムが挙げられる。なお、記憶装置130に記憶されている各種のプログラムのうち、プログラムPR以外のプログラムの図示は省略されている。また、記憶装置130には、仮想空間内の位置と現実空間内の位置との対応関係を示す情報、現実空間内の不動産(土地や建物など)に関する権利者を示す情報、及び当該権利者が権利を有する不動産の画像等が記憶される。記憶装置130は、本発明における記憶手段の一例である。
【0024】
処理装置110は、適宜記憶装置130からプログラムPRを読み出し、読み出したプログラムPRの実行を開始する。プログラムPRに従って作動している処理装置110は、第1受付手段110a、通知手段110b、第2受付手段110c、受信手段110d、及び決定手段110eとして機能する。つまり、
図2に示される第1受付手段110a、通知手段110b、第2受付手段110c、受信手段110d、及び決定手段110eの各々は、コンピュータをソフトウェアに従って作動させることにより実現されるソフトウェアモジュールである。第1受付手段110a、通知手段110b、第2受付手段110c、受信手段110d、及び決定手段110eの各々の機能は次の通りである。
【0025】
第1受付手段110aは、仮想空間内の一の場所における仮想建築物についての登録要求をユーザ端末20Aから受け付ける。通知手段110bは、登録要求を第1受付手段110aにより受け付けた後、当該登録要求に係る仮想建築物に対応する不動産に関する権利の内容を示す情報をユーザ端末20Bへ通知する。
【0026】
図3(a)~(d)に、登録要求のデータ構造の例を示す。
登録要求には、少なくとも、提案者が提案した仮想建築物に関する情報と、不随情報とを含む。仮想建築物に関する情報は、仮想空間を特定する情報と、当該仮想空間における仮想建築物が構築された位置(あるいはこれから構築される予定の位置)を示す情報と、建築物自体を特定するための情報を含む。
【0027】
建築物データは、例えばその仮想建築物の3Dモデリングデータや、二次元(2D)のCADデータ(見取り図)等の、外観および/または内部空間(内装)の形状、構造、色彩を表すデータである。データ形式は、例えば*fbx、*.obj,*dxf、*jpegなどである。また、提案対象の仮想建築物が複合的な施設の場合などにおいて、場所情報と建築物データの複数の組が一つの要求に内包されていてもよい。
【0028】
仮想空間内の場所は、例えば、現実世界に対応する緯度・経度、仮想空間内で定義された二次元または三次元座標を用いて表される。座標を用いる場合、建築物が存在する場所を代表する一つ以上の地点(その仮想建築物がある敷地の境界上の点や、仮想建築物の壁面上の点など)を用いて表すことができる。あるいは、現実に使用されている行政区画上の表記(住所)用いて表されてもよい。その場合、現実に用いられている住所の表記の一部が異なる表現であってもよいし。例えば、二次元位置については、現実に用いられている表記によって記述し、高さ方向については、仮想空間内でのみ定義された表記によって記述する。位置の表現は、仮想空間を設計する際に場所をどのように定義するかに依存する。要するに、仮想空間内における場所(地点やエリア)を一意に特定することができる情報であればよい。
【0029】
不随情報は、仮想建築物に対応する建築物をその提案者が現実空間において構築するための条件、当該構築への出資の条件、および/または仮想建築物に対応する建築物が現実空間において構築された場合において当該現実空間に構築された建築物から生じる権利や報酬の内容など、建築物(仮想建築物)の内容や設置場所以外の一切の情報が該当する。
例えば、提案者は、仮想空間内に構築された鑑賞対象(モニュメント)を現実世界に構築する(現実に製作し、設置し、維持管理等する)ための費用として500万円が必要であり、その資産価値600万円であると考えたとする。そして、当該提案者は、情報システム1を利用して、この発案に対して一口10万円を設定して賛同者(換言すると出資者)を募る。ここで、例えば50万円分は土地所有者が持ち、残りの50万円分は提案者が負担するという取り決めをあらかじめ地権者との間で行っておき、これを付随情報に内包させてもよい。出資金が集まり、提案者がこのモニュメントを現実世界に構築した場合、入場料を徴収して閲覧させる等の事業を行った結果として収益が発生した場合における、その収益の分配方法を付随情報として規定してもよい。例えば、売上額のうち2%を出資金全体に占める出資金の割合に基づいて、各出資者に対して毎年分配すると定めておく。なお、不随情報の全部または一部は、その内容が将来的に変動するものであってもよい。
【0030】
なお、第1受付手段110aは、受け付けた提案に係る仮想空間内の場所に対応する現実空間の場所に関する権利者が、当該提案のユーザ端末20Bへの通知(公募)を許可しているか否かを判定し、許可していいない場合は、後述する通知手段110bによる通知を見合わせてもよい。現実世界の権利者に許可なく建築物を構築することは事実上できないから、そのような提案を周知させる必要はないからである。なお、上記通知が許可されるか否の判定を行うために、管理サーバ10は、不動産に関する権利者から諾否(および承諾の条件)を予めユーザ端末20Cから取得してもよい。あるいは、管理サーバ10は、提案者からの登録要求を受信するたびに、当該登録要求に関する現実空間の権利者を特定し、当該権利者のユーザ端末20Cに対して承諾するか否か(および承諾の条件)の問い合わせを行ってもよい。
【0031】
通知手段110bは、受け付けた登録要求に基づいて、その仮想建築物に対応する不動産に関する権利の内容を示す情報を一般ユーザに通知(公開)する。なお、通知の対象(換言すると、公開の範囲)は仮想空間のユーザ全員であってもよいし、仮想空間のユーザのうち特定の条件を満たすユーザのみであってもよい。
【0032】
通知手段110bは、例えば、電子メールの送受機能を有し、メール仮想空間サイトを管理・運営管理するサーバ(図示省略)から仮想空間のユーザの電子メールアドレスをあらかじめ取得しておき、電子メールを用いて各ユーザ端末20Bに対して、受け付けた登録要求に係る提案内容のテキストメッセージを自動生成して送信する。あるいは、仮想空間を管理・運営するサーバに対して、当該提案の内容とともに、仮想空間にアクセスしているユーザに対して所定の方法で通知するように要求してもよい。所定の方法とは、例えば仮想空間へのログイン時(当該サーバへのアクセス時)に自動的にポップアップ表示する。あるいは、ユーザが仮想空間内を探索して、所定の条件を満した場合に通知するように要求してもよい。所定の条件とは、例えば、そのユーザのアバタが当該提案に係る仮想建築物の場所の近隣あるいは当該場所に関係のある場所を訪れた場合に満たされるものである。ここで、通知手段110bは、このような通知のタイミングその他の通知に関する条件を、当該提案内容の内容とともに仮想空間を管理・運営するサーバに送信してもよい。このようにして、当該登録要求に係る提案に賛同する(換言すると、金銭的に支援する)一般ユーザを募る。
【0033】
なお、通知手段110bによって通知(公開)される内容は、登録要求の一部であってもよい。例えば、仮想建築物が現実世界に構築された場合に生じる利益を提案者と地権者とでどのように分配するかといった事項は、出資者となるユーザの利益には直接関係しないので、通知の対象外と設定してもよい。要するに、通知を受け取った一般ユーザがその仮想建築物を現実世界に展開することを金銭的に支援するか否かを判断するために必要な情報が含まれていればよい。
【0034】
第2受付手段110cは、当該登録要求に係る提案への賛同、具体的には、仮想建築物に対応する現実世界の不動産に関する権利の購入の要求をユーザ端末20Bから受け付け、購入したことを示す情報(購入証)を発行して当該ユーザ端末20Bに送信する。購入証は、例えば
図4に示すように、権利対象となる現実空間に構築された不動産を識別するための情報と、権利者(権利の購入者)を識別する情報と、当該不動産に関係して発生する権利の内容を示す情報とが含まれる。
購入証がテキストや画像情報を含む電子文書である場合は当該電子文書をメール等に添付する形で送信してもよい。あるいは、当該提案者と当該購入証との間における売買契約を示す電子契約書を生成してユーザ端末20Bに送信してもよい。
【0035】
受信手段110dは、第1受付手段110aにより受け付けた登録要求に係る仮想建築物が仮想空間に構築された旨の通知をユーザ端末20Aから受信する。
【0036】
決定手段110eは、ユーザ端末20Aのユーザ(即ち、提案者)及び仮想建築物に対応する不動産に関する権利者(即ちユーザ端末20Cのユーザ)に対して支払う報酬を決定する。なお、報酬の支払いは、提案者と権利者の何れか一方に対してのみ行われてもよいが、仮想空間の発展と現実空間における経済的発展との関連を強化するという観点から見れば、提案者と権利者の両者に報酬の支払いが行われることが好ましい。
【0037】
プログラムPRに従って作動している処理装置110は、本発明の特徴を顕著に示す取引支援方法を実行する。
図5は、管理サーバ10の処理装置110がプログラムPRに従って実行する取引支援方法の流れ、及び情報システム1における通信の流れを示す図である。この取引支援方法には、記憶処理SA110、第1受付処理SA120、通知処理SA130、第2受付処理SA140、受信処理SA150、及び決定処理SA160の各処理が含まれる。記憶処理SA110、第1受付処理SA120、通知処理SA130、第2受付処理SA140、受信処理SA150、及び決定処理SA160の各処理の処理内容は次の通りである。
【0038】
処理装置110は、例えば、ユーザ端末20Cから権利者に関する権利者情報及び当該権利者が権利を有する現実空間の不動産の画像を受信したことを契機として、記憶処理SA110を実行する。記憶処理SA110では、処理装置110は、現実空間の不動産の画像、仮想空間内の位置と現実空間内の位置との対応関係を示す情報、及び権利者情報を記憶装置130に書き込むことにより、これら情報を記憶手段に記憶させる。記憶処理SA110は、本発明における第1ステップの一例である。
【0039】
ユーザ端末20Aのユーザは、仮想空間にアクセスし、当該不動産に対応する仮想建築物の構築を企画する。なお、この時点において仮想建築物が仮想空間内において構築されている(すなわち、仮想空間のユーザに視認される状態になっている)必要はないが、構築済みであってもよい。なお、登録要求に先立ちに仮想構築物が構築済みである場合、提案者は、この仮想建築物に対する当該仮想空間内のユーザの反応(リアクション、関心度)などを見極め、この仮想建築物に相当する建築物を現実世界のある場所に構築すれば集客が見込めるかなどの観点から現実世界におけるビジネスの可能性を検討することができる。そして、そのような可能性があると判断した場合に初めて、建築物を現実世界に構築するため金銭的支援を募るべく、情報システム1を用いた登録要求を実施することができる。
ユーザ端末20Aのユーザは、企画した仮想建築物に関する登録要求を管理サーバ10へ送信する。第1受付処理SA120では、処理装置110は、第1受付手段110aとして機能し、ユーザ端末20Aから送信された登録要求を受け付ける。第1受付処理SA120は、本発明における第2ステップの一例である。
【0040】
管理サーバ10では、第1受付処理SA120に続いて、受け付けた登録要求の審査、及び受け付けた登録要求に係る仮想建築物に対応する不動産の権利に関する取引の募集が行われる。この募集には、前述の通知処理SA130が含まれる。通知処理SA130では、処理装置110は、通知手段110bとして機能する。通知処理SA130では、処理装置110は、第1受付処理SA120にて受け付けた登録要求に係る仮想建築物に対応する不動産に関する権利の内容を示す情報を、一般ユーザに通知する。通知処理SA130は、本発明にける第3ステップの一例である。なお、通知処理SA130の実行に先立って、現実空間における地権者の特定、及び通知処理SA130の実行に関する承諾の可否等の問い合わせが行われてもよい。
【0041】
ユーザ端末20Bのユーザは、管理サーバ10から通知された情報を参考にして、この提案に賛同するかいなか、換言すると仮想建築物に対応する現実世界の不動産に関する権利を購入するか否かを検討する。当該権利の購入を所望する場合、ユーザ端末20Bのユーザは、当該権利の購入に関する要求をユーザ端末20Bから管理サーバ10に送信させる。第2受付処理SA140では、処理装置110は、第2受付手段110cとして機能し、不動産に関する権利の購入の要求をユーザ端末20Bから受け付け、購入証(換言すると、証券)を返信する。第2受付処理SA140は、本発明における第4ステップの一例である。
【0042】
受信処理SA150では、処理装置110は、受信手段110dとして機能する。受信処理SA150では、処理装置110は、第1受付処理SA120にて受け付けた登録要求に係る仮想建築物が仮想空間に構築された旨の通知をユーザ端末20Aから受信する。受信処理SA150は、本発明における第5ステップの一例である。決定処理SA160では、処理装置110は、決定手段110eとして機能する。決定処理SA160では、処理装置110は、ユーザ端末20Aのユーザ及びユーザ端末20Cのユーザに対して支払う報酬(即ち、報酬の金額)を決定し、決定した報酬を各ユーザへ通知する。決定処理SA160は、本発明における第6ステップの一例である。
【0043】
このように、提案者は、建築物に関連して新たに思いついたビジネスプランをまず仮想空間にて実行し、現実世界で実行する前にその可能性を見極める(いわば現実空間で活動する前に、同様の活動を仮想空間内でシミュレーションする)ことができるので、現実世界におけるビジネスを始める際のコストやリスクを抑えることができる。一方、そのようなビジネスプランへの出資者(権利の購入者)にとっては、仮想空間での反応から出資の効果が想像つきやすいので、出資へのハードルが下がると期待される。換言すると、情報システム1によれば、仮想空間の活動の成果を現実空間の成果(経済的利益)に結びつけることができる。
また、現実空間の成果を地権者等に還元するように提案することで、地権者等が撮影などの仮想空間の構築に協力するインセンティブが創出される。これより、仮想空間の魅力が増し、ユーザの仮想空間内における活動が活発化することが期待される。これにより、仮想空間の発展と現実空間の経済的発展の両方が実現する。
このように、本実施形態によれば、仮想空間における活動を現実空間に展開して現実空間における経済活動を活性化することが期待される。
【0044】
<B.変形>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、この実施形態は以下のように変形されてもよい。
上記実施形態における第1受付手段110a、通知手段110b、第2受付手段110c、受信手段110d、及び決定手段110eは、ソフトウェアモジュールであった。しかし、第1受付手段110a、通知手段110b、第2受付手段110c、受信手段110d、及び決定手段110eのうちの何れか1つ、複数、又は全部はハードウェアモジュールであってもよい。
【0045】
購入した権利を証券として売却(転売)しまたはその転売された証券の購入することを仲介(あっせん)する仲介手段を管理サーバ10に設けてもよい。具体的には、仲介手段は、ある権利について、売却希望者(売り手)のユーザ端末20Bから購入証とともに売却条件(希望売却額など)の情報を受け付けるとともに、買取希望者(買い手)のユーザ端末20Bから買取条件(希望買取額など)の情報を受信し、所定のアルゴリズムに従って、売り手と買い手のマッチングを行う。売買取引が成立した場合は、代金の徴収・支払い代行、購入証の譲渡、取引手数料の徴収を行う。なお、仲介手段は管理サーバ10とは別途設けられたサーバに実装されてもよい。
【0046】
上記実施形態では、プログラムPRが管理サーバ10の記憶装置130に記憶されていたが、プログラムPRは単体で製造されてもよく、また、プログラムPRは単体で、販売等(譲渡)されてもよい。プログラムPRを譲渡先へ提供する際の具体的な提供態様としては、インターネット等の電気通信回線経由のダウンロード、又はフラッシュROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体にプログラムPRを書き込んで配布する態様が挙げられる。
要するに、本発明の一の態様において、仮想空間内の位置と現実空間内の位置との対応関係、及び現実空間内の不動産に関する権利者を記憶するステップと、仮想空間内の一の場所における仮想物についての登録要求を第1ユーザ端末から受け付けるステップと、前記登録要求を前記第1受付手段により受け付けた後、前記仮想物に対応する不動産に関する権利の内容を示す情報を第2ユーザ端末へ通知するステップと、前記仮想物に対応する不動産に関する権利の購入の要求を前記第2ユーザ端末から受け付ける第2受付手段と、前記仮想物が前記現実空間に出現した旨の通知を受信するステップと、前記第1ユーザ端末のユーザ及び前記仮想物に対応する物体が出現した前記現実空間内の場所に既に存在する不動産に関する権利者のうち、少なくとも何れかに対して支払う報酬を決定するステップとが実行されればよい。
【0047】
上述した実施形態においては、商取引の対象は不動産に関係する権利であったが、不動産とは関係がない物品(例えば衣類、ステッカーその他の消費財)を商取引の対象としてもよい。
例えば、ユーザ端末20Aのユーザは、上記仮想物として、衣服をデザインし、これを仮想空間内の店舗(バーチャル店舗)等にて展示するとともに当該衣服について登録要求を行う。この場合、登録要求の内容は、
図6に示すように、当該物品を展示する仮想空間内の場所、当該物品の外観のデータ、および付随情報を含む。不随情報には、当該物品を仮想空間内の場所に対応する現実空間の場所で実施(製造、販売、展示等)を行った場合に得られる権利の内容が含まれる。
【0048】
また、仮想物が動産である場合において、
図7に示すように、登録要求には仮想物の仮想空間内の場所の情報が省略されてもよい。この場合、当該仮想物を現実空間に出現させた(つまり、実際に衣服を製造したなど)の場合において、現実空間の出現場所に関係なく、権利内容が設定されうることになる。例えば、仮想空間内で公開した衣服に関し、当該衣服を実際に製造・販売等するための出資者を募ることになる。製造や販売を現実世界のどこで実施するかは問わない。
この場合の動作例を
図8に示す。同図に示すように、提案に係る仮想物に関係する現実世界の地権者等は存在しないため、情報システム1からユーザ端末20Cを省略することができる。
この態様においても、上述した実施形態と同様、仮想空間内の活動と現実空間の活動を結びつけられるので、仮想空間内の活動を盛り上げるインセンティブが創出され、仮想空間の普及・発展と現実空間における経済的発展との関連が強化されることが期待される。
【0049】
要するに、本発明の一の態様において、前記仮想空間内の仮想物についての登録要求を第1ユーザ端末から受け付けるステップと、前記仮想物に対応する現実世界における物に起因して発生する権利の購入の要求を前記第2ユーザ端末から受け付けるステップと、前記仮想物に対応する物が前記現実空間に出現した旨の通知を受信するステップと、当該通知を受信した場合に前記第1ユーザ端末のユーザに対して支払う報酬を決定するステップとが実行されればよい。
【符号の説明】
【0050】
1…情報システム、10…管理サーバ、20,20A,20B,20C…ユーザ端末、110…処理装置、110a…第1受付手段、110b…通知手段、110c…第2受付手段、110d…受信手段、110e…決定手段、120…通信装置、130…記憶装置、PR…プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内において提案された仮想物についての登録要求を第1ユーザ端末から受け付ける第1受付手段と、
前記登録要求を前記第1受付手段により受け付けた後、前記仮想物に対応する現実空間の物に起因して発生する前記現実空間における権利の内容を示す情報を第2ユーザ端末へ通知する通知手段と、
前記権利の購入の要求を前記第2ユーザ端末から受け付ける第2受付手段と、
前記第1受付手段にて受け付けられた仮想物に対応する物が前記現実空間に出現した旨の通知を受信する受信手段と、
前記通知を受け取った後に前記第1ユーザ端末のユーザに対して支払う報酬を決定する
決定手段と
を有するサーバ。
【請求項2】
前記仮想物は仮想建築物である
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記仮想物は仮想物品である
請求項1に記載のサーバ。
【請求項4】
前記仮想空間内の位置と現実空間内の位置との対応関係、及び前記現実空間内の不動産に関する権利者を記憶する記憶手段を更に有し、
前記通知手段は、前記仮想物に対応する現実世界の不動産に関する権利の内容を示す情報を前記第2ユーザ端末へ通知し、
前記決定手段は、前記第1ユーザ端末のユーザおよび前記仮想空間に対応する物が前記現実空間に出現した場所に存在する不動産に関する権利者のうち少なくとも何れかに対して支払う報酬を決定する
請求項1に記載のサーバ。
【請求項5】
前記第1受付手段は、前記登録要求に係る仮想空間内の一の場所に対応する前記現実空間の場所に存在する既存の不動産に関する権利者によって当該登録要求が許可されるか否かを判定し、
許可されていない場合、前記通知手段は、前記不動産に関する権利の内容を示す情報の通知を行わない、
請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記第1受付手段は、前記権利の内容に関する条件を受け付け、
前記通知手段は、該受け付けた条件を更に通知する
請求項1に記載のサーバ。
【請求項7】
前記権利の売買を仲介する仲介手段を更に有する
請求項1に記載のサーバ。
【請求項8】
コンピュータに、
仮想空間内において提案された仮想物についての登録要求を第1ユーザ端末から受け付けるステップと、
前記登録要求を受け付けた後、前記仮想物に対応する現実空間の物に起因してして発生する当該現実空間における権利の内容を示す情報を第2ユーザ端末へ通知するステップと、
前記権利の購入の要求を前記第2ユーザ端末から受け付けるステップと、
前記受け付けられた仮想物に対応する物が前記現実空間に出現した旨の通知を受信するステップと、
前記通知を受け取った後に前記第1ユーザ端末のユーザに対して支払う報酬を決定するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項9】
第1ユーザ端末及び第2ユーザ端末と、前記第1ユーザ端末及び前記第2ユーザ端末の各々と通信するサーバと、を備え、
前記サーバは、
仮想空間内において提案された仮想物についての登録要求を前記第1ユーザ端末から受け付ける第1受付手段と、
前記登録要求を前記第1受付手段により受け付けた後、前記仮想物に対応する現実空間の物に起因して発生する当該現実空間における権利の内容を示す情報を前記第2ユーザ端末へ通知する通知手段と、
前記権利の購入の要求を前記第2ユーザ端末から受け付ける第2受付手段と、
前記受け付けられた仮想物に対応する物が前記現実空間に出現した旨の通知を受信する受信手段と、
前記通知を受け取った後に前記第1ユーザ端末のユーザに対して支払う報酬を決定する決定手段と
を有する、
情報システム。