(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067273
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】生体情報データの解析装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20240510BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177213
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】津川 英範
(72)【発明者】
【氏名】林 龍平
(72)【発明者】
【氏名】白田 優介
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】人間を必要としない処理だけが依頼されている場合には、処理を自動で実施可能な生体情報データの解析装置およびその制御方法を提供する。
【解決手段】 生体情報データの解析装置は、サーバ装置に処理すべき生体情報データが存在するか確認し、存在する場合には、サーバ装置から生体情報データを取得し、依頼されている処理を確認し、依頼されている処理のうち、自動解析処理を前記生体情報データに適用する。生体情報データの解析装置さらに、依頼されている処理が自動解析処理だけである場合、自動解析処理の結果をサーバ装置に送信する。したがって、自動解析処理のみが依頼されている場合、人間の介在を必要としない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報データの解析装置が実行する制御方法であって、
サーバ装置に処理すべき生体情報データが存在するか確認することと、
前記生体情報データが存在する場合に、前記サーバ装置から前記生体情報データを取得し、記憶装置に保存することと、
前記生体情報データの管理情報から、前記生体情報データに関して依頼されている処理を確認することと、
前記依頼されている処理のうち、自動解析処理を前記生体情報データに適用することと、
前記依頼されている処理が自動解析処理だけである場合、前記自動解析処理の結果を前記サーバ装置に送信することと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項2】
前記確認することが、前記管理情報から処理の依頼元を確認することを有し、
前記制御方法が、前記依頼されている処理が完了したことを通知するメッセージを前記依頼元に送信することをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記確認することが、前記サーバ装置からの通知に応答して実行されることを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記確認することが、所定時間の経過に応答して実行されることを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記依頼されている処理が前記自動解析処理の結果の編集または判読を含む場合、前記制御方法は、
前記解析装置のユーザに対して前記自動解析処理の結果の編集のための機能を提供することをさらに有し、
前記送信することが、前記解析装置のユーザから、前記自動解析処理の結果に対する編集が完了した旨の指示を受け付けたことに応じて実行され、かつ、編集済みの前記自動解析処理の結果を前記サーバ装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
【請求項6】
前記生体情報データは長時間心電図データであることを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の制御方法を実行する実行手段と、
前記サーバ装置との通信手段と、を有する、生体情報データの解析装置。
【請求項8】
コンピュータに、請求項1から6のいずれか1項に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体情報データの解析装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ホルタ心電計で計測した長時間心電図データを医師が効率的に判読するためには、特許文献1に記載されるような解析装置による解析や、臨床検査技師による解析処理の編集といった前処理が必要となる。しかし、開業医や小規模な医療施設で解析装置や解析装置を操作する臨床検査技師を維持することは容易でない。また、患者を診察する医師が検査結果の判読に通じているとは限らない。そのため、患者から計測した生体情報データの解析や判読など、専用の機器や専門知識が必要な処理を提供する外部機関に依頼することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、開業医などの依頼元は、契約を結んだ特定の依頼先(例えば解析センタ)のサーバ装置に生体情報データをアップロードし、希望する処理を依頼していた。一方、解析センタでは、臨床検査技師が解析装置を操作してサーバ装置にアクセスして解析処理を適用すべき生体情報データの有無を確認し、解析処理を適用すべき生体情報データがあればダウンロードし、解析処理を実行させるという一連の操作が必要だった。
【0005】
そのため、編集処理や判読処理といった人間を必要とする処理が要求されておらず、例えば自動解析のみが要求されている場合であっても、臨床検査技師が拘束されるという課題があった。
【0006】
本発明はその一態様において、人間を必要としない処理だけが依頼されている場合には、処理を自動で実施可能な生体情報データの解析装置およびその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、生体情報データの解析装置が実行する制御方法であって、サーバ装置に処理すべき生体情報データが存在するか確認することと、生体情報データが存在する場合に、サーバ装置から生体情報データを取得し、記憶装置に保存することと、生体情報データの管理情報から、生体情報データに関して依頼されている処理を確認することと、依頼されている処理のうち、自動解析処理を生体情報データに適用することと、依頼されている処理が自動解析処理だけである場合、自動解析処理の結果をサーバ装置に送信することと、を有することを特徴とする制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、人間を必要としない処理だけが依頼されている場合には、処理を自動で実施可能な生体情報データの解析装置およびその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る生体情報データ処理システムの全体構成例を示す模式図
【
図2】実施形態に係るサーバ装置、依頼元PC、解析センタPC、および判読医PCとして利用可能なコンピュータ装置の機能構成例を示すブロック図
【
図3】実施形態に係るサーバ装置がユーザデータベースで管理する登録ユーザ情報の例を示す図
【
図4】実施形態に係る生体情報データ管理システムの各装置の動作に関するシーケンスチャート
【
図5】実施形態に係る生体情報データ管理システムの各装置の動作に関するシーケンスチャート
【
図6】実施形態に係る生体情報データ管理システムの各装置の動作に関するシーケンスチャート
【
図7】実施形態において表示される管理情報画面の例を示す図
【
図8】実施形態に係るサーバ装置の動作に関するフローチャート
【
図9】実施形態に係る自動解析装置の動作に関するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明をその例示的な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は本発明をいかなる意味においても限定しない。また、実施形態で説明される構成の全てが本発明に必須とは限らない。また、明らかに不可能である場合や、それが否定されている場合を除き、異なる実施形態に含まれる構成を組み合わせたり、入れ替えたりしてもよい。また、重複した説明を省略するために、添付図面においては全体を通じて同一もしくは同様の構成要素には同一の参照番号を付してある。
【0011】
図1は、本実施形態に係る生体情報データ処理システムの全体構成例を示す模式図である。生体情報データ処理システム1は、生体情報データ管理装置100と、依頼元PC200と、依頼先PC(解析センタPC)300と、判読医PC400とを有する。依頼元PC200、解析センタPC300、および判読医PC400のそれぞれは、生体情報データ管理装置100を構成するサーバ装置110と、例えば仮想プライベートネットワーク(VPN)などを通じて通信する。生体情報データ管理装置100は、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドのいずれの環境下に実装されてもよい。本実施形態では生体情報データ管理装置100がプライベートクラウドまたはパブリッククラウド環境に実装されているものとする
【0012】
図1に示す生体情報データ処理システムは、説明および理解を容易にするため、依頼元PC200および判読医PC400を1つずつ、また、解析センタPC300を2つ有するものとする。しかし、実際にはより多くの各種PCが含まれうる。
【0013】
依頼元PC200は例えば開業医が用いる。開業医は生体情報データ管理装置100の運用会社(以下、処理サービス提供者とよぶ)と生体情報データの処理に関する契約を結んでいるものとする。また、解析センタPC300Aが存在する解析センタAおよび解析センタPC300Bが存在する解析センタBはいずれも処理サービス提供者が運用しているものとする。また、判読医PC400を用いる判読医は、解析センタAまたはBによる解析結果に対する判読を行う契約をサービス提供者と結んでいるものとする。
【0014】
サーバ装置110は、登録ユーザをユーザデータベース120で管理し、登録ユーザが属する施設の種類および登録ユーザの権限に応じたサービスをユーザに提供する。また、サーバ装置110は、ユーザからアップロードされた生体情報データを生体情報データベース130に保存して管理する。さらに、サーバ装置110は、アップロードされた生体情報データに関して依頼された処理の進捗を管理する。
【0015】
以下では、サービス提供者が、依頼元ユーザに対して、生体情報データの自動解析サービスおよび自動解析結果に対する編集および判読サービスを提供するものとする。また、生体情報データは長時間心電図データであるものとする。しかしながら、生体情報データの種類や提供するサービスに特に制限はない。
【0016】
図2は、サーバ装置110、依頼元PC200、解析センタPC300、および判読医PC400として利用可能なコンピュータ装置の機能構成例を示すブロック図である。
【0017】
図において、ディスプレイ2501はアプリケーションプログラムによって処理中のデータの情報、各種メッセージメニューなどを表示し、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成される。ビデオRAM(VRAM)を有するディスプレイコントローラ2502は、ディスプレイ2501への画面表示制御を行う。キーボード2503及びポインティングデバイス2504は、文字などを入力したり、GUI(Graphical User Interface)におけるアイコンやボタンなどを操作したりするためなどに用いられる。CPU2505は、ROM(Read Only Memory)2506に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)2507にロードして実行することにより、以下に説明する動作を実現する。
【0018】
ROM2506は、CPU2505が実行するプログラム、各種のパラメータおよび設定値などを記憶している。ROM2506は電気的に書き換え可能であってよい。RAM2507は各種プログラムをCPU2505が実行する時のワークエリア、各種データのバッファなどとして用いられる。
【0019】
大容量記憶装置2508およびリムーバブルメディアドライプ(RMD)2509は外部記憶装置である。コンピュータ装置がサーバ装置110として機能する場合、ユーザデータベース120および生体情報データベース130は大容量記憶装置2508に実装することができる。大容量記憶装置2508はハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などであってよい。RMD2509は光学記録媒体、磁気記録媒体、メモリカードなど着脱可能な記録媒体の読み書きまたは読み出しを行う装置である。
【0020】
なお、コンピュータ装置が提供する各種機能を実現するアプリケーションプログラムをはじめ、OSや、データ、ライプラリなどは、用途に応じてROM2506、大容量記憶装置2508、RMD2509(の記録媒体)の1つ以上に記憶されている。
【0021】
拡張スロット2510は、例えばPCIe(Peripheral Component Interconnect Express)バス規格に準拠し、グラフィックボード、ビデオキャプチャボードや、サウンドボードなど、様々な拡張ボードを装着することが可能である。
【0022】
ネットワークインタフェース2511はコンピュータ装置をローカルネットワークや外部ネットワークと接続するためのインタフェースである。ネットワークインタフェース2511は例えばIEEE802.3シリーズに準拠した有線LANインタフェースおよび/またはIEEE802.11シリーズに準拠した無線LANインタフェースであってよい。
【0023】
また、コンピュータ装置はネットワークインタフェース2511の他に、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの各種規格に準拠した外部機器との通信インタフェースを有している。
【0024】
バス2512はアドレスバス、データバスおよび制御バスからなり、上述した各ブロック間を接続する。
【0025】
コンピュータ装置は、CPU2505が特定のアプリケーションプログラムを実行することにより、サーバ装置110、依頼元PC200、解析センタPC300、および判読医PC400として動作する。コンピュータ装置をサーバ装置110、依頼元PC200、解析センタPC300、および判読医PC400として動作させるためのアプリケーションは予めインストールされているものとする。
【0026】
以下で説明するサーバ装置110、依頼元PC200、解析センタPC300、および判読医PC400の動作は、各装置のCPU2505が動作主体であるが、説明および理解を容易にするため、各装置を動作主体として説明する。
【0027】
本実施形態においてサービス提供者が依頼元ユーザに提供するサービスは、
(1)自動解析のみ
(2)自動解析および編集(編集まで)
(3)自動解析および編集、ならびに解析結果の判読(要判読)
の中から、依頼元ユーザが選択可能である。
【0028】
これらサービスのうち、自動解析処理および編集処理は解析センタが実行する。また、解析結果の判読は判読医が判読医PCを用いて実行する。なお、判読医は解析センタPCを用いて判読することも可能であるが、説明および理解を容易にするため、ここでは解析センタPCではなく判読医PCを用いて判読を実行するものとする。なお、自動解析処理は解析センタ内の自動解析装置(解析センタPC)が自動的に実行可能である(解析センタユーザが自動解析装置を用いて実行することもできる)。一方、編集処理は解析センタユーザが自動解析装置を用いて実行する。
【0029】
図3は、サーバ装置110がユーザデータベース120で管理する登録ユーザ情報の例を示す図である。サーバ装置110は、登録ユーザごとにユーザタイプと権限を付与し、ログインユーザのユーザタイプと権限に応じてログインユーザに対して提供する機能を異ならせる。
【0030】
本実施形態において、ユーザタイプは依頼元ユーザ、解析センタユーザ、判読医ユーザの3種類である。依頼元ユーザには参照権限または管理者権限が与えられる。参照権限はサーバ装置110上のデータのうち、依頼元ユーザが属する施設(医療施設)が依頼元である案件に関するデータを参照(閲覧)したり、サーバ装置110からダウンロードしたり、サーバ装置110にアップロードしたりする権限である。管理者権限は、参照権限に加え、依頼元ユーザが属する施設のユーザ管理に関する権限である。
【0031】
解析センタユーザには編集権限または管理者権限が与えられる。編集権限は、解析センタユーザが属する施設(解析センタ)が依頼先である案件に関するデータを閲覧したり、サーバ装置110からダウンロードしたり、編集したりする権限、および、自動解析結果や編集結果をサーバ装置110へアップロードする権限である。管理者権限は編集権限に加え、依頼元ユーザが属する施設のユーザ管理に関する権限および、解析センタユーザが属する施設が依頼先である案件に関する管理情報を変更したりする権限である。
【0032】
判読医ユーザには判読権限または管理者権限が与えられる。判読権限は、判読医ユーザが属する施設(医療施設)が依頼先である案件に関する編集結果のデータをダウンロードしたり、判読結果をサーバ装置へアップロードしたりする権限である。管理者権限は判読権限に加え、依頼元ユーザが属する施設のユーザ管理に関する権限である。なお、生体情報データ管理装置100がオンプレミス環境に実装されるかクラウド環境に実装されるかに応じて、ユーザタイプごとに与えられる権限が異なってもよい。
【0033】
登録ユーザには固有のユーザID、1つ以上のメールアドレス、およびパスワード(便宜上空欄としている)も関連付けて管理される。なお、
図3には記載していないが、氏名、電話番号などの個人情報など、他の情報を登録ユーザ情報に含めてもよい。
【0034】
以下、サーバ装置110、依頼元PC200、解析センタPC300、および判読医PC400の動作について、依頼内容や解析センタ間の処理委託の有無などの組み合わせごとに説明する。
【0035】
図4は、判読依頼がない場合の各装置の動作に関するシーケンスチャートである。依頼元ユーザである開業医が長時間心電図データに対する処理をサービス提供者に依頼する場合、サービス提供者から提供されたアプリケーションを依頼元PC200で実行する。依頼元ユーザはアプリケーションが提供するログイン画面にユーザIDおよびパスワードを入力することによりサーバ装置110にログインする。
【0036】
そして、依頼元ユーザは、アプリケーションを通じて処理を依頼する長時間心電図データを選択し、依頼情報とともにサーバ装置110にアップロードすることにより、処理を依頼する(201)。依頼情報には心電図データの計測日時、患者情報、依頼する処理の内容(第1の情報。上述した(1)~(3)のいずれか)、処理の依頼先(第2の情報)などが含まれる。処理の依頼先は少なくとも解析処理および編集処理の依頼先(解析センタ)を含む。依頼する処理が判読を含む場合、処理の依頼先に判読の依頼先が含まれていてもいなくてもよい。依頼情報のうち、計測日時はホルタ心電計が心電図データに記録する。患者情報および依頼する処理の内容は、アプリケーションが提供する画面を通じて依頼元ユーザが入力する。ここでは、処理の依頼先として解析センタAが指定されているものとする。
【0037】
サーバ装置110は、依頼元PC200から心電図データおよび依頼情報を受信すると、生体情報データベース130に保存する。また、サーバ装置110は、依頼情報に管理用の情報を追加することにより、依頼された案件に関する管理情報を生成する。サーバ装置110は、例えば、固有の識別情報(管理ID)や、処理の進捗状況を管理するための処理ステータス情報、処理の委託先などの情報を管理用の情報として追加する。また、判読の依頼先が依頼情報に含まれていない場合、管理情報生成時に追加することができる。また、サーバ装置110は、依頼元ユーザから生体情報データおよび依頼情報を受信した日時を依頼を受け付けた日時として管理情報に含める。サーバ装置110は、管理情報を依頼元ユーザの識別情報および処理対象の生体情報データの識別情報(例えばファイル名)と関連付けてユーザデータベース120に保存する。
【0038】
サーバ装置110は、ユーザデータベース120を参照し、依頼情報に含まれる依頼先の施設(ここでは解析センタA)に属するユーザに対して通知を送信する(202)。これは、依頼先の施設に属する登録ユーザのメールアドレスに対するメール送信であってよい。なお、通知は依頼先の施設に属する管理者ユーザだけに送信してもよいし、全登録ユーザに送信してもよい。なお、以下では、説明を簡単にするため、通知の送信先を解析センタPCのように施設に属する特定の装置として説明するが、実際には施設に属する登録ユーザのメールアドレスに通知を送信する。
【0039】
なお、解析センタの管理者ユーザに関連付けて登録されているメールアドレスには、自動解析装置(ここでは解析センタPC300A)が受信可能なメールアドレスが含まれるようにする。自動解析装置が通知を受信できるようにすることで、人間が介在することなく自動解析装置が通知に応じた処理を実行することができる。
【0040】
通知を受信した解析センタPC300Aは、通知の趣旨を判定する。通知の趣旨は通知に含まれていてもよいし、通知に応答してサーバ装置110にアクセスすることによって判定してもよい。前者の場合、解析センタPC300Aは、例えば通知に含まれる特定の文字列を検索することによって通知の趣旨を判定することができる。後者の場合、解析センタPC300Aは、サーバ装置110にアクセスして依頼先が解析センタAである管理情報を参照し、更新日時が最新の管理情報における処理ステータス(後述)を確認することにより、通知の趣旨を判定することができる。なお、これらは単なる例示であり、他の方法で通知の趣旨を判定してもよい。
【0041】
ここでは、解析センタPC300Aは、通知の趣旨が新規の処理依頼を受け付けたことの通知であると判定する。そして、解析センタPC300Aは管理情報から依頼内容を確認(210)する。その後、解析センタPC300Aは、サーバ装置110から自身が属する施設(解析センタA)が依頼先に指定されている心電図データを管理情報とともに取得し、大容量記憶装置2508に保存する。サーバ装置110は、解析センタPCが心電図データをダウンロードすると、対応する管理情報の処理ステータスを未解析から解析中に変更する。
【0042】
なお、
図4では解析センタPC300Aがサーバ装置110から通知を受信したことに応じて処理を開始しているが、サーバ装置110からの通知は必須ではない。例えば、解析センタPC300Aが例えば一定時間ごとにサーバ装置110にアクセスまたは問い合わせして新規依頼の有無を確認し、新規依頼があれば処理を開始するようにしてもよい。また、一定時間は解析センタユーザが所定の時間範囲内で設定可能としてもよい。
【0043】
次に解析センタPC300Aは、心電図データに対して自動解析処理を適用する(220)。ここで適用する自動解析処理は公知の心電図解析装置で実施されているものと同じであってよい。自動解析処理では電極外れ区間や異常心電図など予め定められたイベントの検出、心拍数やその時間変動といった数値情報の算出、代表波形の抽出などが行われる。
【0044】
解析センタPC300Aは、自動解析処理が完了すると、自動解析結果を管理IDと関連付けて大容量記憶装置2508に保存する。自動解析結果は例えば自動解析処理で検出されたイベントに対応する心拍や計測区間を特定する情報、解析で得られた各種の情報、フォーマットに自動解析で得られた情報をまとめた自動解析レポートなどを含みうる。
【0045】
解析センタPC300Aは、自動解析のみが依頼されている場合(編集および判読が依頼されていない場合。上述の(1)に相当)には、自動解析結果を管理IDとともにサーバ装置110にアップロード(登録)する(232)。
【0046】
このように、本実施形態における解析センタPC300Aは、編集や判読といった人間による実行が必要な処理が依頼されていない場合、依頼された処理の実行に解析センタユーザによる介在を必要としない。そのため、依頼を受け付けてから短時間で自動解析結果がサーバ装置110にアップロードされ、依頼元ユーザを必要以上に待たせることがない。また、解析センタユーザの手間を大幅に簡略化することができる。
【0047】
サーバ装置110は、自動解析結果を受信すると、対応する管理情報の処理ステータスを自動解析中から自動解析済みに変更する。サーバ装置110は、依頼元ユーザから依頼された処理が完了したことを管理情報に基づいて判定すると、依頼元PC200に通知を送信する(223)。
【0048】
依頼元PC200は、通知を受信すると、依頼した処理の結果(ここでは自動解析レポート)をサーバ装置110から取得する(224)。なお、処理結果の取得は、依頼元PC200のアプリケーションが通知に応答して自動的に実行してもよいし、通知を確認した依頼元ユーザが依頼元PC200のアプリケーションを操作して実行してもよい。あるいは、依頼元PC200が例えば一定時間ごとにサーバ装置110にアクセスまたは問い合わせして処理結果の有無を確認し、処理結果があれば取得するようにしてもよい。この場合、一定時間は依頼元ユーザが所定の時間範囲内で設定可能であってよい。
【0049】
一方、解析センタPC300Aは、編集までの処理が依頼されている場合(上述の(2)に相当)には、自動解析に引き続いて編集を実行する(230)。
【0050】
なお、編集は解析センタPC300Aが自動的に実行可能な処理ではなく、臨床検査技師が解析センタPC300Aで稼働するアプリケーション(自動解析アプリケーションと同じであっても別のアプリケーションであってもよい)を操作して実行する処理である。したがって、特に自動解析を解析センタPC300Aが自律的に実行した場合、自動解析終了後、直ちに臨床検査技師が編集を実行可能とは限らない。そのため、依頼された処理に自動解析結果の編集が含まれる場合も、自動解析処理が終了した時点で自動解析結果をサーバ装置110にアップロードしてもよい。
【0051】
この場合、臨床検査技師が編集実行時にサーバ装置110から自動解析結果をダウンロードして編集を実行する。サーバ装置110は、自動解析結果がダウンロードされると、対応する管理情報の処理ステータスを未編集から編集中に変更する。
【0052】
ここでは、自動解析に引き続いて臨床検査技師による編集が実行されたものとする。自動解析結果の編集処理は、自動解析で検出されたイベントの判定の妥当性を判定したり、ノイズが大きい区間や、電極外れの区間など、心電図データの信頼性が低い計測区間を削除したり、手動で心電図データにイベントを付与したりする処理である。解析センタPC300Aは例えばユーザから編集完了の指示が入力されると、編集結果を大容量記憶装置2508に保存するとともに、サーバ装置110にアップロードする(232)。
【0053】
サーバ装置110は、編集結果を受信すると、対応する管理情報の処理ステータスを未編集もしくは編集中から、編集済みに変更する。サーバ装置110は、依頼元ユーザから依頼された処理が完了したことを管理情報に基づいて判定すると、依頼元PC200に通知を送信する(233)。
【0054】
依頼元PC200は、通知を受信すると、依頼した処理の結果(ここでは自動解析レポートおよび編集結果)をサーバ装置110から取得する(234)。
【0055】
次に、判読までが依頼されている場合(上述の(3)に相当)の各装置の動作について、
図5に示すシーケンスチャートを用いて説明する。
【0056】
サーバ装置110は、判読までの依頼がなされている案件についての編集結果を受信すると、管理情報を参照して判読医を特定し、ユーザデータベース120を参照して判読医のメールアドレスを取得する。そして、サーバ装置110は取得したメールアドレス(判読医PC400が受信可能なアドレスを含むものとする)に通知を送信する(238)。
【0057】
判読医PC400は、通知を受信すると、判読すべき編集結果をサーバ装置110から取得する(239)。サーバ装置110は編集結果がダウンロードされると、対応する管理情報の処理ステータスを未判読から判読中に変更する。なお、編集結果の取得は、判読医PC400のアプリケーションが通知に応答して自動的に実行してもよいし、通知を確認した判読医ユーザが判読医PC400のアプリケーションを操作して実行してもよい。
【0058】
判読医ユーザは、判読医PC400上で稼働するビューワアプリケーションで編集済みの心電図データおよび自動解析レポートを参照し、所見コメントをアプリケーションに入力する。判読医PC400は、例えばユーザから判読完了の指示が入力されると、判読結果を大容量記憶装置2508に保存するとともに、サーバ装置110にアップロードする(242)。
【0059】
サーバ装置110は、判読結果を受信すると、対応する管理情報の処理ステータスを判読中から判読済みに変更する。サーバ装置110は、依頼元ユーザから依頼された処理が完了したことを管理情報に基づいて判定すると、依頼元PC200に通知を送信する(244)。また、サーバ装置110は、自動解析および編集を行った解析センタに対しても通知を送信する(245)。
【0060】
依頼元PC200は、通知を受信すると、依頼した処理の結果(ここでは自動解析レポートおよび判読結果(所見コメント))をサーバ装置110から取得する(246)。
【0061】
次に、
図6に示すシーケンスチャートを用いて、本実施形態における解析センタPCが有する処理の委託機能について説明する。本実施形態における解析センタPCは、依頼された処理を他の解析センタに委託する機能を有する。例えば編集処理を行うべき自動解析結果の数が臨床検査技師の人数に対して多すぎる場合などに、他の解析センタに編集を依頼することができる。
【0062】
図6において
図4および
図5と同じシーケンスには同じ参照数字を付してある。当初の依頼先である解析センタAのユーザまたは解析センタPC300Aは、依頼内容を確認(210)した結果、少なくとも編集が含まれている(依頼内容が上述の(2)または(3)に相当する)ことを認識する。処理に時間を要するのは編集および判読であり、自動解析だけが依頼されている場合には原則として委託する必要がないためである。
【0063】
解析センタAのユーザは、例えば依頼された処理に時間がかかることが想定される場合、今回依頼された自動解析および編集処理を他の解析センタに委託することを決定する。なお、この決定は解析センタPC300Aが所定の条件に基づいて実行してもよい。例えば、現時点で解析センタAで編集処理を行うべき自動解析結果の数が予め定められている数を超えている場合に、自動解析および編集処理の委託を決定することができる。
【0064】
自動解析および編集処理を他の解析センタに委託する場合、委託先は本来の依頼先(ここでは解析センタAのユーザまたはPC)が決定してもよいし、サーバ装置110が決定してもよい。
【0065】
例えば解析センタAのユーザが決定する場合には、サーバ装置110に登録されている、解析センタAから処理を委託可能な解析センタの中から、処理を受託可能な解析センタを(例えば担当者間のメール、電話などを通じて)探すことによって委託先を決定することができる。
【0066】
一方、解析センタPC300Aまたはサーバ装置110が決定する場合には、サーバ装置110に登録されている解析センタのうち、編集処理が未実施の自動解析結果の数が予め定められた閾値の所定割合(例えば70%)以下の解析センタを委託先として決定することができる。あるいは、受託可能であることを明示的にサーバ装置110に登録している解析センタを委託先として決定するなど、他の条件に従って委託先を決定してもよい。
【0067】
本実施形態においてサーバ装置110は、管理情報に委託先が登録されている場合、自動解析および編集処理が元の依頼先解析センタから他の解析センタに委託されているものとして取り扱う。したがって、解析センタPC300Aまたは解析センタAのユーザは、委託先の解析センタを決定した場合、サーバ装置110にアクセスして、委託する処理の管理情報に委託先を登録する。なお、管理情報の変更は管理者の権限を有するユーザがログインしている解析センタPCからのみ実行可能とすることができる。
【0068】
図7は、解析センタPC300Aを通じてユーザがサーバ装置110上の管理情報を閲覧および変更するための管理情報画面700の例を示す図である。例えば自動解析および編集処理を委託する案件の管理IDを用いて管理情報を検索することで、
図7に示す管理情報画面700を解析センタPC300Aのアプリケーションに表示させることができる。
【0069】
管理情報画面700に表示される管理情報は、変更できない情報710と変更可能な情報720とを含む。変更できない情報710は、検査日、管理ID、患者情報、依頼元の施設およびユーザに関する情報、当初の依頼先情報などである。一方、変更可能な情報720は、依頼内容、処理ステータス(進捗状況)、委託先、および判読依頼先を含む。
【0070】
依頼内容は、プルダウンメニュー721を操作することによって上述の(1)~(3)のいずれかを選択することができる。依頼内容は基本的には変更しないが、管理上変更できるように設計されている。
【0071】
処理ステータス722は解析、編集、判読のそれぞれについて、未着手(「未」)、実行中(「中」)、および処理済み(「済」)のステータスを排他的に選択可能に構成されている。なお、編集および判読については、依頼されていない場合も、依頼されているが未実施である場合も処理ステータスは「未」となる。依頼されていないのか未実施なのかは依頼内容を参照することで判定可能である。
【0072】
委託先解析センタは、プルダウンメニュー723から選択することによって指定することができる。プルダウンメニュー723はデフォルトでは空欄であり、したがってサーバ装置110は依頼元が指定した解析センタが解析および編集処理を実行するものとして取り扱う。なお、プルダウンメニュー723には、サーバ装置110に登録されている解析センタのうち、管理情報を変更する解析センタユーザが属する解析センタから処理を委託可能な解析センタだけが表示される。解析センタが委託可能であるか否かは、登録されている施設情報に基づいて判定される。
【0073】
判読依頼先ユーザ(判読医)はプルダウンメニュー724から選択することによって指定することができる。プルダウンメニュー724には、ログイン中の解析センタユーザが属する解析センタと関連付けて登録されている判読医だけが表示される。なお、判読医のプルダウンメニュー724には解析センタごとに主判読医として登録されている判読医がデフォルトで表示される。したがって、特に変更する必要がなければ、判読医を決定しなくても主判読医に判読が依頼される。
【0074】
データ更新ボタン730を操作すると、変更が管理情報に反映される。一方、戻るボタン740を操作すると、変更は管理情報に反映されずに管理情報画面が閉じられる(他の画面に遷移する)。
【0075】
なお、管理情報画面700はユーザが手動で管理情報を変更する場合に用いるものである。解析センタPC300Aやサーバ装置110が委託先の解析センタを決定する場合には、管理情報画面700を用いずに管理情報を変更することができる。例えば解析センタPC300Aから管理IDおよび委託先の解析センタの情報を含んだ委託要求をサーバ装置110に送信し、サーバ装置110が要求に応じて管理IDに対応する管理情報の委託先解析センタを登録するように構成してもよい。
【0076】
図6に戻り、解析センタPC300Aからサーバ装置110の管理情報に委託先解析センタの登録(212)が行われると、サーバ装置110は、委託先解析センタである解析センタBに属する解析センタの登録ユーザおよび/または解析センタPC300Bに通知214を送信する。
【0077】
解析センタPC300Bは、通知に応じて、
図4において解析センタPC300Aの動作として説明したものと同様の動作を実行する。委託先の解析センタPCは、依頼された処理が依頼元から直接依頼されているのか、別の解析センタから委託されているのかを意識することなく処理を実行する。
【0078】
解析センタBから編集結果がアップロードされると、サーバ装置110は、対応する管理情報の処理ステータスを編集済みに変更する。そして、サーバ装置110は、編集結果が委託先の解析センタB(解析センタPC300B)からアップロードされたものであることを管理情報から認識すると、委託元である解析センタA(解析センタPC300A)に通知を送信する(235)。
【0079】
通知を受信すると、解析センタPC300Aは、管理情報の判読依頼先を設定する(236)。判読依頼先が設定されると、サーバ装置110は判読医PC400に通知を送信する(238)。
【0080】
なお、委託先を登録する際に判読依頼先を設定済みの場合や、主判読医に判読を依頼する場合には、ここで改めて判読依頼先を設定しなくてもよい。この場合、サーバ装置110は委託元の解析センタPC300Aへ通知を送信する際に、判読医PC400にも通知を送信する(238)。
判読医PC400へ通知を送信した後の動作は
図5で説明したとおりであるため、省略する。
【0081】
以下、
図8および
図9に示すフローチャートを用いて、上述したサーバ装置110および解析センタPC300の動作についてまとめて説明する。
【0082】
図8は、サーバ装置110の動作に関するフローチャートである。以下に説明する動作は、サーバ装置110で稼働する管理アプリケーションをサーバ装置110のCPU2505が実行することによって実現される。ここでは説明および理解を容易にするため、サーバ装置110にログインする依頼元ユーザ、解析センタユーザ、判読医ユーザがいずれも管理者権限を有するものとする。
【0083】
S410でCPU2505は、処理依頼を受信したか否かを判定し、受信したと判定されればS415を、判定されなければS420を実行する。
【0084】
S415でCPU2505は、受信した生体情報データと依頼情報を生体情報データベース130に保存する。そして、CPU2505は、処理情報から依頼先解析センタを特定し、特定した依頼先解析センタに属する管理者ユーザのメールアドレス(解析センタPCのメールアドレス)に通知を送信する。その後、CPU2505はS420を実行する。
【0085】
S420でCPU2505は、解析センタPCから自動解析結果を受信したか否かを判定し、受信したと判定されればS425を、判定されなければS430を実行する。
【0086】
S425でCPU2505は、自動解析結果を受信した案件について、管理情報を参照して編集が依頼されているか否かを判定する。そして、CPU2505は、編集が依頼されていると判定されればS430を、判定されなければS427を実行する。
【0087】
S427でCPU2505は、依頼元PC200に通知を送信する。その後、CPU2505はS430を実行する。
【0088】
S430でCPU2505は、解析センタPCから編集結果を受信したか否かを判定し、受信したと判定されればS440を、判定されなければS450を実行する。
【0089】
S440でCPU2505は、編集結果を受信した案件について、管理情報を参照して判読が依頼されているか否かを判定する。そして、CPU2505は、判読が依頼されていると判定されればS442を、判定されなければS444を実行する。
【0090】
S442でCPU2505は、管理情報を参照して判読医ユーザを特定し、特定した判読医ユーザのメールアドレス(判読医PC400のメールアドレス)に通知を送信する。一方、S444でCPU2505は、依頼元PC200に通知を送信する。その後、CPU2505はS450を実行する。
【0091】
S450でCPU2505は、管理情報に委託先解析センタが設定されたか否かを判定し、設定されたと判定されればS460を、判定されなければS470を実行する。
【0092】
S460でCPU2505は、設定された委託先解析センタに属する管理者ユーザのメールアドレス(解析センタPCのメールアドレス)に通知を送信する。その後、CPU2505はS470を実行する。
【0093】
S470でCPU2505は、判読医PCから判読結果を受信したか否かを判定し、受信したと判定されればS480を、判定されなければS410を実行する。
【0094】
S480でCPU2505は、判読結果を受信した案件の依頼元PC200および自動解析および編集処理を実行した解析センタPCに通知を送信する。その後CPU2505はS410を実行する。
【0095】
図9は、解析センタPC300の動作に関するフローチャートである。以下に説明する動作は、解析センタPC300で稼働するアプリケーションを解析センタPC300のCPU2505が実行することによって実現される。
【0096】
S510でCPU2505は、サーバ装置110から通知を受信したか否かを判定し、受信したと判定されればS515を、判定されなければS560を実行する。なお、通知の受信有無を判定する代わりに、所定時間が経過したか否かを判定してもよい。
【0097】
S515でCPU2505は、通知の趣旨が新規の処理依頼であるか否かを判定し、新規の処理依頼であると判定されればS520を、判定されなければS550を実行する。
【0098】
S520でCPU2505は、サーバ装置110から新規依頼に係る生体情報データおよび依頼内容を取得し、大容量記憶装置2508に保存する。その後CPU2505はS525を実行する。
【0099】
S525でCPU2505は、依頼内容を確認し、編集が依頼されているか否かを判定し、依頼されていると判定されればS540を、判定されなければS530を実行する。
【0100】
S530でCPU2505は、生体情報データに対して自動解析処理を適用する。その後CPU2505はS535を実行する。
【0101】
S535でCPU2505は、自動解析結果をサーバ装置110にアップロードする。その後CPU2505はS510を実行する。このように、自動解析のみが依頼されている場合、解析センタPCはユーザによる操作を必要とせずに依頼された処理を完了することができる。
【0102】
S540でCPU2505は、依頼された自動解析および編集処理を他の解析センタに委託するか否かを決定する。上述したように、この判定はユーザに行わせてもよいし、CPU2505が行ってもよい。他の解析センタへ委託と決定されればS545を、判定されなければS530を実行する。
【0103】
S545でCPU2505は、サーバ装置110の管理情報に委託先を設定する。上述したように、この設定はユーザに行わせてもよいし、CPU2505が行ってもよい。その後、CPU2505は、S510を実行する。
【0104】
S515で通知の趣旨が新規依頼であると判定されなかった場合、S550でCPU2505は、通知の趣旨が委託した処理の終了であるか否かを判定し、委託した処理の終了であると判定されればS580を、判定されなければS555を実行する。
【0105】
S555が実行されるのは、通知の趣旨が判読処理の終了の場合である。したがってCPU2505は、判読処理が終了した際に実行する処理(例えば大容量記憶装置2508から関連する生体情報データなどを削除する処理)を実行する。その後CPU2505は、S510を実行する。
【0106】
S510で通知を受信したと判定されなかった場合、S560でCPU2505は編集を実行するか否かを判定する。CPU2505は、例えばユーザからアプリケーションを通じて編集機能の実行が指示された場合に、編集を実行すると判定することができる。CPU2505は編集を実行すると判定されればS565を、判定されなければS510を実行する。
【0107】
S565でCPU2505は、サーバ装置110から、編集が依頼されており、かつ未編集の自動解析結果を取得し、大容量記憶装置2508に保存する。サーバ装置110はアクセスしてきた解析センタPCが属する解析センタが依頼先になっている案件のみを解析センタPCに提示する。例えばCPU2505は提示された案件の中から、例えば登録日(依頼日時)が最も古い案件の自動解析結果を取得する。その後、CPU2505はS570を実行する。
【0108】
S570でCPU2505は、取得した自動解析結果とともに、編集機能をユーザに提供する。S570でCPU2505は、ユーザの指示に応じて編集処理を実行する。
【0109】
S575でCPU2505は、ユーザから編集終了の指示が入力されたか否かを判定し、編集終了の指示が入力されたと判定されればS580を、判定されなければS570を継続して実行する。
【0110】
S580でCPU2505は、判読が依頼されているか否かを判定し、判読が依頼されていると判定されればS585を、判定されなければS590を実行する。
【0111】
S585でCPU2505は、サーバ装置110にアクセスし、管理情報の判読依頼先を設定する。その後CPU2505はS590を実行する。なお、上述したように、判読依頼先の設定は必須でない。主判読医に判読を依頼する場合など、依頼先を設定(変更)する必要のない場合にはS580およびS585は実行しなくてもよい。
【0112】
S590でCPU2505は、サーバ装置110に編集結果をアップロードする。その後CPU2505はS510を実行する。
【0113】
以上説明したように、本実施形態によれば、生体情報データに対する処理サービスを提供する生体情報データの管理装置において、依頼された処理の実行先を、当初の依頼先から柔軟に変更し、効率よくサービスを提供することが可能になる。
【0114】
(他の実施形態)
本発明は、コンピュータを上述の実施形態において説明した依頼元PC、サーバ装置、解析センタPC、判読医PCとして機能させるプログラムとしても実施可能である。また、本発明は上述した実施形態の内容に制限されず、発明の精神および範囲から離脱することなく様々な変更及び変形が可能である。したがって、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0115】
110…サーバ装置、120…ユーザデータベース、130…生体情報データベース、200…開業医PC、300A、300B…解析センタPC、400…判読医PC