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  • 特開-収納戸棚及び開閉扉 図1
  • 特開-収納戸棚及び開閉扉 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006728
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】収納戸棚及び開閉扉
(51)【国際特許分類】
   A47B 55/00 20060101AFI20240110BHJP
   A47B 91/06 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A47B55/00
A47B91/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107898
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】513322660
【氏名又は名称】株式会社アルファーエンタープライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100126468
【弁理士】
【氏名又は名称】田久保 泰夫
(72)【発明者】
【氏名】谷田部 好次
【テーマコード(参考)】
3B067
3B069
【Fターム(参考)】
3B067AA00
3B067AA05
3B067AA07
3B067AA11
3B069CA03
(57)【要約】
【課題】開口部を開閉する扉を、開口部を全開状態として、広い場所を占有することなく清潔な環境に収納できるとともに、必要に応じて開口部を速やかに閉塞できる収納戸棚及び開閉扉を提供する。
【解決手段】本発明は、収納戸棚及び開閉扉に関するものであり、上段開口部16を開閉する上部扉12と、下段開口部18を開閉する下部扉14と、上部扉12の下端部と下部扉14の上端部とを連結する蝶番34とを備え、上部扉12は、上段開口部16の上端両側部に配置されたピン部材42a、42bに係合される係合部40a、40bを上端側に有し、上部扉12及び下部扉14は、蝶番34を介して重ね合わされた状態で、上段開口部16の上端に設けられた扉収納部36に収納可能に構成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を出し入れするための開口部を有する収納戸棚において、
前記開口部の上側前面である上段開口部を開閉する上部扉と、
前記開口部の下側前面である下段開口部を開閉する下部扉と、
前記上部扉の下端部と前記下部扉の上端部とを連結する蝶番と、
を備え、
前記上部扉は、前記上段開口部の上端両側部に配置されたピン部材に係合される係合部を上端側に有し、
前記上部扉及び前記下部扉は、前記蝶番を介して重ね合わされた状態で、前記上段開口部の上端に設けられた扉収納部に収納可能に構成されることを特徴とする収納戸棚。
【請求項2】
請求項1に記載の収納戸棚において、
前記蝶番は、前記上部扉及び前記下部扉の長手方向に沿って長尺に構成されることを特徴とする収納戸棚。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の収納戸棚において、
前記下部扉は、前記下段開口部が閉塞される状態において、前記下段開口部の下端部に配設される磁石に吸着保持されることを特徴とする収納戸棚。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の収納戸棚において、
前記収納戸棚の底面部には、固定脚又は前記収納戸棚を移動可能とするキャスタが配設されることを特徴とする収納戸棚。
【請求項5】
請求項3に記載の収納戸棚において、
前記収納戸棚の底面部には、固定脚又は前記収納戸棚を移動可能とするキャスタが配設されることを特徴とする収納戸棚。
【請求項6】
収納戸棚の開口部を開閉する開閉扉において、
前記開口部の上側前面である上段開口部を開閉する上部扉と、
前記開口部の下側前面である下段開口部を開閉する下部扉と、
前記上部扉の下端部と前記下部扉の上端部とを連結する蝶番と、
を備え、
前記上部扉は、前記上段開口部の上端両側部に配置されたピン部材に係合される係合部を上端側に有し、
前記上部扉及び前記下部扉は、前記蝶番を介して重ね合わされた状態で、前記上段開口部の上端に設けられた扉収納部に収納可能に構成されることを特徴とする開閉扉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を出し入れするための開口部を有する収納戸棚及び開閉扉に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、厨房には、食器や調理器具等を収納する収納戸棚が設置されている。この収納戸棚には、内部への埃等の侵入を阻止するために扉が設けられている。従って、作業者が、食器等を取り出す際には、この扉を開閉する必要がある。しかしながら、作業者が、作業中に扉を頻繁に開閉することは、非常に煩わしいため、作業中は、扉を取り外して、収納戸棚の開口部が開放されたままの状態にされる場合が多々ある。
【0003】
この場合、取り外された扉は、通常、収納戸棚の脇や上部等に置かれるが、扉を置く場所を確保する必要があるだけでなく、配置場所を清潔に維持しておかなければならないため、その管理も煩わしい。また、作業者が、作開口部を閉塞する場合には、扉を開口部に速やかに装着できることが求められる。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1に開示された収納戸棚では、開口部の下端部に扉が回動可能に連結され、この扉が手前に倒されて開口部が開放できるように構成されている。また、特許文献2に開示された収納戸棚には、上下の収納部に夫々扉が配置され、一方の扉が他方の扉の前後に重なるようにスライドされ、開口部が開放されるように構成されている。これらの特許文献1、2に開示された収納戸棚の場合、扉が常に収納戸棚に連結されているため、作業者は、扉の収納場所等を考慮する必要がなく、また、開口部の開閉も容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-98106号公報
【特許文献2】特開2020-26658号公報
【0006】
しかしながら、特許文献1の収納戸棚の場合、開口部が開放された際、扉が手前側に突出した状態になるため、作業者に対して、その扉が作業の邪魔になってしまう。また、特許文献2の収納戸棚の場合は、上下の収納部の一方が扉によって必ず閉塞された状態になるため、例えば、作業者は、開口部全体を開放させて作業を行うことはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであって、作業者は、開口部を開閉する扉を、開口部全体を開放し、広い場所を占有することなく清潔な環境に収納できるとともに、必要に応じて開口部を速やかに閉塞できる収納戸棚及び開閉扉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る収納戸棚は、物品を出し入れするための開口部を有する収納戸棚において、前記開口部の上側前面である上段開口部を開閉する上部扉と、前記開口部の下側前面である下段開口部を開閉する下部扉と、前記上部扉の下端部と前記下部扉の上端部とを連結する蝶番と、を備え、前記上部扉は、前記上段開口部の上端両側部に配置されたピン部材に係合される係合部を上端側に有し、前記上部扉及び前記下部扉は、前記蝶番を介して重ね合わされた状態で、前記上段開口部の上端に設けられた扉収納部に収納可能に構成されることを特徴とする。
【0009】
前記収納戸棚において、前記蝶番は、前記上部扉及び前記下部扉の長手方向に沿って長尺に構成されることを特徴とする。
【0010】
また、前記収納戸棚において、前記下部扉は、前記下段開口部が閉塞される状態において、前記下段開口部の下端部に配設される磁石に吸着保持されることを特徴とする。
【0011】
さらに、前記収納戸棚において、前記収納戸棚の底面部には、固定脚又は前記収納戸棚を移動可能とするキャスタが配設されることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る開閉扉は、収納戸棚の開口部を開閉する開閉扉において、前記開口部の上側前面である上段開口部を開閉する上部扉と、前記開口部の下側前面である下段開口部を開閉する下部扉と、前記上部扉の下端部と前記下部扉の上端部とを連結する蝶番と、を備え、前記上部扉は、前記上段開口部の上端両側部に配置されたピン部材に係合される係合部を上端側に有し、前記上部扉及び前記下部扉は、前記蝶番を介して重ね合わされた状態で、前記上段開口部の上端に設けられた扉収納部に収納可能に構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の収納戸棚及び開閉扉では、上部扉と下部扉とを折り畳んだ状態で開口部の上端に設けられた扉収納部に収納できるため、広い場所を占有することなく扉を清潔な環境に収納しておくことができる。また、開閉扉は、扉収納部に収納して開口部全体を開放できるため、物品の出し入れの作業を効率的に行うことができる。さらに、上下の扉は、扉収納部から引き出すだけで速やかに開口部を閉塞することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】上段開口部、下段開口部を開放した状態の収納戸棚の斜視図
図2】上段開口部を上部扉により閉塞し、下段開口部を開放した状態の収納戸棚の斜視図
図3】上段開口部、下段開口部を上部扉及び下部扉により閉塞した状態の収納戸棚の斜視図
図4】開閉扉を下面側から見た状態の分解斜視図
図5】収納戸棚の図1に示すV-V線断面図
図6】収納戸棚の図2に示すVI-VI線断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<収納戸棚10の構成>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1図3は、上部扉12及び下部扉14を備えた収納戸棚10の斜視図である。図1は、上段開口部16、下段開口部18を開放した状態の収納戸棚10の斜視図、図2は、上段開口部16を上部扉12により閉塞し、下段開口部18を開放した状態の収納戸棚10の斜視図、図3は、上段開口部16、下段開口部18を上部扉12及び下部扉14により閉塞した状態の収納戸棚10の図である。図4は、開閉扉19を下面側から見た状態の分解斜視図である。図5は、収納戸棚10の図1に示すV-V線断面図である。図6は、収納戸棚の図2に示すVI-VI線断面図である。
【0016】
収納戸棚10は、厨房等に設置され、食器や調理器具等の物品が収納される。収納戸棚10は、略直方体形状に構成され、2つの側面部11a、11bと、側面部11a、11bの上端部に配設され、側面部11a、11b間を連結する上面部13と、側面部11a、11bの後端部に配設され、側面部11a、11b間を連結する背面部15と、側面部11a、11bの下端部に配設され、側面部11a、11b間を連結する底面部17とを有する。
【0017】
収納戸棚10は、上部扉12と、下部扉14と、蝶番34とを備える。上部扉12は、収納戸棚10における上側前面の上段収納部24の上段開口部16に配設され、上部扉12によって、上段開口部16は開閉される。下部扉14は、収納戸棚10における下側前面の下段収納部26の下段開口部18に配設され、下部扉14によって下段開口部18は開閉される。蝶番34は、上部扉12の下端部と下部扉14の上端部とを連結する。また、開閉扉19は、上部扉12、下部扉14及び蝶番34を有する。
【0018】
収納戸棚10における上段収納部24の上段開口部16の上端であって、側面部11a、11b、上面部13及び背面部15によって囲繞される部位には、上部扉12及び下部扉14を収納する扉収納部36が配置される。上部扉12及び下部扉14は、蝶番34を介して上部扉12の上に下部扉14を重ね合わされた状態で扉収納部36に収納可能に構成される(図1参照)。
【0019】
上部扉12及び下部扉14は、収納戸棚10の横方向に長い長方形形状である。上部扉12の長尺な両辺部分には、下面側に折り曲げられたL字状の折曲部38a、38bが形成される。一方の折曲部38aの両端部近傍には、他方の折曲部38b側に向かって折り曲げられた係合部40a、40bが形成される。図5及び図6に示されるように、係合部40a、40bは、上部扉12及び下部扉14を扉収納部36から引き出された際に、側面部11a、11bにおける上段開口部16の近傍に配置されたピン部材42a、42bに係合される。蝶番34は、一方が他方に対して回動可能な2つの回動片44a、44bを有し、上部扉12及び下部扉14の長手方向に沿って長尺に構成される。一方の回動片44aは、上部扉12の折曲部38bの側面に連結され、他方の回動片44bは、下部扉14の長辺部分に連結される。このように構成される上部扉12及び下部扉14は、扉収納部36に収納された状態において、両側の短辺部分が側面部11a、11bに配設されたガイドレール46a、46bにより支持される。
【0020】
底面部17の下面四隅には、収納戸棚10を移動可能とするキャスタ20が配設される。収納戸棚10の内部には、棚板22が設置される。上段収納部24及び下段収納部26は、棚板22により上下に分割される。棚板22は、四隅にブラケット28が配置され、これらのブラケット28を、収納戸棚10の側面部11a、11bに沿って上下方向に所定間隔で形成された複数の係合溝30の所望の位置に係合させることにより、任意の高さに調整可能である。また、下段収納部26の底面部17の前面には、下部扉14により下段開口部18が閉塞される状態において、下部扉14の下端部を吸着保持する磁石32が配設される。
【0021】
<収納戸棚10の作用効果>
以上のように構成する収納戸棚10の作用効果について説明する。
【0022】
上部扉12及び下部扉14は、図1及び図5に示されるように、上部扉12の上に蝶番34を介して下部扉14を重ね合わせた状態として、上段収納部24の上部の扉収納部36に収納させておくことができる。この場合、上部扉12及び下部扉14は、広い収納場所を占有することなく、且つ、埃等で汚れることのない清潔な環境に収納しておくことができる。また、上段開口部16、下段開口部18は、両方が開放された状態になるため、物品の出し入れの作業を効率的に行うことができる。
【0023】
次に、作業者が、上段開口部16を閉塞する場合、作業者は、図1及び図5の状態から、上段開口部16の上部に配置されている折曲部38bに手を掛け、図5に示す矢印A方向に上部扉12及び下部扉14を引き出す。上部扉12がその短手方向の幅の分だけ引き出されると、上部扉12の下面端部(図5参照)に配設されている係合部40a、40bが上段開口部16の上端両側部に配設されているピン部材42a、42bに係合するため、上部扉12及び下部扉14は、それ以上引き出されない。次いで、ピン部材42a、42bを中心として上部扉12及び下部扉14を下方向に回動させることにより、上段開口部16が上部扉12によって閉塞された状態となる(図6参照)。このとき、作業者は、下段収納部26の下段開口部18のみを開放した状態で物品の取り出しや収納の作業を行うことができる。
【0024】
さらに、作業者が、下段開口部18を閉塞する場合、作業者は、図6に示される状態から下部扉14を矢印B方向に回動させる。この結果、図3に示されるように、上段開口部16、下段開口部18の両方が完全に閉塞された状態になる。この場合、上部扉12及び下部扉14を連結する蝶番34は、上部扉12及び下部扉14の長手方向に沿って長尺に構成されているため、上部扉12及び下部扉14には、充分な強度が付与される。また、下段開口部18が閉塞された際、下部扉14の下端部が磁石32に吸着保持され、下段開口部18が確実に閉塞された状態となる。
【0025】
収納戸棚10は、開口部の上側前面である上段開口部16を開閉する上部扉12と、開口部の下側前面である下段開口部18を開閉する下部扉14と、上部扉12の下端部と下部扉14の上端部とを連結する蝶番34とを備え、上部扉12は、上段開口部16の上端両側部に配置されたピン部材42a、42bに係合される係合部40a、40bを上端側に有し、上部扉12及び下部扉14は、蝶番34を介して重ね合わされた状態で、上段開口部16の上端に設けられた扉収納部36に収納可能に構成される。
【0026】
収納戸棚10によれば、上部扉12と下部扉14とを折り畳んだ状態で上段開口部16の上端に設けられた扉収納部36に収納できるため、広い場所を占有することなく上部扉12及び下部扉14を清潔な環境に収納しておくことができる。また、上部扉12及び下部扉14は、扉収納部36に収納して上段開口部16、下段開口部18を開放状態にできるため、物品の出し入れの作業を効率的に行うことができる。さらに、上部扉12及び下部扉14は、扉収納部36から引き出すだけで上段開口部16、下段開口部18を速やかに閉塞することができる。
【0027】
収納戸棚10において、蝶番34は、上部扉12及び下部扉14の長手方向に沿って長尺に構成される。また、下部扉14は、下段開口部18が閉塞される状態において、下段開口部18の下端部に配設される磁石32に吸着保持される。さらに、収納戸棚10の底面部17には、収納戸棚10を移動可能とするキャスタが配設される。
【0028】
また、収納戸棚10の開口部を開閉する開閉扉19において、前記開口部の上側前面である上段開口部16を開閉する上部扉12と、前記開口部の下側前面である下段開口部18を開閉する下部扉14と、前記上部扉12の下端部と前記下部扉14の上端部とを連結する蝶番34と、を備え、前記上部扉12は、前記上段開口部の上端両側部に配置されたピン部材42a、42bに係合される係合部を上端側に有し、前記上部扉12及び前記下部扉14は、前記蝶番34を介して重ね合わされた状態で、前記上段開口部16の上端に設けられた扉収納部36に収納可能に構成される。
【0029】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
【0030】
上述した実施形態では、例えば、収納戸棚10の底面部17には、収納戸棚10を移動可能とするキャスタ20が配設されているが、収納戸棚10を固定状態で設置するため、キャスタ20に替えて固定脚を配設するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
10…収納戸棚
11a、11b…側面部
12…上部扉
13…上面部
14…下部扉
15…背面部
16…上段開口部
17…底面部
18…下段開口部
19…開閉扉
20…キャスタ
22…棚板
24…上段収納部
26…下段収納部
28…ブラケット
30…係合溝
32…磁石
34…蝶番
36…扉収納部
38a、38b…折曲部
40a、40b…係合部
42a、42b…ピン部材
44a、44b…回動片
図1
図2
図3
図4
図5
図6