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特開2024-6729電子部品の実装基板および実装基板の製造方法
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  • 特開-電子部品の実装基板および実装基板の製造方法 図1
  • 特開-電子部品の実装基板および実装基板の製造方法 図2
  • 特開-電子部品の実装基板および実装基板の製造方法 図3
  • 特開-電子部品の実装基板および実装基板の製造方法 図4
  • 特開-電子部品の実装基板および実装基板の製造方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006729
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】電子部品の実装基板および実装基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240110BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20240110BHJP
   H05K 13/04 20060101ALN20240110BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K3/00 X
H05K13/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107899
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】眞島 晃一
(72)【発明者】
【氏名】川俣 和己
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 聡
【テーマコード(参考)】
5E338
5E353
【Fターム(参考)】
5E338BB01
5E338BB13
5E338BB65
5E338BB80
5E338EE32
5E353BB05
5E353JJ08
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353MM04
5E353MM08
(57)【要約】
【課題】電子部品を基板にはんだ付けする際に、実装治具を使用すること無く電子部品の位置ずれを抑制できる電子部品の実装基板および電子部品の実装方法を提供する。
【解決手段】
本発明の電子部品の実装基板は、基板本体1aと、基板本体1aにはんだ付けされた電子部品4と、基板本体1aの外周に設けられ、基板本体1aから切り離し可能な捨て基板1bとを有し、捨て基板1bは、電子部品4を基板本体1aにはんだ付けする際に電子部品4の位置決めおよび固定をするガイドとなるガイド部2を有することを特徴とする電子部品の実装基板。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板本体と、前記基板本体にはんだ付けされた電子部品と、前記基板本体の外周に設けられ、前記基板本体から切り離し可能な捨て基板とを有し、
前記捨て基板は、前記電子部品の位置決めおよび固定をするガイドとなるガイド部を有することを特徴とする電子部品の実装基板。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記電子部品を前記基板本体にはんだ付けする際に前記電子部品の位置決めおよび固定をするガイドとなることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の実装基板。
【請求項3】
前記基板と前記捨て基板との間に切り込み部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品の実装基板。
【請求項4】
基板本体と、前記基板本体にはんだ付けされた電子部品と、前記基板本体の外周に設けられ、前記基板本体から切り離し可能な捨て基板とを有する実装基板の製造方法において、
基板本体にはんだを転写させるはんだ印刷工程と、
前記はんだを転写した前記基板本体に前記電子部品を実装する電子部品実装工程と、
前記捨て基板に設けられたガイド部によって、前記基板本体と前記電子部品とを位置決めして固定した状態ではんだによって接合するはんだ付け工程と、
前記実装基板から前記捨て基板を切り離す捨て基板切り離し工程とを含むことを特徴とする実装基板の製造方法。
【請求項5】
前記はんだ付け工程は、リフローはんだ付けを実施することを特徴とする請求項4に記載の実装基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の実装基板および実装基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に電子部品をリフロー等によるはんだ付けによって固定する際に、基板と電子部品の位置ずれを防止することが要求される。基板と電子部品の位置ずれを防止する技術として、例えば下記特許文献1(特開平8-204292号公報)がある。特許文献1には、電子機器用実装基板において、配置する電子部品の設置面の外周に接するように、該実装基板に複数個のスルーホール及びサイドカットスルーホールを設けたことを特徴とする実装基板と、基板の外形に等しいか、それより大きい平面を持ち、かつ治具の上面に基板を配置した時、基板のスルーホール及びサイドカットスルーホールの位置に、半田が付きにくい材質からなるサイドピンが立設されている実装治具が開示されている。
【0003】
上述した特許文献1では、上述した実装基板を、該実装基板のスルーホール及びサイドカットスルーホールに、上述した実装治具のガイドピンに合わせて装着し、その後、該実装基板の上面に突き出したガイドピンを案内にして、各電子部品を実装基板のパターン上に載置し、前記ガイドピンで電子部品の移動を抑制した状態で、電子部品を実装基板に固定することを特徴とする実装方法が開示されている。
【0004】
特許文献1によれば、実装基板に電子部品を載置し易く、かつ電子部品を実装基板に接続、固定する際、電子部品の位置ずれを防ぐことができ、信頼性を上げ、かつ生産性を向上させることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8-204292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1には、治具を使用して実装部品の位置ズレを抑制することが記載されている。しかしながら、上述した特許文献1に記載の方法では、実装基板上に実装部品を固定するための実装治具のガイドピンを挿入する穴(スルーホール及びサイドカットスルーホール)が必要となる為、基板のデザインに制約が発生する。さらに、ガイドピンを有する治具を使用する為、治具の脱着工程が必要となり、作業工程数が増加して、作業性を低下させる問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記事情に鑑み、電子部品を基板にはんだ付けする際に、実装治具を使用すること無く電子部品の位置ずれを抑制できる電子部品の実装基板および実装基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、基板本体と、基板本体にはんだ付けされた電子部品と、基板本体の外周に設けられ、基板本体から切り離し可能な捨て基板とを有し、捨て基板は、電子部品の位置決めおよび固定をするガイドとなるガイド部を有することを特徴とする電子部品の実装基板である。
【0009】
また、上記課題を解決するための本発明の他の態様は、基板本体と、基板本体にはんだ付けされた電子部品と、基板本体の外周に設けられ、基板本体から切り離し可能な捨て基板とを有する実装基板の製造方法において、基板本体にはんだを転写させるはんだ印刷工程と、はんだを転写した基板本体に前記電子部品を実装する電子部品実装工程と、捨て基板に設けられたガイド部によって、基板本体と電子部品とを位置決めして固定した状態ではんだによって接合するはんだ付け工程と、実装基板から前記捨て基板を切り離す捨て基板切り離し工程とを含むことを特徴とする実装基板の製造方法である。
【0010】
本発明のより具体的な構成は、特許請求の範囲に記載される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子部品を基板にはんだ付けする際に、実装治具を使用すること無く電子部品の位置ずれを抑制できる電子部品の実装基板および実装基板の製造方法を提供することができる。
【0012】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の電子部品の実装基板の一例を示す平面図
図2図1のA部分の拡大図
図3】本発明の電子部品の実装方法のフロー図
図4図3のステップS1(前工程(部品実装))における基板と電子部品の断面模式図
図5図3のステップS2(はんだ付け工程)における基板と電子部品の断面模式図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0016】
[電子部品の実装基板]
図1は本発明の電子部品の実装基板の一例を示す平面図であり、図2図1のA部分の拡大図である。図1に示すように、本発明の実装基板100は、基板本体1aと、基板本体1aにはんだ付けされた電子部品4と、基板本体1aの外周に設けられ、基板本体1aから切り離し可能な捨て基板1bとを有する。基板本体1aと捨て基板1bとの間には切り込み部12が設けられており、この溝に沿って基板本体1aから捨て基板1bを切り離すことができるように構成されている。
【0017】
捨て基板1bは、実装基板100の製造中の搬送や治具固定用に用いられるものであり、実装基板100を製品として完成する際に基板本体1aから切り離される。
【0018】
図2に示すように、捨て基板1bには、電子部品4を基板本体1aにはんだ付けする際に電子部品4の位置決めおよび固定をするガイドとなるガイド部2を有している。図2では、捨て基板1bに設けられた2つのガイド2によって、電子部品4が紙面左右方向にずれないように固定されており、電子部品4を基板1aにはんだ付けする際の電子部品4の位置ずれを抑制することができる。
【0019】
電子部品4とガイド2のクリアランスは、電子部品4毎の位置ずれの許容範囲から算出される。
【0020】
上述した構成によれば、捨て基板1bにガイド2を設けているため、実装基板とは別に、はんだ付けの際の位置決めおよび固定用の治具を用意する必要が無い。また、捨て基板1bにガイド2を設けているため、基板本体1aにはんだ付けの際の位置決めおよび固定用のスルーホール等を設ける必要が無く、基板本体1aのデザインの自由度を高めることが出来る。
【0021】
本発明は、捨て基板1bにガイド2を設けて電子部品4の位置ずれを抑制できるため、特に設置位置の精度が高い電子部品を実装基板に搭載する際に効果を発揮することができる。
【0022】
[電子部品の実装基板]
図3は本発明の電子部品の実装方法のフロー図である。図3に示すように、本発明の電子部品の実装方法は、実装基板100にはんだを転写させるはんだ印刷工程S1、はんだを転写した実装基板100に電子部品4を実装する電子部品実装工程S2、実装基板100と電子部品4をはんだで接合するはんだ付け工程(リフロー工程)S3および実装基板100から捨て基板1bを切り離す捨て基板1b切り離し工程S4を含む。
【0023】
図4図3の電子部品実装工程S2における基板と電子部品の断面模式図である。図4に示すように、電子部品実装工程S1では、吸着ノズル5を使用して電子部品4を吸着し、実装基板100の基板本体1aに設けられたスルーホール6の直上の位置まで運搬し(図4(a))、その後、吸着ノズル5を降下させ、スルーホール6に電子部品4のリード部4aを挿入し、実装する。
【0024】
はんだ付け工程(リフロー工程)S3は、大きく分けて、予備加熱工程S32、本加熱工程S33および冷却工程S34に分けられ、その前後に実装基板100をリフロー炉8に搬入する搬送工程S31および実装基板100をリフロー炉8から搬出する搬送工程S35がある。
【0025】
図5図3のステップS3(はんだ付け工程)における基板と電子部品の模式図である。本工程では、図5に示すように、基板100を搬送路7によってリフロー炉8に搬送し、リフロー炉8内にあるヒータ(図示せず)の温風10の熱によって基板本体1aと電子部品4の間に転写したはんだを熱で溶融させて、はんだ接合部9によって基板1aに電子部品4を固定する。
【0026】
この際、はんだの溶融及びリフロー炉8内の温風や振動等の影響により、電子部品4の位置ずれが発生する可能性がある。本発明では、上述したように、捨て基板1bのガイド部2が電子部品4のガイドとなるため、リフロー時でも電子部品4の位置ずれを抑制することができる。したがって、本発明は、温風や振動等の影響により、電子部品4の位置ずれが発生する可能性があるリフロー工程において、特に効果を発揮することができる。
【0027】
捨て基板切り離し工程S4では、基板分割機で実装基板100から捨て基板1bが切り取られる。
【0028】
以上説明した通り、本発明によれば、電子部品を基板にはんだ付けする際に、実装治具を使用すること無く電子部品の位置ずれを抑制できる電子部品の実装基板および電子部品の実装方法を提供できることが示された。
【0029】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0030】
1…基板、1a…基板本体、1b…捨て基板、2…ガイド部、4…電子部品、4a…電子部品のリード部、5…吸着ノズル、6…スルーホール、7…基板搬送路、8…リフロー炉内部、9…はんだ接合部、10…温風、12…切り込み部、100…電子部品の実装基板。
図1
図2
図3
図4
図5