(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067343
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 15/04 20060101AFI20240510BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20240510BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20240510BHJP
B41J 35/28 20060101ALI20240510BHJP
B41J 2/325 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
B41J15/04
B41J29/13
B41J3/36 T
B41J35/28
B41J2/325 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177343
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】徳田 裕亮
【テーマコード(参考)】
2C055
2C060
2C061
2C065
2C068
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C060BA09
2C061AP05
2C061AQ04
2C061AS06
2C061BB35
2C065AA01
2C065AD02
2C065DA16
2C065DA34
2C068AA02
2C068AA06
2C068AA15
2C068MM03
2C068MM23
(57)【要約】
【課題】複数の異なる形状又は種類のテープカセットを安定して装着することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置は、係合部1010を有する第1のテープカセット100を収納可能なテープカセット収納部と、第1のテープカセット100が当接しながら移動することで、第1の位置から第2の位置へ移動可能な移動部材521と、係合部1010に係合する係合位置と、テープカセット収納部に対して係合位置よりも外方に位置し、係合部1010との係合が解除される係合解除位置と、の間で変位可能な被係合部701を有する第1のロック部材700と、を備える。テープカセット収納部に収納された第1のテープカセット100が、係合位置に移動した被係合部701と、第2の位置に移動した移動部材521によって固定されている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷媒体を収容し、係合部を有する第1のテープカセットを収納可能なテープカセット収納部と、
前記第1のテープカセットが当接しながら移動することで、第1の位置から第2の位置へ移動可能な移動部材と、
前記係合部に係合する係合位置と、前記テープカセット収納部に対して前記係合位置よりも外方に位置し、前記係合部との係合が解除される係合解除位置と、の間で変位可能な被係合部を有する第1のロック部材と、を備え、
前記テープカセット収納部に収納された前記第1のテープカセットが、前記係合位置に移動した前記被係合部と、前記第2の位置に移動した前記移動部材によって固定されている、
印刷装置。
【請求項2】
前記テープカセット収納部は前記第1のテープカセットとは形状の異なる第2のテープカセットを収納可能であり、
前記第2のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、
前記移動部材は、前記第1の位置で前記第2のテープカセットと当接することにより前記第2のテープカセットを支持する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第1の位置にある前記移動部材の移動を制限するとともに、前記第1のテープカセットを収納する際は、前記移動部材の移動の制限を解除する第2のロック部材を備える、
請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合に、前記第1のロック部材は、前記第1のテープカセットに押されるとともに、前記第2のロック部材を押しながら前記第2のロック部材とともに移動し、
前記第1のロック部材に押されて移動した前記第2のロック部材は、前記移動部材の移動の制限を解除する、
請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第1の位置から前記第2の位置へ移動した前記移動部材を、前記第1の位置へ戻そうとする復元力を作用させる弾性部材を備え、
前記第1のロック部材は、前記被係合部として前記テープカセット収納部に向けて突出した第1突起部を有し、前記第1突起部と前記復元力を受けた前記移動部材との間で前記第1のテープカセットを挟んで固定する、
請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第2のロック部材は、前記テープカセット収納部に向けて突出した第2突起部を有し、前記第1のテープカセットが収納されていない場合に、前記第2突起部で前記移動部材に係止して移動を制限する、
請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記第1のロック部材は、前記第1突起部が形成され回転可能に設けられた棒状の形状を有し、前記テープカセット収納部に向かう回転方向に付勢されており、
前記第2のロック部材は、前記第2突起部が形成され回転可能に設けられた棒状の形状を有し、前記第1のロック部材に当接する回転方向に付勢されている、
請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第1のロック部材の回転軸と前記第2のロック部材の回転軸とは同一であり、
前記第1のロック部材には、前記第2のロック部材の前記第2突起部を露出させるための開口が形成されている、
請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記第1のテープカセットは、前記被印刷媒体に印刷を行うためのインクリボンを収容していないテープカセットであり、前記第2のテープカセットは、前記被印刷媒体に印刷を行うためのインクリボンを収容するテープカセットである、
請求項4から8のいずれか1項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、先端面から第1フックが突出した周壁部を有し、複数種のテープカートリッジ(テープカセット)間で、周壁部の外周面において第1フックの基端部よりも基端側の部位である第1基端側部位の凹入深さが異なる第1ケース、及び第1フックが係合する第1フック受け部を有する第2ケースを備えたテープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、テープカートリッジがカートリッジ装着部に装着された状態で、第1基端側部位の凹入深さに応じて、出力が変化する第1基端側部位検出センサーとを備えるテープ印刷装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のテープ印刷装置のように、テープを格納するカートリッジ又はカセットを装着して印刷を行う印刷装置(ラベルプリンタ)について、形状が異なる複数の種類のカセットを装着しようとしても、ある一種類のカセットの装着に用いられる部品が他の種類のカセットに干渉して装着できず、干渉を回避させる印刷装置本体に適合する一種類の形状のカセットしか装着させることができないという課題があった。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、複数の異なる形状又は種類のテープカセットを安定して装着することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置は、被印刷媒体を収容し、係合部を有する第1のテープカセットを収納可能なテープカセット収納部と、前記第1のテープカセットが当接しながら移動することで、第1の位置から第2の位置へ移動可能な移動部材と、前記係合部に係合する係合位置と、前記テープカセット収納部に対して前記係合位置よりも外方に位置し、前記係合部との係合が解除される係合解除位置と、の間で変位可能な被係合部を有する第1のロック部材と、を備え、前記テープカセット収納部に収納された前記第1のテープカセットが、前記係合位置に移動した前記被係合部と、前記第2の位置に移動した前記移動部材によって固定されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の異なる形状又は種類のテープカセットを安定して装着することができる印刷装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態に係る印刷装置の構成を示す斜視図。
【
図2】本発明の実施の形態に係る印刷装置の主要部の構成を示す斜視図。
【
図3】本発明の実施の形態に係る印刷装置の主要部の構成を示す平面図。
【
図4】本発明の実施の形態に係る印刷装置に細幅テープカセット又は太幅テープカセットを収納した後における主要部を示す平面図。
【
図5】本発明の実施の形態に係る印刷装置にインクリボン付太幅テープカセットを収納した後における主要部を示す平面図。
【
図6】本発明の実施の形態に係る印刷装置の収納機構の構成を示す斜視図。
【
図7】(a)は、
図6中の“VIIa”部の拡大図、(b)は図(a)中の矢印bからみた斜視図。
【
図8】(a)は細幅テープカセットの斜視図、(b)は太幅テープカセットの斜視図。
【
図9】本発明の実施の形態に係る印刷装置に、細幅テープカセットを収納している様子を工程順((a)~(c))に示しており、収納機構のうちカセットベース及びカセットベースボタンとその近傍に着目した側面図。
【
図10】本発明の実施の形態に係る印刷装置に、細幅テープカセットを収納しているときのロック部材の動作を、
図4中の切断線A-Aで切断した断面図により工程順((a)~(b))に示した図。
【
図11】
図10から続き、本発明の実施の形態に係る印刷装置に、細幅テープカセットを収納しているときのロック部材の動作を、
図4中の切断線A-Aで切断した断面図により工程順((a)~(b))に示した図。
【
図12】本発明の実施の形態に係る印刷装置に、太幅テープカセットを収納している様子を工程順((a)~(c))に示しており、収納機構のうちカセットベース及びカセットベースボタンとその近傍に着目した側面図。
【
図13】本発明の実施の形態に係る印刷装置に、太幅テープカセットを収納しているときのロック部材の動作を、
図4中の切断線A-Aで切断した断面図により工程順((a)~(b))に示した図。
【
図14】
図13から続き、本発明の実施の形態に係る印刷装置に、太幅テープカセットを収納しているときのロック部材の動作を、
図4中の切断線A-Aで切断した断面図により工程順((a)~(b))に示した図。
【
図15】本発明の実施の形態に係る印刷装置に、インクリボン付太幅テープカセットを収納している様子を工程順((a)~(b))に示しており、収納機構のうちカセットベース及びカセットベースボタンとその近傍に着目した側面図。
【
図16】本発明の実施の形態に係る印刷装置に、インクリボン付太幅テープカセットを収納しているときのロック部材の動作を、
図5中の切断線A-Aで切断した断面図により工程順((a)~(b))に示した図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る印刷装置1について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付し、さらに各図面に付された互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)は、矢印が向く方向を正の向き(+の向き)、正の向きとは逆の方向を負の向き(-の向き)と定義する。本発明の実施の形態に係る印刷装置1は、搬送部によって搬送されたラベル(テープ)状の被印刷媒体(テープ部材M)に文字、記号、模様又は画像を印刷するラベルプリンタである。
【0010】
印刷装置1の筐体2は、
図1に示すように、オーバル形状の底面を有する柱体状を有している。筐体2の表面のうち、柱体の側面に該当する部分は、底面と直交した2つの平面2aと、この2つの平面2aを接続する2つの曲面2bと、を有している。さらに、2つの曲面2bの一方には、凹部2cが形成されている。
【0011】
凹部2cには、排出口2dが形成されている。印刷装置1内で印刷が行われたテープ部材Mは、排出口2dから装置外へ排出される。排出口2dは、底面に平行な方向に延びるスリット状の開口である。筐体2は、図示しないパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等を含む情報処理装置(外部機器)と接続する接続端子と、メモリカードを含む記憶媒体が挿入される挿入口と、電源コードが接続される電源端子と、を含み得るが、これらの図示は省略する。また、印刷装置1は上記のように、図示しないパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置との、有線ケーブル等を用いた有線接続によって受信した印刷データに基づいて印刷を行うとしても良いし、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信規格に基づく無線接続をすることにより受信した印刷データに基づいて印刷を行うとしても良い。
【0012】
図2は、本実施の形態における印刷装置1の筐体2に収容された内部構造の主要部8の斜視図である。筐体2の内部には、
図2に示すように、各種の部品から構成された内部構造の主要部8が収容されている。この主要部8は、各種部品が取り付けられた平板部11aを有するベース部11と、ベース部11に設けられたカセット保持部12とを有している。
【0013】
カセット保持部12は、後述するテープカセットを保持(収納)可能な保持部本体12aと、平板部11aに立設され平板部11aと保持部本体12aとの間隔をあける複数の脚部12bとを有している。脚部12bは例えば4本であり、
図2においては、そのうちの1本を図示している。保持部本体12aには、テープカセットを収納するための収納空間を区画するカセット収納部12c(テープカセット収納部12c)が形成され、テープカセットはカセット収納部12cに着脱自在に収納される。
【0014】
本実施の形態において、カセット収納部12cは、細幅テープカセット100(
図4)、太幅テープカセット200(
図4)、インクリボン付太幅テープカセット300(
図5)のうちいずれか一つを選択的に収納可能にし、各々のテープカセットから繰り出されたテープ状の被印刷媒体(テープ部材M(
図4、
図5))への印刷を可能にする。なお、細幅、太幅等は便宜的な表現であり、実際にはテープ幅(テープ部材Mの幅)6mm、9mm、12mm、18mm、24mm、36mm、46mm等、様々な幅のテープ部材Mに応じた、様々な幅のテープカセットが収納可能である。本実施の形態では、細幅テープカセット100(
図4)、太幅テープカセット200(
図4)、インクリボン付太幅テープカセット300(
図5)(以下、これらを単にテープカセットと記載する場合がある)に収容(収納)されるテープ幅はそれぞれ、12mm、46mm、24mmとして説明する。なお、カセット収納部12cへの、インクリボン付細幅テープカセットの収納については、インクリボン付太幅テープカセット300(
図5)の収納と同様であるため、本実施の形態では説明を省略している。
【0015】
また、
図8(a)に示す細幅テープカセット100と、
図8(b)に示す太幅テープカセット200は、収容されるテープ部材Mの幅に応じて、互いにY軸方向の厚みが異なる。また、押圧突起部1008,2008の長さ、及びロック部材係止部1010,2010の態様は互いに異なっているが、それ以外の構成は同様である。一方、インクリボン付太幅テープカセット300には、
図5に示すように、内部にテープ部材Mだけでなく、テープ部材Mに印刷(熱転写)を行うためのインクリボンR及び印刷を行った後の使用済みインクリボンR’を回収するリボン巻取りコア3005が少なくとも収容されるため、
図4に示す細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200とは形状が異なる。
【0016】
図4に示す細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200に収容されるテープ部材と、
図5に示すインクリボン付太幅テープカセット300に収容されるテープ部材と、では印刷の方式が異なる。
図4に示す細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200では、被印刷媒体として加熱により変色する感熱テープを使用し、サーマルヘッド10への通電によって感熱テープを加熱することで印刷を行う。一方、
図5に示すインクリボン付太幅テープカセット300では、サーマルヘッドへの通電によってインクリボンRをテープ部材に熱転写することで印刷を行う。本実施の形態では簡単のため、両方の印刷方式でのテープ部材をテープ部材Mとして表現する。
【0017】
各々のテープカセットには、
図4及び
図5に示すように、サーマルヘッド10(印刷部10)が挿入される凹部であるサーマルヘッド被挿入部1006(サーマルヘッド被挿入部2006)、及びサーマルヘッド被挿入部3006がそれぞれ形成されている。細幅テープカセット100(太幅テープカセット200)は、少なくともテープ部材Mを収容(収納)するカセットケース1001(カセットケース2001)を有する。カセットケース1001(カセットケース2001)には、テープコア1002(テープコア2002)が設けられている。また、インクリボン付太幅テープカセット300は、少なくともテープ部材M及びインクリボンR(使用済みインクリボンR’)を収容(収納)するカセットケース3001を有する。カセットケース3001には、テープコア3002、リボン供給コア3004、リボン巻取りコア3005が設けられている。
【0018】
テープ部材Mは、カセットケース1001(カセットケース2001)、カセットケース3001内部の、それぞれのテープコア1002(テープコア2002)、テープコア3002にロール状に巻かれている。テープ部材Mは、例えば、接着層を有する基材と、接着層を覆うように剥離可能に基材に貼付された剥離紙と、を有するテープである。印刷(熱転写)用のインクリボンRは、その先端がリボン巻取りコア3005に巻きつけられた状態で、カセットケース3001内部のリボン供給コア3004にロール状に巻かれている。テープ部材M及びインクリボンRは、重なり合って凹形状のサーマルヘッド被挿入部3006を跨ぐように設けられている。
【0019】
主要部8には、
図2及び
図3に示すように、複数の発熱素子を有しテープ部材M(
図4、
図5)に印刷を行うサーマルヘッド10と、テープ部材M及びインクリボンR(
図5)を搬送する搬送部としてのプラテンローラ21と、使用済みインクリボンR’を巻き取るリボン巻取り駆動軸23と、が設けられている。サーマルヘッド10及びプラテンローラ21は、
図4に示すサーマルヘッド被挿入部1006(サーマルヘッド被挿入部2006)を跨ぐテープ部材Mを挟み込む位置、又は
図5に示すサーマルヘッド被挿入部3006を跨ぐテープ部材M及びインクリボンRを挟み込む位置に設けられている。リボン巻取り駆動軸23は、保持部本体12aをY軸方向に貫通(挿通)し、カセット収納部12c内に突出した状態で設けられている。
【0020】
主要部8には、
図2に示すように、ベース部11の平板部11aに回転可能に取り付けられたロック部材850が設けられている。ロック部材850は、第1のロック部材700及び第2のロック部材800を有している。カセット収納部12cにカセットが収納されていない場合、第1のロック部材700および第2のロック部材800は重なった状態にある。第1のロック部材700及び第2のロック部材800は、保持部本体12aの外周面に接するように設けられている。第1のロック部材700は、後述するように、カセット収納部12cに収納された
図4に示す細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200を固定しがたつきを防止する。また、第2のロック部材800は、後述するように、
図5に示すインクリボン付太幅テープカセット300を収納する際に、リリースガイド521を初期位置で固定して動かないようにする。
【0021】
主要部8はさらに、図示は省略するが、排出口2d(
図1に示す)の近傍に、フルカッター及びハーフカッターを備えている。フルカッターは、(印刷済みの)テープ部材Mを切断してテープ片(ラベル片)を作成するカッターである。一方、ハーフカッターは、テープ部材Mの先端部分等に切り込みを入れ、接着層を有する基材から剥離層を剥がしやすくするためのカッターである。
【0022】
保持部本体12aには、
図4及び
図5に示すように、細幅テープカセット100(太幅テープカセット200)のカセットケース1001(カセットケース2001)、及びインクリボン付太幅テープカセット300のカセットケース3001のそれぞれに設けられる支持用切欠部1001a(支持用切欠部2001a)、支持用切欠部3001aを配置させるための台座12eが設けられる。台座12eは、保持部本体12aからY軸方向の正の向きに突出し、上部に平面部を有する形状をしており、この上部の平面部は後述するカセットベース固定部5111とほぼ同じ高さ(Y軸方向の位置が同じ)になるよう設けられている。この台座12eは、カセット収納部12cに収納された細幅テープカセット100(太幅テープカセット200)及びインクリボン付太幅テープカセット300に当接し支持する。
【0023】
テープカセットがカセット収納部12cに収納される際、
図4及び
図5に示すように、サーマルヘッド10がカセットケース1001(カセットケース2001)、カセットケース3001にそれぞれ形成されたサーマルヘッド被挿入部1006(サーマルヘッド被挿入部2006)、サーマルヘッド被挿入部3006に挿入される。また、
図5に示すように、リボン巻取り駆動軸23には、リボン巻取りコア3005が係合する。なお、
図4に示すように、カセットケース1001(カセットケース2001)には、リボン巻取り駆動軸23が係合せずに貫通(挿通)するリボン巻取り駆動軸貫通孔1005(2005)が設けられている。
【0024】
プラテンローラ21は、
図3に示すように、Y軸方向に沿って延びる円柱状の形状を有し、プラテンローラ軸21aを中心に回転(回動)する。プラテンローラ21は、
図4及び
図5に示すように、テープ部材M、又はテープ部材M及びインクリボンRをサーマルヘッド10に押圧しながら反時計回りに回転することにより、テープ部材M、又はテープ部材M及びインクリボンRを正搬送する。このように正搬送しているときを正搬送時といい、このときテープ部材MはX軸方向の正の向き(排出口2dへ排出する向き)に搬送される。一方、プラテンローラ21が時計回りに回転することにより、テープ部材M、又はテープ部材M及びインクリボンRは逆搬送される。このように逆搬送しているときを逆搬送時といい、このときテープ部材MはX軸方向の負の向き(排出口2dへ排出する向きとは反対の向き)に搬送される。
【0025】
リボン巻取り駆動軸23は、
図5に示す軸部25を中心に時計回り又は反時計回りに回転(回動)可能である。リボン巻取り駆動軸23は、正搬送時には時計回りに回転する。これにより、プラテンローラ21によって正搬送されたインクリボンRは、リボン巻取りコア3005に巻き取られていく。一方、逆搬送時にはプラテンローラ21によって逆搬送されるインクリボンR(使用済みインクリボンR’)がリボン巻取りコア3005から引き出されることで、リボン巻取り駆動軸23は反時計回りに回転する。
【0026】
筐体2(
図1)の内部には、
図2に示す搬送部(プラテンローラ21)及び印刷部(サーマルヘッド10)を制御する制御部がさらに設けられる。制御部は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。また、搬送部は図示しないステッピングモータ等によって駆動する。
【0027】
図4に示す細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200は、後述するように、
図2に示すカセットベース511及びリリースガイド521を移動させて、カセット収納部12cへ収納される。
図4に示す細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200をまとめて第1のテープカセットともいう。第1のテープカセットは少なくとも被印刷媒体(テープ部材M)を収容(収納)する。一方、
図5に示すインクリボン付太幅テープカセット300は、カセット収納部12cへの収納の際に、
図2に示すカセットベース511及びリリースガイド521を移動させない。インクリボン付太幅テープカセット300を第2のテープカセットともいう。第2のテープカセットは、
図5に示すように、少なくとも被印刷媒体(テープ部材M)を収容(収納)し第1のテープカセットとは種類が異なるテープカセットであり、本実施の形態ではテープ部材MとインクリボンRとを収容(収納)する。
【0028】
図6は、カセット収納部12cを含む本実施の形態の収納機構の構成を示す斜視図である。なお、簡単のためにサーマルヘッド10、プラテンローラ21等の構成は省略し、カセット保持部12を除いた他の収納機構の構成を実線により表している。なお、収納機構は
図6に示すように、ベース部11と、カセット保持部12と、カセットベース511と、カセットベースボタン512と、第1の弾性部材としてのカセットベーススプリング513と、リリースガイド521と、第2の弾性部材としてのリリーススプリング522と、第1のロック部材700と、第2のロック部材800と、を備える。
【0029】
保持部本体12aは各々のテープカセットを収納することが可能な大きさ及び形状(Y軸方向の深さ等)を備える。保持部本体12aの材料は特に限定されず、例えば樹脂や金属等によって構成される。また、保持部本体12aの外周面には、
図10(a)に示すように、第1のロック部材700の突起部701が挿入される第1開口12hと、第2のロック部材800の突起部801が挿入される第2開口12iとが形成されている。
【0030】
カセットベース511は、
図6に示すように、カセット収納部12cに収納されたテープカセットに当接するカセットベース固定部5111と、カセットベースボタン512の側方に、Z軸方向の正の向きに突出するように設けられた被ガイド突起部512aをガイドするために、Z軸方向の正の向きへと凹むように設けられたボタンガイド部5112(ガイド部)と、テープカセット検出スイッチ5113と、を備える。ボタンガイド部5112は、
図9各図に示すように、XY面に平行な方向に延びている。また、ボタンガイド部5112は少なくとも一部がY軸方向に沿って延び、一端(上端)がX軸方向負の向きへと所定の角度で折れ曲がる形状(少なくとも一部がY軸方向に対して角度をなして延びる形状)を有する。すなわち、ボタンガイド部5112は、Y軸方向に沿って延びた第1延設部5112aと、第1延設部5112aの+Y方向側の端部に接続しY軸に対して角度をなして延びる第2延設部5112bとを有する。なお、
図6に示すように、カセットベース511はベース部11に、X軸方向に移動可能に取り付けられる。カセットベース511の材料は特に限定されず、例えば樹脂や金属等によって構成される。また、テープカセット検出スイッチ5113は、テープカセットにより押下されるスイッチであり、テープカセットの形状の違いにより、押下されるスイッチが異なる。これにより、例えばテープ幅を検出できる。テープカセット検出スイッチ5113の数は図示したものに限られない。
【0031】
カセットベース511は、各々のテープカセットをカセット収納部12cに収納する場合に用いられる部材であり、細幅テープカセット100又は太幅テープカセット200を収納する際には移動し、インクリボン付太幅テープカセット300を収納する際には移動しない。なお、細幅テープカセット100又は太幅テープカセット200をカセット収納部12cに収納しようとする場合、カセットベース511よりもY軸方向の正の向きに突出したカセットベースボタン512に、細幅テープカセット100又は太幅テープカセット200の一部(後述する押圧突起部)が当接する。
【0032】
カセットベースボタン512は、
図6に示すように、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200の下方に、カセット収納部12cに収納する方向に延びるようにそれぞれ設けられた押圧突起部1008(
図8(a))(押圧突起部2008(
図8(b)))と当接する、Y軸方向に沿って延びる棒状の本体部分と、ボタンガイド部5112にガイドされる被ガイド突起部512aと、を備える部材(被押圧部)である。また、カセットベースボタン512の下方には、Y軸方向に沿って延びる付勢部材であるカセットベーススプリング513の一端が固定され、カセットベーススプリング513の他端はベース部11の平板部11aに固定される。これにより、カセットベースボタン512はベース部11に対して、Y軸方向に移動(付勢)可能に取り付けられる。カセットベースボタン512の材料は特に限定されず、例えば樹脂や金属等によって構成される。また、カセットベーススプリング513は例えば金属のコイルばねであるが、材料や構成はこれに限られるものではない。カセットベースボタン512の一端は、カセットベース固定部5111の端部よりも+Y方向にある。
【0033】
カセットベースボタン512は、細幅テープカセット100又は太幅テープカセット200がカセット収納部12cに収納される際に、
図8(a)、
図8(b)に示す細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200の下方に設けられた押圧突起部1008(押圧突起部2008)と当接し、細幅テープカセット100又は太幅テープカセット200が押し下げられるに伴って、Y軸方向の負の向きに押し下げられる。
【0034】
リリースガイド521は、
図6に示すように、カセット収納部12cの端に寄った状態で保持部本体12aに隣接して配置されている。リリースガイド521は、
図6の拡大図に示すように、一端にフランジ61が形成された本体部62と、本体部62とベース部11とを接続する圧縮ばねであるリリーススプリング522を有している。
【0035】
フランジ61は、本体部62の-Y方向側の端部に形成されている。フランジ61は、+Y方向側の面で保持部本体12aの-Y方向側の面と当接することで、リリーススプリング522によって+Y方向に向けて付勢されている本体部62の位置決めを行う。
【0036】
本体部62は、+Y方向に立設した柱状部63と、柱状部63から+Z方向に突出した突出部64とを有している。本体部62は、保持部本体12aの内側に設けられ、テープカセットを収納するための収納空間の一部を画定する。
【0037】
柱状部63は、+Y方向側からみると略扇型状をなしており、
図6の拡大図に示すように、円弧部を形成する外周面63bは保持部本体12aに接触している。この外周面63bには、Y軸方向に延びる線状の2本の突起63aと、矩形状の挿入穴63cが形成されている。2本の突起63aは、保持部本体12aに形成されたY軸方向に延びる図示しないスリットに挿入されている。これにより、リリースガイド521のY軸方向における移動を安定して行うことができる。また、外周面63bに形成された挿入穴63cには、
図10(a)に示す第2のロック部材800に形成された突起部801が挿入される。突起部801が挿入穴63cに挿入されている間、リリースガイド521のY軸方向における移動が制限される。
【0038】
リリーススプリング522は、リリースガイド521の本体部62とベース部11との間に介在する。リリーススプリング522は、-Y方向に移動したリリースガイド521を元の位置に戻そうとする復元力を作用させる。
【0039】
本体部62は、+Y方向側の端部である接触面62aで、細幅テープカセット100、及び太幅テープカセット200と接触し、これらのテープカセットを支持する。また、接触面62aの外側には、接触面62aと外周面63bとを接続する傾斜面62bが形成されている。傾斜面62bは、接触面62aから外周面63bに向かうにつれて-Y方向に向かう傾斜した面である。
【0040】
第1のロック部材700及び第2のロック部材800は、保持部本体12aの外側に設けられており、リリースガイド521とともに保持部本体12aを挟み込む位置に設けられている。ベース部11の平板部11aには、
図7(a)に示すように、シャフト750を支持する2つの回転支持片11b,11cが立設されている。
【0041】
第1のロック部材700は、
図7(a)に示すように、長手方向に直交する方向から切断した断面がコの字型であるチャンネル状の棒状部材である。第1のロック部材700は、ウェブ710とウェブ710の両縁から立ち上がった2つのフランジ711,712を有している。ウェブ710の-Y側の略半分の領域には、
図10(a)に示すように、第2のロック部材800の一部を第1のロック部材700から露出させるための開口710aが形成されている。開口710aは、第2のロック部材800よりも小さく、開口710aの周縁部に第2のロック部材800が当接する。
【0042】
第1のロック部材700の一端には、
図7(a)に示すように、ウェブ710の外面から突出した第1突起部としての突起部701が形成されている。第1のロック部材700を軸線で切断すると、
図10(a)に示すように、突起部701は突出するにしたがい細くなる山型の形状を有している。すなわち、突起部701は、第1のロック部材700の一端から延びる第1傾斜面701aと、一端から第1のロック部材700の長さ方向に距離をあけた位置から延びる第2傾斜面701bとが、ウェブ710に対して垂直な方向(突出する方向)に進むにつれて互いに近づく方向に傾斜しており、突出端710cで接続している。突出端710cは、
図10(a)に垂直な方向に稜線を形成している。
【0043】
第1のロック部材700の他端には、シャフト750が通されている。これにより、第1のロック部材700はシャフト750を軸として回転可能に支持されている。
【0044】
また、
図7(b)に示すように、第1のロック部材700と回転支持片11cとの間には、ねじリコイルばね751が介在している。これにより第1のロック部材700は、ねじリコイルばね751の弾性力を受けて、保持部本体12aに倒れる方向、すなわち、
図10(a)において反時計回りの方向に付勢された状態にある。第1のロック部材700は、カセット収納部12cにカセットが収納されていない場合に、外面に形成された
図7(a)に示す突起715を介して保持部本体12aに当接して回転が止められている。なお、保持部本体12aには、
図10(a)に示すように、突起部701に対応する位置に第1開口12hが形成されている。これにより突起部701は、第1開口12hを通って保持部本体12aを突き抜けており、カセット収納部12cの内部にまで突き出た状態となる。
【0045】
第2のロック部材800は、
図7(b)に示すように、長手方向に直交する方向から切断した断面がコの字型であるチャンネル状の棒状部材である。第2のロック部材800は、ウェブ810とウェブ810の両縁から立ち上がった2つのフランジ811,812を有している。第2のロック部材800は、第1のロック部材700よりも小さく、第1のロック部材700の溝部700aに収容可能な大きさである。第2のロック部材800の長さは、第1のロック部材700の長さよりも短い。これにより、第2のロック部材800は、ウェブ810の外面を、第1のロック部材700のウェブ710の内面に接触させた状態で、溝部700aに収容可能である。
【0046】
第2のロック部材800の一端には、
図10(a)に示すように、ウェブ810の外面から突出した第2突起部としての突起部801が形成されている。第2のロック部材800を軸線で切断すると、突起部801は突出するにしたがい細くなる山型の形状を有している。また、第2のロック部材800の他端には、シャフト750が通されている。これにより、第2のロック部材800は、第1のロック部材700と同様に、シャフト750を軸として回転可能に支持されている。
【0047】
また、
図7(b)に示すように、第2のロック部材800と回転支持片11cとの間には、ねじリコイルばね851が介在している。これにより第2のロック部材800は、ねじリコイルばね851の弾性力を受けて、第1のロック部材700に向けて倒れる方向、すなわち、
図10(a)において反時計回りの方向に付勢された状態にある。第2のロック部材800は、カセット収納部12cにテープカセットが収納されていない場合、第1のロック部材700に当接して回転が止められている。このとき、第2のロック部材800の突起部801は、
図10(a)に示すように、第1のロック部材700に形成された開口710aと、保持部本体12aに形成された第2開口12iを通り、カセット収納部12cの内部にまで突き出た状態にある。このようにカセット収納部12cの内部にまで突き出た突起部801は、
図6の拡大図に示すリリースガイド521の挿入穴63cに挿入される。これによりリリースガイド521のY軸方向への移動が制限される。
【0048】
次に、
図8を参照しながら、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200を説明する。
図8(a)に示すように、細幅テープカセット100は、Y軸方向に厚みを有し、カセット収納部12c(
図6)の-Y方向の深い箇所にまで挿入される厚肉部100aと、厚肉部100aから側方(XY平面方向)に突出したフランジ状の突出部100bと、突出部100bの-Y方向を向いた面(下面)から突出し、収納時に
図2に示すカセットベースボタン512を押圧する押圧突起部1008とを有している。また、厚肉部100aの側面には、第1のロック部材700の突起部701が引っ掛かる凹部であるロック部材係止部1010が形成されている。係合部の一例であるロック部材係止部1010は、細幅テープカセット100が収納された際に、
図7(a)に示す第1のロック部材700の被係合部の一例である突起部701に対応する位置に形成されている。
【0049】
図8(b)に示すように、太幅テープカセット200は、Y軸方向に厚みを有し、カセット収納部12c(
図6)の-Y方向の深い箇所にまで挿入される厚肉部200aと、厚肉部200aから側方(XY平面方向)に突出したフランジ状の突出部200bと、突出部200bの-Y方向を向いた面(下面)から突出し、収納時に
図2に示すカセットベースボタン512を押圧する押圧突起部2008とを有している。太幅テープカセット200の押圧突起部2008は、
図8(a)に示す細幅テープカセット100の押圧突起部1008よりもY軸方向に沿って長く構成されている。換言すると、太幅テープカセット200の押圧突起部2008は、細幅テープカセット100の押圧突起部1008よりもテープ部材Mの幅方向に沿って長く構成されている。また、厚肉部200aの側面には、第1のロック部材700の突起部701が引っ掛かる凹部であるロック部材係止部2010が形成されている。係合部の一例であるロック部材係止部2010は、太幅テープカセット200が収納された際に、
図7(a)に示す第1のロック部材700の被係合部の一例である突起部701に対応する位置に形成されている。
【0050】
次に、
図9~
図16を参照しながら、細幅テープカセット100、太幅テープカセット200、インクリボン付太幅テープカセット300を、
図2に示すカセット収納部12cに収納する場合の、収納機構の動作について説明する。
【0051】
まず、細幅テープカセット100を収納する場合について、収納機構のうちカセットベース511及びカセットベースボタン512とその近傍の各部材の動作について説明する。
図9(a)に示すように、細幅テープカセット100がカセット収納部12cに向けて(Y軸方向の負の向きに向けて)押し下げられると、突出部100bの-Y方向を向いた面に設けられた押圧突起部1008がカセットベースボタン512とまず当接する。
【0052】
図9(b)に示すように、
図9(a)の状態からさらに細幅テープカセット100が押し下げられると、カセットベースボタン512はY軸方向の負の向きに押し下げられる。このとき、カセットベースボタン512の被ガイド突起部512a(
図6)がボタンガイド部5112の第2延設部5112bにガイドされるに伴って、カセットベース511は、厚肉部100aと干渉しないようにX軸方向の負の向きに移動する。つまり、カセットベース511は、細幅テープカセット100の収納を妨げない待避位置へと移動する。換言すれば、カセットベース511は、細幅テープカセット100の少なくとも一部(押圧突起部1008)が間接的に作用することで、初期位置から待避位置へと移動する。また、カセットベースボタン512がY軸方向の負の向きに移動することで、カセットベーススプリング513が圧縮される。
【0053】
図9(c)に示すように、
図9(b)の状態からさらに細幅テープカセット100が押し下げられると、カセットベースボタン512はY軸方向の負の向きにさらに移動する。このとき、カセットベースボタン512の被ガイド突起部512a(
図6)が、ボタンガイド部5112の第1延設部5112aにガイドされる。このようにして、細幅テープカセット100は押し下げられ、突出部100bが、カセットベース固定部5111及び台座12e(
図2)に当接する。このようにして細幅テープカセット100は、収納位置まで移動し、これ以上、Y軸方向の負の向きに移動することがない。このように、細幅テープカセット100が収納位置まで移動することで、カセットベース511が移動し、細幅テープカセット100の収納空間が形成される。
【0054】
次に、細幅テープカセット100を収納する場合における、第1のロック部材700及び第2のロック部材800の動作について説明する。
図10(a)に示す状態は、細幅テープカセット100がカセット収納部12cに向けて(Y軸方向の負の向きに向けて)押し下げられるも、未だ細幅テープカセット100が第1のロック部材700に接触していない状態である。このとき、第1のロック部材700は、ねじリコイルばね751(
図7(b))による付勢により、突起715を介して保持部本体12aに当接した状態にある。また、第2のロック部材800は、ねじリコイルばね851(
図7(b))による付勢により、第1のロック部材700に当接した状態にある。このとき、第2のロック部材800の突起部801は、第1のロック部材700に形成された開口710aと、保持部本体12aに形成された第2開口12iを通り、リリースガイド521の挿入穴63cに挿入されている。
【0055】
図10(a)の状態から、細幅テープカセット100を押し下げると(Y軸方向の負の向きに向けて移動させると)、
図10(b)に示すように、細幅テープカセット100が第1のロック部材700の第1傾斜面701aに接触するようになる。
【0056】
図10(b)の状態から、さらに細幅テープカセット100を押し下げると、細幅テープカセット100は、第1傾斜面701aをスライドしながら第1のロック部材700を外側へと押しのけていく。これにより、
図11(a)に示すように、第1のロック部材700は、矢印A1で示すように、シャフト750を軸に
図11(a)中の時計回りに回転する。これに伴い、第1のロック部材700に当接している第2のロック部材800も、矢印A2で示すように、シャフト750を軸に
図11(a)中の時計回りに回転する。このように、細幅テープカセット100を、
図7(b)に示すねじリコイルばね751及びねじリコイルばね851の付勢力に抗して押し下げることにより、第1のロック部材700及び第2のロック部材800を同期させて回転移動させることができる。このように、第2のロック部材800が移動することにより、突起部801がリリースガイド521の挿入穴63cから抜け出る。これにより、リリースガイド521は、Y軸方向に沿って移動することが可能となる。
【0057】
図11(a)の状態から、さらに細幅テープカセット100を押し下げると、細幅テープカセット100の-Z方向を向いた面(下面)がリリースガイド521に当接し、リリースガイド521は細幅テープカセット100と共にY軸方向の負の向きに移動する。つまり、リリースガイド521は、移動部材として、初期位置(第1の位置)から、細幅テープカセット100の収納を妨げない待避位置(第2の位置)へと移動する。このようにリリースガイド521がY軸方向の負の向きに移動することで、リリーススプリング522が圧縮される。
【0058】
また、
図11(a)の状態から細幅テープカセット100を押し下げることで、細幅テープカセット100は、
図11(b)に示すように収納位置まで移動する。その際、突起部701に接触していた細幅テープカセット100の接触箇所は、突起部701を乗り越える。すると、ねじリコイルばね751(
図7(b))に付勢された第1のロック部材700は、
図11(b)の矢印A3で示すように、シャフト750を軸として、
図11(b)中の反時計回りに回転する。これにより、第1のロック部材700の突起部701は、細幅テープカセット100に形成されたロック部材係止部1010に挿入される。このようにして、突起部701は、係合位置まで移動してロック部材係止部1010と係合する。一方、第2のロック部材800は、第1のロック部材700の矢印A3で示す方向への移動と同期して、矢印A4で示すように、シャフト750を軸として、
図11(b)中の反時計回りに回転する。そして、突起部701の先端は、リリースガイド521の側面に当接する。これにより、第2のロック部材800の回転動作が停止する。以上により、細幅テープカセット100のカセット収納部12cへの収納が完了する。
【0059】
カセット収納部12cから細幅テープカセット100を取り外す場合、第1のロック部材700の突起部701を、細幅テープカセット100のロック部材係止部1010から外す。このとき、突起部701は、
図11(b)に示すロック部材係止部1010に係合した係合位置から、係合位置よりも外方へ移動し、ロック部材係止部1010との係合が解除される係合解除位置まで移動する。これにより、圧縮されていいたリリーススプリング522が伸び、リリースガイド521は細幅テープカセット100をY軸方向の正の向きに移動させる。これにより、細幅テープカセット100がカセット収納部12cから飛び出し、第1のロック部材700によるロックが解除された細幅テープカセット100を取り出すことができる。なお、Y軸方向の正の向きに移動したリリースガイド521は、やがて初期位置(第1の位置)に移動する。その際、
図10(a)に示すように、第2のロック部材800の突起部801が、リリースガイド521の挿入穴63cに挿入される。
【0060】
次に、太幅テープカセット200を収納する場合について、収納機構のうちカセットベース511及びカセットベースボタン512とその近傍の各部材の動作について説明する。
図12(a)に示すように、太幅テープカセット200がカセット収納部12cに向けて押し下げられると、突出部200bの-Y方向を向いた面に設けられた押圧突起部2008がカセットベースボタン512とまず当接する。
【0061】
太幅テープカセット200の押圧突起部2008は、細幅テープカセット100の押圧突起部1008よりもY軸方向に沿って長く構成されている。換言すると、太幅テープカセット200の押圧突起部2008は、細幅テープカセット100の押圧突起部1008よりもテープ部材Mの幅方向に沿って長く構成されている。
【0062】
図12(b)に示すように、
図12(a)の状態からさらに太幅テープカセット200が押し下げられると、カセットベースボタン512はY軸方向の負の向きに押し下げられる。このとき、カセットベースボタン512の被ガイド突起部512a(
図6)がボタンガイド部5112の第2延設部5112bにガイドされるに伴って、カセットベース511は、厚肉部200aと干渉しないようにX軸方向の負の向きに移動する。つまり、カセットベース511は、太幅テープカセット200の収納を妨げない待避位置へと移動する。換言すれば、カセットベース511は、太幅テープカセット200の少なくとも一部(押圧突起部2008)が間接的に作用することで、初期位置から待避位置へと移動する。また、カセットベースボタン512がY軸方向の負の向きに移動することで、カセットベーススプリング513が圧縮される。
【0063】
図12(c)に示すように、
図12(b)の状態からさらに太幅テープカセット200が押し下げられると、カセットベースボタン512はY軸方向の負の向きにさらに移動する。このとき、カセットベースボタン512の被ガイド突起部512a(
図6)が、ボタンガイド部5112の第1延設部5112aにガイドされる。このようにして、太幅テープカセット200は押し下げられ、突出部200bが、カセットベース固定部5111及び台座12e(
図2)に当接する。このようにして太幅テープカセット200は、収納位置まで移動し、これ以上、Y軸方向の負の向きに移動することがない。このように、太幅テープカセット200が収納位置まで移動することで、カセットベース511が移動し、太幅テープカセット200の収納空間が形成される。
【0064】
次に、太幅テープカセット200を収納する場合における、第1のロック部材700及び第2のロック部材800の動作について説明する。
図13(a)に示す状態は、太幅テープカセット200がカセット収納部12cに向けて押し下げられるも、未だ太幅テープカセット200が第1のロック部材700に接触していない状態である。このとき、第1のロック部材700は、ねじリコイルばね751(
図7(b))による付勢により、突起715を介して保持部本体12aに当接した状態にある。また、第2のロック部材800は、ねじリコイルばね851(
図7(b))による付勢により、第1のロック部材700に当接した状態にある。このとき、第2のロック部材800の突起部801は、第1のロック部材700に形成された開口710aと、保持部本体12aに形成された第2開口12iを通り、リリースガイド521の挿入穴63cに挿入されている。
【0065】
図13(a)の状態から、太幅テープカセット200を押し下げると、
図13(b)に示すように、太幅テープカセット200が第1のロック部材700の第1傾斜面701aに接触するようになる。
【0066】
図13(b)の状態から、さらに太幅テープカセット200を押し下げると、太幅テープカセット200が第1傾斜面701aをスライドしながら第1のロック部材700を外側へと押しのけていく。これにより、
図14(a)に示すように、第1のロック部材700は、矢印A5で示すように、シャフト750を軸に
図14(a)中の時計回りに回転する。これに伴い、第1のロック部材700に当接している第2のロック部材800も、矢印A6で示すように、シャフト750を軸に
図14(a)中の時計回りに回転する。このように、太幅テープカセット200を、
図7(b)に示すねじリコイルばね751及びねじリコイルばね851の付勢力に抗して押し下げることにより、第1のロック部材700及び第2のロック部材800を同期させて回転移動させることができる。このように、第2のロック部材800が移動することにより、突起部801がリリースガイド521の挿入穴63cから抜け出る。これにより、リリースガイド521は、Y軸方向に沿って移動することが可能となる。
【0067】
図14(a)の状態から、さらに太幅テープカセット200を押し下げると、太幅テープカセット200の-Z方向を向いた面(下面)がリリースガイド521に当接し、リリースガイド521は太幅テープカセット200と共にY軸方向の負の向きに移動する。つまり、リリースガイド521は、移動部材として、初期位置(第1の位置)から、太幅テープカセット200の収納を妨げない待避位置(第2の位置)へと移動する。このようにリリースガイド521がY軸方向の負の向きに移動することで、リリーススプリング522が圧縮される。
【0068】
また、
図14(a)の状態から太幅テープカセット200を押し下げることで、太幅テープカセット200は、
図14(b)に示すように収納位置まで移動する。その際、突起部701に接触していた太幅テープカセット200の接触箇所は、突起部701を乗り越える。そして、太幅テープカセット200は、側面に第1のロック部材700の突起部701を接触させながら、-Z方向へと移動する。やがて、ロック部材係止部2010は、第1のロック部材700の突起部701に到達する。すると、ねじリコイルばね751(
図7(b))に付勢された第1のロック部材700は、
図14(b)の矢印A7で示すように、シャフト750を軸として、
図14(b)中の反時計回りに回転する。これにより、第1のロック部材700の突起部701は、太幅テープカセット200に形成されたロック部材係止部2010に挿入される。このようにして、突起部701は、係合位置まで移動してロック部材係止部2010と係合する。一方、第2のロック部材800は、第1のロック部材700の矢印A7で示す方向への移動と同期して、矢印A8で示すように、シャフト750を軸として、
図14(b)中の反時計回りに回転する。そして、突起部701の先端は、リリースガイド521の傾斜面62bによって形成された空間に挿入する。これにより、第2のロック部材800は、第1のロック部材700に当接して回転動作が停止する。以上により、太幅テープカセット200のカセット収納部12cへの収納が完了する。
【0069】
カセット収納部12cから太幅テープカセット200を取り外す場合、第1のロック部材700の突起部701を、太幅テープカセット200のロック部材係止部2010から外す。このとき、突起部701は、
図14(b)に示すロック部材係止部2010に係合した係合位置から、係合位置よりも外方へ移動し、ロック部材係止部2010との係合が解除される係合解除位置まで移動する。これにより、圧縮されていいたリリーススプリング522が伸び、リリースガイド521は太幅テープカセット200をY軸方向の正の向きに移動させる。これにより、太幅テープカセット200がカセット収納部12cから飛び出し、第1のロック部材700によるロックが解除された太幅テープカセット200を取り出すことができる。なお、Y軸方向の正の向きに移動したリリースガイド521は初期位置に移動する。その際、
図13(a)に示すように、第2のロック部材800の突起部801が、リリースガイド521の挿入穴63cに挿入される。
【0070】
以上のように、カセット収納部12cへの太幅テープカセット200の収納及び取り外しにおいて、収納機構は、細幅テープカセット100の収納及び取り外しの際と同様に動作(移動)する。ただし、太幅テープカセット200の厚肉部200aは、細幅テープカセット100の厚肉部100aよりも厚いため、カセット収納部12cの深い箇所まで挿入される。そのため、カセットベースボタン512及びリリースガイド521は、太幅テープカセット200を収納した場合、細幅テープカセット100を収納した場合よりもY軸方向の負の向きに大きく移動する。このように、細幅テープカセット100と太幅テープカセット200とでは、収納する際のY軸方向の負の向きの移動量が異なる。しかしながら、いずれのテープカセット100,200であっても、収納された際に第1のロック部材700の突起部701に対応する位置に、
図8(a)に示すロック部材係止部1010、あるいは、
図8(b)に示すロック部材係止部2010が設けられている。
【0071】
次に、カセット収納部12cにインクリボン付太幅テープカセット300を収納する場合について説明する。
【0072】
図15(a)に示すように、インクリボン付太幅テープカセット300をカセット収納部12cに向けて押し下げると、
図15(b)に示すように、インクリボン付太幅テープカセット300は、カセットベース511の側面を摺動しながら下方へと移動する。インクリボン付太幅テープカセット300には、カセットベースボタン512を押圧するための押圧突起部が設けられておらず、インクリボン付太幅テープカセット300はカセットベースボタン512を押圧及び移動させることはない。インクリボン付太幅テープカセット300の下方に設けられた第1の切欠部3007は、カセットベース固定部5111に当接する。このようにしてインクリボン付太幅テープカセット300は、収納位置まで移動し、これ以上、Y軸方向の負の向きに移動することがない。このように、カセットベース511及びカセットベースボタン512は初期位置から移動することなく、インクリボン付太幅テープカセット300のカセット収納部12cへの収納(固定)が完了する。
【0073】
一方、インクリボン付太幅テープカセット300は、
図16(a)に示す第2の切欠部3008を、リリースガイド521の突出部64に摺動させながら下方へと移動する。このとき、リリースガイド521の挿入穴63cには第2のロック部材800の突起部801が挿入されていることから、リリースガイド521はY軸方向の負の向きに移動することはない。また、インクリボン付太幅テープカセット300は、収納位置まで移動する際に、物理的な距離があけられた第1のロック部材700及び第2のロック部材800と接触しない。このことからインクリボン付太幅テープカセット300は、リリースガイド521,第1のロック部材700及び第2のロック部材800を初期位置から移動させることなく、カセット収納部12cへの収納(固定)が完了する。このように、インクリボン付太幅テープカセット300は、初期位置にあるリリースガイド521の突出部64と当接することにより、リリースガイド521に支持される。
【0074】
上記実施の形態によれば、カセット収納部12cに収納した細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200を、第1のロック部材700の突起部701を介して固定することができる。例えば、細幅テープカセット100が収納されている場合について説明すると、
図11(b)に示すように、圧縮されたリリーススプリング522により、細幅テープカセット100には、待避位置(第2の位置)にあるリリースガイド521から+Y方向の力を受ける。一方、細幅テープカセット100は、ロック部材係止部1010に係止された第1のロック部材700の突起部701により+Y方向の移動が制限されている。これにより、収納された細幅テープカセット100は、リリースガイド521と第1のロック部材700の突起部701との間で挟まれ、その姿勢を安定させることができる。このように、リリースガイド521と第1のロック部材700とは、協働して、細幅テープカセット100を固定する。また、別の言い方をすれば係合位置に移動した突起部701と、待避位置(第2の位置)に移動したリリースガイド521とによって、細幅テープカセット100は固定される。太幅テープカセット200においても同様である。
【0075】
また、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200の上向きの移動を制限する突起部701は、Y軸に直交する平面に対して傾斜した第2傾斜面701bでテープカセット100,200に接触している。そのため、第1のロック部材700のシャフト750を軸とした回転力(
図11(b)中の矢印A3,あるいは
図14(b)中の矢印A7)と、テープカセット100,200の+Y方向に移動する力と間でバランスが取れる位置まで、突起部701はロック部材係止部1010に挿入される。これにより、リリースガイド521と第1のロック部材700との間で適切な挟持力を作用させることができ、収納されたテープカセット100,200の姿勢を安定させることができる。
【0076】
また、インクリボン付太幅テープカセット300を収納する際、リリースガイド521の挿入穴63cに第2のロック部材800の突起部801が挿入されていることから、リリースガイド521がY軸方向の負の向きに移動することはない。そのため、テープカセット300の収納の際、あるいは収納後に、リリースガイド521がY軸方向に沿って動き出し、テープカセット300の姿勢が不安定になることを防ぐことができる。
【0077】
また、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200を収納する際には、リリースガイド521を-Y方向に移動させて収納空間を確保する必要がある。その場合には、第1のロック部材700をテープカセット100,200で押しのけ外側に移動させると、その移動に同期して、第1のロック部材700に当接していた第2のロック部材800を外側に移動させることができる。これにより、第2のロック部材800の突起部801が挿入穴63cから抜け出し、リリースガイド521は-Y方向に移動させることができる。このように、リリースガイド521を、収納するテープカセットに応じて、Y軸方向の移動を制限された状態と制限されていない状態との間で適宜変化させることができる。
【0078】
(変形例)
本発明の実施形態について説明したが、この実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施形態が本発明の範囲に含まれる。
【0079】
印刷装置1はサーマルヘッドを備えるとしたが、これに限られるものではない。インクジェットプリンタ、レーザープリンタを含むあらゆる形態の印刷装置であってもよい。
【0080】
印刷装置1は各種情報を入力する入力部と、入力部により入力された各種情報を表示する表示部と、を備えるとしても良い。また、外部の入力装置又は表示装置に接続され、それらの装置を用いてユーザからの情報の入力の受け付け又はユーザへの情報の提示を行ってもよい。
【0081】
上記実施の形態において、カセットベースボタン512を押圧するための押圧突起部1008,2008を、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200の表面に突出させて形成していた。しかしながら、カセットベースボタン512をさらに+Y方向に延ばすことにより、このような押圧をするための突起部を省略することができる。
【0082】
また、実施の形態において第2延設部5112bのY軸に対する角度は、カセットベースボタン512の移動量に応じて任意に設定することができる。また、実施形態2において、突出部64に設けた傾斜面64aの角度と、延出部53に設けた傾斜面53aの角度も、カセットベース50の移動量に応じて任意に設定することができる。
【0083】
また、上記の実施形態では、テープカセットの収容空間の一部を画定する第1の部材(カセットベース511)と第2の部材(リリースガイド521)との移動方向は、互いに直交すると説明した。しかしながら、テープカセットの収容空間の大きさを適切に変更することができるのであれば、第1の部材と第2の部材との移動方向は互いに直交していなくてもよい。すなわち、第2の部材の移動方向を、テープカセットの面内方向に対して角度をなす方向に設定してもよい。
【0084】
また、上記の実施形態では、第2のロック部材800を第1のロック部材700に重ね合わせて当接させ、第1のロック部材700の動作に伴い第2のロック部材800を動作させる場合について説明した。しかしながら、第1のロック部材700と第2のロック部材800とを連動させずに、互いに独立させて動作させる態様としてもよい。例えば、第1のテープカセットのロック部材係止部の位置を変更し、第1のロック部材と第2のロック部材とを互いに干渉することがない離れた位置に配置してもよい。この場合、第2のロック部材に、第1のロック部材700に設けられていた突起部701に相当する構成を設け、押し下げられた第1のテープカセットによって第2のロック部材が外側に押しのけられるようにすればよい。
【0085】
また上記実施の形態では、第1のテープカセットに係合部の一例である凹部を形成し、第1のロック部材700に被係合部の一例である凸部(突起部701)をした場合について説明した。しかしながら、このような凹部と凸部との配置は一例であり、例えば第1のテープカセットに凸部を、第1のロック部材700に凹部を形成し、互いが係合する形態としてもよい。
【符号の説明】
【0086】
M…テープ部材、R…インクリボン、R’ …使用済みインクリボン、1…印刷装置、2…筐体、2a…平面、2b…曲面、2c…凹部、2d…排出口、8…主要部、10…サーマルヘッド、11…ベース部、11a…平板部、11b,11c…回転支持片、12…カセット保持部、12a…保持部本体、12b…脚部、12c…カセット収納部、12e…台座、12h…第1開口、12i…第2開口、21…プラテンローラ、21a…プラテンローラ軸、23…リボン巻取り駆動軸、25…軸部、50…カセットベース、53…延出部、53a…傾斜面、61…フランジ、62…本体部、62a…接触面、62b…傾斜面、63…柱状部、63a…突起、63b…外周面、63c…挿入穴、64…突出部、64a…傾斜面、100…細幅テープカセット、100a…厚肉部、100b…突出部、200…太幅テープカセット、200a…厚肉部、200b…突出部、300…インクリボン付太幅テープカセット、511…カセットベース、512…カセットベースボタン、512a…被ガイド突起部、513…カセットベーススプリング、521…リリースガイド、522…リリーススプリング、700…第1のロック部材、700a…溝部、701…突起部、701a…第1傾斜面、701b…第2傾斜面、710…ウェブ、710a…開口、710c…突出端、711,712…フランジ、715…突起、750…シャフト、751…リコイルばね、800…第2のロック部材、801…突起部、810…ウェブ、811,812…フランジ、850…ロック部材、851…リコイルばね、1001…カセットケース、1001a…支持用切欠部、1002…テープコア、1005…リボン巻取り駆動軸貫通孔、1006…サーマルヘッド被挿入部、1008…押圧突起部、1010…ロック部材係止部、2008…押圧突起部、2010…ロック部材係止部、3001…カセットケース、3001a…支持用切欠部、3002…テープコア、3004…リボン供給コア、3005…リボン巻取りコア、3006…サーマルヘッド被挿入部、3007…第1の切欠部、3008…第2の切欠部、5111…カセットベース固定部、5112…ボタンガイド部、5112a…第1延設部、5112b…第2延設部、5113…テープカセット検出スイッチ