(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067345
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ
(51)【国際特許分類】
E04H 15/46 20060101AFI20240510BHJP
【FI】
E04H15/46
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177347
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】521197508
【氏名又は名称】培軫産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】チュ,トン ス
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141AA08
2E141BB04
2E141CC04
2E141DD11
2E141DD22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】2以上のフレーム部材が一列に並んだ中でヒンジ式コネクタで連結され、スリーブが固定ヒンジをロックする方向に片寄るように押圧するスプリングと、このスプリング下端の支持用スプリングシートとを設けたワンタッチ折畳式テントのフレーム用ヒンジ式コネクタにおいて、前記スプリングシートを非溶接・非接着で簡単かつ丈夫に固定できる部材連結用コネクタを提供する。
【解決手段】本発明は、固定ヒンジ30側のフレーム部材の先端嵌め込み用接続部上に締結溝34を形成し、スプリングシート10の下端内部には、前記締結溝34に無理に嵌め込まれる係止顎11を形成し、固定ヒンジ30の外周面には突出型キーを長く形成し、スイングヒンジの内周面には、展開した際に固定ヒンジ30のキーが差し込まれてロックされる長いキー溝24を形成して成るワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎フレーム部材または第1フレーム部材の自由端とそれ以降のフレーム部側の自由端を挿して固定したスイングヒンジと第1フレーム部材の先端及び第2フレーム部材以降のフレーム部材側の先端を挿して固定した固定ヒンジをヒンジ軸で連結し、広げたスイングヒンジのロック顎を固定ヒンジ側に設けられたスリーブを押し上げてロックし、前記スリーブに上昇圧力を加えるようにスリーブに内蔵されたスプリングと、前記スプリングの下端を支持するスプリングシートを含むワンタッチテント用フレームを形成するにあたり、
前記固定ヒンジ側フレーム部材の下面は直線面で形成され、上面は傾斜面で形成された締結溝を形成し、前記締結溝に嵌められるスプリングシートの
下端内部には、前記締結溝と同一の形状及び構造を有し、締結溝に無理に嵌めて係合する係止顎を形成し、非溶接、非接着でスプリングシートをフレーム部材に定着させることができるようにし、前記固定ヒンジの外周面上には突出型キーを長く形成し、スイングヒンジの内周面上にはヒンジを長く広げた時に固定ヒンジのキーを差し込んでロックするキー溝を形成してヒンジの流動防止構造を形成したことを特徴とするワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【請求項2】
前記スプリングシートのスプリング座を凹状に形成してスプリングの下端を安定感を持って載せられるように構成し、スリーブが昇降作動する際にスプリングが捻じれたり、又は変形しないようにしたことを特徴とするワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【請求項3】
請求項1および2において、前記スプリング座の底面が、外側が低く傾いた傾斜面で形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【請求項4】
請求項1において、前記係止顎の内径がフレーム部材用接続管の外径よりも小さく構成され、締結溝に無理に嵌めて装着可能にしたワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【請求項5】
請求項1において、前記係止顎の下面は直線面に形成され、上面は傾斜面に形成され、先端が尖っており、柔軟性曲げ弾性を有するように構成されているワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【請求項6】
請求項1において、前記スイングヒンジのキー溝と、固定ヒンジのキーを互いに反対の位置に形成し、スイングヒンジ内面にはキーが、固定ヒンジ外面にはキー溝が形成されたワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【請求項7】
請求項1において、前記キーは、スイングヒンジの∪型外周面で曲面区間の正中央に位置し、キー溝は、固定ヒンジの内周面で前記キーと同じ位置に形成されたワンタッチ折畳式テントフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハブに少なくとも4つ以上の基礎フレーム部材が折り畳み可能なように組み立てられ、各基礎フレームの自由端に2以上のフレーム部材がヒンジ式コネクタに連結されて折り畳み可能にしたワンタッチ折畳式テントフレームにおいて、第2以降のフレーム部材の先端に装着してバネを圧縮するスリーブをフレーム部材の先端部に嵌め込んで非溶接・非接着方式で固定し、ハブで基礎フレーム部材を広げると、基礎フレームに所属するスイングヒンジと第1及びそれ以降のフレーム部材側の固定ヒンジがヒンジ軸を中心に流動する短所を改善し、ヒンジ軸と固定ヒンジ及びスイングヒンジの保護に万全を期すことができるようにしたワンタッチ折り畳み式テントのフレーム部材の連結用ヒンジ式コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
キャンプ用テントの骨格であるフレームの種類のうち、ワンタッチ方式で手軽に素早く展開し折り畳めるフレームが知られている。
【0003】
図1に紹介した従来のワンタッチ折畳式テントフレームは、単一のハブ1上に少なくとも4以上の基礎フレーム部材2を放射状に連結し、パラソルのように内側に折り畳んで外側に広げることができるようにしたものである。
【0004】
図2は、前記フレーム部材の構造を紹介したものであり、各基礎フレーム部材2の自由端側には少なくとも2つ以上のフレーム部材3~5を一列に配置し、 基礎フレーム2の自由端に第1フレーム部材3の連結端をヒンジ式コネクタに連結してテントを展開すると、基礎フレーム部材2と第1及びそれ以降のフレーム部材3~ 5がパラソルのように開き、テントを畳むと各フレーム部材がW形状に折り畳まれる構造である。
【0005】
前記基礎フレーム部材2の先端にはスイングヒンジ20が形成されており、相手側の第1フレーム部材3の先端には固定ヒンジ30が連結されている。
【0006】
第1フレーム部材3と第2フレーム部材4、第2フレーム部材4と第3フレーム部材5とを一列に並べて、上記と同型の折畳み式コネクタ6に連結する。
【0007】
このような従来の構造のヒンジ式コネクタにおいて、第1の問題として指摘される部分は、
図3のように固定ヒンジ30に設けられるスプリングシート10の構造として改善が必要であるのが実情である。
【0008】
すなわち、従来は固定ヒンジ30のフレーム部材にスプリングシート10を挟み、その位置を決めた後にスプリングシートの下端部Sを合成樹脂で溶接するか、接着剤で接合して、フレーム部材に固定した。
【0009】
しかし、合成樹脂の溶接手段は、フレーム部材とスプリングシートの材質的な異質感のために早期に老化して割れが発生し、ひどくなると裂けてスプリングシートが緩くなるという問題点がある。上述した接着手段では、第1フレーム部材との異質感のために容易に接着しない上に、接着剤の老化によりスプリングシートの固定状態が緩くなり、スリーブのスプリング溝の中で押されるスプリングの反力に勝てなかったスリーブが滑り落ちて、スプリングの弾力が低下または喪失してスリーブが本来の役割を果たせなくなる傾向がある。
【0010】
先行技術文献第20-012975号に示された合成樹脂材質のスプリングシートは、その内面に断面が逆コの字形になった突出リングを設け、同様に合成樹脂材質の反対側の柱には逆コの字形に掘られた窪んだ溝リングが形成されたもので、このような先行技術の構造は、合成樹脂材質の突出リングに伸縮性がないため、柱に無理に嵌め込んで押し上げる作業が難しく、窪んだ溝リングの位置まで無理に押し上げる過程で突出リングが裂けたり破損する場合も多い しかも、伸びた突出リングを使用してみると、流動性と変形が発生して、スプリングの反復的な加圧と反発力に勝てず、要溝リングから抜けてしまう問題もある。
【0011】
スプリングは、常に正しい姿勢を維持してのみ、スリーブが正常に昇降動作するよう支えることができ、展開されたスイングヒンジを確実にロックできるようにする。
【0012】
そのためには、特にスプリング下端の支えになるスプリングシートのスプリング座にスプリング下端の中心が一致して中心を失わないように、正姿勢で支持しなければならない。
【0013】
また、従来のスプリングシートの底部が平らでなかったり偏ったりして、フレーム部材を展開して折り畳むとスプリングの下端が中心を失ってスリーブがぐらぐらし、スリーブがスイングヒンジのロック顎を閉める姿勢も不安定である。
【0014】
一方、スイングヒンジと固定ヒンジの間には、必然的に遊撃が残る。遊撃の程度によって違いはあるだろうが、テントを広げた時にフレームの横側から強風や突風が襲って来た場合、またはテントの横を通り過ぎていった誰かの足にフレームが踏まれたり足が引っ掛かると、フレーム部材が歪むことがある。フレーム部材がひどくぐらぐらすると、固定ヒンジによってヒンジ軸が圧迫されて変形したり、スイングヒンジの翼が破損することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国登録実用新案 第20-0129575号公報
【特許文献2】韓国登録実用新案 第20-0331627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、少なくとも4つ以上の基礎フレーム部材と各基礎フレームの自由端側に2つ以上のフレーム部材が一列に並んだ中でヒンジ式コネクタに連結され、 スリーブが固定ヒンジをロックする方向に偏るように加圧するスプリングと、このスプリングの下端支持用スプリングシートが備えられたワンタッチ折り畳み式テントフレーム用ヒンジ式コネクタにおいて、上記スプリングシートを非溶接・非接着方式で簡単かつ強固に固定できるワンタッチ折畳式テントフレーム部材連結用コネクタを提供するところにその目的がある。
【0017】
本発明のもう一つの目的は、フレームのヒンジ部分の欠陥を補完することであり、本発明は、基礎フレーム部材を折り畳むと第1フレーム部材とそれ以降のフレーム部材が自然に畳まれるヒンジ式コネクタであり、フレームを展開した時に固定ヒンジがヒンジ軸の左右にはもちろん、円周方向にも流動しないように構造を改善し、ヒンジ部の変形や破損を防ぐことができ、フレーム部材が展開された状態が安定しており、展開されたテントも完全に維持される、ワンタッチ折り畳み式テントフレーム用ヒンジ式コネクタを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記の目的を達成するための本発明の第1の課題は、基礎フレーム部材または第1フレーム部材以降のフレーム部材に固定されたスイングヒンジと、相手側のフレーム部材に固定された固定ヒンジをヒンジ軸で連結し、ヒンジ軸を中心として展開し畳むことができ、広げた固定ヒンジのロック顎は、固定ヒンジ側に設けられたスリーブを押し上げてロックし、前記スリーブに常に上昇圧力を加えるようにスリーブに内蔵されたスプリングの下端を支えるように第1フレーム部材及び第2以降のフレーム部材側にはめ付けたスプリングシートが設けられた、ワンタッチ折り畳み式テントフレーム部材の連結用ヒンジ式コネクタ において、前記固定ヒンジ側フレーム部材の接続部に後進性の離脱が不可能な締結溝を形成し、 前記スプリングシートの下端の内側には、前記接続部の外径よりも小さい内径を有する傾斜型の係止顎を形成し、前記接続部の下端を通じで無理に嵌めて上げると、前記接続部の外径との差に対応するだけの係止顎が弾力的に押されて下へ 湾曲しながら離れていってから、その内側端が前記締結溝の境界を過ぎる瞬間に弾力的に収縮してロックされるようにする、ワンタッチ折り畳み式テントフレーム部材連結用のヒンジ式コネクタによって具現することができる。
【0019】
上述の本発明の第2の課題は、展開された状態でスイングヒンジのキーがロックされるキー溝を有する固定ヒンジと、前記固定ヒンジのキー溝に係合されてロックされるキーを有するスイングヒンジとから成っており、前記キー溝にスイングヒンジを完全に展開してキー溝に嵌め込まれると、固定ヒンジがヒンジ軸の左右にぐらぐらしたり、円周方向に流動しないように構成したワンタッチ折畳式テントフレーム部材連結用コネクタとして具現することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1の課題の解決手段によれば、従来使用していた溶接または接着手段を排除し、後壁面が直線面によって形成され、先端が尖っており、上面は傾斜面によって形成された係止顎と締結溝を形成して一方向(前進型)へのみ移動が可能であり、後進は不可能なスプリングシートの固定構造を形成することによって、単に固定ヒンジのフレームに形成された締結溝にスプリングシートを強圧的に嵌め込みさえすれば、その係止顎が上昇する時には柔軟に曲げ変形状態で上昇して締結溝に嵌まると同時に、原状(元の形状)に復元され、ストッパー機能を行って係合力が維持されるため、本発明は、従来の固定手段に比べてスプリングシートの固定が非常に容易であり、固定状態も終始一貫して変化することがなく、スプリングシートの固定信頼度が高いという効果がある。
【0021】
また、スプリングシートの固定が容易なだけあって、コネクタの組立の容易さも向上する。
【0022】
また、第2の課題を具現するのに適した本発明は、第1のフレーム部材または第2以降のフレーム部材を展開すると、固定ヒンジのキー溝にスイングヒンジのキーが緊密に差し込まれて係合されるので、フレーム部材を揺らしたり横に捻じろうとしても、固定ヒンジが微動だにしないため、テントを展開した状態が安定し、固定ヒンジのぐらつきによるヒンジ軸の捻じれやスイングヒンジの損傷はもちろん、破損の恐れまで解消される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】ワンタッチ折り畳み式フレームが適用されたテントを展開した状態図である。
【
図2】ヒンジ式コネクタに連結されたフレームを折り畳んだ状態図である。
【
図3】従来のヒンジ式コネクタの構造を示す断面図である。
【
図5】本発明のフレーム部材側の接続部に対する非溶接・非接着型スプリングシートを適用した状態を示す分解図である。
【
図6】本発明のフレーム部材の締結溝にスプリングシートが嵌められてスリーブを支える状態の組立図である。
【
図7】本発明フレーム部材にスプリングシートを嵌め込んで押し上げる状態と(仮想線を表示)、締結溝にスプリングシートの係止顎が挟まれてロックされた状態を示す断面図である。
【
図8】本発明の第2課題を具現するためのヒンジ式コネクタの分解図である。
【
図9】スイングヒンジと固定ヒンジが分離された状態図である。
【
図10】スイングヒンジと固定ヒンジの係合によってキーがキー溝の中に挟まれてロックされた状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好ましい実施形態に基づいて作成された図面を参照して、本発明の第1の課題及び第2の課題を具現することができるヒンジ式コネクタについて説明する。
【0025】
以下の説明は、本実施例に限定されるものではなく、同種の技術分野において通常の知識を有する自家添付図面及び詳細な説明から容易に追考し実施できる単純な設計の変更、付加的事項の追加等は、本発明の技術的思想に属するものと見なされる。
【0026】
本発明によれば、ワンタッチ折畳式テントの主な骨格から構成される第1フレーム部材3と第2フレーム部材4、第2フレーム部材4と第3フレーム部材5はもちろん、図示していない第4フレーム部材及びそれ以降のフレーム部材との接続においても、前記ヒンジ式コネクタ6は有用である。
【0027】
前記ヒンジ式コネクタ6は、各フレーム部材の先端に単体として形成されたスイングヒンジ20と固定ヒンジ30との係合からなる関節型ジョイントであり、まず先に固定ヒンジ30に弾力的に設けられたスリーブ7について説明する。
【0028】
前記スリーブ7は、フレーム部材3の先端部が貫通可能な中空形状であり、固定ヒンジ30の上半部に形成されたストッパー33の下に位置するよう組み立てられる。
【0029】
スリーブ7の本体上端部にはソケット管71が単体として形成されており、スリーブ7がスプリング9に押されて上昇した位置にある時、ソケット管71はその内面にスイングヒンジ20の下端のロック顎23を噛み、引っ掛けてロックする作用をする。
【0030】
スリーブ7は、上端に位置するソケット管71の内面の底部72がストッパー33に当接して停止した時を上死点とし、スイングヒンジ20が折り畳まれながらスプリング9を圧縮させると同時に、そのロック顎23がスリーブ7を押し出してソケット管71から外れる時を下死点として、ロック顎23がソケット管71の内面から外れるとすぐに、スリーブ7は、収縮していたスプリング9が膨張しながら押し上げて回復させる。
【0031】
前記固定ヒンジ30の接続部31の下端には、スプリングシート固定用の環状締結溝34が形成されている。前記締結溝34は、前記接続部31の下端側から強制的に被せてスプリングシート10を固定する係止顎11のロック用溝である。
【0032】
前記係止顎11は、スプリングシート10の内側下端に形成される。そして、前記係止顎11の内径は、接続部31の外径よりやや小さくする。例えば、接続部31が10mmだとすると、係止顎11の内径は9mmに設計する。
【0033】
スプリングシート10が硬質合成樹脂であるか、あるいはアルミニウムのような軽金属であると、伸縮性がないため、接続部31の下端側から無理に嵌めようとしても嵌まらない。この点を考慮して、前記スプリングシート10は、PEのように丈夫でありながら柔軟性を持つ合成樹脂とする。
【0034】
前記係止顎11は長くかつ先端が尖って形成されているが、下面は直線面として形成され、上面は傾斜面として形成される。先端部が柔軟性、反り、弾性を持つように構成したものである。
【0035】
また、係止顎11が嵌められる締結溝34もまた、係止顎と同じ形状と構造に形成される。具体的には、締結溝34の下端は直線面(直壁)として形成され、上面は傾斜面として形成され、尖った溝の構造として形成されたものである。
【0036】
図5と同様に、第1フレーム部材の先端を介してスリーブ7、スプリング9、スプリングシート10の順に嵌合し、この状態ではスプリング9とスリーブ7が不安である。そこで、
図7のように、スプリングシート10を強制的に押し上げて、係止顎11が締結溝34に入るまで押し上げる。
【0037】
このようにスプリングシート10を強制的に押し上げて装着すると、その力でスプリング9がスリーブ7とスプリングシート10との間に圧縮設置される。
【0038】
特に、スプリングシート10を強制的に押し上げると、その下端の係止顎11は柔軟性を発揮して弾力的に押圧されて下方に曲げられながら、接続部31の外周面に密着する。その上、係止顎11の内側端が締結溝34に進入しながら、自らの復元力によって自然に展開されて締結溝34の中に挿入されると同時に、動かずに固定される。
【0039】
このように本発明は、非溶接・非接着によってフレームにスプリングシート10を定着させることができ、一旦締結溝34に引っ掛かってロックされた係止顎11は、くさびのように捻じれてスプリングシート10を破損させない限り、抜けることはない。
【0040】
そして、締結溝34に引っ掛かる直前までスプリング9が圧縮されて膨張性弾力が備蓄され、スリーブ7はソケット管71の底72がストッパー33に接すると同時に上昇を止める。
【0041】
図面に示す例は、締結溝34と係止顎11とが直角三角形として描かれているが、係止顎11の内側端に向かって薄くなるように傾斜した台形に変更しても、同様の実施効果を収めることができる。
【0042】
これに加えて、スプリングシート10のスプリング座13を凹形状に形成してスプリング9の下端を安定感をもって収まるようにし、スリーブ7が昇降する際に捻じれないようにすることができる。また、凹型の他にも、底面の外側が低い斜面型に置き換えても、同等の実施効果を得ることができる。
【0043】
次に、
図8以下の添付図面を参照して、本発明の第2の課題を具現することができるワンタッチ折り畳み型テントフレーム部材の連結用ヒンジ式コネクタについて説明する。
【0044】
まず、
図4に示す図は、従来のヒンジ式コネクタの平断面図であり、
図3のA-A線に対する拡大断面図であり、本発明との技術対比のために提示した図である。
【0045】
この図では、合成樹脂製のスイングヒンジ20と固定ヒンジ30との間では、射出誤差に起因する遊びが残ることが多い。遊撃の程度によって違いはあるだろうが、テントを展開した時にフレームの側方から強風や突風が到来するとか、テントの横を通り過ぎた誰かがフレームを押したり、あるいは踏んだり足が引っ掛かると、長く連結されたフレーム部材が捻じれることがあり、フレーム部材に激しい衝撃が加わると、固定ヒンジがヒンジ軸により圧迫されて変形したり、スイングヒンジの翼が破損することがある。ヒンジ部に揺れや流動、遊撃などが発生すると、破損の原因となる。
【0046】
本発明の第2の課題は、このような場合に対して効果的に備えたものである。
【0047】
図9に示すように、スイングヒンジ20の内周面にキー溝24を形成し、固定ヒンジ30の外周面上に前記キー溝24に嵌合するキー37を形成した点が特徴である。前記キー溝24は、スイングヒンジ20の∪型内周面で曲面区間の正中央に位置し、キー37は固定ヒンジ30の外周面で前記キー溝24と同じ位置に形成される。
【0048】
図9及び
図10と同様に、スイングヒンジ20がヒンジ軸12を中心として旋回しながら展開される時、キー37は上端から下端に向かって斜めに傾斜しながらキー溝24に近づいて差し込まれる。キー37の旋回半径がヒンジ軸の中心に由来するために現れる、非常に自然な現象である。
【0049】
キー37とキー溝24が隙間なく整合されるのが好ましいが、キー37とキー溝24の緊密な整合には両方とも台形が適しており、遊撃を最小限に抑えながらも、雌雄の堅固な接続を行うためにキーとキー溝の長さを長く形成して接続の安定性を持たせたことも、構造にとって重要な要素である。
【0050】
上記のキー溝とキーの構造を逆に形成することもできる。すなわち、スイングヒンジの内面にはキー溝を形成し、固定ヒンジの外面にはキーを形成しても、ロック効果は同じである。
【0051】
最終状況は
図10と同じである。キー37がキー溝24に完全に差し込まれると、例えスイングヒンジ20と固定ヒンジ30との間に遊びがあったとしても、それに関係なく固定ヒンジ30はヒンジ軸12の上で左右に揺れることもなく、 円周方向に流動することもできない。そのため、基礎フレームと第1フレーム部材、第1フレーム部材と第3フレーム部材との連結状態が強固になり、展開されたテントに強風、突風が到来しても流動なく堅固な設置状態を支えることができ、あるいはテントの横を通った人がフレームを激しく揺らしても、テントフレームが破損することなく、安全に守ることができる。
【符号の説明】
【0052】
1: ハブ 2: 基礎フレーム
3、4、5: フレーム部材 6: ヒンジ式コネクタ
7: スリーブ 9: スプリング
10: スプリングシート 11: 係止顎
20: スイングヒンジ 24: キー溝
30: 固定ヒンジ 31: 接続部
34: 締結溝 38: キー
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎フレーム部材の先端と第2フレーム部材の両側の自由端に設けられたスイングヒンジにそれぞれ第1フレーム部材の両側の自由端と第3フレーム部材の先端とを挿して固定した固定ヒンジをヒンジ軸で連結することで基礎フレーム部材と第1フレーム部材と第2フレーム部材と第3フレーム部材とを連結し、広げたスイングヒンジのロック顎を固定ヒンジ側に設けられたスリーブを押し上げてロックし、前記スリーブに上昇圧力を加えるようにスリーブに内蔵されたスプリングと、前記スプリングの下端を支持するスプリングシートを含むワンタッチテント用フレームを形成するにあたり、
前記固定ヒンジ側フレーム部材の下面は直線面で形成され、上面は傾斜面で形成された締結溝を形成し、前記締結溝に嵌められるスプリングシートの下端内部には、前記締結溝と同一の形状及び構造を有し、締結溝に無理に嵌めて係合する係止顎を形成し、非溶接、非接着でスプリングシートをフレーム部材に定着させることができるようにし、前記固定ヒンジの外周面上には突出型キーを長く形成し、スイングヒンジの内周面上にはヒンジを長く広げた時に固定ヒンジのキーを差し込んでロックするキー溝を形成してヒンジの流動防止構造を形成したことを特徴とするワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【請求項2】
前記スプリングシートの前記スプリングの下端の支えとなるスプリング座を凹状に形成してスプリングの下端を安定感を持って載せられるように構成し、スリーブが昇降作動する際にスプリングが捻じれたり、又は変形しないようにしたことを特徴とするワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【請求項3】
請求項2において、前記スプリング座の底面が、外側が低く傾いた傾斜面で形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【請求項4】
請求項1において、前記係止顎の内径がフレーム部材用接続管の外径よりも小さく構成され、締結溝に無理に嵌めて装着可能にしたワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【請求項5】
請求項1において、前記係止顎の下面は直線面に形成され、上面は傾斜面に形成され、先端が尖っており、柔軟性曲げ弾性を有するように構成されているワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【請求項6】
請求項1において、前記スイングヒンジのキー溝と、固定ヒンジのキーを互いに反対の位置に形成し、スイングヒンジ内面にはキーが、固定ヒンジ外面にはキー溝が形成されたワンタッチ折畳式テントのフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。
【請求項7】
請求項1において、前記キーは、スイングヒンジの∪型外周面で曲面区間の正中央に位置し、キー溝は、固定ヒンジの内周面で前記キーと同じ位置に形成されたワンタッチ折畳式テントフレーム部材連結用ヒンジ式コネクタ。