(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067383
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】移動体管理システム、管理装置、移動体管理方法、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20240510BHJP
【FI】
G05D1/02 H
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177419
(22)【出願日】2022-11-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若林 正男
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301GG24
(57)【要約】
【課題】人の位置を検知する際の検知方式が異なる複数の測位装置が区画内に混在する場合において、検知された人位置に応じて区画内における移動体の効率的な動作を管理する。
【解決手段】
移動体管理システムは、区画内を自律移動可能な移動体と、区画内の異なるエリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置と、複数の測位装置により検知された検知情報に基づいて、移動体の動作制御を行う管理装置と、を備える。システムは、区画内の基本地図及び複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、区画内の異なるエリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成し、検知情報に基づいて、分割後地図の複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を移動体の移動範囲として設定し、設定された移動範囲において移動体を動作させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
区画内を自律移動可能な移動体と、前記区画内の異なる管理エリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置と、前記複数の測位装置により検知された検知情報に基づいて、前記移動体の動作制御を行う管理装置と、を備える移動体管理システムであって、
前記区画内の基本地図及び前記複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、前記区画内の異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成する生成部と、
前記検知情報に基づいて、前記分割後地図の前記複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を前記移動体の移動範囲として設定する移動範囲設定部と、
設定された前記移動範囲において前記移動体を動作させる制御部と、
を備える移動体管理システム。
【請求項2】
前記移動体は、清掃機能を備えた清掃ロボットであり、
前記制御部は、設定された前記移動範囲において前記清掃ロボットに清掃動作をさせるように構成される請求項1に記載の移動体管理システム。
【請求項3】
前記複数の測位装置は、
前記区画内の第一管理エリアに配置され、前記第一管理エリアの人の位置を検知する第一測位装置と、
前記区画内の第二管理エリアに配置され、前記第二管理エリアの人の位置を検知する第二測位装置と、を含み、
前記第一測位装置の検知精度は、前記第二測位装置の検知精度よりも高く、
前記生成部は、
前記第一管理エリアの前記単位検知領域が、前記第二管理エリアの前記単位検知領域よりも小さくなるように前記区画内を分割する
請求項1又は請求項2に記載の移動体管理システム。
【請求項4】
前記第一測位装置は、前記第一管理エリアをメッシュ状の複数の小領域に分割し、近距離無線通信を用いて、分割された前記複数の小領域のそれぞれにおいて人の有無を検知するように構成され、
前記生成部は、前記複数の小領域のそれぞれが前記単位検知領域となるように、前記第一管理エリア内を分割する
請求項3に記載の移動体管理システム。
【請求項5】
前記第二測位装置は、前記第二管理エリア内における検知範囲の人の有無を検知する人感センサであり、
前記生成部は、前記検知範囲が前記単位検知領域となるように、前記第二管理エリア内を分割する
請求項3に記載の移動体管理システム。
【請求項6】
前記複数の測位装置は、
カードリーダの認証情報を用いて、前記区画内において隔絶された第三管理エリアのへの人の入室を検知する第三測位装置を更に備え、
前記第三測位装置の検知精度は、前記第二測位装置の検知精度よりも低く、
前記生成部は、
前記第三管理エリアの前記単位検知領域が、前記第二管理エリアの前記単位検知領域よりも大きくなるように前記区画内を分割する
請求項3に記載の移動体管理システム。
【請求項7】
前記移動範囲設定部は、
前記検知情報を管理者に出力し、前記管理者から受け付けた単位検知領域を前記移動範囲として設定する
請求項1又は請求項2に記載の移動体管理システム。
【請求項8】
前記移動範囲設定部は、前記複数の単位検知領域のうち、前記移動体の前回の動作以降の期間において、前記複数の測位装置が人を検知しなかった単位検知領域を前記移動範囲として設定する
請求項1又は請求項2に記載の移動体管理システム。
【請求項9】
前記移動範囲設定部は、前記複数の単位検知領域のうち、前記移動体の前回の動作以降の期間において、前記複数の測位装置が人を検知した頻度が閾値よりも高い単位検知領域を前記移動範囲として設定する
請求項1又は請求項2に記載の移動体管理システム。
【請求項10】
区画内の異なる管理エリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置から検知情報を取得する通信部と、
前記区画内の基本地図及び前記複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、前記区画内の異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成する生成部と、
前記検知情報に基づいて、前記分割後地図の前記複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を、前記区画内を自律移動可能な移動体の移動範囲として設定する移動範囲設定部と、
設定された前記移動範囲において前記移動体を動作させるための制御情報を生成する制御部と、
を備える管理装置。
【請求項11】
区画内の異なる管理エリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置により検知された検知情報に基づいて、前記区画内を自律移動可能な移動体の動作制御を行う移動体管理方法であって、
前記区画内の基本地図及び前記複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、前記区画内の異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成するステップと、
前記検知情報に基づいて、前記分割後地図の前記複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を前記移動体の移動範囲として設定するステップと、
設定された前記移動範囲において前記移動体を動作させるステップと、
を備える移動体管理方法。
【請求項12】
区画内の異なる管理エリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置により検知された検知情報に基づいて、前記区画内を自律移動可能な移動体の動作制御を行うことをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記プログラムは、
前記区画内の基本地図及び前記複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、前記区画内の異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成し、
前記検知情報に基づいて、前記分割後地図の前記複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を前記移動体の移動範囲として設定し、
設定された前記移動範囲において前記移動体を動作させる
ことをコンピュータに実行させる
ように構成されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体の動作制御を管理する移動体管理システム、管理装置、移動体管理方法、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自律式掃除機に関する技術が開示されている。この技術では、ウェアラブル端末装置を装着しているユーザ等の移動軌跡に基づいて、自律式掃除機の移動が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
清掃対象の区画のレイアウト等によっては、区画全域においてウェアラブル端末装置の移動軌跡を検知可能に構成することが困難なことが想定される。人の位置を検知する際の検知方式が異なる複数の測位装置を区画内において併用した場合、移動体を効率よく動作させることができないおそれがある。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、人の位置を検知する際の検知方式が異なる複数の測位装置が区画内に混在する場合において、検知された人位置に応じて区画内における移動体の効率的な動作を管理する上で有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の移動体管理システムは、区画内を自律移動可能な移動体と、区画内の異なる管理エリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置と、複数の測位装置により検知された検知情報に基づいて、移動体の動作制御を行う管理装置と、を備える移動体管理システムであって、区画内の基本地図及び複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、区画内の異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成する生成部と、検知情報に基づいて、分割後地図の複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を移動体の移動範囲として設定する移動範囲設定部と、設定された移動範囲において移動体を動作させる制御部と、を備えるものである。
【0007】
また、本開示の管理装置は、区画内の異なる管理エリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置から検知情報を取得する通信部と、区画内の基本地図及び複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、区画内の異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成する生成部と、検知情報に基づいて、分割後地図の複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を、区画内を自律移動可能な移動体の移動範囲として設定する移動範囲設定部と、設定された移動範囲において移動体を動作させるための制御情報を生成する制御部と、を備えるものである。
【0008】
また、本開示の移動体管理方法は、区画内の異なる管理エリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置により検知された検知情報に基づいて、区画内を自律移動可能な移動体の動作制御を行う移動体管理方法であって、区画内の基本地図及び複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、区画内の異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成するステップと、検知情報に基づいて、分割後地図の複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を移動体の移動範囲として設定するステップと、設定された移動範囲において移動体を動作させるステップと、を備えるものである。
【0009】
さらに、本開示のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、区画内の異なる管理エリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置により検知された検知情報に基づいて、区画内を自律移動可能な移動体の動作制御を行うことをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、プログラムは、区画内の基本地図及び複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、区画内の異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成し、検知情報に基づいて、分割後地図の複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を移動体の移動範囲として設定し、設定された移動範囲において移動体を動作させることをコンピュータに実行させるように構成されるものである。
【発明の効果】
【0010】
本開示の技術によれば、人の位置を検知する際の検知方式が異なる複数の測位装置が区画内に混在する場合において、検知された人位置に応じて区画内における移動体の効率的な動作を管理する上で有利な技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係る移動体管理システムの概要を説明するための概念図である。
【
図2】建物の区画内における基本地図を例示した図である。
【
図3】移動体管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】記憶装置に格納されているデータの各種情報の一例である。
【
図5】管理装置のプロセッサがプログラムを実行することによって実現される機能を示す機能ブロック図である。
【
図6】生成部によって実行される分割後地図生成処理のルーチンを示すフローチャートである。
【
図7】移動範囲設定部において実行される移動範囲設定処理の第一実施例のルーチンを示すフローチャートである。
【
図8】移動範囲設定部において実行される移動範囲設定処理の第二実施例のルーチンを示すフローチャートである。
【
図9】移動範囲設定部において実行される移動範囲設定処理の第三実施例のルーチンを示すフローチャートである。
【
図10】移動体管理システムにおいて実行されるルーチンのフローチャートである。
【
図11】管理装置のハードウェア資源の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0013】
実施の形態.
1.移動体管理システムの全体構成の概要
図1は、実施の形態に係る移動体管理システムの概要を説明するための概念図である。本実施の形態の移動体管理システム100は、人位置検知装置10と、管理装置20と、移動体としての清掃ロボット30と、を備えている。移動体管理システム100は、建物の区画内における清掃ロボット30の動作制御を行うためのシステムである。清掃ロボット30は、特定機能を備えた自律移動可能な移動体の一例である。清掃ロボット30は、障害物、人及び他の畏怖胴体との衝突を避けながら移動することができる。また、清掃ロボット30は、特定機能として、フロアの清掃を行う清掃機能を備える。
【0014】
本実施の形態の「区画」は、清掃ロボット30による掃除対象の領域であり、オフィスビル等の管理対象の建物内において決められた領域である。清掃ロボット30は、区画内を自律的に移動することが可能に構成されている。清掃ロボット30の自律走行機能及び清掃機能に限定はない。清掃ロボット30は、通信ネットワーク8を介して管理装置20と接続されている。
【0015】
本実施の形態の人位置検知装置10は、区画内の人又はロボット等の移動体の位置を検知するための装置である。人位置検知装置10は、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置として、1又は複数の高精度測位装置12と、1又は複数の人感センサ14と、1又は複数のカードリーダ16と、を備えている。検知精度は、人位置検知装置10による測位の分解能を示している。1又は複数の高精度測位装置12と、1又は複数の人感センサ14と、1又は複数のカードリーダ16とは、区画内の異なる管理エリアに配置される。
【0016】
第一測位装置としての高精度測位装置12は、例えばUWB(Ultra Wide Band)等の近距離無線通信を用いて一定範囲内の移動体の位置を検知する装置である。高精度測位装置12は、UWB信号を発信するUWB端末とUWB信号を受信する受信専用タグを含む。
図1に示す例では、高精度測位装置12のUWB端末は、区画内の大フロアを構成する第一管理エリアR1に間隔を開けて設置されている。これにより、受信専用タグを所有した人が第一管理エリアR1に入室すると、例えば1m四方のメッシュ状の複数の小領域のそれぞれにおいて人の位置を高精度に測位することができる。以下の説明では、人位置検知装置10によって人の位置を検知可能な領域の単位を「単位検知領域」と称する。換言すると、単位検知領域は、人位置検知装置10による測位によってどの領域に居るかを識別できる程度に区別された領域である。単位検知領域は、検知精度を表す指標になり得る。
図1に示す例では、高精度測位装置12による第一管理エリアR1の単位検知領域は、1m四方の矩形領域である。つまり、第一管理エリアR1は、1m四方のメッシュ状の複数の単位検知領域に区画することができる。高精度測位装置12は、第一管理エリアR1内において人を検知した場合、人位置に対応する単位検知領域の位置情報に検知日時情報を対応付けた検知情報を管理装置20に出力する。
【0017】
第二測位装置としての人感センサ14は、例えば、赤外線を用いて一定の赤外線検知範囲内の人の有無を検知する赤外線センサである。
図1に示す例では、人感センサ14は、区画内の通路を構成する第二管理エリアR2の天井に間隔を開けて設置されている。人感センサ14による各検知範囲は、単位検知領域に相当する。人感センサ14の単位検知領域は、高精度測位装置12の単位検知領域より広い。つまり、人感センサ14の検知精度は、高精度測位装置12の検知精度よりも低い。人感センサ14は人を検知した場合、単位検知領域としての検知範囲の位置情報に検知日時情報を対応付けた検知情報を管理装置20に出力する。
【0018】
第三測位装置としてのカードリーダ16は、社員等の特定の人が所有するIDカードが近接したことを検出して、検出したIDカードと無線で交信する非接触式のカードリーダである。IDカードとの交信によって、カードリーダ16は、IDカードとの間でデータの送受信を行うことができる。
図1に示す例では、カードリーダ16は、区画内の隔絶された小フロアを構成する第三管理エリアR3内へ入室するための入口の壁面に設けられている。つまり、
図1に示すカードリーダ16は、第三管理エリアR3内へ入室する際の認証に用いられる固定設置型のカードリーダである。
【0019】
第三管理エリアR3へ入室する人は、入室前にIDカードをカードリーダ16に近接させる。カードリーダ16は、IDカードのカードメモリに格納されていた認証情報を読み取る。読み取られた認証情報は、扉の開錠又は入室管理に使用される。つまり、カードリーダ16は、第三管理エリアR3を単位検知領域として、人の有無を検知する人位置検知装置10として機能する。
図1に示す例では、カードリーダ16の単位検知領域である第三管理エリアR3が人感センサ14の単位検知領域よりも広い。つまり、カードリーダ16の検知精度は、人感センサ14の検知精度よりも低い。カードリーダ16は、IDカードの個人情報データを読み取った場合、単位検知領域としての第三管理エリアR3の位置情報に検知日時情報を対応付けた検知情報を管理装置20に出力する。
【0020】
管理装置20は、人位置検知装置10から受信した検知情報に基づいて、建物の区画内を清掃する清掃ロボット30の動作制御を行う。管理装置20は、管理サーバーまたはパーソナルコンピュータである。管理装置20は、建物内において人位置検知装置10と直接接続されていてもよいし、遠隔地から通信ネットワークを介して接続されていてもよい。
【0021】
図2は、建物の区画内における基本地図を例示した図である。ここでの「基本地図」とは、例えば壁、扉、柱等の建築物、エレベータ、入退室ゲート、空調、照明、椅子、机等の設備の配置を示す通常の地図のことである。また、基本地図には、上記の物理的な配置だけでなく、「食堂」「トイレ」「会議室」等のエリアを識別する情報等も含んでいてもよい。管理装置20は、人位置検知装置10に含まれる各装置の検知精度に基づいて、区画内の基本地図の、異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成する。この生成処理は、以下「分割後地図生成処理」と呼ばれる。
図1には、
図2に示す基本地図に分割後地図生成処理を施した分割後地図が例示されている。
【0022】
また、管理装置20は、検知情報に基づいて、清掃ロボット30の清掃中の移動範囲を設定する。この設定処理は、以下「移動範囲設定処理」と呼ばれる。移動範囲設定処理では、例えば、管理装置20は、人がいない領域を移動範囲に設定する。この場合、管理装置20は、分割後地図情報を例えば直近の検知情報に基づいて、人を検知していない単位検知領域を移動範囲に設定する。
【0023】
或いは、移動範囲設定処理において、管理装置20は、前回の清掃動作以降の未清掃期間において、人の通行が多かった領域を移動範囲に設定する。この場合、管理装置20は、未清掃期間における検知情報と分割後地図情報を参照しながら、人位置検知装置10に含まれる各装置の単位検知領域毎に、人が検知された人検知回数を演算する。そして、管理装置20は、人検知回数が閾値よりも大きい単位検知領域を移動範囲に設定する。
【0024】
或いは、移動範囲設定処理において、管理者は、検知情報を参照しながら、移動範囲を手動で設定する。
【0025】
さらに、管理装置20は、設定された設定移動範囲を含む制御情報を生成する。この処理は、以下「制御情報生成処理」と呼ばれる。制御情報は、例えば清掃動作に関する設定情報を含んでいてもよい。清掃動作は、強弱調整の指定、掃き又は拭きの指定、等が例示される。制御情報を受信した清掃ロボット30は、設定された設定移動範囲において、設定情報に従い清掃を行う。生成された制御情報は、清掃ロボット30へ送信される。
【0026】
このような一連の処理によれば、管理装置20は、区画内の人の移動状況に応じた効率的な清掃動作を清掃ロボット30に行わせることができる。また、人位置検知装置10に含まれる各装置の検知精度を把握した上で移動範囲が設定されるので、より柔軟で意図的な清掃範囲設定が可能となる。
【0027】
2.移動体管理システム100の構成例
図3は、移動体管理システム100の構成の一例を示すブロック図である。移動体管理システム100は、人位置検知装置10と、管理装置20と、清掃ロボット30と、を備える。人位置検知装置10は、上述した1又は複数の高精度測位装置12と、1又は複数の人感センサ14と、1又は複数のカードリーダ16と、を含む。
【0028】
管理装置20は、コンピュータとしての処理装置の機能を備える。典型的には、管理装置20は、少なくとも1つのプロセッサ40と少なくとも1つの記憶装置50とを備えている。記憶装置50としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、等が例示される。記憶装置50には、プロセッサ40で実行可能な少なくとも1つのプログラム60とそれに関連する種々のデータ70とが記憶されている。プロセッサ40は、プログラム60を実行する。プログラム60は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。
【0029】
データ70は各種情報を含む。
図4は、記憶装置に格納されているデータの各種情報の一例である。データ70は、基本地図情報71と、機器情報72と、分割後地図情報73と、検知情報74と、移動範囲情報75と、ロボット機能情報76と、を含む。
【0030】
基本地図情報71は、管理対象の建物の区画内の地図情報である。機器情報72は、区画内に配置されている人位置検知装置10に含まれる高精度測位装置12、人感センサ14、及びカードリーダ16の検知精度と、それぞれの位置情報を含む。
図1に示す例において、高精度測位装置12の検知精度は、第一管理エリアR1を1m四方のメッシュに分割したときの一区画である。人感センサ14の検知精度は、当該センサの検知範囲である。カードリーダ16の検知精度は、第三管理エリアR3の範囲である。
【0031】
分割後地図情報73は、分割後地図生成処理によって生成された地図情報である。検知情報74は、人位置検知装置10から受信した検知情報を随時格納した情報である。移動範囲情報75は、移動範囲設定処理によって設定された移動範囲の情報である。ロボット機能情報76は、清掃ロボット30の清掃機能及び走行機能に関する情報である。清掃機能の情報は、強弱調整の指定、拭き指定、掃き指定等、指定可能な清掃動作の情報を含む。走行機能の情報は、指定可能な清掃ロボット30の走行動作の情報を含む。
【0032】
プロセッサ40がプログラム60を実行することにより、プロセッサ40による各種処理が実現される。
図5は、管理装置のプロセッサがプログラムを実行することによって実現される機能を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、プロセッサ40は、人位置検知装置10及び清掃ロボット30との通信を行うための通信部41と、分割後地図生成処理を行うための生成部42と、移動範囲設定処理を行うための移動範囲設定部43と、制御情報生成処理を行うための制御部44と、を備える。以下、
図1も参照しながら、管理装置20が清掃ロボット30を動作制御して区画内を清掃させる場合を例に、プロセッサ40の機能について説明する。
【0033】
通信部41は、通信ネットワークを介してデータの送受信を行い、受信したデータを記憶装置50に格納する機能を有する機能ブロックである。典型的には、通信部41は、人位置検知装置10から検知情報を受信し、記憶装置50に格納する。また、通信部41は、制御情報を通信ネットワーク8を介して清掃ロボット30へと送信する。
【0034】
生成部42は、分割後地図生成処理を行うための機能ブロックである。
図6は、生成部42によって実行される分割後地図生成処理のルーチンを示すフローチャートである。
図6に示すルーチンのステップS10では、生成部42は、人位置検知装置10から受信した検知情報に含まれる各装置の検知精度を取得する。そして、ステップS12では、生成部42は、取得した各装置の検知精度に基づいて、区画内の基本地図に単位検知領域の情報を重ねた分割後地図の情報を生成する。
図1には、このようにして生成された分割後地図が図示されている。
図1に示す例では、区画内の第一管理エリアR1が1m四方のメッシュ状の単位検知領域に区画され、第二管理エリアR2内の人感センサ14による各検知範囲が単位検知領域とされ、各第三管理エリアR3の全域がそれぞれ単位検知領域とされている。次のステップS14では、生成部42は、生成した分割後地図を分割後地図情報73として記憶装置50のデータ70の領域に格納する。
【0035】
移動範囲設定部43は、移動範囲設定処理を行うための機能ブロックである。移動範囲設定処理では、検知情報に基づいて、分割後地図の複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を清掃ロボット30の移動範囲として設定する。
【0036】
図7は、移動範囲設定部43において実行される移動範囲設定処理の第一実施例のルーチンを示すフローチャートである。移動範囲設定処理の第一実施例は、人がいない領域を管理装置20が自動で移動範囲に設定するためのルーチンである。
図7に示すルーチンのステップS120では、記憶装置50に格納されている検知情報の中から、直近の検知情報が読み出される。ステップS122では、移動範囲設定部43は、分割後地図情報73の複数の単位検知領域のうち、直近の検知情報において人を検知していない単位検知領域を抽出し、移動範囲に設定する。
【0037】
図8は、移動範囲設定部43において実行される移動範囲設定処理の第二実施例のルーチンを示すフローチャートである。移動範囲設定処理の第二実施例は、人が通行した領域を管理装置20が自動で移動範囲に設定するためのルーチンである。
図8に示すルーチンのステップS130では、記憶装置50に格納されている検知情報の中から、未清掃期間の検知情報が読み出される。ここでの未清掃期間は、清掃ロボット30による前回の清掃動作後から現在までの期間を示している。ステップS132では、移動範囲設定部43は、分割後地図情報73の複数の単位検知領域のそれぞれにおいて、未清掃期間の検知情報において人を検知した人検知回数を算出する。ステップS134では、分割後地図情報73の各単位検知領域のうち、算出した人検知回数が閾値よりも大きい単位検知領域を抽出し、移動範囲に設定する。
【0038】
図9は、移動範囲設定部43において実行される移動範囲設定処理の第三実施例のルーチンを示すフローチャートである。移動範囲設定処理の第三実施例は、管理者が手動で移動範囲に設定するためのルーチンである。
図9に示すルーチンのステップS140では、移動範囲設定部43は、記憶装置50に格納されている検知情報を管理者に出力する。出力内容及び出力形態に限定はない。例えば、移動範囲設定部43は、直近の検知情報において人を検知していない単位検知領域を抽出し、分割後地図上に表現する。或いは、移動範囲設定部43は、分割後地図情報73の複数の単位検知領域のそれぞれにおいて、未清掃期間の検知情報において人を検知した人検知回数を算出し、算出した人検知回数を分割後地図上に表現する。或いは、移動範囲設定部43は、算出した人検知回数が閾値を超える単位検知領域を抽出し、分割後地図上に表現する。なお、移動範囲設定部43による管理者への出力形態に限定はない。
【0039】
ステップS142では、移動範囲設定部43は、清掃動作を行う単位検知領域の指定を管理者から受け付ける。管理者による入力形態に限定はない。ステップS144では、移動範囲設定部43は、管理者によって指定された単位検知領域を移動範囲に設定する。
【0040】
再び
図5の説明に戻り、制御部44は、制御情報生成処理を行うための機能ブロックである。制御情報生成処理において、制御部44は、移動範囲設定部43によって設定された移動範囲を含む制御情報を生成する。制御情報は、清掃ロボット30の清掃動作に関する設定情報を含んでいてもよい。清掃動作は、強弱調整の指定、掃き又は拭きの指定、等が例示される。生成された制御情報は、通信部41によって清掃ロボット30へ送信される。
【0041】
3.移動体管理システムによる清掃ロボットの動作制御の具体的な運用例
次に、移動体管理システム100による清掃ロボット30の動作制御の運用例について、フローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0042】
図10は、移動体管理システム100において実行されるルーチンのフローチャートである。
図10に示すルーチンは、例えば清掃対象の建物の管理者が清掃ロボット30により清掃動作を要求する指令を移動体管理システム100に対して入力した際に実行される。なお、
図10に示すルーチンの処理は、移動体としての清掃ロボット30の管理方法を表してもいる。
【0043】
ステップS100では、プロセッサ40は、分割後地図を生成する。ここでは、具体的には、生成部42において分割後地図生成処理が実行される。生成された分割後地図は、分割後地図情報73として記憶装置50のデータ70の領域に格納される。
【0044】
ステップS200では、プロセッサ40は、清掃ロボット30の移動範囲を設定する。ここでは、具体的には、移動範囲設定部43において移動範囲設定処理が実行される。ステップS200の処理が行われると、処理はステップS300に進む。
【0045】
ステップS300では、プロセッサ40は、移動範囲設定処理によって設定された移動範囲に基づいて、清掃ロボット30を動作させる。ここでは、具体的には、制御部44において制御情報生成処理が実行される。生成された制御情報は、通信部41により清掃ロボット30へ送信される。清掃ロボット30は、受信した制御情報に基づいて、移動範囲内の清掃動作を行う。
【0046】
以上説明した移動体管理システム100によれば、区画内の人の移動状況に応じた効率的な清掃動作を清掃ロボット30に行わせることができる。また、人位置検知装置10に含まれる各装置の検知精度を把握した上で移動範囲が設定されるので、より柔軟で意図的な清掃範囲設定が可能となる。その結果、清掃ロボット30の無駄な動作を減らすことができるので、バッテリーの消費を削減できる。
【0047】
4.変形例
実施の形態の移動体管理システム100は、以下のように変形した態様を適用してもよい。
【0048】
4-1.人位置検知装置10
移動体管理システム100において、人位置検知装置10は、高精度測位装置12、人感センサ14、及びカードリーダ16に限られない。すなわち、人位置検知装置10は、非接触で人の位置を検知するのであれば、他の検知方式に基づくセンサを含んでいてもよい。例えば、人感センサ14は赤外線センサに限らない。すなわち、人感センサ14は、高精度測位装置12の単位検知領域より広い検知範囲を有するセンサとして機能するのであれば、例えば、超音波センサ、サーモセンサ、重量センサ、カメラ、音声マイク等を採用することができる。
【0049】
また、人位置検知装置10に含まれる高精度測位装置12は、近距離無線通信としてUWBを用いた装置に限らない。すなわち、高精度測位装置12は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を利用したビーコン装置、又はRFIDを用いた装置でもよい。
【0050】
4-2.移動体
移動体管理システム100が備える移動体は、清掃ロボット30に限らない。すなわち、移動体は、特定機能として例えば案内機能を備えた案内ロボットでもよい。
【0051】
4-3.管理装置20における移動範囲設定処理
移動範囲設定処理の第二実施例では、区画内の人の通行の程度を表す指標として、人位置検知装置10が未清掃期間において検知した人検知回数を用いた。しかしながら、ここでの移動範囲設定処理において使用可能な指標はこれに限らず、人の通行の頻度を表す他の指標値と閾値を比較する構成でもよい。このような指標値としては、例えば、各単位検知領域における人の滞在時間、単位時間当たりの通行回数、等が例示される。
【0052】
4-4.管理装置20の機能配置
管理装置20のプロセッサ40によって実行される機能の一部は又は全部は、清掃ロボット30に配置されていてもよい。
【0053】
4-5.管理装置20のハードウェア資源
図11は、管理装置20のハードウェア資源の変形例を示す図である。
図11に示す例では、管理装置20は、例えばプロセッサ40、記憶装置50、及び専用ハードウェア402を含む処理回路404を備える。
図11は、管理装置20が有する機能の一部を専用ハードウェア402によって実現する例を示す。管理装置20が有する機能の全部を専用ハードウェア402によって実現しても良い。専用ハードウェア402として、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらの組み合わせを採用できる。
【0054】
5.その他
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、本開示は上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0055】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0056】
(付記1)
区画内を自律移動可能な移動体と、前記区画内の異なる管理エリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置と、前記複数の測位装置により検知された検知情報に基づいて、前記移動体の動作制御を行う管理装置と、を備える移動体管理システムであって、
前記区画内の基本地図及び前記複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、前記区画内の異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成する生成部と、
前記検知情報に基づいて、前記分割後地図の前記複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を前記移動体の移動範囲として設定する移動範囲設定部と、
設定された前記移動範囲において前記移動体を動作させる制御部と、
を備える移動体管理システム。
(付記2)
前記移動体は、清掃機能を備えた清掃ロボットであり、
前記制御部は、設定された前記移動範囲において前記清掃ロボットに清掃動作をさせるように構成される付記1に記載の移動体管理システム。
(付記3)
前記複数の測位装置は、
前記区画内の第一管理エリアに配置され、前記第一管理エリアの人の位置を検知する第一測位装置と、
前記区画内の第二管理エリアに配置され、前記第二管理エリアの人の位置を検知する第二測位装置と、を含み、
前記第一測位装置の検知精度は、前記第二測位装置の検知精度よりも高く、
前記生成部は、
前記第一管理エリアの前記単位検知領域が、前記第二管理エリアの前記単位検知領域よりも小さくなるように前記区画内を分割する
付記1又は付記2に記載の移動体管理システム。
(付記4)
前記第一測位装置は、前記第一管理エリアをメッシュ状の複数の小領域に分割し、近距離無線通信を用いて、分割された前記複数の小領域のそれぞれにおいて人の有無を検知するように構成され、
前記生成部は、前記複数の小領域のそれぞれが前記単位検知領域となるように、前記第一管理エリア内を分割する
付記3に記載の移動体管理システム。
(付記5)
前記第二測位装置は、前記第二管理エリア内における検知範囲の人の有無を検知する人感センサであり、
前記生成部は、前記検知範囲が前記単位検知領域となるように、前記第二管理エリア内を分割する
付記3又は付記4に記載の移動体管理システム。
(付記6)
前記複数の測位装置は、
カードリーダの認証情報を用いて、前記区画内において隔絶された第三管理エリアのへの人の入室を検知する第三測位装置を更に備え、
前記第三測位装置の検知精度は、前記第二測位装置の検知精度よりも低く、
前記生成部は、
前記第三管理エリアの前記単位検知領域が、前記第二管理エリアの前記単位検知領域よりも大きくなるように前記区画内を分割する
付記3又は付記4に記載の移動体管理システム。
(付記7)
前記移動範囲設定部は、
前記検知情報を管理者に出力し、前記管理者から受け付けた単位検知領域を前記移動範囲として設定する
付記1から付記6の何れか1項に記載の移動体管理システム。
(付記8)
前記移動範囲設定部は、前記複数の単位検知領域のうち、前記移動体の前回の動作以降の期間において、前記複数の測位装置が人を検知しなかった単位検知領域を前記移動範囲として設定する
付記1から付記6の何れか1項に記載の移動体管理システム。
(付記9)
前記移動範囲設定部は、前記複数の単位検知領域のうち、前記移動体の前回の動作以降の期間において、前記複数の測位装置が人を検知した頻度が閾値よりも高い単位検知領域を前記移動範囲として設定する
付記1から付記6の何れか1項に記載の移動体管理システム。
(付記10)
区画内の異なる管理エリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置から検知情報を取得する通信部と、
前記区画内の基本地図及び前記複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、前記区画内の異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成する生成部と、
前記検知情報に基づいて、前記分割後地図の前記複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を、前記区画内を自律移動可能な移動体の移動範囲として設定する移動範囲設定部と、
設定された前記移動範囲において前記移動体を動作させるための制御情報を生成する制御部と、
を備える管理装置。
(付記11)
区画内の異なる管理エリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置により検知された検知情報に基づいて、前記区画内を自律移動可能な移動体の動作制御を行う移動体管理方法であって、
前記区画内の基本地図及び前記複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、前記区画内の異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成するステップと、
前記検知情報に基づいて、前記分割後地図の前記複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を前記移動体の移動範囲として設定するステップと、
設定された前記移動範囲において前記移動体を動作させるステップと、
を備える移動体管理方法。
(付記12)
区画内の異なる管理エリアに配置され、人の位置を検知する際の検知精度が異なる複数の測位装置により検知された検知情報に基づいて、前記区画内を自律移動可能な移動体の動作制御を行うことをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記プログラムは、
前記区画内の基本地図及び前記複数の測位装置のそれぞれの検知精度に基づいて、前記区画内の異なる管理エリアのそれぞれの少なくとも一部を複数の単位検知領域に分割した分割後地図を生成し、
前記検知情報に基づいて、前記分割後地図の前記複数の単位検知領域から1又は複数の単位検知領域を前記移動体の移動範囲として設定し、
設定された前記移動範囲において前記移動体を動作させる
ことをコンピュータに実行させる
ように構成されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0057】
8 通信ネットワーク、 10 人位置検知装置、 12 高精度測位装置、 14 人感センサ、 16 カードリーダ、 20 管理装置、 30 清掃ロボット、 40 プロセッサ、 41 通信部、 42 生成部、 402 専用ハードウェア、 43 移動範囲設定部、 44 制御部、 404 処理回路、 50 記憶装置、 60 プログラム、 70 データ、 71 基本地図情報、 72 機器情報、 73 分割後地図情報、 74 検知情報、 75 移動範囲情報、 76 ロボット機能情報、 100 移動体管理システム