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特開2024-67389制御システム、移動体、制御方法および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067389
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】制御システム、移動体、制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20240510BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20240510BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
F25D11/00 101D
F25B49/02 520M
F25D29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177431
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】丸田 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 慈洋
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045AA05
3L045BA02
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045LA17
3L045LA18
3L045MA00
3L045MA04
3L045MA09
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】冷媒の漏洩を確実に検知可能な制御システム、移動体、制御方法および制御プログラムを提供する。
【解決手段】移動体に設けられ、移動体の荷室内を冷却する冷凍機に対して適用される制御システム50であって、冷凍機の蒸発器が設けられた荷室に設置され、冷媒ガスを含むガスの漏洩を検知する冷媒センサのガス検知値を取得するガス検知部51と、冷凍機に設けられ、蒸発器の出口側の冷媒の低圧圧力を検知する低圧圧力センサ及び冷凍機の圧縮機の出口側の冷媒の高圧圧力を検知する高圧圧力センサ、及び蒸発器の出口温度を検知する蒸発器出口温度センサのうちいずれか2つの運転状態検知値を取得する運転状態検知部52と、ガス検知値および運転状態検知値に基づき荷室内への漏洩媒体が冷媒ガスであるか否かを判定する判定部53と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設けられ、該移動体の荷室内を冷却する冷凍機に対して適用される制御システムであって、
前記冷凍機の蒸発器が設けられた前記荷室に設置され、冷媒ガスを含むガスの漏洩を検知する冷媒センサのガス検知値を取得するガス検知部と、
前記冷凍機に設けられ、前記蒸発器の出口側の冷媒の低圧圧力を検知する低圧圧力センサ及び前記冷凍機の圧縮機の出口側の冷媒の高圧圧力を検知する高圧圧力センサ、及び前記蒸発器の出口温度を検知する蒸発器出口温度センサのうちいずれか2つの運転状態検知値を取得する運転状態検知部と、
前記ガス検知値および前記運転状態検知値に基づき前記荷室内への漏洩媒体が前記冷媒ガスであるか否かを判定する判定部と、
を備える制御システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記冷媒ガスが前記荷室の外へ漏洩しているか否かを判定する請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記荷室への前記漏洩媒体がエチレンガスを含む雑ガスであるか否かを判定する請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記冷媒センサは、前記冷凍機内部の前記蒸発器近傍に設けられている請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記冷媒センサは、前記冷凍機外部の前記荷室の下方に設けられている請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
前記判定部は、前記荷室の外気温の変化に応じて前記低圧圧力および/または前記高圧圧力に基づく判定を行う請求項1に記載の制御システム。
【請求項7】
荷室と、
前記荷室に対して設けられた冷凍機と、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の制御システムと、
を備える移動体。
【請求項8】
移動体に設けられ、該移動体の荷室内を冷却する冷凍機に対して適用される制御方法であって、
前記冷凍機の蒸発器が設けられた前記荷室に設置され、冷媒を検知する冷媒センサの冷媒検知値を取得する冷媒検知工程と、
前記冷凍機に設けられ、前記蒸発器の出口側の冷媒の低圧圧力を検知する低圧圧力センサ及び前記冷凍機の圧縮機の出口側の冷媒の高圧圧力を検知する高圧圧力センサ、及び前記蒸発器の出口温度を検知する蒸発器出口温度センサのうちいずれか2つの運転状態検知値を取得する運転状態検知工程と、
前記冷媒検知値および前記運転状態検知値に基づき前記荷室への漏洩媒体が冷媒ガスであるか否かを判定する判定工程と、
を前記冷凍機に搭載されたコンピュータが実行する制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の制御方法を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システム、移動体、制御方法および制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷凍機、特に輸送用冷凍機において、低GWP化(GWP:Global Warming Potential、地球温暖化係数)を実現するため、燃焼性(微燃性)のある冷媒を使用することがある。輸送用冷凍機は、機密性の高い荷室(保冷庫)の冷却を行っており、荷室内に冷媒が漏洩すると冷媒の燃焼につながるおそれがあるため、冷媒の漏洩を適切に検知する必要がある。特許文献1には、高圧配管近傍に設置された冷媒漏れ検知手段、冷蔵室及び冷凍室に設置された冷媒漏れ検知手段のいずれかが冷媒の漏洩を検知することが開示されている。また、冷媒漏れ検知手段に代えて、蒸発器の入口配管の温度センサまたは蒸発器の入口配管の圧力センサを用いて冷媒の漏洩を検知することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-116419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の発明では、冷媒以外の他のガスが発生した場合についての検討がなされていない。冷媒センサのみで冷媒の漏洩を検知するには、高精度な冷媒センサにより実現可能であるが、非常に高価なセンサが必要である。コストの低い冷媒センサの場合は、冷媒ガスとその他のガスとを区別できないため、その他のガスを誤検知することとなる。また、蒸発器の入口配管の温度センサ及び蒸発器の入口配管の圧力センサを用いて、冷媒の漏洩が荷室の内と外のどちらで発生しているかを区別することは困難である。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、冷媒の漏洩を確実に検知可能な制御システム、移動体、制御方法および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の制御システム、移動体、制御方法および制御プログラムは以下の手段を採用する。
本開示の幾つかの実施形態における制御システムは、移動体に設けられ、該移動体の荷室内を冷却する冷凍機に対して適用される制御システムであって、前記冷凍機の蒸発器が設けられた前記荷室に設置され、冷媒ガスを含むガスの漏洩を検知する冷媒センサのガス検知値を取得するガス検知部と、前記冷凍機に設けられ、前記蒸発器の出口側の冷媒の低圧圧力を検知する低圧圧力センサ及び前記冷凍機の圧縮機の出口側の冷媒の高圧圧力を検知する高圧圧力センサ、及び前記蒸発器の出口温度を検知する蒸発器出口温度センサのうちいずれか2つの運転状態検知値を取得する運転状態検知部と、前記ガス検知値および前記運転状態検知値に基づき前記荷室内への漏洩媒体が冷媒ガスであるか否かを判定する判定部と、を備える。
【0007】
本開示の幾つかの実施形態における移動体は、荷室と、前記荷室に対して設けられた冷凍機と、上述の制御システムと、を備える。
【0008】
本開示の幾つかの実施形態における制御方法は、移動体に設けられ、該移動体の荷室内を冷却する冷凍機に対して適用される制御方法であって、前記冷凍機の蒸発器が設けられた前記荷室に設置され、冷媒を検知する冷媒センサの冷媒検知値を取得する冷媒検知工程と、前記冷凍機に設けられ、前記蒸発器の出口側の冷媒の低圧圧力を検知する低圧圧力センサ及び前記冷凍機の圧縮機の出口側の冷媒の高圧圧力を検知する高圧圧力センサ、及び前記蒸発器の出口温度を検知する蒸発器出口温度センサのうちいずれか2つの運転状態検知値を取得する運転状態検知工程と、前記冷媒検知値および前記運転状態検知値に基づき前記荷室への漏洩媒体が冷媒ガスであるか否かを判定する判定工程と、を前記冷凍機に搭載されたコンピュータが実行する。
【0009】
本開示の幾つかの実施形態における制御プログラムは、コンピュータに、上述の制御方法を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、確実に冷媒の漏洩を検知し、冷凍機の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態に係るトラックの概略構成を示す斜視図である。
図2】本開示の一実施形態に係る冷凍機の冷媒回路の一例を示す図である。
図3】本開示の一実施形態に係る制御システムのハードウェア構成の一例を示した図である。
図4】本開示の一実施形態に係る制御システムが備える機能を示した機能ブロック図である。
図5】本開示の一実施形態に係る冷媒過熱度と冷媒量との関係および低圧圧力と冷媒量との関係を示す図である。
図6】本開示の一実施形態に係る冷媒過熱度と冷媒量との関係および高圧圧力と冷媒量との関係を示す図である。
図7】本開示の一実施形態に係る低圧圧力と冷媒量との関係および高圧圧力と冷媒量との関係を示す図である。
図8】本開示の一実施形態に係るガス検知値と運転状態検知値に基づく判定を示す図である。
図9】本開示の一実施形態に係る制御システムの制御フローである。
図10】本開示の一実施形態に係る制御システムの制御フローである。
図11】本開示の一実施形態に係る冷媒センサ設置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本開示に係る制御システム及び移動体、並びに制御方法、並びに制御プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態に係るトラック1の概略構成を示す図(斜視図)である。本実施形態では、移動体として車両であるトラック1を例示して説明するが、移動体であればトラック1に限定されない。図1に示すように、トラック1は、運転室の後方に荷室2を有している。荷室2は、箱形とされ、内部に荷物を積むことができ、冷凍機によって温度管理が可能となっている。本実施形態では、トラック1の荷室2は、領域5Aと領域5Bとに区分けされており、それぞれの領域に荷物を積むことが可能とされている。また、それぞれの領域で温度管理が可能である。領域については、本実施形態のように2つではなく3以上の領域に分かれていてもよく、また1つの領域であるとしてもよい。
【0014】
トラック1には、コンデンサユニット(凝縮部)3と、領域5Aのエバポレータユニット(蒸発部)4Aと、領域5Bのエバポレータユニット(蒸発部)4Bとが搭載されている。エバポレータユニット4A及び4Bは、それぞれ荷室2内、特に荷室2内の上部に設けられている。トラック1の運転室には、キャビンコントローラ6が設けられており、領域5A及び領域5Bの冷凍状態を操作可能となっている。冷凍機には、後述する制御システム50が備えられている。
【0015】
トラック1には、バッテリ8が搭載されていてもよい。バッテリ8は例えばコネクタユニット9を介して、蓄電又は放電が可能とされていてもよい。バッテリ8は、例えば、Li-ionや、Ni-MH、キャパシタ、鉛蓄電池などを採用することができる。バッテリ8は、トラック1側に設けられていても、冷凍機側に設けられていても、その他の車両取付品に設けられていてもよい。
【0016】
トラック1には、オルタネータ7等の発電が可能な機器が搭載されていてもよい。
【0017】
図2は、トラック1に搭載される冷凍機の冷媒回路10の一例を示す図である。図2の冷媒回路10はあくまでも一例であり、他の構成の冷媒回路10をトラック1に搭載することとしてもよい。
【0018】
図2に示すように、コンデンサユニット3に対して、2つのエバポレータユニット4A及び4Bが接続されている。
【0019】
コンデンサユニット3では、圧縮機11により圧縮された高温高圧の冷媒が弁SV4を介して凝縮器13へ供給される。凝縮器13では、ファン14により流れる空気と熱交換して、冷媒が熱を放出して凝縮する。そして、冷媒は、レシーバ15とドライヤ16を介して、P1で分岐する。P1で分岐した一方の冷媒は、弁SV1-Aを介して領域5Aに対して設置されたエバポレータユニット4Aへ供給される。エバポレータユニット4Aでは、膨張弁EV-Aで冷媒を膨張させて低温低圧とする。そして、冷媒は蒸発器21Aへ供給される。蒸発器21Aでは、ファン23Aにより流れる空気と熱交換して、冷媒が熱を吸収して蒸発する。これによって、領域5A内の空気が冷却される。蒸発された冷媒は、チェックバルブ26を介して領域5Bのエバポレータユニット4Bからの冷媒とP2で合流し、アキュムレータ20を介して圧縮機11へ流れ込む。
【0020】
一方で、P1で分岐した他方の冷媒は、弁SV1-Bを介して領域5Bに対して設置されたエバポレータユニット4Bへ供給される。エバポレータユニット4Bでは、膨張弁EV-Bで冷媒を膨張させて低温低圧とする。そして、冷媒は蒸発器21Bへ供給される。蒸発器21Bでは、ファン23Bにより流れる空気と熱交換して、冷媒が熱を吸収して蒸発する。これによって、領域5B内の空気が冷却される。蒸発された冷媒は、チェックバルブ27を介して領域5Aのエバポレータユニット4Aからの冷媒とP2で合流し、アキュムレータ20を介して圧縮機11へ流れ込む。
このようにして、冷凍サイクルが構成され、荷室2の空気の冷却が行われる。
【0021】
図2に示すように、P1の上流側と、P2の下流側とをバイパスするライン及び該ラインに設けられた弁SV5が配置されることとしてもよい。また、圧縮機11で圧縮された高温高圧の冷媒の一部を用いた、エバポレータユニットのドレンパンヒータを配置してもよい。具体的には、圧縮機11で圧縮された高温高圧の冷媒の一部をラインHDに流し、P3で分岐させる。そして、P3で分岐した一方の冷媒は、弁SV2-Aを介して領域5Aのエバポレータユニット4Aのドレンパンヒータへ供給する。ドレンパンヒータは、ドレンパンを加熱する。その後は、冷媒は、蒸発器21Aの上流側へ供給される。P3で分岐した他方の冷媒は、弁SV2-Bを介して領域5Bのエバポレータユニット4Bのドレンパンヒータへ供給する。その後は、冷媒は、蒸発器21Bの上流側へ供給される。
【0022】
エバポレータユニット4Aの蒸発器21Aの近傍には、冷媒センサ31Aが設置される。同様に、エバポレータユニット4Bの蒸発器21Bの近傍には、冷媒センサ31Bが設置される。冷媒センサ31A及び31Bは、冷媒ガスを含むガスの漏洩を検知するセンサである。
【0023】
エバポレータユニット4Aの蒸発器21Aの冷媒流れ出口側には、蒸発器出口温度センサ32Aが設置される。同様に、エバポレータユニット4Bの蒸発器21Bの冷媒流れ出口側には、蒸発器出口温度センサ32Bが設置される。蒸発器出口温度センサ32A及び32Bは、蒸発器21Aまたは21Bの出口側の冷媒温度を検知する。
【0024】
コンデンサユニット3の圧縮機11の冷媒流れ入口側には、低圧圧力センサ33が設置される。また圧縮機11の冷媒流れ出口側には、高圧圧力センサ34が設置される。低圧圧力センサ33は、蒸発器21A及び21Bの出口側の冷媒の低圧圧力を検知する。高圧圧力センサ34は、圧縮機11の出口側の圧縮機11で圧縮された後の冷媒の高圧圧力を検知する。本実施形態では、蒸発器出口温度センサ32A及び32B、低圧圧力センサ33、高圧圧力センサ34を総称して運転点センサとする。
【0025】
コンデンサユニット3の凝縮器13の近傍には、外気温センサ35が設置される。外気温センサ35は、荷室2の外気温を検知する。外気温センサ35の設置位置については、荷室2の外側であり安定して外気温を検知できる位置であれば、トラック1のいずれの位置に設置されるとしてもよい。
【0026】
図3は、本開示の幾つかの実施形態における制御システムのハードウェア構成の一例を示した図である。
図3に示すように、制御システム50は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)1100、二次記憶装置(ROM、Secondary storage:メモリ)1200、主記憶装置(RAM、Main Memory)1300、ネットワーク等に接続するための通信部1500とを備えている。これら各部は、バス1800を介して接続されている。本実施形態では、制御システム50は、冷凍機に設けられているものとする。
【0027】
CPU1100は、例えば、バス1800を介して接続された二次記憶装置1200に格納されたOS(Operating System)により制御システム50全体の制御を行うとともに、二次記憶装置1200に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。CPU1100は、1つ又は複数設けられており、互いに協働して処理を実現してもよい。
【0028】
主記憶装置1300は、例えば、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU1100の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
【0029】
二次記憶装置1200は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体(non-transitory computer readable storage medium)である。二次記憶装置1200は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどである。二次記憶装置1200の一例として、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)フラッシュメモリなどが挙げられる。二次記憶装置1200は、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の情報処理装置全体の制御を行うためのOS、BIOS(Basic Input/Output System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア、及び各種データやファイル等を格納する。また、二次記憶装置1200には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。二次記憶装置1200は、複数設けられていてもよく、各二次記憶装置1200に上述したようなプログラムやデータが分割されて格納されていてもよい。
【0030】
図4は、本開示の幾つかの実施形態における制御システムの機能の一例を示した図である。
【0031】
図4に示すように、制御システム50は、ガス検知部51と、運転状態検知部52と、判定部53と、を備えている。また制御システム50には、キャビンコントローラ6に設けられた出力装置60が接続されている。特に制御システム50は、冷凍機の冷媒が漏洩しているか否かを検知する。
【0032】
制御システム50が備える機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で二次記憶装置1200(図3参照)などに記憶されており、このプログラムをCPU(プロセッサ)1100(図3参照)が主記憶装置1300(図3参照)に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、二次記憶装置1200に予めインストールされている形態や、他の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一例として、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどが挙げられる。
【0033】
図4に示されるガス検知部51は、冷媒センサ31A及び31Bから冷媒ガスを含むガスの漏洩を検知するガス検知値を取得する。冷媒センサ31A及び31Bがコストの低いセンサである場合、冷媒ガス以外の雑ガスなどの他のガスを検知することがある。荷室2に積載される荷物の中には、青果物など冷媒センサに反応するエチレンなどのガスを発生させるものがある。このように、荷物から発生するガスを総称して雑ガスとする。雑ガスのみを検知するセンサも存在するが、非常に高価なセンサであり、また光学系センサであることから振動に弱く、輸送用冷凍機には適していない。
【0034】
運転状態検知部52は、領域5Aの冷媒漏洩を検知する場合、運転点センサである低圧圧力センサ33と、高圧圧力センサ34と、蒸発器出口温度センサ32Aと、のうち、いずれか2つのセンサから運転状態検知値を取得する。蒸発器出口温度センサ32Aに代えて、蒸発器出口温度センサ32Bを用いることで、領域5Bの冷媒漏洩を検知することができる。低圧圧力センサ33の運転状態検知値は、冷媒の低圧圧力である。高圧圧力センサ34の運転状態検知値は、冷媒の高圧圧力である。蒸発器出口温度センサ32Aの運転状態検知値は、蒸発器21Aの冷媒流れ出口側の冷媒温度であり、蒸発器出口温度センサ32Bの運転状態検知値は、蒸発器21Bの冷媒流れ出口側の冷媒温度である。
【0035】
運転状態検知部52は、低圧圧力から冷媒の飽和温度を算出し、飽和温度と蒸発器出口温度との差分から冷媒過熱度を算出する。
【0036】
判定部53は、ガス検知部51が取得したガス検知値と、運転状態検知部52が取得した運転状態検知値とを用い、ガス検知値及び運転状態検知値に基づき荷室2内へ漏洩した媒体が冷媒ガスであるか否かについて判定を行う。
【0037】
キャビンコントローラ6に設けられた出力装置60は、制御システム50による冷凍機の冷媒の漏洩の判定結果を出力する。出力装置60は、ユーザに判定結果を通知可能な形態であればよく、ディスプレイ、スピーカー、ランプなどその出力形態は問わない。
【0038】
判定部53は、運転状態検知部52が取得した運転状態検知値の種類によって、冷凍機の運転状態を判定する。
〔蒸発器出口温度および低圧圧力を用いた判定〕
判定部53は、運転状態検知部52が取得した運転状態検知値である低圧圧力及び蒸発器出口温度から算出した冷媒過熱度を用いる。判定部53は、冷媒過熱度が上昇し所定の過熱度閾値を上回る場合であって、かつ低圧圧力が低下し所定の低圧閾値を下回る場合、冷媒が漏洩していると判定する。
【0039】
図5には、本開示の一実施形態に係る冷媒過熱度と冷媒量との関係および低圧圧力と冷媒量との関係が示されている。
図5の冷媒過熱度のグラフの縦軸は温度、横軸は冷媒量を示す。また低圧圧力のグラフの縦軸は圧力、横軸は冷媒量を示す。図5に示されるように、冷媒過熱度は冷媒量がある一定の量以下となると上昇する。また低圧圧力は冷媒量がある一定の量以下となると低下する。冷媒過熱度は、前述したように低圧圧力から冷媒の飽和温度を算出し、飽和温度と蒸発器出口温度との差分から算出されることから、圧力が下がると飽和温度が下がり、蒸発器出口温度が一定であれば冷媒過熱度は上昇する。そこで、冷媒過熱度に過熱度閾値および低圧圧力に低圧閾値を設定し、冷媒過熱度が上昇し所定の過熱度閾値を上回る場合であって、かつ低圧圧力が低下し所定の低圧閾値を下回る場合、冷媒が漏洩していると判定する。
【0040】
〔蒸発器出口温度および高圧圧力を用いた判定〕
判定部53は、運転状態検知部52が取得した運転状態検知値である低圧圧力及び蒸発器出口温度から算出した冷媒過熱度を用いる。判定部53は、冷媒過熱度が上昇し所定の過熱度閾値を上回る場合であって、かつ高圧圧力が低下し所定の高圧閾値を下回る場合、冷媒が漏洩していると判定する。
【0041】
図6には、本開示の一実施形態に係る冷媒過熱度と冷媒量との関係および高圧圧力と冷媒量との関係が示されている。
【0042】
図6の冷媒過熱度のグラフの縦軸は温度、横軸は冷媒量を示す。また高圧圧力のグラフの縦軸は圧力、横軸は冷媒量を示す。図6に示されるように、冷媒過熱度は冷媒量がある一定の量以下となると上昇する。また高圧圧力は冷媒量がある一定の量以下となると低下する。冷媒過熱度は、前述したように低圧圧力から冷媒の飽和温度を算出し、飽和温度と蒸発器出口温度との差分から算出されることから、圧力が下がると飽和温度が下がり、蒸発器出口温度が一定であれば冷媒過熱度は上昇する。そこで、冷媒過熱度に過熱度閾値および高圧圧力に高圧閾値を設定し、冷媒過熱度が上昇し所定の過熱度閾値を上回る場合であって、かつ高圧圧力が低下し所定の高圧閾値を下回る場合、冷媒が漏洩していると判定する。
【0043】
〔低圧圧力および高圧圧力を用いた判定〕
判定部53は、運転状態検知部52が取得した運転状態検知値である低圧圧力及び高圧圧力を用いる。判定部53は、低圧圧力が低下し所定の低圧閾値を下回る場合であって、かつ高圧圧力が低下し所定の高圧閾値を下回る場合、冷媒が漏洩していると判定する。
【0044】
図7には、本開示の一実施形態に係る低圧圧力と冷媒量との関係および高圧圧力と冷媒量との関係が示されている。
図7の低圧圧力のグラフ及び高圧圧力のグラフの縦軸は圧力、横軸は冷媒量を示す。図7に示されるように、低圧圧力は冷媒量がある一定の量以下となると低下する。また高圧圧力は冷媒量がある一定の量以下となると低下する。そこで、低圧圧力に低圧閾値および高圧圧力に高圧閾値を設定し、低圧圧力が低下し所定の低圧閾値を下回る場合であって、かつ高圧圧力が低下し所定の高圧閾値を下回る場合、冷媒が漏洩していると判定する。
【0045】
低圧圧力が所定の低圧閾値を下回る場合のみを条件として冷媒が漏洩していると判定することも可能である。しかし、例えばエバポレータユニット4が着霜して熱交換できない場合にも低圧圧力が低下する場合があり、冷媒の漏洩と着霜との事象の切り分けが困難となる。そこで、高圧圧力の低下と組み合わせた判定とすることにより、事象を切り分けて冷媒の漏洩を判定することが可能である。
【0046】
図8は、本開示の一実施形態に係るガス検知値と運転状態検知値に基づく判定を示す図である。
判定部53は、ガス検知部51が取得したガス検知値と、上述した運転状態検知部52の取得した運転状態検知値とを用い、ガス検知値及び運転状態検知値に基づき図8に示される判定を用いて荷室2内へ漏洩した媒体が冷媒ガスであるか否かについて判定を行う。
【0047】
図8に示されるように、冷媒センサによるガス検知値が冷媒漏れを検知し、いずれかの運転点センサによる運転状態検知値が冷媒漏れを検知した場合は、荷室2内に冷媒漏れが発生したと判定する。荷室2内に冷媒漏れが発生した場合は、荷室2の換気および冷媒回路10の修理が必要となる。
【0048】
冷媒センサによるガス検知値が冷媒漏れを検知し、いずれかの運転点センサによる運転状態検知値が冷媒漏れを検知していない場合は、冷媒漏れが無いものの、冷媒センサが雑ガスを検知したとして、雑ガスの発生であると判定する。荷室2内に雑ガスが発生した場合は、雑ガスは可燃性であることから荷室2の換気が必要となる。
【0049】
冷媒センサによるガス検知値が冷媒漏れを検知せず、いずれかの運転点センサによる運転状態検知値が冷媒漏れを検知した場合は、荷室2内に冷媒漏れは無いものの、荷室2の外に冷媒漏れが発生したと判定する。荷室2外に冷媒漏れが発生した場合は、冷媒回路10の修理が必要となる。
【0050】
冷媒センサによるガス検知値が冷媒漏れを検知せず、またいずれかの運転点センサによる運転状態検知値が冷媒漏れを検知していない場合は、冷媒漏れは発生していないと判定する。この場合、対応は不要である。
【0051】
図9及び図10は、本開示の一実施形態に係る制御システムの制御フローを示す。
ステップS101において、ガス検知部51がガス検知値を取得する。
【0052】
ステップS102において、運転状態検知部52が運転状態検知値を取得する。
【0053】
ステップS103において、判定部53が、ガス検知値が所定の閾値を超えるかどうか判定する。ここで、所定の閾値とは、ガス検知値が冷媒の漏洩であると判定される閾値である。ガス検知値が所定の閾値を超える場合(S103のYES)、ステップS104に遷移する。ガス検知値が所定の閾値を超えない場合(S103のNO)は、図10のAに遷移する。
【0054】
ステップS104において、判定部53が、運転状態検知値が所定の閾値を超えるかどうか判定する。ここで、所定の閾値とは、各運転状態検知値の閾値であり、過熱度閾値、低圧閾値および高圧閾値のいずれかである。運転状態検知値が所定の閾値を超える場合(S104のYES)、ステップS105に遷移する。運転状態検知値が所定の閾値を超えない場合(S104のNO)は、ステップS106に遷移する。
【0055】
ステップS105では、荷室2内(庫内)に冷媒漏れが発生したと判定され、出力装置60に庫内冷媒漏れが発生したことが出力される(S107)。
【0056】
ステップS106では、荷室2内(庫内)に雑ガスが発生したと判定され、出力装置60に雑ガスが発生したことが出力される(S107)。
【0057】
ステップS103において、ガス検知値が所定の閾値を超えない場合(S103のNO)は、図10のAに遷移し、判定部53が、運転状態検知値が所定の閾値を超えるかどうか判定する(S108)。ステップS108において、運転状態検知値が所定の閾値を超える場合(S108のYES)、ステップS109に遷移する。運転状態検知値が所定の閾値を超えない場合(S108のNO)は、ステップS110に遷移する。
【0058】
ステップS109では、荷室2外(庫外)に冷媒漏れが発生したと判定され、図9のBに遷移し、出力装置60に庫外冷媒漏れが発生したことが出力される(S107)。
【0059】
ステップS110では、冷媒漏れが発生していないと判定される。
【0060】
判定部53は、さらに外気温センサ35から荷室2の外側である外気温を取得するとしてもよい。各運転状態検知値は、外気温の変化に応じて変化する。よって、外気温センサ35から取得した外気温の変化に応じて、各運転状態検知値の閾値を変化させるとしてもよい。
【0061】
本実施形態では、冷媒センサ31A及び31Bはエバポレータユニット4A及び4Bの蒸発器21A及び21Bの近傍に設置されるとしたが、荷室2内部の領域5A及び5Bの下方にそれぞれ設けられるとしてもよい。
【0062】
図11には、本開示の一実施形態に係る冷媒センサ設置の一例が示されている。図11では、荷室2が3つの領域5A、5B及び5Cに区分けされており、それぞれエバポレータユニット4A、4B及び4Cが設置されている。図11に示されるように、荷室2内部の3つに区分けされた領域5A、5B及び5Cのそれぞれ下方に、冷媒センサ31A、31B及び31Cが設置されていてもよい。
【0063】
冷媒ガスは空気よりも重く、漏洩した場合は荷室2の下方に溜まる傾向にあるところ、荷室2内部の領域5A、5B及び5Cの下方に設けられることにより、冷媒ガスを早期に検知することができる。
【0064】
〈付記〉
以上説明した実施形態に記載の制御システム、移動体、制御方法および制御プログラムは、例えば以下のように把握される。
【0065】
本開示の第1態様に係る制御システム(50)は、移動体(1)に設けられ、該移動体の荷室(2)内を冷却する冷凍機に対して適用される制御システムであって、前記冷凍機の蒸発器(21)が設けられた前記荷室に設置され、冷媒ガスを含むガスの漏洩を検知する冷媒センサ(31)のガス検知値を取得するガス検知部(51)と、前記冷凍機に設けられ、前記蒸発器の出口側の冷媒の低圧圧力を検知する低圧圧力センサ(33)及び前記冷凍機の圧縮機(11)の出口側の冷媒の高圧圧力を検知する高圧圧力センサ(34)、及び前記蒸発器の出口温度を検知する蒸発器出口温度センサ(32)のうちいずれか2つの運転状態検知値を取得する運転状態検知部(52)と、前記ガス検知値および前記運転状態検知値に基づき前記荷室内への漏洩媒体が冷媒ガスであるか否かを判定する判定部(53)と、を備える。
【0066】
冷媒ガスを含むガスの漏洩を検知する冷媒センサのガス検知値に加えて、低圧圧力センサ、高圧圧力センサ及び蒸発器出口温度センサのうちいずれか2つの運転状態検知値を用いて荷室への漏洩媒体が冷媒ガスであるか否かを判定し、確実に冷媒の漏洩を検知し、冷凍機の安全性を高めることができる。また、冷媒ガス以外の他のガスによる冷媒センサの検知と区別し、冷媒ガスの漏洩のみを検知することができる。よって、冷媒センサを用いた冷媒ガス以外の他のガスによる誤検知を抑止することができる。
【0067】
本開示の第2態様に係る制御システムは、前記第1態様において、前記判定部が、前記冷媒ガスが前記荷室の外へ漏洩しているか否かを判定するとしてもよい。
【0068】
ガス検知値および運転状態検知値に基づき、荷室内だけでなく荷室外への冷媒ガスの漏洩を検知することができ、冷凍機の安全性を高めることができる。またユーザが冷媒ガスの漏洩が荷室の内と外のいずれで発生しているかを判別することができ、ユーザは発生個所に応じた適切な対応を行うことができる。
【0069】
本開示の第3態様に係る制御システムは、前記第1態様または前記第2態様において、前記判定部が、前記荷室への前記漏洩媒体がエチレンガスを含む雑ガスであるか否かを判定するとしてもよい。
【0070】
安価な冷媒センサにより、冷媒ガス及びエチレンガスを含む雑ガスに反応を示す場合であっても、冷媒ガスと区別してエチレンガスを含む雑ガスが発生したことを検知することができる。よって、ユーザは漏洩媒体に応じた適切な対応を行うことができる。
【0071】
本開示の第4態様に係る制御システムは、前記第1態様から前記第3態様のいずれかにおいて、前記冷媒センサは、前記冷凍機内部の前記蒸発器近傍に設けられているとしてもよい。
【0072】
冷媒センサが冷凍機内部の蒸発器近傍に設けられることで、荷室の積載物に冷媒センサが干渉しないため、ユーザの作業性が確保され、また積載物の妨げになることが無い。
【0073】
本開示の第5態様に係る制御システムは、前記第1態様から前記第3態様のいずれかにおいて、前記冷媒センサは、前記冷凍機外部の前記荷室の下方に設けられているとしてもよい。
【0074】
冷媒ガスは空気よりも重いため、漏洩した場合は荷室の下方に溜まる傾向にある。冷媒センサが荷室の下方に設けられることにより、冷媒ガスを早期に検知することができる。
【0075】
本開示の第6態様に係る制御システムは、前記第1態様から前記第5態様のいずれかにおいて、前記判定部が、前記荷室の外気温の変化に応じて前記低圧圧力および/または前記高圧圧力に基づく判定を行うとしてもよい。
【0076】
冷媒は外気温の変化に応じて圧力が変化するが、これを考慮した上で低圧圧力および/または高圧圧力を検知することから、外気温が変化した場合でも適切な判定を行うことができる。
【0077】
本開示の第7態様に係る移動体は、荷室と、前記荷室に対して設けられた冷凍機と、前記第1態様から前記第6態様のいずれか1つの制御システムと、を備える。
【0078】
本開示の第8態様に係る制御方法(50)は、移動体に設けられ、該移動体の荷室内を冷却する冷凍機に対して適用される制御方法であって、前記冷凍機の蒸発器が設けられた前記荷室に設置され、冷媒を検知する冷媒センサの冷媒検知値を取得する冷媒検知工程と、前記冷凍機に設けられ、前記蒸発器の出口側の冷媒の低圧圧力を検知する低圧圧力センサ及び前記冷凍機の圧縮機の出口側の冷媒の高圧圧力を検知する高圧圧力センサ、及び前記蒸発器の出口温度を検知する蒸発器出口温度センサのうちいずれか2つの運転状態検知値を取得する運転状態検知工程と、前記冷媒検知値および前記運転状態検知値に基づき前記荷室への漏洩媒体が冷媒ガスであるか否かを判定する判定工程と、を前記冷凍機に搭載されたコンピュータが実行する。
【0079】
本開示の第9態様に係る制御プログラム(50)は、コンピュータに、前記第8態様の制御方法を実行させるための制御プログラムである。
【符号の説明】
【0080】
1 :トラック(移動体)
2 :荷室(保冷庫)
3 :コンデンサユニット(凝縮部)
4A :エバポレータユニット(蒸発部)
4B :エバポレータユニット(蒸発部)
4C :エバポレータユニット(蒸発部)
6 :キャビンコントローラ
7 :オルタネータ
8 :バッテリ(蓄電池)
9 :コネクタユニット
10 :冷媒回路
11 :圧縮機
13 :凝縮器
14 :ファン
15 :レシーバ
16 :ドライヤ
20 :アキュムレータ
21A :蒸発器
21B :蒸発器
23A :ファン
23B :ファン
26 :チェックバルブ
27 :チェックバルブ
31A :冷媒センサ
31B :冷媒センサ
31C :冷媒センサ
32A :蒸発器出口温度センサ
32B :蒸発器出口温度センサ
33 :低圧圧力センサ
34 :高圧圧力センサ
35 :外気温センサ
50 :制御システム
51 :ガス検知部
52 :運転状態検知部
53 :判定部
60 :出力装置
1100 :CPU
1200 :ROM
1300 :RAM
1500 :通信部
1800 :バス
EV-A :膨張弁
EV-B :膨張弁
HD :ライン
SV1-A :弁
SV1-B :弁
SV2-A :弁
SV2-B :弁
SV4 :弁
SV5 :弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11