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特開2024-67395進路判定装置、進路判定方法、進路判定プログラム及び進路判定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067395
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】進路判定装置、進路判定方法、進路判定プログラム及び進路判定システム
(51)【国際特許分類】
   B61L 25/08 20060101AFI20240510BHJP
   B61L 5/10 20060101ALI20240510BHJP
   B61L 23/06 20060101ALI20240510BHJP
   B61D 37/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
B61L25/08
B61L5/10 A
B61L23/06
B61D37/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177439
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000196587
【氏名又は名称】西日本旅客鉄道株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591199682
【氏名又は名称】株式会社東京保機エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】村上 真
(72)【発明者】
【氏名】森山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】石井 利明
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 考廣
(72)【発明者】
【氏名】鄭 明斌
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 宏樹
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161SS02
5H161SS11
5H161SS22
(57)【要約】
【課題】分岐器の開通方向が車両の進路として適切なものであるかを判定することが可能な進路判定装置、進路判定システム、進路判定方法及び進路判定プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】進路判定装置1は、複数の区間11、及び複数の区間11のそれぞれの少なくとも一端にそれぞれが接続される複数の分岐器12を含む軌道10における複数の分岐器12のそれぞれの開通方向を示す開通情報を取得する開通情報取得部61と、複数の分岐器12の1つを含む進路Pを示す進路情報を取得する進路情報取得部62と、開通情報を参照して、進路情報に対応する進路に含まれる分岐器12を車両101が通過可能であるか否かを判定する進路判定部63と、車両101が分岐器を通過可能であると判定されたとき、車両101が進路Pの通行を許可されたことを示す通行許可信号を出力する判定信号出力部64とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の区間、及び前記複数の区間のそれぞれの少なくとも一端にそれぞれが接続される複数の分岐器を含む軌道における前記複数の分岐器のそれぞれの開通方向を示す開通情報を取得する開通情報取得部と、
前記複数の分岐器の1つを含む進路を示す進路情報を取得する進路情報取得部と、
前記開通情報を参照して、前記進路情報に対応する進路に含まれる前記分岐器を車両が通過可能であるか否かを判定する進路判定部と、
前記車両が前記分岐器を通過可能であると判定されたとき、前記車両が前記進路の通行を許可されたことを示す通行許可信号を出力する判定信号出力部と、
を有する、ことを特徴とする進路判定装置。
【請求項2】
前記軌道の画像である軌道画像を示す軌道画像情報を記憶する記憶部と、
前記軌道画像を表示する表示部と、
前記軌道画像上の位置を示す位置情報が入力される入力部と、を更に有し、
前記進路情報取得部は、
前記軌道画像情報を前記表示部に出力し、
前記入力部を介して前記軌道画像上の第1区間を示す第1区間情報を取得し、
前記入力部を介して前記軌道画像上の第2区間を示す第2区間情報を取得し、
前記第1区間から前記第2区間に向かう軌道を前記進路に決定する、
請求項1に記載の進路判定装置。
【請求項3】
前記進路判定部は、
前記開通情報から、前記進路に含まれる分岐器の開通方向を抽出し、
抽出した前記開通方向が前記第1区間と前記第2区間とを接続する方向であるか否かを判定し、
抽出した前記開通方向が前記第1区間と前記第2区間とを接続する方向であると判定したとき、前記分岐器を前記車両が通過可能であると判定する、
請求項2に記載の進路判定装置。
【請求項4】
前記進路判定部は、抽出した前記開通方向が前記第1区間と前記第2区間とを接続する方向ではないと判定したとき、前記分岐器を前記車両が通過可能ではないと判定し、
前記判定信号出力部は、前記車両が前記分岐器を通過可能ではないと判定されたとき、前記車両が前記進路の通行を許可されないことを示す通行不許可信号を出力する、
請求項2に記載の進路判定装置。
【請求項5】
前記進路情報取得部は、
前記車両の位置を示す車両位置情報に対応する位置が前記複数の区間の何れかに対応するかを推定し、
前記車両位置情報に対応する区間が前記第1区間と一致するか否かを判定し、
前記車両位置情報に対応する区間が前記第1区間と一致しないと判定したとき、第1区間が適切ではないことを示す第1区間警報信号を出力する、
請求項2に記載の進路判定装置。
【請求項6】
前記進路情報取得部は、
前記第2区間が、前記第1区間と単一の前記分岐器の操作によって接続されるか否かを判定し、
前記第1区間と前記第2区間との間が単一の前記分岐器の操作によって接続されないと判定したとき、第2区間が適切ではないことを示す第2区間警報信号を出力する、
請求項2に記載の進路判定装置。
【請求項7】
前記進路情報取得部は、
前記入力部を介して、モード変更指示が入力されたか否かを判定し、
前記モード変更指示が入力されたと判定した後に、最初に取得した位置情報を前記第1区間情報として取得し、
前記第1区間情報を取得した後に最初に取得した位置情報を前記第2区間情報として取得する、
請求項2に記載の進路判定装置。
【請求項8】
前記進路判定部は、前記進路情報取得部によって前記第2区間情報として取得された後に前記モード変更指示が更に入力されたと判定した後に、前記分岐器を前記車両が通過可能であるか否かを判定する、請求項7に記載の進路判定装置。
【請求項9】
前記進路情報取得部は、
決定した進路を表示する画像である進路表示画像を示す進路表示画像情報を生成し、
生成した前記進路表示画像情報を前記表示部に出力する、
請求項8に記載の進路判定装置。
【請求項10】
前記判定信号出力部は、
前記車両が前記分岐器を通過可能であると判定されたとき、前記進路表示画像に含まれる進路の表示態様を変更して、通行許可画像を示す通行許可画像情報を生成し、
生成した前記通行許可画像情報を含む前記通行許可信号を出力する、
請求項9に記載の進路判定装置。
【請求項11】
前記軌道画像において、中央部に描画される軌道の縮尺は、端部に描画される軌道の縮尺よりも大きい、請求項2~10の何れか一項に記載の進路判定装置。
【請求項12】
複数の区間、及び前記複数の区間のそれぞれの少なくとも一端にそれぞれが接続される複数の分岐器を含む軌道における前記複数の分岐器のそれぞれの開通方向を示す開通情報を取得し、
前記複数の分岐器の1つを含む進路を示す進路情報を取得し、
前記開通情報を参照して、前記進路情報に対応する進路に含まれる前記分岐器を車両が通過可能であるか否かを判定し、
前記車両が前記分岐器を通過可能であると判定されたとき、前記車両が前記進路を通行してもよいことを示す通行許可信号を出力する、
処理を含むことを特徴とする進路判定方法。
【請求項13】
複数の区間、及び前記複数の区間のそれぞれの少なくとも一端にそれぞれが接続される複数の分岐器を含む軌道における前記複数の分岐器のそれぞれの開通方向を示す開通情報を取得し、
前記複数の分岐器の1つを含む進路を示す進路情報を取得し、
前記開通情報を参照して、前記進路情報に対応する進路に含まれる前記分岐器を車両が通過可能であるか否かを判定し、
前記車両が前記分岐器を通過可能であると判定されたとき、前記車両が前記進路を通行してもよいことを示す通行許可信号を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする進路判定プログラム。
【請求項14】
複数の区間、及び前記複数の区間のそれぞれの少なくとも一端にそれぞれが接続される複数の分岐器を含む軌道における前記複数の分岐器のそれぞれの開通方向を検出する開通方向検出装置と、
前記開通方向検出装置によって検出された前記開通方向を示す開通情報を記憶する開通情報記憶装置と、
前記開通情報記憶装置と通信可能に接続される進路判定装置とを有し、
前記進路判定装置は、
前記開通情報を前記開通情報記憶装置から取得する開通情報取得部と、
前記複数の分岐器の1つを含む進路を示す進路情報を取得する進路情報取得部と、
前記開通情報を参照して、前記進路情報に対応する進路に含まれる前記分岐器を車両が通過可能であるか否かを判定する進路判定部と、
前記車両が前記分岐器を通過可能であると判定されたとき、前記車両が前記進路の通行を許可されたことを示す通行許可信号を出力する判定信号出力部と、を有する、
ことを特徴とする進路判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の進路を判定する進路判定装置、進路判定方法、進路判定プログラム及び進路判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、線路とも称される列車の軌道を保守するための車両として保守用車両が知られている。保守用車両は、夜間等の営業列車が走行しない時間帯に、軌道の安全点検検査及び測定作業等を含む保守作業を行う車両である。
【0003】
保守用車両は、保守作業を行うとき、分岐器を通過しなら軌道上を移動する。保守用車両が分岐器を通過するとき、駅員等の所定の操作者によって分岐器が操作されることで、保守用車両の安全性が確保される。保守用車両が分岐器を通過するとき、保守用車両に乗車する保守作業者は、操作者に分岐器の操作を電話等を介して依頼し、分岐器を操作した旨が操作者から通知されるまで待機する。また、保守作業者は、分岐器が操作された後に、操作された分岐器を保守用車両が通過する前に分岐器の手前で停止し、分岐器が適切に操作されているか否かを目視により確認する。
【0004】
特許文献1には、分岐器を制御する転轍機の動作かんに配置される磁気近接センサを有し、分岐器の開通方向に応じて変化する動作かんの位置を磁気近接センサにより検出することで、分岐器の開通方向を検出する分岐器開通方向表示装置が記載されている。特許文献1に記載される分岐器開通方向表示装置は、動作かんの位置を磁気近接センサにより検出し、検出した位置に応じた分岐器の開通方向を表示することで、分岐器の手前で停止して分岐器の開通方向を確認する作業を省略することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3083776号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載される分岐器開通方向表示装置は、分岐器の開通方向を表示可能であるが、保守作業者が依頼した分岐器の開通方向と、操作者によって操作された分岐器の開通方向が一致するか否かを保守作業者が確認することは容易ではない。
【0007】
本発明は、操作者によって操作された分岐器の開通方向が適切なものであるかを判定することが可能な進路判定装置、進路判定システム、進路判定方法及び進路判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る進路判定装置は、複数の区間、及び複数の区間のそれぞれの少なくとも一端にそれぞれが接続される複数の分岐器を含む軌道における複数の分岐器のそれぞれの開通方向を示す開通情報を取得する開通情報取得部と、複数の分岐器の1つを含む進路を示す進路情報を取得する進路情報取得部と、開通情報を参照して、進路情報に対応する進路に含まれる分岐器を車両が通過可能であるか否かを判定する進路判定部と、車両が分岐器を通過可能であると判定されたとき、車両が進路の通行を許可されたことを示す通行許可信号を出力する判定信号出力部とを有する。
【0009】
さらに、本発明に係る進路判定装置は、軌道の画像である軌道画像を示す軌道画像情報を記憶する記憶部と、軌道画像を表示する表示部と、軌道画像上の位置を示す位置情報が入力される入力部とを更に有し、進路情報取得部は、軌道画像情報を表示部に出力し、入力部を介して軌道画像上の第1区間を示す第1区間情報を取得し、入力部を介して軌道画像上の第2区間を示す第2区間情報を取得し、第1区間から第2区間に向かう軌道を進路に決定することが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係る進路判定装置では、進路判定部は、開通情報から、進路に含まれる分岐器の開通方向を抽出し、抽出した開通方向が第1区間と第2区間とを接続する方向であるか否かを判定し、抽出した開通方向が第1区間と第2区間とを接続する方向であると判定したとき、分岐器を車両が通過可能であると判定することが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係る進路判定装置では、進路判定部は、抽出した開通方向が第1区間と第2区間とを接続する方向ではないと判定したとき、分岐器を車両が通過可能ではないと判定し、判定信号出力部は、車両が分岐器を通過可能ではないと判定されたとき、車両が進路の通行を許可されないことを示す通行不許可信号を出力することが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係る進路判定装置では、進路情報取得部は、車両の位置を示す車両位置情報に対応する位置が複数の区間の何れかに対応するかを推定し、車両位置情報に対応する区間が第1区間と一致するか否かを判定し、車両位置情報に対応する区間が第1区間と一致しないと判定したとき、第1区間が適切ではないことを示す第1区間警報信号を出力することが好ましい。
【0013】
さらに、本発明に係る進路判定装置では、進路情報取得部は、第2区間が、第1区間と単一の分岐器の操作によって接続されるか否かを判定し、第1区間と第2区間との間が単一の分岐器の操作によって接続されないと判定したとき、第2区間が適切ではないことを示す第2区間警報信号を出力することが好ましい。
【0014】
さらに、本発明に係る進路判定装置では、進路情報取得部は、モード変更指示が入力されたか否かを判定し、モード変更指示が入力されたと判定した後に、最初に取得した位置情報を第1区間情報として取得し、第1区間情報を取得した後に最初に取得した位置情報を第2区間情報として取得することが好ましい。
【0015】
さらに、本発明に係る進路判定装置では、進路判定部は、進路情報取得部によって第2区間情報として取得された後にモード変更指示が更に入力されたと判定した後に、分岐器を車両が通過可能であるか否かを判定することが好ましい。
【0016】
さらに、本発明に係る進路判定装置では、進路情報取得部は、決定した進路を表示する画像である進路表示画像を示す進路表示画像情報を生成し、生成した進路表示画像情報を表示部に出力することが好ましい。
【0017】
さらに、本発明に係る進路判定装置では、判定信号出力部は、車両が分岐器を通過可能であると判定されたとき、進路表示画像に含まれる進路の表示態様を変更して、通行許可画像を示す通行許可画像情報を生成し、生成した通行許可画像情報を含む通行許可信号を出力することが好ましい。
【0018】
さらに、本発明に係る進路判定装置では、軌道画像において、中央部に描画される軌道の縮尺は、端部に描画される軌道の縮尺よりも大きいことが好ましい。
【0019】
また、本発明に係る進路判定方法は、複数の区間、及び複数の区間のそれぞれの少なくとも一端にそれぞれが接続される複数の分岐器を含む軌道における複数の分岐器のそれぞれの開通方向を示す開通情報を取得し、複数の分岐器の1つを含む進路を示す進路情報を取得し、開通情報を参照して、進路情報に対応する進路に含まれる分岐器を車両が通過可能であるか否かを判定し、車両が分岐器を通過可能であると判定されたとき、車両が進路を通行してもよいことを示す通行許可信号を出力する。
【0020】
また、本発明に係る進路判定プログラムは、複数の区間、及び複数の区間のそれぞれの少なくとも一端にそれぞれが接続される複数の分岐器を含む軌道における複数の分岐器のそれぞれの開通方向を示す開通情報を取得し、複数の分岐器の1つを含む進路を示す進路情報を取得し、開通情報を参照して、進路情報に対応する進路に含まれる分岐器を車両が通過可能であるか否かを判定し、車両が分岐器を通過可能であると判定されたとき、車両が進路を通行してもよいことを示す通行許可信号を出力する処理をコンピュータに実行させる。
【0021】
また、本発明に係る進路判定システムは、複数の区間、及び複数の区間のそれぞれの少なくとも一端にそれぞれが接続される複数の分岐器を含む軌道における複数の分岐器のそれぞれの開通方向を検出する開通方向検出装置と、開通方向検出装置によって検出された開通方向を示す開通情報を記憶する開通情報記憶装置と、開通情報記憶装置と通信可能に接続される進路判定装置とを有し、進路判定装置は、開通情報を開通情報記憶装置から取得する開通情報取得部と、複数の分岐器の1つを含む進路を示す進路情報を取得する進路情報取得部と、開通情報を参照して、進路情報に対応する進路に含まれる分岐器を車両が通過可能であるか否かを判定する進路判定部と、車両が分岐器を通過可能であると判定されたとき、車両が進路の通行を許可されたことを示す通行許可信号を出力する判定信号出力部とを有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、操作者によって操作された分岐器の開通方向が適切なものであるかを判定できる進路判定装置、進路判定方法、進路判定システム及び進路判定プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る進路判定システムの概要を説明するための図である。
図2】第1実施形態に係る進路判定システムを示す図である。
図3図1に示す進路判定装置のブロック図である。
図4図1に示す進路判定装置によって実行される進路判定処理を示すフローチャートである。
図5図4に示すS102に示す進路情報取得処理のより詳細な処理を示すフローチャートである。
図6図5に示すS201に示す処理で出力される第1軌道画像を示す図である。
図7】第1軌道画像におけるレール画像の縮尺を示す図である。
図8図5に示すS203に示す処理で出力される第2軌道画像を示す図である。
図9】進路表示画像を示す図である。
図10】(a)は図4に示すS103に示す進路判定処理のより詳細な処理を示すフローチャートであり、(b)は図4に示すS104に示す判定信号出力処理のより詳細な処理を示すフローチャートである。
図11図10(b)に示すS402に示す処理で出力される通行許可画像を示す図である。
図12図10(b)に示すS403に示す処理で出力される通行不許可画像を示す図である。
図13】第2実施形態に係る進路判定システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明に係る進路判定装置、進路判定方法、進路判定システム及び進路判定プログラムについて説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0025】
(実施形態に係る進路判定システムの概要)
図1は、実施形態に係る進路判定システムの概要を説明するための図である。
【0026】
実施形態に係る進路判定システム100は、駅102の構内に配置される軌道10に含まれる所定の進路Pを、保守用車両101が通行可能であるか否かを判定する。進路判定システム100は、所定の進路Pを保守用車両101が通行可能であるときに、通行許可信号を出力する。
【0027】
まず、保守用車両101に乗車する保守作業者111は、進路Pにおいて、第1区間11aと第2区間11bとを接続するように分岐器12を操作することを駅102に勤務する操作者112に依頼する。分岐器12は、複数の区間11のそれぞれの少なくとも一端に接続され、複数の区間11の何れか1つの区間11を他の区間11の何れかに分岐する機構である。
【0028】
操作者112は、保守作業者111からの依頼に応じて、分岐器12の開通方向が第1区間11aと第2区間11bとを接続する方向になるように、連動装置操作部122を介して分岐器12を操作する。操作者112は、分岐器12を操作した後に、分岐器12の操作が終了した旨を保守作業者111に通知する。
【0029】
保守作業者111は、操作者112から分岐器12の操作が終了した旨の通知を受けた後に、進路判定装置1のタッチパネル52に表示される軌道画像の第1区間11aに対応する位置、及び第2区間11bに対応する位置を順次タップする。進路判定装置1は、タッチパネル52の第1区間11a及び第2区間11bに対応する位置が順次タップされることに応じて第1区間11aから第2区間11bに向かう軌道を進路Pに決定し、決定した進路Pを示す情報を進路情報として取得する。タッチパネル52に表示される軌道画像のうち、白抜き丸印「1」で表された部分及び白抜き丸印「3」で表された部分が、第1区間11a及び第2区間11bに対応する位置にそれぞれ相当する。
【0030】
開通方向検出装置20は、操作者112によって操作された分岐器12の開通方向を検出し、検出した開通方向を示す開通情報を、通信ネットワーク40を介してサーバ30に送信する。サーバ30は、開通方向検出装置20から送信された開通情報を記憶する。
【0031】
携帯情報端末である進路判定装置1は、分岐器12の操作が終了した旨が保守作業者111から通知された後の保守作業者111の操作に応じて、進路Pを保守用車両101が通行可能であるか否かを判定する。
【0032】
進路判定装置1は、サーバ30に記憶される開通情報を取得し、取得した開通情報から進路Pに含まれる分岐器の開通方向を抽出し、抽出した開通方向が第1区間11aと第2区間11bとを接続する方向であるか否かを判定する。進路判定装置1は、抽出した開通方向が第1区間11aと第2区間11bとを接続する方向であると判定したとき、進路Pを保守用車両101が通行可能であると判定する。進路判定装置1は、進路Pを保守用車両101が通行可能であると判定すると、通行許可信号を出力する。
【0033】
実施形態に係る進路判定システム100では、進路判定装置1が、開通情報を参照して進路情報に対応する進路Pに含まれる分岐器12を保守用車両101が通行可能か否か判定するので、保守用車両101は安全に分岐器12を通行することができる。
【0034】
(第1実施形態に係る進路判定システムの概要)
図2は、第1実施形態に係る進路判定システムを示す図である。
【0035】
進路判定システム100は、進路判定装置1と、軌道10と、開通方向検出装置20と、サーバ30とを備え、分岐器12の開通方向が保守用車両101の進路として適切か否かを判定する。進路判定装置1、開通方向検出装置20及びサーバ30は、通信ネットワーク40を介して通信可能に接続される。図2では、説明の便宜上、進路判定装置1を、進路判定装置1が配置される保守用車両101と比して大きく示す。
【0036】
進路判定装置1は、通信ネットワーク40を介してサーバ30と通信可能に接続され、分岐器12の開通方向が保守用車両101の進路として適切か否かを判定するコンピュータである。進路判定装置1は、タッチパネル52を備えたスマートフォン及びタブレット等の携帯情報端末であり、保守用車両101の任意の場所に配置される。保守用車両101に配置されることは、保守用車両101の何れかの場所に固定的に設置される場合に加え、保守作業者が進路判定装置1と共に保守用車両101に乗車する場合を含み、保守用車両101の内部に進路判定装置1が存在することをいう。
【0037】
進路判定装置1は、保守用車両101の運転室の内部に配置され、保守作業者は、進路判定装置1のタッチパネル52に表示される画像を参照して、保守用車両101の進路を確認する。
【0038】
軌道10は、複数の区間11と、複数の分岐器12とを含む。区間11は、少なくとも一端が分岐器12に接続され、保守用車両101を含む鉄道車両の車輪と接触し、接触した車輪を直接支持すると共に誘導することで、鉄道車両を所定の方向に移動するレールにより形成される。分岐器12は、複数の区間11の何れか一つの区間11を他の区間11に分岐する。
【0039】
開通方向検出装置20は、開通方向取得部21と、開通情報送信部22とを備え、複数の分岐器12のそれぞれの開通方向を検出し、検出した開通方向を示す開通情報を記憶する。開通方向検出装置20は、記憶された開通情報を通信ネットワーク40を介してサーバ30に送信する。
【0040】
開通方向取得部21は、連動装置を備えたコンピュータであり、連動装置操作部からの信号を受け付ける。開通方向取得部21は、当該信号を受けて複数の分岐器12のそれぞれの開通方向を所定の方向に切り替えると共に、連動装置の動作により開通方向に対応する情報を検出する。開通方向取得部21は、検出した開通方向を示す開通情報を生成する。開通情報は、複数の分岐器12のそれぞれの識別子と、複数の分岐器12の各開通方向を電気的信号の「0」又は「1」に各々変換した値を含む。開通方向取得部21は、生成した開通情報を開通情報送信部22に出力する。開通情報送信部22は、伝送装置を備え、開通方向取得部21から入力された開通情報を、通信ネットワーク40を介してサーバ30に送信する。
【0041】
サーバ30は、開通情報記憶装置とも称され、サーバ処理部31と、サーバ記憶部32と、サーバ通信部33とを備える。サーバ30は、開通方向検出装置20によって検出され、通信ネットワーク40を介して送信された開通情報を記憶し、記憶した開通情報を通信ネットワーク40を介して進路判定装置1に送信する。サーバ30は、予め設定された間隔で開通情報を進路判定装置1に送信してもよく、進路判定装置1からの要求に応じて、開通情報を進路判定装置1に送信してもよい。サーバ30は、クラウド環境に作られたクラウドサーバであるが、物理サーバであってもよく、仮想サーバであってよい。
【0042】
サーバ処理部31は、サーバ30の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。サーバ処理部31は、サーバ記憶部32に記憶されている各種プログラムに基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部31は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行できる。サーバ記憶部32は、前述した各種プログラムを記録すると共に、開通方向検出装置20から入力される開通情報を記憶する。サーバ通信部33は、サーバ記憶部32に記憶された分岐器12の開通情報を、通信ネットワーク40を介して進路判定装置1に出力する。サーバ通信部33は、予め設定された間隔で開通情報を進路判定装置1に出力してもよく、進路判定装置1からの要求に応じて開通情報を進路判定装置1に出力してもよい。
【0043】
通信ネットワーク40は、例えばインターネットであり、進路判定装置1、開通方向検出装置20及びサーバ30の間を通信可能に接続する。通信ネットワーク40は、進路判定装置1、開通方向検出装置20及びサーバ30と無線通信を介して接続されてもよく、進路判定装置1、開通方向検出装置20及びサーバ30と有線通信を介して接続されてもよい。
【0044】
(第1実施形態に係る進路判定システムの構成及び機能)
図3は、進路判定装置1のブロック図である。
【0045】
進路判定装置1は、通信部50と、記憶部51と、タッチパネル52と、スピーカ53と、バイブレータ54と、車両位置情報取得部55と、処理部60とを備える。通信部50、記憶部51、タッチパネル52、スピーカ53、バイブレータ54、車両位置情報取得部55及び処理部60は、内部バス56を介して接続され、相互に情報(データ)の授受が可能である。
【0046】
通信部50は、Wi-Fi(登録商標)等の無線の通信インターフェース回路、及びイーサネット(登録商標)などの有線の通信インターフェース回路を有する。通信部50は、通信ネットワーク40を介して各種情報を送受信する。例えば、通信部50は、サーバ30に記憶された開通情報を、通信ネットワーク40を介して受信する。
【0047】
記憶部51は、例えば、半導体記憶装置、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。記憶部51は、処理部60での処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、記憶部51は、軌道画像情報を記憶する。また、記憶部51は、開通情報に基づいて保守用車両101が進路の通行を許可されるか否かを判定する進路判定処理を、処理部60に実行させるための進路判定プログラム等を記憶する。進路判定プログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部51にインストールされてもよい。
【0048】
また、記憶部51は、進路判定処理に使用される種々の情報を記憶する。例えば、記憶部51は、軌道の基準点からの距離であるキロ程の抽出に使用されるキロ程テーブルを記憶する。キロ程テーブルは、軌道の緯度及び経度とキロ程との関係を記憶する。また、記憶部51は、軌道の緯度及び経度と、軌道の区間との関係を記憶する区間テーブルを更に記憶する。
【0049】
タッチパネル52は、保守作業者等からの入力(操作)を受け付ける入力部57と、軌道画像を表示する表示部58とを備える。タッチパネル52は、投影型静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線遮断方式、超音波表面弾性波方式等の任意の方式でよい。入力部57は、タッチパネル52のタッチ機能により入力を受け付け、入力される情報を処理部60や記憶部51に出力する。一例として、入力部57には軌道画像上の位置を示す位置情報が入力される。表示部58は、タッチパネル52のパネル機能により、軌道画像等の種々の画像を表示する。保守作業者111は、タッチパネル52の入力部57を介して進路判定処理を実行するための操作を行い、操作に伴う結果をタッチパネル52の表示部58に表示される画像により確認できるので、正確且つ迅速に進路判定処理を指示できる。
【0050】
スピーカ53は、例えば通行不許可信号等が処理部60から入力されることに応じて音声情報を出力する。バイブレータ54は、例えば通行不許可信号等が処理部60から入力されることに応じて進路判定装置1の筐体に振動を生じさせる。
【0051】
車両位置情報取得部55は、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールを備え、GPS衛星等の人口衛星から発せられる電波を受信し、車両位置情報取得部55が配置される位置の緯度及び経度を示す位置情報を取得する。進路判定装置1は、保守用車両101に配置されるので、車両位置情報取得部55により取得された位置情報は、保守用車両101の位置の緯度及び経度を示す。
【0052】
処理部60は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部60は、進路判定装置1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。処理部60は、記憶部51に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部60は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0053】
処理部60は、開通情報取得部61と、進路情報取得部62と、進路判定部63と、判定信号出力部64とを備える。これらの各部は、処理部60が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして処理部60に実装されてもよい。
【0054】
(第1実施形態に係る進路判定システムの進路判定処理)
図4は、進路判定装置1によって実行される進路判定処理を示すフローチャートである。図4に示す進路判定処理は、予め記憶部51に記憶されている制御プログラムに基づいて、主に処理部60により進路判定装置1の各要素と協働して実行される。
【0055】
まず、開通情報取得部61は、通信部50を介してサーバ30から開通情報を取得する(S101)。開通情報取得部61は、一例では1秒である所定時間毎に開通情報を取得する。次いで、進路情報取得部62は、保守作業者111がタッチパネル52をタップすることにより入力部57に保守作業者111の指示が入力されることに応じて、複数の分岐器12の1つを含む進路を示す進路情報を取得する(S102)。
【0056】
次いで、進路判定部63は、S101の処理で取得された開通情報を参照して、進路情報に対応する進路に含まれる分岐器12を保守用車両101が通行可能か否かを判定する(S103)。そして、判定信号出力部64は、S103において進路判定部63によって判定された判定結果に応じて、通行許可信号又は通行不許可信号を出力する(S104)。
【0057】
図5は、S102に示す進路情報取得処理のより詳細な処理を示すフローチャートである。
【0058】
まず、進路情報取得部62は、第1モードにおける第1軌道画像900を示す第1軌道画像情報を生成し、生成した第1軌道画像情報を表示部58に出力する(S201)。「モード」は、進路判定装置1によって実行される進路判定処理における処理状態である。第1モードは、進路判定処理が開始されるまで待機する待機モードである。
【0059】
図6は、第1軌道画像900を示す図である。
【0060】
第1軌道画像900は、進路判定システムを利用するための暗証番号、並びに進路判定装置1が配置される保守用車両101の番号及び種類等の初期設定が保守作業者111により入力された後に表示部58に表示される。
【0061】
第1軌道画像900は、GPSアイコン901と、NETアイコン902と、STAアイコン903と、駅データ表示領域904と、入力ボタン領域905と、モード表示領域906と、キロ程表示領域907とを含む。第1軌道画像900は、自車情報表示領域908と、メニューボタン領域909と、現在時刻表示領域910と、区間番号アイコン911と、開通情報アイコン912と、車両位置アイコン913と、レール画像914とを更に含む。
【0062】
GPSアイコン901は、保守用車両101の車両位置情報が取得されているか否かを示すアイコンである。GPSアイコン901は、保守用車両101に配置された進路判定装置1の位置情報が取得されているか否かに応じて異なる色で表示される。一例では、GPSアイコン901は、進路判定装置1の位置情報が取得されているときに緑色で表示され、進路判定装置1の位置情報が取得されていないときに灰色で表示される。GPSアイコン901が進路判定装置1の位置情報が取得されているか否かに応じて異なる色で表示されることで、保守作業者111は、進路判定装置1の位置情報を取得できているか否かを把握することができる。
【0063】
NETアイコン902は、通信ネットワーク40との接続が確立されているか否かを示すアイコンである。NETアイコン902は、通信ネットワーク40との接続が確立されているか否かに応じて異なる色で表示される。一例では、NETアイコン902は、通信ネットワーク40との接続が確立されているときに水色で表示され、通信ネットワーク40との接続が確立されていないときに灰色で表示される。NETアイコン902が通信ネットワーク40との接続が確立されているか否かに応じて異なる色で表示されることで、保守作業者111は、通信ネットワーク40との接続が確立されているか否かを把握できる。
【0064】
STAアイコン903は、保守用車両101の近くに存在する駅の情報である駅情報を取得されているか否かを示すアイコンである。STAアイコン903は、駅情報を取得されているか否かに応じて異なる色で表示される。一例では、STAアイコン903は、駅情報を取得されているときに桃色で表示され、駅情報を取得されていないときに灰色で表示される。STAアイコン903が駅情報を取得できているか否かに応じて異なる色で表示されることで、保守作業者111は、駅情報の取得有無を把握できる。
【0065】
駅データ表示領域904は、第1軌道画像900に表示される軌道を含む駅の名称及び第1軌道画像900に含まれる開通情報アイコン912の開通情報が生成された時間を表示する領域である。駅データ表示領域904に表示される駅の名称は、車両位置情報取得部55によって取得された位置情報に基づいて、進路情報取得部62によって推定される。車両位置情報取得部55によって位置情報が取得されないとき、駅データ表示領域904に表示される駅の名称は、初期設定として保守作業者111により入力される。
【0066】
入力ボタン領域905は、表示部58に表示される軌道画像のモードを変更するための領域である。保守作業者111によって入力ボタン領域905がタップされることに応じて、入力部57には、モードを変更することを示すモード変更指示が入力される。入力部57は、モード変更指示が入力されたとき、モード変更指示信号を進路情報取得部62に出力する。第1モードでは、入力ボタン領域905は、例えば「進路要求」の文字が表示される。
【0067】
モード表示領域906は、入力ボタン領域905がタップされることで変更されるモードを示す画像を表示する領域である。進路情報取得部62は、保守作業者111によって入力ボタン領域905がタップされることに応じて入力部57から入力されるモード変更指示信号に対応するモード変更指示を取得する。進路情報取得部62は、モード変更指示を取得すると、モード表示領域906に表示される画像を示す画像情報を表示部58に出力する。表示部58は、画像情報が入力されると、画像情報に対応する画像をモード表示領域906に表示する。第1軌道画像900において、モード表示領域906に例えば「状態表示」の文字が表示される。
【0068】
キロ程表示領域907は、保守用車両101の位置する場所のキロメートルを単位とする距離であるキロ程を示す画像を表示する領域である。進路情報取得部62は、保守用車両101の位置を示す位置情報を車両位置情報取得部55から取得し、記憶部51に記憶されるキロ程テーブルを参照して、取得した位置情報に対応するキロ程を抽出する。進路情報取得部62は、抽出したキロ程を表示する画像を示す画像情報を表示部58に出力する。表示部58は、画像情報が入力されると、画像情報に対応する画像をキロ程表示領域907に表示する。なお、キロ程表示領域907に表示されるキロ程は、メニューボタン領域909をタップした保守作業者111により入力及び修正される。
【0069】
自車情報表示領域908は、「警告」等の保守用車両101に関する情報を表示する領域である。
【0070】
メニューボタン領域909は、例えば、保守用車両101の位置情報の修正、キロ程入力、及びタッチパネル52の表示を終了する際に使用される領域である。進路情報取得部62は、保守作業者111によってメニューボタン領域909がタップされることに応じて入力部57から入力される画像変更指示信号に対応する画像変更指示を取得する。進路情報取得部62は、画像変更指示を取得すると、表示部58に表示される画像を示す画像情報を表示部58に出力する。表示部58は、画像情報が入力されると、画像情報に対応する画像を表示する。
【0071】
現在時刻表示領域910は、現在時刻を表示する領域である。進路情報取得部62は、不図示の計時部から現在の時間を示す時間情報を取得して、取得した時間情報に対応する時間を表示する時間画像を示す時間画像情報を表示部58に出力する。表示部58は、時間画像情報が入力されると、時間画像情報に対応する画像を自車情報表示領域908に表示する。
【0072】
区間番号アイコン911は、楕円状の形状を有し、区画を示す番号が中央に表示されるアイコンであり、保守用車両101の進路の始点及び終点となる区間を示す。進路情報取得部62は、第1軌道画像900において、STAアイコン903に表示される駅の軌道における区間を区間番号アイコン911として表示する。
【0073】
開通情報アイコン912は、分岐器12の開通情報を示すアイコンである。進路情報取得部62は、第1軌道画像900において、S101の処理で取得された開通情報に対応する開通方向を示す開通情報アイコン912を第1軌道画像900が含むように第1軌道画像情報を生成する。
【0074】
車両位置アイコン913は、第1軌道画像900における保守用車両101の現在位置を示すアイコンである。進路情報取得部62は、保守用車両101の位置を示す位置情報を車両位置情報取得部55から取得し、記憶部51に記憶されるキロ程テーブルを参照して、取得した位置情報に対応するキロ程を抽出する。進路情報取得部62は、抽出したキロ程に対応する位置に車両位置アイコン913が配置されるように第1軌道画像情報を生成する。
【0075】
レール画像914は、保守用車両101の通行可能な軌道を示す画像である。第1軌道画像900において、STAアイコン903に表示される駅の軌道におけるレールの配置をレール画像914として表示する。
【0076】
図7は、第1軌道画像900におけるレール画像914の縮尺を示す図である。
【0077】
第1軌道画像900において、中央部に配置される区間「1」~「9」、「12」及び「13」に描画されるレールの縮尺は、端部に配置される区間「10」、「11」、「14」及び「15」に描画されるレールの縮尺よりも大きい。中央部に配置される区間「1」~「9」、「12」及び「13」に描画されるレールの縮尺は、端部に配置される区間「10」、「11」、「14」及び「15」に描画されるレールの縮尺の9倍である。
【0078】
次いで、進路情報取得部62は、モードを変更することを示すモード変更指示が入力されたか否かを判定する(S202)。進路情報取得部62は、保守作業者111によって入力ボタン領域905がタップされることに応じて、入力部57を介してモード変更指示を取得したとき、モード変更指示が入力されたと判定する(S202-YES)。進路情報取得部62は、モード変更指示が入力されたと判定する(S202-YES)まで、S202の処理を繰り返す。進路情報取得部62がS202の処理を繰り返す間、第1モードは、継続する。
【0079】
進路情報取得部62は、モード変更指示が入力されたと判定する(S202-YES)と、第2モードにおける第2軌道画像920を示す第2軌道画像情報を生成し、生成した第2軌道画像情報を表示部58に出力する(S203)。第2モードは、保守作業者111の操作に応じて進路を取得する進路取得モードである。
【0080】
図8は、第2軌道画像920を示す図である。なお、図が煩雑になることを回避するため、図8では特徴的な部分を中心に符号を示す。
【0081】
進路情報取得部62は、入力ボタン領域905及びモード表示領域906に表示される文字が第1軌道画像900から変更され、且つ、区間番号アイコン911の代わりに区間番号アイコン915が表示されるように第2軌道画像情報を生成する。第2軌道画像920では、入力ボタン領域905に表示される文字が「終了」等に変更され、モード表示領域906に表示される文字が「打合せ中」等に変更される。区間番号アイコン915は、楕円ではなく矩形の形状を有することが区間番号アイコン911と相違する。
【0082】
第2軌道画像920において、入力ボタン領域905に表示される文字が「終了」等に変更されることで、保守作業者111が操作者112との打合せが終了した後に、入力ボタン領域905がタップ可能であることが示される。また、モード表示領域906に表示される文字が「打合せ中」等に変更されることで、保守作業者111と操作者112とが打合せていることが示される。
【0083】
次いで、進路情報取得部62は、区間番号アイコン915の何れか1つが保守作業者111によってタップされたことに応じて、入力部57から第1区間情報を取得する(S204)。S204の処理で保守作業者111によってタップされた区間番号アイコン915に対応する区間は、第1区間と称される。進路情報取得部62は、S204の処理でタップされた区間番号アイコン915に対応する第1区間を示す第1区間信号を処理部60に出力する。進路情報取得部62は、第1区間信号が入力されることに応じて、S204の処理でタップされた区間番号アイコン915に対応する区間を示す第1区間情報を取得し、取得した第1区間情報を記憶部51に記憶する。
【0084】
次いで、進路情報取得部62は、S204の処理で取得された第1区間情報に対応する第1区間が、保守用車両101の現在位置を含む区間と一致するか否かを判定する(S205)。進路情報取得部62は、記憶部51に記憶される区間テーブルを参照して、保守用車両101の現在位置を含む区間を抽出する。次いで、進路情報取得部62は、抽出した区間がS204の処理で取得された第1区間情報に対応する第1区間と一致するか否かを判定する。進路情報取得部62は、抽出した区間がS204の処理で取得された第1区間情報に対応する第1区間と一致するとき、第1区間が保守用車両101の現在位置を含む区間と一致すると判定する(S205-YES)。進路情報取得部62は、抽出した区間がS204の処理で取得された第1区間情報に対応する第1区間と一致しないとき、第1区間が保守用車両101の現在位置を含む区間と一致しないと判定する(S205-NO)。
【0085】
進路情報取得部62は、第1区間が保守用車両101の現在位置を含む区間と一致しないと判定する(S205-NO)と、第1区間が適切ではないことを示す第1区間警報信号をスピーカ53、バイブレータ54及び表示部58に出力する(S206)。スピーカ53は、第1区間警報信号が入力されることに応じて、第1区間が保守用車両101の現在位置を含む区間と一致しない旨の音声を出力する。バイブレータ54は、第1区間警報信号が入力されることに応じて所定の期間に亘って振動する。表示部58は、第1区間警報信号が入力されることに応じて、第2軌道画像920において、自車情報表示領域908に「警告」等の文字を表示する。S206の処理が終了すると、処理はS204に戻る。
【0086】
進路情報取得部62は、第1区間が保守用車両101の現在位置を含む区間と一致すると判定する(S205-YES)と、区間番号アイコン915の何れか1つが保守作業者111によってタップされるまで待機する。進路情報取得部62は、区間番号アイコン915の他の1つが保守作業者111によってタップされたことに応じて、入力部57から第2区間情報を取得する(S207)。S207の処理で保守作業者111によってタップされた区間番号アイコン915に対応する区間は、第2区間と称される。進路情報取得部62は、S207の処理でタップされた区間番号アイコン915に対応する区間である第2区間を示す第2区間信号を処理部60に出力する。進路情報取得部62は、第2区間信号が入力されることに応じて、S207の処理でタップされた区間番号アイコン915に対応する区間を示す第2区間情報を取得し、取得した第2区間情報を記憶部51に記憶する。
【0087】
次いで、進路情報取得部62は、S207の処理で取得された第2区間情報に対応する第2区間が、第1区間と単一の分岐器操作によって接続可能であるか否かを判定する(S208)。進路情報取得部62は、記憶部51に記憶される第1区間情報に対応する第1区間を取得する。次いで、進路情報取得部62は、第1区間がS207の処理で取得された第2区間情報に対応する第2区間に単一の分岐器操作によって接続可能であるか否かを判定する。
【0088】
進路情報取得部62は、第2区間が第1区間と単一の分岐器操作によって接続可能ではないと判定する(S208-NO)と、第2区間が適切ではないことを示す第2区間警報信号をスピーカ53、バイブレータ54及び表示部58に出力する(S209)。スピーカ53は、第2区間警報信号が入力されることに応じて、第2区間が第1区間と単一の分岐器操作によって接続されない旨の音声を出力する。バイブレータ54は、第2区間警報信号が入力されることに応じて所定の期間に亘って振動する。表示部58は、第2区間警報信号が入力されることに応じて、第2軌道画像920において、自車情報表示領域908に「警告」等の文字を表示する。S209の処理が終了すると、処理はS207に戻る。
【0089】
進路情報取得部62は、第2区間が第1区間と単一の分岐器操作によって接続可能であると判定する(S208-YES)と、第1区間から第2区間に向かう軌道を進路に決定する(S210)。進路情報取得部62は、S204の処理で取得された第1区間情報に対応する第1区間からS207の処理で取得された第2区間情報に対応する第2区間に向かう軌道を進路に決定し、決定した進路を示す進路情報を記憶部51に記憶する。
【0090】
次いで、進路情報取得部62は、決定した進路を表示する画像である進路表示画像940を示す進路表示画像情報を生成し、生成した進路表示画像情報を表示部58に出力する(S211)。表示部58は、進路表示画像情報が入力されることに応じて、入力された進路表示画像情報に対応する進路表示画像940を表示する。
【0091】
図9は、進路表示画像940を示す図である。
【0092】
進路表示画像940において、保守用車両101の現在位置を含む区間である区間「1」と、区間「1」と単一の開通情報アイコン912を介して接続される区間「2」との間の進路916が表示されることが第2軌道画像920と相違する。進路916は、区間「1」と区間「2」とに亘って軌道に重畳して表示される淡紅色の帯で示される。進路表示画像940において、進路916が表示されることで、保守作業者111は、保守用車両101の通行予定の進路を視覚的に確認することができる。
【0093】
図10(a)は、S103に示す進路判定処理のより詳細な処理を示すフローチャートである。
【0094】
まず、進路判定部63は、モード変更指示が入力されたか否かを判定する(S301)。進路判定部63は、モード変更指示が入力されたと判定する(S301ーYES)まで、S301の処理を繰り返す。進路判定部63によってモード変更指示が入力されたと判定される(S301ーYES)と、第2モードから第3モードに移行する。第3モードは、S102の処理で取得された進路を保守用車両101が通行可能であるか否かを判定する進路判定モードである。
【0095】
進路判定部63は、モード変更指示が入力されたと判定する(S301ーYES)と、S102の処理で取得された進路に含まれる分岐器の開通方向を抽出する(S302)。進路判定部63は、S102の処理で取得された進路に含まれる分岐器を特定する。進路表示画像940では、進路判定部63は、区間「1」と区間「2」との間に配置される開通情報アイコン912に対応する分岐器を特定する。進路判定部63は、S101の処理で取得された開通情報に含まれる開通情報から、区間「1」と区間「2」との間に配置される開通情報アイコン912に対応する分岐器12の開通方向を抽出する。
【0096】
次いで、進路判定部63は、S302の処理で抽出した開通方向が第1区間と第2区間とを接続する方向であるか否かを判定する(S303)。進路判定部63は、S302の処理で抽出した開通方向が第1区間と第2区間とを接続する方向であると判定する(S303-YES)と、第1区間と第2区間との間に配置される分岐器を保守用車両101が通過可能であると判定する(S304)。進路判定部63は、第1区間と第2区間との間に配置される分岐器を保守用車両101が通過可能であると判定すると、進路の通過を許可することを示す許可情報を記憶部51に記憶する。
【0097】
進路判定部63は、S302の処理で抽出した開通方向が第1区間と第2区間とを接続する方向ではないと判定する(S303-NO)と、第1区間と第2区間との間に配置される分岐器を保守用車両101が通過可能ではないと判定する(S305)。進路判定部63は、第1区間と第2区間との間に配置される分岐器を保守用車両101が通過可能ではないと判定すると、進路の通過を許可しないことを示す不許可情報を記憶部51に記憶する。
【0098】
図10(b)は、S104に示す判定信号出力処理のより詳細な処理を示すフローチャートである。
【0099】
まず、判定信号出力部64は、保守用車両101が進路の通行を許可されているか否かを判定する(S401)。判定信号出力部64は、許可情報が記憶部51に記憶されるとき、保守用車両101が進路の通行を許可されていると判定する(S401-YES)。判定信号出力部64は、不許可情報が記憶部51に記憶されるとき、保守用車両101が進路の通行を許可されていないと判定する(S401-NO)。判定信号出力部64は、保守用車両101が進路の通行を許可されていると判定した(S401-YES)とき、通行許可画像960を示す通行許可画像情報を通行許可信号として表示部58に出力する(S402)。通行許可画像960は、保守用車両101が進路の通行を許可されたことを示す画像である。
【0100】
図11は、通行許可画像960を示す図である。
【0101】
判定信号出力部64は、入力ボタン領域905及びモード表示領域906に表示される文字が進路表示画像940から変更され、且つ、進路916の代わりに表示態様が変更された進路917が表示されるように通行許可画像情報を生成する。通行許可画像960では、入力ボタン領域905に表示される文字が「クリア」等に変更され、モード表示領域906に表示される文字が「要求済」等に変更される。進路917は、淡黄色ではなく例えば青色等の色彩が進路916と相違する。なお、進路917の表示態様は、太さを相違させる等の色を相違させる以外の他の態様で進路916の表示態様と相違させてもよい。
【0102】
通行許可画像960において、入力ボタン領域905に表示される文字が「クリア」等に変更される。保守用車両101が進路を通過した後に、保守作業者111によって入力ボタン領域905が長押しされることで、第1モードに戻り、第1軌道画像900が表示される。また、モード表示領域906に表示される文字が「要求済」等に変更され、保守作業者111と操作者112とが打合せが終了していることが示される。
【0103】
また、通行許可画像960において、進路917が進路916と異なる表示態様で表示されることで、保守作業者111は、進路判定装置1の操作及び分岐器12の開通方向の変更が適切になされたことを容易に把握することができる。
【0104】
判定信号出力部64は、許可情報が記憶部51に記憶されないと判定した(S401-NO)とき、保守用車両101が進路の通行を許可されないことを示す通行不許可信号をスピーカ53、バイブレータ54及び表示部58に出力する(S403)。スピーカ53は、通行不許可信号が入力されることに応じて、保守用車両101が進路の通行を許可されない旨の音声を出力する。バイブレータ54は、通行不許可信号が入力されることに応じて所定の期間に亘って振動する。表示部58は、保守用車両101が前記進路の通行を許可されないことを示す画像である通行不許可画像980を示す通行不許可画像情報が、通行不許可信号として入力される。
【0105】
図12は、通行不許可画像980を示す図である。
【0106】
判定信号出力部64は、進路表示画像940において自車情報表示領域908に「警告」等の文字を表示するように警告表示画像情報を生成し、生成した警告表示画像を表示部58に出力する。表示部58は、警告表示画像情報が入力されることに応じて、自車情報表示領域908に「警告」等の文字が表示される通行不許可画像980を表示する。
【0107】
(第1実施形態に係る進路判定システムの作用効果)
進路判定システム100では、分岐器12の操作を保守作業者111が操作者112に依頼するとき、進路判定装置1は、保守用車両101が通過する進路を示す進路情報を保守作業者111の入力部57への入力を介して取得する。また、進路判定装置1は、操作者112によって操作された分岐器の開通方向を示す開通情報を参照して、取得した進路情報に対応する進路に含まれる前記分岐器を保守用車両101が通行可能か否かを判定する。進路判定システム100では、進路判定装置1は、開通情報を参照して、取得した進路情報に対応する進路に含まれる分岐器を保守用車両101が通行可能か否かを判定するので、操作者によって操作された分岐器の開通方向が適切なものであるかを判定できる。
【0108】
また、進路判定システム100では、進路判定装置1は、保守作業者111による第1タップにより入力される第1区間情報と第1タップの後の第2タップにより入力される第1区間情報とにより進路を決定するので、保守作業者111は進路の指定が容易である。
【0109】
また、進路判定システム100では、進路判定装置1は、操作者112により操作された分岐器12の開通方向を取得して、保守作業者111によって指定された進路に含まれる分岐器12の開通方向により保守用車両101が通行可能か否かを判定する。進路判定装置1は、操作者112によって操作された分岐器12の開通方向及び保守作業者111によって指定された進路により通行可能か否かを判定するので、保守作業者111は、保守作業者111の依頼と操作者112との操作の間の齟齬を容易に確認できる。
【0110】
また、進路判定システム100では、進路判定装置1は、保守用車両101の現在位置を含む区間が第1区間と一致しないと判定したとき、分岐器を車両が通過可能ではないことを示す警報を出力するので、保守作業者111は、入力操作ミスを低減できる。
【0111】
さらに、進路判定システム100では、進路判定装置1は、第1区間と第2区間との間が単一の分岐器の操作によって接続されないと判定したとき、分岐器を車両が通過可能ではないことを示す警報を出力するので、保守作業者111は入力操作ミスを低減できる。
【0112】
また、進路判定システム100では、軌道画像において、中央部に描画される軌道の縮尺が、端部に描画される軌道の縮尺よりも大きい。進路判定システム100では、分岐器の数が多い中央部の縮尺を、分岐器の数が少ない短部の縮尺よりも大きくすることで、軌道画像は、保守作業者111は、進路を選択するときに所望の区間を容易にタップすることができる。
【0113】
以上、本実施形態の進路判定システム100によれば、安全性に配慮しつつ、分岐器の開通方向が車両の進路として適切なものであるかを判定することができる。
【0114】
(第2実施形態に係る進路判定システム)
図13は、第2実施形態に係る進路判定システムを示す図である。
【0115】
進路判定システム200は、第1保守用車両101a及び第2保守用車両101bを保守用車両101の代わりに有することが進路判定システム100と相違する。また、進路判定システム200は、第1進路判定装置1a、第2進路判定装置1b、第3進路判定装置1c、第4進路判定装置1d及び第5進路判定装置1eを進路判定装置1の代わりに有することが進路判定システム100と相違する。第1保守用車両101a及び第2保守用車両101b並びに第1進路判定装置1a~第5進路判定装置1e以外の進路判定システム200の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された進路判定システム100の構成要素の構成及び機能と同一である。第1保守用車両101a及び第2保守用車両101b並びに第1進路判定装置1a~第5進路判定装置1e以外の進路判定システム200の構成要素の構成及び機能の詳細な説明は省略される。
【0116】
第1保守用車両101a及び第2保守用車両101bは、保守用車両101と同様に、軌道の保守安全点検検査や測定作業等を行う。第1進路判定装置1a~第5進路判定装置1eは、進路判定装置1と同一の構成を有する。第1進路判定装置1aは第1保守用車両101aに配置され、第2進路判定装置1bは第2保守用車両101bに配置され、第3進路判定装置1cは軌道の近傍に位置する保守作業者111によって所持される。第4進路判定装置1dはオペレータが分岐器12の開通方向を含む軌道の状態を監視制御する中央指令室103に配置され、第5進路判定装置1eは駅102に配置される。
【0117】
(第2実施形態に係る進路判定システムの作用効果)
進路判定システム200では、第1進路判定装置1aは第1保守用車両101aに配置され、第2進路判定装置1bは第2保守用車両101bに配置される。進路判定システム200では、第1保守用車両101a及び第2保守用車両101bのそれぞれに乗車する保守作業者111は、第1進路判定装置1a及び第2進路判定装置1bを介して第1保守用車両101a及び第2保守用車両101bの位置関係を把握できる。
【0118】
また、第3進路判定装置1cは軌道の近傍に位置する保守作業者111によって所持されるので、第3進路判定装置1cを所持する保守作業者111は、第1保守用車両101a及び第2保守用車両101bの現在位置を把握できる。また、第1進路判定装置1a及び第2進路判定装置1bのそれぞれを所持する保守作業者111は、第3進路判定装置1cを所持しながら軌道の近傍に位置する保守作業者111の現在位置を把握できる。
【0119】
また、第4進路判定装置1dは中央指令室103に配置されるので、中央指令室103で監視制御するオペレータは、第1保守用車両101a及び第2保守用車両101b並びに第3進路判定装置1cを所持する保守作業者111の現在位置を把握できる。また、第5進路判定装置1eは駅102に配置されるので、操作者112は、第1保守用車両101a及び第2保守用車両101b並びに第3進路判定装置1cを所持する保守作業者111の現在位置を把握できる。中央指令室103で監視制御するオペレータ及び操作者112の双方が軌道上の保守車両及び軌道の近傍に位置する保守作業者の現在位置を把握できるので、保守作業の安全性が向上する。
【0120】
(実施形態に係る進路判定システムの変形例)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した本発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0121】
進路判定システム100では、入力ボタン領域905は、「進路要求」、「終了」及び「クリア」の3種類の文字を表示する。しかしながら、実施形態に係る進路判定システムでは、入力ボタン領域905は異なる文字を表示してもよく、入力ボタン領域905は4種類の文字を表示してもよく、入力ボタン領域905は日本語以外の文字を表示してもよく、入力ボタン領域905はピクトグラム等の文字以外の記号を表示してもよい。
【0122】
また、進路判定システム100では、進路判定装置1は入力部57及び表示部58を備えたタッチパネル52を有するが、実施形態に係る進路判定システムでは、進路判定装置は入力部及び表示部を別個の装置として備えてもよい。進路判定装置が入力部及び表示部を別個の装置として備えるとき、入力部はキーボード及び物理ボタンであってもよい。
【0123】
また、進路判定システム100では、進路判定装置1はスピーカ53、バイブレータ54及び表示部58から警報信号を出力する。しかしながら、実施形態に係る進路判定システムでは、進路判定装置はスピーカ53及びバイブレータ54の少なくとも一方を有さなくてもよい。また、表示部58による警報は、自車情報表示領域908以外に表示してもよい。加えて、表示部58による警報は、異なる文字を表示してもよく、日本語以外の文字を表示してもよく、ピクトグラム等の文字以外の記号を表示してもよい。
【0124】
また、進路判定システム100では、スピーカ53及びバイブレータ54は警報信号を出力するが、実施形態に係る進路判定システムでは、スピーカ53及びバイブレータ54は警報信号に加えて進路情報を示す信号を出力してもよい。
【0125】
また、進路判定システム100では、進路判定装置1は車両位置情報取得部55を備えるが、実施形態に係る進路判定システムでは、進路判定装置は車両位置情報取得部55を有さず、進路判定装置の外部にGPS受信機を備えてもよい。
【0126】
また、進路判定システム100では、開通情報アイコン912は太線で表示され、レール画像914は細線で表示されるが、実施形態に係る進路判定システムでは、開通情報アイコン及びレール画像は他の態様で表示されてもよい。例えば、実施形態に係る進路判定システムでは、開通情報アイコン及びレール画像は、色を相違させて表示されてもよく、太さ及び色を相違させて表示されてよく、ピクトグラム等の他の記号によって表示されてもよい。
【0127】
また、進路判定システム100では、サーバ30は開通情報記憶装置として機能するが、実施形態に係る進路判定システムは、開通情報記憶装置として機能するサーバ30以外の記憶装置を有してもよい。
【0128】
また、進路判定システム100では、進路判定装置1は保守用車両101に配置されるが、実施形態に係る進路判定システムでは、進路判定装置1はレールと接する車輪を有する車両に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0129】
100、200 進路判定システム
101 保守用車両(車両)
1 進路判定装置
10 軌道
11 区間
12 分岐器
20 開通方向検出装置
30 サーバ(開通情報記憶装置)
40 通信ネットワーク
61 開通情報取得部
62 進路情報取得部
63 進路判定部
64 判定信号出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13