(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067398
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】会議室システム、制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20240510BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177443
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 将
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA11
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】会議室の利用予定に合わせて快適な会議環境を提供する。
【解決手段】会議室システムは、器具と、器具情報取得部と、指示部とを備える。器具とは、駆動部を備えた会議室の構成要素である。器具情報取得部は、会議に応じた会議室を構成する器具に関する情報である器具情報を取得する。指示部は、器具に対し、器具情報に基づいて移動することを指示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部を備えた会議室の構成要素である複数種類の器具と、
会議に応じた会議室を構成する前記器具に関する情報である器具情報を取得する器具情報取得部と、
前記器具に対し、前記器具情報に基づいて移動することを指示する指示部と、
を備える会議室システム。
【請求項2】
前記器具情報は、器具の種別と、各種別の器具の数に関する情報を含む、
請求項1に記載の会議室システム。
【請求項3】
会議室において行われる会議に関する情報である会議情報を取得する会議情報取得部を更に備え、
前記器具情報取得部は、前記会議情報に基づいて、前記会議が行われる会議室に用いられる器具を決定することで前記器具情報を取得する、
請求項1に記載の会議室システム。
【請求項4】
前記会議情報に基づいて、会議に使用可能な領域において、前記会議が行われる会議室として割り当てるサブ領域を決定する領域割当部をさらに有し、
前記器具情報取得部は、前記会議情報に基づいて、前記会議に割り当てられた前記サブ領域に用いられる器具及び前記器具の配置を含む前記器具情報を決定する、
請求項3に記載の会議室システム。
【請求項5】
前記領域割当部は、前記会議情報から得られる会議の出席者数と、出席者の属性と、会議の属性とのうち一以上に基づいて前記サブ領域の位置を決定する、
請求項4に記載の会議室システム。
【請求項6】
前記器具は、間仕切り、テーブル、椅子、表示装置及びホワイトボードのうち一以上を含む、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の会議室システム。
【請求項7】
会議に応じた会議室を構成する器具に関する情報である器具情報を取得する器具情報取得部と、
駆動部を備えた各器具に対し、前記器具情報に基づいて移動することを指示する指示部と、
を備える制御装置。
【請求項8】
コンピュータを、
請求項7に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議室システム、制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イベントの進行に応じて光の透過率を変更可能なパーティションがあった(例えば、特許文献1参照)。また、予約情報に応じてブース内やブース外の配置物の位置を変更する技術があった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7142422号公報
【特許文献2】特開2022-139981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、会議等に利用できるエリアについては、中長期的な利用率を想定して段階的な広さや備え付ける机や椅子などの器具の数を計画する必要がある。そのため、組織変動や年間の時期によって利用率の悪い部屋が出来る。そこで、利用予定に合わせて柔軟に会議室を構成し、会議室を有効活用することが望まれていた。特許文献1及び2の技術は、利用予定に応じて会議室を柔軟に構成するものではない。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、会議室の利用予定に合わせて快適な会議環境を提供することができる会議室システム、制御装置及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、駆動部を備えた会議室の構成要素である複数種類の器具と、会議に応じた会議室を構成する前記器具に関する情報である器具情報を取得する器具情報取得部と、前記器具に対し、前記器具情報に基づいて移動することを指示する指示部と、を備える会議室システムである。
【0007】
本発明の一態様は、上述の会議室システムであって、器具の種別と、各種別の器具の数に関する情報を含む。
【0008】
本発明の一態様は、上述の会議室システムであって、会議室において行われる会議に関する情報である会議情報を取得する会議情報取得部を更に備え、前記器具情報取得部は、前記会議情報に基づいて、前記会議が行われる会議室に用いられる器具を決定することで前記器具情報を取得する。
【0009】
本発明の一態様は、上述の会議室システムであって、前記会議情報に基づいて、会議に使用可能な領域において、前記会議が行われる会議室として割り当てるサブ領域を決定する領域割当部をさらに有し、前記器具情報取得部は、前記会議情報に基づいて、前記会議に割り当てられた前記サブ領域に用いられる器具及び前記器具の配置を含む前記器具情報を決定する。
【0010】
本発明の一態様は、上述の会議室システムであって、前記領域割当部は、前記会議情報から得られる会議の出席者数と、出席者の属性と、会議の属性とのうち一以上に基づいて前記サブ領域の位置を決定する。
【0011】
本発明の一態様は、上述の会議室システムであって、前記器具は、間仕切り、テーブル、椅子、表示装置及びホワイトボードのうち一以上を含む。
【0012】
本発明の一態様は、会議に応じた会議室を構成する器具に関する情報である器具情報を取得する器具情報取得部と、駆動部を備えた各器具に対し、前記器具情報に基づいて移動することを指示する指示部と、を備える制御装置である。
【0013】
本発明の一態様は、コンピュータを、上述の制御装置として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、少ない労力により会議室を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態による会議室システムの構成を示す図である。
【
図2】同実施形態による制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】同実施形態によるサブ領域の割り当ての例を示す図である。
【
図5】同実施形態による器具管理情報の例を示す図である。
【
図6】同実施形態による会議情報の例を示す図である。
【
図7】同実施形態による器具情報の例を示す図である。
【
図8】同実施形態による会議室システムの会議予約処理を示すフロー図である。
【
図9】同実施形態による会議室システムの会議室構成処理を示すフロー図である。
【
図10】同実施形態による会議用スペースのレイアウト例を示す図である。
【
図11】同実施形態による会議用スペースのレイアウト例を示す図である。
【
図12】同実施形態による会議用スペースのレイアウト例を示す図である。
【
図13】同実施形態による会議用スペースのレイアウト例を示す図である。
【
図14】同実施形態による会議用スペースのレイアウト例を示す図である。
【
図15】同実施形態による制御装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態は、オフィスや公共施設において、会議室予約に入力された情報に合わせて効率的な会議環境を提供する会議室システムに関する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による会議室システム1の構成を示す図である。会議室システム1は、制御装置10と、器具20とを有する。器具20は、会議室の構成要素である。器具20は、例えば、テーブル、椅子、間仕切り、ディスプレイ、ホワイトボードなどである。器具20は、移動のための駆動部21を備える。制御装置10と器具20の駆動部21とは、ネットワークNを介して通信する。会議用スペース30は、会議に使用可能な領域である。会議用スペース30は、複数のサブ領域に分割され、各サブ領域は、器具20が配置されることによりそれぞれ会議室として使用される。ネットワークNには、さらに1台以上のユーザ装置40が接続される。制御装置10とユーザ装置40とは、ネットワークNを介して通信する。制御装置10、器具20及びユーザ装置40はそれぞれ、無線によりネットワークNに接続してもよく、有線によりネットワークNに接続してもよい。
【0018】
制御装置10は、予定される会議の情報をユーザ装置40から受信する。制御装置10は、受信した情報に基づいて、各会議に会議用スペース30内のサブ領域と、使用される器具20とを割り当てる。制御装置10は、会議の開始に合わせて器具20にサブ領域へ移動するよう指示する。器具20の駆動部21は、制御装置10からの指示に従ってサブ領域へ移動する。これにより、労力を低減しながら、会議室の利用予定に合わせて会議室を構成する。
【0019】
図2は、制御装置10の構成を示すブロック図である。制御装置10は、通信部11と、記憶部12と、受信部13と、領域割当部14と、器具情報取得部15と、指示部16とを備える。
【0020】
通信部11は、ネットワークNを介して他の装置とデータを送受信する。記憶部12は、器具管理情報と、会議情報と、器具情報とを含む各種情報を記憶する。器具管理情報は、会議用スペース30で使用可能な全ての器具20に関する情報である。会議情報は、会議用スペース30において行われる会議に関する情報を示す。会議情報は、割当領域の情報を含む。割当領域は、会議用スペース30において会議に割り当てられたサブ領域を示す。器具情報は、会議が行われるサブ領域において会議室を構成する器具20に関する情報である。器具情報は、器具20の種別と、各種別の器具20の数に関する情報を含む。
【0021】
受信部13は、会議情報を取得する会議情報取得部の一例である。受信部13は、ユーザ装置40から会議予約情報を受信する。受信部13は、会議予約情報に基づいて会議情報を生成し、記憶部12に書き込む。領域割当部14は、会議情報に基づいて、会議に割り当てるサブ領域を決定する。このとき、領域割当部14は、会議情報から得られる会議の出席者数と、出席者の属性と、会議の属性とのうち一以上に基づいて、会議用スペース30において会議に割り当てるサブ領域の位置を決定する。出席者の属性の例は、出席者の所属部署や役職、社内/社外、年齢などである。会議の属性は、例えば、機密性が高い会議、アイデア会議、まとめ会議等である。器具情報取得部15は、会議情報に基づいて、会議に使用される器具20の種別及び数を決定する。器具情報取得部15は、各会議に使用される器具20の種別及び数を含む器具情報を生成し、記憶部12に書き込む。さらに、器具情報取得部15は、サブ領域におけるそれら器具20の配置位置を決定し、器具情報に設定してもよい。指示部16は、記憶部12に記憶されている器具情報に基づいて、会議開始前までに、会議に割り当てられたサブ領域内に、又は、そのサブ領域における配置位置に移動するよう器具20へ指示する。あるいは、指示部16は、器具情報に基づいて、会議開始前までに、会議に割り当てられた器具20を、会議用スペース30内又は周辺の器具準備スペースに移動するように器具20へ指示してもよい。この場合、会議の出席者や会議室の管理担当者などが器具準備スペースの器具20をサブ領域に移動させる。
【0022】
図3は、会議用スペース30におけるサブ領域の割り当ての例を示す図である。
図3は、会議用スペース30を上から見た図を示している。会議A1に、会議用スペース30のサブ領域A1が割り当てられている。さらに、サブ領域A1には、テーブル20a、椅子20b、間仕切り20c、ホワイトボード20dなどの器具20の配置位置が決定されている。領域割当部14は、会議A1と並行して開催される会議A2の会議情報に基づいてサブ領域A2の大きさ及び形状を決定する。例えば、領域割当部14は、出席者数に応じて決まるサブ領域C1~C3の中から、出席者の属性や会議の属性などに基づいて選択したサブ領域C3を、会議A2のサブ領域A2として決定する。領域割当部14は、会議用スペース30の面積からサブ領域A1の面積を除いた使用可能面積が、サブ領域A2の面積よりも広い場合、サブ領域A2を会議用スペース30に割り当て可能と判断する。
【0023】
領域割当部14は、サブ領域A2を、会議用スペース30からサブ領域A1を除いた使用可能領域のうち、サブ領域A1に近い位置に配置するか、遠い位置に配置するかを決定する。領域割当部14は、この決定に、会議A1及び会議A2それぞれの会議情報から得られる出席者数、出席者の属性及び会議の属性のうち少なくとも一部の情報を用いる。さらに、器具情報取得部15は、会議情報が示す出席者数と、出席者の属性と会議の属性との一方又は両方に基づいて、サブ領域A2に使用される器具20の種別及び数を決定する。器具情報取得部15は、サブ領域A2における各器具20の配置位置をさらに決定してもよい。
図3では、サブ領域A2に、器具20として、テーブル20a、椅子20b、間仕切り20c及びディスプレイ20eが配置される。
【0024】
図4は、器具20の例を示す図である。
図4では、間仕切り20cを示している。間仕切り20cの駆動部21は、会議用スペース30の上部に設けられる天井搬送装置である。駆動部21の下には、間仕切りのカーテン22及びスポットスクリーン23が取り付けられる。カーテン22はそれぞれ、パーティションとして使用可能である。駆動部21は、カーテン22の位置やスポットスクリーン23の位置を移動させる。また、駆動部21は、使用されない場合にはカーテン22を畳み、会議中にはカーテン22を広げる。これにより、使用されていないスペースを認識しやすくする。駆動部21は、会議の終了時刻又は終了時刻よりも所定時間だけ前に再びカーテン22を畳むよう動作してもよい。これにより、出席者に会議の終了時刻を意識させることができる。カーテン22が大きなドレープを有するようにすることで空間の柔らかさを演出したり、サブ領域を囲むカーテンの隙間を多めにするか少なめにすることで、開放感や密室間を演出したりもできる。また、カーテン22の表を暖色、裏を寒色にするなど裏と表で色を変え、いずれの面を出席者側に向けるかによって、会議の雰囲気を変えることが可能である。カーテン22に代えて、板や壁などを用いてもよい。また、間仕切り20cは、床を走行する車輪が取り付けられたパーティションなどでもよい。同様に、テーブル20a、椅子20b、ホワイトボード20d、ディスプレイ20eの駆動部21は、床を走行するための車輪を制御するものでもよい。あるいは、ホワイトボード20dやディスプレイ20eは、天井から吊るしたホワイトボードやディスプレイを搬送するものでもよい。
【0025】
図5は、制御装置10の記憶部12に記憶される器具管理情報の例を示す図である。器具管理情報は、会議用スペース30で使用可能な全ての器具20それぞれの器具識別情報と、種類と、使用予定とを示す。器具識別情報は、各器具20を特定する情報である。器具20の種類は、器具20の分類、グレード、機能などにより表される。分類は、テーブル、椅子、間仕切り、ディスプレイ、ホワイトボードなどである。グレードは、器具20の等級を示す。グレードは、例えば、一般、高級、カジュアルなどを示す。機能には、例えば、防音など機密性の高い会議に好適な機能を有することが示される。また、
図4に示す間仕切り20cの場合、器具識別情報にはカーテン22やスポットスクリーン23の識別情報が設定される。
【0026】
図6は、制御装置10の記憶部12に記憶される会議情報の例を示す図である。会議情報は、会議用スペース30において行われる会議に関する情報を示す。会議情報は、会議識別情報と、会議名と、会議時間と、予約者と、出席者数と、出席者属性と、使用設備と、会議属性と、割当領域との情報を含む。会議識別情報は、会議を特定する情報である。会議時間は、会議の開始時刻及び終了時刻を示す。使用設備は、会議において使用する設備を示す。使用設備には、電源の有無と、予約器具とが含まれる。電源の有無は、電源があるスペースを希望するか否かを示す。予約器具は、テーブルや椅子など会議に最低限使用される器具20以外に、会議での使用を希望する器具20とその数を示す。例えば、予約器具は、ホワイトボード20dやディスプレイ20eを使用するか否か、使用する場合にはその数を示す。出席者属性は、例えば、出席者の役職や所属、年齢(又は年代)、社内であるか社外であるかなどを示す。会議属性は、例えば、会議内容、会議の目的、守秘の有無、発表者の有無、立ち/座り、冷静/興奮などを示す。会議内容は、例えば、ウェブ会議、セミナー、食事、棚卸、休息、運動、実験などを示す。会議の目的は、例えば、連絡会、ブレスト(発散/収束)、意思決定などを示す。割当領域は、会議に割り当てられたサブ領域の形状及び会議用スペース30における割当位置を示す。
【0027】
図7は、制御装置10の記憶部12に記憶される器具情報の例を示す図である。器具情報は、会議識別情報と、会議時間と、会議に使用される器具20の種類及び使用数と、割り当てられた器具20の器具識別情報及び配置位置との情報を含む。
【0028】
続いて、会議室システム1の動作を説明する。
図8は、制御装置10の会議予約処理を示すフロー図である。ユーザ装置40は、会議予約者により入力された会議予約情報を制御装置10に送信する。会議予約情報は、会議名、会議時間、予約者、出席者数、出席者の情報を含む。会議予約情報は、さらに、出席者属性、使用設備、会議属性の情報を含み得る。出席者属性、使用設備及び会議属性のそれぞれには、一部の情報のみが含まれてもよい。例えば、出席者が社内の人物である場合、出席者属性に所属が設定されなくてもよい。また、出席者が社外の人物である場合などは、出席者属性にその出席者の会社名や役職などの出席者属性が設定され、年齢は設定されなくてもよい。制御装置10の受信部13は、通信部11を介して会議予約情報を受信する(ステップS1)。受信部13は、会議予約情報を複数回に分けて受信してもよい。
【0029】
受信部13は、受信した会議予約情報に社内の出席者が含まれ、かつ、所属や年齢が設定されていない場合、その出席者の所属や役職、年齢などの属性情報を取得する。例えば、受信部13は、各社員の属性情報を管理する外部のシステムから属性情報を取得してもよい。あるいは、記憶部12に各社員の属性情報を記憶しておいてもよい。受信部13は、受信した会議予約情報と、取得した出席者の属性情報とを含む会議情報を生成する。生成された会議情報を予約対象会議情報と記載し、予約対象会議情報の会議識別情報により特定される会議を予約対象会議と記載する。
【0030】
さらに、受信部13は、予約対象会議情報に設定されている会議名、出席者属性、及び、会議属性のいずれか又は任意の組み合わせに基づいて会議属性情報を得る。例えば、受信部13は、会議名に「決算」、「営業秘密会議」などのキーワードが含まれている場合や、会議名に「評価」が含まれ、かつ、出席者属性が「人事部」である場合、会議属性に守秘有が設定されている場合、機密性が高い会議と判断する。また、受信部13は、会議情報に「アイデア」というキーワードが含まれている場合、アイデア会議と判断する。この会議属性情報の取得には、AI(人工知能)が用いられてもよい。得られた会議属性情報は、会議予約情報に含まれる会議属性情報に加えて各処理に用いられる。
【0031】
領域割当部14は、予約対象会議情報に基づいて予約対象会議のサブ領域の広さ及び形状を決定する(ステップS2)。例えば、領域割当部14は、予約対象会議情報に設定されている出席者数によってサブ領域の広さ及び形状を決定する。あるいは、領域割当部14は、予約対象会議情報に設定されている出席者数と、出席者属性と会議属性との一方又は両方に基づいてサブ領域の広さ及び形状を決定する。領域割当部14は、機密性が高い会議属性である場合、出席者属性に役職者、他社、法務部や知財部など機密性が高い話題を扱う所定の部署が含まれる場合、同じ出席者数の一般の会議のサブ領域よりも広いサブ領域を決定する。また、領域割当部14は、会議属性が試作審査である場合や、会議属性情報に実験や運動などが設定されている場合も、同じ出席者数の一般の会議のサブ領域よりも広いサブ領域を決定する。一般の会議と比較してどれくらい広いサブ領域とするかは、広いサブ領域を割り当てるとの判断に用いられた会議属性や出席者属性に応じて決定される。サブ領域の決定には、AIを用いてもよく、記憶部12に予め、出席者数と、会議属性と、出席者属性との組合せに対応付けてサブ領域の広さ及び形状を記憶しておいてもよい。領域割当部14は、予約対象会議情報から得られた出席者数と、会議属性と、出席者属性とに基づいて記憶部12からサブ領域の広さ及び形状を読み出す。
【0032】
続いて、領域割当部14は、予約対象会議にサブ領域を割当可能であるか否かを判断する(ステップS3)。具体的には、領域割当部14は、記憶部12から予約対象会議情報が示す会議時間と少なくとも一部の会議時間が重なる会議情報を読み出す。読み出した会議情報を、並行開催会議情報と記載し、並行開催会議情報の会議識別情報により特定される会議を並行開催会議と記載する。領域割当部14は、並行開催会議情報のそれぞれに設定されている割当領域の論理和を、会議用スペース30の領域から除いて割当可能領域を得る。領域割当部14は、割当可能領域が、ステップS2において決定した予約対象会議のサブ領域よりも大きな場合、予約対象会議にサブ領域を割当可能と判断する(ステップS3;YES)。受信部13は、予約対象会議に会議識別情報を割り当て、予約対象会議情報に設定する。
【0033】
領域割当部14は、割当可能領域において予約対象会議のサブ領域を割り当てる位置を決定する(ステップS4)。領域割当部14は、予約対象会議情報から機密性が高い会議属性が得られる場合や、予約対象会議情報の出席者属性に役職者、他社、機密性が高い話題を扱う所定の部署が含まれる場合には、並行開催会議のサブ領域の割当位置からなるべく離れた位置、または、周辺に所定の空白の領域(他の会議が行われない領域)を設けた位置に予約対象会議のサブ領域を割り当てる。あるいは、領域割当部14は、並行開催会議情報から機密性が高い会議属性が得られる場合、並行開催会議情報の出席者属性に役職者、他社、機密性が高い話題を扱う所定の部署が含まれる場合、その並行開催会議の割当領域からなるべく離れた位置、又は、その割当領域の周辺から所定の空白の領域を設けた位置に予約対象会議のサブ領域を割り当てる。また、領域割当部14は、予約対象会議情報が示す出席者数と、並行開催会議情報が示す出席者数とに所定以上の差がある場合、並行開催会議の割当領域からなるべく離れた位置に予約対象会議のサブ領域を割り当てる。これにより、少人数の会議に大人数の会議の圧迫感を与えないようにする。また、領域割当部14は、予約対象会議情報の出席者属性が示す年代と、並行開催会議情報の出席者属性が示す年代とが離れている場合、並行開催会議の割当領域のなるべく近くの位置に予約対象会議のサブ領域を割り当ててもよい。これにより、年代が違うグループを隣接させて社内エンゲージメントを高める効果をねらうことができる。さらには、領域割当部14は、予約対象会議情報の会議属性情報に電源有りが設定されている場合、会議用スペース30において電源を利用可能な領域が含まれるようにサブ領域の位置を決定する。
【0034】
また、領域割当部14は、予約対象会議情報の出席者属性と、並行開催会議情報の出席者属性とが関連する場合、その並行開催会議の割当領域と近い位置に予約対象会議のサブ領域を割り当ててもよい。例えば、開発部の会議のサブ領域と、他の開発部の会議のサブ領域やカスタマーサービス部の会議のサブ領域とが隣接するように配置してもよい。また、領域割当部14は、予約対象会議情報又は並行開催会議情報から得られる会議属性がアイデア会議などの場合、並行開催会議の割当領域と近い位置に予約対象会議のサブ領域を割り当ててもよい。これにより、隣接する会議で話されている内容から業務のヒントが得られる機会を増やす。また、領域割当部14は、予約対象会議情報の出席者属性に役職者や他社などが含まれる場合や、予約対象会議情報の会議属性がアイデア会議などの場合には、眺めの良い位置に予約対象会議のサブ領域を割り当ててもよい。領域割当部14は、予約対象会議情報の割当領域に、割り当てたサブ領域の形状及び位置の情報を設定する。領域割当部14は、AIにより、予約対象会議情報及び並行開催会議情報と用いて、予約対象会議のサブ領域の割当位置を決定してもよい。
【0035】
続いて、器具情報取得部15は、予約対象会議の割当領域に配置する器具20の種類及び数と、その配置位置とを決定する(ステップS5)。具体的には、器具情報取得部15は、出席者数と、会議属性及び出席者属性の一方又は両方と、サブ領域の大きさとに基づいて、テーブル20a、椅子20b及び間仕切り20cの種類及び数と、その配置位置とを決定する。さらに、器具情報取得部15は、予約対象会議情報の予約器具に設定されている数の器具20の配置位置を決定する。例えば、器具情報取得部15は、予約対象会議情報に設定されている出席者属性に役職者、他社などが設定されている場合、高級な器具20を選択し、重厚な空間をしつらえる。出席者が一般職員の場合、一般の器具20を選択する。また、器具情報取得部15は、出席者属性に法務部や知財部など機密性が高い話題を扱う所定の部署が設定されている場合や、会議名に契約や特許などの所定のキーワードが含まれており、機密性が高い会議属性と判断した場合、防音の器具20を選択する。また、器具情報取得部15は、会議属性が議論である場合は、カジュアルな器具20を選択し、議論しやすいカジュアルな空間をしつらえる。器具情報取得部15は、選択した各器具20の割当領域における配置位置を決定する。
【0036】
例えば、予め記憶部12に予め、出席者数と、会議属性と、出席者属性との組合せに対応付けてサブ領域の広さ及び形状と、テーブル20a、椅子20b及び間仕切り20cの種類、数及びサブ領域における配置位置と、ホワイトボード20d及びディスプレイ20eの種類及びサブ領域における配置位置とを記憶しておいてもよい。器具情報取得部15は、ステップS2において領域割当部14が決定したサブ領域に対応付けられた、テーブル20a、椅子20b及び間仕切り20cそれぞれの種類、数及び配置位置と、予約対象会議情報の予約器具が示すホワイトボード20d及びディスプレイ20eの種類及びサブ領域における配置位置とを読み出す。また、器具情報取得部15は、AIにより、予約対象会議情報に基づいて割当領域に配置する器具20の種類及び数と、その配置位置とを決定してもよい。なお、器具情報取得部15は、並行開催会議のサブ領域内における間仕切りの20cの配置位置と予約対象会議情報のサブ領域内における間仕切りの20cの配置位置とが隣接する場合、それら隣接する間仕切り20cの一方を残すようにしてもよい。
【0037】
器具情報取得部15は、器具管理情報を参照し、予約対象会議の会議時間が使用予定に設定されていない器具20の中から、予約対象会議に使用する種類及び数の器具20を選択する。選択した器具20を、選択器具20と記載する。器具情報取得部15は、選択器具20の器具識別情報に対応した器具管理情報の使用予定に、予約対象会議情報の会議時間を追加する。さらに、器具情報取得部15は、選択器具20の配置位置を、その選択器具20と同じ種類の器具20の配置位置に基づいて決定する。器具情報取得部15は、器具管理情報から読み出した選択器具20の器具識別情報と、予約対象会議から読み出した会議識別情報及び会議時間と、選択器具20の種類、数、器具識別情報及び配置位置とを対応付けた器具情報を生成し、記憶部12に書き込む。器具情報取得部15は、会議予約が完了した旨をユーザ装置40に送信する(ステップS6)。
【0038】
なお、器具情報取得部15は、器具20の配置位置を決定しなくてもよい。この場合、器具情報取得部15は、器具情報の配置位置に、予約対象会議情報に設定されている割当領域の情報、又は、器具準備スペースの位置の情報を書き込む。
【0039】
なお、領域割当部14は、割当可能領域が予約対象会議のサブ領域よりも小さな場合、又は、割当可能領域がない場合、予約対象会議にサブ領域を割当付加と判断する(ステップS3;NO)。領域割当部14は、会議予約が不可の旨をユーザ装置40に送信する(ステップS7)。
【0040】
図9は、制御装置10の会議室構成処理を示すフロー図である。制御装置10は、所定の周期毎に
図9に示す処理を行う。制御装置10の指示部16は、会議開始時刻が現在から所定の時間以内の器具情報を記憶部12から読み出す(ステップS11)。指示部16は、読み出した器具情報から器具識別情報及び配置位置の組を読み出す。指示部16は、読み出した組毎に、器具識別情報により特定される器具20の駆動部21に、配置位置へ移動するよう指示する(ステップS12)。器具20の駆動部21は、指示部16からの指示に従って配置位置へ移動する。また、器具20が
図4に示す間仕切り20cである場合、指示部16は、種別に設定されているグレードに応じて、カーテン22の暖色又は寒色の面を向けるや、カーテン22にドレープを作るか直線的にするかを指示する。器具情報に含まれる配置位置の情報が割当領域又は器具準備スペースを示す場合、会議の出席者や会議室の管理担当者などが割当領域又は器具準備スペースに移動した器具20それぞれを、割当領域内の適切な位置に配置する。
【0041】
次に、指示部16は、会議終了時刻が現在から所定の時間以内の器具情報を記憶部12から読み出す(ステップS13)。所定時間は、0でもよい。指示部16は、読み出した器具情報から間仕切り20cの器具識別情報を読み出す。指示部16は、器具識別情報により特定される間仕切り20cの駆動部21に移動を指示する(ステップS14)。例えば、指示部16は、所定の収納位置への移動、割当領域の隅への移動、人が通れるくらいの隙間を空けるため移動などを指示する。間仕切り20cの駆動部21は、指示部16からの指示に従って移動する。
【0042】
なお、会議予約情報に参加者が途中退出する時刻が含まれてもよい。この場合、受信部13は、会議予約情報に基づいて生成される会議情報に、途中退出時刻を設定する。指示部16は、途中退出時刻が現在から所定時間以内の会議情報を検出すると、その会議情報と同じ会議識別情報が設定されている器具情報から間仕切り20cの器具識別情報を読み出す。指示部16は、読み出した器具識別情報により特定される間仕切り20cの駆動部21に、参加者が退出するための間隔を空けるように移動を指示する。
【0043】
なお、上記では、制御装置10は、自装置が生成した器具情報に基づいて
図9の処理を行っているが、ユーザが生成した器具情報を用いて
図9の処理を行ってもよい。
【0044】
また、上記では、制御装置10は、サブ領域の大きさをフレキシブルに決定しているが、会議用スペース30は予め固定の大きさの複数のサブ領域又は会議室に分かれていてもよい。制御装置10の領域割当部14は、ステップS2において、予め分けられた複数のサブ領域又は会議室の中から、予約対象会議情報から得られる出席者数、会議属性及び出席者属性に基づいて、予約対象会議に割り当てるサブ領域又は会議室を決定してもよい。
【0045】
図10~15は、会議用スペース30におけるサブ領域のレイアウト例を示す図である。
図10は、固定の間仕切り20cを用いたレイアウト例を示す。
図10では、会議用スペース30は3つのサブ領域に分割されており、各サブ領域は間仕切り20cにより区切られている。各サブ領域には、2つのテーブル20aと4つの椅子20bが配置される。
【0046】
図11~
図15は、
図4に示す間仕切り20cを用いたレイアウト例を示す。
図11では、会議用スペース30が、出席者が多い大会議のサブ領域と、出席者が少ない小会議のサブ領域とに分割されている。大会議のサブ領域及び小会議のサブ領域はそれぞれ、会議用スペース30の外から人が出入りできるような隙間を空けたカーテン22により仕切られる。各サブ領域には、出席者数に応じた数のテーブル20a及び椅子20bと、ホワイトボード20dとが配置されている。
【0047】
図12では、会議用スペース30が、3つの小会議のサブ領域に分割されている。3つの小会議はそれぞれ、会議用スペース30の外から人が出入りできるような隙間を空けたカーテン22により仕切られる。隣接するサブ領域においてこの隙間は異なる方向に設けられる。各サブ領域には、4人の出席者数に応じた数のテーブル20a及び椅子20bと、ホワイトボード20dとが配置されている。
【0048】
図13は、会議用スペース30が、2つの集中席のサブ領域と、中大会議のサブ領域と、小会議のサブ領域とに分割されている。2つの集中席のサブ領域と、小会議のサブ領域とは、中大会議のサブ領域を挟んだ位置である。集中席のサブ領域には、中大会議のサブ領域に背をむけるように椅子20bが配置されている。また、予約済みの集中席の間仕切り20cのカーテン22は広がっており、予約されていない集中席の間仕切り20cのカーテン22は畳んである。中大会議のサブ領域には、大きなテーブル20aを囲んで各出席者の椅子20bが配置されている。
【0049】
図14は、会議用スペース30が、ウェブ会議用のサブ領域と、セミナー又はワークショップ用のサブ領域と、もう一つのサブ領域とに分割されている。ウェブ会議用のサブ領域には、2つのテーブル20aと、2つの椅子20bと、ホワイトボード20dとが配置される。ウェブ会議における背景として映るために、椅子20bの背後のカーテン22は、隣接するサブ領域との間に隙間がないように配置される。また、セミナーやワークショップに用いられるサブ領域には、参加者がグループに分かれて話し合えるように、テーブル20aと椅子20bの組を複数設けている。
【0050】
従来は、会議等に利用できるエリアは、中長期的な利用率を想定して段階的な広さや備え付ける机や椅子などの器具の数を計画していた。このように、予め設営された複数の会議室の中から使用する会議室を予約する場合には、机や椅子など会議室を構成する器具を移動させなくてもよい場合が多かった。一方、一つの領域を出席者数に応じた複数のサブ領域に分け、各サブ領域を会議室として使用することで、柔軟性に会議室を提供することができる。しかしながら、会議毎にサブ領域に会議の出席者数に応じた数の器具を移動させる必要があるため、会議室の構成に時間と労力を要する。本実施形態では、会議室の利用予定に合わせて、少ない労力で会議室を構成することができる。
【0051】
制御装置10をネットワークに接続される複数のコンピュータ装置により実現してもよい。この場合、制御装置10の各機能部を、これら複数のコンピュータ装置のいずれにより実現するかは任意とすることができる。また、同一の機能部を複数のコンピュータ装置により実現してもよい。
【0052】
制御装置10のハードウェア構成例を説明する。
図15は、制御装置10のハードウェア構成例を示す装置構成図である。制御装置10は、プロセッサ71と、記憶部72と、通信インタフェース73と、ユーザインタフェース74とを備える。
【0053】
プロセッサ71は、演算や制御を行う中央演算装置である。プロセッサ71は、例えば、CPU(central processing unit)である。プロセッサ71は、記憶部72からプログラムを読み出して実行する。記憶部72は、さらに、プロセッサ71が各種プログラムを実行する際のワークエリアなどを有する。通信インタフェース73は、他装置と通信可能に接続するものである。ユーザインタフェース74は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の入力装置や、ディスプレイなどの表示装置である。ユーザインタフェース74により、人為的な操作が入力される。
【0054】
受信部13、領域割当部14、器具情報取得部15及び指示部16の機能は、プロセッサ71が記憶部72からプログラムを読み出して実行することより実現される。なお、これらの機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、記憶部12は、記憶部72により実現される。通信部11は、通信インタフェース73により実現される。上記プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配信されてもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0055】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1 会議室システム
10 制御装置
11 通信部
12 記憶部
13 受信部
14 領域割当部
15 器具情報取得部
16 指示部
20 器具
20a テーブル
20b 椅子
20c 間仕切り
20d ホワイトボード
20e ディスプレイ
21 駆動部
22 カーテン
30 会議用スペース
40 ユーザ装置
71 プロセッサ
72 記憶部
73 通信インタフェース
74 ユーザインタフェース