(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067412
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】避難情報管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240510BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177468
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】円谷 信一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】避難者の情報を共有可能に管理することができる情報管理システムを提供する。
【解決手段】避難情報管理システムは、避難者が滞在する第1会場に設けられた第1端末装置と、第2会場に設けられた第2端末装置と、サーバ装置と、を備える避難情報管理システムであって、第1端末装置は、避難者の識別情報である住民IDを発行して、住民IDと避難者の個人情報を記憶し、住民IDを出力する。第2端末装置は、出力された住民IDを読み取って、第2会場のIDを付加して記憶する。第1端末装置とサーバ装置が通信可能なときには、第1端末装置は、住民IDと個人情報をサーバ装置に送信し、サーバ装置は、住民IDと個人情報を記憶する。第2端末装置とサーバ装置が通信可能なときには、第2端末装置は、住民IDと第2会場のIDをサーバ装置に送信し、サーバ装置は、住民IDを記憶する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難者が滞在する第1会場に設けられた第1端末装置と、前記避難者が前記第1会場に滞在した後に滞在する第2会場に設けられた第2端末装置と、前記第1端末装置および第2端末装置とネットワークで接続されたサーバ装置と、を備える避難情報管理システムであって、
前記第1端末装置は、
住民データベースを記憶する第1記憶部と、
前記第1会場の識別情報と、前記避難者を他の避難者と区別する情報と、を含む住民IDを発行する第1住民ID発行部と、
前記住民IDと、前記避難者の個人情報と、を関連付けて前記住民データベースに登録する第1住民ID登録部と、
前記住民IDを前記避難者が持参することができる態様で出力する第1住民ID出力部と、
前記ネットワークが通信可能か否かを判定する第1同期部と、
第1通信部と、を備え、
前記第2端末装置は、
前記住民データベースを記憶する第2記憶部と、
前記避難者が持参した前記住民IDを取得する第2住民ID取得部と、
前記第2住民ID取得部が取得した前記住民IDと、前記第2会場の識別情報と、を関連付けて前記住民データベースに登録する第2住民ID登録部と、
前記ネットワークが通信可能か否かを判定する第2同期部と、
第2通信部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記住民データベースを記憶するサーバ記憶部と、
前記住民IDと、前記個人情報と、前記第2会場の識別情報と、を関連付けて前記住民データベースに登録するサーバ住民ID登録部と、
サーバ通信部と、を備え、
前記第1通信部は、前記第1同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第1記憶部が記憶する前記住民データベースに登録された、前記住民IDと、前記個人情報と、を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ通信部は、送信された前記住民IDと、前記個人情報と、を受信し、
前記サーバ住民ID登録部は、前記住民IDと、前記個人情報と、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記住民データベースに登録し、
前記第2通信部は、前記第2同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第2記憶部が記憶する前記住民データベースに登録された、前記住民IDと、前記第2会場の識別情報と、を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ通信部は、送信された前記住民IDと、前記第2会場の識別情報と、を受信し、
前記サーバ住民ID登録部は、前記住民IDと、前記第2会場の識別情報と、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記住民データベースに登録する、
避難情報管理システム。
【請求項2】
前記第1通信部は、前記第1同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記サーバ記憶部が記憶する前記住民データベースに登録された、前記住民IDに関連付けられた前記第2会場の識別情報を前記サーバ装置から受信し、
前記第1住民ID登録部は、前記第2会場の識別情報を前記住民IDと関連付けて前記第1記憶部が記憶する前記住民データベースに登録し、
前記第2通信部は、前記第2同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記サーバ記憶部が記憶する前記住民データベースに登録された、前記住民IDに関連付けられた前記個人情報を前記サーバ装置から受信し、
前記第2住民ID登録部は、前記個人情報を前記住民IDと関連付けて前記第2記憶部が記憶する前記住民データベースに登録する、
請求項1に記載の避難情報管理システム。
【請求項3】
前記避難者が前記第2会場に滞在した後に滞在する第3会場に設けられた第3端末装置、をさらに備え、
前記第3端末装置は、
前記住民データベースを記憶する第3記憶部と、
前記避難者が持参した前記住民IDと、前記避難者がこれまでに滞在した前記第1会場以外の他の会場の識別情報と、を取得する第3住民ID取得部と、
前記第3住民ID取得部が取得した前記住民IDと、前記他の会場の識別情報と、を関連付けて前記第3記憶部が記憶する前記住民データベースに登録する第3住民ID登録部と、
前記ネットワークが通信可能か否かを判定する第3同期部と、
第3通信部と、を備え、
前記第3通信部は、前記第3同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第3記憶部が記憶する前記住民データベースに登録された、前記住民IDと、前記他の会場の識別情報と、を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ通信部は、送信された前記住民IDと、前記他の会場の識別情報と、を受信し、
前記サーバ住民ID登録部は、前記住民IDと、前記他の会場の識別情報と、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記住民データベースに登録する、
請求項1または請求項2に記載の避難情報管理システム。
【請求項4】
前記第1端末装置は、
前記第1会場の識別情報と、前記避難者が搭乗する車両を他の車両と区別する情報と、を含む車両IDと、前記避難者を前記車両に搭乗する他の避難者から区別する情報を前記車両IDに付加した乗員IDを発行する第1車両ID発行部と、
前記車両IDと前記乗員IDとを関連付けて前記第1記憶部が記憶する車両データベースに登録する第1車両ID登録部と、
前記車両IDと、前記乗員IDと、前記避難者が持参できるような態様で出力する第1車両ID出力部と、
前記第1住民ID出力部が出力した前記住民IDと、前記第1車両ID出力部が出力した前記車両IDおよび前記乗員IDと、を取得する第1コード情報取得部と、
をさらに備え、
前記第1車両ID登録部は、前記第1コード情報取得部が、前記住民IDと、前記車両IDと、前記乗員IDとを取得すると、前記車両IDに関連付けて前記車両データベースに登録された前記乗員IDを前記住民IDに書き換え、
前記第1通信部は、前記第1同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第1記憶部が記憶する前記車両データベースに登録された、前記車両IDと、前記住民IDと、を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ通信部は、送信された前記車両IDと、前記住民IDと、を受信し、
前記サーバ住民ID登録部は、前記車両IDと、前記住民IDと、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記車両データベースに登録する、
請求項1または請求項2に記載の避難情報管理システム。
【請求項5】
前記第1端末装置は、
前記第1会場の識別情報と、前記避難者が搭乗する車両を他の車両と区別する情報と、を含む車両IDを発行する第1車両ID発行部と、
前記住民IDを取得する第1コード情報取得部と、
前記住民IDと前記車両IDとを関連付けて前記第1記憶部が記憶する車両データベースに登録する第1車両ID登録部と、
をさらに備え、
前記第1通信部は、前記第1同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第1記憶部が記憶する前記車両データベースに登録された、前記車両IDと、前記住民IDと、を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ通信部は、送信された前記車両IDと、前記住民IDと、を受信し、
前記サーバ住民ID登録部は、前記車両IDと、前記住民IDと、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記車両データベースに登録する、
請求項1または請求項2に記載の避難情報管理システム。
【請求項6】
前記第2端末装置は、
前記第2会場の識別情報と、前記避難者が搭乗する車両を他の車両と区別する情報と、を含む車両IDと、前記避難者を前記車両に搭乗する他の避難者から区別する情報を前記車両IDに付加した乗員IDを発行する第2車両ID発行部と、
前記車両IDと前記乗員IDとを関連付けて前記第2記憶部が記憶する車両データベースに登録する第2車両ID登録部と、
前記車両IDと、前記乗員IDと、前記避難者が持参できるような態様で出力する第2車両ID出力部と、
前記第1住民ID出力部が出力した前記住民IDと、前記第2車両ID出力部が出力した前記車両IDおよび前記乗員IDと、を取得する第2コード情報取得部と、
をさらに備え、
前記第2車両ID登録部は、前記第2コード情報取得部が、前記住民IDと、前記車両IDと、前記乗員IDと、を取得すると、前記車両IDに関連付けて前記車両データベースに登録された前記乗員IDを前記住民IDに書き換え、
前記第2通信部は、前記第2同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第2記憶部が記憶する前記車両データベースに登録された、前記車両IDと、前記住民IDと、を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ通信部は、送信された前記車両IDと、前記住民IDと、を受信し、
前記サーバ住民ID登録部は、前記車両IDと、前記住民IDと、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記車両データベースに登録する、
請求項1または請求項2に記載の避難情報管理システム。
【請求項7】
前記第2端末装置は、
前記第2会場の識別情報と、前記避難者が搭乗する車両を他の車両と区別する情報と、を含む車両IDを発行する第2車両ID発行部と、
前記住民IDを取得する第2コード情報取得部と、
前記住民IDと前記車両IDとを関連付けて前記第2記憶部が記憶する車両データベースに登録する第2車両ID登録部と、
をさらに備え、
前記第2通信部は、前記第2同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第2記憶部が記憶する前記車両データベースに登録された、前記車両IDと、前記住民IDと、を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ通信部は、送信された前記車両IDと、前記住民IDと、を受信し、
前記サーバ住民ID登録部は、前記車両IDと、前記住民IDと、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記車両データベースに登録する、
請求項1または請求項2に記載の避難情報管理システム。
【請求項8】
前記第3端末装置は、
前記第3会場の識別情報と、前記避難者が搭乗する車両を他の車両と区別する情報と、を含む車両IDと、前記避難者を前記車両に搭乗する他の避難者から区別する情報を前記車両IDに付加した乗員IDを発行する第3車両ID発行部と、
前記車両IDと前記乗員IDとを関連付けて前記第3記憶部が記憶する車両データベースに登録する第3車両ID登録部と、
前記車両IDと、前記乗員IDと、前記避難者が持参できるような態様で出力する第3車両ID出力部と、
前記避難者が持参した前記住民IDと、前記第3車両ID出力部が出力した前記車両IDおよび前記乗員IDと、を取得する第3コード情報取得部と、
をさらに備え、
前記第3車両ID登録部は、前記第3コード情報取得部が、前記住民IDと、前記車両IDと、前記乗員IDと、を取得すると、前記車両IDに関連付けて前記車両データベースに登録された前記乗員IDを前記住民IDに書き換え、
前記第3通信部は、前記第3同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第3記憶部が記憶する前記車両データベースに登録された、前記車両IDと、前記住民IDと、を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ通信部は、送信された前記車両IDと、前記住民IDと、を受信し、
前記サーバ住民ID登録部は、前記車両IDと、前記住民IDと、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記車両データベースに登録する、
請求項3に記載の避難情報管理システム。
【請求項9】
前記第3端末装置は、
前記第3会場の識別情報と、前記避難者が搭乗する車両を他の車両と区別する情報と、を含む車両IDを発行する第3車両ID発行部と、
前記避難者が持参した前記住民IDを取得する第3コード情報取得部と、
前記住民IDと前記車両IDとを関連付けて前記第3記憶部が記憶する車両データベースに登録する第2車両ID登録部と、
をさらに備え、
前記第3通信部は、前記第3同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第3記憶部が記憶する前記車両データベースに登録された、前記車両IDと、前記住民IDと、を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ通信部は、送信された前記車両IDと、前記住民IDと、を受信し、
前記サーバ住民ID登録部は、前記車両IDと、前記住民IDと、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記車両データベースに登録する、
請求項3に記載の避難情報管理システム。
【請求項10】
前記避難者が搭乗する車両又は前記避難者について放射性物質が付着しているかどうかの検査を行った結果に基づいて、前記車両又は前記避難者が次に行うべき検査の検査リスト情報に、前記車両の車両ID又は前記避難者の避難者IDを登録するリスト登録部と、
前記検査リスト情報を出力する検査リスト情報出力部と、
をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の避難情報管理システム。
【請求項11】
前記避難者について放射性物質が付着しているかどうかの検査を行った結果、放射性物質が付着しているという検査結果となった場合、前記避難者が搭乗する車両の車両IDと前記車両に搭乗する他の前記避難者の前記住民IDとを出力する検査対象出力部、
をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の避難情報管理システム。
【請求項12】
前記避難者が搭乗する車両又は前記避難者について放射性物質が付着しているかどうかの検査を行った結果、前記車両又は前記避難者に付着した放射性物質が許容範囲であることが確認された場合のみ検査証を発行する検査証発行部、
をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の避難情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、避難情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原子力施設の災害時に近隣住民を遠く離れた避難所へ避難させるための計画を作成するシステムについて開示がある。近隣住民の避難所は、原子力施設から数十~数百km離れたところに設置されており、避難者は、(1)屋内退避会場、(2)避難退域時検査会場、(3)避難経由所、を経て、(4)避難所まで避難することが多い。従来は、(1)~(4)の各会場で、避難者が、個人情報等を記入することにより、避難者の情報を管理することが多かった。しかし、このような方法では、会場間での情報共有ができない。そこで、各会場にコンピュータ端末を設置し、各会場の端末と災害対策本部のサーバとをネットワークで接続し、各会場で入力された避難者の情報を災害対策本部のサーバへ送信するシステムが検討されている。しかし、災害発生時には、大規模な通信障害が生じる可能性があり、会場と災害対策本部を接続するネットワークに障害が発生すれば、避難状況の共有は困難となる。
【0003】
また、(2)避難退域時検査会場では、車両の汚染状況で搭乗者の検査要否が変わり、搭乗者のうちの代表者の汚染状況により、他の搭乗者の検査要否が変わる。車両の汚染検査と住民の汚染検査は事故防止等の観点から離隔しており、車両と搭乗者の情報共有を関連付けて管理する必要がある。
【0004】
特許文献1に記載されたシステムは、避難者を効率的に避難させるために、第1の車両を使って(1)から(2)まで避難者を輸送する計画と、第2の車両を使って(2)から(4)まで避難者を輸送する計画とを作成するものであり、避難者の情報を管理することについては記載が無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
災害時に通信障害が発生したとしても、避難者の情報を共有可能に管理することができる情報管理システムが必要とされている。
【0007】
本開示は、上記課題を解決することができる避難情報管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の避難情報管理システムは、避難者が滞在する第1会場に設けられた第1端末装置と、前記避難者が前記第1会場から移動して次に滞在する第2会場に設けられた第2端末装置と、前記第1端末装置および第2端末装置とネットワークで接続されたサーバ装置と、を備える避難情報管理システムであって、前記第1端末装置は、住民データベースを記憶する第1記憶部と、前記第1会場の識別情報と、前記避難者を他の避難者と区別する情報と、を含む住民IDを発行する第1住民ID発行部と、前記住民IDと、前記避難者の個人情報と、を関連付けて前記住民データベースに登録する第1住民ID登録部と、前記住民IDを前記避難者が持参することができる態様で出力する第1住民ID出力部と、前記ネットワークが通信可能か否かを判定する第1同期部と、第1通信部と、を備え、前記第2端末装置は、前記住民データベースを記憶する第2記憶部と、前記避難者が持参した前記住民IDを取得する第2住民ID取得部と、前記第2取得部が取得した前記住民IDと、前記第2会場の識別情報と、を関連付けて前記住民データベースに登録する第2住民ID登録部と、前記ネットワークが通信可能か否かを判定する第2同期部と、第2通信部と、を備え、前記サーバ装置は、前記住民データベースを記憶するサーバ記憶部と、前記住民IDと、前記個人情報と、前記第2会場の識別情報と、を関連付けて前記住民データベースに登録するサーバ住民ID登録部と、サーバ通信部と、を備え、前記第1通信部は、前記第1同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定すると、前記第1記憶部が記憶する前記住民データベースに登録された、前記住民IDと、前記個人情報と、を前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ通信部は、送信された前記住民IDと、前記個人情報と、を受信し、前記サーバ住民ID登録部は、前記住民IDと、前記個人情報と、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記住民データベースに登録し、前記第2通信部は、前記第2同期部が、ネットワークが通信可能と判定すると、前記第2記憶部が記憶する前記住民データベースに登録された、前記住民IDと、前記第2会場の識別情報と、を前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ通信部は、送信された前記住民IDと、前記第2会場の識別情報と、を受信し、前記サーバ住民ID登録部は、前記住民IDと、前記第2会場の識別情報と、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記住民データベースに登録する。
【発明の効果】
【0009】
上述の避難情報管理システムによれば、災害時に通信障害が発生したとしても、避難者の情報を共有可能に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る避難経路と避難情報管理システムの一例を示す概略図である。
【
図2】実施形態に係る避難退域時検査会場の構成の一例を示す概略図である。
【
図3】実施形態に係る避難情報管理システムの一例を示す機能ブロック図である。
【
図4】実施形態に係る車両DBの一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る避難者DBの一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る同期処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る避難情報管理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
(概要)
以下、本開示の避難情報の管理および共有方法について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る避難経路と避難情報管理システムの一例を示す概略図である。
原子力施設Pで災害が発生すると近隣に居住する避難者6は、屋外に存在する放射性物質からの被ばくを低減するために、一旦、屋内退避会場1へ避難する。屋内退避会場1とは、例えば、公民館、学校などである。その後、避難者6は車両7に搭乗して避難退域時検査会場2へ向かい、放射性物質の付着の検査を受ける。避難者6と車両7の汚染の程度が許容範囲内であることが確認されると、遠く離れた避難所4への移動を許可される。避難所4は、遠方のため、避難者6と車両7は、途中、避難経由所3を経由して避難所4まで移動する。避難者は、屋内退避会場1、避難退域時検査会場2、避難経由所3、避難所4の順に移動するとは限らない。例えば、屋内退避会場1を経由せずに、自宅から避難退域時検査会場2、避難経由所3、避難所4の順に移動する場合や、混雑を理由に避難退域時検査会場2を回避する場合や、避難経由所3を経由せずに避難所4へ移動する場合や、避難所4の代わりに親族等の住宅へ避難する場合や、屋内退避会場1や避難経由所3を複数経由する場合などがある。
図3に例示する避難情報管理システム100は、避難者6および車両7の情報(例えば、どの避難者6がどの会場に滞在しているか、どの避難者6がどの車両7に搭乗して、どのような経路で避難所4へ向かっているかといった情報)を管理し、災害対策本部5に設けられたサーバ50を含め、屋内退避会場1、避難退域時検査会場2、避難経由所3、避難所4の各会場に設けられた端末で、それらの情報共有を可能にする。
【0012】
<屋内退避会場1のシステム構成>
図1に示すように、屋内退避会場1には、1台又は複数台の端末10、1台又は複数台のルータ11が設けられており、端末10には、バーコードやQRコード(登録商標)を読み取るための読取装置12、バーコード等を印刷するためのプリンター13が接続されている。また、屋内退避会場1には、不図示のストレージ装置が設けられていてもよい。ルータ11は、例えば、無線ルータである。端末10とルータ11は、ローカルネットワークを構成している。屋内退避会場1に避難した避難者6がスマートフォン等の携帯端末60を有している場合、設定により、携帯端末60をローカルネットワークに接続することができる。また、
図3に示すように、端末10は、インターネット、キャリア網、セルラー網などの広域ネットワークNWに接続されており、広域ネットワークNWに通信障害が発生していなければ、災害対策本部5のサーバ50と通信することができる。
【0013】
(端末10の機能・構成)
図3を参照して、端末10の機能・構成について説明する。
図3は、避難情報管理システムの一例を示す機能ブロック図である。端末10は、入力受付部101と、コード情報管理部102と、DB管理部103と、DB同期部104と、出力部105と、記憶部106と、通信部107と、を備える。
入力受付部101は、屋内退避会場1の係員による設定の入力や指示操作の入力を受け付ける。
コード情報管理部102は、避難者6の識別情報である住民IDを発行する。住民IDは、避難者6毎に発行され、例えば、「屋内退避会場1の会場ID」+「通し番号」で構成される。コード情報管理部102は、二次元バーコードやQRコード(登録商標)等の住民コード情報を生成する。住民コード情報には、住民ID又は住民IDと避難者6の避難施設等の履歴が含まれている。コード情報管理部102は、読取装置12によって読み取られた住民コード情報を取得し、住民コード情報から住民IDや避難施設等の履歴を抽出する。住民IDの構成は、屋内退避会場1であることが分かる情報と、避難者6を他の避難者6と区別する情報とが含まれていれば、「屋内退避会場1の会場ID」+「通し番号」でなくてもよい。
【0014】
DB管理部103は、住民データベース(以下、住民DBと記載する。)に、避難者6の住民IDと個人情報、避難施設等の履歴などを登録する。また、DB管理部103は、住民IDをキーとして、住民DBから避難者6の情報を読み出す。住民DBのレイアウトの一例を
図4に示す。
DB同期部104は、端末10とサーバ50を接続する広域ネットワークNWが通信可能かどうかを判定し、通信可能な場合、屋内退避会場1に構築されたローカルネットワーク上に存在する住民DB(住民DBは、例えば、記憶部106や不図示のストレージ装置に登録されている。)に登録された情報と、災害対策本部5のサーバ50が記憶する住民DBに登録された情報の同期をとる。災害発生時には通信障害が発生する可能性があるため、一旦は、屋内退避会場1に避難してきた避難者6の情報をローカルネットワーク上の住民DBに保存し、通信が可能なときにサーバ50へ送信し、情報の共有を図る。
出力部105は、住民DBに登録された情報を表示装置へ表示したり、住民コード情報を避難者6が持参できるような態様で出力したりする。例えば、出力部105は、住民コード情報が含まれる画像データを、プリンター13を使用して紙に印刷したり、通信部107を通じて携帯端末60へ出力したりする。
記憶部106は、住民DB、屋内退避会場1の会場IDなどを記憶する。
通信部107は、他装置との通信を行う。通信部107は、屋内退避会場1内に構築されたローカルネットワーク用の通信モジュールと、インターネットなどの広域ネットワークNW用の通信モジュールを有している。
【0015】
(最初の屋内退避会場1に到着したときの処理)
避難者6が屋内退避会場1に到着すると、屋内退避会場1の係員が、避難者6の個人情報などを端末10に入力する。避難者6が、自分の携帯端末60を操作してローカルネットワークに接続し、携帯端末60に個人情報などを入力し、入力した情報を端末10へ送信してもよい。入力受付部101は、入力又は送信された個人情報などを取得する。端末10に個人情報などが入力又は送信されると、出力部105は、入力等された情報を表示装置に表示する。係員は、表示された情報を確認すると、入力された情報の登録を端末10へ指示する。すると、コード情報管理部102は、住民IDを発行する。住民IDは、屋内退避会場1の「会場ID+通し番号」で構成される。会場IDを「A1」、通し番号を0001から始まる4桁の数字とすると、当該屋内退避会場1にて個人情報を登録する最初の避難者6に対しては、例えば、住民ID=「A10001」が発行され、2人目の避難者6に対しては住民ID=「A10002」が発行される。DB管理部103は、発行した住民IDと入力された個人情報などを関連付けてローカルネットワークの住民DBに記録する。住民DBは、記憶部106又はローカルネットワークに接続された他の端末10の記憶部106や外部記憶装置に予め登録されている。例えば、DB管理部103は、
図4に示すフィールドのうち「住民ID」、「氏名」、「住所」、「電話番号」、「屋内退避場所」、「屋内退避場所開始時刻」に、避難者6の情報を登録する。また、DB管理部103は、
図4に示すフィールドの「非共有フラグ」に“ON”を登録する。非共有フラグ=ONは、データがサーバ50との間で非共有であることを意味する。DB管理部103が、避難者6の個人情報などを住民DBに登録すると、出力部105が、住民コード情報を出力する。例えば、コード情報管理部102が、住民IDをコード化した二次元バーコードやQRコード(登録商標)等の住民コード情報を生成し、出力部105が、生成された住民コード情報を、プリンター13を使用して紙に印刷する。住民コード情報を印刷した紙は、避難者6に渡される。また、例えば、出力部105は、住民コード情報の画像データを、通信部107を通じて避難者6の携帯端末60へ送信する。出力された住民コード情報は、避難者6が、次の会場に移動した際に使用される。また、避難者6は、例えば、定期的に体温を測定する。係員は、避難者6の体温を端末10へ入力し、登録を指示する。DB管理部103は、入力された体温を住民DBに登録する。住民DBの「屋内避難中の体温-1」~「屋内避難中の体温-n」フィールドには、定期的に測定された体温が登録される。
【0016】
(屋内退避会場1を移動したときの処理)
原子力施設Pの周辺には、複数の屋内退避会場1が存在し、避難者6は、屋内退避会場1を移動する場合がある。その場合、避難者6は、移動元の屋内退避会場1で、住民コード情報が印刷された紙又は住民コード情報を表示した携帯端末60を提示する。移動元会場の係員は、読取装置12を使って住民コード情報を読み取る。コード情報管理部102は、住民コード情報を取得し、住民IDを抽出してDB管理部103へ出力する。DB管理部103は、抽出された住民IDをキーとして住民DBを参照し、該当するデータ(レコード)の「屋内退避場所終了時刻」フィールドに現在時刻を登録する。退去時刻の登録が済むと、避難者6は、次の屋内退避会場1へ移動する。避難者6は、移動先の屋内退避会場1で、住民コード情報が印刷された紙などを提示する。移動先会場の係員は、読取装置12を使って住民コード情報を読み取る。コード情報管理部102は、住民コード情報を取得し、住民IDを抽出してDB管理部103へ出力する。DB管理部103は、住民IDをキーとして、住民DBを参照し、避難者6の個人情報などを読み出し、出力部105へ出力する。出力部105は、住民DBから読み出された情報を表示装置へ表示する。係員は、新たに到着した避難者6の情報を確認する。また、避難者6は、体温を測定する。係員は、避難者6の体温を端末10に入力し、登録を指示する。DB管理部103は、住民DBに登録された避難者6の情報を更新する。例えば、DB管理部103は、
図4に例示する住民DBの「1」番目の「会場番号」に移動先の屋内退避会場1のIDを登録し、「到達時刻」に現在の時刻、「体温-1」に測定した避難者6の体温を登録する。その後も避難者6が移動先の会場で体温を計測すると、その情報は、住民DBの「1」番目の「体温-2」~「体温-k」に登録される。また、避難者6が屋内退避会場1を出発すると、住民DBの「1」番目の「出発時刻」に出発したときの時刻が登録される。住民DBの「会場番号」、「到達時刻」、「出発時刻」に登録される情報は、避難施設等の履歴である。
【0017】
なお、移動先のローカルネットワークに存在する住民DBに他所から移動してきた避難者6の住民IDが登録されていない場合、DB管理部103は、コード情報から抽出された住民IDを住民DBに新規に登録する。このとき、避難者6の個人情報の登録は省略することができる。避難者6が最初に避難した屋内退避会場1で登録した個人情報は、通信障害が発生していない場合には、後述する同期処理により、災害対策本部のサーバ50を介して、他の屋内退避会場1の住民DBにも登録される。通信障害が発生している場合には、同期処理が行われない為、他の屋内退避会場1の住民DBには、避難者6の個人情報が登録されていない状況が発生する。このような場合、ローカルの住民DBには、キーとなる住民IDだけを登録し、当該屋内退避会場1で登録すべき情報(例えば、避難施設等の履歴や定期的に計測する体温など)だけを登録しておく。やがて、広域ネットワークNWの通信が復旧すると、サーバ50との同期処理が実行され、他の会場で入力された個人情報などが反映される。DB管理部103が、避難者6の情報を住民DBに登録すると、出力部105は、住民IDと避難施設等の履歴を含む住民コード情報を、プリンター13を使用して紙に印刷したり、通信部107を通じて、携帯端末60へ送信したりする。住民コード情報を印刷した紙は、避難者6へ渡される。住民IDと避難施設等の履歴を含む住民コード情報は、避難者6が、次の会場に移動した際に使用される。住民コード情報の更新は、避難者6が会場を移動する度に実施される(会場の移動は、屋内退避会場1間の移動に限らず、屋内退避会場1から避難退域時検査会場2への移動、避難退域時検査会場2から避難経由所3への移動、避難経由所3から避難所4への移動も含む。)。例えば、避難者6が最初に避難した屋内退避会場1で付与された住民IDが「A10001」で、そこから会場ID=A2の屋内退避会場1へ移動し、その後、会場ID=A3の屋内退避会場1へ移動した場合、会場ID=A3の屋内退避会場1では、例えば、「A10001-A2-A3」を含む住民コード情報が出力される。
【0018】
<避難退域時検査会場2のシステム構成>
屋内退避会場1に一時的に避難した避難者6は、車両7に搭乗して遠方の避難所4へ移動する。車両7は、自家用車でもよいし、自治体などが用意したバスなどでもよい。その移動経路の途中には、避難退域時検査会場2が設けられ、車両7や避難者6に付着している放射性物質が許容範囲内かどうかの検査が行われる。避難退域時検査会場2は、原子力施設Pから30km程度離れた位置に複数設けられている。
図1に示すように、避難退域時検査会場2には、複数台の端末20、1台又は複数台のルータ21が設けられており、端末20には、各種のコード情報を読み取るための読取装置22、各種のコード情報を印刷するためのプリンター23が接続されている。また、避難退域時検査会場2には、不図示のストレージ装置が設けられていてもよい。ルータ21は、例えば、無線ルータである。複数の端末20とルータ21は、ローカルネットワークを構成している。避難退域時検査会場2に到着した避難者6が携帯端末60を有している場合、設定により、携帯端末60をローカルネットワークに接続することができる。また、複数の端末20は、インターネット、キャリア網、セルラー網などの広域のネットワークに接続されており、ネットワークに通信障害が発生していなければ、災害対策本部5のサーバ50と通信することができる。
【0019】
(端末20の機能・構成)
図3を参照して、端末20の機能・構成について説明する。次に
図2を用いて説明するように、避難退域時検査会場2は、目的別に複数のエリアが設けられており、それぞれのエリア毎に端末20を設け、必要な情報の入力などを行う。エリア毎に必要とされる機能は異なり、必ずしも各エリアで以下に説明する機能の全てが必要とされるわけではない。ここでは、端末20が全ての機能を備えている場合の機能・構成について説明する。端末20は、入力受付部201と、コード情報管理部202と、DB管理部203と、DB同期部204と、出力部205と、記憶部206と、通信部207と、検査証発行部208と、を備える。
入力受付部201は、各エリアの係員による設定の入力や指示操作の入力を受け付ける。
コード情報管理部202は、住民IDの発行、住民コード情報の生成、読取装置22によって読み取られた住民コード情報からの住民IDや避難施設等の履歴の抽出等を行う。住民IDの発行は、屋内退避会場1を経由せずに直接、避難退域時検査会場2へ到着した避難者6に対して行われる。住民IDは、「避難退域時検査会場2の会場ID」+「通し番号」で構成される。屋内退避会場1で既に住民IDが付与された避難者6に対しては、避難施設等の履歴として、新たに「避難退域時検査会場2の会場ID」が付加された住民コード情報が生成される。また、コード情報管理部202は、車両IDの発行、乗員IDの発行、乗員IDと住民IDの関連付け、読取装置12によって読み取られた車両IDを含む車両コード情報の取得や車両コード情報の生成等を行う。車両IDは、車両7毎に発行され、例えば、「避難退域時検査会場2の会場ID」+「通し番号」で構成される。会場IDを「B1」、通し番号を0001から始まる4桁の数字とすると、当該避難退域時検査会場2にて最初に検査を受ける車両7に対しては、例えば、車両ID=「B10001」が発行され、2台目の車両7に対しては車両ID=「B10002」が発行される。車両IDの構成は、避難退域時検査会場2であることが分かる情報と、車両7を他の車両7と区別する情報とが含まれていれば、「避難退域時検査会場2の会場ID」+「通し番号」でなくてもよい。乗員IDは、車両7に搭乗する避難者6毎に発行され、例えば、「車両ID」+「通し番号」で構成される。例えば、車両ID=「B10001」で、当該車両には3人の避難者6が搭乗している場合、1人目には乗員ID=「B10001-1」が発行され、2人目には乗員ID=「B10001-2」が発行され、3人目には乗員ID=「B10001-3」が発行される。乗員IDは、避難退域時検査会場2での検査処理等を滞りなく実行するために便宜的に発行されるもので、後に住民IDと紐づけられる。乗員IDの構成は、例えば、どの車両7であるかが分かる情報と、当該車両7に搭乗する避難者6同士を区別する情報とが含まれていれば、「車両ID」+「通し番号」でなくてもよく、例えば、「車両ID」+A、B、C・・・等でもよい。
【0020】
DB管理部203は、住民DBに、避難者6の住民IDと個人情報、避難施設等の履歴、避難者6の汚染状況などを登録する。また、DB管理部203は、住民IDをキーとして、住民DBから避難者6の情報を読み出す。また、DB管理部203は、車両データベース(以下、車両DBと記載する。)に、車両ID、乗員ID、車両7の汚染状況などを登録する。また、DB管理部103は、車両IDをキーとして、車両DBから車両7の情報を読み出す。車両DBのレイアウトの一例を
図5に示す。
【0021】
DB同期部204は、端末20とサーバ50を接続する広域ネットワークNWが通信可能かどうかを判定し、通信可能な場合、避難退域時検査会場2のローカルネットワーク上に存在する住民DBおよび車両DBに登録された情報と、サーバ50が記憶する住民DBおよび車両DBに登録された情報の同期をとる。
出力部205は、住民DBおよび車両DBに登録された情報を表示装置へ表示したり、住民コード情報を、プリンター23を使用して紙に印刷したり、通信部207を通じて携帯端末60へ出力したりする。また、出力部205は、車両IDをコード化した車両コード情報を避難者6が持参できるような態様で出力する。例えば、出力部205は、プリンター23を使用して紙に印刷したり、通信部207を通じて携帯端末60へ出力したりする。
記憶部206は、住民DB、車両DB、避難退域時検査会場2の会場IDなどを記憶する。
通信部207は、他装置との通信を行う。通信部207は、避難退域時検査会場2内に構築されたローカルネットワーク用の通信モジュールと、インターネットなどの広域ネットワークNW用の通信モジュールを有している。
検査証発行部208は、車両7や車両7に搭乗する避難者6の放射性物質の付着が許容範囲内であることを証明する検査証を発行する。例えば、検査証発行部208は、通過時刻を記した検査証を、プリンター23を使用して紙に印刷する。あるいは、検査証発行部208は、検査証のデジタルデータを、通信部207を通じて携帯端末60へ出力してもよい。あるいは、検査証発行部208は、通信部207を通じて、サーバ50へ車両ID等と当該車両IDの車両7が検査済みであることを示すフラフ情報などを送信し、サーバ50にて検査済みであることを管理してもよい。
【0022】
次に
図2を参照して、避難退域時検査会場2における処理について説明する。
図2に示すように避難退域時検査会場2には、準備エリア2aと、事前検査エリア2bと、gate monitor検査エリア2cと、確認検査(前)エリア2dと、簡易除染エリア2eと、確認検査(後)エリア2fと、住民検査エリア2gと、車両預かりエリア2hと、検査証発行エリア2iと、が設けられ、各エリアに端末20が設けられている。各エリアの端末20を、それぞれ端末20a~20iと記載する。また、端末20aの機能については、入力受付部201a、コード情報管理部202a、・・・のように記載する。他の端末20b~20iについても同様である。また、端末20a~20iの区別が必要ない場合には、端末20と記載する。端末20a~20iは、何れも避難退域時検査会場2に構築されたローカルネットワークに接続されている。
【0023】
避難退域時検査会場2における大まかな検査の流れについて説明する。車両7および車両7に搭乗する避難者6は、最初に準備エリア2aを通過し、車両IDを含む車両コード情報を受け取る。次に、車両7は、事前検査エリア2bへ至り、車両7のワイパーが汚染されていないかどうかの検査を受ける。ワイパーが汚染されていない場合、車両7は、gate monitor検査エリア2cへ移動し、車両7のタイヤが汚染されていないかどうかの検査を受ける。タイヤが汚染されていない場合、車両7は、検査証発行エリア2iへ移動し、避難者6は検査証を受け取って、避難経由所3へ向かう。
【0024】
ワイパー又はタイヤが汚染されている場合、車両7は、確認検査(前)エリア2dへ移動し、汚染があるかどうか、もしくは、詳細な放射性物質の付着箇所を把握することを目的とする確認検査を受ける。確認検査の結果、汚染が無ければ、車両7は、検査証発行エリア2iへ移動し、検査証を受け取り避難経由所3へ向かう。
【0025】
確認検査(前)エリア2dでの確認検査の結果、汚染があれば、車両7は、簡易除染エリア2eへ移動して、車両7を除染する。また、車両7に搭乗する避難者6の中から代表者1名が住民検査エリア2gへ移動し、汚染されているかどうかの検査を受ける。除染後の車両7は、確認検査(後)エリア2fへ移動し、汚染が除去されているかどうかの検査を受ける。除染後の車両7に汚染がないことが確認され、代表者に汚染がない場合、代表者は除染後の車両7に搭乗し、検査証発行エリア2iへ移動して、検査証を受け取り、避難経由所3へ向かう。あるいは、検査証のテキストデータや画像などを避難者6の携帯端末60に送信したり、検査済みであることを示すフラグ情報等をサーバ50へ送信したりして、後の会場で避難者6が携帯端末60に検査証の画像を表示して見せたり、移動先の会場の端末からサーバ50へ問い合わせて確認するようにしてもよい。
【0026】
代表者に汚染がある場合、他の搭乗者全員に対する汚染検査を住民検査エリアで行い、必要に応じて除染を行う。除染後の車両7に汚染がないことが確認され、搭乗者の検査、除染が完了すると、搭乗者と車両7は検査証発行エリア2iへ移動して、検査証を受け取り、避難経由所3へ向かう。
【0027】
確認検査(後)エリア2fにて、除染後の車両7に汚染が残っていることが確認されると、車両7は、車両預かりエリア2hへ移動され、搭乗者は、別途用意された、検査証が発行された車両に搭乗して、避難退域時検査会場2を出発し、避難経由所3へ向かう。
【0028】
(準備エリアでの処理)
車両7が避難退域時検査会場2に到着すると、準備エリア2aの係員が、車両7のナンバープレートの情報や搭乗者数などを端末20aに入力する。車両7に搭乗する避難者6が、自分の携帯端末60を操作してローカルネットワークに接続し、携帯端末60にナンバープレートの情報や搭乗者数などを入力し、入力した情報を端末20aへ送信してもよい(後述するように、避難者6が自分でナンバープレートなどと共に住民IDを携帯端末60に入力するようにしてもよい。)。原子力施設で災害が発生すると、避難対象者は、数十万人に及ぶため、検査会場には多くの避難者6が押し寄せる。係員が個々の車両情報を入力すると検査会場が混雑し、検査の遅延、避難遅れなどが生じる。避難者6が各自の携帯端末60へ車両情報などを入力することで係員の負担を低減し、効率よく、検査および避難を実行することができる。入力受付部201aは、入力又は送信された情報を取得する。端末20aにナンバープレート情報などが入力又は送信されると、出力部205aは、入力等された情報を表示装置に表示する。係員は、表示された情報を確認し、ナンバープレート情報などの登録を端末20aへ指示する。すると、コード情報管理部202aは、車両IDと乗員IDを発行する。DB管理部203aは、発行した車両ID、乗員IDと、入力されたナンバープレート情報などを関連付けて車両DBに登録する。車両DBは、記憶部206a又は他の端末20の記憶部206や不図示のストレージ装置に予め登録されており、ローカルネットワーク内の端末20からアクセス可能である。例えば、DB管理部203aは、
図5に示すフィールドのうち「車両ID」、「車両番号」、「乗員人数」、「乗員ID-1」~「乗員ID-n」(nは搭乗者数)、「入場時刻」に、それぞれ、発行された車両ID、ナンバープレート情報、搭乗者数、発行された乗員ID、現在時刻を登録する。また、DB管理部203aは、
図5に示すフィールドの「非共有フラグ」に“ON”を登録する。DB管理部203aが、検査対象の車両7の情報を車両DBに登録すると、出力部205aが、車両IDと乗員IDを出力する。例えば、出力部205aは、車両IDが含まれる車両コード情報を、プリンター23を使用して紙に印刷する。車両コード情報を印刷した紙は、搭乗者(代表者)に渡される。また、例えば、出力部205aは、車両IDが含まれる車両コード情報の画像データを生成し、通信部207aを通じて、その画像データを携帯端末60へ送信する。また、出力部205aは、乗員IDが含まれる乗員コード情報を、プリンター13を使用して紙に印刷する。乗員コード情報を印刷した紙は、各搭乗者に渡される。出力された車両コード情報や乗員コード情報は、車両7が、各エリアに移動した際に使用される。また、DB管理部203aは、事前検査リストに発行した車両IDを登録する。事前検査リストは、事前検査エリア2bで検査を行う車両7の車両IDの一覧データである。事前検査リストは、例えば、車両DBが登録された記憶部206に予め登録されている。
【0029】
(事前検査エリアでの処理)
避難者6は、移動先の事前検査エリア2bで、車両コード情報が印刷された紙又は車両コード情報を表示した携帯端末60を提示する。事前検査エリア2bの係員は、読取装置22bを使って車両コード情報を読み取る。コード情報管理部202bは、車両コード情報を取得し、車両コード情報から車両IDを抽出し、DB管理部203bへ出力する。DB管理部203bは、車両IDをキーとして、車両DBを参照し、車両7の情報を読み出し、出力部205bへ出力する。また、DB管理部203bは、事前検査リストに車両IDが登録されているかどうかを確認し、その確認結果を出力部205bへ出力する。出力部205bは、車両DBから読み出されたナンバープレート情報や搭乗者数、事前検査リストへの登録の有無などを端末20bの表示装置へ表示する。あるいは、避難者6が車両コード情報をしなくても、出力部205bは、事前検査リストに登録されている車両IDとそれに紐付くナンバープレート情報などを車両DBから読み出し、端末20bの表示装置へ表示する。係員は、表示された情報に誤りが無いことを確認すると、事前検査の結果(ワイパーの汚染有無)を端末20bへ入力する。入力受付部201bは、事前検査の結果を取得し、DB管理部203bへ取得した検査結果を出力する。検査結果が汚染ありの場合、DB管理部203bは、確認検査(前)リストに車両IDを登録する。検査結果が汚染なしの場合、DB管理部203bは、gate monitor検査リストに車両IDを登録する。これらの検査リストは、例えば、車両DBが登録された記憶部206に予め登録されている。
【0030】
(gate monitor検査エリアでの処理)
避難者6は、移動先のgate monitor検査エリア2cで、車両コード情報が印刷された紙又は車両コード情報を表示した携帯端末60を提示する。gate monitor検査エリア2cの係員は、読取装置22cを使って車両コード情報を読み取る。コード情報管理部202cは、車両コード情報を取得し、車両コード情報から車両IDを抽出し、DB管理部203cへ出力する。DB管理部203cは、車両IDをキーとして、車両DBを参照し、車両7の情報を読み出し、出力部205cへ出力する。また、DB管理部203cは、gate monitor検査リストに車両IDが登録されているかどうかを確認し、その確認結果を出力部205cへ出力する。出力部205cは、車両DBから読み出されたナンバープレート情報や搭乗者数、gate monitor検査リストへの登録の有無などを端末20cの表示装置へ表示する。あるいは、避難者6が車両コード情報をしなくても、出力部205cが、gate monitor検査リストに登録されている車両IDとそれに紐付くナンバープレート情報などを車両DBから読み出し、端末20cの表示装置へ表示するようにしてもよい。係員は、表示された情報に誤りが無いことを確認すると、検査結果(タイヤの汚染有無)を端末20cへ入力する。入力受付部201cは、事前検査の結果を取得し、DB管理部203cへ取得した検査結果を出力する。検査結果が汚染ありの場合、DB管理部203cは、確認検査(前)リストに車両IDを登録する。検査結果が汚染なしの場合、DB管理部203cは、検査証発行リストに車両IDを登録する。これらの検査リストは、例えば、車両DBが登録された記憶部206に予め登録されている。また、検査結果が汚染なしの場合、DB管理部203cは、車両DBの「乗員検査FLG-1」~「乗員検査FLG-n」(nは搭乗者数)に“0”(検査対象外)を登録する。
【0031】
(確認検査(前)エリアでの処理)
避難者6は、移動先の確認検査(前)エリア2dで、車両コード情報が印刷された紙又は車両コード情報を表示した携帯端末60を提示する。確認検査(前)エリア2dの係員は、読取装置22dを使って車両コード情報を読み取る。コード情報管理部202dは、車両コード情報を取得し、車両コード情報から車両IDを抽出し、DB管理部203dへ出力する。DB管理部203dは、車両IDをキーとして、車両DBを参照し、車両7の情報を読み出し、出力部205dへ出力する。また、DB管理部203dは、確認検査(前)リストに車両IDが登録されているかどうかを確認し、その確認結果を出力部205dへ出力する。出力部205dは、車両DBから読み出されたナンバープレート情報や搭乗者数、確認検査(前)リストへの登録の有無などを端末20dの表示装置へ表示する。
あるいは、避難者6が車両コード情報をしなくても、出力部205dが、確認検査(前)リストに登録されている車両IDとそれに紐付くナンバープレート情報などを車両DBから読み出し、端末20dの表示装置へ表示するようにしてもよい。係員は、表示された情報に誤りが無いことを確認すると、検査結果(汚染検出箇所と線量率)を端末20dへ入力する。入力受付部201dは、確認検査(前)の結果を取得し、DB管理部203dへ取得した確認検査の結果を出力する。確認検査の結果が汚染ありの場合、例えば、DB管理部203dは、
図5に示す車両DBのフィールドのうち「汚染検出箇所数」、「検出箇所-1」~「検出箇所-m」、「汚染度-1」~「汚染度-m」(mは汚染検出箇所数)に、入力された情報のうちの対応するものを登録する。また、確認検査の結果が汚染ありの場合、DB管理部203dは、簡易除染リストに車両IDを登録する。確認検査の結果が汚染なしの場合、DB管理部203dは、検査証発行リストに車両IDを登録する。これらの検査リストは、例えば、車両DBが登録された記憶部206に予め登録されている。また、確認検査の結果が汚染ありの場合、係員は、車両7の搭乗者のうち代表者1名の乗員コード情報が印刷された紙を、読取装置22dを使って読み取る。あるいは、車両7の車両情報の登録時に車両情報と関連付けて住民IDを登録している場合、代表者は住民コード情報(紙又は携帯端末60に表示させた住民コード情報)を提示してもよい。DB管理部203dは、車両DBの「乗員検査FLG-N」(Nは乗員コード情報から抽出された乗員ID)に“1”(検査中)を登録する。また、確認検査の結果が汚染なしの場合、DB管理部203dは、車両DBの「乗員検査FLG-1」~「乗員検査FLG-n」(nは搭乗者数)に“0”(検査対象外)を登録する。
【0032】
(簡易除染エリアでの処理)
避難者6は、移動先の簡易除染エリア2eで、車両コード情報が印刷された紙又は車両コード情報を表示した携帯端末60を提示する。簡易除染エリア2eの係員は、読取装置22eを使って車両コード情報を読み取る。コード情報管理部202eは、車両コード情報を取得し、車両コード情報から車両IDを抽出し、DB管理部203eへ出力する。DB管理部203eは、車両IDをキーとして、車両DBを参照し、車両7の情報を読み出し、出力部205eへ出力する。また、DB管理部203eは、簡易除染リストに車両IDが登録されているかどうかを確認し、その確認結果を出力部205eへ出力する。出力部205eは、車両DBから読み出されたナンバープレート情報や搭乗者数、簡易除染リストへの登録の有無などを端末20eの表示装置へ表示する。あるいは、避難者6が車両コード情報をしなくても、出力部205eが、簡易除染リストに登録されている車両IDとそれに紐付くナンバープレート情報などを車両DBから読み出し、端末20eの表示装置へ表示するようにしてもよい。係員は、表示された情報に誤りが無いことを確認すると、表示内容(車両DBから読み出した「検出箇所-1」~「検出箇所-m」、「汚染度-1」~「汚染度-m」)を参照して除染を行う。除染が完了すると、係員は、その旨を端末20eへ入力する。入力受付部201eは、除染完了の入力を取得し、DB管理部203eへ出力する。DB管理部203eは、確認検査(後)リストに車両IDを登録する。確認検査(後)リストは、例えば、車両DBが登録された記憶部206に予め登録されている。
【0033】
(確認検査(後)エリアでの処理)
避難者6は、移動先の確認検査(後)エリア2f、車両コード情報が印刷された紙又は車両コード情報を表示した携帯端末60を提示する。確認検査(後)エリア2fの係員は、読取装置22fを使って車両コード情報を読み取る。コード情報管理部202fは、車両コード情報を取得し、車両コード情報から車両IDを抽出し、DB管理部203fへ出力する。DB管理部203fは、車両IDをキーとして、車両DBを参照し、車両7の情報を読み出し、出力部205fへ出力する。また、DB管理部203dは、確認検査(後)リストに車両IDが登録されているかどうかを確認し、その確認結果を出力部205fへ出力する。出力部205fは、車両DBから読み出されたナンバープレート情報や搭乗者数、確認検査(後)リストへの登録の有無などを端末20fの表示装置へ表示する。あるいは、避難者6が車両コード情報をしなくても、出力部205fが、確認検査(後)リストに登録されている車両IDとそれに紐付くナンバープレート情報などを車両DBから読み出し、端末20fの表示装置へ表示するようにしてもよい。係員は、表示された情報に誤りが無いことを確認すると、確認検査を行い、検査結果(除染箇所と除染後の線量率)を端末20fへ入力する。入力受付部201fは、確認検査(後)の結果を取得し、DB管理部203fへ取得した確認検査の結果を出力する。例えば、DB管理部203fは、
図5に示すフィールドのうち「汚染検出箇所数」、「検出箇所-1」~「検出箇所-m」、「汚染度-1」~「汚染度-m」(mは汚染検出箇所数)に、入力された情報のうち対応するものを登録する。また、確認検査(後)の結果が汚染ありの場合、DB管理部203fは、車両預かりリストに車両IDを登録する。除染により汚染なしとなった場合、DB管理部203fは、検査証発行リストに車両IDを登録する。これらの検査リストは、例えば、車両DBが登録された記憶部206に予め登録されている。
【0034】
(車両預かりエリアでの処理)
車両預かりエリア2hでは、係員が、端末20hを操作し、車両預かりリストと、車両預かりリストに車両IDが登録された車両の車両情報(ナンバープレート情報)を表示させる。これらの処理は、DB管理部203h、出力部205hによって実行される。係員は、車両預かりエリア2hに移送された車両7のナンバープレートを確認し、間違いが無いかどうか確認する。係員は、バス避難者リストへ避難者6を登録するよう端末20hを操作する。入力受付部201hは、この操作を受け付ける。すると、DB管理部203hが、移送された車両7の車両IDに関連付けられた乗員IDをバス避難者リストへ登録する。バス避難者リストは、例えば、車両DBが登録された記憶部206に予め登録されている。
【0035】
(住民検査エリアでの処理)
避難者6(代表者)は、住民検査エリア2gで、住民コード情報が印刷された紙又は住民コード情報を表示した携帯端末60を提示する。住民検査エリア2gの係員は、読取装置22gを使って住民コード情報を読み取る。コード情報管理部202gは、住民コード情報を取得し、住民コード情報から住民IDを抽出し、DB管理部203gへ出力する。ここで、屋内退避会場1を経由せずに直接、避難退域時検査会場2に到着した場合には、避難者6は、住民コード情報が印刷された紙などを所有していない可能性がある。この場合には、コード情報管理部202gが、「最初の屋内退避会場1に到着したときの処理」で説明したものと同様の処理によって、住民IDを発行し、住民コード情報を出力する。また、避難者6(代表者)は、住民検査エリア2gで、車両コード情報が印刷された紙又は車両コード情報を表示した携帯端末60を提示する。係員は、読取装置22gを使って車両コード情報を読み取る。コード情報管理部202gは、車両コード情報を取得し、車両コード情報から車両IDを抽出し、DB管理部203gへ出力する。また、避難者6(代表者)は、住民検査エリア2gで、乗員コード情報が印刷された紙を提示する。係員は、読取装置22gを使って乗員コード情報を読み取る。コード情報管理部202gは、乗員コード情報を取得し、乗員コード情報から乗員IDを抽出し、DB管理部203gへ出力する。DB管理部203gは、車両IDをキーとして車両DBを読み、当該車両IDに対応するレコードの「乗員ID-1」~「乗員ID-n」フィールドのうち、読取装置22gを使って読み取った乗員IDが格納されたフィールドの値を、読取装置22gを使って読み取った住民IDで上書きする。これにより、代表者については、車両IDと住民IDが対応付けられる。また、係員は、代表者の汚染状況を検査する。係員は、検査結果(汚染検出箇所と線量率)を端末20gへ入力する。入力受付部201gは、検査結果を取得し、DB管理部203gへ検査結果を出力する。検査結果が汚染ありの場合、DB管理部203gは、
図4に示す住民DBの「汚染箇所数」、「汚染箇所-1」~「汚染箇所-j」、「汚染度-1」~「汚染度-j」(jは汚染箇所数)に、入力された情報のうちの対応するものを登録する。
【0036】
通信障害により、サーバ50との同期処理が実行できず、住民DBに代表者の住民IDが登録されていない場合、DB管理部203gは、住民DBに代表者の住民IDをキーとする新たなデータを登録し、新たに登録したデータの「汚染箇所数」、「汚染箇所-1」~「汚染箇所-j」、「汚染度-1」~「汚染度-j」の各フィールドに検査結果を登録する。また、住民コード情報に、住民IDだけではなく、避難施設等の履歴が含まれていれば、DB管理部203gは、住民DBに新しく追加したデータの「会場番号」にこれまでに立ち寄った会場のIDを登録し、住民DBの「K」番目(Kは1~Lのうち未登録となっている最小番号)の「会場番号」に避難退域時検査会場2のID、「到着時刻」に現在時刻などを登録する(避難施設等の履歴としての避難退域時検査会場2のID等の追加は、住民DBに住民IDが登録されている場合にも実行される。)。また、住民DBの「安全ヨウ素剤忌避」、「安全ヨウ素剤所持」、「安全ヨウ素剤服用時刻」の各フィールドにも適宜情報が登録される。検査結果が汚染ありの場合、DB管理部203gは、確認検査簡易除染リストに住民IDを登録する。検査結果が汚染なしの場合、DB管理部203gは、検査記録発行リストに住民IDを登録する。これらの検査リストは、例えば、車両DBが登録された記憶部206に予め登録されている。また、確認検査の結果が汚染なしの場合、DB管理部203gは、車両DBの「乗員検査FLG-N」(Nは乗員IDの番号)に“2”(検査終了(汚染無し))を登録する。
【0037】
汚染ありの場合、代表者に対し、除染と除染後の確認検査が実行され、住民DBの代表者のデータには「除染後汚染度-1」~「除染後汚染度-j」が登録される。また、除染により汚染が取り除かれた場合には、車両DBの「乗員検査FLG-N」に“3”(検査終了(除染完了))が登録され、除染しても汚染が取り除かれなかった場合には、車両DBの「乗員検査FLG-N」に“4”(検査終了(治療へ))が登録される。また、除染により、汚染が取り除かれた場合には、代表者の住民IDが検査記録発行リストに登録され、汚染が取り除かれなかった場合には、代表者の住民IDが治療処理リストへ登録される。治療処理リストは、例えば、車両DBが登録された記憶部206に予め登録されている。
【0038】
代表者が汚染ありとされた場合、他の搭乗者についても汚染有無の検査を行い、汚染有の場合には、除染と確認検査が行われる。例えば、係員が汚染ありと判断された代表者の乗員ID又は住民IDを端末30gへ入力すると、入力受付部301gがこの情報を取得し、車両DBを検索して、当該代表者が搭乗する車両の車両IDと他の搭乗者の住民ID等を特定する。出力部305gは、特定された車両の車両ID,車両情報、他の搭乗者の住民IDなどを表示装置へ出力する。係員は、他の搭乗者が搭乗する車両を特定し、車両から他の搭乗者を検査会場へ誘導し、検査を行う。この場合、他の搭乗者についても代表者と同じ処理が実行される、その結果、車両DBの「乗員ID-1」~「乗員ID-n」フィールドには、住民IDが登録され、車両7に搭乗する全ての避難者6について、車両IDと住民IDが対応付けられる。車両DBの「乗員検査FLG-1」~「乗員検査FLG-n」フィールドには、0~4の何れかの値が登録され、全乗員検査FLGには、“0”(除染なし)、“1”(代表者除染あり)、“2”(除染完了)の何れかの値が登録される。また、各避難者について、住民DBに「汚染箇所数」、「汚染箇所-1」~「汚染箇所-j」、「汚染度-1」~「汚染度-j」、「除染後汚染度-1」~「除染後汚染度-j」が必要に応じて登録される。また、汚染および除染の状況に応じて、各避難者6の住民IDは、検査記録発行リスト又は治療処理リストへ登録される。乗員IDがバス避難者リストへ登録されている場合、DB管理部203gは、バス避難者リストに登録された乗員IDを、対応する住民IDに書き換えてもよい。治療処理リストへ登録された避難者6は、治療を受ける為、医療機関などへ搬送される。検査記録発行リストに登録された避難者6は、除染済みの車両7とともに検査証発行エリア2iへ移動する。車両7が車両預かりエリア2hへ移送された場合、検査記録発行リストに登録された避難者6は、検査証発行エリア2iへ移動する。
【0039】
(検査証発行エリアでの処理)
避難者6は、移動先の検査証発行エリア2iで、車両コード情報が印刷された紙又は車両コード情報を表示した携帯端末60を提示する。検査証発行エリア2iの係員は、読取装置22iを使って車両コード情報を読み取る。コード情報管理部202iは、車両コード情報を取得し、車両コード情報から車両IDを抽出し、DB管理部203iへ出力する。DB管理部203iは、車両IDをキーとして、車両DBを参照し、車両7の情報を読み出し、出力部205fへ出力する。また、DB管理部203iは、検査証発行リストに車両IDが登録されているかどうかを確認し、その確認結果を出力部205iへ出力する。また、DB管理部203iは、検査記録発行リストに乗員ID(住民ID)が登録されているかどうかを確認し、その確認結果を出力部205iへ出力する。出力部205iは、車両DBから読み出されたナンバープレート情報や搭乗者数、検査証発行リスト及び検査記録発行リストへの登録の有無などを端末20iの表示装置へ表示する。係員は、表示された情報などから車両7および搭乗者に付着した放射性物質が許容範囲であることを確認すると、端末20iに対し、通過を許可する旨の操作を行う。例えば、確認検査(前)エリア等で車両7に汚染が無いと判断された場合、又は、車両7が汚染有りと判断された場合であっても、車両7の除染後に汚染が無いことが確認され、搭乗者の検査が終わり、汚染無しの確認もしくは、医療措置が決定している(除染により汚染が十分に低減しない)のを確認した場合、係員は、端末20iに対し、通過を許可する旨の操作を行う。入力受付部201fは、この操作を受け付け、検査証発行部208iに検査証の発行又はサーバ50への検査済みフラグ情報の送信を指示する。検査証発行部208iは、検査証(紙又は画像)の発行又は検査済みフラグ情報などの送信を行う。また、出力部305iは、各搭乗者(避難者6)に住民コード情報を発行する。住民コード情報には、避難退域時検査会場2を経由したことを示す避難退域時検査会場2の会場IDが含まれる。避難者6は、検査証と住民コード情報を受け取り、車両7又は自治体などが手配したバスなどに搭乗し、避難経由所3へ向かう。係員により通過を許可する旨の操作が行われると、DB管理部203iは、車両DBの「退場時刻」に現在時刻を登録する。また、車両DBの「乗車地点」、「責任者名」、「連絡先」の各フィールドにも適宜情報が登録される。また、DB管理部203iは、住民DBの「K」番目の「出発時刻」に避難者6が出発した時刻を登録する。
【0040】
なお、避難退域時検査会場2では、何れかのエリアで車両IDと住民IDを関連付ける処理を行う。つまり、車両DBに記録された乗員IDを住民IDに書き換える処理を行う。上記で説明したように車両7で汚染が検出された場合、搭乗者の汚染を検査する過程で、住民コード情報を確認する機会があるため、少なくとも代表者については、代表者の住民IDと代表者が搭乗する車両IDとが関連付けられる。また、代表者に汚染が検出された場合には、残りの搭乗者についても住民IDと車両IDとが関連付けられる。しかし、車両7で汚染が検出されなかった場合、搭乗者の住民コード情報を確認する機会がないまま、検査証発行エリア2iに移動することになるため、車両IDと搭乗者の住民IDの関連付けがなされないままとなっている。このままでは、どの避難者6がどの車両7に搭乗して避難しているのかを把握することができない。従って、例えば、検査証発行エリア2iの係員は、車両IDと住民IDが対応付けられているかどうかを、車両DBの「乗車ID-1」~「乗車ID-n」に登録されている情報を確認して判断する。例えば、「乗車ID-1」~「乗車ID-n」に通し番号が登録されていれば、車両IDと搭乗者の住民IDの関連付けがなされないと判断して、車両7の各搭乗者に住民コード情報と乗員コード情報の提出を求め、さらに、車両7の車両コード情報の提出を求める。係員は、読取装置23iを用いて、各搭乗者の住民コード情報および乗員コード情報と、車両コード情報とを読み取る。DB管理部203iは、読み取られた情報を用いて、車両DBの「乗車ID-1」~「乗車ID-n」の乗員IDを対応する住民IDに書き換える。これにより、車両IDと住民IDが関連付けられる。また、住民DBにアクセスした際には、避難施設等の履歴として、避難退域時検査会場2のID等の追加も行われる。これにより、避難者6が避難退域時検査会場2に立ち寄ったこと、その時刻を住民DBに登録することができる。なお、車両IDと住民IDが関連付けは、検査証発行エリア2i以外の任意のエリアで適宜行われてもよい。検査会場は混雑し、係員も忙しく煩雑な作業を行う余裕が無いことが多い。隙間の時間を見つけて車両IDと住民IDが関連付けを行うことで、検査の邪魔をせず、係員の手間を煩わせずに車両の情報と乗員の情報とを紐づける手間を低減することができる。
【0041】
また、車両IDと住民IDの対応付けは、ナンバープレートの情報や搭乗者数などの車両情報の登録時に住民IDを一緒に登録することによって行ってもよい。例えば、車両7が避難退域時検査会場2に到着すると、避難者6が、車両7のナンバープレート等の情報と共に搭乗者全員分の住民IDを携帯端末60へ入力する。携帯端末60は入力された情報を端末20aへ送信する。入力受付部201aは、送信された情報を取得し、出力部205aは、入力等された情報を表示装置に表示する。係員は、表示された情報を確認し、ナンバープレート情報などの登録を端末20aへ指示する。すると、コード情報管理部202aは、車両IDを発行する。DB管理部203aは、発行された車両IDと、携帯端末60へ入力された住民IDと、ナンバープレート情報などを関連付けて車両DBに登録する。車両7に搭乗する避難者6の住民IDは、乗員IDの代わりに、
図5に示すフィールドの「乗員ID-1」~「乗員ID-n」に登録される。
【0042】
また、搭乗者が屋内退避会場1を経由せずに直接、避難退域時検査会場2に到着した場合、車両7の搭乗者には、住民IDが付与されていない。この場合には、例えば、検査証発行エリア2iにて、住民IDの発行および個人情報の登録を行って、車両IDと住民IDが関連付けを行うようにしてもよいし、他のエリアでの検査中の時間などを利用して、住民IDの発行および個人情報の登録を行うようにしてもよい。住民IDの発行処理については、「最初の屋内退避会場1に到着したときの処理」で説明した処理と同様である。
【0043】
<避難経由所3のシステム構成>
避難退域時検査会場2で検査証を受け取った避難者6は、避難経由所3を経由して、避難所4へ移動する。
図1に示すように、避難経由所3には、1台又は複数台の端末30、1台又は複数台のルータ31が設けられており、端末30には、バーコードやQRコード(登録商標)を読み取るための読取装置32、プリンター33が接続されている。ルータ31は、例えば、無線ルータであり、端末30とルータ31は、ローカルネットワークを構成している。避難経由所3に避難した避難者6が携帯端末60を有している場合、携帯端末60をローカルネットワークに接続することができる。また、
図3に示すように、端末30は、広域ネットワークNWに接続されており、通信障害が発生していなければ、災害対策本部5のサーバ50と通信することができる。
【0044】
(端末30の機能・構成)
図3を参照して、端末30の機能・構成について説明する。端末30は、入力受付部301と、コード情報管理部302と、DB管理部303と、DB同期部304と、出力部305と、記憶部306と、通信部307と、を備える。入力受付部301は、避難経由所3の係員による設定の入力や指示操作の入力を受け付ける。コード情報管理部302は、住民コード情報の生成、読取装置32によって読み取られた住民コード情報から住民IDや避難施設等の履歴を抽出する処理を行う。DB管理部303は、住民DBに、避難者6の体温や避難施設等の履歴などを登録する。また、DB管理部303は、住民DBから避難者6の情報を読み出す。DB同期部304は、端末30とサーバ50を接続する広域ネットワークNWが通信可能かどうかを判定し、通信可能な場合、避難経由所3のローカルネットワーク上に存在する住民DBに登録された情報と、災害対策本部5のサーバ50が記憶する住民DBに登録された情報の同期をとる。出力部305は、住民DBに登録された情報を表示装置へ表示したり、住民コード情報が含まれる画像データを、プリンター33を使用して紙に印刷したり、通信部307を通じて携帯端末60へ出力したりする。記憶部306は、住民DB、避難経由所3の会場IDなどを記憶する。通信部307は、他装置との通信を行う。通信部307は、屋内退避会場1内に構築されたローカルネットワーク用の通信モジュールと、インターネットなどの広域ネットワークNW用の通信モジュールを有している。
【0045】
(避難経由所3での処理)
避難者6が避難経由所3に到着すると、係員は、読取装置32を使って住民コード情報を読み取る。上記と同様の処理によって、DB管理部303は、ローカルネットワーク上の住民DBの「K」番目(Kは1~Lのうち未登録となっている最小番号)の「会場番号」、「到達時刻」、「体温-1」に避難経由所3の会場ID、現在時刻、避難者6の体温を登録する。避難者6が避難経由所3を出発するときには、出力部305が、住民IDと避難施設等の履歴を含む住民コード情報を出力し、避難者6は、住民コード情報を受け取って、避難所4へ移動する。例えば、避難者6が最初に避難した屋内退避会場1で付与された住民IDが「A10001」で、そこから会場ID=A2の屋内退避会場1へ移動し、次に会場ID=B1の避難退域時検査会場2へ移動し、次に会場ID=C1の避難経由所3へ到達した場合、「A10001-A2-B1-C1」を含む住民コード情報が出力される。ローカルネットワーク上の住民DBの「K」番目の「出発時刻」には避難者6が出発した時刻が登録される。
【0046】
<避難所4のシステム構成>
避難経由所3を出発した避難者6は、避難所4へ移動する。
図1に示すように、避難所4には、1台又は複数台の端末40、1台又は複数台のルータ41が設けられており、端末40には、バーコードやQRコード(登録商標)を読み取るための読取装置42、プリンター43が接続されている。ルータ41は、例えば、無線ルータであり、端末40とルータ41は、ローカルネットワークを構成している。避難所4に移動した避難者6が携帯端末60を有している場合、携帯端末60をローカルネットワークに接続することができる。また、
図3に示すように、端末40は、広域ネットワークNWに接続されており、通信障害が発生していなければ、災害対策本部5のサーバ50と通信することができる。
【0047】
(端末40の機能・構成)
図3を参照して、端末40の機能・構成について説明する。端末40は、入力受付部401と、コード情報管理部402と、DB管理部403と、DB同期部404と、出力部405と、記憶部406と、通信部407と、を備える。入力受付部401は、避難所4の係員による設定の入力や指示操作の入力を受け付ける。コード情報管理部402は、住民コード情報の生成、読取装置42によって読み取られた住民コード情報から住民IDや避難施設等の履歴を抽出する処理を行う。DB管理部403は、住民DBに、避難者6の体温や避難施設等の履歴などを登録する。また、DB管理部403は、住民DBから避難者6の情報を読み出す。DB同期部404は、端末40とサーバ50を接続する広域ネットワークNWが通信可能かどうかを判定し、通信可能な場合、避難所4のローカルネットワーク上に存在する住民DBに登録された情報と、災害対策本部5のサーバ50が記憶する住民DBに登録された情報の同期をとる。出力部405は、住民DBに登録された情報を表示装置へ表示したり、住民コード情報が含まれる画像データを、プリンター33を使用して紙に印刷したり、通信部407を通じて携帯端末60へ出力したりする。記憶部406は、住民DB、避難経由所3の会場IDなどを記憶する。通信部407は、他装置との通信を行う。通信部407は、避難所4内に構築されたローカルネットワーク用の通信モジュールと、インターネットなどの広域ネットワークNW用の通信モジュールを有している。
【0048】
(避難所4での処理)
避難者6が避難所4に到着すると、係員は、読取装置42を使って住民コード情報を読み取る。上記と同様の処理によって、DB管理部403は、ローカルネットワーク上の住民DBの「K」番目(Kは1~Lのうち未登録となっている最小番号)の「会場番号」、「到達時刻」、「体温-1」等に情報が追加される。例えば、避難者6が最初に避難した屋内退避会場1で付与された住民IDが「A10001」で、そこから会場ID=A2の屋内退避会場1へ移動し、次に会場ID=B1の避難退域時検査会場2へ移動し、次に会場ID=C1の避難経由所3へ移動し、次に会場ID=D1の避難所4へ到達した場合、避難所4の住民DBの「住民ID」には「A10001」が登録され、「1」番目の「会場番号」には「A2」が登録され、「2」番目の「会場番号」には「B1」が登録され、「3」番目の「会場番号」には「C1」が登録され、「4」番目の「会場番号」には「D1」が登録される。
【0049】
<災害対策本部5のシステム構成>
災害対策本部5には、サーバ50が設けられている。サーバ50は、広域ネットワークNWに接続されており、通信障害が発生していなければ、各会場の端末10~40とデータの送受信を行うことができる。
【0050】
(サーバ50の機能・構成)
図3を参照して、端末40の機能・構成について説明する。サーバ50は、入力受付部501と、DB管理部502と、DB同期部503と、出力部504と、記憶部505と、通信部506と、を備える。入力受付部501は、災害対策本部5の係員による設定の入力や指示操作の入力を受け付ける。DB管理部502は、住民DBおよび車両DBから各種情報を読み出す。DB同期部503は、災害対策本部5に設けられた住民DBおよび車両DBに登録された情報と、屋内退避会場1に設けられた住民DB、避難退域時検査会場2に設けられた住民DB、車両DB、避難経由所3に設けられた住民DB、避難所4に設けられた住民DBに登録された情報の同期をとる。出力部504は、住民DB、車両DBに登録された情報を表示装置へ表示する。記憶部505は、住民DB、車両DBなどを記憶する。通信部506は、他装置との通信を行う。住民DB、車両DBは、サーバ50ではなく、災害対策本部5に設けられたストレージ装置や所謂クラウド上のサーバやストレージ装置に保存されていてもよい。
【0051】
(同期処理)
次に
図6を参照して、同期処理について説明する。
図6は、実施形態に係る同期処理の一例を示すフローチャートである。
端末10~端末40の各々は、以下の処理を実行する。ここでは、端末20を例に説明を行う。
端末20のDB同期部204は、所定の確認タイミングが到来したかどうかを判定する(ステップS1)。確認タイミングではない場合(ステップS1;No)、確認タイミングが到来するまで待機する。確認タイミングが到来すると(ステップS1;Yes)、DB同期部204は、サーバ50との通信状況(広域ネットワークNWが通信可能かどうか)を確認する(ステップS2)。通信可能ではないと判定した場合(ステップS3;No)、ステップS1からの処理を繰り返す。
【0052】
通信可能と判定した場合(ステップS3;Yes)、DB同期部204は、避難退域時検査会場2のローカルネットワーク上の住民DBに登録されたデータのうち、非共有フラグが“ON”のデータを抽出し、通信部207を通じて、サーバ50へ送信する(ステップS4)。サーバ50では、DB同期部503が、通信部506を通じて送信されたデータを取得し、災害対策本部5の住民DBに送信されたデータを登録する(ステップS5)。ある住民IDを有する避難者6が複数の会場を経由して移動している場合、災害対策本部5の住民DBには、送信されたデータの住民IDが既に登録されている可能性がある。このような場合、DB同期部503は、災害対策本部5の住民DBの未登録のフィールドにだけ、送信されたデータを登録するようにしてもよい。例えば、避難者6が、屋内退避会場1、避難退域時検査会場2を経由して移動している場合、屋内退避会場1で住民DBに登録したデータが同期処理により、既にサーバ50に登録されている可能性がある。このような場合、DB同期部503は、避難退域時検査会場2で新たに住民DBに追加された情報(例えば、住民DBの当該避難者6のデータの「1」番目の「会場番号」、「到達時刻」、「出発時刻」、「体温-1」)だけを災害対策本部5の住民DBに登録する。データの登録が完了すると、サーバ50は、完了通知を端末20へ送信する。完了通知を受信した端末20では、DB同期部204が、住民DBへアクセスし、送信したデータの非共有フラグを“OFF”に更新する(ステップS6)。
【0053】
同様に、DB同期部204は、避難退域時検査会場2のローカルネットワーク上の車両DBに登録されたデータのうち、非共有フラグが“ON”のデータを抽出し、通信部207を通じて、サーバ50へ送信する(ステップS4)。サーバ50では、DB同期部503が、通信部506を通じて送信されたデータを取得して、災害対策本部5の車両DBに送信されたデータを登録する(ステップS5)。端末20では、DB同期部204が、車両DBへアクセスし、送信したデータの非共有フラグを“OFF”に更新する(ステップS6)。
【0054】
また、DB同期部204は、例えば、避難退域時検査会場2のローカルネットワーク上の住民DBに登録された住民IDを、通信部207を通じてサーバ50へ送信する等して、サーバ50側の住民DBには登録されていて、ローカルの住民DBには登録されていない避難者6のデータを問い合わせる(ステップS7)。サーバ50のDB同期部503は、未登録のデータをサーバ50側の住民DBから読み出して、通信部506を通じて、端末20へ送信する。端末20では、DB同期部204が、通信部207を通じて送信されたデータを取得し、未登録データをローカルネットワーク上の住民DBに登録する(ステップS8)。
【0055】
同様に、DB同期部204は、避難退域時検査会場2のローカルネットワーク上の車両DBに登録された車両IDを、通信部207を通じてサーバ50へ送信する等して、サーバ50側の車両DBには登録されていて、ローカルの車両DBには登録されていない車両7のデータを問い合わせる(ステップS7)。サーバ50のDB同期部503は、未登録のデータをサーバ50側の車両DBから読み出して、通信部506を通じて、端末20へ送信する。端末20では、DB同期部204が、通信部207を通じて送信されたデータを取得し、未登録データをローカルネットワーク上の車両DBに登録する(ステップS8)。
【0056】
なお、サーバ50に障害が発生している場合や、広域ネットワークNWが完全に復旧しない場合等に備えて、端末10~40のそれぞれにサーバ50と同様の機能を持たせ、適宜、各端末10~40を端末兼サーバ50として使用するように構成してもよい。例えば、端末20を端末20兼サーバ50として、端末20と端末10、30、40との間で上記の同期処理を行って、情報を共有するようにしてもよい。
【0057】
(効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の会場(屋内退避会場1、避難退域時検査会場2、避難経由所3、避難所4)を経由して移動する避難者6が、会場に到着する度に、会場ごとに設けられた住民DBに、避難者6がこれまでに経由した会場のIDを含む避難者6の情報(住所、氏名、体温など)を登録する。そして、災害対策本部5のサーバ50と同期処理により、サーバ50と各会場の端末10~40に設けられた住民DBの同期をとる。これにより、通信障害が発生した状況であっても、避難者6の最新の情報は、端末10~40の何れかに記録しておくことができ、通信障害の復旧後には、避難者6の避難施設等の履歴の情報の共有が可能となる。また、避難退域時検査会場2では、車両IDと乗員IDを発行し、車両7の検査や除染を行う。そして、適宜、搭乗者(避難者6)の住民IDと乗員IDとを関連付け、車両7の車両IDと搭乗者の住民IDを車両DBに登録する。これにより、車両の汚染状況や代表者の汚染状況に応じて検査要否が変わり、車両の汚染検査と住民の汚染検査が離隔されている等の複雑なオペレーションが求められる避難退域時検査会場2での作業を邪魔することなく、車両7と避難者6の情報を関連付けて管理することができる。
【0058】
図7は、実施形態に係る避難情報管理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。上述の端末10~40、サーバ50、携帯端末60は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
【0059】
端末10~40、サーバ50、携帯端末60の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0060】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0061】
<付記>
各実施形態に記載の避難情報管理システムは、例えば以下のように把握される。
【0062】
(1)第1の態様に係る避難情報管理システムは、避難者が滞在する第1会場に設けられた第1端末装置と、前記避難者が前記第1会場から移動して次に滞在する第2会場に設けられた第2端末装置と、前記第1端末装置および第2端末装置とネットワークで接続されたサーバ装置と、を備える避難情報管理システムであって、前記第1端末装置は、住民データベース(住民DB)を記憶する第1記憶部と、前記第1会場の識別情報と、前記避難者を他の避難者と区別する情報と、を含む住民IDを発行する第1住民ID発行部と、前記住民IDと、前記避難者の個人情報と、を関連付けて前記住民データベースに登録する第1住民ID登録部と、前記住民IDを前記避難者が持参することができる態様で出力する第1住民ID出力部と、前記ネットワークが通信可能か否かを判定する第1同期部と、第1通信部と、を備え、前記第2端末装置は、前記住民データベースを記憶する第2記憶部と、前記避難者が持参した前記住民IDを取得する第2住民ID取得部と、前記第2取得部が取得した前記住民IDと、前記第2会場の識別情報と、を関連付けて前記住民データベースに登録する第2住民ID登録部と、前記ネットワークが通信可能か否かを判定する第2同期部と、第2通信部と、を備え、前記サーバ装置は、前記住民データベースを記憶するサーバ記憶部と、前記住民IDと、前記個人情報と、前記第2会場の識別情報と、を関連付けて前記住民データベースに登録するサーバ住民ID登録部と、サーバ通信部と、を備え、前記第1通信部は、第1同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定すると、前記第1記憶部が記憶する前記住民データベースに登録された、前記住民IDと、前記個人情報と、を前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ通信部は、送信された前記住民IDと、前記個人情報と、を受信し、前記サーバ住民ID登録部は、前記住民IDと、前記個人情報と、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記住民データベースに登録し、前記第2通信部は、第2同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定すると、前記第2記憶部が記憶する前記住民データベースに登録された、前記住民IDと、前記第2会場の識別情報と、を前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ通信部は、送信された前記住民IDと、前記第2会場の識別情報と、を受信し、前記サーバ住民ID登録部は、前記住民IDと、前記第2会場の識別情報と、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記住民データベースに登録する。
【0063】
第1端末装置とサーバ装置の通信ができないときには、第1端末装置で避難者の情報を管理し、通信が可能になると、第1端末装置からサーバ装置へ避難者の情報を送信し、サーバ装置で避難者の情報を記憶する。これにより第1端末装置とサーバ装置の情報の共有が可能になる。第1会場に避難者が滞在すると、第1会場の識別情報を含み住民IDを発行し、避難者に持参させ、避難者が第2会場に移動すると、住民IDに第2会場のIDを付加した情報を第2端末に登録する。これにより、避難者の移動する施設等を管理することができる。第2端末装置とサーバ装置の通信ができないときには、第2端末装置で避難者の情報を管理し、通信が可能になると、第2端末装置からサーバ装置へ避難者の情報を送信し、サーバ装置で避難者の情報を記憶する。これにより第2端末装置とサーバ装置の情報の共有が可能になる。
【0064】
なお、第1会場、第2会場は、例えば、最初に避難した屋内退避会場1と次に滞在した屋内退避会場1である。あるいは、第1会場、第2会場は、例えば、最初に避難した屋内退避会場1と次に到着した避難退域時検査会場2である。あるいは、第1会場、第2会場は、例えば、最初に避難した屋内退避会場1と次に滞在した避難経由所3(避難退域時検査会場2を回避した場合)又は避難所4(避難退域時検査会場2と避難経由所3を回避した場合)である。
【0065】
(2)第2の態様に係る避難情報管理システムは、(1)の避難情報管理システムであって、前記第1通信部は、前記第1同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記サーバ記憶部が記憶する前記住民データベースに登録された、前記住民IDに関連付けられた前記第2会場の識別情報を前記サーバ装置から受信し、前記第1住民ID登録部は、前記第2会場の識別情報を前記住民IDと関連付けて前記第1記憶部が記憶する前記住民データベースに登録し、前記第2通信部は、前記第2同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記サーバ記憶部が記憶する前記住民データベースに登録された、前記住民IDに関連付けられた前記個人情報を前記サーバ装置から受信し、前記第2住民ID登録部は、前記個人情報を前記住民IDと関連付けて前記第2記憶部が記憶する前記住民データベースに登録する。
【0066】
第1端末装置とサーバ装置の通信が可能になると、サーバ装置から第1端末装置へ避難者の情報を送信し、第1端末装置で避難者の情報を記憶する。第2端末装置とサーバ装置の通信が可能になると、サーバ装置から第2端末装置へ避難者の情報を送信し、第2端末装置で避難者の情報を記憶する。これにより、第1端末装置、第2端末装置、サーバ装置で避難者の情報を共有することができる。
【0067】
(3)第3の態様に係る避難情報管理システムは、(1)~(2)の避難情報管理システムであって、前記避難者が前記第2会場に滞在した後に滞在する第3会場に設けられた第3端末装置、をさらに備え、前記第3端末装置は、前記住民データベースを記憶する第3記憶部と、前記避難者が持参した前記住民IDと、前記避難者がこれまでに滞在した前記第1会場以外の他の会場の識別情報と、を取得する第3住民ID取得部と、前記第3住民ID取得部が取得した前記住民IDと、前記他の会場の識別情報と、を関連付けて前記第3記憶部が記憶する前記住民データベースに登録する第3住民ID登録部と、前記ネットワークが通信可能か否かを判定する第3同期部と、第3通信部と、を備え、前記第3通信部は、前記第3同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第3記憶部が記憶する前記住民データベースに登録された、前記住民IDと、前記他の会場の識別情報と、を前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ通信部は、送信された前記住民IDと、前記他の会場の識別情報と、を受信し、前記サーバ住民ID登録部は、前記住民IDと、前記他の会場の識別情報と、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記住民データベースに登録する。
【0068】
避難者が第3会場に移動すると、住民IDに第2会場のIDと第3会場のIDを付加した情報を第3端末に登録する。これにより、避難者の移動する施設等を管理することができる。第3端末装置とサーバ装置の通信ができないときには、第3端末装置で避難者の情報を管理し、通信が可能になると、第3端末装置からサーバ装置へ避難者の情報を送信し、サーバ装置で避難者の情報を記憶する。これにより第3端末装置とサーバ装置の情報の共有が可能になる。
【0069】
なお、第1会場、第2会場、第3会場は、例えば、最初に避難した屋内退避会場1と次に滞在した屋内退避会場1と避難退域時検査会場2である。あるいは、第1会場、第2会場、第3会場は、例えば、最初に避難した屋内退避会場1と避難退域時検査会場2と避難経由所3又は避難所4である。あるいは、第1会場、第2会場、第3会場は、例えば、最初に避難した屋内退避会場1と避難経由所3(避難退域時検査会場2を回避した場合)と避難所4(避難退域時検査会場2と避難経由所3を回避した場合)である。
【0070】
(4)第4の態様に係る避難情報管理システムは、(1)~(2)の避難情報管理システムであって、前記第1端末装置は、前記第1会場の識別情報と、前記避難者が搭乗する車両を他の車両と区別する情報と、を含む車両IDと、前記避難者を前記車両に搭乗する他の避難者から区別する情報を前記車両IDに付加した乗員IDを発行する第1車両ID発行部と、前記車両IDと前記乗員IDとを関連付けて前記第1記憶部が記憶する車両データベース(車両DB)に登録する第1車両ID登録部と、前記車両IDと、前記乗員IDと、前記避難者が持参できるような態様で出力する第1車両ID出力部と、前記第1住民ID出力部が出力した前記住民IDと、前記第1車両ID出力部が出力した前記車両IDおよび前記乗員IDと、を取得する第1コード情報取得部と、をさらに備え、前記第1車両ID登録部は、前記第1コード情報取得部が、前記住民IDと、前記車両IDと、前記乗員IDとを取得すると、前記車両IDに関連付けて前記車両データベースに登録された前記乗員IDを前記住民IDに書き換え、前記第1通信部は、前記第1同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第1記憶部が記憶する前記車両データベースに登録された、前記車両IDと、前記住民IDと、を前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ通信部は、送信された前記車両IDと、前記住民IDと、を受信し、前記サーバ住民ID登録部は、前記車両IDと、前記住民IDと、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記車両データベースに登録する。
【0071】
第1会場が、避難退域時検査会場の場合(例えば、自宅から直接避難退域時検査会場へ移動した場合)、第1端末装置にて避難者が搭乗する車両の情報を車両データベースにて管理し、車両の情報と、住民データベースで管理されている当該車両に搭乗する避難者の情報を関連付けることができる。第1端末装置とサーバ装置の通信が可能になると、第1端末装置からサーバ装置へ車両の情報を送信し、サーバ装置で車両の情報を記憶する。これにより、第1端末装置、サーバ装置で避難者が搭乗する車両の情報を共有することができる。
【0072】
(5)第5の態様に係る避難情報管理システムは、(1)~(2)の避難情報管理システムであって、前記第1端末装置は、前記第1会場の識別情報と、前記避難者が搭乗する車両を他の車両と区別する情報と、を含む車両IDを発行する第1車両ID発行部と、前記住民IDを取得する第1コード情報取得部と、前記住民IDと前記車両IDとを関連付けて前記第1記憶部が記憶する車両データベースに登録する第1車両ID登録部と、をさらに備え、前記第1通信部は、前記第1同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第1記憶部が記憶する前記車両データベースに登録された、前記車両IDと、前記住民IDと、を前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ通信部は、送信された前記車両IDと、前記住民IDと、を受信し、前記サーバ住民ID登録部は、前記車両IDと、前記住民IDと、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記車両データベースに登録する。
車両IDの発行時に、住民IDを登録することで、乗員IDを介さずに、車両IDと住民IDを対応付けて車両DBへ登録してもよい。
【0073】
(6)第6の態様に係る避難情報管理システムは、(1)~(2)の避難情報管理システムであって、前記第2端末装置は、前記第2会場の識別情報と、前記避難者が搭乗する車両を他の車両と区別する情報と、を含む車両IDと、前記避難者を前記車両に搭乗する他の避難者から区別する情報を前記車両IDに付加した乗員IDを発行する第2車両ID発行部と、前記車両IDと前記乗員IDとを関連付けて前記第2記憶部が記憶する車両データベースに登録する第2車両ID登録部と、前記車両IDと、前記乗員IDと、前記避難者が持参できるような態様で出力する第2車両ID出力部と、前記第1住民ID出力部が出力した前記住民IDと、前記第2車両ID出力部が出力した前記車両IDおよび前記乗員IDと、を取得する第2コード情報取得部と、をさらに備え、前記第2車両ID登録部は、前記第2コード情報取得部が、前記住民IDと、前記車両IDと、前記乗員IDと、を取得すると、前記車両IDに関連付けて前記車両データベースに登録された前記乗員IDを前記住民IDに書き換え、前記第2通信部は、前記第2同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第2記憶部が記憶する前記車両データベースに登録された、前記車両IDと、前記住民IDと、を前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ通信部は、送信された前記車両IDと、前記住民IDと、を受信し、前記サーバ住民ID登録部は、前記車両IDと、前記住民IDと、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記車両データベースに登録する。
【0074】
第2会場が、避難退域時検査会場の場合(1ヶ所の屋内退避会場から避難退域時検査会場へ移動した場合)、第2端末装置にて避難者が搭乗する車両の情報を車両データベースにて管理し、車両の情報と、住民データベースで管理されている当該車両に搭乗する避難者の情報を関連付けることができる。第2端末装置とサーバ装置の通信が可能になると、第2端末装置からサーバ装置へ車両の情報を送信し、サーバ装置で車両の情報を記憶する。これにより、第2端末装置、サーバ装置で避難者が搭乗する車両の情報を共有することができる。
【0075】
(7)第7の態様に係る避難情報管理システムは、(1)~(2)の避難情報管理システムであって、前記第2端末装置は、前記第2会場の識別情報と、前記避難者が搭乗する車両を他の車両と区別する情報と、を含む車両IDを発行する第2車両ID発行部と、前記住民IDを取得する第2コード情報取得部と、前記住民IDと前記車両IDとを関連付けて前記第2記憶部が記憶する車両データベースに登録する第2車両ID登録部と、をさらに備え、前記第2通信部は、前記第2同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第2記憶部が記憶する前記車両データベースに登録された、前記車両IDと、前記住民IDと、を前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ通信部は、送信された前記車両IDと、前記住民IDと、を受信し、前記サーバ住民ID登録部は、前記車両IDと、前記住民IDと、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記車両データベースに登録する。
車両IDの発行時に、住民IDを登録することで、乗員IDを介さずに、車両IDと住民IDを対応付けて車両DBへ登録してもよい。
【0076】
(8)第8の態様に係る避難情報管理システムは、(3)の避難情報管理システムであって、前記第3端末装置は、前記第3会場の識別情報と、前記避難者が搭乗する車両を他の車両と区別する情報と、を含む車両IDと、前記避難者を前記車両に搭乗する他の避難者から区別する情報を前記車両IDに付加した乗員IDを発行する第3車両ID発行部と、前記車両IDと前記乗員IDとを関連付けて前記第3記憶部が記憶する車両データベースに登録する第3車両ID登録部と、前記車両IDと、前記乗員IDと、前記避難者が持参できるような態様で出力する第3車両ID出力部と、前記避難者が持参した前記住民IDと、前記第3車両ID出力部が出力した前記車両IDおよび前記乗員IDと、を取得する第3コード情報取得部と、をさらに備え、前記第3車両ID登録部は、前記第3コード情報取得部が、前記住民IDと、前記車両IDと、前記乗員IDと、を取得すると、前記車両IDに関連付けて前記車両データベースに登録された前記乗員IDを前記住民IDに書き換え、前記第3通信部は、前記第3同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第3記憶部が記憶する前記車両データベースに登録された、前記車両IDと、前記住民IDと、を前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ通信部は、送信された前記車両IDと、前記住民IDと、を受信し、前記サーバ住民ID登録部は、前記車両IDと、前記住民IDと、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記車両データベースに登録する。
【0077】
第3会場が、避難退域時検査会場の場合(屋内退避会場を複数経由して避難退域時検査会場へ移動した場合)、第3端末装置にて避難者が搭乗する車両の情報を車両データベースにて管理し、車両の情報と、住民データベースで管理されている当該車両に搭乗する避難者の情報を関連付けることができる。第2端末装置とサーバ装置の通信が可能になると、第2端末装置からサーバ装置へ車両の情報を送信し、サーバ装置で車両の情報を記憶する。これにより、第3端末装置、サーバ装置で避難者が搭乗する車両の情報を共有することができる。
【0078】
(9)第9の態様に係る避難情報管理システムは、(3)の避難情報管理システムであって、前記第3端末装置は、前記第3会場の識別情報と、前記避難者が搭乗する車両を他の車両と区別する情報と、を含む車両IDを発行する第3車両ID発行部と、前記住民IDを取得する第3コード情報取得部と、前記住民IDと前記車両IDとを関連付けて前記第3記憶部が記憶する車両データベースに登録する第2車両ID登録部と、をさらに備え、前記第3通信部は、前記第3同期部が、前記ネットワークが通信可能と判定したときに、前記第3記憶部が記憶する前記車両データベースに登録された、前記車両IDと、前記住民IDと、を前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ通信部は、送信された前記車両IDと、前記住民IDと、を受信し、前記サーバ住民ID登録部は、前記車両IDと、前記住民IDと、を関連付けて前記サーバ記憶部が記憶する前記車両データベースに登録する。
車両IDの発行時に、住民IDを登録することで、乗員IDを介さずに、車両IDと住民IDを対応付けて車両DBへ登録してもよい。
【0079】
(10)第10の態様に係る避難情報管理システムは、(1)~(9)の避難情報管理システムであって、前記車両又は前記避難者について放射性物質が付着しているかどうかの検査を行った結果に基づいて、前記車両又は前記避難者が次に行うべき検査の検査リスト情報に、前記車両の車両ID又は前記避難者の避難者IDを登録するリスト登録部と、前記検査リスト情報を出力する検査リスト情報出力部と、をさらに備える。
検査リスト情報に車両IDや避難者IDを自動登録する。各検査場所の係員は、目の前の車両と検査リスト情報に登録された車両IDが付与された車両情報を比較して、検査リスト情報に登録があれば検査を行い、無ければ検査しないと判断することができる。これにより、係員の作業負荷を低減することができる。
【0080】
(11)第11の態様に係る避難情報管理システムは、(1)~(10)の避難情報管理システムであって、前記避難者について放射性物質が付着しているかどうかの検査を行った結果、放射性物質が付着しているという検査結果となった場合、前記避難者が搭乗する前記車両の車両IDと前記車両に搭乗する他の前記避難者の前記住民IDとを出力する検査対象出力部、をさらに備える。
これにより、代表者検査で汚染が確認された場合、搭乗者全員が検査対象になるが、その際、どの車両が検査対象の搭乗者が搭乗した車両であるかを速やかに把握することができる。
【0081】
(12)第12の態様に係る避難情報管理システムは、(1)~(11)の避難情報管理システムであって、前記車両又は前記避難者について放射性物質が付着しているかどうかの検査を行った結果、前記車両又は前記避難者に付着した放射性物質が許容範囲であることが確認された場合のみ検査証を発行する検査証発行部、をさらに備える。
これにより、検査が必要な人の検査が終わっていなければ車両の通行許可を出さないように制御することができる。
【符号の説明】
【0082】
1・・・屋内退避会場
2・・・避難退域時検査会場
3・・・避難経由所
4・・・避難所
5・・・災害対策本部
6・・・避難者
7・・・車両
10、20、30、40・・・端末
11、21、31、41・・・ルータ
12、22、32、42・・・読取装置
13、23、33、43・・・プリンター
50・・・サーバ
60・・・携帯端末
101、201、301、401、501・・・入力受付部
102、202、302、402・・・コード情報管理部
103、203、303、403、502・・・DB管理部
104、204、304、404、503・・・DB同期部
105、205、305、405、504・・・出力部
106、206、306、406、505・・・記憶部
107、207、307、407、506・・・通信部
208・・・検査証発行部
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース