(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067472
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ブラケット、棚板構造及び棚板装置
(51)【国際特許分類】
F16B 12/42 20060101AFI20240510BHJP
A47B 96/06 20060101ALI20240510BHJP
A47B 47/02 20060101ALI20240510BHJP
F16B 9/02 20060101ALI20240510BHJP
F16B 12/40 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
F16B12/42 A
A47B96/06 B
A47B96/06 C
A47B96/06 E
A47B47/02 C
F16B9/02 A
F16B12/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177583
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】永石 昇
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃史
【テーマコード(参考)】
3B054
3J023
3J024
【Fターム(参考)】
3B054AA02
3B054BA03
3B054BA08
3B054BA14
3B054FA01
3J023AA01
3J023BA02
3J023BB01
3J023CA09
3J023DA02
3J024AA38
3J024CA03
(57)【要約】
【課題】容易に製作ができるとともに棚板と支柱とを連結することができるブラケット、棚板構造及び棚板装置を提供する。
【解決手段】ブラケット20は、上下方向から見て少なくとも一部が円弧状に形成された円弧部31を有し上下方向に延びる支柱3と、支柱3に支持された棚板10と、を接続するブラケットであって、棚板10に接続される棚板接続部21と、棚板接続部21から上下方向に延び、支柱3に連結される支柱連結部22と、を備え、支柱連結部22は、平板状に形成され、互いの板面が交差する方向を向く一対の連結板部221を有し、一対の連結板部221の板面221cに、支柱3の円弧部31が連結される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向から見て少なくとも一部が円弧状に形成された円弧部を有し上下方向に延びる支柱と、前記支柱に支持された棚板と、を接続するブラケットであって、
前記棚板に接続される棚板接続部と、
前記棚板接続部から上下方向に延び、前記支柱に連結される支柱連結部と、を備え、
前記支柱連結部は、
平板状に形成され、互いの板面が交差する方向を向く一対の連結板部を有し、
前記一対の連結板部の前記板面に、前記支柱の前記円弧部が連結されるブラケット。
【請求項2】
前記一対の連結板部は、接続されている請求項1に記載のブラケット。
【請求項3】
前記棚板接続部には、前記支柱が上下方向に挿通される挿通部が形成されている請求項1または2に記載のブラケット。
【請求項4】
請求項1に記載のブラケットと、
前記ブラケットの前記棚板接続部に接続された棚板と、を備える棚板構造。
【請求項5】
前記棚板は、
上下方向と交差する第1方向の両側に向かうにしたがって次第に上下方向の一方側に傾斜する一対の棚板側固定部を有し、
前記棚板接続部は、
前記第1方向の両側に向かうにしたがって次第に上下方向の一方側に傾斜する一対のブラケット側固定部を有し、
前記一対のブラケット側固定部は、締結部材で前記一対の棚板側固定部に固定されている請求項4に記載の棚板構造。
【請求項6】
前記棚板の下面には、上方に凹む凹部が形成され、
前記ブラケットの前記支柱連結部は、前記棚板接続部から上方に延びるとともに前記凹部に配置される請求項4または5に記載の棚板構造。
【請求項7】
請求項1または2に記載のブラケットと、
前記ブラケットの前記棚板接続部に接続された棚板と、
前記棚板を支持し、少なくとも一部が円弧状に形成された円弧部を有し上下方向に延びる支柱と、を備える棚板装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラケット、棚板構造及び棚板装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、オフィスや公共施設等における執務空間においては、物品を載置可能な棚板を備えた棚板装置が設置されていることが多い。
【0003】
円筒状の複数の支柱と、端部が支柱に支持された棚板と、を備え、棚板の端部が支柱の外面に対応した円弧状に形成されるとともに、ねじ部材で棚板の端部と支柱とが連結された構成が提案されている(下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、棚板の端部を支柱の外面に対応するように円弧状に形成する必要があり、製作が困難であったり、手間がかかったりするという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、容易に製作ができるとともに棚板と支柱とを連結することができるブラケット、棚板構造及び棚板装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係るブラケットは、上下方向から見て少なくとも一部が円弧状に形成された円弧部を有し上下方向に延びる支柱と、前記支柱に支持された棚板と、を接続するブラケットであって、前記棚板に接続される棚板接続部と、前記棚板接続部から上下方向に延び、前記支柱に連結される支柱連結部と、を備え、前記支柱連結部は、平板状に形成され、互いの板面が交差する方向を向く一対の連結板部を有し、前記一対の連結板部の前記板面に、前記支柱の前記円弧部が連結される。
【0008】
このように構成されたブラケットでは、支柱と連結されるブラケットの連結板部は平板状をしているため、支柱の円弧部の形状に合わせて円弧状に製作する必要がなく、容易に製作することができる。
また、支柱は円弧状をしているものの、互いの板面が交差する方向を向く一対の連結板部の板面に固定されているため、板面で位置決めがされるとともに、支柱の位置ずれを抑制して、ブラケットを介して棚板と支柱とを連結することができる。
【0009】
また、本発明に係る棚板構造では、前記一対の連結板部は、接続されていてもよい。
【0010】
このように構成された棚板構造では、一対の連結板部は接続されているため、支柱連結部の剛性を高めることができる。
【0011】
また、本発明に係る棚板装置では、前記棚板接続部には、前記支柱が上下方向に挿通される挿通部が形成されていてもよい。
【0012】
このように構成された棚板装置では、棚板接続部には支柱が上下方向に挿通される挿通部が形成されているため、棚板接続部に対して支柱を位置決めしやすい。
【0013】
また、本発明に係る棚板装置では、上記のいずれか一に記載のブラケットと、前記ブラケットの前記棚板接続部に接続された棚板と、を備える。
【0014】
このように構成された棚板装置では、支柱と連結されるブラケットの連結板部は平板状をしているため、支柱の円弧部の形状に合わせて円弧状に製作する必要がなく、容易に製作することができる。
また、支柱は円弧状をしているものの、互いの板面が交差する方向を向く一対の連結板部の板面に固定されているため、板面で位置決めがされるとともに、支柱の位置ずれを抑制して、ブラケットを介して棚板と支柱とを連結することができる。
【0015】
また、本発明に係る棚板装置では、前記棚板は、上下方向と交差する第1方向の両側に向かうにしたがって次第に上下方向の一方側に傾斜する一対の棚板側固定部を有し、前記棚板接続部は、前記第1方向の両側に向かうにしたがって次第に上下方向の一方側に傾斜する一対のブラケット側固定部を有し、前記一対のブラケット側固定部は、締結部材で前記一対の棚板側固定部に固定されていてもよい。
【0016】
このように構成された棚板装置では、第1方向の両側に向かうにしたがって次第に上下方向の一方側に傾斜する一対のブラケット側固定部は、締結部材で、第1方向の両側に向かうにしたがって次第に上下方向の一方側に傾斜する一対の棚板側固定部に固定されている。よって、ブラケットの上下方向を軸線方向とする回転を抑制することができる。
【0017】
また、本発明に係る棚板装置では、前記棚板の下面には、上方に凹む凹部が形成され、
前記ブラケットの前記支柱連結部は、前記棚板接続部から上方に延びるとともに前記凹部に配置されていてもよい。
【0018】
このように構成された棚板装置では、ブラケットの支柱連結部は、棚板の下面に形成された上方に凹む凹部に配置されている。よって、側方から見て支柱連結部が目立たず、外観を良好とすることができる。
【0019】
また、本発明に係る棚板装置では、上記のいずれか一に記載のブラケットと、前記ブラケットの前記棚板接続部に接続された棚板と、前記棚板を支持し、少なくとも一部が円弧状に形成された円弧部を有し上下方向に延びる支柱と、を備える。
【0020】
このように構成された棚板装置では、支柱と連結されるブラケットの連結板部は平板状をしているため、支柱の円弧部の形状に合わせて円弧状に製作する必要がなく、容易に製作することができる。
また、支柱は円弧状をしているものの、互いの板面が交差する方向を向く一対の連結板部の板面に固定されているため、板面で位置決めがされるとともに、支柱の位置ずれを抑制して、ブラケットを介して棚板と支柱とを連結することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るブラケット、棚板構造及び棚板装置によれば、容易に製作ができるとともに棚板と支柱とを連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る棚板装置の斜視図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係る棚板装置の一部の分解斜視図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係る棚板装置の棚板の斜視図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係る棚板装置の棚板の断面図である。
【
図5】本発明の第一実施形態に係る棚板装置の水平面に沿う断面図である。
【
図6】本発明の第一実施形態に係る棚板装置の鉛直面に沿う断面図である。
【
図7】本発明の第二実施形態に係る棚板装置の水平面に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第一実施形態)
次に、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。また、本実施形態において、「向かい合う」とは、2つの面それぞれの直交方向(法線方向)が互いに一致している場合に限らず、直交方向同士が交差している場合も含んでいる。
【0024】
<棚板装置>
図1は、本発明の一実施形態に係る棚板装置の斜視図である。
図1に示す棚板装置100は、例えば各種施設(オフィスや公共施設等)において、床面上に設置されるものである。棚板装置100は、複数の棚板構造1と、複数の支柱3と、複数の脚部材4と、を備えている。
【0025】
以下の説明において、利用者が棚板装置100に向かう方向を前後方向Dfとし、前後方向Dfと直交する水平方向を幅方向Dwとし、前後方向Df及び幅方向Dwと直交する方向を上下方向Dvと称することがある。また、前後方向Df及び幅方向Dwにおいて、棚板装置100の中心に向かう方向を「内側」と称し、反対側(端部側)に向かう方向を「外側」と称することがある。
【0026】
<棚板構造>
図2は、棚板装置100の一部の分解斜視図である。
図2に示すように、棚板構造1は、棚板10と、複数のブラケット20と、を有している。本実施形態では、1枚の棚板10に対して、幅方向Dwに離間して2箇所にブラケット20が設けられている。ブラケット20は、棚板10と支柱3とを接続して、棚板10を支柱3に取り付けるための部材であり、棚板10に支柱3が貫通する箇所に配置されている。棚板構造1は、上下方向に間隔を有して複数設けられている。本実施形態では、棚板構造1は、上下方向に間隔を有して3箇所に設けられている。なお、ブラケット20の数や棚板構造1の数は、適宜設定可能である。
【0027】
<棚板>
図1に示すように、棚板10は、略平板状に形成されている。棚板10の板面は、上下方向Dvを向いている。棚板10は、上下方向Dvから見て(平面視)略長方形をしている。略長方形をなす棚板10の長辺方向は、幅方向Dwを向いている。棚板10の短辺方向は、前後方向Dfを向いている。なお、棚板10の上下方向Dvから見た形状は、適宜設定可能である。略長方形をなす棚板10の長辺方向が前後方向Dfを向いていて、短辺方向が幅方向Dwを向いていてもよい。
【0028】
本実施形態では、上下方向に間隔を有して3枚の棚板10が配置されている。上から順に、棚板10A、10B,10Cとすることがある。
【0029】
図3は、棚板の斜視図である。
図3に示すように、棚板10は、上部部材11の下側に前後2枚の下部部材12が組み付けられるとともに、幅方向Dwの両端部に端部部材13が組み付けられて構成されている。上部部材11、下部部材12及び端部部材13は、それぞれ板材が折曲されて形成されている。なお、棚板10は、一の板材が折曲されて構成されていてもよく、2以上の任意の板材が組み付けられて構成されていてもよい。また、棚板10は、中実の部材で形成されていてもよい。
【0030】
図4は、棚板の断面図である。
図3及び
図4に示すように、棚板10は、棚板上面17と、棚板端面18と、棚板下面19と、を有している。
【0031】
棚板上面17は、上方を向いて、物品が載置可能とされている。棚板上面17は、上部板部111を有している。
【0032】
図4に示すように、上部板部111は、板状に形成されている。上部板部111の板面は、上下方向Dvを向いている。上部板部111は、平面視長方形をしている(
図1参照)。上部板部111の上面111uは、物品等が載置可能な平面をしている。
【0033】
棚板端面18は、棚板10の前後方向Dfの端面に位置している。棚板上面17は、端部板部112を有している。
【0034】
端部板部112は、上部板部111の前後方向Dfの両端部から下方に延びている。端部板部112は、板状に形成されている。端部板部112の板面は、前後方向Dfを向いている。
【0035】
棚板下面19は、下方を向いている。棚板下面19は、下部板部113と、外側傾斜板部114と、内側傾斜板部(棚板側固定部)115と、上下板部116と、裏板部117と、を有している。
【0036】
下部板部113は、端部板部112の下端部から、前後方向Dfの内側に向かって延びている。下部板部113は、板状に形成されている。下部板部113の板面は、水平面に沿って配置されている。棚板10における前後方向Dfの両端部は、上部板部111と下部板部113によって、厚みの薄い薄肉部15が形成されている。
【0037】
外側傾斜板部114は、下部板部113の前後方向Dfの内側の端部から前後方向Dfの内側に向かって延びている。外側傾斜板部114は、下部板部113の前後方向Dfの内側に隣り合って配置されている。外側傾斜板部114は、内側傾斜板部115よりも棚板10の前後方向Dfの端部10a側に配置されている。外側傾斜板部114は、前後方向Dfの内側に向かうにしたがって次第に下方に向かうように水平面に対して傾斜している。外側傾斜板部114は、板状に形成されている。外側傾斜板部114の板面は、上下方向Dv及び前後方向Dfに交差する方向を向いている。外側傾斜板部114の前後方向Dfの長さを長さL1とする。外側傾斜板部114の水平面に対する傾斜角を角度θ1とする。外側傾斜板部114は、前後方向(第1方向)Dfの両側に離間して一対形成されている。なお、外側傾斜板部114は、一般的に棚板の端面に形成される面取りよりも大きな傾斜で形成されている。
【0038】
内側傾斜板部115は、外側傾斜板部114の前後方向Dfの内側の端部から前後方向Dfの内側に向かって延びている。内側傾斜板部115は、外側傾斜板部114の前後方向Dfの内側に隣り合って、前後方向Dfの中央寄りに配置されている。内側傾斜板部115は、前後方向Dfの内側に向かうにしたがって次第に上方に向かうように水平面に対して傾斜している。内側傾斜板部115は、板状に形成されている。内側傾斜板部115の板面は、上下方向Dv及び前後方向Dfに交差する方向を向いている。内側傾斜板部115の前後方向Dfの長さを長さL2とする。内側傾斜板部115の水平面に対する傾斜角を角度θ2とする。内側傾斜板部115は、前後方向(第1方向)Dfの両側に離間して一対形成されている。
【0039】
棚板10における前後方向Dfの中心側は、上部板部111、外側傾斜板部114及び内側傾斜板部115によって、厚みの厚い厚肉部16が形成されている。
【0040】
外側傾斜板部114の長さL1は、内側傾斜板部115の長さL2よりも長い。外側傾斜板部114の角度θ1は、内側傾斜板部115の角度θ2よりも小さい。
【0041】
上下板部116は、内側傾斜板部115の前後方向Dfの内側の端部から上方に向かって延びている。上下板部116は、板状に形成されている。上下板部116の板面は、前後方向Dfを向いている。
【0042】
図3に示すように、裏板部117は、上下板部116の上端部から前後方向Dfの内側に向かって延びている。裏板部117は、上部板部111の下面に沿って配置されている。裏板部117は、板状に形成されている。裏板部117の板面は、上下方向Dvを向いている。裏板部117は、上部板部111の下面に接合されている。
【0043】
図4に示すように、前後方向Df両側の115及び前後方向Df両側の上下板部116によって、棚板下面19には、上方に凹む第1凹部C1が形成されている。さらに、第1凹部C1の前後方向の内側には、前後方向Df両側の上下板部116によって、棚板10の下側に、上方に凹む第2凹部(凹部)C2が形成されている。第2凹部C2は、第1凹部C1の一部である。
【0044】
図1に示すように、棚板10B,10Cには、上部板部111に後述する支柱3が貫通する支持孔111sが形成されている。支持孔111sは、幅方向Dwに離間して2箇所に形成されている。棚板10Aには、支持孔111sは形成されていない。
【0045】
<ブラケット>
図2に示すように、ブラケット20は、棚板接続部21と、支柱連結部22と、を有している。棚板接続部21及び支柱連結部22は、それぞれ板材が折り曲げられて形成されている。棚板接続部21と支柱連結部22とは、接合されている。
【0046】
棚板接続部21は、棚板10に接続されている。棚板接続部21は、支持板部211と、傾斜板部(ブラケット側固定部)212と、を備えている。
【0047】
支持板部211は、板状に形成されている。支持板部211の板面は、上下方向Dvを向いている。支持板部211は、上下方向Dvから見て略矩形をしている。支持板部211における幅方向Dwの内側の端部211aには、幅方向Dwの外側に向かって切欠き213が形成されている。
【0048】
図5は、棚板装置100の水平面に沿う断面図である。
支持板部211には、上下方向Dvに貫通する挿通部214が形成されている。
図5に示すように、挿通部214は、支持板部211における幅方向Dwの中心よりも幅方向Dwの外側の端部211b側に配置されている。挿通部214には、支柱3が挿通されている。
【0049】
図2に示すように、傾斜板部212は、支持板部211の前後方向の両端部に設けられている。傾斜板部212は、前後方向Dfの外側に向かうにしたがって次第に下方(上下方向の一方側)に向かうように傾斜している。一対の傾斜板部212は、前後方向Dfに離間して配置されている。
【0050】
傾斜板部212には、板厚方向に貫通する螺子孔212aが形成されている。螺子孔212aは、幅方向Dwに離間して2箇所に形成されている。なお、螺子孔212aの個数は、適宜設定可能である。
【0051】
図6は、棚板装置100の鉛直面に沿う断面図である。
図6に示すように、傾斜板部212は、棚板10の内側傾斜板部115の下側に沿って配置されている。螺子(締結部材)212bが螺子孔212aに挿通されて、棚板10の内側傾斜板部115に形成された螺子孔115aに螺合されている。これによって、ブラケット20は棚板10に固定されている。
【0052】
図2に示すように、支柱連結部22は、支持板部211から上方に延びている。支柱連結部22は、一対の連結板部221を有している。
【0053】
連結板部221は、平板状に形成されている。連結板部221の板面は、上下方向Dvに沿って配置されている。
図5に示すように、一対の連結板部221は、互いの板面が交差する方向を向くように配置されている。一対の連結板部221の端部は、略直角に直交して接続されている。1枚の板材が折り曲げられて一対の連結板部221が形成されている。連結板部221には、板厚方向に貫通する螺子孔221aが形成されている。
【0054】
<支柱>
支柱3は、上下方向Dvに延びている。支柱3は、幅方向Dwに離間して2本設置されている。支柱3は、円筒状に形成されている。支柱3は、外周形状が全周にわたって上下方向Dvから見て円弧状に形成された円弧部31を有している。なお、支柱3の本数は、適宜設定可能である。
【0055】
ブラケット20に形成された挿通部214の内縁形状は、円弧部31と略同一または僅かに大きい形状をしている。挿通部214には、支柱3が挿通されている。
【0056】
支柱3の円弧部31は、ブラケット20の一対の連結板部221の内側面(板面)221cに当接している。連結板部221には、支柱3の円弧部31が当接している箇所に、螺子孔221aが形成されている。
【0057】
螺子221bが、ブラケット20の連結板部221の螺子孔221aに挿通されて、支柱3に形成された螺子孔31aに螺合されている。連結板部221の内側面221cに、支柱3の円弧部31が連結されている。これによって、支柱3は、ブラケット20に連結されている。支柱3は、ブラケット20を介して棚板10を支持している。なお、螺子221bに代えて、ボルトとナットで締結する構成であってもよい。
【0058】
図6に示すように、ブラケット20の一対の連結板部221は、棚板10の第2凹部C2に配置されている。
【0059】
<脚部材>
図1に示すように、脚部材4は、棚板10Cの下部に設けられ、床面上に設置されている。脚部材4の下部には、高さ調整可能な不図示のアジャスタが設けられていてもよい。脚部材4は棚板10Cの四隅近傍の4箇所に設けられているが、脚部材4の個数は適宜設定可能である。
【0060】
図6に示すように、支柱3には、径方向に貫通する配線孔33が形成されている。支柱3内に挿通された配線(不図示)は、配線孔33から外方に取り出せれて、ブラケット20の切欠き213を通って第2凹部C2内を幅方向Dwに配置される。第2凹部C2の下側は、配線カバー(不図示)で覆うことが可能である。
【0061】
棚板装置100を組み立てる際には、支柱3を設置して、ブラケット20の挿通部214に支柱3を通す。所定の位置で、支柱3とブラケット20とを、螺子221bで連結する。棚板10B、10Cにおいては、支持孔111sに支柱を通す。棚板10とブラケット20とを螺子221bで連結する。
【0062】
このように構成された棚板装置100では、支柱3と連結されるブラケット20の連結板部221は平板状をしているため、支柱3の円弧部31の形状に合わせて円弧状に製作する必要がなく、容易に製作することができる。
【0063】
また、支柱3は円弧状をしているものの、互いの板面が交差する方向を向く一対の連結板部221の内側面221cに固定されているため、内側面221cで位置決めがされるとともに、支柱3の位置ずれを抑制して、ブラケット20を介して棚板10と支柱3とを連結することができる。
【0064】
また、一対の連結板部221は接続されているため、支柱連結部22の剛性を高めることができる。
【0065】
また、支持板部211には支柱3が上下方向に挿通される挿通部214が形成されているため、支持板部211に対して支柱3を位置決めしやすい。
【0066】
また、ブラケット20の前後方向Dfの外側に向かうにしたがって次第に下方に傾斜する一対の傾斜板部212は、螺子212bで、棚板10の前後方向Dfの外側に向かうにしたがって次第に下方に傾斜する一対の内側傾斜板部115に固定されている。よって、ブラケット20の上下方向Dvを軸線方向とする回転を抑制することができる。
【0067】
また、ブラケット20の一対の連結板部221は、棚板10の下面に形成された上方に凹む第2凹部C2に配置されている。よって、前後方向Dfから見て厚肉部16で隠れて一対の連結板部221が目立たず、外観を良好とすることができる。
【0068】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係る棚板装置について、主に
図7を用いて説明する。以下で説明する実施形態において、上記に示す実施形態に対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図7は、本発明の第二実施形態に係る棚板装置の水平面に沿う断面図である。
図7に示すように、本実施形態に係る棚板装置100Aでは、ブラケット20Aに形成された挿通部215は、支持板部211の端部211bから幅方向Dwの内側に凹むように切欠き状に形成されている。
【0069】
支柱3Aは、上下方向Dvから見て幅方向Dwに長い長円をしている。支柱3Aは、幅方向Dwの両側において、上下方向Dvから見て外側に膨らむように円弧状に形成された円弧部32を有している。
【0070】
一対の円弧部32のうち幅方向Dwの内側に配置された円弧部32Aは、連結板部221の内側面221cに当接している。挿通部215の幅方向Dwの内側の内縁部215aは、円弧部32Aと対応した形状をしている。
【0071】
このように構成された棚板装置100Aでは、支柱3Aと連結されるブラケット20Aの連結板部221は平板状をしているため、支柱3Aの円弧部32の形状に合わせて円弧状に製作する必要がなく、容易に製作することができる。
【0072】
また、支柱3Aは円弧状をしているものの、互いの板面が交差する方向を向く一対の連結板部221の内側面221cに固定されているため、内側面221cで位置決めがされるとともに、支柱3Aの位置ずれを抑制して、ブラケット20Aを介して棚板10と支柱3Aとを連結することができる。
【0073】
ブラケット20Aの支持板部211に形成された挿通部215は、端部211bから凹む切欠きである。よって、支柱3Aを挿通部215に挿通させる際には、支柱3Aを端部211b側から幅方向Dwの内側に移動させて配置することができ、棚板装置100の組立性が良い。
【0074】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0075】
上述した実施形態では、一対の連結板部221は接続されているが、これに限られない。一対の連結板部が、接続されずに互いに離間して配置されていてもよい。
【0076】
また、上述した実施形態では、一対の連結板部221は、略直角をなしている、これに限られない。一対の連結板部221が接続されている場合に一対の連結板部221のなす角度及び一対の連結板部221が接続されていない場合には一対の連結板部221の延長線がなす角度は、適宜設定可能である。いずれの場合にも、一対の連結板部または延長線で形成される角度のうち劣角をなす方の内側面に、支柱の円弧部が連結されていればよい。
【0077】
また、上述した実施形態では、ブラケット20Aの支持板部211に形成された挿通部215の少なくも一部の内縁は、支柱3Aの円弧部32Aに対応した形状をしているが、これに限られない。挿通部215の少なくとも一部が、円弧部32Aに対応した形状をしていなくてもよい。
【0078】
また、上述した実施形態では、ブラケット20の連結板部221と支柱3とは螺子221bで連結されているが、これに限られない。支柱連結部と支柱とを、クリップ等で挟んで連結する構成であってもよい。支柱連結部及び支柱のいずれか一方に形成された係止部を、支柱連結部及び支柱の他方に形成された被係止部に係止する構成であってもよい。支柱連結部と支柱とを連結する構成は、適宜設定可能である。
【0079】
また、上述した実施形態では、ブラケット20の前後方向Dfの外側に向かうにしたがって次第に下方に傾斜する一対の傾斜板部212が、螺子212bで、棚板10の前後方向Dfの外側に向かうにしたがって次第に下方に傾斜する一対の内側傾斜板部115に固定されているが、これに限られない。ブラケットにおける棚板に固定される部分は、水平面に沿っていてもよいし、形状及び配置される向きは適宜設定可能である。
【0080】
また、上述した実施形態では、ブラケット20は棚板10の下側に配置されているが、これに限られない。ブラケットは、棚板の上側に配置されていてもよく、あるいは棚板の上下方向の中間に切欠きが形成され、その中にブラケットが配置される構成であってもよい。
【0081】
また、上述した実施形態では、棚板10は薄肉部15及び厚肉部16を有する構成であるが、これに限られない。棚板10の形状は適宜設定可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 棚板構造
3,3A 支柱
10,10A、10B,10C 棚板
20,20A ブラケット
21 棚板接続部
22 支柱連結部
31,32,32A 円弧部
100,100A 棚板装置
115 内側傾斜板部(棚板側固定部)
212 傾斜板部(ブラケット側固定部)
212b 螺子(締結部材)
214,215 挿通部
221 連結板部
221c 内側面(板面)
C2 第2凹部(凹部)
Df 前後方向(第1方向)
Dv 上下方向
Dw 幅方向