特開 2024-67474 棚板及び棚板装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024067474

(43)【公開日】2024-05-17

(54)【発明の名称】棚板及び棚板装置

(51)【国際特許分類】

   A47B 47/02 20060101AFI20240510BHJP

   A47B 96/02 20060101ALI20240510BHJP

【ＦＩ】

A47B47/02 C

A47B96/02 A

A47B96/02 G

【審査請求】未請求

【請求項の数】8

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022177585

(22)【出願日】2022-11-04

(71)【出願人】

【識別番号】000000561

【氏名又は名称】株式会社オカムラ

(74)【代理人】

【識別番号】100149548

【弁理士】

【氏名又は名称】松沼 泰史

(72)【発明者】

【氏名】永石 昇

(72)【発明者】

【氏名】山口 晃史

【テーマコード（参考）】

3B054

【Ｆターム（参考）】

3B054AA02

3B054BA03

3B054BA08

3B054BA14

3B054FA01

(57)【要約】

【課題】厚みを薄く見せつつ容易に製作することができる棚板及び棚板装置を提供する。
【解決手段】棚板１０は、上方を向き物品が載置される棚板上面１７と、下方を向く棚板下面１９と、を備え、棚板下面１９は、前後方向Ｄｆの少なくとも一方の端部側に配置された第１傾斜部１１４と、第１傾斜部１１４の前後方向Ｄｆの他方側に隣り合って、前後方向Ｄｆの中央寄りに配置された第２傾斜部１１５と、を有し、第１傾斜部１１４は、前後方向Ｄｆの他方側に向かうにしたがって次第に下方に向かうように傾斜し、第２傾斜部１１５は、前後方向Ｄｆの他方側に向かうにしたがって次第に上方に向かうように傾斜する。
【選択図】図４

【特許請求の範囲】

【請求項1】

上方を向き物品が載置される棚板上面と、
下方を向く棚板下面と、を備え、
前記棚板下面は、
前後方向の少なくとも一方の端部側に配置された第１傾斜部と、
前記第１傾斜部の前後方向の他方側に隣り合って、前後方向の中央寄りに配置された第２傾斜部と、を有し、
前記第１傾斜部は、前後方向の他方側に向かうにしたがって次第に下方に向かうように傾斜し、
前記第２傾斜部は、前後方向の他方側に向かうにしたがって次第に上方に向かうように傾斜する棚板。

【請求項2】

前記第２傾斜部には、オプション部材を固定可能である請求項１に記載の棚板。

【請求項3】

前記第１傾斜部の水平面に対する角度は、前記第２傾斜部の水平面に対する角度よりも大きい請求項１または２に記載の棚板。

【請求項4】

前記第１傾斜部の前後方向の長さは、前記第２傾斜部の前後方向の長さよりも長い請求項１または２に記載の棚板。

【請求項5】

前記棚板下面は、
前記第１傾斜部の前後方向の一方側に隣り合って配置された外縁部を有し、
前記外縁部は、水平面に沿って形成されている請求項１または２に記載の棚板。

【請求項6】

前記棚板下面には、前記第２傾斜部よりも前後方向の他方側に、上方に凹む凹部が形成されている請求項１または２に記載の棚板。

【請求項7】

請求項１または２に記載の棚板と、
前記棚板を支持する支柱と、を備えた棚板装置。

【請求項8】

前記棚板と前記支柱とを接続するブラケットを備え、
前記ブラケットは、前記第２傾斜部に固定されている請求項７に記載の棚板装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、棚板及び棚板装置に関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来から、オフィスや公共施設等における執務空間においては、物品を載置可能な棚板を備えた棚板装置が設置されていることが多い。

【0003】

棚板の端面の下部に切欠き状の傾斜面を形成して、見下ろすように見た際に、傾斜面が見えにくく厚みを薄く感じさせるようにしたものが提案されている（下記の特許文献１参照）。また、鋼板で形成され、上面の下側に沿うように折り返して下面を形成して端部を薄肉状にしつつ、中央側では鋼板を直角に折り曲げて下方に突出するリブを設けて剛性を高めたものが提案されている（下記の特許文献２参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０１４－１４０４０３号公報

【特許文献2】特開平１０－２３９５０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかしながら、特許文献１に開示された構成では、前方から棚板を見る高さによっては、傾斜面よりも後方にある水平面に沿う棚板の下面が大きく見えてしまい、見た目を損ねてしまうという問題点がある。また、特許文献２に開示された構成では、鋼板を直角に折り曲げてリブを形成するのは製作が難しいという問題点がある。

【0006】

そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、厚みを薄く見せつつ容易に製作することができる棚板及び棚板装置を提供する。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る棚板は、上方を向き物品が載置される棚板上面と、下方を向く棚板下面と、を備え、前記棚板下面は、前後方向の少なくとも一方の端部側に配置された第１傾斜部と、前記第１傾斜部の前後方向の他方側に隣り合って、前後方向の中央寄りに配置された第２傾斜部と、を有し、前記第１傾斜部は、前後方向の他方側に向かうにしたがって次第に下方に向かうように傾斜し、前記第２傾斜部は、前後方向の他方側に向かうにしたがって次第に上方に向かうように傾斜する。

【0008】

このように構成された棚板では、第１傾斜部が前後方向の他方側に向かうにしたがって次第に下方に向かうように傾斜している。よって、棚板を前後方向の一方側から見ると、第１傾斜部が目立たず、棚板を薄く見せることができる。また、第１傾斜部の前後方向の他方側に隣り合って前後方向の中央寄りにある第２傾斜部は、前後方向の他方側に向かうにしたがって次第に上方に向かうように傾斜している。よって、棚板を前後方向の一方側から見ると、第２傾斜部は第１傾斜部で隠れて目立たず、棚板を薄く見せることができるとともに外観を良好とすることができる。
また、第２傾斜部は鉛直面よりも傾斜しているため、第２傾斜部が鉛直面に沿っている場合よりも第１傾斜部との間に形成される角度が大きくなる。よって、第１傾斜部及び第２傾斜部を折り曲げたり削ったりして製作する場合に、容易に製作することができる。

【0009】

また、本発明に係る棚板では、前記第２傾斜部には、オプション部材を固定可能であってもよい。

【0010】

このように構成された棚板では、第２傾斜部にオプション部材を固定する際の螺子等の固定具が、第２傾斜部よりも下方に位置しても、固定具の露呈を抑制することができる。

【0011】

また、本発明に係る棚板は、前記第１傾斜部の水平面に対する角度は、前記第２傾斜部の水平面に対する角度よりも大きくてもよい。

【0012】

このように構成された棚板では、第１傾斜部の水平面に対する角度は第２傾斜部の水平面に対する角度よりも大きいため、棚板の厚みを確保することができる。例えば、オプション部材の固定具が棚板の内部に到達する場合に、固定具の長さを長くして固定強度を高めることができる。

【0013】

また、本発明に係る棚板は、前記第１傾斜部の前後方向の長さは、前記第２傾斜部の前後方向の長さよりも長くてもよい。

【0014】

このように構成された棚板では、第１傾斜部の前後方向の長さは第２傾斜部の前後方向の長さよりも長いため、棚板の厚みを確保することができる。例えば、オプション部材の固定具が棚板の内部に到達する場合に、固定具の長さを長くして固定強度を高めることができる。

【0015】

また、本発明に係る棚板では、前記棚板下面は、前記第１傾斜部の前後方向の一方側に隣り合って配置された外縁部を有し、前記外縁部は、水平面に沿って形成されていてもよい。

【0016】

このように構成された棚板では、第１傾斜部の前後方向の一方側に隣り合って配置された外縁部は、水平面に沿って形成されている。よって、棚板における前後方向の一方側の厚さをさらに薄くすることができる。
さらに、外縁部があることによって棚板の前後方向の端部から第１傾斜部まで距離ができるため、前後方向の一方側やや上方から見た時に第１傾斜部が見え難くなり、また第１傾斜部が外縁部の影となるため第１傾斜部が目立たなくなり、棚板をさらに薄く見せることができる。

【0017】

また、本発明に係る棚板では、前記棚板下面には、前記第２傾斜部よりも前後方向の他方側に、上方に凹む凹部が形成されていてもよい。

【0018】

このように構成された棚板では、棚板下面には第２傾斜部よりも前後方向の他方側に上方に凹む凹部が形成されている。よって、凹部にオプション部材等を配置することができるとともに、棚板を前後方向の一方側から見ても第１傾斜部及び第２傾斜部でオプション部材が隠れて目立たず、外観を良好とすることができる。

【0019】

また、本発明に係る棚板装置は、上記のいずれか一に記載の棚板と、前記棚板を支持する支柱と、を備える。

【0020】

このように構成された棚板装置では、厚みを薄く見せつつ容易に製作することができる。

【0021】

また、本発明に係る棚板装置は、前記棚板と前記支柱とを接続するブラケットを備え、前記ブラケットは、前記第２傾斜部に固定されていてもよい。

【0022】

このように構成された棚板装置では、棚板と支柱とを接続するブラケットを第２傾斜部に固定する際の螺子等の固定具が、第２傾斜部よりも下方に位置しても、固定具の露呈を抑制することができる。

【発明の効果】

【0023】

本発明に係る棚板及び棚板装置によれば、厚みを薄く見せつつ容易に製作することができる。

【図面の簡単な説明】

【0024】

【図1】本発明の第一実施形態に係る棚板装置の斜視図である。

【図2】本発明の第一実施形態に係る棚板装置の一部の分解斜視図である。

【図3】本発明の第一実施形態に係る棚板装置の棚板の斜視図である。

【図4】本発明の第一実施形態に係る棚板装置の棚板の断面図である。

【図5】本発明の第一実施形態に係る棚板装置の水平面に沿う断面図である。

【図6】本発明の第一実施形態に係る棚板装置の鉛直面に沿う断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0025】

（第一実施形態）
次に、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。また、本実施形態において、「向かい合う」とは、２つの面それぞれの直交方向（法線方向）が互いに一致している場合に限らず、直交方向同士が交差している場合も含んでいる。

【0026】

＜棚板装置＞
図１は、本発明の一実施形態に係る棚板装置の斜視図である。
図１に示す棚板装置１００は、例えば各種施設（オフィスや公共施設等）において、床面上に設置されるものである。棚板装置１００は、複数の棚板構造１と、複数の支柱３と、複数の脚部材４と、を備えている。

【0027】

以下の説明において、利用者が棚板装置１００に向かう方向を前後方向Ｄｆとし、前後方向Ｄｆと直交する水平方向を幅方向Ｄｗとし、前後方向Ｄｆ及び幅方向Ｄｗと直交する方向を上下方向Ｄｖと称することがある。また、前後方向Ｄｆ及び幅方向Ｄｗにおいて、棚板装置１００の中心に向かう方向を「内側」と称し、反対側（端部側）に向かう方向を「外側」と称することがある。

【0028】

＜棚板構造＞
図２は、棚板装置１００の一部の分解斜視図である。
図２に示すように、棚板構造１は、棚板１０と、複数のブラケット（オプション部材）
２０と、を有している。本実施形態では、１枚の棚板１０に対して、幅方向Ｄｗに離間して２箇所にブラケット２０が設けられている。ブラケット２０は、棚板１０と支柱３とを接続して、棚板１０を支柱３に取り付けるための部材であり、棚板１０に支柱３が貫通する箇所に配置されている。棚板構造１は、上下方向に間隔を有して複数設けられている。本実施形態では、棚板構造１は、上下方向に間隔を有して３箇所に設けられている。なお、ブラケット２０の数や棚板構造１の数は、適宜設定可能である。

【0029】

＜棚板＞
図１に示すように、棚板１０は、略平板状に形成されている。棚板１０の板面は、上下方向Ｄｖを向いている。棚板１０は、上下方向Ｄｖから見て（平面視）略長方形をしている。略長方形をなす棚板１０の長辺方向は、幅方向Ｄｗを向いている。棚板１０の短辺方向は、前後方向Ｄｆを向いている。なお、棚板１０の上下方向Ｄｖから見た形状は、適宜設定可能である。略長方形をなす棚板１０の長辺方向が前後方向Ｄｆを向いていて、短辺方向が幅方向Ｄｗを向いていてもよい。

【0030】

本実施形態では、上下方向に間隔を有して３枚の棚板１０が配置されている。上から順に、棚板１０Ａ、１０Ｂ，１０Ｃとすることがある。

【0031】

図３は、棚板の斜視図である。
図３に示すように、棚板１０は、上部部材１１の下側に前後２枚の下部部材１２が組み付けられるとともに、幅方向Ｄｗの両端部に端部部材１３が組み付けられて構成されている。上部部材１１、下部部材１２及び端部部材１３は、それぞれ板材が折曲されて形成されている。なお、棚板１０は、一の板材が折曲されて構成されていてもよく、２以上の任意の板材が組み付けられて構成されていてもよい。また、棚板１０は、中実の部材で形成されていてもよい。

【0032】

図４は、棚板の断面図である。
図３及び図４に示すように、棚板１０は、棚板上面１７と、棚板端面１８と、棚板下面１９と、を有している。

【0033】

棚板上面１７は、上方を向いて、物品が載置可能とされている。棚板上面１７は、上部板部１１１を有している。

【0034】

図４に示すように、上部板部１１１は、板状に形成されている。上部板部１１１の板面は、上下方向Ｄｖを向いている。上部板部１１１は、平面視長方形をしている（図１参照）。上部板部１１１の上面１１１ｕは、物品等が載置可能な平面をしている。

【0035】

棚板端面１８は、棚板１０の前後方向Ｄｆの端面に位置している。棚板上面１７は、端部板部１１２を有している。

【0036】

端部板部１１２は、上部板部１１１の前後方向Ｄｆの両端部から下方に延びている。端部板部１１２は、板状に形成されている。端部板部１１２の板面は、前後方向Ｄｆを向いている。

【0037】

棚板下面１９は、下方を向いている。棚板下面１９は、下部板部（外縁部）１１３と、外側傾斜板部（第１傾斜部）１１４と、内側傾斜板部（第２傾斜部）１１５と、上下板部１１６と、裏板部１１７と、を有している。

【0038】

下部板部１１３は、端部板部１１２の下端部から、前後方向Ｄｆの内側に向かって延びている。下部板部１１３は、板状に形成されている。下部板部１１３の板面は、水平面に沿って配置されている。棚板１０における前後方向Ｄｆの両端部は、上部板部１１１と下部板部１１３によって、厚みの薄い薄肉部１５が形成されている。

【0039】

外側傾斜板部１１４は、下部板部１１３の前後方向Ｄｆの内側の端部から前後方向Ｄｆの内側に向かって延びている。外側傾斜板部１１４は、下部板部１１３の前後方向Ｄｆの内側に隣り合って配置されている。外側傾斜板部１１４は、内側傾斜板部１１５よりも棚板１０の前後方向Ｄｆの端部１０ａ側に配置されている。外側傾斜板部１１４は、前後方向Ｄｆの内側に向かうにしたがって次第に下方に向かうように水平面に対して傾斜している。外側傾斜板部１１４は、板状に形成されている。外側傾斜板部１１４の板面は、上下方向Ｄｖ及び前後方向Ｄｆに交差する方向を向いている。外側傾斜板部１１４の前後方向Ｄｆの長さを長さＬ１とする。外側傾斜板部１１４の水平面に対する傾斜角を角度θ１とする。外側傾斜板部１１４は、前後方向Ｄｆの両側に離間して一対形成されている。なお、外側傾斜板部１１４は、一般的に棚板の端面に形成される面取りよりも大きな傾斜で形成されている。

【0040】

内側傾斜板部１１５は、外側傾斜板部１１４の前後方向Ｄｆの内側の端部から前後方向Ｄｆの内側に向かって延びている。内側傾斜板部１１５は、外側傾斜板部１１４の前後方向Ｄｆの内側に隣り合って、前後方向Ｄｆの中央寄りに配置されている。内側傾斜板部１１５は、前後方向Ｄｆの内側に向かうにしたがって次第に上方に向かうように水平面に対して傾斜している。内側傾斜板部１１５は、板状に形成されている。内側傾斜板部１１５の板面は、上下方向Ｄｖ及び前後方向Ｄｆに交差する方向を向いている。内側傾斜板部１１５の前後方向Ｄｆの長さを長さＬ２とする。内側傾斜板部１１５の水平面に対する傾斜角を角度θ２とする。内側傾斜板部１１５は、前後方向Ｄｆの両側に離間して一対形成されている。

【0041】

棚板１０における前後方向Ｄｆの中心側は、上部板部１１１、外側傾斜板部１１４及び内側傾斜板部１１５によって、厚みの厚い厚肉部１６が形成されている。

【0042】

外側傾斜板部１１４の長さＬ１は、内側傾斜板部１１５の長さＬ２よりも長い。外側傾斜板部１１４の角度θ１は、内側傾斜板部１１５の角度θ２よりも小さい。

【0043】

上下板部１１６は、内側傾斜板部１１５の前後方向Ｄｆの内側の端部から上方に向かって延びている。上下板部１１６は、板状に形成されている。上下板部１１６の板面は、前後方向Ｄｆを向いている。

【0044】

図３に示すように、裏板部１１７は、上下板部１１６の上端部から前後方向Ｄｆの内側に向かって延びている。裏板部１１７は、上部板部１１１の下面に沿って配置されている。裏板部１１７は、板状に形成されている。裏板部１１７の板面は、上下方向Ｄｖを向いている。裏板部１１７は、上部板部１１１の下面に接合されている。

【0045】

図４に示すように、前後方向Ｄｆ両側の１１５及び前後方向Ｄｆ両側の上下板部１１６によって、棚板下面１９には、上方に凹む第１凹部Ｃ１が形成されている。さらに、第１凹部Ｃ１の前後方向の内側には、前後方向Ｄｆ両側の上下板部１１６によって、棚板１０の下側に、上方に凹む第２凹部（凹部）Ｃ２が形成されている。第２凹部Ｃ２は、第１凹部Ｃ１の一部である。

【0046】

図１に示すように、棚板１０Ｂ，１０Ｃには、上部板部１１１に後述する支柱３が貫通する支持孔１１１ｓが形成されている。支持孔１１１ｓは、幅方向Ｄｗに離間して２箇所に形成されている。棚板１０Ａには、支持孔１１１ｓは形成されていない。

【0047】

＜ブラケット＞
図２に示すように、ブラケット２０は、棚板接続部２１と、支柱連結部２２と、を有している。棚板接続部２１及び支柱連結部２２は、それぞれ板材が折り曲げられて形成されている。棚板接続部２１と支柱連結部２２とは、接合されている。

【0048】

棚板接続部２１は、棚板１０に接続されている。棚板接続部２１は、支持板部２１１と、傾斜板部２１２と、を備えている。

【0049】

支持板部２１１は、板状に形成されている。支持板部２１１の板面は、上下方向Ｄｖを向いている。支持板部２１１は、上下方向Ｄｖから見て略矩形をしている。支持板部２１１における幅方向Ｄｗの内側の端部２１１ａには、幅方向Ｄｗの外側に向かって切欠き２１３が形成されている。

【0050】

図５は、棚板装置１００の水平面に沿う断面図である。
支持板部２１１には、上下方向Ｄｖに貫通する挿通部２１４が形成されている。図５に示すように、挿通部２１４は、支持板部２１１における幅方向Ｄｗの中心よりも幅方向Ｄｗの外側の端部２１１ｂ側に配置されている。挿通部２１４には、支柱３が挿通されている。

【0051】

図２に示すように、傾斜板部２１２は、支持板部２１１の前後方向の両端部に設けられている。傾斜板部２１２は、前後方向Ｄｆの外側に向かうにしたがって次第に下方に向かうように傾斜している。一対の傾斜板部２１２は、前後方向Ｄｆに離間して配置されている。

【0052】

傾斜板部２１２には、板厚方向に貫通する螺子孔２１２ａが形成されている。螺子孔２１２ａは、幅方向Ｄｗに離間して２箇所に形成されている。なお、螺子孔２１２ａの個数は、適宜設定可能である。

【0053】

図６は、棚板装置１００の鉛直面に沿う断面図である。
図６に示すように、傾斜板部２１２は、棚板１０の内側傾斜板部１１５の下側に沿って配置されている。螺子２１２ｂが螺子孔２１２ａに挿通されて、棚板１０の内側傾斜板部１１５に形成された螺子孔１１５ａに螺合されている。これによって、ブラケット２０は棚板１０に固定されている。

【0054】

図２に示すように、支柱連結部２２は、支持板部２１１から上方に延びている。支柱連結部２２は、一対の連結板部２２１を有している。

【0055】

連結板部２２１は、平板状に形成されている。連結板部２２１の板面は、上下方向Ｄｖに沿って配置されている。図５に示すように、一対の連結板部２２１は、互いの板面が交差する方向を向くように配置されている。一対の連結板部２２１の端部は、略直角に直交して接続されている。１枚の板材が折り曲げられて一対の連結板部２２１が形成されている。連結板部２２１には、板厚方向に貫通する螺子孔２２１ａが形成されている。

【0056】

＜支柱＞
支柱３は、上下方向Ｄｖに延びている。支柱３は、幅方向Ｄｗに離間して２本設置されている。支柱３は、円筒状に形成されている。支柱３は、外周形状が全周にわたって上下方向Ｄｖから見て円弧状に形成された円弧部３１を有している。なお、支柱３の本数は、適宜設定可能である。

【0057】

ブラケット２０に形成された挿通部２１４の内縁形状は、円弧部３１と略同一または僅かに大きい形状をしている。挿通部２１４には、支柱３が挿通されている。

【0058】

支柱３の円弧部３１は、ブラケット２０の一対の連結板部２２１の内側面２２１ｃに当接している。連結板部２２１には、支柱３の円弧部３１が当接している箇所に、螺子孔２２１ａが形成されている。

【0059】

螺子２２１ｂが、ブラケット２０の連結板部２２１の螺子孔２２１ａに挿通されて、支柱３に形成された螺子孔３１ａに螺合されている。連結板部２２１の内側面２２１ｃに、支柱３の円弧部３１が連結されている。これによって、支柱３は、ブラケット２０に連結されている。支柱３は、ブラケット２０を介して棚板１０を支持している。なお、螺子２２１ｂに代えて、ボルトとナットで締結する構成であってもよい。

【0060】

図６に示すように、ブラケット２０の一対の連結板部２２１は、棚板１０の第２凹部Ｃ２に配置されている。

【0061】

＜脚部材＞
図１に示すように、脚部材４は、棚板１０Ｃの下部に設けられ、床面上に設置されている。脚部材４の下部には、高さ調整可能な不図示のアジャスタが設けられていてもよい。脚部材４は棚板１０Ｃの四隅近傍の４箇所に設けられているが、脚部材４の個数は適宜設定可能である。

【0062】

図６に示すように、支柱３には、径方向に貫通する配線孔３３が形成されている。支柱３内に挿通された配線（不図示）は、配線孔３３から外方に取り出せれて、ブラケット２０の切欠き２１３を通って第２凹部Ｃ２内を幅方向Ｄｗに配置される。第２凹部Ｃ２の下側は、配線カバー（不図示）で覆うことが可能である。

【0063】

棚板装置１００を組み立てる際には、支柱３を設置して、ブラケット２０の挿通部２１４に支柱３を通す。所定の位置で、支柱３とブラケット２０とを、螺子２２１ｂで連結する。棚板１０Ｂ、１０Ｃにおいては、支持孔１１１ｓに支柱を通す。棚板１０とブラケット２０とを螺子２２１ｂで連結する。

【0064】

このように構成された棚板装置１００では、外側傾斜板部１１４が前後方向Ｄｆの内側に向かうにしたがって次第に下方に向かうように傾斜している。よって、棚板１０を前方から見ると、外側傾斜板部１１４が目立たず、棚板１０を薄く見せることができる。また、外側傾斜板部１１４の前後方向Ｄｆの内側に隣り合って前後方向Ｄｆの中央寄りにある内側傾斜板部１１５は、前後方向Ｄｆの内側に向かうにしたがって次第に上方に向かうように傾斜している。よって、棚板１０を前方から見ると、内側傾斜板部１１５は外側傾斜板部１１４で隠れて目立たず、棚板１０を薄く見せることができるとともに外観を良好とすることができる。

【0065】

また、内側傾斜板部１１５は鉛直面よりも傾斜しているため、内側傾斜板部１１５が鉛直面に沿っている場合よりも外側傾斜板部１１４との間に形成される角度が大きくなる。よって、外側傾斜板部１１４及び内側傾斜板部１１５を折り曲げたり削ったりして製作する場合に、容易に製作することができる。

【0066】

また、内側傾斜板部１１５にブラケット２０を固定する際の螺子２１２ｂは、螺子頭が内側傾斜板部１１５の下側に出ていても、螺子２１２ｂの螺子頭の露呈を抑制することができる。

【0067】

また、外側傾斜板部１１４の水平面に対する角度θ１は内側傾斜板部１１５の水平面に対する角度θ２よりも大きいため、棚板１０の厚肉部１６の厚みを確保することができる。ブラケット２０を固定する螺子２１２ｂの軸部は厚肉部１６の内部に配置されるが、厚肉部１６の厚みが厚いため螺子２１２ｂの長さを長くして固定強度を高めることができる。

【0068】

また、外側傾斜板部１１４の前後方向Ｄｆの長さＬ１は内側傾斜板部１１５の前後方向Ｄｆの長さＬ２よりも長いため、棚板１０の厚肉部１６の厚みを確保することができる。ブラケット２０を固定する螺子２１２ｂの軸部は厚肉部１６の内部に配置されるが、厚肉部１６の厚みが厚いため螺子２１２ｂの長さを長くして固定強度を高めることができる。

【0069】

また、外側傾斜板部１１４の前方に隣り合って配置された下部板部１１３は、水平面に沿って形成されている。よって、棚板１０における前側の厚さをさらに薄くすることができる。

【0070】

また、下部板部１１３があることによって棚板１０の前後方向Ｄｆの端部１０ａから外側傾斜板部１１４まで距離ができるため、前後方向Ｄｆの端部１０ａ側やや上方から見た時に外側傾斜板部１１４が見え難くなり、また外側傾斜板部１１４が下部板部１１３の影となるため外側傾斜板部１１４が目立たなくなり、棚板１０をさらに薄く見せることができる。

【0071】

また、棚板下面１９には内側傾斜板部１１５よりも前後方向Ｄｆの内側に上方に凹む第２凹部Ｃ２が形成されている。よって、第２凹部Ｃ２凹部にブラケット２０を配置することができるとともに、棚板１０を前方から見ても外側傾斜板部１１４及び内側傾斜板部１１５でブラケット２０が隠れて目立たず、外観を良好とすることができる。

【0072】

（その他の変形例）
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。

【0073】

上述した実施形態では、棚板１０の内側傾斜板部１１５に固定可能なオプション部材としてブラケット２０を例に挙げて説明しているが、オプション部材はこれに限られない。内側傾斜板部１１５に固定可能なオプション部材として、配線カバーや、フック等適宜設定可能である。

【0074】

また、上述した実施形態では、外側傾斜板部１１４の水平面に対する角度θ１は内側傾斜板部１１５の水平面に対する角度θ２よりも大きいが、これに限られない。角度θ１は角度θ２以下であってもよい。

【0075】

また、上述した実施形態では、外側傾斜板部１１４の前後方向Ｄｆの長さＬ１は内側傾斜板部１１５の前後方向Ｄｆの長さＬ２よりも長いが、これに限られない。長さＬ１は、長さＬ２以下であってもよい。

【0076】

また、上述した実施形態では、棚板１０の外側傾斜板部１１４の前後方向Ｄｆの外側には下部板部１１３が設けられているが、これに限られない。下部板部１１３が設けられていなくて、端部板部１１２の下端部に外側傾斜板部１１４が接続される構成であってもよい。

【0077】

また、上述した実施形態では、棚板下面１９には内側傾斜板部１１５よりも前後方向Ｄｆの内側に上方に凹む第２凹部Ｃ２が形成されているが、これに限られない。棚板下面１９には、第２凹部Ｃ２が形成されていなくてもよい。

【符号の説明】

【0078】

１ 棚板構造
３，３Ａ 支柱
１０，１０Ａ、１０Ｂ，１０Ｃ 棚板
２０ ブラケット（オプション部材）
２１ 棚板接続部
２２ 支柱連結部
３１ 円弧部
１００ 棚板装置
１１３ 下部板部（外縁部）
１１４ 外側傾斜板部（第１傾斜部）
１１５ 内側傾斜板部（第２傾斜部）
２１２ 傾斜板部
２１２ｂ 螺子
２１４ 挿通部
２２１ 連結板部
２２１ｃ 内側面
Ｃ２ 第２凹部（凹部）
Ｄｆ 前後方向
Ｄｖ 上下方向
Ｄｗ 幅方向

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】