(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067477
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ドラフトチャンバー
(51)【国際特許分類】
B01L 1/00 20060101AFI20240510BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
B01L1/00 A
F24F7/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177588
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】永石 昇
(72)【発明者】
【氏名】堀江 正己
(72)【発明者】
【氏名】菅井 重信
(72)【発明者】
【氏名】坂上 慎
(72)【発明者】
【氏名】横山 遼
(72)【発明者】
【氏名】森 大地
(72)【発明者】
【氏名】深井 正人
【テーマコード(参考)】
3L058
4G057
【Fターム(参考)】
3L058BF09
4G057AA01
(57)【要約】
【課題】天板の交換を容易に行うことができるドラフトチャンバーを提供する。
【解決手段】ドラフトチャンバー1は、下部構造部20と、下部構造部20上に設けられた天板30と、下部構造部20上に設けられ、一対の側壁部52、後壁部53、上壁部を有し、天板30の上側に、開口部55を有する作業空間Sを形成するフード部50と、上下方向Dvに昇降して開口部55を開閉可能とする昇降扉62と、作業空間S内の気体を排出する排気部と、を備え、開口部55の幅方向Dwにおける開口部幅寸法は、天板30の幅方向Dwにおける天板幅寸法よりも大きく設定され、天板30は、下部構造部20に対して着脱可能とされるとともに、開口部55を通して前後方向Daに出し入れ可能とされている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上に設置される下部構造部と、
前記下部構造部上に設けられ、上下方向の上方を向く作業面を有する天板と、
前記下部構造部上に設けられ、前記上下方向に交差する前記天板の幅方向の両外側に配置された一対の側壁部、前記天板に対し、前記上下方向及び前記幅方向に交差する前後方向の後部に設けられた後壁部、前記天板に対して前記上下方向の上方に間隔をあけて配置された上壁部を有し、前記天板の上側に、前記一対の側壁部、前記後壁部、及び前記上壁部に囲まれるとともに、前記前後方向の前方に開口する開口部を有する作業空間を形成するフード部と、
前記上下方向に昇降して前記開口部を開閉可能とする昇降扉と、
前記作業空間内の気体を排出する排気部と、を備え、
前記開口部の前記幅方向における開口部幅寸法は、前記天板の前記幅方向における天板幅寸法よりも大きく設定され、
前記天板は、前記下部構造部に対して着脱可能とされるとともに、前記開口部を通して前記前後方向に出し入れ可能とされている
ドラフトチャンバー。
【請求項2】
前記作業空間内で、一対の前記側壁部同士の間隔は、前記天板幅寸法よりも大きく設定されている
請求項1に記載のドラフトチャンバー。
【請求項3】
一対の前記側壁部の少なくとも一方に機能部が設けられ、
前記機能部は、前記側壁部において前記幅方向の内側を向く内壁面に対し、前記幅方向の外側に窪んで形成された凹部に設けられている
請求項1又は2に記載のドラフトチャンバー。
【請求項4】
前記天板の後端部は、前記後壁部において、前記前後方向で前記後端部と向かい合う部分に対し、前後方向に隙間をあけて配置されている
請求項1又は2に記載のドラフトチャンバー。
【請求項5】
前記後壁部は、前記天板を後方に出し入れ可能な後部開口部を有し、
前記後部開口部を開閉可能に閉塞する後部蓋部を更に備える
請求項1又は2に記載のドラフトチャンバー。
【請求項6】
前記天板と、一対の前記側壁部、及び前記後壁部との間に、交換可能なシール部が設けられている
請求項1又は2に記載のドラフトチャンバー。
【請求項7】
前記下部構造部は、前記天板の下側に、前記天板を下方から支持する天板支持フレームを備えている
請求項1又は2に記載のドラフトチャンバー。
【請求項8】
前記天板は、
金属板からなる天板本体と、
前記天板本体の少なくとも上面を覆うように形成され、耐薬性を有した材料からなる表層部と、を備える
請求項1又は2に記載のドラフトチャンバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラフトチャンバーに関する。
【背景技術】
【0002】
実験、研究等の作業を行う際に、周囲の環境や作業者にとって有害であったり不快感を与えたりする気体や臭いが発生する場合がある。このような場合、例えば特許文献1に示されるようなドラフトチャンバーやヒュームフード(以下、これらをドラフトチャンバーと称する)が用いられている。ドラフトチャンバーは、作業を行う作業台上の作業空間を覆うように設けられたフード部を備えている。フード部は、作業空間内の気体を吸引することで、気体や臭いが周囲に漏出するのを抑える。
【0003】
このようなドラフトチャンバーにおいて、作業を行った際に薬品等が飛散し、フード部を構成する部材に付着してしまうことがある。特許文献1には、作業空間を囲う部材のうち全部又は一部が、作業空間に面する内装板と、この内装板に外側から重なる本体と、の複層構造となっている構成が開示されている。内装板は、本体に対して非接着の状態で取り外し可能に固定されている。このような構成において、内装板を、開口部から作業空間内の内外に出し入れできるようにすることで、内装板の交換を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された構成において、交換可能である内装板は、フード部の側壁部(側板)、後壁部(背板)、及び上壁部(天井板)の内装板である。
これに対し、作業台の天板は、天板上で各種の作業を行うため作業台本体に強固に固定されている。また、天板は、ドラフトチャンバーを構成する側壁部、後壁部等と組み合わせて設置されている。このため、天板を交換するには、ドラフトチャンバーを分解する必要があり、天板の交換を行うには多大な手間が掛かっていた。
本発明は、天板の交換を容易に行うことができるドラフトチャンバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係るドラフトチャンバーは、床面上に設置される下部構造部と、前記下部構造部上に設けられ、上下方向の上方を向く作業面を有する天板と、前記下部構造部上に設けられ、前記上下方向に交差する前記天板の幅方向の両外側に配置された一対の側壁部、前記天板に対し、前記上下方向及び前記幅方向に交差する前後方向の後部に設けられた後壁部、前記天板に対して前記上下方向の上方に間隔をあけて配置された上壁部を有し、前記天板の上側に、前記一対の側壁部、前記後壁部、及び前記上壁部に囲まれるとともに、前記前後方向の前方に開口する開口部を有する作業空間を形成するフード部と、前記上下方向に昇降して前記開口部を開閉可能とする昇降扉と、前記作業空間内の気体を排出する排気部と、を備え、前記開口部の前記幅方向における開口部幅寸法は、前記天板の前記幅方向における天板幅寸法よりも大きく設定され、前記天板は、前記下部構造部に対して着脱可能とされるとともに、前記開口部を通して前記前後方向に出し入れ可能とされている。
本態様によれば、天板が、下部構造部に対して着脱可能とされている。フード部の開口部の開口部幅寸法は、天板の天板幅寸法よりも大きい。天板は、このような開口部を通して前後方向に出し入れ可能とされている。これにより、天板を、開口部を通して出し入れすることで、フード部を分解することなく、天板を容易に交換することができる。
【0007】
(2)上記(1)の態様に係るドラフトチャンバーにおいて、前記作業空間内で、一対の前記側壁部同士の間隔は、前記天板幅寸法よりも大きく設定されていることが好ましい。
本態様によれば、一対の側壁部同士の間隔が、天板幅寸法よりも大きく設定されているので、天板を出し入れする際に、天板が一対の側壁部に干渉するのを抑えることができる。
【0008】
(3)上記(2)の態様に係るドラフトチャンバーにおいて、一対の前記側壁部の少なくとも一方に機能部が設けられ、前記機能部は、前記側壁部において前記幅方向の内側を向く内壁面に対し、前記幅方向の外側に窪んで形成された凹部に設けられていることが好ましい。
本態様によれば、機能部が、側壁部の凹部に設けられることで、天板を出し入れする際に、天板が機能部に干渉するのを抑えることができる。
【0009】
(4)上記(1)から(3)の何れかの態様に係るドラフトチャンバーにおいて、前記天板の後端部は、前記後壁部において、前記前後方向で前記後端部と向かい合う部分に対し、前後方向に隙間をあけて配置されていることが好ましい。
本態様によれば、天板の後端部が、後壁部において、前後方向で後端部と向かい合う部分に対し、前後方向に隙間をあけて配置されているので、天板を交換する際に、天板を、後壁部に衝突するまで、後方に移動させることができる。これにより、天板の前方に他の部材が設けられている場合であっても、天板と他の部材との干渉を抑えつつ、天板を容易に交換することができる。
【0010】
(5)上記(1)から(4)の何れかの態様に係るドラフトチャンバーにおいて、前記後壁部は、前記天板を後方に出し入れ可能な後部開口部を有し、前記後部開口部を開閉可能に閉塞する後部蓋部を更に備えることが好ましい。
本態様によれば、後部蓋部を開いて後部開口部を開放することで、この後部開口部を通して、天板を交換することができる。
【0011】
(6)上記(1)から(5)の何れかの態様に係る態様に係るドラフトチャンバーにおいて、前記天板と、一対の前記側壁部、及び前記後壁部との間に、交換可能なシール部が設けられていることが好ましい。
本態様によれば、フード部を分解することなく天板を交換できるよう、一対の側壁部同士の間隔や、開口部の開口幅寸法よりも天板幅寸法を小さくした場合においても、天板と側壁部、及び後壁部との隙間をシールすることができる。また、天板を交換する際には、シール部を容易に交換することができる。
【0012】
(7)上記(1)から(6)の何れかの態様に係るドラフトチャンバーにおいて、前記下部構造部は、前記天板の下側に、前記天板を下方から支持する天板支持フレームを備えていることが好ましい。
本態様によれば、天板が、天板支持フレームによって下方から支持されることで、天板を確実に支持することができる。また、天板を、天板支持フレームから持ち上げれば、天板を容易に交換することができる。
【0013】
(8)上記(1)から(7)の何れかの態様に係るドラフトチャンバーにおいて、前記天板は、金属板からなる天板本体と、前記天板本体の少なくとも上面を覆うように形成され、耐薬性を有した材料からなる表層部と、を備えることが好ましい。
本態様によれば、天板本体を金属板から形成することで、天板を軽量化することができる。さらに、表層部により、天板部の耐薬性を高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、天板の交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係るドラフトチャンバーの全体構成を示す正面図である。
【
図2】上記ドラフトチャンバーの天板周辺の構成を示す側断面図である。
【
図3】上記ドラフトチャンバーの下部構造部を示す斜視図である。
【
図4】上記ドラフトチャンバーのフードの構成を示す平断面図である。
【
図5】上記ドラフトチャンバーの天板周辺の拡大断面図である。
【
図6】上記天板の天板本体の周縁部の構造を示す斜視断面図である。
【
図7】上記天板を取り外す際に、天板の前部を持ち上げた状態を示す側断面図である。
【
図8】上記天板を、後部開口部を通して交換する場合を示す側断面図である。
【
図9】上記ドラフトチャンバーの組立方法を説明するための側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明によるドラフトチャンバーを実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
【0017】
[ドラフトチャンバー1]
図1は、ドラフトチャンバー1の全体構成を示す正面図である。
図2は、ドラフトチャンバー1の天板30周辺の構成を示す側断面図である。
図1に示すように、ドラフトチャンバー1は、実験施設等の室内の床面F上に設置される。ドラフトチャンバー1は、例えば、理化学実験において、作業空間S内の気体の、室内への流出を抑えるためのものである。ドラフトチャンバー1は、作業台2と、開口部55を有するフード5と、を備えている。
以下の説明において、床面Fに直交する方向を上下方向Dv、上下方向Dvに直交し、フード5において開口部55が設けられた側とその反対側とを結ぶ方向を前後方向Da、上下方向Dv及び前後方向Daに直交する方向を幅方向Dw、と称する。さらに、前後方向Daにおいて、開口部55が設けられた側を前方、その反対側を後方、と称する。
【0018】
<作業台2>
図3は、ドラフトチャンバー1の下部構造部20を示す斜視図である。
図2、
図3に示すように、作業台2は、下部構造部20と、後に詳述する天板30と、を備えている。
下部構造部20は、床面F上に設置されている。下部構造部20は、上下方向Dvの上方から見た際に長方形に形成されている。下部構造部20は、不図示の外装板により、その四方が覆われている。下部構造部20は、支柱21と、一対の側部フレーム22と、後部フレーム23と、前部フレーム24と、前部ブラケット29(
図2参照)と、天板支持フレーム26と、を主に備えている。
【0019】
支柱21は、下部構造部20の四隅にそれぞれ配置されている。各支柱21は、床面Fから上方に向かって延びている。
【0020】
一対の側部フレーム22は、下部構造部20において幅方向Dwの両側に配置されている。各側部フレーム22は、前後方向Daに延びている。各側部フレーム22は、前後方向Daで隣り合う支柱21の上端部同士を接続している。各側部フレーム22の下方には、下部接続杆25が設けられている。各下部接続杆25は、前後方向Daに延びている。各下部接続杆25は、前後方向Daで隣り合う支柱21の下部同士を接続している。
【0021】
後部フレーム23は、幅方向Dwに延びている。後部フレーム23は、前後方向Daの後方に配置されて幅方向Dwで隣り合う支柱21の上端部同士を接続している。
前部フレーム24、前部ブラケット29は、それぞれ、幅方向Dwに延びている。前部フレーム24は、前後方向Daの前方に配置されて幅方向Dwで隣り合う支柱21同士を接続している。
図2に示すように、前部ブラケット29は、前部フレーム24の後方に間隔を明けて配置されている。前部ブラケット29は、前部フレーム24の幅方向Dwの両端部に設けられたブラケット板24b(
図3参照)に接続されている。
【0022】
図2,
図3に示すように、天板支持フレーム26は、後述する天板30を下方から支持する。天板支持フレーム26は、下部支持フレーム27と、上部支持フレーム28と、を有している。
【0023】
下部支持フレーム27は、下部構造部20において、前後方向Daの中間部に配置されている。下部支持フレーム27は、一対の側部フレーム22の間で、幅方向Dwに延びている。各側部フレーム22は、幅方向Dwに直交する面に沿って形成された板状部22pを有している。下部支持フレーム27の幅方向Dwの両端部は、一対の側部フレーム22の各々に対し、板状部22pの上端22tよりも下方の位置で、側部フレーム22に接続されている。
【0024】
上部支持フレーム28は、下部支持フレーム27上に設けられている。上部支持フレーム28は、例えば、幅方向Dwに間隔をあけて複数本設けられている。本実施形態において、上部支持フレーム28は、例えば2本設けられている。各上部支持フレーム28は、後部フレーム23と前部フレーム24との間で、前後方向Daに延びている。各上部支持フレーム28の後端部は、後部フレーム23に接続されている。各上部支持フレーム28の前端部は、前部フレーム24に接続されている。各天板支持フレーム26の前後方向Daにおける中間部は、下部支持フレーム27によって下方から支持されている。
【0025】
このような天板支持フレーム26は、上方から見た際に、複数本の上部支持フレーム28と、下部支持フレーム27とが交差している。上部支持フレーム28に直交する下部支持フレーム27によって、複数本の上部支持フレーム28を下方から支持することで、天板支持フレーム26は、強固に形成されている。
なお、上部支持フレーム28の設置本数は、2本に限らず、1本、あるいは3本以上であってもよい。また、上部支持フレーム28が幅方向Dwに延び、下部支持フレーム27が前後方向Daに延びていてもよい。
【0026】
<フード5>
図1、
図2に示すように、フード5は、下方に向けて開口する箱型に形成されている。フード5は、フード部50と、扉部60と、排気部70(
図1参照)と、を備えている。
【0027】
フード部50は、作業台2上に組み付けられている。フード部50は、上部支柱51と、一対の側壁部52と、後壁部53(
図2参照)と、上壁部54(
図1参照)と、を備えている。フード部50は、フード部50の一対の側壁部52、後壁部53、及び上壁部54と、天板30(
図2参照)と、により作業空間Sを画成する。
【0028】
図4は、ドラフトチャンバー1のフード5の構成を示す平断面図である。
図4に示すように、上部支柱51は、フード部50の四隅にそれぞれ配置されている。各上部支柱51は、下部構造部20の支柱21(
図3参照)上に設けられ、上方に向かって延びている。
【0029】
一対の側壁部52は、幅方向Dwに間隔を開けて配置されている。一対の側壁部52は、前後方向Daで隣り合う上部支柱51同士の間を塞ぐように設けられている。一対の側壁部52の各々は、下部構造部20の側部フレーム22(
図3参照)上に配置されている。各側壁部52は、幅方向Dwに直交する面に沿って形成されている。
各側壁部52は、側部内壁板52sと、側部外壁板52tと、を備えている。側部内壁板52sと、側部外壁板52tとは、幅方向Dwに間隔をあけて設けられている。側部内壁板52sは、前後方向Daで隣り合う2本の上部支柱51に対して幅方向Dwの内側(作業空間Sに臨む側)に設けられている。側部外壁板52tは、前後方向Daで隣り合う2本の上部支柱51に対して幅方向Dwの外側(作業空間Sから離間する側)に設けられている。
【0030】
図2、
図4に示すように、後壁部53は、フード部50の後端部に配置されている。後壁部53は、幅方向Dwで隣り合う上部支柱51同士の間を塞ぐように設けられている。後壁部53は、前後方向Daに直交する面に沿って形成されている。後壁部53は、後部支持材531と、後部外壁板532と、後部内壁板533と、ドラフトプレート535と、を備えている。
【0031】
後部支持材531は、幅方向Dwで隣り合う2本の上部支柱51の間に設けられている。後部支持材531は、幅方向Dwに延び、幅方向Dwで隣り合う2本の上部支柱51同士を接続している。
【0032】
図5は、上記ドラフトチャンバー1の天板30周辺の拡大断面図である。
図5に示すように、後部外壁板532と、後部内壁板533とは、前後方向Daに間隔をあけて設けられている。後部外壁板532は、後部支持材531の後側に取り付けられている。後部内壁板533は、後部支持材531の前側に取り付けられている。後部内壁板533の下端533b、及び後部支持材531の下端531bは、天板30において上方を向く作業面30fよりも上方に位置している。
【0033】
ドラフトプレート535は、後部内壁板533に対して前方に間隔を開けて配置されている。ドラフトプレート535は、後部内壁板533から前方に延びるスペーサ536を介して、後部内壁板533に支持されている。ドラフトプレート535の下端535bは、後部内壁板533の下端533b、及び後部支持材531の下端531bよりも上方に位置している。ドラフトプレート535の下端535bは、天板30の作業面30fよりも所定寸法上方に間隔をあけて位置している。ドラフトプレート535は、複数のスリット(不図示)を有している。複数のスリットの各々は、ドラフトプレート535を、その板厚方向(前後方向Da)に貫通して形成されている。
【0034】
図1に示すように、上壁部54は、天板30に対して上下方向Dvの上方に間隔をあけて配置されている。上壁部54は、一対の側壁部52と、後壁部53とによって囲まれる作業空間Sを上方から覆うように設けられている。
【0035】
このようなフード部50は、前側に位置する2本の上部支柱51の間に、前方に向かって開口する開口部55を有している。フード部50の作業空間Sは、開口部55を通して、室内に連通可能とされている。
【0036】
扉部60は、固定壁部61と、昇降扉62と、を有している。固定壁部61は、開口部55の上方に設けられている。固定壁部61は、前側に位置する2本の上部支柱51の間を塞ぐように設けられている。
図4に示すように、昇降扉62は、前側に位置する2本の上部支柱51の間に配置されている。昇降扉62は、前側に位置する2本の上部支柱51に沿って設けられたガイドレール(不図示)に沿って、上下方向Dvに移動可能に支持されている。昇降扉62は、上下方向Dvに移動されることにより開口部55を開閉する。なお、一方の側壁部52内には、昇降扉62の吊り合いを取るバランス錘(不図示)が上下方向Dvに移動可能に支持されている。
【0037】
図1に示すように、排気部70は、作業空間S内の気体を排出する。排気部70は、作業空間S内の気体を排出する排気ダクト71と、排気ファン(不図示)と、を備えている。排気ダクト71は、上壁部54に形成された排気開口(不図示)を通して、
図2に示した後壁部53の後部内壁板533とドラフトプレート535との間に連通している。排気ファンは、排気ダクト71内の気体を室外に排出する。排気ファンを作動させると、ドラフトプレート535の下端535bと天板30の作業面30fとの隙間、及び複数のスリット(不図示)を通して、作業空間S内の気体が排気ダクト71へと導かれる。
【0038】
<機能部80>
図2、
図4に示すように、本実施形態において、フード部50は、機能部80を備えている。機能部80は、一対の側壁部52の少なくとも一方に設けられている。本実施形態において、機能部80は、一対の側壁部52のうちの一方に設けられている。具体的には、機能部80は、前方から見た際に幅方向Dwの左側に位置する側壁部52に設けられている。
機能部80としては、例えば、シンク81が設けられている。シンク81は、側壁部52の内部に設けられている。機能部80は、側部内壁板52sよりも幅方向Dwの内側の作業空間S内に突出せずに設けられている。シンク81は、凹部83と、凹部83内に設けられたノズル84と、を備えている。
【0039】
凹部83は、側壁部52の内壁面を形成する側部内壁板52sから、幅方向Dwの外側に窪んで形成されている。凹部83は、幅方向Dwから見て矩形枠状の枠体85と、幅方向Dwの外側から枠体85を塞ぐ閉塞板86とに囲まれて形成されている。側部内壁板52sには、凹部83内に連通する側壁開口部87が形成されている。すなわち、凹部83は、側壁開口部87を通して作業空間Sに連通している。
【0040】
ノズル84は、凹部83内に設けられている。ノズル84は、フード部50の外部から配管(不図示)を通して供給される液体を、凹部83内に供給する。ノズル84は、複数種の液体を凹部83内に供給できるよう、複数本設けられていてもよい。
また凹部83には、不図示の排液管が接続され、凹部83内の液体を、フード部50の外部に排出する。
【0041】
機能部80としては、シンク81以外にも、例えば各種の気体を供給する気体供給口等を設けてもよい。この場合も、機能部80は、側壁部52の内部に設けられ、側部内壁板52sよりも幅方向Dwの内側の作業空間S内に突出しない。
【0042】
<天板30>
図5に示すように、天板30は、下部構造部20の天板支持フレーム26上に設けられている。天板30は、天板支持フレーム26の上部支持フレーム28、上部支持フレーム28に接続された前部ブラケット29、及び後部フレーム23により、下方から支持されている。すなわち、天板30の下面は、上部支持フレーム28、前部ブラケット29、及び後部フレーム23間の隙間を通じて下方に露呈している。天板30は、上部支持フレーム28、前部ブラケット29、及び後部フレーム23の少なくとも一つに、ビス等により、着脱可能に固定されている。なお、天板30が、作業者が作業面30f上で各種の作業を行った場合においても、上部支持フレーム28上で水平方向に位置ずれしない程度の重量を有しているのであれば、天板30は、ビス等を用いず、上部支持フレーム28上に単に載置されていてもよい。
【0043】
図6は、天板30の天板本体31の周縁部の構造を示す斜視断面図である。
天板30は、天板本体31と、表層部32と、を一体に備えている。
天板本体31全体の上下方向Dvに所定の厚さTは、例えば、20~50mm程度とするのが好ましい。天板本体31は、例えば、板厚0.7~1.2mm程度のスチール等の金属板から形成されている。
図6に示すように、天板本体31は、上方から見た際に矩形状をなした板状部31pと、板状部31pの四辺に沿うように形成された周縁部31sと、を有している。周縁部31sは、天板本体31を形成する金属板を折り曲げ加工することによって形成されている。周縁部31sは、板状部31pの周縁から下方に延びる側縁部311と、側縁部311の下端から板状部31pの内方に向かって延びる下縁部312と、下縁部312の先端から上方に向かって立ち上がる立ち上がり部313と、を一体に有している。さらに、天板本体31の板状部31pの下面には、適宜の補強部材を接合するようにしてもよい。
【0044】
表層部32は、天板本体31の少なくとも板状部31pの上面を覆うように形成されている。表層部32は、板状部31pの上面に限らず、天板本体31の外表面全体を覆うように形成してもよい。天板本体31の板状部31pの上面を覆う表層部32は、作業面30fを形成する。表層部32は、耐薬性を有した材料、例えばメラミン樹脂、アクリル系樹脂等によって形成されている。このような天板30としては、例えば、アイカ工業株式会社製の「ケミテクト(商品名)」を用いることができる。
【0045】
図4に示すように、天板30は、上方から見た際に、矩形状をなしている。一対の側壁部52同士の幅方向Dwの間隔W2は、天板30の幅方向Dwにおける天板幅寸法W1よりも大きく設定されている。一対の側壁部52は、天板30の幅方向Dwの両外側に配置されている。つまり、天板30の幅方向Dwの両側の側端部30sは、上方から見た際に、一対の側壁部52に対して幅方向Dwの内側に位置している。
また、開口部55の幅方向Dwにおける開口部幅寸法W3は、天板30の天板幅寸法W1よりも大きく設定されている。これにより、天板30は、下部構造部20に対して着脱可能とされるとともに、開口部55を通して前後方向Daに出し入れ可能とされている。
【0046】
図5に示すように、天板30の後端部30bは、後壁部53において、前後方向Daで後端部30bと向かい合う部分に対し、前後方向Daに隙間Vをあけて配置されている。後端部30bは、後部内壁板533の下端533bよりも後方に配置されている。
【0047】
また、後壁部53において、前後方向Daで後端部30bと向かい合う部分の後部外壁板532には、後部開口部58が形成されている。後部開口部58は、後方から見た際に、幅方向Dwで天板30の天板幅寸法W1よりも大きく、かつ上下方向Dvで天板30の厚みよりも大きい開口寸法を有している。後壁部53は、後方から後部開口部58を開閉可能に閉塞する後部蓋部59を更に備えている。後部蓋部59は、例えば、ビス等により、後部開口部58の外側で後部外壁板532に着脱可能に固定されている。
【0048】
図2、
図5に示すように、天板30の前端部30aは、下部構造部20の前部フレーム24上に設けられた前縁部材90に対し、後方から突き当たるように設けられている。前縁部材90は、後部固定カバー92と、前部可動カバー93と、空気吹出部91と、を有している。
【0049】
後部固定カバー92は、前部ブラケット29上に固定されている。
図5に示すように、後部固定カバー92は、立ち上がり壁部921と、上面部922と、傾斜面部923と、を一体に有している。立ち上がり壁部921は、前後方向Daに直交する面に沿って形成されている。立ち上がり壁部921には、天板30の前端部30aが後方から突き当たっている。但し、天板30の前端部30aは、立ち上がり壁部921に近接した状態であってもよい。上面部922は、幅方向Dwから見て、立ち上がり壁部921の上端から前方に延びている。傾斜面部923は、上面部922の前端から、前方に向かって斜め下方に傾斜して延びている。
【0050】
前部可動カバー93は、後部固定カバー92に対して、前方に間隔をあけて配置されている。前部ブラケット29は、前部フレーム24上に配置されている。前部可動カバー93は、前部フレーム24の幅方向Dwの両端部に設けられたブラケット板24b(
図3参照)に、幅方向Dwに延びる軸周りに回転自在に支持されている。
前部可動カバー93は、前部立ち上がり壁部931と、前部傾斜面部932と、前部上面部933と、を一体に有している。前部立ち上がり壁部931は、前部可動カバー93の前端に位置し、前後方向Daに直交する面に沿って形成されている。前部傾斜面部932は、前部立ち上がり壁部931の上端から、後方に向かって斜め上方に傾斜して延びている。前部傾斜面部932は、傾斜面部923に対して前後方向Daに間隔を開けて形成されている。前部上面部933は、前部傾斜面部932の上端から後方に向かって延びている。前部上面部933は、上下方向Dvに直交する水平面に沿って形成されている。前部上面部933は、扉部60の昇降扉62が下降した場合に、昇降扉62の下端62bが上方から当接する。
【0051】
空気吹出部91は、上面部922と前部上面部933との間に形成されている。空気吹出部91は、昇降扉62の下端62bに対して後方で、上方に向かって開口している。空気吹出部91は、幅方向Dwに延びるスリット状に形成されている。後部固定カバー92と、前部可動カバー93との間には、適宜のブロア(不図示)によって、外部から空気が送り込まれる。送り込まれた空気は、空気吹出部91を通して上方に吹き出し、昇降扉62の後方の作業空間S内に送り込まれる。
【0052】
なお、後部固定カバー92と、開閉可能な前部可動カバー93との間に、作業空間S内で用いる各種機器に接続される配線等を収容するようにしてもよい。
【0053】
図4、
図5に示すように、天板30と、一対の側壁部52、及び後壁部53との間には、交換可能なシール部100が設けられている。具体的には、天板30の側端部30sと一対の側壁部52の側部内壁板52s、後端部30bと後壁部53の後部内壁板533との間には、シール部100が設けられている。シール部100としては、例えば、コーキング材、パッキン等が例示できる。
【0054】
<天板30の交換方法>
図7は、天板30を取り外す際に、天板30の前部を持ち上げた状態を示す側断面図である。
上記したような天板30を交換するには、まず、昇降扉62を開き、天板30と、一対の側壁部52、後壁部53との間のシール部100を撤去する。
次いで、下部構造部20の外装カバーを取り外す。次いで、天板30が、上部支持フレーム28にビス等によって固定されている場合、ビスを取り外す。その後、天板30の前部を、下方から押し上げる。この際、上部支持フレーム28、前部ブラケット29、及び後部フレーム23間の隙間等を通じて天板30の下面にアクセスすることができる。
すると、
図7に示すように、天板30が、天板30の後端部30bを中心として回動し、天板30の前端部30aが持ち上がる。このとき、天板30の後端部30bの後方には、隙間Vが形成されているため、天板30を、隙間Vの範囲内で後方にずらすことで、天板30の前端部30aと、後部固定カバー92との干渉を抑え、天板30の前端部30aをスムーズに持ち上げることができる。
【0055】
次いで、天板30の前端部30aを持ち上げた状態のまま、天板30を前方に向かって斜め上方に引き出す。このとき、天板30は、作業空間S内で、天板30の後端部30bがドラフトプレート535の下端535bに下方から突き当たるまでの範囲内で、鉛直上方に移動させることができる。
このようにして、天板30が、開口部55を通して、作業空間S内から前方の室内へと引き出される。このとき、天板30との干渉を抑えるため、前縁部材90の上面部922は、作業面30fとの高低差をなるべく小さくするのが好ましい。また、前縁部材90の上面部922は、作業面30fよりも下方に位置していてもよく、天板30の下面と同等の高さ、天板30の下面よりも下方に位置していてもよい。
【0056】
また、新たな天板30をドラフトチャンバー1に取り付ける際には、上記の逆の手順で作業を行えばよい。すなわち、天板30を、開口部55を通して、前方の室内から作業空間S内へと挿入する。次いで、天板30を後方に向かって斜め下方に傾斜させた状態で、
天板30の後端部30bを隙間Vに挿入する。その後、天板30の前端部30aを下降させ、上部支持フレーム28上に天板30を載置する。
【0057】
続いて、天板30を前方にずらし、天板30の前端部30aを、前縁部材90の立ち上がり壁部921に後方から突き当てる。この状態で、天板30を上部支持フレーム28にビス等によって固定する。
その後、天板30と、一対の側壁部52、後壁部53との間を、シール部100でシールする。
このようにして、天板30を、フード5を分解することなく交換することができる。
【0058】
図8は、天板30を、後部開口部58を通して交換する場合を示す側断面図である。
また、ドラフトチャンバー1の後方に、他の装置等がなく、天板30の交換作業が可能なスペースが確保できる場合、後部開口部58を通して、天板30の交換を行うこともできる。
この場合、まず、天板30と、一対の側壁部52、後壁部53、前縁部材90との間のシール部100を撤去する。次いで、天板30が、上部支持フレーム28にビス等によって固定されている場合、ビスを取り外す。
また、
図8に示すように、後部蓋部59を取り外し、後部開口部58を開口させる。その後、天板30を、後方にスライドさせ、後部開口部58を通して、作業空間S内から後方の室内へと引き出す。
【0059】
天板30を取り付ける際には、上記の逆の手順で作業を行う。
このようにして、後部開口部58を通して、フード5の全体を分解することなく、天板30を交換することができる。
【0060】
このように、本実施形態において、天板30が、下部構造部20に対して着脱可能とされている。フード部50の開口部55の開口部幅寸法W3は、天板30の天板幅寸法W1よりも大きい。天板30は、このような開口部55を通して前後方向Daに出し入れ可能とされている構成とした。
この構成によれば、天板30を、開口部55を通して出し入れすることで、フード部50を分解することなく、天板30を容易に交換することができる。
【0061】
本実施形態において、作業空間S内で、一対の側壁部52同士の間隔W2は、天板幅寸法W1よりも大きく設定されている構成とした。
この構成によれば、天板30を出し入れする際に、天板30が一対の側壁部52に干渉するのを抑えることができる。
【0062】
本実施形態において、機能部80が、側壁部52の凹部83に設けられる構成とした。
この構成によれば、天板30を出し入れする際に、天板30が一対の側壁部52に干渉するのを抑えることができる。また、機能部80が、凹部83に設けられることで、側壁部52から作業空間Sに突出することがなく、作業空間Sにおける気体の流れも改善することができる。
【0063】
本実施形態において、天板30の後端部30bは、後壁部53において、前後方向Daで後端部30bと向かい合う部分に対し、前後方向Daに隙間Vをあけて配置されている構成とした。
この構成によれば、天板30を交換する際に、天板30を、後壁部53に衝突するまでの範囲内で、後方に移動させることができる。これにより、天板30の前方に他の部材(前縁部材90)が設けられている場合であっても、天板30と他の部材との干渉を抑えつつ、天板30を容易に交換することができる。
【0064】
本実施形態において、後壁部53は、天板30を後方に出し入れ可能な後部開口部58を有し、後部開口部58を開閉可能に閉塞する後部蓋部59を更に備える構成とした。
この構成によれば、後部蓋部59を開き、後部開口部58を開放することで、この後部開口部58を通して、天板30を交換することができる。
また、後部開口部58を備える構成とすることで、以下のような方法でのドラフトチャンバー1の組立が可能となる。すなわち、
図9に示すように、後部開口部58を有するフード5を、作業台2の前方から後方に移動させるようにして、下部構造部20上に据え付けることができる。このとき、フード5は、予め組み立てておく。また、後部蓋部59は、後部開口部58から取り外しておく。そして、フード5を、下部構造部20の前方位置で、所定の高さ(フード5を下部構造部20上に設置する際の高さ)に持ち上げた後、後方に向けて移動させる。このとき、フード5の後部開口部58に、下部構造部20上の天板30を通すことで、天板30との干渉を避けながら、フード5を据え付けることができる。このようにして、ドラフトチャンバー1の組立性が向上する。
【0065】
本実施形態において、天板30と、一対の側壁部52、及び後壁部53との間に、交換可能なシール部100が設けられている構成とした。
この構成によれば、フード部50を分解することなく天板30を交換できるよう、一対の側壁部52同士の間隔W2、開口部55の開口部幅寸法W3よりも天板幅寸法W1を小さくした場合においても、天板30と、フード部50との隙間をシール部100によりシールすることができる。また、天板30を交換する際には、シール部100を容易に交換することができる。
【0066】
本実施形態において、下部構造部20は、天板30の下側に、天板30を下方から支持する天板支持フレーム26を備えている構成とした。
この構成によれば、天板30を確実に支持することができる。また、天板30を、天板支持フレーム26から持ち上げれば、天板30を容易に交換することができる。
【0067】
本実施形態において、天板30は、金属板からなる天板本体31と、耐薬性を有した材料からなる表層部32と、を備える構成とした。
この構成によれば、天板本体31を金属板から形成することで、天板30を軽量化することができる。さらに、表層部32により、天板30の耐薬性を高めることができる。
【0068】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、後部開口部58を備えるようにしたが、後部開口部58を備えない構成としてもよい。
【0069】
上述した実施形態では、一対の側壁部52の側部内壁板52sよりも幅方向Dwの内側に突出するものが無い構成としているが、これに限られない。例えば、一対の側壁部52に、側部内壁板52sよりも幅方向Dwの内側に突出する突出部がある場合であっても、突出部が、天板30の交換の際に天板30と干渉することがない位置に配置されていればよい。
上述した実施形態では、一枚の天板30について、開口部幅寸法W3よりも天板幅寸法W1が小さい構成について説明したが、この構成に限られない。開口部幅寸法W3よりも天板幅寸法が小さい複数の小天板を幅方向に並べることで天板30を構成してもよい。この場合、天板30の天板幅寸法W1は、開口部幅寸法W3よりも大きくてもよい。
【0070】
上述した実施形態では、フード5、下部構造部20の構成について説明したが、その具体的構成は、適宜変更可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 ドラフトチャンバー
5 フード
20 下部構造部
26 天板支持フレーム
30 天板
30b 後端部
30f 作業面
31 天板本体
32 表層部
50 フード部
52 側壁部
53 後壁部
54 上壁部
55 開口部
58 後部開口部
59 後部蓋部
62 昇降扉
70 排気部
80 機能部
83 凹部
100 シール部
Da 前後方向
Dv 上下方向
Dw 幅方向
F 床面
S 作業空間
V 隙間
W1 天板幅寸法
W2 間隔
W3 開口部幅寸法