(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067478
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】プロジェクターの制御方法、プロジェクター、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20240510BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240510BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20240510BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20240510BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
H04N5/74 Z
G09G5/00 510B
G09G5/00 510V
G09G5/10 B
G09G5/00 550C
G03B21/14 Z
G03B21/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177590
(22)【出願日】2022-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川田 健司
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA22
2K203FA44
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2K203FA82
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2K203FB04
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2K203GA59
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2K203KA53
2K203MA23
5C058AB07
5C058BA05
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5C058BA35
5C058BB13
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5C182DA02
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5C182DA14
5C182DA63
5C182DA65
(57)【要約】
【課題】明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚えることを抑制する。
【解決手段】プロジェクター100の制御方法は、第1プロジェクター100Aと、第1プロジェクター群GAと、が第1領域AR1に画像光を投射し、第2プロジェクター群GBが第2領域AR2に画像光を投射することによって、第1領域AR1及び第2領域AR2にタイリング投射することと、第1プロジェクター100Aの投射が停止し、第1処理PR1が選択された場合に、第1調整量AD1よりも小さい第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用する第1調整処理PR11を行って、画像光を投射することと、第1調整処理PR11の後に、第1調整量AD1と第2調整量AD2との差以下である第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用する第2調整処理PR12を行って、画像光を投射することと、を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロジェクターと、1台以上のプロジェクターを含む第1プロジェクター群と、が投射面の第1領域に画像光を投射することと、2台以上のプロジェクターを含む第2プロジェクター群が前記投射面の第2領域に画像光を投射することと、によって、前記第1領域及び前記第2領域にタイリング投射することと、
前記第1プロジェクターの投射が停止した場合に、
入力画像の輝度変化量、及び前記投射面の周辺の明るさの少なくとも一方に基づいて、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを、第1期間において複数回で調整する第1処理と、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを前記第1期間よりも短い第2期間において1回で調整する第2処理と、のいずれか一方を選択することと、
前記第1プロジェクター群の画像光が投射された前記第1領域の明るさが、前記第2プロジェクター群の画像光が投射された前記第2領域の明るさと一致するように、前記第1プロジェクター群の光源の出力を調整する第1調整量を決定することと、
前記第1処理が選択された場合に、
前記第1調整量よりも小さい第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第1調整処理を行うことと、
前記第1調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、
前記第1プロジェクター群が画像光を投射することの後に、前記第1調整量と前記第2調整量との差以下である第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第2調整処理を行うことと、
前記第2調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、
を含む、プロジェクターの制御方法。
【請求項2】
前記第1処理が選択された場合に、
前記第2プロジェクター群の光源の出力を調整する第4調整量を決定すること、
を含み、
前記第1処理は、
前記第4調整量よりも小さい第5調整量を前記第2プロジェクター群に適用することと、
前記第5調整量を前記第2プロジェクター群に適用した後に、前記第2プロジェクター群が画像光を投射することと、
前記第4調整量と前記第5調整量との差以下である第6調整量を前記第2プロジェクター群に適用することと、
前記第6調整量を前記第2プロジェクター群に適用した後に、前記第2プロジェクター群が画像光を投射することと、
を含む、請求項1に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項3】
前記第1処理は、
前記第1期間の第1時点で、前記第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用することと、
前記第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用した後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、
前記第1時点で、前記第5調整量を前記第2プロジェクター群に適用することと、
前記第5調整量を前記第2プロジェクター群に適用した後に、前記第2プロジェクター群が画像光を投射することと、
前記第1期間の前記第1時点よりも後の第2時点で、前記第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用することと、
前記第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用した後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、
前記第2時点で、前記第6調整量を前記第2プロジェクター群に適用することと、
前記第6調整量を前記第2プロジェクター群に適用した後に、前記第2プロジェクター群が画像光を投射することと、
を含む、請求項2に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項4】
前記第2処理が選択された場合に、
前記第1調整量を前記第1プロジェクター群に適用することと、
前記第1調整量を前記第1プロジェクター群に適用した後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、
を含む、請求項1に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項5】
前記第2処理が選択された場合に、
前記第2プロジェクター群の光源の出力を調整する第4調整量を決定すること、
を含み、
前記第2処理は、
前記第2期間において、前記第1調整量を前記第1プロジェクター群に適用することと、
前記第1調整量を前記第1プロジェクター群に適用した後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、
前記第2期間において、前記第4調整量を前記第2プロジェクター群に適用することと、
前記第4調整量を前記第2プロジェクター群に適用した後に、前記第2プロジェクター群が画像光を投射することと、
を含む、請求項1に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項6】
前記第4調整量を決定することは、
前記第4調整量を前記第2プロジェクター群に適用した後に前記第2プロジェクター群が画像光を投射するときの前記第2領域の明るさが、前記第1調整量を前記第1プロジェクター群に適用した後に前記第1プロジェクター群が画像光を投射するときの前記第1領域の明るさと一致するように、前記第4調整量を決定することと、
を含む、請求項5に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項7】
前記第1処理と前記第2処理とのいずれか一方を選択することは、
前記第1プロジェクターの投射が停止したときの、前記第1プロジェクター群に入力される入力画像の第1フレームの平均画素値と、前記第1フレームの前の第2フレームの平均画素値との差が第1閾値未満である場合に、前記第1処理を選択することと、
前記第1プロジェクターの投射が停止したときの、前記第1フレームの平均画素値と、前記第2フレームの平均画素値との差が第1閾値以上である場合に、前記第2処理を選択することと、
を含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項8】
前記第1処理と前記第2処理とのいずれか一方を選択することは、
前記第1プロジェクターの投射が停止したときの前記投射面の周辺の明るさが第2閾値未満の場合に、前記第1処理を選択することと、
前記第1プロジェクターの投射が停止したときの前記投射面の周辺の明るさが第2閾値以上の場合に、前記第2処理を選択することと、
を含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項9】
第1プロジェクターと、1台以上のプロジェクターを含む第1プロジェクター群と、が投射面の第1領域に画像光を投射することと、2台以上のプロジェクターを含む第2プロジェクター群が前記投射面の第2領域に画像光を投射することと、によって、前記第1領域及び前記第2領域にタイリング投射することと、
前記第1プロジェクターの投射が停止した場合に、
入力画像の輝度変化量、及び前記投射面の周辺の明るさの少なくとも一方に基づいて、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを、第1期間において複数回で調整する第1処理と、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを前記第1期間よりも短い第2期間において1回で調整する第2処理と、のいずれか一方を選択することと、
前記第1プロジェクター群の画像光が投射された前記第1領域の明るさが、前記第2プロジェクター群の画像光が投射された前記第2領域の明るさと一致するように、前記第1プロジェクター群の光源の出力を調整する第1調整量を決定することと、
前記第1処理が選択された場合に、
前記第1調整量よりも小さい第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第1調整処理を行うことと、
前記第1調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、
前記第1プロジェクター群が画像光を投射することの後に、前記第1調整量と前記第2調整量との差以下である第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第2調整処理を行うことと、
第2調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、
をプロジェクターのプロセッサーに実行させる、プログラム。
【請求項10】
プロジェクターであって、
光源と、
メモリーと、
少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
第1プロジェクターと、1台以上のプロジェクターを含む第1プロジェクター群と、が投射面の第1領域に画像光を投射することと、2台以上のプロジェクターを含む第2プロジェクター群が前記投射面の第2領域に画像光を投射することとによって、前記第1領域及び前記第2領域にタイリング投射することと、
前記第1プロジェクターの投射が停止した場合に、
入力画像の輝度変化量、及び前記投射面の周辺の明るさの少なくとも一方に基づいて、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを、第1期間において複数回で調整する第1処理と、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを前記第1期間よりも短い第2期間において1回で調整する第2処理と、のいずれか一方を選択することと、
前記第1プロジェクター群の画像光が投射された前記第1領域の明るさが、前記第2プロジェクター群の画像光が投射された前記第2領域の明るさと一致するように、前記第1プロジェクター群の光源の出力を調整する第1調整量を決定することと、
前記第1処理が選択された場合に、
前記第1調整量よりも小さい第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第1調整処理を行うことと、
前記第1調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、
前記第1プロジェクター群が画像光を投射することの後に、前記第1調整量と前記第2調整量との差以下である第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第2調整処理を行うことと、
前記第2調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、
を実行し、
前記プロジェクターは、第1プロジェクター群および第2プロジェクター群のいずれかに含まれる、
プロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターの制御方法、プロジェクター、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のプロジェクターのスタック投射、及びタイリング投射に関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、以下の技術が開示される。すなわち、複数のプロジェクター群で構成されるプロジェクションシステムにおいて、表示面の第1領域に第1合成画像をスタックして表示する第1プロジェクター群と、表示面の第2領域に第2合成画像をスタックして表示する第2プロジェクター群がある。第1領域の一部は第2領域の一部と重なっており、第1プロジェクター群と第2プロジェクター群とでタイリング投射が行われる。第1領域の明るさと第2領域の明るさとが近付くように、第1プロジェクター群の明るさと第2プロジェクター群の明るさがそれぞれ調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、スタック投射とタイリング投射とを実行する場合に、複数台で投射する第1領域と、別の複数台で投射する第2領域との両方を含む全体の明るさを近付けるように制御する点が記載されている。プロジェクター群のうちの1台が故障などにより投射できない場合には、明るさを調整する処理を実行する必要がある。しかしながら、明るさを調整する処理を実行中に生じる投射面の輝度変化をユーザーが認識して、違和感の原因となる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、第1プロジェクターと、1台以上のプロジェクターを含む第1プロジェクター群と、が投射面の第1領域に画像光を投射することと、2台以上のプロジェクターを含む第2プロジェクター群が前記投射面の第2領域に画像光を投射することと、によって、前記第1領域及び前記第2領域にタイリング投射することと、前記第1プロジェクターの投射が停止した場合に、入力画像の輝度変化量、及び前記投射面の周辺の明るさの少なくとも一方に基づいて、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを、第1期間において複数回で調整する第1処理と、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを前記第1期間よりも短い第2期間において1回で調整する第2処理と、のいずれか一方を選択することと、前記第1プロジェクター群の画像光が投射された前記第1領域の明るさが、前記第2プロジェクター群の画像光が投射された前記第2領域の明るさと一致するように、前記第1プロジェクター群の光源の出力を調整する第1調整量を決定することと、前記第1処理が選択された場合に、前記第1調整量よりも小さい第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第1調整処理を行うことと、前記第1調整処理の後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することの後に、前記第1調整量と前記第2調整量との差以下である第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第2調整処理を行うことと、前記第2調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、を含む、プロジェクターの制御方法である。
【0006】
本開示の他の一態様は、第1プロジェクターと、1台以上のプロジェクターを含む第1プロジェクター群と、が投射面の第1領域に画像光を投射することと、2台以上のプロジェクターを含む第2プロジェクター群が前記投射面の第2領域に画像光を投射することと、によって、前記第1領域及び前記第2領域にタイリング投射することと、前記第1プロジェクターの投射が停止した場合に、入力画像の輝度変化量、及び前記投射面の周辺の明るさの少なくとも一方に基づいて、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを、第1期間において複数回で調整する第1処理と、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを前記第1期間よりも短い第2期間において1回で調整する第2処理と、のいずれか一方を選択することと、前記第1プロジェクター群の画像光が投射された前記第1領域の明るさが、前記第2プロジェクター群の画像光が投射された前記第2領域の明るさと一致するように、前記第1プロジェクター群の光源の出力を調整する第1調整量を決定することと、前記第1処理が選択された場合に、前記第1調整量よりも小さい第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第1調整処理を行うことと、前記第1調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することの後に、前記第1調整量と前記第2調整量との差以下である第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第2調整処理を行うことと、第2調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、をプロジェクターのプロセッサーに実行させる、プログラムである。
【0007】
本開示の更に別の一態様は、プロジェクターであって、光源と、メモリーと、少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、第1プロジェクターと、1台以上のプロジェクターを含む第1プロジェクター群と、が投射面の第1領域に画像光を投射することと、2台以上のプロジェクターを含む第2プロジェクター群が前記投射面の第2領域に画像光を投射することとによって、前記第1領域及び前記第2領域にタイリング投射することと、前記第1プロジェクターの投射が停止した場合に、入力画像の輝度変化量、及び前記投射面の周辺の明るさの少なくとも一方に基づいて、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを、第1期間において複数回で調整する第1処理と、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを前記第1期間よりも短い第2期間において1回で調整する第2処理と、のいずれか一方を選択することと、前記第1プロジェクター群の画像光が投射された前記第1領域の明るさが、前記第2プロジェクター群の画像光が投射された前記第2領域の明るさと一致するように、前記第1プロジェクター群の光源の出力を調整する第1調整量を決定することと、前記第1処理が選択された場合に、前記第1調整量よりも小さい第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第1調整処理を行うことと、前記第1調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することの後に、前記第1調整量と前記第2調整量との差以下である第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第2調整処理を行うことと、前記第2調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、を実行し、前記プロジェクターは、第1プロジェクター群および第2プロジェクター群のいずれかに含まれる、プロジェクターである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る画像投射システムの構成の一例を示す図。
【
図2】本実施形態に係るプロジェクターの構成の一例を示す図。
【
図3】第4プロジェクターの第1制御部の構成の一例を示す図。
【
図4】第1処理、及び第2処理の一例を示すグラフ。
【
図5】第1処理、及び第2処理の他の一例を示すグラフ。
【
図6】第4プロジェクターの第1制御部の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像投射システム1の構成の一例を示す図である。
画像投射システム1は、プロジェクター100と、画像供給装置200と、を備える。プロジェクター100は、第1プロジェクター100Aと、第2プロジェクター100Bと、第3プロジェクター100Cと、第4プロジェクター100Dと、を含む。
第2プロジェクター100Bは、「第1プロジェクター群」の一例に対応する。以下の説明では、第2プロジェクター100Bを、便宜上、第1プロジェクター群GAと記載する場合がある。
第3プロジェクター100C、及び第4プロジェクター100Dは、「第2プロジェクター群」の一例に対応する。以下の説明では、第3プロジェクター100C、及び第4プロジェクター100Dを、第2プロジェクター群GBと記載する場合がある。
【0010】
また、第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dは、互いに通信可能に接続される。第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dは、例えば、Ethernet(登録商標)ケーブルを介して、互いに通信可能に接続される。
本実施形態では、第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dは、Ethernet(登録商標)ケーブル等によって有線通信可能に接続されるが、Wi-Fi(登録商標)等によって無線通信可能に接続されてもよい。
【0011】
画像供給装置200は、例えばパーソナルコンピューター等で構成され、第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dの各々に対して画像を供給する。画像供給装置200は、例えばコンテンツを再生することによって生成される画像を、Ethernet(登録商標)ケーブルを介して、第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dの各々に対して供給する。
【0012】
本実施形態では、画像供給装置200は、第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dと、Ethernet(登録商標)ケーブル等によって有線通信可能に接続されるが、Wi-Fi(登録商標)等によって無線通信可能に接続されてもよい。
本実施形態では、画像供給装置200が、パーソナルコンピューターで構成されるが、画像供給装置200が、タブレット端末、又はスマートフォン等で構成されてもよい。
【0013】
第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dは、例えば、
図1の左右方向に配列される。換言すれば、第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dの各々は、スクリーンSCと平行な方向に沿って配列される。
【0014】
第1プロジェクター100Aは、第1画像光PLAをスクリーンSCの第1領域AR1に投射する。第2プロジェクター100Bは、第2画像光PLBをスクリーンSCの第1領域AR1に投射する。第3プロジェクター100Cは、第3画像光PLCをスクリーンSCの第2領域AR2に投射する。第4プロジェクター100Dは、第4画像光PLDをスクリーンSCの第2領域AR2に投射する。
【0015】
また、第1プロジェクター100A、及び第2プロジェクター100Bは、スクリーンSC上で第1画像PM1を形成するように、第1画像光PLA及び第2画像光PLBを投射する。第3プロジェクター100C、及び第4プロジェクター100Dは、スクリーンSC上で第2画像PM2を形成するように、第3画像光PLC及び第4画像光PLDを投射する。
図1に示すように、第1画像PM1と第2画像PM2とは左右方向に配列される。第1画像PM1と第2画像PM2とで、1つの投射画像Pが形成される。
スクリーンSCは、「投射面」の一例に対応する。
【0016】
第3領域AR3は、第1領域AR1と第2領域AR2とが重なる領域であり、第1画像PM1と第2画像PM2とが重なる領域である。第3領域AR3に投射される第1画像光PLA~第4画像光PLDには、いわゆる、エッジブレンディング処理が施され、第1画像PM1と第2画像PM2とが滑らかに接続される。
以下の説明において、第1画像光PLA~第4画像光PLDを区別しない場合には、画像光PLと記載する場合がある。
【0017】
本実施形態では、第1プロジェクター100A及び第2プロジェクター100Bが、第1画像PM1を、いわゆる、スタッキング表示し、第3プロジェクター100C及び第4プロジェクター100Dが、第2画像PM2を、いわゆる、スタッキング表示する。また、第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dが、第1画像PM1と第2画像PM2とを、いわゆる、タイリング表示する。スタッキング表示とは、例えば、複数のプロジェクターで同一の画像を重ねて投射することで、一つの画像を一台のプロジェクターで表示するよりも明るく表示することである。タイリング表示とは、例えば、複数のプロジェクターを用いて画像を並べて投射することで、一台で表示するよりも大きな画像を表示することである。
【0018】
また、本実施形態では、例えば、第4プロジェクター100Dがプライマリープロジェクターとして機能し、第1プロジェクター100A~第3プロジェクター100Cがセカンダリープロジェクターとして機能する。第4プロジェクター100Dは、第1プロジェクター100A~第3プロジェクター100Cの各々の動作を制御する。具体的には、
図3を参照して説明するように、第4プロジェクター100Dは、第1プロジェクター100A~第3プロジェクター100Cの各々の光源111Aの出力を制御する。
光源111Aについては、
図2を参照して更に説明する。
【0019】
図2は、本実施形態に係るプロジェクター100の構成の一例を示す図である。
第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dの各々は、互いに略同一の構成を有するため、
図2を参照して、第1プロジェクター100Aの構成について説明し、第2プロジェクター100B~第4プロジェクター100Dの構成については、その説明を省略する。なお、以下の説明において、第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dを区別しない場合には、プロジェクター100と記載する場合がある。
【0020】
図2に示すように、第1プロジェクター100Aは、投射部110と、投射部110を駆動する駆動部120とを備える。投射部110は、光学的な画像の形成を行い、スクリーンSCに第1画像光PLAを投射する。なお、本実施形態では、投射部110は、画像供給装置200からの画像データに対応する第1画像光PLAをスクリーンSCに投射する。
投射部110は、光源部111、光変調装置112及び投射光学系113を備える。駆動部120は、光源駆動部121及び光変調装置駆動部122を備える。
【0021】
光源部111は、LED(Light Emitting Diode)、レーザー光源等の固体光源111Aを備える。
固体光源111Aは、「光源」の一例に対応する。
本実施形態では、光源部111が固体光源111Aを備える場合について説明するが、これに限定されない。光源部111が、固体光源111Aに換えて、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ等のランプ光源を備えてもよい。
固体光源111Aを、以下の説明において、光源111Aと記載する場合がある。
【0022】
また、光源部111は、光源111Aが発した光を光変調装置112に導くリフレクター、及び補助リフレクターを備えてもよい。更に、光源部111は、投射光の光学特性を高めるためのレンズ群、偏光板、又は光源111Aが発した光の光量を光変調装置112に至る経路上で低減させる調光素子等を備えてもよい。
光源駆動部121は、内部バス107に接続され、同じく内部バス107に接続された第1制御部150の指示に従って、光源部111の光源111Aを点灯、及び消灯させ、光源111Aの出力を制御する。本実施形態では、光源駆動部121は、
図3を参照して説明する第4プロジェクター100Dの第1処理部155、及び第2処理部156の指示に従って、光源111Aの出力を制御する。
【0023】
光変調装置112は、例えば、R、G及びBの三原色に対応した3枚の液晶パネル115を備える。Rは赤色を示し、Gは緑色を示し、Bは青色を示す。すなわち、光変調装置112は、R色光に対応する液晶パネル115と、G色光に対応する液晶パネル115と、B色光に対応する液晶パネル115とを備える。
光源部111が発する光はRGBの3色の色光に分離され、それぞれ対応する液晶パネル115に入射される。3枚の液晶パネル115の各々は、透過型の液晶パネルであり、透過する光を変調して第1画像光PLAを生成する。各液晶パネル115を通過して変調された第1画像光PLAは、クロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投射光学系113に射出される。
本実施形態では、光変調装置112が光変調素子として透過型の液晶パネル115を備える場合について説明するが、これに限定されない。光変調素子は反射型の液晶パネルでもよいし、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)でもよい。
【0024】
光変調装置112は、光変調装置駆動部122によって駆動される。光変調装置駆動部122は、画像処理部145に接続される。
光変調装置駆動部122には、画像処理部145からR,G,Bの各原色に対応する画像データが入力される。光変調装置駆動部122は、入力された画像データを液晶パネル115の動作に適したデータ信号に変換する。光変調装置駆動部122は、変換したデータ信号に基づいて、各液晶パネル115の各画素に電圧を印加し、各液晶パネル115に画像を描画する。
【0025】
投射光学系113は、入射された画像光PLAをスクリーンSC上に結像させる投射レンズ、ミラー等を備える。また、投射光学系113は、スクリーンSCに投射される画像を拡大又は縮小させるズーム機構、フォーカスの調整を行うフォーカス調整機構、及び、画像光PLAの投射方向を調整するレンズシフト機構等を備える。
【0026】
また、第1プロジェクター100Aは、照度センサー170を備える。照度センサー170は、第1プロジェクター100Aの周囲の明るさを検出する。照度センサー170は、例えば、第1プロジェクター100Aの筐体において、画像光PLAが投射される側とは、反対側に配置される。この場合には、照度センサー170は、検出する照度に対する画像光PLAの影響を抑制できる。
照度センサー170は、検出した第1照度BRAを示す信号を第1制御部150へ伝送する。第1制御部150は、第1通信インターフェース141を介して、照度センサー170が検出した第1照度BRAを第4プロジェクター100Dへ送信する。
【0027】
第1プロジェクター100Aは、操作部131、リモコン受光部133、入力インターフェース135、記憶部137、第1通信インターフェース141、フレームメモリー143、画像処理部145、及び第1制御部150を更に備える。入力インターフェース135、記憶部137、第1通信インターフェース141、画像処理部145、第1制御部150、及び照度センサー170、内部バス107を介して相互にデータ通信可能に接続される。
【0028】
操作部131は、第1プロジェクター100Aの筐体表面に設けられた各種のボタンやスイッチを備え、これらのボタンやスイッチの操作に対応した操作信号を生成して、入力インターフェース135に出力する。入力インターフェース135は、操作部131から入力された操作信号を第1制御部150に出力する回路を備える。
【0029】
リモコン受光部133は、リモコン5から送信される赤外線信号を受光し、受光した赤外線信号をデコードして操作信号を生成する。リモコン受光部133は、生成した操作信号を入力インターフェース135に出力する。入力インターフェース135は、リモコン受光部133から入力された操作信号を第1制御部150に出力する回路を備える。
【0030】
記憶部137は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気的記録装置、又は、フラッシュメモリー、SSD(Solid State Drive)等の半導体記憶素子を用いた記憶装置である。記憶部137は、第1制御部150が実行するプログラム、第1制御部150が処理したデータ、及び画像データ等を記憶する。
【0031】
第1通信インターフェース141は、画像供給装置200、及び第2プロジェクター100B~第4プロジェクター100DとEthernet(登録商標)規格に従って通信を実行する通信インターフェースである。第1通信インターフェース141は、Ethernet(登録商標)ケーブルを接続するコネクター、及びコネクターを伝送される信号を処理するインターフェース回路を備える。第1通信インターフェース141は、コネクター及びインターフェース回路を有するインターフェース基板であり、第1制御部150の第1プロセッサー150A等が実装されるメイン基板に接続される。或いは、第1通信インターフェース141を構成するコネクター及びインターフェース回路が、第1制御部150のメイン基板に実装される。第1通信インターフェース141は、画像供給装置200から画像データ等を受信する。また、第1通信インターフェース141は、第4プロジェクター100Dに対して、照度センサー170が検出した第1照度BRAを送信し、第4プロジェクター100Dから光源111Aの出力の指示情報を受信する。
【0032】
第1制御部150は、第1メモリー150B及び第1プロセッサー150Aを備える。
第1メモリー150Bは、第1プロセッサー150Aが実行するプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶装置である。第1メモリー150Bは、磁気的記憶装置、フラッシュROM(Read Only Memory)等の半導体記憶素子、或いはその他の種類の不揮発性記憶装置によって構成される。また、第1メモリー150Bは、第1プロセッサー150Aのワークエリアを構成するRAM(Random Access Memory)を含んでもよい。第1メモリー150Bは、第1制御部150によって処理されるデータ、及び第1プロセッサー150Aが実行する第1制御プログラムPGM1等を記憶する。
【0033】
第1プロセッサー150Aは、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーが第1プロセッサー150Aとして機能する構成であってもよい。第1プロセッサー150Aは、第1制御プログラムPGM1を実行して第1プロジェクター100Aの各部を制御する。例えば、第1プロセッサー150Aは、操作部131及びリモコン5によって受け付けた操作に対応した画像処理の実行指示と、この画像処理に用いるパラメーターとを画像処理部145に出力する。パラメーターには、例えば、スクリーンSCに投射する画像の幾何的な歪みを補正するための幾何補正パラメーター等が含まれる。また、第1プロセッサー150Aは、光源駆動部121を制御して光源部111の点灯と消灯とを制御し、また光源部111の出力、すなわち光量を調整する。
第1プロセッサー150Aは、「少なくとも1つのプロセッサー」の一例に対応する。
第1メモリー150Bは、「メモリー」の一例に対応する。
第1制御プログラムPGM1は、「プログラム」の一例に対応する。
【0034】
第1プロセッサー150Aは、第1メモリー150Bの一部または全部、及び、その他の回路と統合されたSoC(System on Chip)で構成されてもよい。また、第1プロセッサー150Aは、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の演算処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)との組合せにより構成してもよい。第1プロセッサー150Aの機能の全てを、ハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0035】
画像処理部145、及びフレームメモリー143は、例えば、集積回路によって構成することができる。集積回路は、LSI(Large-Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)を含む。PLDには、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)が含まれる。また、集積回路の構成の一部にアナログ回路が含まれていてもよく、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。プロセッサーと集積回路との組み合わせは、マイクロコントローラー(MCU)、SoC(System-on-a-chip)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。
【0036】
画像処理部145は、第1通信インターフェース141から入力された画像データをフレームメモリー143に展開する。フレームメモリー143は、複数のバンクを備える。各バンクは、1フレーム分の画像データを書き込み可能な記憶容量を有する。フレームメモリー143は、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)によって構成される。
【0037】
画像処理部145は、フレームメモリー143に展開した画像データに対して、例えば、解像度変換処理、又はリサイズ処理、歪曲収差の補正、形状補正処理、デジタルズーム処理、画像の色合いや輝度の調整等の画像処理を行う。
また、画像処理部145は、垂直同期信号の入力フレーム周波数を描画周波数に変換した垂直同期信号を生成する。生成した垂直同期信号を出力同期信号という。画像処理部145は、生成した出力同期信号を光変調装置駆動部122に出力する。
【0038】
次に、
図3を参照して第4プロジェクター100Dの第1制御部150の構成について説明する。
図3は、第4プロジェクター100Dの第1制御部150の構成の一例を示す図である。第4プロジェクター100Dの第1制御部150は、第1プロジェクター100A~第3プロジェクター100Cの光源111Aの出力を指示すると共に、第4プロジェクター100Dの動作を制御する。
図3に示すように、第1制御部150は、投射指示部151と、停止検出部152と、選択部153と、決定部154と、第1処理部155と、第2処理部156と、画像記憶部157と、を備える。具体的には、第1制御部150の第1プロセッサー150Aが、第1メモリー150Bに記憶された第1制御プログラムPGM1を実行することによって、投射指示部151、停止検出部152、選択部153、決定部154、第1処理部155、及び第2処理部156として機能する。また、第1制御部150の第1プロセッサー150Aが、第1メモリー150Bに記憶された第1制御プログラムPGM1を実行することによって、第1メモリー150Bを、画像記憶部157として機能させる。
【0039】
画像記憶部157は、第2フレームFR2から第1フレームFR1までの第1画像PM1を記憶する。第1フレームFR1は、停止検出部152が第1プロジェクター100Aの投射が停止したことを検出したときに、第1プロジェクター100Aに入力される第1画像PM1のフレームである。第2フレームFR2は、第1フレームFR1に対して、所定個数Nのフレームだけ前の第1画像PM1のフレームである。所定個数Nは、例えば10個である。第2フレームFR2から第1フレームFR1までの第1画像PM1は、停止検出部152によって、画像記憶部157に記憶される。
【0040】
投射指示部151は、第1プロジェクター100Aに、スクリーンSCの第1領域AR1に第1画像PM1に対応する第1画像光PLAを投射させる。また、投射指示部151は、第2プロジェクター100Bに、スクリーンSCの第1領域AR1に第1画像PM1に対応する第2画像光PLBを投射させる。また、投射指示部151は、第3プロジェクター100Cに、スクリーンSCの第2領域AR2に第2画像PM2に対応する第3画像光PLCを投射させる。
また、投射指示部151は、第4プロジェクター100Dの液晶パネル115に第2画像PM2を表示させ、第4プロジェクター100Dの投射部110に、スクリーンSCの第2領域AR2に第2画像PM2に対応する第4画像光PLDを投射させる。
すなわち、投射指示部151は、第1プロジェクター100A、及び第2プロジェクター100Bに、スクリーンSCの第1領域AR1に第1画像PM1を投射させる。また、第3プロジェクター100C、及び第4プロジェクター100Dに、スクリーンSCの第2領域AR2に第2画像PM2を投射させる。このようにして、第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dに、第1領域AR1、及び第2領域AR2に、第1画像PM1及び第2画像PM2をタイリング投射させる。
【0041】
停止検出部152は、第1プロジェクター100Aの投射が停止したことを検出する。第1プロジェクター100Aの投射が停止した場合には、例えば、第1プロジェクター100Aの第1制御部150は、第4プロジェクター100Dに対して、第1プロジェクター100Aの投射が停止したことを示す停止情報を送信する。停止検出部152は、第1プロジェクター100Aから停止情報を受信することによって、第1プロジェクター100Aの投射が停止したことを検出する。
【0042】
また、停止検出部152は、第1プロジェクター100Aの投射が停止したことを検出した場合に、第2フレームFR2から第1フレームFR1までの第1画像PM1を、画像記憶部157に記憶させる。
例えば、停止検出部152は、所定個数Nのフレームの第1画像PM1を画像記憶部157に記憶させる。また、第1プロジェクター100Aに投射させる第1画像PM1のフレームが更新される度に、停止検出部152は、画像記憶部157に記憶された所定個数Nのフレームの第1画像PM1のうちの最も古い1フレームを、最も新しい1フレームに更新する。また、停止検出部152は、第1プロジェクター100Aの投射が停止したことを検出した場合に、上記の更新処理を停止する。投射が停止したこととは、例えば、投射部110、駆動部120、第1制御部150等の異常によって、投射光の投射が行われていない状態である。投射が停止したこととは、例えば、光源部111が故障などによって、発光を停止した場合である。
【0043】
選択部153は、停止検出部152が第1プロジェクター100Aの投射が停止したことを検出した場合に、入力画像である第1画像PM1の輝度変化量ΔBRに基づいて、第1処理PR1と、第2処理PR2と、のいずれか一方を選択する。第1処理PR1は、第1プロジェクター群GA、すなわち、第2プロジェクター100Bの光源111Aの明るさを、第1期間PE1において2回以上の複数回で段階的に調整する処理である。第2処理PR2は、第1プロジェクター群GA、すなわち、第2プロジェクター100Bの光源111Aの明るさを第1期間PE1よりも短い第2期間PE2において1回でステップ状に調整する処理である。
第1期間PE1は、例えば、200msecである。第2期間PE2は、例えば、50msecである。
【0044】
輝度変化量ΔBRは、入力画像である第1画像PM1の第1フレームFR1の平均画素値V1と、第1フレームFR1の前の第2フレームFR2の平均画素値V2との差である。第1フレームFR1は、停止検出部152が第1プロジェクター100Aの投射が停止したことを検出したときに、第2プロジェクター100Bに入力される第1画像PM1のフレームである。第2フレームFR2は、第1フレームFR1に対して、所定個数Nのフレームだけ前のフレームである。所定個数Nは、例えば10個である。
輝度変化量ΔBRが第1閾値TH1未満である場合に、選択部153は、第1処理PR1を選択する。また、輝度変化量ΔBRが第1閾値TH1以上である場合に、選択部153は、第2処理PR2を選択する。第1閾値TH1は、例えば、輝度変化量ΔBRの最大値の20%である。輝度変化量ΔBRの最大値とは、第2フレームFR2が黒色ベタ画像であり、第1フレームFR1が白色ベタ画像であるときの輝度変化量ΔBRである。
【0045】
決定部154は、第1領域AR1の明るさが第2領域AR2の明るさと一致するように、第1プロジェクター群GA、すなわち、第2プロジェクター100Bの光源111Aの出力を調整する第1調整量AD1を決定する。第1領域AR1の明るさは、第1プロジェクター群GAの画像光が投射された第1領域AR1の明るさを示す。第2領域AR2の明るさは、第2プロジェクター群G2、すなわち、第3プロジェクター100C、及び第4プロジェクター100Dの画像光が投射された第2領域AR2の明るさを示す。
【0046】
また、決定部154は、例えば、第1プロジェクター群GAの光源111Aの出力を調整するだけでは、第1領域AR1の明るさを第2領域AR2の明るさと一致させることができない場合に、以下の処理を実行する。すなわち、決定部154は、下記の条件を満たすように第2プロジェクター群G2の光源111Aの出力を調整する第4調整量AD4を決定する。
条件:第4調整量AD4を第2プロジェクター群GBに適用して画像光を投射するときの第2領域AR2の明るさが、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射するときの第1領域AR1の明るさと一致すること。
【0047】
第1処理部155は、選択部153が第1処理PR1を選択した場合に、第1処理PR1として、第1調整処理PR11と第2調整処理PR12とを行って、画像光を投射する。第1調整処理PR11は、第1調整量AD1よりも小さい第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用する処理である。第2調整処理PR12は、第1調整処理PR11の後に、第1調整量AD1と第2調整量AD2との差以下である第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用する処理である。
本実施形態では、第3調整量AD3が、第1調整量AD1と第2調整量AD2との差と一致する場合について説明する。換言すれば、第1処理部155が、第1処理PR1として、第1プロジェクター群GAの光源111Aの明るさを、第1期間PE1において2段階で調整する場合について説明する。
【0048】
例えば、第1処理部155は、第1期間PE1の第1時点T1で、第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射する。また、第1処理部155は、第1期間PE1の第1時点T1よりも後の第2時点T2で、第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射する。
この場合の第1処理PR1については、
図4を参照して更に説明する。
【0049】
第1処理部155は、例えば、第1プロジェクター群GAの光源111Aの出力を調整するだけでは、第1領域AR1の明るさを第2領域AR2の明るさと一致させることができない場合に、以下の処理を実行する。すなわち、第1処理部155は、第1調整処理PR11として、第4調整量AD4よりも小さい第5調整量AD5を第2プロジェクター群GBに適用して画像光を投射する。また、第1処理部155は、第2調整処理PR12として、第4調整量AD4と第5調整量AD5との差以下である第6調整量AD6を第2プロジェクター群G2に適用して画像光を投射する。
本実施形態では、第6調整量AD6が、第4調整量AD4と第5調整量AD5との差と一致する場合について説明する。換言すれば、第1処理部155が、第1処理PR1として、第2プロジェクター群GBの光源111Aの明るさを、第1期間PE1において2段階で調整する場合について説明する。
【0050】
例えば、第1処理部155は、第1期間PE1の第1時点T1で、第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射し、第5調整量AD5を第2プロジェクター群GBに適用して画像光を投射する。また、第1処理部155は、第1期間PE1の第1時点T1よりも後の第2時点T2で、第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射し、第6調整量AD6を第2プロジェクター群GBに適用して画像光を投射する。
この場合の第1処理PR1については、
図5を参照して更に説明する。
【0051】
第2処理部156は、選択部153が第2処理PR2を選択した場合に、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射する。
例えば、第2処理部156は、第1期間PE1よりも短い第2期間PE2で、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射する。
この場合の第2処理PR2については、
図4を参照して更に説明する。
【0052】
第2処理部156は、例えば、第1プロジェクター群GAの光源111Aの出力を調整するだけでは、第1領域AR1の明るさを第2領域AR2の明るさと一致させることができない場合に、以下の処理を実行する。第1処理部155は、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射し、第4調整量AD4を第2プロジェクター群GBに適用して画像光を投射する。
この場合の第2処理PR2については、
図5を参照して更に説明する。
【0053】
次に、
図4を参照して、第1処理部155、及び第2処理部156が第1プロジェクター群GAのみを調整する場合について説明する。
図4は、第1処理PR1、及び第2処理PR2の一例を示すグラフである。
図4において、横軸は時間Tを示し、縦軸は第1領域AR1の明るさEAを示す。
第1プロジェクター100Aの投射が停止する前において、第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dの各々の光源111Aの出力が50%である場合について説明する。この場合に、第1領域AR1及び第2領域AR2の明るさは、例えば、100%である。なお、第1領域AR1の明るさEAは、第1プロジェクター100Aの光源111Aの出力と、第2プロジェクター100Bの光源111Aの出力との和として記載する。また、第2領域AR2の明るさは、第3プロジェクター100Cの光源111Aの出力と、第4プロジェクター100Dの光源111Aの出力との和として記載する。
【0054】
図4に示すように、時点TAにおいて、第1プロジェクター100Aの投射が停止する。その結果、グラフGCに示すように、第1領域AR1の明るさEAは、第2の明るさET12から第1の明るさET11に減少する。第2の明るさET12は、100%であり、第1の明るさET11は、50%である。
【0055】
決定部154は、第1調整量AD1を50%の増加に決定する。まず、選択部153が第1処理PR1を選択した場合について説明する。
第1処理部155は、グラフG11で示すように、第1期間PE1における第1時点T1で、第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射する。第1期間PE1は、時点TAから時点TE1までの期間である。第1期間PE1は、例えば300msecである。第1時点T1は、例えば、時点TAから50msec経過後を示す。第2調整量AD2は、例えば30%の増加である。すなわち、第1処理部155は、第1時点T1で、第2プロジェクター100Bの光源111Aの出力を50%から80%に調整する。
【0056】
次に、第1処理部155は、グラフG11で示すように、第1期間PE1における第2時点T2で、第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射する。第2時点T2は、例えば、時点TAから200msec経過後を示す。第3調整量AD3は、例えば20%の増加である。なお、第3調整量AD3は、第1調整量AD1と第2調整量AD2との差である。すなわち、第1処理部155は、第2時点T2で、第2プロジェクター100Bの光源111Aの出力を80%から100%に調整する。
その結果、第1領域AR1の明るさEAは、段階的に複数回で調整することで第2の明るさET12になる。すなわち、第1領域AR1の明るさEAは、第2領域AR2の明るさと一致する。
【0057】
次に、選択部153が第2処理PR2を選択した場合について説明する。第2処理部156は、グラフG12で示すように、第2期間PE2における第1時点T1で、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射する。第1調整量AD1は、50%の増加である。すなわち、第2処理部156は、第1時点T1で、第2プロジェクター100Bの光源111Aの出力を50%から100%に1回で調整する。
その結果、第1領域AR1の明るさEAは、第2の明るさET12になる。すなわち、第1領域AR1の明るさEAは、第2領域AR2の明るさと一致する。
【0058】
図4を参照して説明したように、第2処理PR2では、第1プロジェクター群GAの光源111Aの出力を第2期間PE2において1回で調整する。これに対して、第1処理PR1では、第1プロジェクター群GAの光源111Aの出力を第2期間PE2よりも長い第1期間PE1において段階的に調整する。したがって、第1処理PR1を実行することによって、第2処理PR2を実行する場合と比較して、明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚える可能性を低減できる。
【0059】
また、
図4では、第1処理PR1において、第1プロジェクター群GAの光源111Aの出力を2段階で調整する場合について説明するが、これに限定されない。第1処理PR1において、第1プロジェクター群GAの光源111Aの出力を3段階以上で調整してもよい。
また、輝度変化量ΔBRが小さい程、第1プロジェクター群GAの光源111Aの出力を調整する段階数を増加させることが好ましい。この場合には、明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚える可能性を低減できる。
【0060】
次に、
図5を参照して、第1処理部155、及び第2処理部156が第1プロジェクター群GA、及び第2プロジェクター群GBを調整する場合について説明する。
図5は、第1処理PR1、及び第2処理PR2の他の一例を示すグラフである。
図5において、横軸は時間Tを示し、縦軸は第1領域AR1の明るさEA、及び第2領域AR2の明るさEBを示す。
第1プロジェクター100Aの投射が停止する前において、第1プロジェクター100A~第4プロジェクター100Dの各々の光源111Aの出力が70%である場合について説明する。この場合に、第1領域AR1及び第2領域AR2の明るさは、例えば、140%である。なお、第1領域AR1の明るさEAは、第1プロジェクター100Aの光源111Aの出力と、第2プロジェクター100Bの光源111Aの出力との和として記載する。また、第2領域AR2の明るさEBは、第3プロジェクター100Cの光源111Aの出力と、第4プロジェクター100Dの光源111Aの出力との和として記載する。
【0061】
図5に示すように、時点TAにおいて、第1プロジェクター100Aの投射が停止する。その結果、グラフGCに示すように、第1領域AR1の明るさEAは、第2の明るさET12から第1の明るさET11に減少する。第2の明るさET12は、140%であり、第1の明るさET11は、70%である。
【0062】
決定部154は、第1調整量AD1を30%の増加に決定する。まず、選択部153が第1処理PR1を選択した場合について説明する。
第1処理部155は、グラフG21で示すように、第1期間PE1における第1時点T1で、第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射する。第1期間PE1は、時点TAから時点TE1までの期間である。第1期間PE1は、例えば300msecである。第1時点T1は、例えば、時点TAから50msec経過後を示す。第2調整量AD2は、例えば20%の増加である。すなわち、第1処理部155は、第1時点T1で、第2プロジェクター100Bの光源111Aの出力を70%から90%に調整する。
また、第1処理部155は、グラフG31で示すように、第1期間PE1における第1時点T1で、第5調整量AD5を第2プロジェクター群GBに適用して画像光を投射する。第5調整量AD5は、例えば10%の減少である。すなわち、第1処理部155は、第1時点T1で、第3プロジェクター100C及び第4プロジェクター100Dの光源111Aの出力を70%から60%に調整する。その結果、第2領域AR2の明るさEBは、第1の明るさET21、すなわち140%から120%に減少する。
【0063】
次に、第1処理部155は、グラフG21で示すように、第1期間PE1における第2時点T2で、第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射する。第2時点T2は、例えば、時点TAから200msec経過後を示す。第3調整量AD3は、例えば10%の増加である。なお、第3調整量AD3は、第1調整量AD1と第2調整量AD2との差である。すなわち、第1処理部155は、第2時点T2で、第2プロジェクター100Bの光源111Aの出力を90%から、第3の明るさET13、すなわち100%に調整する。
また、第1処理部155は、グラフG31で示すように、第1期間PE1における第1時点T1で、第6調整量AD6を第2プロジェクター群GBに適用して画像光を投射する。第6調整量AD6は、例えば10%の減少である。すなわち、第1処理部155は、第1時点T1で、第3プロジェクター100C及び第4プロジェクター100Dの光源111Aの出力を60%から50%に調整する。その結果、第2領域AR2の明るさEBは、120%から、第2の明るさET22、すなわち100%に減少する。
その結果、第1領域AR1の明るさEAは、第2領域AR2の明るさEBと一致する。
【0064】
次に、選択部153が第2処理PR2を選択した場合について説明する。第2処理部156は、グラフG22で示すように、第2期間PE2における第1時点T1で、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射する。第1調整量AD1は、30%の増加である。すなわち、第2処理部156は、第1時点T1で、第2プロジェクター100Bの光源111Aの出力を70%から100%に調整する。
また、第2処理部156は、グラフG32で示すように、第2期間PE2における第1時点T1で、第4調整量AD4を第2プロジェクター群GBに適用して画像光を投射する。第4調整量AD4は、40%の減少である。すなわち、第2処理部156は、第1時点T1で、第2プロジェクター群GBの光源111Aの出力を140%から100%に調整する。
その結果、第1領域AR1の明るさEAは、第2領域AR2の明るさEBと一致する。
【0065】
図5を参照して説明したように、第2処理PR2では、第1プロジェクター群GA及び第2プロジェクター群GBの光源111Aの出力を第2期間PE2においてステップ状に調整する。これに対して、第1処理PR1では、第1プロジェクター群GA及び第2プロジェクター群GBの光源111Aの出力を第2期間PE2よりも長い第1期間PE1において段階的に調整する。したがって、第1処理PR1を実行することによって、第2処理PR2を実行する場合と比較して、明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚える可能性を低減できる。
【0066】
また、
図5では、第1処理PR1において、第1プロジェクター群GA及び第2プロジェクター群GBの光源111Aの出力を2段階、すなわち2回で調整する場合について説明するが、これに限定されない。第1処理PR1において、第1プロジェクター群GA及び第2プロジェクター群GBの光源111Aの出力を3段階、すなわち3回以上で調整してもよい。
また、輝度変化量ΔBRが小さい程、第1プロジェクター群GA及び第2プロジェクター群GBの光源111Aの出力を調整する段階数、すなわち、回数を増加させることが好ましい。この場合には、明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚える可能性を低減できる。
【0067】
次に、
図6~
図8を参照して、第4プロジェクター100Dの第1制御部150の処理について説明する。なお、
図6~
図8では、決定部154が第1調整量AD1及び第4調整量AD4を決定する場合について説明する。換言すれば、第1プロジェクター群GAの光源111Aの出力、及び第2プロジェクター群GBの光源111Aの出力を調整する場合について説明する。
図6は、第4プロジェクター100Dの第1制御部150の処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、ステップS101において、投射指示部151は、第1プロジェクター100A、及び第2プロジェクター100Bに、スクリーンSCの第1領域AR1に第1画像PM1に対応する画像光を投射させる。
次に、ステップS103において、投射指示部151は、第3プロジェクター100C、及び第4プロジェクター100Dに、スクリーンSCの第2領域AR2に第2画像PM2に対応する画像光を投射させる。
【0068】
次に、ステップS105において、停止検出部152は、第1プロジェクター100Aの投射が停止したか否かを判定する。
第1プロジェクター100Aの投射が停止していないと停止検出部152が判定した場合(ステップS105;NO)には、処理がステップS101に戻る。第1プロジェクター100Aの投射が停止したと停止検出部152が判定した場合(ステップS105;YES)には、処理がステップS107へ進む。
そして、ステップS107において、決定部154は、第1調整量AD1を決定する。
次に、ステップS109において、決定部154は、第4調整量AD4を決定する。なお、ステップS107及びステップS109において、決定部154は、下記の条件を満たすように第1調整量AD1及び第4調整量AD4を決定する。
条件:第4調整量AD4を第2プロジェクター群GBに適用して画像光を投射するときの第2領域AR2の明るさが、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射するときの第1領域AR1の明るさと一致する。
【0069】
次に、ステップS111において、選択部153は、選択処理を実行する。「選択処理」とは、第1処理PR1又は第2処理PR2を選択する処理である。「選択処理」については、
図7及び
図8を参照して説明する。
ステップS113において、第1制御部150は、選択部153が第1処理PR1を選択したか否かを判定する。
選択部153が第1処理PR1を選択していないと第1制御部150が判定した場合(ステップS113;NO)には、処理がステップS115へ進む。
そして、ステップS115において、第1制御部150は、選択部153が第2処理PR2を選択したと判定する。
次に、ステップS117において、第2処理部156は、第1時点T1で、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射し、第4調整量AD4を第2プロジェクター群GBに適用して画像光を投射する。その後、処理が終了する。
【0070】
選択部153が第1処理PR1を選択したと第1制御部150が判定した場合(ステップS113;YES)には、処理がステップS119へ進む。
そして、ステップS119において、第1処理部155は、第1時点T1で、第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射し、第5調整量AD5を第2プロジェクター群GBに適用して画像光を投射する。
次に、ステップS121において、第1処理部155は、第2時点T2で、第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用して画像光を投射し、第6調整量AD6を第2プロジェクター群GBに適用して画像光を投射する。その後、処理が終了する。
【0071】
次に、
図7を参照して、選択部153が、輝度変化量ΔBRに基づいて、第1処理PR1又は第2処理PR2を選択する場合の選択処理について説明する。なお、以下の説明では、画像記憶部157が、第2フレームFR2から第1フレームFR1までの第1画像PM1を記憶する場合について説明する。
第1フレームFR1は、第1プロジェクター100Aの投射が停止したときに第1プロジェクター100Aに入力される第1画像PM1のフレームである。第2フレームFR2は、第1フレームFR1に対して、所定個数Nのフレームだけ前の第1画像PM1のフレームである。所定個数Nは、例えば10個である。
図7は、
図6のステップS111で実行される選択処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、まず、ステップS201において、選択部153は、入力画像である第1画像PM1の第1フレームFR1の平均画素値V1を算出する。
次に、ステップS203において、選択部153は、入力画像である第1画像PM1の第2フレームFR2の平均画素値V2を算出する。
【0072】
次に、ステップS205において、選択部153は、輝度変化量ΔBRが第1閾値TH1未満であるか否かを判定する。輝度変化量ΔBRは、平均画素値V1と平均画素値V2との差である。第1閾値TH1は、例えば、輝度変化量ΔBRの最大値の20%である。
輝度変化量ΔBRが第1閾値TH1未満であると選択部153が判定した場合(ステップS205;YES)には、処理がステップS207へ進む。
そして、ステップS207において、選択部153は、第1処理PR1を選択する。その後、処理が
図6のステップS113へリターンする。
輝度変化量ΔBRが第1閾値TH1未満ではないと選択部153が判定した場合(ステップS205;NO)には、処理がステップS209へ進む。
そして、ステップS209において、選択部153は、第2処理PR2を選択する。その後、処理が
図6のステップS113へリターンする。
【0073】
図7を参照して説明したように、選択部153は、輝度変化量ΔBRに基づいて、第1処理PR1又は第2処理PR2を選択する。したがって、第1処理PR1及び第2処理PR2を適正に選択できる。
本実施形態では、輝度変化量ΔBRが、入力画像の第1フレームFR1の平均画素値V1と、第1フレームFR1の前の第2フレームFR2の平均画素値V2との差である場合について説明したが、これに限定されない。例えば、第2フレームFR2から第1フレームFR1まで間において、隣接するフレーム間の平均画素値の差の絶対値を算出し、その平均値を輝度変化量ΔBRとして算出してもよい。この場合には、第1処理PR1及び第2処理PR2を適正に選択できる。
【0074】
次に、
図8を参照して、選択部153が、スクリーンSCの周辺の明るさBRSに基づいて、第1処理PR1又は第2処理PR2を選択する場合の選択処理について説明する。
図8は、
図6のステップS111で実行される選択処理の他の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、まず、ステップS301において、選択部153は、第1プロジェクターの投射が停止したときの第1照度BRA、第2照度BRB、第3照度BRC、及び第4照度BRDを取得する。
第1照度BRAは、第1プロジェクター100Aの照度センサー170が検出した照度である。第2照度BRBは、第2プロジェクター100Bの照度センサー170が検出した照度である。第3照度BRCは、第3プロジェクター100Cの照度センサー170が検出した照度である。第4照度BRDは、第4プロジェクター100Dの照度センサー170が検出した照度である。
次に、ステップS303において、選択部153は、第1照度BRA~第4照度BRDの平均値をスクリーンSCの周辺の明るさBRSとして算出する。
【0075】
次に、ステップS305において、選択部153は、スクリーンSCの周辺の明るさBRSが第2閾値TH2未満であるか否かを判定する。第2閾値TH2は、例えば、30lxである。
スクリーンSCの周辺の明るさBRSが第2閾値TH2未満であると判定した場合(ステップS305;YES)には、処理がステップS307に進む。
そして、ステップS307において、選択部153は、第1処理PR1を選択する。その後、処理が
図6のステップS113へリターンする。
スクリーンSCの周辺の明るさBRSが第2閾値TH2未満ではないと判定した場合(ステップS305;NO)には、処理がステップS309に進む。
そして、ステップS309において、選択部153は、第2処理PR2を選択する。その後、処理が
図6のステップS113へリターンする。
【0076】
図8を参照して説明したように、選択部153は、スクリーンSCの周辺の明るさBRSに基づいて、第1処理PR1又は第2処理PR2を選択する。したがって、第1処理PR1及び第2処理PR2を適正に選択できる。
本実施形態では、選択部153は、スクリーンSCの周辺の明るさBRSとして、第1照度BRA~第4照度BRDの平均値を算出する場合について説明するが、これに限定されない。選択部153は、第1照度BRA~第4照度BRDの少なくとも1つに基づいて、スクリーンSCの周辺の明るさBRSを算出すればよい。例えば、選択部153は、第1照度BRA~第4照度BRDのうち、最も小さい照度を、スクリーンSCの周辺の明るさBRSとして算出してもよい。
【0077】
[本実施形態及び作用効果]
以上、
図1~
図8を参照して説明したように、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法は、第1プロジェクター100Aと、1台以上のプロジェクターを含む第1プロジェクター群GAと、がスクリーンSCの第1領域AR1に画像光を投射することと、2台以上のプロジェクター100を含む第2プロジェクター群GBがスクリーンSCの第2領域AR2に画像光を投射することとによって、第1領域AR1及び第2領域AR2にタイリング投射することと、第1プロジェクター100Aの投射が停止した場合に、入力画像の輝度変化量ΔBR、及びスクリーンSCの周辺の明るさBRSの少なくとも一方に基づいて、第1プロジェクター群GAの光源111Aの明るさを、第1期間PE1において複数回で調整する第1処理PR1と、第1プロジェクター群GAの光源111Aの明るさを第1期間PE1よりも短い第2期間PE2において1回で調整する第2処理PR2と、のいずれか一方を選択することと、第1プロジェクター群GAの画像光が投射された第1領域AR1の明るさが、第2プロジェクター群GBの画像光が投射された第2領域AR2の明るさと一致するように、第1プロジェクター群GAの光源111Aの出力を調整する第1調整量AD1を決定することと、第1処理PR1が選択された場合に、第1調整量AD1よりも小さい第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用する第1調整処理PR11を行うことと、第1調整処理PR11を行った後に、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することと、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することの後に、第1調整量AD1と第2調整量AD2との差以下である第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用する第2調整処理PR12を行うことと、第2調整処理PR12を行った後に、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することと、を含む。
【0078】
すなわち、第1プロジェクター100Aの投射が停止し、第1処理PR1が選択された場合に、第1調整量AD1よりも小さい第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用する第1調整処理PR11を行うことと、第1調整処理PR11を行った後に、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することと、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することの後に、第1調整量AD1と第2調整量AD2との差以下である第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用する第2調整処理PR12を行うことと、第2調整処理PR12を行った後に、第1プロジェクター群GAが画像光を投射する。
すなわち、第1期間PE1よりも短い第2期間PE2において1回で調整する第2処理PR2を実行する場合と比較して、第1処理PR1では、第1期間PE1において第1プロジェクター群GAの明るさを複数回で調整する。よって、第2処理PR2を実行する場合と比較して、第1処理PR1では、第1プロジェクター群GAの明るさ明るさの調整処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚えることを抑制できる。したがって、第1プロジェクター100Aの投射が停止した場合に、第1プロジェクター群GAの明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚えることを抑制できる。
【0079】
また、プロジェクター100の制御方法は、第1処理PR1が選択された場合に、第2プロジェクター群GBの光源111Aの出力を調整する第4調整量AD4を決定すること、を含み、第1処理PR1は、第4調整量AD4よりも小さい第5調整量AD5を第2プロジェクター群GBに適用することと、第5調整量AD5を第2プロジェクター群GBに適用した後に、第2プロジェクター群GBが画像光を投射することと、第4調整量AD4と第5調整量AD5との差以下である第6調整量AD6を第2プロジェクター群GBに適用することと、第6調整量AD6を第2プロジェクター群GBに適用した後に、第2プロジェクター群GBが画像光を投射することと、を含む。
すなわち、第1期間PE1よりも短い第2期間PE2において1回で調整する第2処理PR2を実行する場合と比較して、第1処理PR1では、第1期間PE1において第2プロジェクター群GBの明るさを複数回で調整する。よって、第2処理PR2を実行する場合と比較して、第1処理PR1では、第2プロジェクター群GBの明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚えることを抑制できる。したがって、第1プロジェクター100Aの投射が停止した場合に、第2プロジェクター群GBの明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚えることを抑制できる。
【0080】
また、プロジェクター100の制御方法は、第1処理PR1は、第1期間PE1の第1時点T1で、第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用することと、第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用した後に、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することと、第5調整量AD5を第2プロジェクター群GBに適用することと、第5調整量AD5を第2プロジェクター群GBに適用した後に、第2プロジェクター群GBが画像光を投射することと、第1期間PE1の第1時点T1よりも後の第2時点T2で、第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用することと、第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用した後に、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することと、第2時点T2で、第6調整量AD6を第2プロジェクター群GBに適用することと、第6調整量AD6を第2プロジェクター群GBに適用した後に、第2プロジェクター群GBが画像光を投射することと、を含む。
よって、第1プロジェクター群GA及び第2プロジェクター群GBの明るさを、第1期間PE1の第1時点T1及び第2時点T2で、同時に調整できる。したがって、第1プロジェクター群GA及び第2プロジェクター群GBの明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚えることを抑制できる。
【0081】
また、プロジェクター100の制御方法は、第2処理PR2が選択された場合に、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用することと、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用した後に、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することと、を含む。
したがって、第2処理PR2を実行する場合には、第1処理PR1を実行する場合と比較して、短時間で、且つ、簡素な処理で、第1プロジェクター群GAの明るさを調整できる。
【0082】
また、プロジェクター100の制御方法は、第2処理PR2が選択された場合に、第2プロジェクター群GBの光源111Aの出力を調整する第4調整量AD4を決定すること、を含み、第2処理PR2は、第2期間PE2において、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用することと、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用した後に、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することと、第2期間PE2において、第4調整量AD4を第2プロジェクター群GBに適用することと、第4調整量AD4を第2プロジェクター群GBに適用した後に、第2プロジェクター群GBが画像光を投射することと、を含む。
したがって、第2処理PR2を実行する場合には、第1処理PR1を実行する場合と比較して、短時間で、且つ、簡素な処理で、第1プロジェクター群GA及び第2プロジェクター群GBの明るさを調整できる。
【0083】
また、プロジェクター100の制御方法は、第4調整量AD4を決定することは、第4調整量AD4を第2プロジェクター群GBに適用した後に第2プロジェクター群GBが画像光を投射するときの第2領域AR2の明るさが、第1調整量AD1を第1プロジェクター群GAに適用した後に第1プロジェクター群GAが画像光を投射するときの第1領域AR1の明るさと一致するように、第4調整量AD4を決定することと、を含む。
よって、第2領域AR2の明るさを第1領域AR1の明るさと一致させることができる。したがって、第4調整量AD4を適正な値に決定できる。
【0084】
また、プロジェクター100の制御方法は、第1処理PR1と第2処理PR2とのいずれか一方を選択することは、第1プロジェクター100Aの投射が停止したときの、第1プロジェクター群GAに入力される入力画像の第1フレームFR1の平均画素値V1と、第1フレームFR1の前の第2フレームFR2の平均画素値V2との差である輝度変化量ΔBRが第1閾値TH1未満である場合に、第1処理PR1を選択することと、第1プロジェクター100Aの投射が停止したときの、輝度変化量ΔBRが第1閾値TH1以上である場合に、第2処理PR2を選択することと、を含む。
したがって、輝度変化量ΔBRが第1閾値TH1未満である場合に、第1処理PR1を選択し、輝度変化量ΔBRが第1閾値TH1以上である場合に、第2処理PR2を選択するため、第1閾値TH1を適正に設定することによって、第1処理PR1と第2処理PR2のいずれか一方を適正に選択できる。
【0085】
また、プロジェクター100の制御方法は、第1処理PR1と第2処理PR2とのいずれか一方を選択することは、第1プロジェクター100Aの投射が停止したときのスクリーンSCの周辺の明るさBRSが第2閾値TH2未満の場合に、第1処理PR1を選択することと、スクリーンSCの周辺の明るさBRSが第2閾値TH2以上の場合に、第2処理PR2を選択することと、を含む。
すなわち、第1プロジェクター100Aの投射が停止したときのスクリーンSCの周辺の明るさBRSが第2閾値TH2未満の場合に、第1処理PR1を選択し、スクリーンSCの周辺の明るさBRSが第2閾値TH2以上の場合に、第2処理PR2を選択する。したがって、第2閾値TH2を適正に設定することによって、第1処理PR1と第2処理PR2のいずれか一方を適正に選択できる。
【0086】
本実施形態に係る第1制御プログラムPGM1は、第1プロジェクター100Aと、1台以上のプロジェクターを含む第1プロジェクター群GAと、がスクリーンSCの第1領域AR1に画像光を投射することと、2台以上のプロジェクター100を含む第2プロジェクター群GBがスクリーンSCの第2領域AR2に画像光を投射することとによって、第1領域AR1及び第2領域AR2にタイリング投射することと、第1プロジェクター100Aの投射が停止した場合に、入力画像の輝度変化量ΔBR、及びスクリーンSCの周辺の明るさBRSの少なくとも一方に基づいて、第1プロジェクター群GAの光源111Aの明るさを、第1期間PE1において複数回で調整する第1処理PR1と、第1プロジェクター群GAの光源111Aの明るさを第1期間PE1よりも短い第2期間PE2において1回で調整する第2処理PR2と、のいずれか一方を選択することと、第1プロジェクター群GAの画像光が投射された第1領域AR1の明るさが、第2プロジェクター群GBの画像光が投射された第2領域AR2の明るさと一致するように、第1プロジェクター群GAの光源111Aの出力を調整する第1調整量AD1を決定することと、第1処理PR1が選択された場合に、第1調整量AD1よりも小さい第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用する第1調整処理PR11を行うことと、第1調整処理PR11を行った後に、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することと、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することの後に、第1調整量AD1と第2調整量AD2との差以下である第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用する第2調整処理PR12を行うことと、って、第2調整処理PR12を行った後に、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することと、を第4プロジェクター100Dの第1プロセッサー150Aに実行させる。
したがって、本実施形態に係る第1制御プログラムPGM1は、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法と同様の効果を奏することができる。
【0087】
本実施形態に係る第4プロジェクター100Dは、光源111Aと、第1メモリー150Bと、第1プロセッサー150Aと、を含み、第1プロセッサー150Aは、第1プロジェクター100Aと、第2プロジェクター100Bを含む第1プロジェクター群GAと、がスクリーンSCの第1領域AR1に画像光を投射することと、第3プロジェクター100C及び第4プロジェクター100Dを含む第2プロジェクター群GBがスクリーンSCの第2領域AR2に画像光を投射することとによって、第1領域AR1及び第2領域AR2にタイリング投射することと、第1プロジェクター100Aの投射が停止した場合に、入力画像の輝度変化量ΔBR、及びスクリーンSCの周辺の明るさBRSの少なくとも一方に基づいて、第1プロジェクター群GAの光源111Aの明るさを、第1期間PE1において複数回で調整する第1処理PR1と、第1プロジェクター群GAの光源111Aの明るさを第1期間PE1よりも短い第2期間PE2において1回で調整する第2処理PR2と、のいずれか一方を選択することと、第1プロジェクター群GAの画像光が投射された第1領域AR1の明るさが、第2プロジェクター群GBの画像光が投射された第2領域AR2の明るさと一致するように、第1プロジェクター群GAの光源111Aの出力を調整する第1調整量AD1を決定することと、第1処理PR1が選択された場合に、第1調整量AD1よりも小さい第2調整量AD2を第1プロジェクター群GAに適用する第1調整処理PR11を行うことと、第1調整処理PR11を行った後に、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することと、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することの後に、第1調整量AD1と第2調整量AD2との差以下である第3調整量AD3を第1プロジェクター群GAに適用する第2調整処理PR12を行うことと、第2調整処理PR12を行った後に、第1プロジェクター群GAが画像光を投射することと、を実行し、第4プロジェクター100Dは、第2プロジェクター群GBに含まれる。
したがって、本実施形態に係る第4プロジェクター100Dは、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法と同様の効果を奏することができる。
【0088】
[他の実施形態]
上述した本実施形態は、好適な実施の形態である。ただし、上述の本実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。
本実施形態では、
図1~
図8を参照して、第1プロジェクター群GAが、便宜上、1台のプロジェクター、すなわち、第2プロジェクター100Bで構成される場合について説明するが、これに限定されない。第1プロジェクター群GAが、2台以上のプロジェクターを含んでもよい。
また、本実施形態では、第2プロジェクター群GBが、2台のプロジェクター、すなわち、第3プロジェクター100C、及び第4プロジェクター100Dで構成される場合について説明するが、これに限定されない。第2プロジェクター群GBが、3台以上のプロジェクターを含んでもよい。
【0089】
本実施形態では、第4プロジェクター100Dがプライマリープロジェクターとして機能する場合について説明したが、これに限定されない。第1プロジェクター100A~第3プロジェクター100Cのいずれか1台がプライマリープロジェクターとして機能してもよい。
また、本実施形態では、第4プロジェクター100Dの第1制御部150が、投射指示部151、停止検出部152、選択部153、決定部154、第1処理部155、第2処理部156、及び画像記憶部157を備える場合について説明したが、これに限定されない。
例えば、第1プロジェクター100A~第3プロジェクター100Cのいずれか1台の第1制御部150が、投射指示部151、停止検出部152、選択部153、決定部154、第1処理部155、第2処理部156、及び画像記憶部157を備えてもよい。また、例えば、画像供給装置200の第2制御部が、投射指示部151、停止検出部152、選択部153、決定部154、第1処理部155、第2処理部156、及び画像記憶部157を備えてもよい。
【0090】
また、
図3に示す各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、プロジェクター100の各部の具体的な細部構成についても、趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0091】
また、
図6~
図8に示すフローチャートの処理単位は、第4プロジェクター100Dの第1制御部150の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。
図6~
図8の各々のフローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって制限されることはなく、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0092】
また、プロジェクター100の制御方法は、プロジェクター100が備える第1プロセッサー150Aに、プロジェクター100の制御方法に対応した第1制御プログラムPGM1を実行させることで実現できる。また、第1制御プログラムPGM1は、コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。
記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、記録媒体は、プロジェクター100が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
第1制御プログラムPGM1をサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置からプロジェクター100に、第1制御プログラムPGM1をダウンロードすることで、プロジェクター100の制御方法を実現することもできる。
【0093】
[付記]
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)
第1プロジェクターと、1台以上のプロジェクターを含む第1プロジェクター群と、が投射面の第1領域に画像光を投射することと、2台以上のプロジェクターを含む第2プロジェクター群が前記投射面の第2領域に画像光を投射することと、によって、前記第1領域及び前記第2領域にタイリング投射することと、前記第1プロジェクターの投射が停止した場合に、入力画像の輝度変化量、及び前記投射面の周辺の明るさの少なくとも一方に基づいて、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを、第1期間において複数回で調整する第1処理と、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを前記第1期間よりも短い第2期間において1回で調整する第2処理と、のいずれか一方を選択することと、前記第1プロジェクター群の画像光が投射された前記第1領域の明るさが、前記第2プロジェクター群の画像光が投射された前記第2領域の明るさと一致するように、前記第1プロジェクター群の光源の出力を調整する第1調整量を決定することと、前記第1処理が選択された場合に、前記第1調整量よりも小さい第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第1調整処理を行うことと、前記第1調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することの後に、前記第1調整量と前記第2調整量との差以下である第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第2調整処理を行うことと、前記第2調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、を含む、プロジェクターの制御方法。
【0094】
これにより、第1期間よりも短い第2期間において1回で調整する第2処理を実行する場合と比較して、第1処理では、第1期間において第1プロジェクター群の明るさを複数回で調整する。そこで、第1処理では、第2処理を実行する場合と比較して、明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚えることを抑制できる。したがって、第1プロジェクターの投射が停止した場合に、第1プロジェクター群の明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚えることを抑制できる。
【0095】
(付記2)
前記第1処理が選択された場合に、前記第2プロジェクター群の光源の出力を調整する第4調整量を決定すること、を含み、前記第1処理は、前記第4調整量よりも小さい第5調整量を前記第2プロジェクター群に適用することと、前記第5調整量を前記第2プロジェクター群に適用した後に、前記第2プロジェクター群が画像光を投射することと、前記第4調整量と前記第5調整量との差以下である第6調整量を前記第2プロジェクター群に適用することと、前記第6調整量を前記第2プロジェクター群に適用した後に、前記第2プロジェクター群が画像光を投射することと、を含む、付記1に記載のプロジェクターの制御方法。
【0096】
これにより、第1期間よりも短い第2期間において1回で調整する第2処理を実行する場合と比較して、第1処理では、第1期間において、第2プロジェクター群の明るさを複数回で調整する。よって、第1処理では、第2処理を実行する場合と比較して、明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚えることを抑制できる。したがって、第1プロジェクターの投射が停止した場合に、第2プロジェクター群の明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚えることを抑制できる。
【0097】
(付記3)
前記第1処理は、前記第1期間の第1時点で、前記第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用することと、前記第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用した後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、前記第1時点で、前記第5調整量を前記第2プロジェクター群に適用することと、前記第5調整量を前記第2プロジェクター群に適用した後に、前記第2プロジェクター群が画像光を投射することと、前記第1期間の前記第1時点よりも後の第2時点で、前記第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用することと、前記第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用した後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、前記第2時点で、前記第6調整量を前記第2プロジェクター群に適用することと、前記第6調整量を前記第2プロジェクター群に適用した後に、前記第2プロジェクター群が画像光を投射することと、を含む、付記2に記載のプロジェクターの制御方法。
【0098】
これにより、第1プロジェクター群、及び第2プロジェクター群の明るさを、第1期間の第1時点及び第2時点で、同時に調整できる。したがって、第1プロジェクター群、及び第2プロジェクター群の明るさを調整する処理を実行中に、ユーザーが違和感を覚えることを抑制できる。
【0099】
(付記4)
前記第2処理が選択された場合に、前記第1調整量を前記第1プロジェクター群に適用することと、前記第1調整量を前記第1プロジェクター群に適用した後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、を含む、付記1から付記3のいずれか1つに記載のプロジェクターの制御方法。
【0100】
これにより、第2処理を実行する場合には、第1処理を実行する場合と比較して、短時間で、且つ、簡素な処理で、第1プロジェクター群の明るさを調整できる。
【0101】
(付記5)
前記第2処理が選択された場合に、前記第2プロジェクター群の光源の出力を調整する第4調整量を決定すること、を含み、前記第2処理は、前記第2期間において、前記第1調整量を前記第1プロジェクター群に適用することと、前記第1調整量を前記第1プロジェクター群に適用した後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、前記第2期間において、前記第4調整量を前記第2プロジェクター群に適用することと、前記第4調整量を前記第2プロジェクター群に適用した後に、前記第2プロジェクター群が画像光を投射することと、を含む、付記1から付記3のいずれか1つに記載のプロジェクターの制御方法。
【0102】
これにより、第2処理を実行する場合には、第1処理を実行する場合と比較して、短時間で、且つ、簡素な処理で、第1プロジェクター群及び第2プロジェクター群の明るさを調整できる。
【0103】
(付記6)
前記第4調整量を決定することは、前記第4調整量を前記第2プロジェクター群に適用した後に前記第2プロジェクター群が画像光を投射するときの前記第2領域の明るさが、前記第1調整量を前記第1プロジェクター群に適用した後に前記第1プロジェクター群が画像光を投射するときの前記第1領域の明るさと一致するように、前記第4調整量を決定することと、を含む、付記5に記載のプロジェクターの制御方法。
【0104】
これにより、第4調整量を適正な値に決定できる。すなわち、第2領域の明るさを第1領域の明るさと一致させることができる。
【0105】
(付記7)
前記第1処理と前記第2処理とのいずれか一方を選択することは、前記第1プロジェクターの投射が停止したときの、前記第1プロジェクター群に入力される入力画像の第1フレームの平均画素値と、前記第1フレームの前の第2フレームの平均画素値との差が第1閾値未満である場合に、前記第1処理を選択することと、前記第1プロジェクターの投射が停止したときの、前記第1フレームの平均画素値と、前記第2フレームの平均画素値との差が第1閾値以上である場合に、前記第2処理を選択することと、を含む、付記1から付記6のいずれか1つに記載のプロジェクターの制御方法。
【0106】
これにより、第1処理と第2処理のいずれか一方を適正に選択できる。
【0107】
(付記8)
前記第1処理と前記第2処理とのいずれか一方を選択することは、前記第1プロジェクターの投射が停止したときの前記投射面の周辺の明るさが第2閾値未満の場合に、前記第1処理を選択することと、前記第1プロジェクターの投射が停止したときの前記投射面の周辺の明るさが第2閾値以上の場合に、前記第2処理を選択することと、を含む、付記1から付記6のいずれか1つに記載のプロジェクターの制御方法。
【0108】
これにより、第1処理と第2処理のいずれか一方を適正に選択できる。
【0109】
(付記9)
第1プロジェクターと、1台以上のプロジェクターを含む第1プロジェクター群と、が投射面の第1領域に画像光を投射することと、2台以上のプロジェクターを含む第2プロジェクター群が前記投射面の第2領域に画像光を投射することと、によって、前記第1領域及び前記第2領域にタイリング投射することと、前記第1プロジェクターの投射が停止した場合に、入力画像の輝度変化量、及び前記投射面の周辺の明るさの少なくとも一方に基づいて、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを、第1期間において複数回で調整する第1処理と、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを前記第1期間よりも短い第2期間において1回で調整する第2処理と、のいずれか一方を選択することと、前記第1プロジェクター群の画像光が投射された前記第1領域の明るさが、前記第2プロジェクター群の画像光が投射された前記第2領域の明るさと一致するように、前記第1プロジェクター群の光源の出力を調整する第1調整量を決定することと、前記第1処理が選択された場合に、前記第1調整量よりも小さい第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第1調整処理を行うことと、前記第1調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することの後に、前記第1調整量と前記第2調整量との差以下である第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第2調整処理を行うことと、第2調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、をプロジェクターのプロセッサーに実行させる、プログラム。
【0110】
これにより、付記9に記載のプログラムは、付記1に記載のプロジェクターの制御方法と同様の効果を奏する。
【0111】
(付記10)
プロジェクターであって、光源と、メモリーと、少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、第1プロジェクターと、1台以上のプロジェクターを含む第1プロジェクター群と、が投射面の第1領域に画像光を投射することと、2台以上のプロジェクターを含む第2プロジェクター群が前記投射面の第2領域に画像光を投射することとによって、前記第1領域及び前記第2領域にタイリング投射することと、前記第1プロジェクターの投射が停止した場合に、入力画像の輝度変化量、及び前記投射面の周辺の明るさの少なくとも一方に基づいて、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを、第1期間において複数回で調整する第1処理と、前記第1プロジェクター群の光源の明るさを前記第1期間よりも短い第2期間において1回で調整する第2処理と、のいずれか一方を選択することと、前記第1プロジェクター群の画像光が投射された前記第1領域の明るさが、前記第2プロジェクター群の画像光が投射された前記第2領域の明るさと一致するように、前記第1プロジェクター群の光源の出力を調整する第1調整量を決定することと、前記第1処理が選択された場合に、前記第1調整量よりも小さい第2調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第1調整処理を行うことと、前記第1調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することの後に、前記第1調整量と前記第2調整量との差以下である第3調整量を前記第1プロジェクター群に適用する第2調整処理を行うことと、前記第2調整処理を行った後に、前記第1プロジェクター群が画像光を投射することと、を実行し、前記プロジェクターは、第1プロジェクター群および第2プロジェクター群のいずれかに含まれる、プロジェクター。
【0112】
これにより、付記10に記載のプロジェクターは、付記1に記載のプロジェクターの制御方法と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0113】
1…画像投射システム、100…プロジェクター、100A…第1プロジェクター、100B…第2プロジェクター(第1プロジェクター群)、100C…第3プロジェクター(第2プロジェクター群の一部)、100D…第4プロジェクター(プロジェクター、第2プロジェクター群の一部)、111…光源部、111A…固体光源(光源)、115…液晶パネル、141…第1通信インターフェース、150…第1制御部、150A…第1プロセッサー、150B…第1メモリー、151…投射指示部、152…停止検出部、153…選択部、154…決定部、155…第1処理部、156…第2処理部、157…画像記憶部、170…照度センサー、200…画像供給装置、AD1…第1調整量、AD2…第2調整量、AD3…第3調整量、AD4…第4調整量、AD5…第5調整量、AD6…第6調整量、AR1…第1領域、AR2…第2領域、AR3…第3領域、BRA…第1照度、BRB…第2照度、BRC…第3照度、BRD…第4照度、BRS…周辺の明るさ、FR1…第1フレーム、FR2…第2フレーム、GA…第1プロジェクター群、GB…第2プロジェクター群、PE1…第1期間、PE2…第2期間、PGM1…第1制御プログラム(プログラム)、PR1…第1処理、PR11…第1調整処理、PR12…第2調整処理、PR2…第2処理、SC…スクリーン(投射面)、T1…第1時点、T2…第2時点、TH1…第1閾値、TH2…第2閾値、V1、V2…平均画素値、ΔBR…輝度変化量。