(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024067495
(43)【公開日】2024-05-17
(54)【発明の名称】食品
(51)【国際特許分類】
A23L 35/00 20160101AFI20240510BHJP
A23K 50/48 20160101ALI20240510BHJP
A23K 10/30 20160101ALI20240510BHJP
A23K 20/22 20160101ALI20240510BHJP
【FI】
A23L35/00
A23K50/48
A23K10/30
A23K20/22
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177626
(22)【出願日】2022-11-04
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】522433111
【氏名又は名称】山口 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】山口 崇
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
4B036
【Fターム(参考)】
2B005AA04
2B150AA06
2B150AB03
2B150AB10
2B150AE02
2B150AE12
2B150AE17
2B150AE26
2B150CE01
2B150CE21
2B150DH02
4B036LE08
4B036LH01
4B036LH22
4B036LH29
4B036LH37
4B036LH38
4B036LH39
4B036LH41
4B036LP18
4B036LP19
(57)【要約】
【課題】人間、及び人間以外の特定の動物が同じ食品を食べる場合に好適な食品を提供する。
【解決手段】食品(商品1)は、人間、及び人間以外の特定の動物(小型成犬5)の両方で食用にすることが可能な食品において、前記特定の動物に必要な栄養素を全て含んでいる。食品(商品1)は、塩分量が前記特定の動物の許容範囲内に収められているとともに、塩味が人間に対しておいしいと感じるように整えられている。前記特定の動物は、犬(小型成犬5)である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間、及び人間以外の特定の動物の両方で食用にすることが可能な食品において、
前記特定の動物に必要な栄養素を全て含んでいることを特徴とする食品。
【請求項2】
塩分量が前記特定の動物の許容範囲内に収められているとともに、塩味が人間に対しておいしいと感じるように整えられていることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項3】
前記特定の動物は、犬または猫であることを特徴とする請求項1または2に記載の食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人間、及び人間以外の特定の動物の両方で食べることが可能な食品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に市販されているペットフードは、含有される水含有量によっていくつかのタイプに分類できる。すなわち、水含有量が約10%以下のドライタイプ、水含有量が約20~40%のソフトドライタイプ及びセミモイストタイプ、及び、水含有量が約70%以上のウエットタイプ(例えば、缶詰類)である。この中でも、ドライタイプ、ソフトドライタイプ、セミモイストタイプのペットフードは、栄養バランスが調整しやすく、大量生産可能で、生産・流通コストも低いことから、ペットフードの主流となっている。
【0003】
このようなペットフードの一例として、特許文献1には、鹿骨スープを利用した植物性ドッグフードが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、人間とペットが屋内で一緒に生活する家庭が増えてきており、人間とペットが一緒に同じ食品を食べられるようにする需要が高まってきている。しかしながらペットフードは、人間の食品衛生基準を満たしておらず、一方、人間が食べる食品は、栄養バランスや成分(例えば、塩分濃度、犬や猫に対して毒性を発揮する玉葱等)がペットに適しておらず、問題が多かった。
【0006】
本発明は、人間、及び人間以外の特定の動物が同じ食品を食べる場合に好適な食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点における食品は、人間、及び人間以外の特定の動物の両方で食用にすることが可能な食品において、前記特定の動物に必要な栄養素を全て含んでいる。
食品には、オートミール、肉、野菜、食品添加物等が用いられる。
【0008】
好適には、食品は、塩分の含有率を前記特定の動物の食用に合わせた第1の食材と、塩分の含有率を前記第1の食材より高くした第2の食材とを別々に包装したことを特徴とする。
また、食品は、前記特定の動物が犬または猫であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明における食品によって、人間、及び人間以外の特定の動物が同じ食品を食べる場合に好適な食品を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る食品を用いた商品を示す説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る食品を収容する包装袋を示す裏面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る食品を用いた商品の使用方法を示す第1の説明図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る食品を用いた商品の使用方法を示す第2の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る食品を用いた商品を示す説明図である。
図2は、本発明の実施形態に係る食品を収容する包装袋を示す裏面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る食品を用いた商品の使用方法を示す第1の説明図である。
図4は、本発明の実施形態に係る食品を用いた商品の使用方法を示す第2の説明図である。
【0012】
<食品を用いた商品の構成>
図1において、商品1は、人間、及び小型成犬の両方で食用にすることが可能な食品であり、レトルト透明袋21に収納された第1の食品であるオートミール11と、レトルト透明袋22に収納された第2の食品である主菜12と、レトルト透明袋23に収納された第3の食品である卵13と、説明書14と、これらを収納する包装袋2とから構成される。
【0013】
オートミール11は、オーツ麦100%を原材料とし、脱穀したオーツ麦を蒸してローラーで延ばし、フレーク状に粉砕してメッシュ4(メッシュの規格)をパスさせたものである。オートミール11は、レトルト透明袋21に収納されている。
【0014】
主菜12は、鶏むね肉、人参、小松菜、イワシ粉末、チーズ等の食材を1cm以下のみじん切りにして加熱調理するとともに、サプリメントとしての栄養素を添加したものである。
【0015】
主菜12に添加する栄養素としては、前述した鶏むね肉、人参、小松菜、イワシ粉末、チーズ等の食材とオートミール11と卵13との組み合わせで不足する犬に必要な栄養素を全て含むとともに、人間の保健機能食品として機能するためのカルシウム、鉄、ビタミンB2等の栄養素を含んでいる。
主菜12は、レトルト透明袋22に収納され、加熱殺菌されている。
【0016】
卵13は、地養卵と呼ばれる特殊卵を「冷凍」にしたものを冷蔵解凍して、加熱調理し、そぼろ状にしたものである。この場合、例えば、商品1の製造会社とは別の製造会社が卵を溶いたものを牛乳パックのような容器に詰めて冷凍化された商品として商品1の製造会社に納品する。この冷凍化された商品が、卵13に調理加工される。
【0017】
尚、冷凍卵は、必須条件として24時間冷蔵解凍し、その後、お湯に解凍した卵を混ぜ合わせて、固体化する。但し、解凍した卵を、そのままお湯に入れても、卵が塊でしか固形化されない。従って、1マス1mm程度の油こしのようなザルを通して解凍した卵をお湯に投入する。その際、お湯をかき混ぜながら卵を投入する必要がある。
卵13は、レトルト透明袋23に収納され、加熱殺菌されている。
【0018】
そして、オートミール11、主菜12、及び卵13の組み合わせは、犬に必要な栄養素を全て添加することで、小型成犬向けのAAFCO2016栄養基準をクリアしている。
【0019】
説明書14には、商品1の商品名、後述する使用(調理)方法、成分、メーカーのアッピール、商品1の特徴等が印刷されている。
【0020】
<包装袋2の詳細説明>
包装袋2は、レトルト透明袋21に収納されたオートミール11と、レトルト透明袋22に収納された主菜12と、レトルト透明袋23に収納された卵13と、説明書14とを収納する袋体31として透明のビニール袋を用いている。袋体31には、「ノッチ」と呼ばれる切り口があり、手でそのまま封を切ることができる。袋体31は、切り口の封を切ることにより形成させる開口部から前述した収納物を取り出せるようになっている。
【0021】
図2に示すように、袋体31の裏面には、商品1の商品名、成分等を記載したメイン表示部32、成分の割合を表示したサブ表示部33、メーカーのアッピール等を表示したアッピール表示部34、商品1の特徴を示す特徴表示部35等が印刷されている。
【0022】
特徴表示部35には、「AAFCO2016栄養基準クリア(小型成犬向け)」、「塩分調整済み」、「人にとっては、保健機能食品です。」、「栄養機能表示」等の文字が表示され、成分による効能の欄36も表示されている。
【0023】
<食品を用いた商品の使用方法>
商品1をドッグフードとして用いる場合、ユーザは、包装袋2の「ノッチ」と呼ばれる切り口に対して、手でそのまま封を切ることで、開口部を形成し、レトルト透明袋21に収納されたオートミール11と、レトルト透明袋22に収納された主菜12と、レトルト透明袋23に収納された卵13と、説明書14とを取り出す。
【0024】
ユーザは、説明書14を読み、オートミール11をトルト透明袋21から取り出してペットフードボール4(
図3参照)に盛り、オートミール11にお湯をかけてふやかす。
【0025】
尚、オートミールは、乾燥したものが封入されているので、人間用にしても、犬用でも、お湯を入れて、オートミールをふやかす必要がある。基本的には、140ccの水、もしくはお湯につければ、1~3分くらいで水分をオートミールが吸収し、柔らかくなる。
【0026】
犬に与える場合は、140ccの水もしくはお湯でよいが、人間が雑炊として食べる場合は、300~350cc以上のお湯を入れないと、水分たっぷりの雑炊らしさが損なわれます。
【0027】
犬に関しては、水分よりも固形分を多くした方が食べやすく、おじやのような状態にした方が食べやすいので、140ccの湯量設定にしている。
【0028】
次に、主菜12をトルト透明袋22から取り出してお湯に浸されたオートミール11の上に盛り、さらに卵13をレトルト透明袋23から取り出して主菜12の上に盛る。これにより、
図3に示す麦雑炊3が完成する。
【0029】
この後、
図4に示すように、麦雑炊3が盛られたペットフードボール4を、ペットの小型成犬5の前に置くことで、小型成犬5が麦雑炊3を食べる。
【0030】
麦雑炊3は、オートミール11と主菜12と卵13の組み合わせにより、塩分量がAAFCO2016栄養基準(小型成犬向け)に基づく許容範囲内に収められているとともに、塩味が人間に対して「おいしい」と感じるように整えられている。
【0031】
商品1を人間の食事として用いる場合、ユーザは、包装袋2の「ノッチ」と呼ばれる切り口に対して、手でそのまま封を切ることで、開口部を形成し、レトルト透明袋21に収納されたオートミール11と、レトルト透明袋22に収納された主菜12と、レトルト透明袋23に収納された卵13と、説明書14を取り出す。
【0032】
ユーザは、説明書14を読み、オートミール11をトルト透明袋21から取り出して人間用のお椀に盛り、オートミール11にお湯をかけてふやかす。
【0033】
次に、主菜12をトルト透明袋22から取り出してお湯に浸されたオートミール11の上に盛り、さらに卵13をレトルト透明袋23から取り出して主菜12の上に盛る。これにより、人間用の麦雑炊が完成する。
人間用の麦雑炊も、塩分量がAAFCO2016栄養基準(小型成犬向け)に基づく許容範囲内に収められているとともに、塩味が人間に対して「おいしい」と感じるように整えられている。
【0034】
<実施形態の構成及び効果>
このような実施形態の構成及び効果を纏めて説明すると、食品(商品1)は、人間、及び人間以外の特定の動物(小型成犬5)の両方で食用にすることが可能な食品において、前記特定の動物に必要な栄養素を全て含んでいる。
【0035】
食品(商品1)は、塩分量が前記特定の動物の許容範囲内に収められているとともに、塩味が人間に対しておいしいと感じるように整えられている
前記特定の動物は、犬(小型成犬5)である。
【0036】
このような構成を有することから、本実施形態の食品(商品1)は、人間、及び人間以外の特定の動物の両方で食用にすることが可能であるとともに、前記特定の動物に必要な栄養素を全て含んでいるので、人間、及び人間以外の特定の動物が同じ食品を食べる場合に好適な食品を提供することができる。
【0037】
また、本実施形態の食品(商品1)は、塩分量が前記特定の動物の許容範囲内に収められているとともに、塩味が人間に対しておいしいと感じるように整えられているので、人間に好適な食品を提供できる。
【0038】
さらに、本実施形態の食品(商品1)は、主菜12と卵13を別のレトルト透明袋に収納することで、保存中に主菜12の色が卵13に移るのを防止するとともに、調理工程を考慮して、卵とオートミールを別にしている。
【0039】
さらに、本実施形態の食品(商品1)は、卵13を使用することで、見た目の印象を高めることができる。
【0040】
さらに、本実施形態の食品(商品1)は、人間の保健機能食品として機能するためのカルシウム、鉄、ビタミンB2等の栄養素を含んでいるので、人間の健康志向に応えることもできる。
【0041】
さらに、本実施形態の食品(商品1)は、袋体31の裏面の成分による効能の欄36により、販売効果を高めることができる。
【0042】
尚、
図1乃至
図4に示した実施形態では、本発明の特定の動物として、小型成犬5の犬に適用したが、食材や食品添加物の成分や量を変更することで、小型成犬以外の犬に適用することも可能である。例えば、食材や食品添加物の成分を変更することで、大型幼犬、小型幼犬に対応できる。当該商品を給餌する場合、その量目を増やすことで、大型成犬に対応できる。さらに、犬以外の特定の動物、例えば猫等に適用することも可能である。
【0043】
図1乃至
図4に示した実施形態では、第1の食材(オートミール11、主菜12、及び卵13)が人にも犬にも最適解の塩分値にて調整済みであるが、人によっては、塩分値の濃いものを好む場合もあるので、塩分値の高い第2の食材を添付することも可能である。
【0044】
本発明の、構造、システム、材料、各部材の連結、科学物質、等は、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更可能である。
【0045】
食材も、人間、及び人間以外の特定の動物(小型成犬5)の両方で食用にすることが可能であれば、自由に選択することが可能である。
【0046】
例えば、2つ以上の部材を1つにすることも可能であるし、逆に、1つの部材を2つ以上の別の部材から構成して接続することも可能である。
【0047】
また、上記実施形態は、あくまでも、現在のところの最良の形態またはそれに近い形態の1つにすぎない。
【0048】
<定義等>
本発明における人間以外の特定の動物は、人間と食品を共用できればどのようなものであってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 :商品
2 :包装袋
3 :麦雑炊
4 :ペットフードボール
5 :小型成犬
11 :オートミール
12 :主菜
13 :卵
14 :説明書
21 :レトルト透明袋
22 :レトルト透明袋
23 :レトルト透明袋
31 :袋体
32 :メイン表示部
33 :サブ表示部
34 :アッピール表示部
35 :特徴表示部
36 :効能の欄